JP2009302432A - 導電性部材の製造方法 - Google Patents

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秀史 小坪
Tatsuya Funaki
竜也 船木
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芳典 岩淵
Hideaki Takenouchi
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Abstract

【課題】高精度の導電性パターンを簡易な方法で製造することができる導電性部材の製造方法を提供する。
【解決手段】導電性高分子を含む溶液を透明基材110上にパターン状に印刷することにより、前記透明基材110上に導電性パターン層120を形成する工程を有することを特徴とする導電性部材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓に用いられ得る光透過性電磁波シールド材などに好適に用いられる導電性部材の製造方法に関する。
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波によりもたらされる人体への影響が懸念されている。また、携帯電話等の電磁波により精密機器の誤作動などを起こす場合もあり、電磁波は問題視されている。
そこで、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性および光透過性を有する光透過性電磁波シールド材が開発され、実用に供されている。このような光透過性電磁波シールド材はまた、電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
この光透過性電磁波シールド材では、光透過性と電磁波シールド性を両立することが必要である。そのために、光透過性電磁波シールド材としては、例えば、(1)透明基材の一方の面に、金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュからなる電磁波シールド層が設けられた導電性部材が使用される。この導電性のメッシュ部分によって電磁波がシールドされ、開口部によって光の透過が確保される。
この他にも、光透過性電磁波シールド材として好適に使用される導電性部材には種々のものが提案されている。例えば、(2)透明基材上に金属銀を含む透明導電薄膜が設けられたもの、(3)透明基材上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、(4)透明基材上に導電性粉末を含む導電性インクをメッシュ状に印刷したもの等が一般的に知られている。
このような導電性部材において、優れた光透過性と電磁波シールド性を両立させるには、メッシュ状の透明導電層を用い、極めて線幅を細くし、非常に微細なパターンとする必要がある。しかしながら、前記した従来の導電性部材では、光透過性と電磁波シールド性を十分に両立させるのが困難であった。すなわち、(1)の導電性部材では、細線化に限界があり、微細なメッシュパターンを得るのが困難なうえ、目ずれや目曲がりなどの繊維の配列が乱れる問題がある。(2)の導電性部材の場合、電磁波シールド性が十分ではなく、金属特有の反射光沢が強いなどの問題がある。(3)の導電性部材では、製造工程が長く、コストが高くなるなどの問題がある。また、(4)の導電性部材では、十分な電磁波シールド性を得ることが困難であり、電磁波シールド性を向上させるためにパターンを厚くして導電性粉末の量を多くすると、光透過性が低下するなどの問題を有している。
一方、前記(4)の導電性部材の製造は、例えば、金属粉末又はカーボン粉末などの導電性粉末と、樹脂とを含む導電性インクを用い、透明基材上に凹版オフセット印刷法により導電性パターンを形成する方法を用いて行われる。したがって、前記(4)の導電性部材では、エッチング加工などを必要とせず、簡易な方法かつ低コストで製造できるという利点を有している。
そこで、前記(4)の技術を改良したものとして、特許文献1および2では、導電性インクを凹版オフセット印刷法により透明基材上に導電性パターンを形成した後、さらに電磁波シールド性を向上させるために、無電解めっきまたは電解めっきなどにより、前記導電性パターン上に金属層を選択的に形成する方法が開示されている。
特許第3017987号明細書 特許第3532146号明細書
しかしながら、上述した従来の方法による導電性部材では、導電性インクまたはペーストを精度よく印刷して微細な導電性パターンを形成するのが困難であることから、光透過性と電磁波シールド性との両立に依然として改善の余地を残している。さらに、この導電性部材では、印刷による特有の問題であるスジやカブリが形成され、電子ディスプレイの外観性の低下だけでなく、視認性の低下をも招く問題があった。
したがって、本発明の目的は、高精度の導電性パターンを簡易な方法で製造することができる導電性部材の製造方法を提供することである。
上述した問題は、従来の方法に用いられる導電性インクまたはペーストでは、導電性粉末や触媒担持体の存在によって生じると考えられる。すなわち、これらの導電性粉末や触媒担持体は、接触抵抗を低くして均一な厚さを有する層を形成するために微細な粒子径を有する粉末が用いられるが、一方でこれらの粉末は凝集を招き易い。したがって、導電性インクにおいて、これらの粒子が凝集することによって、上述した問題が生じると考えられる。
したがって、本発明者等は、前記問題に着目して種々の検討を行った結果、導電性高分子を含む溶液を用いて導電性パターンを形成することにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、導電性高分子を含む溶液を透明基材上にパターン状に印刷することにより、前記透明基材上に導電性パターン層を形成する工程を有することを特徴とする導電性部材の製造方法により前記課題を解決する。
さらに、本発明は、透明基材上に溶剤に対して可溶な材料を含む印刷インクをパターン状に印刷して、除去用パターン層を形成する工程、
前記除去用パターン層を有する透明基材上に、導電性高分子を含む溶液を塗布及び乾燥させることにより、導電性高分子層を形成する工程、及び
前記溶剤により前記除去用パターン層及び前記除去用パターン層上の導電性高分子層を除去することにより、導電性パターン層を形成する工程、
を含む導電性部材の製造方法により上記課題を解決する。
本発明の方法によれば、導電性高分子を含む溶液を用いることで、スジやカブリの発生もない微細なパターンを有する導電性パターン層を透明基材上に形成することが可能となる。ゆえに本発明の方法により製造された導電性部材は、光透過性、電磁波シールド性、外観性、及び視認性に優れる光透過性電磁波シールド材を提供することが可能となる。
(第1の方法)
本発明の第1の製造方法を説明するため、各工程の概略断面図の一例を図1に示す。
本発明の方法では、導電性高分子を含む溶液を透明基材110上にパターン状に印刷することにより、前記透明基材110上に導電性パターン層120を形成する工程を実施する(図1の矢印A)。このように、導電性粉末などの粒子を含まない導電性高分子溶液を用いることにより、微細なパターンを有する導電性パターン層120を精度よく形成することが可能となる。さらに、このようにして得られた導電性パターン層120は、粒子が存在しないために表面が平滑であることから、透明基材や他の層との密着性に優れるだけでなく、導電性粉末の接触などを考慮することなく高く且つ安定した導電性を有する。
また、本発明の方法では、必要に応じて電気めっき処理を行って、導電性パターン層120上にさらに金属導電層130を形成してもよい(図1の矢印B)。これにより、導電性パターン層120上に微細な金属粒子が濃密で実質的な連続皮膜として沈積形成され、微細なパターンを有する金属導電層130を得ることが可能となる。
このように、本発明によれば、簡易な方法によって、微細なパターンを有する導電性パターン層を形成することができ、光透過性および導電性の双方に優れる導電性部材を提供することが可能となる。さらに、粒子に基づくスジやカブリの発生もなく、外観性および視認性にも優れる導電性部材を提供することが可能となる。
以下に、本発明の導電性部材の製造方法について、順を追ってより詳細に説明する。
透明基材上に印刷する導電性高分子溶液は、少なくとも導電性高分子を含む。導電性高分子として具体的には、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリシラン、ポリフルオレン、及びポリフェニレンビニレンが好ましく挙げられる。これらは一種単独で用いられてもよく、必要に応じて二種以上を併用してもよい。なかでも、ポリチオフェン、ポリアニリンを使用するのが好ましく、ポリチオフェンを使用するのが特に好ましい。これらの導電性高分子であれば、微細なパターンを有し、優れた導電性を有する導電性パターン層を形成することが可能となる。
ポリチオフェンは、下記一般式(1)
Figure 2009302432
(式中、R1及びR2は、相互に独立して水素原子若しくはC1〜C4アルキル基を表し、又はR1及びR2が共になって置換されていてもよいC1〜C4アルキレン基を表し、nは50〜1000の整数を表す)で示される繰り返し単位を有するのが好ましい。
一般式(1)において、R1及びR2が共になって形成する置換基を有していてもよいC1〜C4アルキレン基として、具体的には、アルキル基で置換されたメチレン基、任意にC1〜C12アルキル基またはフェニル基で置換されたエチレン−1,2基、プロピレン−1,3基またはシクロヘキシレン−1,2基を形成する基などが挙げられる。
一般式(1)におけるR1及びR2として、好ましくはメチル基またはエチル基であるか、R1及びR2が共になって形成するメチレン基、エチレン−1,2基またはプロピレン−1,3基である。
ポリチオフェンとして、特に好ましくは、下記一般式(2)
Figure 2009302432
(式中、pは50〜1000の整数を表す)で示される繰り返し単位を有する。
導電性高分子溶液における導電性高分子の含有量は、導電性高分子溶液の全量に対して2〜20質量%、特に5〜10質量%であるのが好ましい。これにより、導電性高分子溶液を精度よく印刷することができる。
導電性高分子溶液は、上述した導電性高分子の他に、さらにドーパント(電子供与剤)を含有するのが好ましい。ドーパントとして具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリスチレンスルホン酸、及びポリビニルスルホン酸が好ましく挙げられる。これらは、導電性高分子溶液における溶解性又は分散性に優れる、さらに導電性パターン層の導電性を向上させることが可能となる。なかでも、ポリスチレンスルホン酸が好ましい。なお、ドーパントは、一種単独で用いられてもよく、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
ドーパントの数平均分子量Mnは、1,000〜2,000,000、特に2,000〜500,000であるのが好ましい。
導電性高分子溶液におけるドーパントの含有量は、導電性高分子100質量部に対して、1〜100質量部、特に5〜50質量部とするのが好ましい。
導電性高分子溶液に用いられる溶剤としては、水、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好ましく挙げられる。
本発明の方法では、上述した導電性高分子溶液を、透明基材上に所定のパターン状に印刷することにより、透明基材上に導電性パターン層を形成する。これにより、簡易な方法で所望する微細なパターンを有する前処理層を形成することができる。
前記導電性高分子溶液を透明基材に印刷するには、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、静電印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、凸版反転オフセット印刷などの印刷方法を用いることができる。特に、細線化のためにはグラビア印刷が好適である。グラビア印刷を用いる場合、印刷速度は5〜50m/分とするのがよい。
また、導電性高分子溶液を転写方式によって印刷してもよい。転写方式の場合は、例えば、前記透明基材とは別の任意の転写用基材シートに、導電性高分子溶液を前記と同様の印刷方法等によって印刷し、熱ラミネート法、ドライラミネート法、またはウェットラミネート法、押出ラミネート法等により、前記透明基材と貼り合わせた後に、前記転写用基材シートのみを剥離して、導電性高分子溶液を透明基材上に転写する方法などを用いることができる。
導電性高分子インクを印刷する際にパターンの形状には特に制限はないが、ストライプ状、メッシュパターン状であるのが好ましい。これらのパターンを有する導電性パターン層は、パターン形成部分により導電性を確保でき、開口部によって光の透過を確保できるため好ましい。導電性パターン層に高い光透過性および導電性を付与する観点からは、導電性パターン層における開口部は等間隔で規則的に配列されているのが望ましい。
メッシュパターンとしては、例えば四角形の孔が形成された格子状や、円形、六角形、三角形又は楕円形の孔が形成されたパンチングメタル状などが挙げられる。また、孔は規則的に並んだものに限らず、ランダムパターンとしても良い。
また、高い光透過性を有する導電性パターン層を形成するには、メッシュパターン状の導電性パターン層における開口部の形状が角形状、特に正方形または長方形とし、開口率を高くするのが望ましい。したがって、前記導電性パターン層における開口部の大きさは、微小であるのが好ましい。開口部121の形状が正方形である導電性パターン層120のパターンの一例を図2に示す。
例えば、メッシュパターン状の導電性パターン層において、線幅(W1)1〜40μm、開口率50〜95%、好ましくは線幅(W1)5〜30μm、開口率60〜95%とするのがよい。なお、導電性パターン層の開口率とは、当該導電性パターン層(外枠がある場合はそれを除いた領域)の投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。また、メッシュパターン状の導電性パターン層において、線間隔(W2)は、50〜1000μm、好ましくは100〜400μmとするのがよい。このように本発明によれば、微細なバターンを有する導電性パターン層を精度よく形成することができる。
導電性パターン層は、透明基材上の中央部では上述したメッシュ状のパターンを有し、前記透明基材上の中央部を除く周縁部に開口部がない額縁状のパターンを有するものであってもよい。額縁状のパターンを有する部位がメッシュ状のパターンを有する部位を保護することができる。
導電性高分子溶液は、印刷した後、好ましくは80〜160℃、より好ましくは90〜130℃で加熱することにより乾燥させるのがよい。乾燥温度が80℃未満では溶媒の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られない恐れがあり、160℃を超えると導電性高分子の熱分解が生じる恐れがある。塗布後に熱乾燥させる場合の乾燥時間は5秒〜5分が好ましい。
導電性パターン層の厚さは、得られる導電性部材の用途に合わせて決定することができる。例えば、導電性部材が光透過性電磁波シールド材として用いられる場合には、導電性パターン層の厚さを、0.1〜10μm、特に0.1〜5.0μmとするのが好ましい。これにより、優れた導電性を確保することが可能となる。
本発明の方法において、導電性高分子溶液を塗布する透明基材としては、透明性および可とう性を備え、その後の処理に耐えるものであれば特に制限はない。透明基材の材質としては、例えば、ガラス、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる、これらの中で、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、透明性の高い材料であるPET、PC、PMMAが好ましい。また、透明基材は、これらの材質からなるシート、フィルム、または板として用いられる。
透明基材の厚みは特に限定されないが、通常は、使用時の形態や必要とされる機械的強度に応じて、0.05〜5mmの範囲内で適宜設定される。
本発明の方法により得られる導電性部材が電磁波シールド材等として用いられる場合、本発明の方法では、透明基材上に形成された導電性パターン上に、さらに電気めっき処理することにより、金属導電層を形成する工程を実施してもよい。これにより、導電性をさらに向上させることができる。
電気めっきにおけるめっき金属は、導電性を有してメッキ可能である金属であれば使用することができ、金属単体、合金、導電性金属酸化物等であってもよく、均一な金属薄膜又は一様に塗布された微細な微粒子等からなるものであってもよい。
めっき金属として、具体的には、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、白金、銅、チタン、コバルト、鉛等を用いることができる。特に、高い導電性を有し、さらに導電性パターン層との密着性に優れる金属導電層が得られることから、好ましくは、銀、銅又はアルミニウムが好ましく用いられる。
電気めっきは、特に制限されず、常法に従って行えばよい。例えば、導電性パターン層が形成された透明基材をめっき液に浸漬させ、前記透明基材を陰極とし、単体のめっき金属を陽極とし、めっき液に電流をかけて行えばよい。めっき液の組成は、特に制限されない。例えば、Cuからなる金属導電層を形成する場合には、硫酸銅水溶液などが用いられる。
金属導電層において、線幅(W1)1〜40μm、開口率50〜95%、好ましくは線幅(W1)5〜30μm、開口率60〜95%とするのがよい。なお、金属導電層の開口率とは、当該金属導電層(外枠がある場合はそれを除いた領域)の投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。また、金属導電層において、線間隔(W2)は、50〜1000μm、好ましくは100〜400μmとするのがよい。金属導電層の厚さは、1〜200μm、好ましくは2〜10μm程度とするのがよい。
本発明の方法により得られる導電性部材が電磁波シールド材等として用いられる場合、本発明の方法では、導電性パターン層及び/又は金属導電層を黒化処理し、導電性パターン層及び/又は金属導電層の表面の少なくとも一部に黒化処理層を形成する工程をさらに実施してもよい。
前記黒化処理は、導電性パターン層及び/又は金属導電層の表面を粗化及び/又は黒化するものである。導電性パターン層及び/又は金属導電層の金属の酸化処理又は硫化処理によって行うことが好ましい。特に酸化処理は、より優れた防眩効果を得ることができ、さらに廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
前記黒化処理として酸化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましい。
前記黒化処理として硫化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが可能であり、好ましくは、硫化カリウム及び硫化アンモニウムであり、特に低温で使用可能である点から、硫化アンモニウムを使用することが好ましい。
また、黒化処理としては、酸化処理又は硫化処理の他にも、黒色めっきにより行ってもよい。これにより密着性に優れ、十分に黒色化された黒化処理層を形成することができる。
黒色めっきは、電解めっき又は無電解めっきなど従来公知の方法に準じて行えばよい。また、黒色めっきは、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、クロム、およびこれらの合金をめっきすることにより行われる。十分に黒色化するには、ニッケル、亜鉛、およびクロムよりなる群から選択される少なくとも一種の金属を含む合金の黒色めっきにより行われるのが好ましい。
例えば、ニッケルおよび亜鉛の合金からなる黒化処理層を形成するには、硫酸ニッケル50〜150g/L、硫酸ニッケルアンモン10〜50g/L、硫酸亜鉛20〜50g/L、チオシアン酸ナトリウム10〜30g/L及びナトリウムサッカリン0.05〜3g/Lを含有するめっき浴を用いることができる。その後、常法に従って電解めっきなどにより黒色めっきを行えばよい。
黒化処理層の厚さは、特に制限されないが、0.01〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μmとするのがよい。前記厚さが、0.01μm未満であると、光の防眩効果が充分でない恐れがあり、1μmを超えると、斜視した際の見かけ上の開口率が低下する恐れがある。
(第2の方法)
導電性高分子を含む溶液を用いて透明基材上に導電性パターン層を形成する方法としては、上記方法に制限されず、下記する方法を用いることもできる。
以下に、本発明の第2の製造方法を説明するため、各工程の概略断面図の一例を図3に示す。
本発明の第2の方法では、透明基材110上に溶剤に対して可溶な材料を含む印刷インクをパターン状に印刷して、除去用パターン層140を形成する工程を実施する(図3の矢印A)。このとき、除去用パターン層は、透明基材上の導電性パターン層を設けない部分に形成される。次に、前記除去用パターン層140を有する透明基材110上に、導電性高分子を含む溶液を塗布及び乾燥させることにより、導電性高分子層120aを形成する工程を実施する(図3の矢印B)。前記工程では、除去用パターン層140の上及び除去用パターン層140の間に露出している透明基材110上の全てを覆うように導電性高分子を含む溶液を塗布する。そして、水などの溶剤により、前記除去用パターン層140及び前記除去用パターン層140上の導電性高分子層120aを除去することにより、導電性パターン層120を形成する工程を実施する(図3の矢印C)。前記洗浄により、図3に示すように可溶性の除去用パターン層140が溶解し、この除去用パターン層140上の導電性高分子層120aも透明基板110から剥れて除去される。そして、除去用パターン層同士の間の領域に形成された導電性パターン層120が透明基板110上に残る。この導電性パターン層120は、除去用パターン層140間の領域を占めるものであるから、除去用パターン層に対応したパターン形状となる。
このような第2の方法によっても、導電性粉末などの粒子を含まない導電性高分子溶液を用いることにより、微細なパターンを有する導電性パターン層120を精度よく形成することが可能となる。さらに、このようにして得られた導電性パターン層120は、粒子が存在しないために表面が平滑であることから、透明基材や他の層との密着性に優れるだけでなく、導電性粉末の接触などを考慮することなく高く且つ安定した導電性を有する。
また、本発明の方法では、必要に応じて電気めっき処理を行って、導電性パターン層120上にさらに金属導電層130を形成してもよい(図3の矢印D)。これにより、導電性パターン層120上に微細な金属粒子が濃密で実質的な連続皮膜として沈積形成され、微細なパターンを有する金属導電層130を得ることが可能となる。
このように、本発明によれば、簡易な方法によって、微細なパターンを有する導電性パターン層を形成することができ、光透過性および導電性の双方に優れる導電性部材を提供することが可能となる。さらに、粒子に基づくスジやカブリの発生もなく、外観性および視認性にも優れる導電性部材を提供することが可能となる。
以下に、本発明の導電性部材の第2の製造方法について、順を追ってより詳細に説明する。
本発明の方法では、まず、透明基材上に溶剤に対して可溶な材料を含む印刷インクをパターン状に印刷して、除去用パターン層を形成する工程を実施する。このとき、印刷インクを透明基材上の導電性パターン層を形成しない部位に印刷し、除去用パターン層を形成する。
印刷インクの材料は、後の除去に用いる溶剤に応じて選択される。例えば、溶剤として水系溶剤を用いる場合には水溶性物質が用いられ、溶剤として油系溶剤を用いる場合には油溶性物質が用いられる。前記溶剤としては、公知の有機溶媒等も挙げられるが、本発明に用いられる導電性高分子を考慮し、また安価で、環境への影響を考慮すると、水が特に好ましい。水は、通常の水のほか、水に可溶な有機溶剤(例、メタノール、エタノール等のアルコール)、酸、アルカリ又は界面活性剤を含んだ水溶液であってもよい。水とメタノールとの組見合わせが好ましく、その割合は質量比で5:95〜50:50が好ましい。
前記溶剤が水である場合、前記除去用パターン層の形成に使用する材料としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂が好ましく、特に、良好な水溶性を有する点で、ポリビニルアルコールが好ましい。水溶性樹脂の分子量としては、一般に10000〜100000(GPCによる数平均分子量)、特に29000〜40000が好ましい。特に、ポリビニルアルコールを用いる場合、その重合度は一般に300〜1500、特に500〜1000であることが好ましく、また鹸化度は85〜90であることが好ましい。
この除去用パターン層の形成に用いる印刷インクには、所望により、仕上がり状況を確認し易くするために顔料や染料等を混合してもよい。顔料として、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、クレー等を挙げることができるが、硫酸バリウムが好ましい。顔料は樹脂に対して20〜200質量%の範囲、20〜150質量%の範囲が好ましい。
除去用パターン層は、それらの間の透明基板の露出領域が、ストライプ状又はメッシュ状など、所定のパターンを有する導電性パターン層を形成できる形状となるように印刷される。したがって、除去用パターンの形状は、ストライプ状又はドット状に形成されるのが好ましい。ドット状の除去用パターン層が形成された場合、前記除去用パターン層を除去することによりメッシュ状の導電性パターン層を形成することができる。
透明基材上に印刷インクを用いて除去用パターン層を形成する方法としては、線幅が小さくかつ開口率の高い導電性パターン層を形成可能な点で、印刷法が採用される。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、静電印刷等が挙げられ、これらの中でも、より導電性パターンの細線化が可能な点で、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷が特に好ましい。
ドット形状の除去用パターン層の場合、円、楕円、角形(4角形、6角形)など任意であるが、角形とくに正方形であることが好ましい。ドットの印刷厚さは、特に限定されるものではないが、一般には0.1〜5μm程度である。
透明基板上に塗布した印刷インクは、50〜130℃、好ましくは70〜120℃で加熱乾燥させるのが好ましい。乾燥時間は、1〜60分程度であればよい。
本発明の方法では、次に、前記パターン層を有する透明基材上に、導電性高分子を含む溶液を塗布及び乾燥させることにより、導電性高分子層を形成する工程を実施する。
前記工程で用いられる導電性高分子溶液を含む溶液としては、上述した第1の方法で用いられるものと同じものが用いられる。
前記導電性高分子を含む溶液の塗布方法としては、グラビアコート、マイクログラビアコート、ダイコート、リップコート、ロールリバースコート、ワイヤーバーコート、キスコートなどが用いられる。
透明基材上に塗布した導電性高分子を含む溶液を、乾燥させることにより溶剤、特に水に対して不溶な導電性高分子層を形成することが可能となる。具体的には、透明基材上に塗布した導電性高分子を含む溶液を、80〜160℃、特に90〜120℃で加熱乾燥させるのが好ましい。乾燥時間は、1〜60分程度であればよい。
上述の通りにして、導電性高分子層を形成した後、溶剤、好ましくは水を用いて除去用パターン層及び前記パターン層上の導電性高分子層を除去し、必要に応じ乾燥して導電性部材を得る。
前記除去は、例えば、導電性高分子層が形成された透明基材を溶剤中に浸漬させる方法などが用いられる。このとき、必要に応じて、超音波照射やブラシ、スポンジで擦るなどの手段を用いてもよい。この他、導電性高分子層が形成された透明基材に溶剤を吹き付ける方法なども用いられる。
溶剤の温度は、用いる溶剤の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば、溶剤として水を使用する場合、水の温度は、20〜50℃、特に35〜45℃とするのが好ましい。
導電性パターン層のパターンの形状は特に制限されないが、ストライプ状、又はメッシュパターン状であるのが好ましい。具体的なパターンの形状については、上述した第1の方法と同様である。
また、本発明の方法では、上述の通りにして形成された導電性パターン層上に、さらに電解めっき処理、及び黒化処理を行ってもよい。これらの処理、及び本発明の方法に用いられる透明基材については、上述した第1の方法と同様であるため詳細な説明を省略する。
上述した本発明の第1の方法及び第2の方法により製造される導電性部材は、光透過性が要求される用途、例えば電磁波を発生する各種電気機器のLCD、PDP、CRT等のディスプレイ装置のディスプレイ面、又は施設や家屋の透明ガラス面や透明パネル面に好適に適用される。この他にも、タッチパネル、光透過スイッチ、などのパネルスイッチ、ノイズ対策部品、発熱体、有機エレクトロルミネッセンス用電極、バックライト用電極などにも適用できる。なかでも、高い光透過性及び導電性(電磁波シールド性)を有しているので、前述したディスプレイ装置のディスプレイ用フィルタに好適に用いられる光透過性電磁波シールド材として用いられるのが好ましい。
本発明の導電性部材を光透過性電磁波シールド材、特にディスプレイ用フィルタとして使用する場合、導電性部材を、特に制限されないが、ガラス板等の透明基材に接着剤層などを介して貼り合わせる等することにより得られる。このようなディスプレイ用フィルタでは、所定のパターン、特にメッシュパターンを有する導電性パターン層の開口部は、接着剤層により埋められる。
また、導電性部材は、透明基材、導電性パターン層、金属導電層、及び黒化処理層の他、さらに反射防止層、色調補正フィルタ層、近赤外線カット層などを有していてもよい。これらの各層の積層の順序は、目的に応じて決定される。また、導電性部材には、電磁波シールド機能を高めるために、PDP本体のアース電極と接続するための電極を設けてもよい。
また、本願発明の導電性部材は、情報表示用パネルに用いることもできる。情報表示パネルには、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式などがあるが、なかでも電気泳動方式の情報表示パネルが好ましい。情報表示パネルでは、それぞれ導電性パターン層が形成された二枚の基材の基材間に表示媒体が封入された構成を有する。このとき導電性パターン層は基材間の内側又は外側に配置され、電極として作用する。そして、導電性パターン層から表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示することができる。基板間に隔壁により隔離されたセルを形成し、セル内に表示媒体を封入してもよい。
このような情報表示パネルにおいて、導電性パターン層が形成された二枚の基材のうちの少なくとも一方に、本願発明の導電性部材を用いることができる。なお、情報表示用パネルの具体的な構成は、特開2007−11227号公報などに記載されている。
情報表示用パネルでは、鮮明な画像を得るために、電極として用いられる導電性パターン層が透明であることが望ましい。本願発明の導電性部材では、導電性パターン層が、導電性粉末などの粒子を含まないため、優れた透明性を有する。さらに、導電性パターン層が微細なパターンを有することにより、非常に精細な画像を安定して表示することが可能となる。したがって、本願発明の導電性部材は、情報表示用パネルに好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により説明する。本発明は、以下の実施例により制限されるものではない。
(実施例1)
1.導電性パターン層の作製
導電性高分子としてポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン、及びドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を含有する導電性高分子溶液(Agfa−Gevaert社製、Orgacon(登録商標)P3040)を、PETフィルム(厚さ100μm)上にメッシュ状にグラビア印刷した後、120℃、5分間乾燥させた。これにより、PETフィルム上にメッシュパターン状の導電性パターン層を形成した。なお、導電性パターン層は、線幅を20μm、ピッチ(線間隔)を254μm、厚さを0.5μmとした。
2.金属導電層の作製
導電性パターン層が形成されたPETフィルムを、25℃の硫酸銅めっき液に浸漬し、2A/dm2の電流で5分間、電解銅めっき処理し、導電性パターン層上に金属導電層を形成した。前記金属導電層において、線幅を24μm、ピッチ(線間隔)を254μm、厚さを2μmとした。
3.金属導電層の黒化処理
さらに、金属導電層が形成されたPETフィルムに対して、下記の黒化処理を行った。
黒化処理液組成(水溶液)
亜塩素酸ナトリウム: 10質量%
水酸化ナトリウム: 4質量%
黒化処理条件
浴温: 約60℃
時間: 5分間
この黒化処理により、金属導電層の表面が黒化処理された導電性部材を得た。得られた金属導電層の表面の黒化処理された厚みは、平均0.5μmであった。
(実施例2)
1.除去用パターン層の作製
PETフィルム(厚さ100μm)上に、下記組成の水溶性インク(大日本インキ化学工業株式会社製 MCA2055)をグラビア印刷により印刷速度10m/分でドット状に印刷し、100℃で5分間乾燥させた。開口率85%の設計に基づき、ドット1個の大きさは1辺が234μmの正方形状、ドット同士間の間隔が20μm、そしてドットが正方格子状に規則配列したドット状の除去用パターン層を印刷した。印刷厚さは、乾燥後で2μmである。
水溶性インクの組成:
ポリビニルアルコール 25質量部(固形分で)
硫酸バリウム 10質量部
メタノール 50質量部
ポリエチレンワックス 5質量部
2.導電性パターン層の作製
除去用パターン層が形成されたPETフィルム上に、導電性高分子としてポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン、及びドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を含有する導電性高分子溶液(Agfa−Gevaert社製、Orgacon(登録商標)P3040)をマイクログラビアコートにより印刷速度10m/分で印刷し、120℃で10分間乾燥させた。
次いで、40℃の温水に浸漬し、スポンジで擦ることによりドット状の除去用パターン層を溶解除去し、次いで水でリンスした後、乾燥してメッシュ(格子)状パターンを形成した。PETフィルム表面の導電パターン層は、正確にドットのネガパターンに対応した正方格子状のものであり、線幅は20μm、開口率は88%であった。
3.金属導電層の作製及び金属導電層の黒化処理
PETフィルム上に形成された導電性パターン層に対して、実施例1と同様にして、金属導電層を作製し、さらに金属導電層に黒化処理を行った。
実施例1及び2において製造した導電性部材では、スジやカブリの発生もない微細なパターンを有する導電性パターン層及び金属導電層をPETフィルム上に形成することができた。
(実施例3)
1.導電性パターン層の作製
導電性高分子としてポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン、及びドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を含有する導電性高分子溶液(Agfa−Gevaert社製、Orgacon(登録商標)P3040)を、PETフィルム(厚さ125μm)上にグラビア印刷により印刷速度10m/分でストライプ状に印刷した後、120℃、5分間乾燥させた。これにより、PETフィルム上にライン幅が300μm、ライン間のスペースが50μmのストライプ状の導電性パターン層を形成した。このようにして、ストライプ状の導電性パターン層が形成されたPETフィルムを2枚作製した。
単純マトリックス方式のマトリックス表示を行うため、図4に示すように、前面基板402として用いられるPETフィルムの表示エリア431には横ストライプ状に導電性パターン層(電極ライン)406が形成されるようにし、背面基板401として用いられるPETフィルムの表示エリア432には縦ストライプ状の導電性パターン層(電極ライン)405が形成されるようにした。
2.情報表示用パネルの作製
次に、上記で作製した導電性パターン層が形成されたPETフィルムを用いて、情報表示用パネルを作製した。
背面基板401の縦ストライプ状の導電性パターン層405に対して、フォトレジスト法により縦ストライプ状に非同期で六角形の隔壁404を形成した。図5に示すように、隔壁404で形成されたセルの開口部(図中a部の距離)が0.2mm、隔壁404の幅(図中b部の距離)が0.02mm、隔壁404の高さが0.05mmであった。次に、予め準備した白色表示媒体403Wと黒色表示媒体403Bとを、それぞれ6g/m2の充填量となるように、セル内に、自由落下法にて封入した。基板401、402の4辺にシール剤442を配置するとともに、隔壁404上に接着剤443(味の素ファインテクノ製AE901B、硬化温度60℃)を塗布し、横ストライプ状の電極ライン406を有する前面基板402を貼り合わせ、熱プレスにより接着剤を硬化して、図6に示す情報表示用パネルを得た。その結果、以上の工程により、安価に情報表示用パネルを作製できることが確認された。
(実施例4)
1.除去用パターン層の作製
PETフィルム(厚さ125μm)上に、下記組成の水溶性インク(大日本インキ化学工業株式会社製 MCA2055)をグラビア印刷により印刷速度10m/分でストライプ状に印刷し、100℃で5分間乾燥させた。これにより、ライン幅が50μm、ライン間のスペースが300μmのストライプ状の除去用パターン層を印刷した。印刷厚さは、乾燥後で2μmである。
水溶性インクの組成:
ポリビニルアルコール 25質量部(固形分で)
硫酸バリウム 10質量部
メタノール 50質量部
ポリエチレンワックス 5質量部
2.導電性パターン層の作製
除去用パターン層が形成されたPETフィルム上に、導電性高分子としてポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン、及びドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を含有する導電性高分子溶液(Agfa−Gevaert社製、Orgacon(登録商標)P3040)をマイクログラビアコートにより印刷速度10m/分で印刷し、120℃で10分間乾燥させた。
次いで、40度の温水に浸漬し、スポンジで擦ることによりドット状のパターン層を溶解除去し、次いで水でリンスした後、乾燥してストライプ状の導電性パターン層を形成した。PETフィルム表面の導電パターン層は、正確にパターン層のストライプ状に対応したストライプ状のものであり、ライン幅が300μm、ライン間のスペースが50μmであった。このようにして、ストライプ状の導電性パターン層が形成されたPETフィルムを2枚作製した。
単純マトリックス方式のマトリックス表示を行うため、図4に示すように、前面基板として用いられるPETフィルム402の表示エリアには横ストライプ状に導電性パターン層(電極ライン)406が形成されるようにし、背面基板401として用いられるPETフィルムの表示エリアには縦ストライプ状の導電性パターン層(電極ライン)405が形成されるようにした。
3.情報表示用パネルの作製
次に、上記で作製した導電性パターン層が形成されたPETフィルムを用いて、実施例3と同様にして、情報表示用パネルを作製した。
本願発明の第1の光透過性電磁波シールド材の製造方法の各工程を、断面図を用いて説明した図である。 前処理層のパターンの一例を示す模式図である。 本願発明の第2の光透過性電磁波シールド材の製造方法の各工程を、断面図を用いて説明した図である。 情報表示パネルの基板の説明図である。 情報表示パネルの隔壁の説明図である。 情報表示パネルの説明図である。
符号の説明
110…透明基材、
120、220…導電性パターン層、
130…金属導電層、
121…導電性パターン層の開口部、
140…除去用パターン層、
401…背面基板、
402…前面基板、
403W…白色表示媒体、
403B…黒色表示媒体、
404…隔壁、
405…導電性パターン層(電極ライン)、
406…導電性パターン層(電極ライン)、
431…表示エリア、
432…表示エリア、
442…シール剤、
443…接着剤。

Claims (15)

  1. 導電性高分子を含む溶液を透明基材上にパターン状に印刷することにより、前記透明基材上に導電性パターン層を形成する工程を有することを特徴とする導電性部材の製造方法。
  2. 前記導電性高分子が、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリシラン、ポリフルオレン、及びポリフェニレンビニレンよりなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材の製造方法。
  3. 前記導電性高分子が、ポリチオフェンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性部材の製造方法。
  4. 前記導電性高分子を含む溶液が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリスチレンスルホン酸、及びポリビニルスルホン酸よりなる群から選択される少なくとも一種のドーパントをさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性部材の製造方法。
  5. 前記導電性高分子溶液を透明基材上にパターン状に印刷した後、80〜160℃で乾燥させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性部材の製造方法。
  6. 透明基材上に溶剤に対して可溶な材料を含む印刷インクをパターン状に印刷して、除去用パターン層を形成する工程、
    前記除去用パターン層を有する透明基材上に、導電性高分子を含む溶液を塗布及び乾燥させることにより、導電性高分子層を形成する工程、及び
    前記溶剤により前記除去用パターン層及び前記除去用パターン層上の導電性高分子層を除去することにより、導電性パターン層を形成する工程、
    を含む導電性部材の製造方法。
  7. 前記溶剤に対して可溶な材料が、ポリビニルアルコールである請求項6に記載の導電性部材の製造方法。
  8. 前記溶剤が、水であることを特徴とする請求項6又は7に記載の導電性部材の製造方法。
  9. 前記導電性高分子が、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリシラン、ポリフルオレン、及びポリフェニレンビニレンよりなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の導電性部材の製造方法。
  10. 前記導電性高分子を含む溶液が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリスチレンスルホン酸、及びポリビニルスルホン酸よりなる群から選択される少なくとも一種のドーパントをさらに含有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の導電性部材の製造方法。
  11. 前記導電性高分子を含む溶液を塗布した後、80〜160℃で加熱することにより乾燥させることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の導電性部材の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法により得られた導電性部材。
  13. パターン状に形成された導電性高分子を含む導電性パターン層を透明基材上に有することを特徴とする導電性部材。
  14. 請求項12又は13に記載の導電性部材を用いたことを特徴とする光透過性電磁波シールド材。
  15. 請求項12又は13に記載の導電性部材を用いたことを特徴とする情報表示用パネル。
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