JP2007329461A - 光透過性電磁波シールド性窓材の製造方法、及び光透過性電磁波シールド性窓材、 - Google Patents

光透過性電磁波シールド性窓材の製造方法、及び光透過性電磁波シールド性窓材、 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法精度の優れたドットパターンを容易に形成することができる光透過性電磁波シールド性窓材の製造方法を提供する。
【解決手段】表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層102が設けられた透明基板101の低表面張力樹脂層102上に、溶剤に対して可溶な材料を含むドット状のパターンを形成する工程、該パターンを有する低表面張力樹脂層102上に、溶剤に対して不溶な導電材料を含む導電材料層を形成する工程、次いで溶剤により、該パターン及び該パターン上の導電材料層を除去することによりメッシュ状の導電層106を形成する工程を含む電磁波シールド性光透過窓材の製造方法;及び上記構成を有する電磁波シールド性光透過窓材。
【選択図】図1

Description

本発明はPDP(プラズマディスプレーパネル)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有用な電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法に関する。
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波によりもたらされる人体への影響が懸念されている。また、電磁波により精密機器の誤作動等を起こす場合もあり、電磁波が問題視されている。
従来から、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
このような電磁波シールド性光透過窓材としては、(1)金属銀を含む透明導電薄膜が設けられた透明フィルム、(2)金属線又は導電性繊維を網状にした導電メッシュを設けた透明フィルム、(3)透明フィルム上の銅箔等の層を網状にエッチング加工し、開口部を設けたもの、(4)透明フィルム上に導電性インクをメッシュ状に印刷したもの、等が知られている。
(1)の透明導電薄膜は、例えば高屈折率透明薄膜と銀薄膜をスパッタリングにより交互積層したものであり、(2)の導電メッシュは、例えば有機繊維の網に銅メッキを施したものであり、そして(3)の網状の銅箔は、例えば銅箔をPET(ポリエチレンテレフタレート)に貼り付け、銅箔にレジスト材料を塗布し、特定形状のフォトマスクを介してレジストに露光、現像し、露出した銅箔をエッチングすることにより得られるものである。(4)の導電性フィルムは、導電性微粒子をバインダに分散させたインクをフィルム上にメッシュパターン状に印刷したものである。
しかしながら、(1)の透明導電薄膜は導電性が十分得られない。また(2)の導電メッシュは、一般に、メッシュを構成する導電性繊維の線径が太いものは目が粗く、線径が細くなると目が細かくなっている。これは、線径の太い繊維であれば、目の粗いメッシュとすることは可能であるが、線径の細い繊維で目の粗いメッシュを形成することは非常に困難であることによる。このため、このような導電性メッシュを用いた従来の電磁波シールド性光透過窓材では、光透過率の良いものでも、高々70%程度であり、良好な光透過性を得ることができないという欠点があった。
(3)のエッチング加工及び(4)パターン印刷により、所望のメッシュ状の導電層を形成することができることから、線幅や間隔、網目形状の自由度は導電性メッシュに比べて格段に大きく、線幅200μm以下、開口率75%以上という細線で開口率の高いメッシュ状の導電層であっても形成可能である。但し、(3)ではエッチング加工において設備が必要であり、また工程が煩雑でコスト高となるとの不利がある。一方、(4)メッシュ状のパターン印刷は上記導電層の形成が特に容易で有利であり、このような細線で目の粗い導電層を形成した導電性印刷膜であれば、良好な光透過性を得ることができると共に、モアレ現象を防止することができる。
しかしながら、(4)の導電性インクの印刷は、この導電性微粒子のインク中での分散状態を保つためにインクの粘性を十分に高くしておく必要があり、このため、インク線幅を著しく小さくすることはできず、開口率も著しく大きくすることはできなかった。
特許文献1(特開2001−332889号公報)には、上記パターン印刷法を改良した、線幅が十分に小さく、開口率も著しく高いメッシュ状の導電層を有した電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法が、開示されている。その製造方法は、フィルム面に、溶剤に対して可溶な物質によってドットを形成し、該フィルム面に該溶剤に対して不溶な導電材料よりなる導電材料層を形成し、該フィルム面を該溶剤と接触させて該ドット及び該ドット上の導電材料層を除去する方法である(以下マスク蒸着法とも言う)。
上記のように、溶剤に可溶なパターンに対してネガ印刷(反転印刷)し、その上に導電層を形成し、パターンを溶剤で除去する上記従来の方法によれば、著しく細い導電性メッシュパターンを高精度にて形成することができ、開口率75%以上の導電性メッシュパターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を容易に製造することができるが、透明基板として主に用いられているPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等のフィルムに対して、銅などの金属を蒸着してなる導電層の密着耐久性が低く、後工程の加工等の取り扱い時に剥れ易いという不具合があった。この問題を解決するために特許文献2(特開2004−335609号公報)において、導電性パターンの密着性を向上させるために、透明基板上にアンカーコートを形成することが提案されている。
特開2001−332889号公報 特開2004−335609号公報
特許文献1及び2で提案されているマスク蒸着法により、開口率75%以上の導電性メッシュパターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を容易に製造することができるが、ドット形成に用いる水性の印刷インクを印刷する際、ドット状に形成された印刷インクがダレ、ハジキ等が生じやすく、所望の形状が得られない場合があることが明らかとなった。特に、ダイレクトグラビア印刷等により、ドット状を形成するための印刷インクを透明基板に印刷する際、透明基板の材質の相違により、同じ印刷インキ、及び同じ印刷版を用いても、ダレ、ハジキ等の発生により同じドット形状を得ることができず、そのため透明基板の材質の変更の度に印刷版の設計をやりなす必要があるとの問題があることが明らかとなった。これは、特許文献2に記載されているようなアンカーコート層を設けても改善することはできない。
そしてこのようなドットパターンの形状の不安定さは、当然、メッシュ状の導電層の形状及び寸法の精度の不安定さにつながる。
このような問題は、特許文献1及び2に記載の方法の他にも、導電性微粒子を含む導電性インクを用いた(4)の方法など、種々のインクを用いたパターン印刷により透明基板上にメッシュ状の導電層を形成する際にも同様に生じる。
従って、本発明の目的は、寸法精度の優れたメッシュ状の導電層を有する光透過性電磁波シールド性窓材を製造する方法を提供することにある。
さらに本発明の目的は、寸法精度の優れたメッシュ状の導電層を有する光透過性電磁波シールド性窓材を提供することにある。
従って、本発明の第1の方法は、
表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた透明基板の該低表面張力樹脂層上に、溶剤に対して可溶な材料を含む印刷インクをドット状に印刷してドット状のパターンを形成する工程(A−1)、
該パターンを有する低表面張力樹脂層上に、該溶剤に対して不溶な導電材料を含む導電材料層を形成する工程(A−2)、次いで
該溶剤により、該パターン及び該パターン上の導電材料層を除去することによりメッシュ状の導電層を形成する工程(A−3)、
を含む電磁波シールド性光透過窓材の製造方法である。
また、本発明の第2の方法は、
表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた透明基板の該低表面張力樹脂層上に、導電性粒子及びバインダ樹脂を含む導電性インキをメッシュ状に印刷して、メッシュ状の導電層を形成する工程(B−1)、
を含む電磁波シールド性光透過窓材の製造方法である。
さらに、本発明の第3の方法は、
表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた透明基板の該低表面張力樹脂層上に、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応生成物、及び貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤をメッシュ状に印刷して、メッシュ状の前処理層を形成する工程(C−1)、及び
前記前処理層上に無電解めっき処理により、メッシュ状の導電層を形成する工程(C−2)、
を含む電磁波シールド性光透過窓材の製造方法である。
さらに、本発明の第4の方法は、
表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた透明基板の該低表面張力樹脂層上に、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物と、合成樹脂とを含む無電解めっき前処理剤をメッシュ状に印刷して、メッシュ状の前処理層を形成する工程(D−1)、及び、
前記前処理層上に、無電解めっき処理により、メッシュ状の導電層を形成する工程(D−2)、
を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法である。
本発明では、上記表面張力は、静滴法により接触角を測定し、得られた接触角を用いてYoung−Dupreの式に従い算出される。
本発明の第1〜第4の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法の好適態様を以下に列記する。
(1)低表面張力樹脂層が、シリコーンオイルを0.0005〜5質量%含有している。低表面張力樹脂層の表面張力の調整が容易である。
(2)低表面張力樹脂層が、活性水素を含む基を有する合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む組成物の硬化層である。低表面張力樹脂層の表面張力の調整が特に容易である。活性水素を含む基を有する合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及び酢酸ビニル樹脂から選択される少なくとも1種が好ましい。
(3)シリコーンオイルが、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、及びエポキシ変性シリコーンオイルから選択される少なくとも1種である。
(4)シリコーンオイルが、ジメチルシリコーンオイルである。
(5)低表面張力樹脂層の層厚が、0.05〜5μmである。
(6)低表面張力樹脂層が、シリコーンオイル、活性水素を含む基を有する合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む組成物を透明基板表面に塗工し、加熱硬化させることにより形成される。
(7)低表面張力樹脂層が、シリコーンオイルを含む低表面張力樹脂層形成用組成物を含有するシリコーンゴムロールを、透明基板表面に形成されたシリコーンオイルを含まない低表面張力樹脂層に押圧し、該シリコーンオイルを該シリコーンオイルを含まない低表面張力樹脂層に含浸させ、次いで加熱することにより形成される。アンカーコート層表面に、シリコーンオイルを含むシリコーンゴムロールを押圧しても良い。
また本発明は、上記電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材にもある。
また、本発明は
透明基板、その上に設けられた表面張力が30〜43mN/mの低表面張力樹脂層及び該低表面張力樹脂層上に設けられたメッシュ状の導電層を含む電磁波シールド性光透過窓材にもある。
この電磁波シールド性光透過窓材には、前記第1及び第2の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法における好適態様を適用することができる。
さらに、本発明は、
透明基板、その上に設けられた表面張力が30〜43mN/mの低表面張力樹脂層、及び該低表面張力樹脂層上にメッシュ状の前処理層を介して設けられたメッシュ状の導電層を含み、
前記メッシュ状の前処理層が、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物又は反応生成物、及び貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を用いて形成されたものである電磁波シールド性光透過窓材にもある。
この電磁波シールド性光透過窓材には、前記第3の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法における好適態様を適用することができる。
さらに、本発明は、
透明基板、その上に設けられた表面張力が30〜43mN/mの低表面張力樹脂層、及び該低表面張力樹脂層上にメッシュ状の前処理層を介して設けられたメッシュ状の導電層を含み、
前記メッシュ状の前処理層が、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物と、合成樹脂とを含む無電解めっき前処理剤を用いて形成されたものである電磁波シールド性光透過窓材にもある。
この電磁波シールド性光透過窓材には、前記第4の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法における好適態様を適用することができる。
本発明の第1〜4の製造方法によれば、ドット状を形成するための印刷インク、メッシュ状の導電層を形成するため導電性インキ及び無電解めっき前処理剤を透明基板に印刷する際、ダレ、ハジキ等が発生することなく、ドットパターン又はメッシュパターンの線幅や厚さが均一な、寸法精度の優れた(即ち、設計寸法との差がほとんど無い)ドットパターン又はメッシュパターンを容易に形成することができる。従って、メッシュ状の導電層の形状も寸法精度の優れたものが得られる。
上記の各製造方法から得られる本発明の光透過性電磁波シールド性窓材は、優れた視認性と電磁波シールド性を備えたものであり、プラズマディスプレイパネル(PDP)前面フィルタ用として特に好適な光透過性電磁波シールド性窓材であり、他のディスプレイ用のフィルタとしても好適な光透過性電磁波シールド性窓材である。
さらに、電磁波の影響を避けることが求められる用途において広く使用可能な電磁波シールド性光透過窓材であり、例えば精密機器等に設けられた表示窓や病院や研究室等の窓材等の用途においても、好適に使用可能で同様の優位性を有する新規な電磁波シールド性光透過窓材である。
(第1の製造方法)
まず、本発明の第1の製造方法を、図面を参照して説明する。
図1に本発明で好適な導電層の形成方法を説明する概略図を示す。まず(1)、(2)に示すように透明フィルム等の透明基板101上に低表面張力樹脂層102を形成する。或いは低表面張力樹脂層102を有する透明基板101を用意する。次いで(3)に示すように低表面張力樹脂層102上に水等の溶剤に対して可溶な材料を含む印刷インクを用いてドット103を印刷する(工程(A−1))。その後、(4)に示すように、低表面張力樹脂層102のドット103の上及びドット103の間の低表面張力樹脂層102の露出面のすべてを覆うように金属の蒸着等により導電材料層104を形成する。ドット上にも導電材料層104が設けられるが、余り厚すぎると後の洗浄でドットを除去できなくなる。次に、この透明基板101を水等の溶剤によって洗浄する。この際、必要に応じ、超音波照射やブラシ、スポンジ等で擦るなどの溶解促進手段を併用してもよい。
上記洗浄により、(5)に示すように可溶性のドット103が溶解し、このドット103上の導電材料層104も透明基板101上の低表面張力樹脂層102から剥れて除去される。そして、ドット同士の間の領域に形成された導電材料よりなる導電層(導電性パターン)106が透明基板101上の低表面張力樹脂層102上に残る。この導電性パターン106は、ドット103間の領域を占めるものであるから、全体としてはメッシュ状(格子状)となる。
従って、ドット103間の間隙を狭くしておくことにより、線幅の小さい格子状の導電性パターン104が形成される。また、各ドット103の面積を広くすることにより、開口率の大きなメッシュ状の導電層105が形成される。ドット103を形成するための前記水等に対して可溶な印刷インクは、一般に樹脂、顔料等を含むものであり、低粘性のものでも使用できる。このような印刷インクを用いて、透明基板101上に設けられた本発明の低表面張力樹脂層102上にドット状に印刷することにより、微細なドットパターンを形成可能なドットを形成することができる。なお、上記(5)の工程後、必要に応じ仕上げ洗浄(リンス)し、乾燥することにより、電磁波シールド性光透過窓材用の導電層が得られる。
本発明では、上記のように透明基板101上に低表面張力樹脂層102が設けられている。これによりドット103を形成する印刷インクのダイレクトグラビア印刷等の印刷版から透明基板101への転写を容易に、且つほぼ設計通りの寸法の形状で行うことができる。即ち、本発明の透明基板101上の低表面張力樹脂層102の表面張力は、30〜43mN/m(好ましくは31〜41mN/m)に設定されており、これにより印刷版からの印刷インクの濡れ性が適度に保持され、ハジキ、ダレ等発生することなく円滑に転写が行われる。この際の印刷インクは、水溶性樹脂及び水及び/又は水可溶性溶剤(例、メタノール、エタノール)を含むものが好ましい。
本発明の低表面張力樹脂層を透明基板に設けることにより、例えば印刷版上に形成されたドット状の印刷インクを、透明基板上に円滑に転写することができる。これによりブランケット上のドット状の印刷インクは完全に除去され、透明基板上にブランケット上とほぼ同じ所定の寸法の形状のドットが形成される。
低表面張力樹脂層は、透明基板に、例えばシリコーンオイルを含有する合成樹脂(一般に熱硬化性樹脂)を含む塗布液を、ロールコータ等により塗布し、加熱硬化することにより形成される。或いは、透明基板表面に樹脂層(一般に、シリコーンオイルを含有していない低表面張力樹脂層であり、アンカーコート層でも良い)を設けておき、シリコーンオイル等の低表面張力樹脂層形成用組成物を含有するシリコーンゴムロールを、樹脂層表面に押圧し、シリコーンオイルを樹脂層に含浸させ、これにより低表面張力樹脂層を形成することもできる。含浸後、適宜加熱することができる。
上記図1の工程の後、必要に応じ仕上げ洗浄(リンス)し、乾燥することにより、電磁波シールド性光透過窓材が得られる。
また、ドットパターンを有する透明基板上に、前記溶剤に不溶な防眩層を形成し、その後、導電層を形成し、次いで該溶剤により、該パターンと、該パターン上の防眩層及び導電層とを除去してもよい。或いはメッシュ状導電層形成後、メッシュ状の導電層を電気メッキ処理又は無電解メッキ処理して、メッシュ状の金属メッキ層を形成することもできる。また金属メッキ層をさらに黒化処理を行っても良い。
次に、本発明の電磁波シールド性光透過窓材に使用される材料について説明する。
透明基板(フィルム)101としては、透明性(特に、可視光に対して)を有する基板であれば良く、その材料の例として、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げることができる。これらの中で、加工処理(加熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、透明性の高い材料であるPET、PEN、PC、PMMAが好ましい。
この透明基板の厚さは、電磁波シールド性光透過窓材の用途等によっても異なるが、通常の場合1μm〜5mmの範囲、特に10μm〜1mmの範囲にあることが好ましい。
本発明の低表面張力樹脂層は、一般に、シリコーンオイルを0.001〜5質量%含有する樹脂層である。この樹脂層は、一般に、活性水素を含む基を有する合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む組成物の硬化層である。
活性水素を含む基を有する合成樹脂としては、ポリオール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及び酢酸ビニル樹脂を挙げることができ、なかでもポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及び酢酸ビニル樹脂が好ましく、ポリエステルポリウレタン樹脂が特に好ましい。これらは単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。また他の樹脂を少量(20質量%以下程度)併用しても良い。
上記活性水素を含む基としては、ヒドロキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基、カルボキシル基等を挙げることができ、ヒドロキシル基が好ましい。活性水素を含む基の当量(例、ヒドロキシル価)は、樹脂(1g)に対して10〜300mgKOH/g、特に30〜100mgKOH/gの範囲が好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4’−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2’,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートを挙げることができる。またトリメチロールプロパンのTDI付加体等の3官能以上のイソシアネート化合物等のポリイソシアネートも使用することができる。これらの中で芳香族系ポリイソシアネートが好ましい。
合成樹脂に対するポリイソシアネートの使用量は、2〜30質量%、特に5〜20質量%が好ましい。
本発明の低表面張力樹脂層は、上記特定の表面張力を得るために、一般にシリコーンオイルを含有している。含有量は0.0005〜5質量%、特に0.0005〜0.5質量%が好ましい。含有シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、及びエポキシ変性シリコーンオイルを挙げることができる。
ジメチルシリコーンオイルは、一般に、末端、側鎖がメチル基のジメチルポリシロキサンであり、メチルフェニルシリコーンオイルは、末端、側鎖がメチル基のジメチルポリシロキサンの側基のメチル基の一部がフェニル基に置き換わったフェニル化ポリシロキサンであり、メチルハイドロジェンシリコーンオイルは末端、側鎖がメチル基のジメチルポリシロキサンの側基のメチル基の一部が水素に置き換わった水素化ポリシロキサンであり、これらは一般に直鎖状シリコーンオイルである。
アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、及びエポキシ変性シリコーンオイルは、一般に、上記ポリシロキサンの末端又は側鎖の一部が有機基(ポリエーテル基、アルキル基又はエポキシ基)に置き換わった変性ポリシロキサンである。
上記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルが好ましい。
低表面張力樹脂層は、一般に、上記シリコーンオイル、合成樹脂等を含む塗布液を塗布、硬化することにより得ることができる。その塗布方法としては、グラビアコート、マイクログラビアコート、ダイコート、リップコート、ロールリバースコート、ワイヤーバーコート、キスコート等既存のコーティング法のいずれでも採用することができる。硬化は、常温でも可能であり、その場合、例えば1〜5日(特に2〜4日)の間放置する。加熱すれば、その温度に応じて加熱時間は短縮される。
あるいは、低表面張力樹脂層は、透明基板表面に樹脂層(アンカーコート層でも良い)を設けておき、上記シリコーンオイル等の低表面張力樹脂層形成用組成物を含有するシリコーンゴムロールを、アンカーコート層表面に押圧しても良い。
本発明の低表面張力樹脂層には、さらにフィラー、界面活性剤等適宜添加することができる。
低表面張力樹脂層の層厚は、0.05〜5μm、特に0.05〜1μmが好ましい。この低表面張力樹脂層102は、その厚さが薄過ぎると基板等との表面張力の相違による塗布ムラが発生し易くなり、厚過ぎるとブロッキングが発生しやすくなり好ましくない。
透明基板の低表面張力樹脂層上に形成するドットは印刷により形成される。上記印刷インクの材料は、後の除去に用いる溶剤に応じて選択される。例えば、溶剤として水系溶剤を用いる場合には水溶性物質が用いられ、溶剤として油系溶剤を用いる場合には油溶性物質が用いられる。前記溶剤としては、公知の有機溶媒等も挙げられるが、本発明の低表面張力樹脂層の表面張力を考慮し、また安価で、環境への影響を考慮すると、水が特に好ましい。水は、通常の水のほか、水に可溶な有機溶剤(例、メタノール、エタノール等のアルコール)、酸、アルカリ又は界面活性剤を含んだ水溶液であってもよい。水とメタノールとの組見合わせが好ましく、その割合は質量比で5:95〜50:50が好ましい。
前記溶剤が水である場合、前記ドットパターンの形成に使用する材料としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂などの水溶性高分子材料が好ましく、特に、良好な水溶性を有する点で、ポリビニルアルコールが好ましい。水溶性樹脂の分子量としては、一般に10000〜100000(GPCによる数平均分子量)、特に29000〜40000が好ましい。特に、ポリビニルアルコールを用いる場合、その重合度は一般に300〜1500、特に500〜1000であることが好ましく、また鹸化度は85〜90であることが好ましい。このパターンの形成に用いる材質には、所望により、仕上がり状況を確認し易くするために顔料や染料等を混合してもよい。顔料として、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、クレー等を挙げることができるが、硫酸バリウムが好ましい。顔料は樹脂に対して20〜200質量%の範囲、20〜150質量%の範囲が好ましい。
上記ドット103は、それらの間の透明基板上の低表面張力樹脂層の露出領域がメッシュ状、好ましくはこの露出領域の線幅が30μm以下のメッシュ状となるように印刷される。低表面張力樹脂層上に印刷インクを用いてドットパターンの形成方法としては、線幅が小さくかつ開口率の高い導電性パターンを形成可能な点で、印刷法が採用される。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、静電印刷等が挙げられ、これらの中でも、より導電性パターンの細線化が可能な点で、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷が特に好ましい。
ドットの形状は、円、楕円、角形(4角形、6角形)など任意であるが、角形とくに正方形であることが好ましい。ドットの印刷厚さは、特に限定されるものではないが、一般には0.1〜5μm程度である。
ドットの印刷後、好ましくは乾燥し、次いで導電材料層104を形成する。この材料としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、すず、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉛等の金属又は合金或いはITO等の導電性金属酸化物が好適である。この導電材料層104の厚さは、薄過ぎると電磁波シールド性能が不足するので好ましくなく、厚過ぎると得られる電磁波シールド性光透過窓材の厚さに影響を及ぼすと共に、視野角を狭くしてしまうことから、0.5〜100μm程度とするのが好ましい。
導電材料層104の形成手法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着などの蒸着法(気相メッキ法)や、液相メッキ(電解メッキ、無電解メッキ等)、印刷、塗布などが例示されるが、広義の気相メッキ(スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着)又は液相メッキが好適である。
導電材料層104を塗布で形成する場合、不溶な導電材料として、粒径が1μm以下の金属及び/又は金属化合物粒子(好ましくは、金属及び/又は金属化合物粒子が、特に酸化銀粒子又は有機銀粒子)を用い、これらを含む塗布液を塗布、乾燥することにより得られる。
この導電材料層104の形成後、前記のように、溶剤好ましくは水を用いてドット103を除去し、必要に応じ乾燥して本発明で使用する導電層付き透明基板が得られる。これをそのまま電磁波シールド性光透過窓材として使用しても良い。
なお、得られたメッシュパターン(格子状を含む)の導電層の線幅は、一般に20μm以下、好ましくは5〜15μmで、特に5〜12μmを有する。線のピッチは200μm以下が好ましい。また、開口率は75〜95%であることが好ましく、特に80〜95%である。なお、開口率とはメッシュの線幅と1インチ幅に存在する線の数から計算で求めたものである。
導電層の線で囲まれた開口部の形状は、前述のドットと同様に、円、楕円、角形(4角形、6角形)など任意の形状とすることができるが、一般に角形であり、特に正方形であることが好ましい。また線は網状であるが、格子状とすることが好ましい。
この導電層4の形成後、前記の通り、溶剤、好ましくは水を用いてドット103を除去し、必要に応じ乾燥して電磁波シールド性光透過窓材を得る。
この電磁波シールド性光透過窓材は、1枚のフィルムよりなるものであってもよく、ロールから巻き出された連続長尺状のフィルムであってもよい。
電磁波シールド性光透過窓材の開口率は75%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。開口率が75%に満たないと、光透過性が不充分となるおそれがある。
本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法においては、所望により防眩層等、他の層を設けるための工程をさらに行っても良い。例えば、ドットパターンを有する透明基板上の低表面張力樹脂層に、前記溶剤に不溶な防眩層を形成し、その後、導電材料層を形成しても良い。或いは、防眩層は、メッシュ状導電層形成後、後述するように、メッシュ状の導電層を電気メッキ処理又は無電解メッキ処理して、メッシュ状の金属メッキ層を、黒化処理、即ち金属膜の酸化処理、又はクロム合金等の黒色メッキにより形成することもできる。
ドットパターンを有する低表面張力樹脂層上に形成される上記防眩層の材料としては、形成された防眩層が前記溶剤に不溶であって、PDP等の前面にフィルタとして用いた際に、外光の反射を低減することができるものであればよく、特に制限はないが、例えば、黒又は暗色系インキ等が好適に挙げられる。該黒又は暗色系インキとしては、例えば、前記溶剤が水である場合には、カーボンブラック等の無機顔料、有機顔料、油性染料、分散染料等のほか、ウレタンやアクリル樹脂等の樹脂に、顔料を分散させた加工顔料等が挙げられる。これらの中でも、ウレタンやアクリル樹脂等の樹脂に顔料を分散させた加工顔料等が特に好ましい。また、電磁波のシールド性により優れる点で、防眩層が導電性となるよう導電性物質を用いるのが特に好ましい。
上記防眩層の形成方法としては、特に制限はなく、印刷、塗布、蒸着等の公知の形成方法が挙げられる。これらの中でも、より好適に防眩層を形成可能な点で、印刷により形成するのが好ましく、前記ドットパターン及びドットパターンを有する透明基板上の低表面張力樹脂層を全て覆うように全面ベタにより印刷するのが特に好ましい。また、溶剤の浸透性を良くするために、細かいドット状に印刷して形成することも好ましい。
防眩層の厚みとしては、10〜1000nmが好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。この厚みが、10nm未満であると、光の反射防止効果が充分でないことがある一方、1000nmを超えると、パターンを除去するのが困難となり、また斜視した際の見かけ上の開口率が低下することがある。
本発明の電磁波シールド性光透過窓材はまた、溶剤による除去処理を行って導電性パターンを形成した後、前記のメッキ処理を行って導電層上にメッキ層を形成しても良い。また、このメッキ層上に前記防眩層を形成しても良いし、下記の黒化処理を行っても良い。
メッキ処理に用いる材質としては、メッキ層が優れた電磁波シールド効果を有するものであればよく特に制限はないが、例えば、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀、及び、金等の金属が挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよく、2種以上の合金として使用されてもよい。
メッキ層の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。前記厚みが0.1μm未満であると、充分な電磁波シールド効果を付与できないことがある一方、10μmを超えると、メッキは、メッキ層形成に際し、巾方向にも広がることから、線幅が太くなり、導電層の開口率が低くなってしまうことがある。
メッキ層における表面抵抗率としては、3Ω/□以下が好ましく、1Ω/□以下がより好ましい。メッキ層の表面抵抗率が3Ω/□を超えると、導電性が不充分で、電磁波シールド効果が不充分となることがある。
メッキ層を形成した後、防眩化処理を行う場合、前述の防眩層を設けた後、或いは前述の防眩層を設けずに、黒化処理を行っても良く、例えば、金属膜の酸化処理、クロム合金等の黒色メッキ、黒又は暗色系インキの塗布等を行うことができる。
(第2の製造方法)
次に、本発明の第2の製造方法を、図面を参照して説明する。
図2に本発明で好適な導電層の形成方法を説明する概略図を示す。まず、(1)、(2)に示すように透明フィルム等の透明基板201上に低表面張力樹脂層202を形成する。或いは低表面張力樹脂層202を有する透明基板201を用意する。次いで、導電性粒子及びバインダ樹脂を含む導電性インキを低表面張力樹脂層202上にメッシュ状に印刷することにより、メッシュ状の導電層206を形成する(工程(B−1))。
前記方法によれば、低表面張力樹脂層202上にダイレクトグラビア印刷等を用いて導電性インキを印刷する際に、印刷版からの導電性インキの濡れ性が適度に保持され、ダレ、ハジキ等を発生することなく、ほぼ設計通りの寸法の形状で円滑に転写を行うことができる。したがって、線幅の小さい微細なメッシュ状の導電層を形成することが可能となる。さらに、低表面張力樹脂層上に導電性インキを精度良く印刷できることから、導電性インキに含まれる導電性粒子が凝集した場合であっても線幅の小さい微細なメッシュ状の導電層を形成することができる。
本発明の第2の方法において、上記のように透明基板201上に低表面張力樹脂層202が設けられている。これによりメッシュ状の導電層を形成するための導電性インキのダイレクトグラビア印刷等の印刷版から透明基板201への転写を容易に、且つほぼ設計通りの寸法の形状で行うことができる。即ち、本発明の透明基板201上の低表面張力樹脂層202の表面張力は、30〜43mN/m(好ましくは31〜41mN/m)に設定されており、これにより印刷版からの導電性インキの濡れ性が適度に保持され、ハジキ、ダレ等発生することなく円滑に転写が行われる。
低表面張力樹脂層は、一般に、シリコーンオイルを0.001〜5質量%含有する樹脂層である。シリコーンオイルの含有量は、上記特定の効果を得るために、好ましくは0.0005〜5質量%、特に好ましくは0.0005〜0.5質量%である。
この低表面張力樹脂層は、一般に、活性水素を含む基を有する合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む組成物の硬化層である。なお、活性水素を含む基を有する合成樹脂、活性水素を含む基、ポリイソシアネート及びシリコーンオイルについては、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
低表面張力樹脂層は、一般に、シリコーンオイル、合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む塗布液を塗布、硬化することにより得ることができる。また、低表面張力樹脂層は、透明基板表面に樹脂層(アンカーコート層でも良い)を設けておき、上記シリコーンオイルなどの低表面張力樹脂層形成用組成物を含有するシリコーンゴムロールを、アンカーコート層表面に押圧しても良い。
なお、これらの低表面張力樹脂層の作製方法についても、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、低表面張力樹脂層が形成される透明基板の材料及び厚さについても、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
低表面張力樹脂層の厚さは、0.05〜5μm、特に0.05〜1μmが好ましい。この低表面張力樹脂層は、厚さが薄過ぎると基板等との表面張力の相違による塗布ムラが発生し易くなり、厚過ぎるとブロッキングが発生し易くなり好ましくない。
低表面張力樹脂層には、さらにフィラー、界面活性剤などを適宜添加することもできる。
本発明の第2の方法において用いられる導電性インキは、導電性粒子及びバインダ樹脂を含む。前記導電性粒子としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉛等の金属、合金;或いはITO、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム−酸化スズ(ITO、いわゆるインジウムドープ酸化スズ)、酸化スズ−酸化アンチモン(ATO、いわゆるアンチモンドープ酸化スズ)、酸化亜鉛−酸化アルミニウム(ZAO;いわゆるアルミニウムドープ酸化亜鉛)等の導電性酸化物などを挙げることができる。これらは一種段独で用いられてもよい他、二種以上を混合して用いてもよい。
なかでも、前記導電性粒子としては、銀、銅、金、ニッケル、インジウム及びスズが好ましく挙げられる。これらの導電性粒子であれば、後述するように強酸との接触により、得られるメッシュ状導電層の導電性を向上させることが可能となる。
前記導電性粒子の平均粒子径は、10nm〜10μm、特に10nm〜5μmであるのが好ましい。これにより、後述するように強酸との接触により、導電性を向上させることが可能となり、導電性に優れる導電層を形成することが可能となる。
前記導電性インキにおける導電性粒子の含有量は、前記バインダ樹脂の100質量部に対して、400〜1000質量部、特に400〜800質量部とするのが好ましい。これにより、導電性粒子同士の接触性に優れる導電層を形成することができる。
前記導電性インキに用いられるバインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、含ケイ素樹脂等を挙げることができる。さらに、これらの樹脂のうち熱硬化性樹脂であることが好ましい。
前記導電性インキには、適度な粘度に調整するため、さらに溶剤を含んでいてもよい。前記溶剤としては、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のアルキルエーテルが挙げられる。
前記導電性インキは、さらに、黒色着色剤をさらに含有していてもよい。これにより、印刷精度の向上とともに、得られる電磁波シールド性光透過窓材において透明基板側から見た際の防眩効果を付与することができる。
前記黒色着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、黒鉛、および活性炭などが好ましく挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。カーボンブラックの平均粒径は、好ましくは0.1〜1,000nm、特に好ましくは5〜500nmである。
前記導電性インキにおける黒色着色剤の含有量は、前記バインダ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に1〜5質量部とするのが好ましい。
導電性インキは、さらに、界面活性剤などの分散剤、可塑剤、消泡剤、硬化剤など、従来公知の助剤を含んでいてもよい。
低表面張力樹脂層上に導電性インキを印刷するには、グラビア印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、静電印刷など公知の方法を用いて行えばよい。これにより、低表面張力樹脂層上にメッシュ状の導電層を形成することができる。これらの中でも、より導電性パターンの細線化が可能な点で、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷が特に好ましい。
低表面張力樹脂層上にメッシュ状に印刷した導電性インキは、通常は、室温〜250℃で乾燥させることにより硬化させる。
なお、メッシュ状の導電層の線幅、開口率及び開口部の形状については、上述した本発明の第1の方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
本発明の第2の方法では、上述の通りにメッシュ状の導電層を作製した後、さらに前記導電層を強酸に接触させる工程を実施するのが好ましい。メッシュ状の導電層には高い電磁波シールド性を得るために、高い導電性を有することが望まれている。本発明では、導電層を強酸と接触させることで、導電層中に含まれる導電性粒子同士の接触性を向上させることができ、得られる導電層の導電性を向上させることが可能となる。さらに、導電性粒子同士の接触性が向上することにより、後工程で安定して電気めっきを行うことができ、導電性の他、優れた外観性を得ることも可能となる。
前記強酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸及びリン酸などの強酸が用いられるのが好ましい。前記強酸としては、塩酸及び/又は硫酸が特に好ましい。強酸の濃度は、0.1〜5規定(N)、特に0.2〜2規定(N)とするのが好ましい。
前記強酸は、溶媒として、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどをさらに含んでいてもよい。また、これらは1種単独で用いられてもよい他、2種以上を混合して用いてもよい。
前記導電層と接触させる際の強酸の温度は、40〜80℃、好ましくは55〜75℃である。強酸の温度が、40℃未満であると十分に導電性粒子の接触を向上させることができない恐れがあり、80℃を超えると強酸が安定しない恐れがある。
前記導電層と強酸との接触時間は、好ましくは1〜10分、特に好ましくは2〜5分、行われる。これにより、導電性粒子同士の接触性を十分に向上させることができる。
前記導電層と強酸との接触は、(i)導電層が形成された低表面張力樹脂層及び透明基板を強酸中に浸漬させる方法、(ii)導電層上に強酸を塗布又は噴霧する方法などを用いて行うことができるが、前者の(i)の方法を用いて行うのが特に好ましい。
本発明の第2の方法では、上述の通りに作製したメッシュ状の導電層上にメッキ処理を行ってメッキ層を形成しても良い。また、このメッキ層に黒化処理を行っても良い。メッキ処理及び黒化処理については、上述した本発明の第1の方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(第3の製造方法)
次に、本発明の第3の製造方法を、図面を参照して説明する。
図3に本発明で好適な導電層の形成方法を説明する概略図を示す。まず、(1)、(2)に示すように透明フィルム等の透明基板301上に低表面張力樹脂層302を形成する。或いは低表面張力樹脂層302を有する透明基板を用意する。次いで、(2)、(3)に示すように、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物または反応生成物、および、貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を、低表面張力樹脂層302上にメッシュ状に印刷し、前記低表面張力樹脂層302上にメッシュ状の前処理層305を形成する(工程(C−1))。そして、無電解めっきを行うことにより、前記前処理層305上に金属などの導電材料からなるメッシュ状の導電層306を形成する(工程(C−2))。
前記方法によれば、低表面張力樹脂層302上にダイレクトグラビア印刷等を用いて無電解めっき前処理剤を印刷する際に、印刷版からの無電解めっき前処理剤の濡れ性が適度に保持され、ダレ、ハジキ等を発生することなく、ほぼ設計通りの寸法の形状で円滑に転写を行うことができる。したがって、線幅の小さい微細なメッシュ状の前処理層を形成することが可能となる。また、前記無電解めっき前処理剤によれば、シランカップリング剤、アゾール系化合物、および貴金属化合物を、前処理層において原子レベルで分散させることができる。したがって、スジやカブリの発生がない、微細なパターンを有するメッシュ状の前処理層を精度よく形成することが可能となる。このようなメッシュ状の前処理層上に無電解めっき処理を行うことで、線幅の小さい微細なメッシュ状の導電層を形成することが可能となる。
本発明の第3の方法において、上記のように透明基板301上に低表面張力樹脂層302が設けられている。これによりメッシュ状の前処理層を形成するための無電解めっき前処理剤のダイレクトグラビア印刷等の印刷版から透明基板301への転写を容易に、且つほぼ設計通りの寸法の形状で行うことができる。即ち、本発明の透明基板301上の低表面張力樹脂層302の表面張力は、30〜43mN/m(好ましくは31〜41mN/m)に設定されており、これにより印刷版からの無電解めっき前処理剤の濡れ性が適度に保持され、ハジキ、ダレ等発生することなく円滑に転写が行われる。
低表面張力樹脂層は、一般に、シリコーンオイルを0.001〜5質量%含有する樹脂層である。シリコーンオイルの含有量は、上記特定の効果を得るために、好ましくは0.0005〜5質量%、特に好ましくは0.0005〜0.5質量%である。
この低表面張力樹脂層は、一般に、活性水素を含む基を有する合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む組成物の硬化層である。なお、活性水素を含む基を有する合成樹脂、活性水素を含む基、ポリイソシアネート及びシリコーンオイルについては、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
低表面張力樹脂層は、一般に、シリコーンオイル、合成樹脂等を含む塗布液を塗布、効果することにより得ることができる。また、低表面張力樹脂層は、透明基板表面に樹脂層(アンカーコート層でも良い)を設けておき、上記シリコーンオイル等の低表面張力樹脂層形成用組成物を含有するシリコーンゴムロールを、アンカーコート層表面に押圧して形成しても良い。
なお、これらの低表面張力樹脂層の作製方法についても、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、低表面張力樹脂層が形成される透明基板の材料及び厚さについても、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
低表面張力樹脂層の厚さは、0.05〜5μm、特に0.05〜1μmが好ましい。この低表面張力樹脂層は、厚さが薄過ぎると基板等との表面張力の相違による塗布ムラが発生し易くなり、厚過ぎるとブロッキングが発生し易くなり好ましくない。
低表面張力樹脂層には、さらにフィラー、界面活性剤などを適宜添加することもできる。
前記無電解めっき前処理剤に用いられる前記シランカップリング剤は、一分子中に金属補足能を持つ官能基を有するものを用いるのが好ましい。これにより、無電解めっき触媒である貴金属化合物の活性を効果的に発現する電子状態、配向とすることが可能となり、被めっき材との高い密着性が得られる。
前記シランカップリング剤として、エポキシ基含有シラン化合物を挙げることができる。前記エポキシ基含有シラン化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、得られる前処理層が透明基板および導電層と高い密着性を呈することから、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが好ましく挙げられる。
次に、前記無電解めっき前処理剤に用いられる前記アゾール系化合物としては、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、オキサトリアゾール、チアトリアゾール、ベンダゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダゾールなどが挙げられる。これらに制限されるものではないが、シランカップリング剤が有するエポキシ基などの官能基および貴金属化合物との反応性に優れることから、イミダゾールが特に好ましい。
前記無電解めっき前処理剤において、前記シランカップリング剤および前記アゾール系化合物は単に混合されているだけでもよいが、これらを予め反応させて反応生成物を形成してもよい。これにより、貴金属化合物を前処理層中に原子レベルでより高分散できるとともに、得られる前処理層の光透過性を向上させることができる。
前記シランカップリング剤と前記アゾール系化合物とを反応させるには、例えば、80〜200℃でアゾール系化合物1モルに対して0.1〜10モルのシランカップリング剤を混合して5分〜2時間反応させるのが好ましい。その際、溶媒は特に不要であるが、水の他、クロロホルム、ジオキサンメタノール、エタノール等の有機溶媒を用いてもよい。このようにして得られた前記シランカップリング剤と前記アゾール系化合物との反応生成物に、貴金属化合物を混合することで、前記無電解めっき前処理剤が得られる。
次に、前記無電解めっき前処理剤に用いられる前記貴金属化合物は、無電解めっき処理において銅やアルミニウムなどの金属を選択的に析出・成長させることができる触媒効果を示すものである。具体的には、高い触媒活性が得られることから、パラジウム、銀、白金、および金などの金属原子を含む化合物を用いるのが好ましい。前記化合物としては、前記金属原子の塩化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、アンモニウム塩などのアンミン錯体などが用いられるが、特にパラジウム化合物、中でも塩化パラジウムが好ましい。
前記無電解めっき前処理剤は、前記アゾール系化合物および前記シランカップリング剤に対し、前記貴金属化合物を、好ましくは0.001〜50mol%、より好ましくは0.1〜20mol%含むのがよい。前記貴金属化合物の濃度が、0.001mol%未満では十分な触媒活性が得られずに所望する厚さを有する導電層を形成できない恐れがあり、50mol%を超えると添加量の増加に見合った貴金属化合物による触媒効果が得られない恐れがある。
また、前記無電解めっき前処理剤は、適当な溶媒を含んでいてもよい。前記溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール、アセトン、トルエン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記無電解めっき前処理剤には、必要に応じて体質顔料、界面活性剤、着色剤などの各種添加剤をさらに含有させてもよい。
前記無電解めっき前処理剤の粘度は、印刷により微細な線幅および間隙(ピッチ)を有する前処理層を得るためには、25℃において、好ましくは500〜5000cps、より好ましくは1000〜3000cpsとするのがよい。
前記無電解めっき前処理剤を低表面張力樹脂層に印刷するには、グラビア印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、静電印刷等の印刷方法を用いることができる。特に、細線化のためには、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷が好適である。グラビア印刷を用いる場合、印刷速度は5〜50m/分とするのがよい。
このように前記無電解めっき前処理剤を印刷した後、好ましくは80〜160℃、より好ましくは90〜130℃で加熱することにより乾燥させるのがよい。乾燥温度が80℃未満では溶媒の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られない恐れがあり、160℃を超えると化合物の熱分解が生じる恐れがある。塗布後に熱乾燥させる場合の乾燥時間は5秒〜5分が好ましい。
メッシュ状(格子状を含む)の前処理層の線幅は、一般に20μm以下、好ましくは5〜15μmで、特に5〜12μmを有する。線のピッチは200μm以下が好ましい。また、開口率は75〜95%であることが好ましく、特に80〜95%である。
前処理層の線で囲まれた開口部の形状は、円、楕円、角形(4角形、6角形)など任意の形状とすることができるが、一般に角形であり、特に正方形であることが好ましい。また線は網状であるが、格子状とすることが好ましい。
前記前処理層の厚さは、0.01〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μmとするのがよい。これにより、低表面張力樹脂層および導電層との高い密着性を確保することができる。
次に、本発明の方法では、上述の通りに形成した前処理層上に無電解めっき処理により、メッシュ状の導電層を形成する工程を実施する。無電解めっき処理を行うことにより、微細な金属粒子が濃密で実質的な連続皮膜として沈積形成されて、前処理層上のみに選択的に導電層を得ることが可能となる。
めっき金属は、導電性を有してメッキ可能である金属であれば使用することができ、金属単体、合金、導電性金属酸化物等であってもよく、均一な金属薄膜又は一様に塗布された微細な微粒子等からなるものであってもよい。
無電解めっきにおけるめっき金属としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、白金、銅、チタン、コバルト、鉛等を用いることができる。特に、高い電磁波シールド性が得られる導電層が得られることから、好ましくは、銀、銅又はアルミニウムが好ましく用いられる。これらのめっき金属を用いて形成される導電層は、前処理層との密着性に優れる他、光透過性と電磁波シールド性の両立に好適である。
前記無電解めっきは、無電解めっき浴を用いて常法に従って常温または加温下で行うことができる。即ち、めっき金属塩、キレート剤、pH調整剤、還元剤などを基本組成として含むめっき液を建浴したものにめっき基材を浸漬して行うか、構成めっき液を2液以上と分けて添加方式でめっき処理を施すなど適宜選択すれば良い。
無電解めっきとして一例を挙げると、Cuからなる導電層を形成する場合、硫酸銅等の水溶性銅塩1〜100g/L、特に5〜50g/L、ホルムアルデヒド等の還元剤0.5〜10g/L、特に1〜5g/L、EDTA等の錯化剤20〜100g/L、特に30〜70g/Lを含み、pH12〜13.5、特に12.5〜13に調整した溶液に、前処理層及び低表面張力樹脂層を有する透明基板を50〜90℃、30秒〜60分浸漬する方法を採用することができる。
無電解めっきをする際に、めっきされる基板を揺動、回転させたり、その近傍を空気撹拌させたりしてもよい。
なお、メッシュ状の導電層の線幅、開口率及び開口部の形状については、上述した本発明の第1の方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
本発明の第3の方法では、上述の通りに作製したメッシュ状の導電層上にメッキ処理を行ってメッキ層を形成しても良い。また、このメッキ層に黒化処理を行っても良い。メッキ処理及び黒化処理については、上述した本発明の第1の方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(第4の製造方法)
次に、本発明の第4の製造方法を、図面を参照して説明する。
図4に本発明で好適な導電層の形成方法を説明する概略図を示す。まず、(1)、(2)に示すように透明フィルム等の透明基板401上に低表面張力樹脂層402を形成する。或いは低表面張力樹脂層402を有する透明基板を用意する。次いで、(2)、(3)に示すように、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物と、合成樹脂とを含む無電解めっき前処理剤を、低表面張力樹脂層402上にメッシュ状に印刷し、前記低表面張力樹脂層402上にメッシュ状の前処理層405を形成する(工程(D−1))。そして、無電解めっきを行うことにより、前記前処理層405上に金属などの導電材料からなるメッシュ状の導電層406を形成する(工程(D−2))。
前記方法によれば、低表面張力樹脂層402上にダイレクトグラビア印刷等を用いて無電解めっき前処理剤を印刷する際に、印刷版からの無電解めっき前処理剤の濡れ性が適度に保持され、ダレ、ハジキ等を発生することなく、ほぼ設計通りの寸法の形状で円滑に転写を行うことができる。したがって、線幅の小さい微細なメッシュ状の前処理層を形成することが可能となる。さらに、前記無電解めっき前処理剤において複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物は分散性に優れ、これらが印刷時に均一に高分散且つ固着することにより、無電解めっき前処理剤をほぼ設計通りの寸法の形状で印刷することが可能となる。したがって、スジやカブリの発生がない、微細なパターンを有するメッシュ状の前処理層を精度よく形成することが可能となる。このようなメッシュ状の前処理層上に無電解めっき処理を行うことで、線幅の小さい微細なメッシュ状の導電層を形成することが可能となる。
本発明の第4の方法において、上記のように透明基板401上に低表面張力樹脂層402が設けられている。これによりメッシュ状の前処理層を形成するための無電解めっき前処理剤のダイレクトグラビア印刷等の印刷版から透明基板401への転写を容易に、且つほぼ設計通りの寸法の形状で行うことができる。即ち、本発明の透明基板301上の低表面張力樹脂層402の表面張力は、30〜43mN/m(好ましくは31〜41mN/m)に設定されており、これにより印刷版からの無電解めっき前処理剤の濡れ性が適度に保持され、ハジキ、ダレ等発生することなく円滑に転写が行われる。
低表面張力樹脂層は、一般に、シリコーンオイルを0.001〜5質量%含有する樹脂層である。シリコーンオイルの含有量は、上記特定の効果を得るために、好ましくは0.0005〜5質量%、特に好ましくは0.0005〜0.5質量%である。
この低表面張力樹脂層は、一般に、活性水素を含む基を有する合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む組成物の硬化層である。なお、活性水素を含む基を有する合成樹脂、活性水素を含む基、ポリイソシアネート及びシリコーンオイルについては、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
低表面張力樹脂層は、一般に、シリコーンオイル、合成樹脂等を含む塗布液を塗布、効果することにより得ることができる。また、低表面張力樹脂層は、透明基板表面に樹脂層(アンカーコート層でも良い)を設けておき、上記シリコーンオイル等の低表面張力樹脂層形成用組成物を含有するシリコーンゴムロールを、アンカーコート層表面に押圧して形成しても良い。
なお、これらの低表面張力樹脂層の作製方法についても、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、低表面張力樹脂層が形成される透明基板の材料及び厚さについても、本発明の第1の方法において記載したものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
低表面張力樹脂層の厚さは、0.05〜5μm、特に0.05〜1μmが好ましい。この低表面張力樹脂層は、厚さが薄過ぎると基板等との表面張力の相違による塗布ムラが発生し易くなり、厚過ぎるとブロッキングが発生し易くなり好ましくない。
低表面張力樹脂層には、さらにフィラー、界面活性剤などを適宜添加することもできる。
前記無電解めっき前処理剤に用いられる複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物としては、Pd、Ag、Si、Ti及びZrよりなる群から選択される少なくとも2種の金属元素を含むものが好ましく用いられる。より好ましくは、Pd又はAgの金属元素と、Si、Ti又はZrの金属元素とを含むものが挙げられる。このような複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物は、高いめっき金属析出能力を有し、さらに前処理剤中での安定性及び分散性に優れた特性を有する。
なかでも、前記特性が特に優れることから、下記式(I)
Figure 2007329461
(式中、M1はPd又はAgを表し、M2はSi、Ti又はZrを表し、M1がPdである場合、xは1であり、M1がAgである場合、xは2であり、nは1〜20の整数である)で示される複合金属酸化物水化物を用いるのが特に好ましい。
前記式(I)において、M1はPd又はAgであるが、Pdであるのが好ましい。また、M2はSi、Ti又はZrであるが、Tiであるのが好ましい。これにより、高いめっき析出能力を有する複合金属酸化物水水化物が得られる。
前記複合金属酸化物水化物として具体的には、PdSiO3、Ag2SiO3、PdTiO3、Ag2TiO3、PdZrO3及びAg2TiO3などの水化物が挙げられる。
上述した複合金属酸化物水化物は、それぞれの相当する金属塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、相当する金属酸化物の水和物等を原料とし、これらを加熱し、加水分解する方法などを用いることによって得られる。
また、前記複合金属酸化物としては、M1 X・M22(M1、M2及びXについては、上記式(I)と同義である)で示されるものが好ましく用いられる。
前記無電解めっき前処理剤に用いられる複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物の平均粒子径は、0.01〜10μm、特に0.05〜3μmのものを用いるのが好ましい。これにより、凝集が抑制された高い分散性および触媒活性を有する複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物とすることができる。
なお、本発明において、前記複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物の平均粒子径は、前記複合金属酸化物及び/又は前記複合金属酸化物水化物を電子顕微鏡(好ましくは透過型電子顕微鏡)により倍率100万倍程度で観測し、少なくとも100個の粒子の面積円相当径を求めた数平均値とする。
前記複合金属酸化物及び/又は前記複合金属酸化物水化物の含有量は、前記合成樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜60質量部、より好ましくは10〜40質量部とするのが好ましい。前記含有量が、10質量部未満では十分なめっき析出能力が得られない恐れがあり、60質量部を超えるとこれらの複合金属酸化物の凝集に基づくスジやカブリが形成する恐れがある。
前記無電解めっき前処理剤は、合成樹脂を含む。これにより、前処理層の透明基板及び導電層との密着性を向上させることができ、前処理層が剥離し難くなり、導電層をより精度よく形成することが可能となる。
前記合成樹脂は、透明基板および導電層との密着性を確保できるものであれば、特に制限されない。前記合成樹脂として、好ましくは、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、およびエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。これらによれば、透明基板および導電層との高い密着性が得られ、前処理層上に導電層を精度よく形成することができる。また、これらの合成樹脂は、1種単独で用いられてもよいほか、2種以上を混合して用いてもよい。
前記アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル等のメタアクリル酸アルキルエステル類のホモポリマーが使用できるが、特にポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートまたはポリブチルメタクリレートなどが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、2,6−ポリエチレンナフタレートなどを用いることができる。
前記ポリウレタン樹脂として、具体的には、有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物との反応によりウレタンプレポリマーを合成し、これに必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂などを用いることができる。
前記有機ジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物、および、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が、単独または2種以上混合して使用できる。中でも脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートがより好ましい。
高分子ジオール化合物としては、アジピン酸、セバシン酸、無水フタール酸などの二塩基酸の1種または2種以上と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどのグリコール類の1種または2種以上とを縮合反応させて得られるポリエステルジオール類、ポリカプロラクトンジオール類などのポリエステルジオール化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイド付加物などのポリエーテルジオール化合物などの各種高分子ジオール化合物を単独または2種以上混合して使用できる。これらの高分子ジオール化合物は、数平均分子量が300〜6,000のものが好ましい。前記高分子ジオール化合物に加えて、1,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3メチル−1,5−ペンタンジオールなどのアルカンジオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールなどの低分子ジオール化合物を単独または2種以上混合して併用することができる。前記有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合物の使用比率は、イソシアネート基/水酸基の当量比が通常、(1.3〜3.0)/1.0、より好ましくは、(1.5〜2.0)/1.0となる範囲である。
鎖伸長剤としては、低分子量のジアミン化合物、ジオール化合物などが使用でき、反応停止剤としては、モノアミン化合物、モノアルコール化合物などが使用できる。
本発明では、前記材料から公知の方法により製造できるポリウレタン樹脂がそのまま使用できる。ポリウレタン樹脂としては、重量平均分子量が5000〜20万のものが好ましい。
また、前記ポリウレタン樹脂としては、ポリエステル系ポリオールとイソシアネートとからなる2液硬化型ウレタン樹脂(2液硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂)を使用することもできる。
前記ポリエステルポリオールとしては、低分子ジオールとジカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオールや、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。なお、前記ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸類、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類、等が単独使用又は2種以上使用される。また、前記ラクトンには、ε−カプロラクトン等が使用される。
そして、ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリブチレンヘキサブチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンアゼート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が挙げられ、これらが単独使用又は2種以上使用される。
前記イソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート(例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタリンジイソシアネート、n−イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート、m−或いはp−イソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート等);脂肪族ジイソシアネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等);脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等)のポリイソシアネート、或いはまた、これら各種イソシアネートの付加体、又は多量体等が、単独使用又は2種以上使用される。
前記塩化ビニル樹脂は、従来公知の塩化ビニルの単独重合物であるホモポリマー樹脂、または従来公知の各種のコポリマー樹脂であり、特に限定されるものではない。該コポリマー樹脂としては、従来公知のコポリマー樹脂を使用でき、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとビニルエステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリル酸2エチルヘキシルコポリマー樹脂などの塩化ビニルとアクリル酸エステル類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−エチレンコポリマー樹脂、塩化ビニル−プロピレンコポリマー樹脂などの塩化ビニルとオレフィン類とのコポリマー樹脂、塩化ビニル−アクリロニトルコポリマー樹脂などが代表的に例示される。特に好ましくは、塩化ビニル単独樹脂、エチレン−塩化ビニルコポリマー樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニルコポリマー樹脂などを使用するのが良い。
前記合成樹脂は、高い密着性が得られることから、活性水素を含有する官能基を分子末端に有するものが好ましく用いられる。前記活性水素を含有する官能基としては、活性水素を有していれば特に制限されず、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシル基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシル基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されていてもよい。なかでも、ヒドロキシル基、カルボニル基、およびアミノ基が好ましく挙げられる。
前記無電解めっき前処理剤における合成樹脂の含有量は、無電解めっき前処理剤の全量に対して、40〜90質量%、特に60〜80質量%とするのが好ましい。これにより、高い密着性を有する前処理層を形成することが可能となる。
また、前記無電解めっき前処理剤は、さらに無機微粒子を含んでいてもよい。無機微粒子を含有することにより、印刷精度を向上することができ、より精度の高い導電層を形成することが可能となる。前記無機微粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、マイカ、ガラスフレーク、金属ウィスカー、セラミッックウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、スメクタイト等が好ましく挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよい他、2種以上を混合して用いてもよい。
前記無機微粒子の平均粒子径は、0.01〜5μm、特に0.1〜3μmとするのが好ましい。前記無機微粒子の平均粒子径が、0.01μm未満であると無機微粒子の添加により所望するほどの印刷精度の向上が得られない恐れがあり、5μmを超えるとスジやカブリが発生し易くなる恐れがある。
前記無電解めっき前処理剤における無機微粒子の含有量は、前記合成樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部、特に1〜5質量部とするのが好ましい。これにより、高い印刷適正を持った前処理剤とすることができる。
また、前記無電解めっき前処理剤は、さらにチキソトロピック剤を含有してもよい。前記チキソトロピック剤によれば、前処理剤の流動性を調整することにより印刷精度を向上させることができ、より精度の高い導電層を形成することが可能となる。チキソトロピック剤としては、従来公知のものであれば使用できる。好ましくは、アマイドワックス、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等を使用することができる。
前記無電解めっき前処理剤におけるチキソトロピック剤の含有量は、前記合成樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に1〜5質量部とするのが好ましい。これにより、高い印刷適正を持った前処理剤とすることができる。
本発明の無電解めっき前処理剤は、黒色着色剤をさらに含有していてもよい。これにより、印刷精度の向上とともに、得られる光透過性電磁波シールド材において透明基板側から見た際の防眩効果を付与することができる。
前記黒色着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、黒鉛、および活性炭などが好ましく挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。カーボンブラックの平均粒径は、好ましくは0.1〜1,000nm、特に好ましくは5〜500nmである。
前記無電解めっき前処理剤における黒色着色剤の含有量は、前記合成樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に1〜5質量部とするのが好ましい。これにより、防眩効果を有する前処理層を精度よく形成することが可能となる。
黒色着色剤を用いる場合、市販されている墨インキを用いて無電解めっき前処理剤を調製するのが好ましい。このような墨インキとしては、東洋インキ製造株式会社製 SS8911、十条ケミカル株式会社製 EXG−3590、大日精化工業株式会社製 NTハイラミック 795R墨などがある。例えば、東洋インキ製造株式会社製 SS8911の場合、溶剤中に、カーボンブラックの他、さらに塩化ビニルおよびアクリル樹脂などを含む。したがって、前記した市販品であれば、合成樹脂および黒色着色剤を含む無電解めっき前処理剤の調製を容易に行うことができる。
また、前記無電解めっき前処理剤は、適当な溶媒を含んでいてもよい。前記溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、2−プロパノール、アセトン、トルエン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記無電解めっき前処理剤には、必要に応じて体質顔料、界面活性剤などの各種添加剤をさらに含有させてもよい。
本発明の方法では、上述した無電解めっき前処理剤を、透明基板上にメッシュ状に印刷することにより、前記透明基板上にメッシュ状の前処理層を形成する。これにより、簡易な方法で所望する微細なパターンを有する前処理層を形成することができる。
前記無電解めっき前処理剤の粘度は、印刷により微細な線幅および間隙(ピッチ)を有する前処理層を得るためには、25℃において、好ましくは500〜5000cps、より好ましくは1000〜3000cpsとするのがよい。
このように前記無電解めっき前処理剤を印刷した後、好ましくは80〜160℃、より好ましくは90〜130℃で加熱することにより乾燥させるのがよい。乾燥温度が80℃未満では、溶媒の蒸発速度が遅く十分な成膜性が得られない恐れがあり、160℃を超えると化合物の熱分解が生じる恐れがある。塗布後に熱乾燥させる場合の乾燥時間は5秒〜5分が好ましい。
なお、無電解めっき前処理剤を透明基板に印刷する方法及びメッシュ状の前処理層におけるパターンの形状については、上述した第3の方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
前記前処理層の厚さは、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmとするのがよい。これにより、透明基板および導電層との高い密着性を確保することができる。
本発明の方法では、上述の通りにして透明基板上にメッシュ状の前処理層を形成する工程(D−1)の後、メッシュ状の導電層を形成する工程(D−2)の前に、前記前処理層402に還元処理を行う工程を実施するのが好ましい。還元処理することで、前記前処理層402に含まれる無電解めっき触媒である複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物に含まれる金属種を還元し、活性成分である金属種のみを超微粒子状で均一に析出させることができる。このように還元析出した金属種は、高い触媒活性を有し且つ安定であることから、前記前処理層402と前記透明基板401との密着性及び無電解めっきの析出速度を向上させ、さらには複合金属酸化物及び複合金属酸化物水化物の使用量を少なくすることが可能となる。
前記還元処理は、前処理層に含まれる複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物を還元して金属化できる方法であれば特に制限されない。具体的には、(i)前記前処理層が形成された透明基板を、還元剤を含む溶液を用いて処理する液相還元法、(ii)前記前処理層が形成された透明基板を、還元性ガスと接触させる気相還元法などが好ましく用いられる。
前記液相還元法において還元剤を含む溶液を用いて処理する方法として、具体的には、前記前処理層が形成された透明基板を還元剤を含む溶液中に浸漬させる方法、前記透明基板の前記前処理層が形成された面に還元剤を含む溶液をスプレーする方法などが用いられる。
前記還元剤を含む溶液は、所定の還元剤を水などの溶媒に分散又は溶解させて調製されるものである。前記還元剤としては、特に制限されないが、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルアクリルアミド、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ブドウ糖、アミノボラン、ジメチルアミンボラン(DMAB)、トリメチルアミンボラン(TMAB)、ヒドラジン、ジエチルアミンボラン、ホルムアルデヒド、グリオキシル酸、イミダゾール、アスコルビン酸、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウムなどの次亜リン酸塩、硫酸ヒドロキシルアミン、亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、ハイドロサルファイト(Na224:亜二チオン酸ナトリウムともいう)等が挙げられる。前記還元剤は、後工程で用いる無電解めっき浴中に含まれる還元剤と同一のものを用いると、還元処理後の前記透明基板を水洗処理することなく無電解めっきを行うことができ、また無電解めっき浴の組成を変化させる恐れも少ない。
前記還元剤としては、高い還元性が得られることから、アミノボラン、ジメチルアミンボラン、次亜リン酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシルアミン、ハイドロサルファイト、及びホルマリンを用いるのが好ましい。
前記還元剤を含む溶液における還元剤の含有量は、0.01〜200g/L、特に0.1〜100g/Lとするのが好ましい。還元剤の濃度が低すぎる場合には十分に還元処理を行うのに所要時間が長くなる恐れがあり、還元剤の濃度が高すぎる場合には析出させためっき触媒が脱落する恐れがある。
前記液相還元法において還元剤を含む溶液を用いて処理する方法としては、前処理層に含まれる複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物の高い還元性が得られることから、前記前処理層が形成された透明基板を還元剤を含む溶液中に浸漬させる方法を用いるのが好ましい。
前記透明基板を浸漬させる場合、前記還元剤を含む溶液の温度は、20〜90℃、特に50〜80℃とするのが好ましい。また、浸漬時間は、少なくとも1分以上、好ましくは1〜10分程度とすればよい。
一方、前記気相還元法を用いて還元処理を行う場合、前記還元性ガスとしては、水素ガス、ジボランガスなど、還元性を有する気体であれば特に制限されない。還元ガスを用いた還元処理時の反応温度および反応時間は、使用する還元ガスの種類などに応じて適宜決定すればよい。
次に、本発明の方法では、上述の通りに形成した前処理層上に、無電解めっき処理により、メッシュ状の導電層を形成する工程(D−2)を実施する。無電解めっき処理を行うことにより、微細な金属粒子が濃密で実質的な連続皮膜として沈積形成されて、前処理層上のみに選択的に導電層を得ることが可能となる。
前記工程(D−2)は、上述した第3の方法における工程(C−2)と同様に実施することができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、メッシュ状の導電層の線幅、開口率及び開口部の形状については、上述した本発明の第1の方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
本発明の第4の方法では、上述の通りに作製したメッシュ状の導電層上にメッキ処理を行ってメッキ層を形成しても良い。また、このメッキ層に黒化処理を行っても良い。メッキ処理及び黒化処理については、上述した本発明の第1の方法と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、前述のように開口率が高いため光透過性に優れ、更に、モアレ現象が防止され、電磁波シールド性、熱線(近赤外線)カット性に優れるため、特に、PDP(プラズマディスプレイパネル)の前面フィルタや、病院等の電磁波シールドを必要とする建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有用である。なお、防眩層を形成した電磁波シールド性光透過窓材を、PDP(プラズマディスプレイパネル)として用いる場合には、視認性の点で、防眩層が、透明基板上において観察者側に配されるよう使用するのが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
厚さ250μmのPETフィルム(Sグレード;(株)帝人製)上に、グラビアコートにより、下記の組成の低表面張力樹脂層形成用塗布液を乾燥厚さ0.2μmとなるように塗布した後、100℃、1分間乾燥して、溶剤を除去した。これにより低表面張力樹脂層を形成した。
(低表面張力樹脂層形成用塗布液の組成)
ポリエステルポリウレタン 90質量部(溶液で)
(LX−900、大日本インク化学工業(株)製、50質量%溶液)
芳香族ポリイソシアネート 10質量部(溶液で)
(KW−75、大日本インク化学工業(株)製、75質量%溶液)
ジメチルシリコーンオイル 0.0005質量部
(KF−96−50cs、信越シリコーン(株)製、(固形分比0.001)100質量%溶液)
次に、低表面張力樹脂層上に、下記の水溶性インク(30質量%)をスクリーン印刷によりドット状に印刷した。開口率85%の設計に基づき、ドット1個の大きさは1辺が234μmの正方形状、ドット同士間の間隔が20μm、そしてドットが正方格子状に規則配列したドットパターンを印刷した。印刷厚さは、乾燥後で2μmである。
(水溶性インクの組成)
ポリビニルアルコール 20質量部(固形分で)
(重合度500、鹸化度88%、クラレ(株)製のPVA205)
硫酸バリウム(平均粒径2μm) 10質量部
水/メタノール=1/4(質量比) 70質量部
その上に、銅を平均膜厚100nmとなるように真空蒸着した。次いで、常温の水に浸漬し、スポンジで擦ることによりドット部分を溶解除去し、次いで水でリンスした後、乾燥してメッシュ(格子)状パターンを形成した。
このフィルム表面の導電層は、正確にドットのネガパターンに対応した正方格子状のものであり、線幅は20μm、開口率は88%であった。
その後、導電層が形成されたPETフィルムを、硫酸銅5水塩:200g/L、硫酸:50g/L及び塩酸:20g/Lからなる硫酸銅浴中で、電気銅メッキを、30℃、20Aの条件で10分間行った。被着材(カソード)としては、寸法600×1000mmの銅板を用い、アノードとしてチタンケース入り銅球を用いた。
こうしてPETフィルムに、低表面張力樹脂層、導電層、及び金属メッキ層が形成された光透過性電磁波シールド性窓材を得た。
[実施例2〜5、及び比較例1及び2]
低表面張力樹脂層形成用塗布液として、表1に示すものを用いた以外、実施例1と同様にして光透過性電磁波シールド性窓材を得た。
[実施例6]
厚さ250μmのPETフィルム(Sグレード;(株)帝人製)上に、実施例1と同様にして低表面張力樹脂層を形成した。
次に、前記低表面張力樹脂層上に、下記の導電性インキをグラビア印刷によりメッシュ状に印刷し、100℃で20分間、乾燥させた。これにより、前記低表面張力樹脂層上にメッシュ状の導電層(厚さ1μm、線幅25μm、開口部の形状:1辺が234μmの正方形状、開口率81%)を得た。
(導電性インキの組成)
ポリエステル樹脂 13質量部
(東洋紡績(株)製、UR−1400)
ブロックイソシアネート 2質量部
(第一工業製薬(株)製、エラストロンBN−4)
銀粉末 75質量部
(福田金属箔粉工業(株)製、平均粒径5μm)
酢酸エチルカルビトール 10質量部
トルエン 10質量部
さらに、導電層及び低表面張力樹脂層が形成されたPETフィルムを、カソードとして用い、1規定硫酸(60℃)に3分間、浸漬させた後、硫酸銅5水塩:200g/L、硫酸:50g/L及び塩酸:20g/Lからなる硫酸銅浴中で、電気銅メッキを、30℃、20Aの条件で10分間行った。アノードとしては、チタンケース入り銅球を用いた。
こうしてPETフィルムに、低表面張力樹脂層、導電層、及び金属メッキ層が形成された光透過性電磁波シールド性窓材を得た。
[実施例7〜10及び比較例3〜4]
低表面張力樹脂層形成用塗布液として、表2に示すものを用いた以外、実施例6と同様にして光透過性電磁波シールド性窓材を得た。
[実施例11]
厚さ250μmのPETフィルム(Sグレード;(株)帝人製)上に、実施例1と同様にして低表面張力樹脂層を形成した。
次に、イミダゾールに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、モル比で1:1となるように混合し、1時間、100分間、反応させることにより得られた反応生成物を5wt%含む水溶液に、25℃で撹拌しながら塩化パラジウムを添加し、塩化パラジウム濃度が10g/Lの溶液を調製した。これをn−ブタノールで100体積倍に希釈し、塩化パラジウム濃度が100mg/Lの前処理剤を調製した。
次に、前記前処理剤を、低表面張力樹脂層上にグラビア印刷によってパターニングした後、120℃、5分間乾燥させた。これにより、前記低表面張力樹脂層上にメッシュ状の前処理層(厚さ0.1μm、線幅25μm、開口部の形状:1辺が230μmの正方形状、開口率81%)を得た。
このようにして得られた前処理層及び低表面張力樹脂層が形成されたPETフィルムを、無電解銅めっき液(メルテックス株式会社製 メルプレートCU−5100)に浸漬し、50℃、20分間で、無電解銅めっき処理して、メッシュ状の導電層を得た。前記導電層の厚さは0.5μmとした。
その後、前処理層及び低表面張力樹脂層を介して導電層が形成されたPETフィルムを、カソードとして用い、硫酸銅5水塩:200g/L、硫酸:50g/L及び塩酸:20g/Lからなる硫酸銅浴中で、電気銅メッキを、30℃、20Aの条件で10分間行った。アノードとしては、チタンケース入り銅球を用いた。
こうしてPETフィルムに、低表面張力樹脂層、導電層、及び金属メッキ層が形成された光透過性電磁波シールド性窓材を得た。
[実施例12〜15及び比較例5〜6]
低表面張力樹脂層形成用塗布液として、表3に示すものを用いた以外、実施例11と同様にして光透過性電磁波シールド性窓材を得た。
(評価)
このようにして得られた窓材について、下記方法により表面張力、印刷ダレ量、メッシュ開口率、電磁波シールド性を調査した。
(1)低表面張力樹脂層の表面張力(mN/m)
導電性パターンの形成前の低表面張力樹脂層の表面張力を下記のように得た。
即ち、接触角計(商品名:Drop Master 500;協和界面科学(株)製)を用いて、低表面張力樹脂層の接触角を測定し、得られた接触角を用いてYoung−Dupreの式に従い表面張力を算出した。
(2)印刷ダレ量(μm)
実施例1〜5及び比較例1〜2では、低表面張力樹脂層に形成した正方形のドットの1辺の印刷寸法と、設計寸法との差を示した。所定の寸法より大きい場合はプラスとなり、小さい場合はマイナスとなる。
なお、実施例6〜15及び比較例3〜6では、低表面張力樹脂層に形成したメッシュ状の導電層の印刷寸法と、設計寸法との差を示した。
(3)電磁波シールド性、視認性
得られた窓材について、電磁波シールド性をKFC法により評価した。
(4)開口率
得られた光透過性電磁波シールド性窓材の全光線透過率(Tt%)を測定し、以下の式より開口率を算出した。
開口率(%)=Tt×100/90
(但し、100/90は、窓材/フィルムの屈折率補正係数である)
得られた結果を、表1、表2及び表3に示す。
Figure 2007329461
Figure 2007329461
Figure 2007329461
実施例1〜15の本発明の特定の表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた光透過性電磁波シールド性窓材は、水溶性インク、導電性インキ及び前処理剤など各種インクのダレがほとんど見られず、このため、設計開口率に対して高い再現性を示した。
一方、比較例1〜6の本発明の低表面張力樹脂層とは異なる樹脂層が設けられた光透過性電磁波シールド性窓材は、各種インクのダレ、或いはハジキが大きい。例えば、比較例1では、導電層の大部分が断線しており、シールドが不良であり、比較例2では、導電層の線幅が大きく、低い開口率しか得られていない。
[実施例16]
複合金属酸化物水化物粒子(PdTiO3・6H2O、平均粒子径0.5μm)を、2液硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂溶液に、ポリエステル系ウレタン樹脂100質量部に対して複合金属酸化物水化物粒子を30質量部として配合して前処理剤を調製した。
なお、前記2液硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂溶液は、ポリエステル樹脂(東洋モートン株式会社製 AD−335A、Tg:10℃)と脂環族イソシアネート(東洋モートン株式会社製 CAT−10L)とを質量比で100:0.5含み、固形分濃度が10質量%のものを用いた。
次に、厚さ250μmのPETフィルム(Sグレード;(株)帝人製)上に、実施例1と同様にして低表面張力樹脂層を形成した。上記で調製した前処理剤を、低表面張力樹脂層上にグラビア印刷によってパターニングした後、120℃、5分間乾燥させることにより、前記PETフィルム上にメッシュ状の前処理層を形成した。なお、前記前処理層は、線幅を20μm、線間隔を254μm、開口率を85%、厚さを1μmとした。
次に、上記で得られた前処理層が形成されたPETフィルムを、60℃の次亜リン酸ナトリウム溶液(NaH2PO2濃度:30g/L)に、3分間浸漬させ、前処理層の還元処理を行った。
上記で還元処理された前処理層が形成されたPETフィルムを、無電解銅めっき液(メルテックス株式会社製 メルプレートCU−5100)に浸漬し、50℃、20分間で、無電解銅めっき処理して、メッシュ状の導電層を得た。前記導電層において、線幅を28μm、線間隔を227μm、開口率を79%、厚さを4μmとした。
5.導電層の黒化処理
さらに、前記で得られた導電層が形成されたPETフィルムに対して、下記組成の黒化処理を行った。
黒化処理液組成(水溶液)
亜塩素酸ナトリウム: 10質量%
水酸化ナトリウム: 4質量%
黒化処理条件
浴温: 約60℃
時間: 5分間
この黒化処理により、導電層の表面が黒化処理された光透過性電磁波シールド材を得た。得られた光透過性電磁波シールド材の表面の黒化処理された厚みは、平均0.5μmであった。
[実施例17]
実施例16と同様にして低表面張力樹脂層及び還元処理された前処理層が形成されたPETフィルムを作製し、これを無電解銅めっき液(メルテックス株式会社製 メルプレートCU−5100)に浸漬し、50℃、5分間で、無電解銅めっき処理を行った後、さらに、電気めっき用の硫酸銅水溶液に浸漬させ、整流器により発生させた2A/dm2の電流を5分間かけることによりメッシュ状の導電層を得た。前記導電層において、線幅を28μm、線間隔を227μm、開口率を79%、厚さを4μmとした。
次に、実施例16と同様にして、前記で作製した導電層を黒化処理し、導電層の表面が黒化処理された光透過性電磁波シールド材を得た。
[実施例18]
実施例16と同様にして低表面張力樹脂層及び還元処理された前処理層が形成されたPETフィルムを、無電解ニッケルめっき−ホウ素合金めっき液(奥野製薬工業株式会社製 トップケミアロイB−1)に浸漬し、60℃、5分間で、無電解めっき処理を行った後、さらに、電解めっき用の硫酸銅水溶液に浸漬させ、整流器により発生させた2A/dm2の電流を5分間かけることによりメッシュ状の導電層を得た。前記導電層において、線幅を28μm、線間隔を227μm、開口率を79%、厚さを4μmとした。
次に、実施例16と同様にして、前記で作製した導電層を黒化処理し、導電層の表面が黒化処理された光透過性電磁波シールド材を得た。
本発明の第1の製造方法を、各工程に沿って説明した説明図である。 本発明の第2の製造方法を、各工程に沿って説明した説明図である。 本発明の第3の製造方法を、各工程に沿って説明した説明図である。 本発明の第4の製造方法を、各工程に沿って説明した説明図である。
符号の説明
101、201、301、401 透明基板
102、202、302、402 低表面張力樹脂層
103 ドット
104 導電材料層
305、405 前処理層
106、206、306、406 導電層

Claims (44)

  1. 表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた透明基板の該低表面張力樹脂層上に、溶剤に対して可溶な材料を含む印刷インクをドット状に印刷してドット状のパターンを形成する工程(A−1)、
    該パターンを有する低表面張力樹脂層上に、該溶剤に対して不溶な導電材料を含む導電材料層を形成する工程(A−2)、次いで
    該溶剤により、該パターン及び該パターン上の導電材料層を除去することによりメッシュ状の導電層を形成する工程(A−3)、
    を含む電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  2. 低表面張力樹脂層が、シリコーンオイルを0.0005〜5質量%含有している請求項1に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  3. 低表面張力樹脂層が、活性水素を含む基を有する合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む組成物の硬化層である請求項2に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  4. 活性水素を含む基を有する合成樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及び酢酸ビニル樹脂から選択される少なくとも1種である請求項3に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  5. シリコーンオイルが、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、及びエポキシ変性シリコーンオイルから選択される少なくとも1種である請求項2〜4のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  6. シリコーンオイルが、ジメチルシリコーンオイルである請求項5に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  7. 低表面張力樹脂層の層厚が、0.05〜5μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  8. 低表面張力樹脂層が、シリコーンオイル、活性水素を含む基を有する合成樹脂及び少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを含む組成物を透明基板表面に塗工し、硬化させることにより形成される請求項3〜7のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  9. 低表面張力樹脂層が、シリコーンオイルを含む低表面張力樹脂層形成用組成物を含有するシリコーンゴムロールを、透明基板表面に形成されたシリコーンオイルを含まない低表面張力樹脂層に押圧し、該シリコーンオイルを該シリコーンオイルを含まない低表面張力樹脂層に含浸させ、次いで加熱することにより形成される請求項2〜8のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  10. 工程(A−1)と工程(A−2)の間に、該パターンを有する透明基板上に、前記溶剤に不溶な防眩層を形成し、その後、工程(A−3)において、該溶剤により、該パターンと、該パターン上の防眩層及び導電材料層とを除去する請求項1〜12のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  11. 工程(A−3)終了後、メッシュ状の導電層を電気メッキ処理又は無電解メッキ処理して、メッシュ状の金属メッキ層を形成する工程を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 金属メッキ層をさらに黒化処理を行う工程を含む請求項11に記載の製造方法。
  13. 該溶剤が水である請求項1〜12のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  14. 該溶剤に対して可溶な材料が水溶性高分子材料である請求項1〜13のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  15. 印刷インクが、水溶性高分子材料を水及びメタノールを含む混合溶剤に溶解させた溶液を含む請求項1〜14のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  16. メッシュ状の導電層が、開口率75%以上の格子状の層である請求項1〜15のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  17. 不溶な導電材料が、金属及び/又は導電性金属酸化物である請求項1〜16のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  18. 導電材料層が、金属及び/又は導電性金属酸化物の蒸着膜である請求項17に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  19. 請求項1〜18のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材。
  20. 透明基板、その上に設けられた表面張力が30〜43mN/mの低表面張力樹脂層及び該低表面張力樹脂層上に設けられたメッシュ状の導電層を含む電磁波シールド性光透過窓材。
  21. 表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた透明基板の該低表面張力樹脂層上に、導電性粒子及びバインダ樹脂を含む導電性インキをメッシュ状に印刷して、メッシュ状の導電層を形成する工程(B−1)、
    を含む電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  22. 該導電性粒子が、銀、銅、金、ニッケル、インジウム及びスズよりなる群から選択される少なくとも1種からなる請求項21に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  23. 該導電性粒子の粒子径が、10nm〜10μmである請求項21又は22のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  24. メッシュ状の導電層を強酸に接触させる工程を含む請求項21〜23のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  25. 該強酸が、塩酸及び/又は硫酸である請求項24に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  26. 該強酸の温度が40〜80℃である請求項24又は25のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  27. 請求項21〜26のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材。
  28. 表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた透明基板の該低表面張力樹脂層上に、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物又は反応生成物、及び貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤をメッシュ状に印刷して、メッシュ状の前処理層を形成する工程(C−1)、及び
    該前処理層上に無電解めっき処理により、メッシュ状の導電層を形成する工程(C−2)、
    を含む電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  29. 該シランカップリング剤が、エポキシ基含有シラン化合物である請求項28に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  30. 該シランカップリング剤が、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランである請求項28又は29に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  31. 該アゾール系化合物が、イミダゾールである請求項28〜30のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  32. 該貴金属化合物が、パラジウム、銀、白金及び金よりなる群から選択される少なくとも1種の金属原子を含む化合物である請求項28〜31のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  33. 該無電解めっき前処理剤を該透明基板上にメッシュ状に印刷した後、80〜160℃で乾燥させる請求項28〜32のいずれか1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  34. 請求項28〜33のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材。
  35. 透明基板、その上に設けられた表面張力が30〜43mN/mの低表面張力樹脂層、及び該低表面張力樹脂層上にメッシュ状の前処理層を介して設けられたメッシュ状の導電層を含み、
    前記メッシュ状の前処理層が、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物又は反応生成物、及び貴金属化合物を含む無電解めっき前処理剤を用いて形成されたものである電磁波シールド性光透過窓材。
  36. 表面に、30〜43mN/mの表面張力を有する低表面張力樹脂層が設けられた透明基板の該低表面張力樹脂層上に、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物と、合成樹脂とを含む無電解めっき前処理剤をメッシュ状に印刷して、メッシュ状の前処理層を形成する工程(D−1)、及び、
    前記前処理層上に、無電解めっき処理により、メッシュ状の導電層を形成する工程(D−2)、
    を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  37. 前記複合金属酸化物及び前記複合金属酸化物水化物が、Pd、Ag、Si、Ti及びZrよりなる群から選択される少なくとも2種の金属元素を含む請求項36に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  38. 前記複合金属酸化物水化物が、下記式(I)
    Figure 2007329461
    (式中、M1はPd又はAgを表し、M2はSi、Ti又はZrを表し、M1がPdである場合にはxは1であり、M1がAgである場合にはxは2であり、nは1〜20の整数である)で示される請求項36または37に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  39. 前記工程(D−2)の前に、前記前処理層を還元処理する工程を有する請求項36〜38のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  40. 前記還元処理を、前記前処理層が形成された透明基板を、還元剤を含む溶液に浸漬させることにより行う請求項39に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  41. 前記還元剤が、アミノボラン、ジメチルアミンボラン、次亜リン酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシルアミン、ハイドロサルファイト及びホルマリンよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項40に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  42. 前記還元剤を含む溶液における前記還元剤の濃度が、0.01〜200g/Lである請求項40または41に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
  43. 請求項36〜42のいずれかに1項に記載の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材。
  44. 透明基板、その上に設けられた表面張力が30〜43mN/mの低表面張力樹脂層、及び該低表面張力樹脂層上にメッシュ状の前処理層を介して設けられたメッシュ状の導電層を含み、
    前記メッシュ状の前処理層が、複合金属酸化物及び/又は複合金属酸化物水化物と、合成樹脂とを含む無電解めっき前処理剤を用いて形成されたものである電磁波シールド性光透過窓材。
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