JP2001168574A - 透視性電磁波シールド材の製造方法 - Google Patents

透視性電磁波シールド材の製造方法

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JP2001168574A
JP2001168574A JP37644599A JP37644599A JP2001168574A JP 2001168574 A JP2001168574 A JP 2001168574A JP 37644599 A JP37644599 A JP 37644599A JP 37644599 A JP37644599 A JP 37644599A JP 2001168574 A JP2001168574 A JP 2001168574A
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plating
coating film
electromagnetic wave
solution
coating
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JP37644599A
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Soichiro Takenishi
壮一郎 竹西
Toshinori Marutsuka
利徳 丸塚
Makoto Kuwabara
真 桑原
Akira Taniguchi
彰 谷口
Yoji Shiga
洋史 志賀
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は電磁波を遮蔽する働きをし、かつデ
ィスプレイ装置前面等に設置し、内部を透視することが
できるパターニング加工精度の高い電磁波シールド材と
その製造方法に関するものである。 【構成】還元金属粒子(無電解めっき触媒)[A]を分
散含有する透明樹脂塗膜を透明基材上に形成後、該塗膜
のメッシュ状パターン開口部に、(1)[A]を失活又
は溶解除去可能な処理剤[B]を接触させ、及び/又は
(2)電磁波あるいは電子線を照射した後、必要に応じ
て[B]を除去し非水系無電解めっき液で下地処理後、
無電解めっき(水系)によりメッシュ状パターン部だけ
の塗膜上部にめっき層(導電層)を形成し、同時に塗膜
を黒色化することを特徴とする透視性電磁波シールド材
の製造方法。処理剤[B]として、アルコール(液
体)及び/又は酸性水溶液、アルコール(液体)及び
/又は酸性水溶液を含有するインク組成物、酸化性ガ
ス、アルコール蒸気のいずれかを用いる。又、電磁波
として、紫外線、遠紫外線、X線のいずれかを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ装置
前面等に設置し電磁波を遮蔽するメッシュ状めっきパタ
ーンを有する透視性電磁波シールド材の製造方法に関す
るものである。特に、パターニングの際、エッチングを
行わず、メッシュ状パターンめっき(水系めっき)の前
処理を行う製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイ装置前面等に設置される電
磁波シールド材は、優れた電磁波シールド性能の他に、
透視性に優れ且つ視野角が広いことが要求されている。
この要求をみたす電磁波シールド材として特開平5−1
6281号又は特開平10−72676号に記載された
発明が知られている。
【0003】すなわち、特開平5−16281号の発明
は、「透明なアクリル板上にセルロースアセテートプロ
ピネートを塗布して親水性透明樹脂層を積層する。風乾
後、塩酸酸性パラジウムコロイド触媒液に浸漬し、親水
性透明樹脂に無電解メッキ核を形成し、水洗後、無電解
銅メッキを行なう。その後塩化第二鉄を用いたレジスト
法によりエッチングを行い無電解メッキ層をパターン化
する。無電解メッキ層表面は金属光沢色で、パターン化
された無電解メッキ層下の親水性透明樹脂層は黒色パタ
ーン部となる。」ものである。
【0004】又、特開平10−72676号の発明は、
「透明基材上に還元性金属を含有する樹脂溶液を塗布、
乾燥して塗膜を形成し、次いで必要に応じて還元処理し
た後、該塗膜全面に無電解メッキ層を形成すると同時に
該塗膜を黒色にし、無電解メッキ層上に所望のパターン
のレジスト部を形成し、非レジスト部の無電解メッキ層
および該無電解メッキ層下の塗膜中の黒色部をエッチン
グにより除去することを特徴とする透視性電磁波シール
ド材料の製造方法。還元性金属として、金属の塩もしく
は錯体、又は還元粒子を用いる。」ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−16281号の発明は、無電解メッキ工程の前に
塩酸酸性パラジウムコロイド触媒液に浸漬し、親水性透
明樹脂に無電解メッキ核(触媒)を形成する必要があっ
た。
【0006】しかもこの方法は、無電解メッキ核が基
板両面に吸着し、両面メッキされるため、メッキコスト
が高くなるという問題があった。また塗膜形成面のみ
をメッキするためには、反対面にメッキ防止処理が必要
となり、工程数が増加し、製造コストが上昇するという
問題があった。また、基板を触媒液中に浸漬する際に
著しい塗膜密着性の低下を伴うという問題があった。
【0007】更に、基板を触媒液に浸漬することで塗
膜中へ触媒を浸透させるため、触媒分布を塗膜厚方向に
均一にすることが困難であり、メッキによる塗膜の黒色
化を安定かつ効率的に行なうことが困難であった。その
結果として、黒化度にバラツキ(黒さムラ)が生じ視認
性の悪いものとなった。更に、メッキ密着性が低くバ
ラツキもあるため、メッキ層のパターン化や切り出し等
の加工の際にはく離による欠陥(不良品)を生じ易く歩
留まりが悪いという問題があった。
【0008】更に、エッチング方法及び条件(液組
成、温度、時間)のコントロールが容易でないため、エ
ッチング不足やオーバーエッチングとなり易く、設定通
りのライン幅/ライン間隔をもつメッシュ状パターンを
得ることが容易でなかった。特に、大面積の場合ではラ
イン幅/ライン間隔が面内でばらつくため、雨だれ模様
等が生じ易く見栄えや視認性が悪いものとなった。
【0009】又、特開平10−72676号の発明は、
特開平5−16281号の発明の〜の問題を解決し
た画期的なものであったが、特開平5−16281号の
発明同様、の問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、パターニング
の際、エッチングを行わないため、特にパターニング加
工精度の高い透視性電磁波シールド剤の製造方法を提供
するもので、すなわち、(1)還元金属粒子(無電解め
っき触媒)[A]を分散含有する透明樹脂塗膜を透明基
材上に形成後、該塗膜のメッシュ状パターン開口部にな
る部分に、(1)[A]を失活又は溶解除去可能な処理
剤[B]を接触させ、及び/又は(2)電磁波あるいは
電子線を照射した後、必要に応じて[B]を除去し非水
系無電解めっき液で下地処理後、無電解めっき(水系)
によりメッシュ状パターン部になる部分だけの塗膜上部
にめっき層(導電層)を形成し、同時に塗膜を黒色化す
ることを特徴とする透視性電磁波シールド材の製造方
法、(2)処理剤[B]が、アルコール(液体)及び
/又は酸性水溶液、アルコール(液体)及び/又は酸
性水溶液を含有するインク組成物、酸化性ガス、ア
ルコール蒸気のいずれかであることを特徴とする(1)
記載の製造方法、(3)電磁波が、紫外線、遠紫外線、
X線のいずれかであることを特徴とする(1)記載の製
造方法、(4)還元金属粒子(無電解めっき触媒)を分
散含有する透明樹脂塗膜を透明基材上に形成し、必要に
応じて非水系無電解めっき液で下地処理後、メッシュ状
パターン開口部になる部分にめっきレジスト層を形成
し、無電解めっき(水系)によりメッシュ状パターン部
になる部分だけの塗膜上部にめっき層(導電層)を形
成、同時に塗膜を黒色化し、必要に応じてめっきレジス
ト層を除去することを特徴とする透視性電磁波シールド
材の製造方法、である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の基材は用途によって選択
され、透明であることが要求され、たとえば、ガラス
板、プラスチックフィルム、プラスチックシート、プラ
スチック板等が挙げられる。また基材の形状も特に限定
されない。
【0012】基材に使用されるプラスチックとしては透
明性の高い樹脂が好ましく、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリエチレン、AS樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリサル
ホン、ポリエーテルサルホン、ポリ塩化ビニル、オレフ
ィン・マレイミド共重合体、ノルボルネン系樹脂等が適
当であるが、なかでも耐熱性の高い、オレフィン・マレ
イミド共重合体、ノルボルネン系樹脂が好ましい。
【0013】プラスチックの熱変形温度は 140〜3
60℃、熱線膨張係数は6.2×10−5cm/cm・
℃以下、鉛筆硬度は2H以上、曲げ強度は1,200〜
2,000kgf/cm、曲げ弾性率は30,000
〜50,000kgf/cm、引張強度は700〜
1,200kgf/cmであることが好ましい。この
ようなプラスチックは、高温下でも反りにくく、傷つき
にくいため広範な環境下で使用できる。
【0014】又、プラスチックの光線透過率は90%以
上、アッベ数は50〜70、光弾性定数(ガラス領域)
の絶対値は10×10−13cm/dyne以下であ
ることが好ましい。このようなプラスチックは、透明性
が高く(明るく)、複屈折が小さい(2重像となりにく
い)ため、ディスプレイの本来の画質、輝度等を損なわ
ない。
【0015】基材に塗布する還元金属粒子分散樹脂溶液
(塗布液)中の樹脂は、透明性が必要の他、金属の塩も
しくは錯体、又は還元金属粒子に対して良好な溶解性又
は分散性を有する限りその種類を問わない。
【0016】使用される樹脂としては、メッキ液が還元
金属粒子分散樹脂塗膜中に浸透し、無電解めっき触媒で
ある還元金属粒子が核となり反応し、メッキ金属が析出
して黒色化させるため、親水性の透明樹脂が好ましい
が、還元金属粒子分散樹脂塗膜にめっき液が浸透すれば
よく、(マトリックス)樹脂そのものは、疎水性であっ
ても使用できる。具体例としては、ビニルアセタール系
樹脂、ビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、セル
ロース系樹脂などが適当であるが、なかでもポリビニル
ブチラール等のビニルアセタール系樹脂、及びセルロー
スアセテートブチレート等のセルロース系樹脂が好まし
い。
【0017】本発明に使用される還元金属粒子として
は、還元金属コロイド分散液中のコロイド粒子、あるい
は該分散液から得られる還元金属粉であって、メッキ触
媒活性を有し、塗膜内に均一に分散できる限り、金属の
種類、粒径は問わない。かかる還元金属粒子は、大気又
は湿気に対して安定であることが望ましい。具体例とし
ては、周期律表第VIII族の金属(Ni、Co、R
h、Pdなど)を含むコロイド粒子で、還元Pdコロイ
ド粒子、あるいは、これより得られる還元Pd粉が特に
好ましい。還元金属コロイド粒子は、特開平1−315
334号公報に記載の方法で製造できる。すなわち、低
級アルコール類と非プロトン極性化合物とからなる混合
溶液中で金属の塩又は錯体を還元することによりコロイ
ド分散液が得られる。
【0018】尚、還元金属粒子分散樹脂溶液(塗布液)
は、通常上述の方法で得られた還元金属コロイド分散液
又は還元金属粒子を樹脂溶液と混合して調製されるが、
塗布液中の樹脂の一部又は全部が溶液状で共存下で金属
の塩又は錯体が溶解又は分散した液に、還元剤(例え
ば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、
ジメチルアミンボラン等の水素化ホウ素化合物)を粉末
又は溶液として添加・混合することでも調製できる(樹
脂の一部が共存下で調製した場合は、還元後残りの樹脂
を粉末又は溶液で加えれば良い)。後者の調製法を用い
れば、一般にめっき触媒活性の高い塗布液(塗膜)を容
易に得ることができる。又、工程数の削減(コストの削
減)を図ることができる。
【0019】還元金属粒子の使用量は、0.5〜50P
HR(樹脂量100重量部に対する重量部)であること
が好ましく、更に好ましくは1〜10PHRの範囲にあ
る。0.5PHR未満では、めっき析出性・緻密性(光
沢)に乏しく、50PHR超では塗膜物性が低下する。
又、樹脂と還元金属粒子の組合せも、同様の観点から適
宜選択すればよい。
【0020】本発明の還元金属粒子分散樹脂溶液(塗布
液)をつくる溶媒は、樹脂を溶解可能で、還元金属粒子
を混和・分散可能であればその種類を問わない。
【0021】例えば、メタノール、エタノール、クロロ
ホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセト
ン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリド
ン等の単独又は混合溶媒が好ましく用いられる。用いる
樹脂と還元金属粒子との組合せに応じて適宜に選択す
る。
【0022】溶媒の使用量は、適当な粘性、流動性を有
するように、かつ基材に塗布するのに適するように選ば
れる。
【0023】次に、透視性電磁波シールド材の製造方法
について詳しく説明する。 (工程1)還元金属粒子分散樹脂塗膜形成:還元金属粒
子分散樹脂溶液(塗布液)を任意形状の透明基材上に塗
布し、乾燥することにより、還元金属粒子分散樹脂塗膜
を形成する。塗布は、ハケ塗り、スプレー塗装、ディッ
プコート、ロール塗装、カレンダー塗装、スピンコー
ト、バーコート等の通常の塗布方法を基材の形状に応じ
て選択する。
【0024】また、塗膜形成は、樹脂の種類、濃度、塗
膜厚さ等に応じて条件(温度、時間等)が決定される。
通常、不揮発分濃度が0.05〜20wt%で塗布され
る。塗膜厚は0.2〜10μm、好ましくは0.5〜5
μmとする。
【0025】(工程2)メッシュ状パターンめっき(水
系めっき)の前処理:還元金属粒子分散樹脂塗膜のメッ
シュ状パターン部のみをめっきする(メッシュ状パター
ン開口部のみをめっきされないようにする)ための前処
理である。
【0026】即ち、メッシュ状パターン開口部の塗膜
中還元金属粒子(めっき触媒)を後述の失活処理剤で溶
解(失活)又は溶解除去又は金属酸化物化(失活)させ
る、及び/又はマトリックスの樹脂(めっき液で濡れ
る、めっき液が浸透する場合、例えばネガ型感光性樹
脂)塗膜をめっき液で濡れない、めっき液が浸透しない
ように改質する、更にはメッシュ状パターン開口部に
めっきレジスト層を形成する、等がある。
【0027】の場合、失活処理剤として、イ)有機溶
媒(液状又は蒸気)、ロ)酸性水溶液、ハ)酸化性ガス
がある。
【0028】イ)有機溶媒として、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、
アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、塩化メ
チレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、
酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ア
セトニトリル、シクロヘキサノン等の単独又は混合溶液
が好ましく用いられる。なかでも、メタノール、エタノ
ール等のアルコール類が好適である。
【0029】処理条件は、有機溶媒の種類や状態(液体
又は燕気)に応じて適宜決定される。通常は、100%
の有機溶媒(0〜50℃、好ましくは10〜30℃)
で、1秒〜20分間、好ましくは5秒〜10分間処理さ
れる。(但し、インク組成物の場合、有機溶媒は30〜
99%、好ましくは50〜95%で用いられる。)
【0030】ちなみに、めっきされなくなる(失活)機
構は(十分に解明されていないが)、「前述の失活処理
剤が樹脂塗膜へ浸透(樹脂塗膜が膨潤)するとともに、
還元金属粒子は塗膜中に残存する陰イオン(例えば、樹
脂溶液中で塩化パラジウムを還元して得られた還元パラ
ジウムコロイド系塗布液(塗膜)中には塩素イオンが残
存する)の存在下で溶解(失活、例えば還元パラジウム
→パラジウムイオン)し、条件次第では塗膜から外部へ
溶出するため」と考えられる。
【0031】失活させるだけでめっきはされなくなる
が、めっき時に条件次第では、めっき液中の還元剤によ
り還元され、再び活性を発現する(めっきすべきメッシ
ュ状パターン部よりかなり遅れてめっきされる)ことも
ありうるので、還元金属粒子は意図的に溶解除去した方
が望ましい。
【0032】ロ)酸性水溶液として、ギ酸、酢酸、シュ
ウ酸、酒石酸等の有機酸類、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸
等の無機酸類が用いられる。なかでも、塩酸、硝酸など
の無機酸類が溶解力の点で好適である。
【0033】処理条件は、酸の種類に応じて適宜決定さ
れる。通常は、0.5〜50%、好ましくは1〜25%
の酸性水溶液(0〜50℃、好ましくは10〜30℃)
で、1秒〜10分問、好ましくは3秒〜5分間処理され
る。(但し、インク組成物の場合、酸は0.5〜40
%、好ましくは1〜20%で用いられる。)
【0034】ちなみに、めっきされなくなる機構は、
イ)の場合とほぼ同じであるが、還元金属粒子を別途調
製後、樹脂溶液へ分散し塗布液を調製した(陰イオンが
存在しない)場合でも、塗膜中還元金属粒子を溶解(失
活)又は溶解除去できるため、イ)と併用すると効果的
である。
【0035】尚、イ)及び/又はロ)の失活処理剤は、
通常メッシュ状物を基材上塗膜に密着させた状態で、失
活処理剤中に浸漬する(又は失活処理剤蒸気中に曝
す)、又は逆に失活処理剤を基材上塗膜に吹き付ける、
更にはチキソ性付与剤(微粒子等)、必要に応じて樹脂
を添加、インク化して印刷する等の方法でメッシュ状パ
ターン開口部の塗膜に接触させる。
【0036】ハ)酸化性ガスとして、オゾン、塩化水
素、塩素等が用いられる。なかでも、オゾンが好適であ
る。
【0037】処理条件は、酸化性ガスの種類に応じて適
宜決定される。通常は、0.5〜60%、好ましくは1
〜30%の酸化性ガス含有空気(0〜50℃、好ましく
は10〜30℃)で、5秒〜30分間、好ましくは10
秒〜15分間処理される。
【0038】ちなみに、めっきされなくなる機構は、
「塗膜が失活処理剤に曝されると、塗膜中還元金属粒子
が金属酸化物又は金属塩へ変化し失活するため」と考え
られる。
【0039】尚、ハ)の失活処理剤は、通常メッシュ状
物を基材上塗膜に密着させた状態で、基材ごと失活処理
剤雰囲気に曝すなどの方法でメッシュ状パターン開口部
の塗膜に接触させる。
【0040】イ)、ロ)、ハ)のいずれの場合も、処理
条件の下限未満では(失活)処理効果が低く、上限超で
は処理の選択性、実用性、処理剤の取扱い性等が低い。
【0041】のマトリックスの樹脂をめっき液で濡れ
なくし又は浸透しなくする改質方法としては、例えば還
元金属粒子を分散したネガ型感光性樹脂の塗膜(めっき
液で濡れる・めっき液が浸透する場合)にメッシュ状パ
ターンのフォトマスクを密着させ紫外線を照射し、メッ
シュ状パターン開口部を露光・硬化することで、めっき
液に濡れない・めっき液が浸透しない塗膜に改質し、め
っきされなくする(メッシュ状パターン部をめっきす
る)。同様に還元金属粒子を分散したポジ型感光性樹脂
(めっき液で濡れない・めっき液が浸透しない場合)に
メッシュ状とは逆のパターンのフォトマスクを密着さ
せ、紫外線を照射しメッシュ状パターン部を露光・分解
することでめっき液に濡れる・めっき液が浸透する塗膜
に改質し、めっきする。
【0042】ちなみに、感光性樹脂には、紫外線(波長
350〜450nm)、遠紫外線(波長200〜300
nm)、X線(波長0.4〜5nm)等の電磁波を用い
るフォトレジスト、遠紫外線レジスト、X線レジストの
他、電子線(波長0.1nm以下)を用いる電子線レジ
スト等があり、要求されるパターン精度に応じて使い分
けるとよい。たとえば高い精度を求める場合は、短い波
長とそれに対応するレジストが必要となる。
【0043】尚、ネガ型感光性樹脂の場合は、メッシュ
状パターン開口部(露光部)の還元金属粒子を溶解、
又は溶解除去、あるいは金属酸化物又は金属塩とし失活
させた後でさらに樹脂を硬化させめっき液に濡れな
い、めっき液が浸透しないようにする処理を併用するこ
とでより確実にメッシュ状パターン部のみをめっきする
ことが望ましい。とは、の順で処理することも
できるが、の後ではの処理効率が低下するため、通
常は同時に又はの順で処理する。
【0044】一方、ポジ型感光性樹脂の場合は、メッシ
ュ状パターン開口部(未露光部)をめっき前(露光の前
又は後)に還元金属粒子を金属酸化物又は金属塩とし失
活させておくことで、より確実にメッシュ状パターン部
のみをめっきすることができる。とは、又は
の順で処理することができる。(とは、マスクが
異なる(逆のパターンである)ため同時に処理すること
はできない。)
【0045】のメッシュ状パターン開口部にめっきレ
ジスト層を形成する方法は、塗膜上にメッシュ状とは逆
のパターンのめっきレジスト層を形成してメッシュ状パ
ターン部のみをめっきする。めっきレジストは、耐めっ
き液性を有していれば、種類・組成を問わない、又感光
性でも非感光性でも構わない。要求されるパターン精度
があまり高くない場合は、非感光性レジストを印刷して
形成することが、生産性・コストの点で有利である。
尚、めっきレジストは、通常めっき後に除去されるが、
透明性が十分高ければそのまま残しても構わない。
【0046】及び/又は又はの処理後、直接水系
無電解めっきすることもできるが、めっき析出性が低い
(即ち、塗膜の耐めっき液性が高く水系無電解めっき液
が塗膜中へ浸透しにくい)場合では、必要に応じて非水
系無電解めっき液でさらに前処理を行い、(更に必要に
応じて、メタノール等で洗浄、常温〜100℃で1〜3
0分間乾燥後)その後水系無電解めっきすればよい。こ
れにより、水系めっき初期のめっき析出性及び水系めっ
き後のめっき密着性・塗膜黒化度は著しく向上する。こ
れは、非水系無電解めっき液の塗膜中への浸透力が極め
て高く、塗膜中で効率よく金属が析出するためである。
【0047】非水系無電解めっき液による前処理は、通
常(還元金属粒子分散樹脂)塗膜を形成した基材ごと常
温の非水系無電解めっき液中に1〜15分間浸漬するこ
とで行われるが、基材上の塗膜に対して非水系無電解め
つき液を吹き付けてもよい。この処理は、次工程で水系
無電解めっき液を浸透しやすくすることを目的とするた
め、金属光沢が出るまで行う必要はない。通常は、塗膜
が黒色化すらしない段階でとどめる。(この処理は‘非
水系のめっき’と言えなくないが、通常金属光沢が出る
まで処理しないため、‘水系めっきの前処理’と位置付
けた。)
【0048】尚、非水系無電解めっき液とは、「少なく
とも金属の塩又は錯体及び還元剤を含む非水(有機溶
剤)系溶液」のことである。金属の塩又は錯体は、有機
溶剤に可溶で後述の還元剤にて接触的に(めっき触媒の
存在下)還元されうるものであれば特に限定されない。
具体例としては、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、白金、銅、銀、金等の元素
周期律表(長周期型)の第Ib族又は第VIII族に属
する金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、有機塩(例えば酢
酸塩)、ベンゾニトリル錯体、アセチルアセトナト錯
体、アンモニア錯体等が挙げられる。なかでも、硝酸ニ
ッケル等が好適である。
【0049】又、非水系無電解めっき液中の金属の塩又
は錯体の濃度も、有機溶剤に可溶な範囲であれば特に限
定されないが、通常は1〜50重量%、好ましくは5〜
25重量%で使用される。50重量%超では処理時に析
出したり分解したりし易い。1重量%未満では処理時の
濃度変化率が大きく連続管理が容易でない。
【0050】還元剤は、有機溶剤に可溶で金属の塩又は
錯体を直接還元することなく接触的に還元しうるもので
あれば特に限定されない。具体的には、アミノボラン、
ジメチルアミンボラン等の水素化ホウ素化合物の他、F
eSOの如き第一鉄塩、次亜リン酸ソーダの如きリン
酸水素金属塩、硫酸ヒドロキシルアミン、ハイドロサル
ファイト、ホルマリン等が挙げられる。なかでも、ジメ
チルアミンボラン等の水素化ホウ素化合物が好適であ
る。
【0051】又、非水系無電解めっき液中の還元剤濃度
は、有機溶剤に可溶な範囲であれば特に限定されない
が、通常は0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜1
0重量%で使用される。20重量%超では処理時に析出
したり分解したりし易い。0.1重量%未満では処理時
の濃度変化率が大きく連続管理が容易でない。
【0052】有機溶剤は、金属の塩又は錯体及び還元剤
を可溶であれば特に限定されない。具体例としては、
で用いた有機溶媒がそのまま挙げられる。なかでも、メ
タノール、エタノール等のアルコール類が好適である。
【0053】非水系無電解めっき液は、通常0〜50
℃、好ましくは10〜30℃で使用される。0℃未満で
は金属析出速度が低く実用的でない。50℃超では金属
析出速度が速くコントロール(液管理)が容易でない、
又分解もしやすくなり実用的でない。処理時間は、金属
析出速度を考慮し、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0054】(工程3)水系無電解めっき:(工程2)
でメッキ下地(触媒)化された被メッキ物(透明基材上
の塗膜)は、無電解メッキ工程に移され、所望の金属メ
ッキ物、即ち、塗膜上にメッシュ状めっきパターンが形
成され、同時にメッシュ状パターン部塗膜が黒色化され
た(透明基材側からみれば黒色のメッシュ状パターンを
有する)透視性電磁波シールド材となる。無電解メッキ
は通常行なわれている方法を目的に応じて選択すればよ
く、例えばNiメッキ、Cuメッキ等が代表的である。
【0055】尚、(工程2)ので必要に応じてめっき
レジストをはく離する場合においては、レジスト部をア
ルカリ溶液、メタノール、エタノール等のはく離液に浸
漬(揺動又は超音波併用)する及び/又ははく離液をス
プレーにて吹きつける等して除去すればよい。
【0056】処理条件は、剥離液の種類に応じて適宜決
定される。通常は、PH8〜13のアルカリ水溶液、メ
タノール、エタノール等の剥離液(5〜50℃、好まし
くは10〜30℃)で、1秒〜30分間、好ましくは3
秒〜15分間処理される。処理条件の下限未満では剥離
が不完全(レジストが部分的に残存)であり、上限超で
はめっき密着性が低下する。
【0057】透視性電磁波シールド材の透明基材(厚さ
2mm、屈折率1.49、光透過率93%、平均粗さR
a40Å)側から見た塗膜の黒化度は、光学濃度(入射
角7°、正反射を含まない場合)で2.9以上であるこ
とが好ましい。光学濃度が2.9未満では、塗膜の黒化
度が低く視認性が悪い(光学濃度が低いほどめっき光沢
が強くまぶしい)。光学濃度が2.9以上では、塗膜の
黒化度が十分高く視認性は良好である(くっきり見え
る)。4.0を超えると実質的に肉眼では視認性がそれ
以上向上しない。
【0058】尚、視認性を決める要素としては、黒化度
以外にパターニング加工精度があるが、エッチング加工
する場合で多くみられた雨だれ等の模様(メッシュ状パ
ターンライン巾のばらつきによる)は、全くみられず、
パターニング加工精度の高いものであった。
【0059】次に実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0060】
【実施例1】電気化学工業(株)製ポリビニルブチラー
ル(PVB)「デンカブチラール#6000−C」のア
ルコール溶液と奥野製薬工業(株)製塩酸酸性パラジウ
ム(Pd)コロイド触媒液「OPC−80キャタリスト
M」を混合し塗布液とした(塗布液組成;PVB/触媒
液/メタノール/ブタノール=10/43/647/3
00(重量比),Pdコロイド3PHR(PdCl
算))。
【0061】この塗布液を42インチ(980mm×5
80mm)アクリル板にディップコート法にて塗布、風
乾後、95℃で1時間乾燥した(塗膜厚:3μm)。
【0062】この塗膜上に(工程2)として、失活処理
剤としてメタノールを90%含有するインク組成物をイ
ンクジェット方式にて印刷(メッシュ状とは逆のパター
ン形成)後、30秒間放置してから奥野製薬工業(株)
製ホルマリン含有銅めっき液(水系)「OPC−カッパ
ーH」(50℃)中に15分間浸漬した。この結果、ア
クリル板上塗膜表面が銅光沢、塗膜裏面(アクリル板側
から観察)が濃黒色のメッシュ状パターンを有する透視
性電磁波シールド材が作製できた。
【0063】尚、印刷後のインク組成物中のメタノール
は放置時にほとんど蒸発した(仮にめつき液中に持ち込
まれても影響はない)。又、メタノール以外の成分は、
めっき液中へ持ち込まれた(脱落した)が、めっき液に
不溶であるため、めっき液の循環ろ過で取り除かれめっ
きへの影響はなかった。
【0064】この電磁波シールド材は、シールド性能が
40〜80dB(30〜1000MHz)であり、透視
性は光透過率が75%であり、その他視認性(黒化度、
パターニング加工精度)、塗膜(/基材)密着性、めっ
き(/塗膜)密着性、基板平坦性ともに良好であった。
特に、パターニング加工精度が、後述の比較例1(特開
平10−72676号)に比べ、著しく優れたいた。
(この結果として、視認性も著しく優れていた)。
【0065】
【実施例2】実施例1のめっき触媒(還元金属粒子)含
有樹脂塗膜の形成方法において、樹脂(PVB)溶液と
塩酸酸性Pdコロイド触媒液を混合した塗布液を塗布・
乾燥する代わりに、予め形成しておいた樹脂(PVB)
のみの塗膜を塩酸酸性Pdコロイド触媒液中に浸漬する
ことで樹脂塗膜中へPdコロイドを浸透・分散させ形成
した。尚、塗膜厚方向でのPdコロイド分布は、実施例
1では均一であったのに対し、この場合では傾斜がみら
れた(塗膜表層程、高濃度であった)。これ以外は、実
施例1と同じ方法・条件にて透視性電磁波シールド材を
作製した。
【0066】この電磁波シールド材は、後述の比較例2
(特開平5−16281号)と比べ、特にパターニング
加工精度が著しく優れていた。(この結果として、視認
性が著しく優れていた。)
【0067】
【実施例3】実施例1の塗布液の調整方法において、樹
脂(PVB)溶液と塩酸酸性Pdコロイド触媒液を混合
する代わりに、塩化パラジウム粉末を分散した樹脂(P
VB)溶液に水素化ホウ素ナトリウムのエタノール溶液
を添加、混合して調製した。この塗布液は、分散性が高
く無塩酸型であるため取扱性も良好であった(塗布方法
の制約もなかった)。
【0068】又、実施例1の水系めっきの前処理におい
て、樹脂塗膜に対しメタノール含有インクをインクジェ
ット方式で印刷するだけでなく、その後に塗膜を常温の
非水系無電解Niめっき液(組成:硝酸ニッケル/ジメ
チルアミンボラン/エタノール=180/90/730
(重量比))中に1分間浸漬しさらに前処理した。
【0069】これ以外は、実施例1と同じ方法、条件に
て透視性電磁波シールド材を作製した。この電磁波シー
ルド材は、実施例1に比べめっき前の塗膜安定性及びめ
っき密着性が優れていた。
【0070】
【実施例4】実施例3の水系めっきの前処理方法におい
て、樹脂塗膜に対しメタノール含有インクをインクジェ
ット方式で印刷する代わりに、樹脂塗膜にメッシュ状金
属マスク(粘着剤塗布品)を密着させ、メタノール蒸気
(常温下、メタノールを入れた密閉容器中)に3分間曝
し処理した。
【0071】これ以外は、実施例3と同じ方法、条件に
て透視性電磁波シールド材を作製した。この電磁波シー
ルド材は、実施例3と同様良好な各性能を示した。
【0072】
【実施例5】実施例4の樹脂塗膜(無塩酸Pdコロイド
/PVB)において、PVBの代わりにネガ型感光性樹
脂(味の素(株)製液状フォトソルダーレジスト「KT
−3」(無機フィラー未添加品))を用いた。尚、樹脂
変更に伴い、透明基材はガラス板、塗膜乾燥条件は15
0℃、30分(但し、塗膜厚は実施例4と同じ)とし
て、透視性電磁波シールド材を作製した。この電磁波シ
ールド材は、実施例4と同様良好な各性能を示した。
【0073】
【実施例6】実施例5の水系めっきの前処理方法におい
て、樹脂塗膜にメッシュ状金属マスクを密着させメタノ
ール蒸気に曝す代わりに、フィルム製フォトマスク(メ
ッシュ状パターン)を密着させ紫外線を照射(露光量1
000mJ/cm)し前処理した。
【0074】これ以外は、実施例5と同じ方法,条件に
て透視性電磁波シールド材を作製した。この電磁波シー
ルド材は、実施例5と同様良好な各性能を示した。
【0075】
【実施例7】実施例5及び6の水系めっきの前処理方法
において、各前処理の代わりにメッシュ状金属マスクを
密着させメタノール蒸気に曝した後、メッシュ状金属マ
スクをそのままフォトマスクとして紫外線を照射(露光
量1000mJ/cm)し前処理した。
【0076】これ以外は、実施例5及び6と同じ方法、
条件にて透視性電磁波シールド材を作製した。この電磁
波シールド材は、実施例5及び6と同様良好な各性能を
示した。特に、各前処理の併用効果により実施例5及び
6に比べパターニング加工精度が優れていた。
【0077】
【実施例8】実施例3の水系めっきの前処理方法におい
て、樹脂塗膜に対し、メタノール含有インクをインクジ
ェット方式で印刷後非水系無電解Niめっき液で処理す
る代わりに、非水系無電解Niめっき液で処理した後め
っきレジストインクをスクリーン印刷方式で印刷し前処
理した。
【0078】これ以外は、実施例3と同じ方法、条件に
て透視性電磁波シールド材を作製した。この電磁波シー
ルド材は、実施例3と同様良好な各性能を示した。特
に、実施例3に比べ印刷特性が高かった(印刷時のにじ
みが少なかった)ためパターニング加工精度が優れてい
た。
【0079】
【実施例9】実施例3の水系めっきの前処理方法におい
て、樹脂塗膜に対しメタノール含有インクをインクジェ
ット方式で印刷する代わりに、樹脂塗膜にメッシュ状金
属マスク(防錆処理・粘着剤塗布品)を密着させ、5%
塩化水素の水溶液中に30秒間浸漬後水洗した。これ以
外は、実施例3と同じ方法・条件にて透視性電磁波シー
ルド材を作製した。この電磁波シールド材は、実施例3
と同様良好な各性能を示した。
【0080】
【実施例10】実施例3の水系めっきの前処理方法にお
いて、樹脂塗膜に対しメタノール含有インクをインクジ
ェット方式で印刷する代わりに、樹脂塗膜にメッシュ状
金属マスク(防錆処理・粘着剤塗布品)を密着させ、1
0%オゾンの空気(25℃)中で5分間曝し処理した。
これ以外は、実施例3と同じ方法・条件にて透視性電磁
波シールド材を作製した。この電磁波シールド材は、実
施例3と同様良好な各性能を示した。
【0081】
【比較例1】実施例1と同じめっき触媒(塩酸酸性Pd
コロイド)含有樹脂塗膜を直接(前処理することなく)
実施例1と同じ条件にて銅めっきした。この結果アクリ
ル板上塗膜表面(全面)が銅光沢、塗膜裏面(全面)が
濃黒色を呈した。
【0082】この銅めっき品に対して、東京応化工業
(株)製エッチングレジスト「PMER P−DF40
S」をメーカー推奨条件にて塗布、プリベーク(塗膜厚
5μm)、露光(メッシュ状パターンのフォトマスク使
用)、現像してメッシュ状レジストパターンを形成し
た。このレジストパターン形成品をエッチング液(20
%塩化第二鉄/1.75%塩化水素水溶液)に浸漬し、
銅めっき被膜及び塗膜中の黒色銅をエッチング除去した
後、不要となったレジストを剥離し透視性電磁波シール
ド材を作製した。この電磁波シールド材は、実施例1に
比べ、パターニング加工精度が著しく劣っていた。(こ
の結果、視認性も著しく劣っていた。)
【0083】
【比較例2】実施例2と同じめっき触媒(塩酸酸性Pd
コロイド)含有樹脂塗膜を直接(前処理することなく)
実施例2と同じ条件にて銅めっきした。この結果、アク
リル板上塗膜表面(全面)が銅光沢、塗膜裏面(全面)
が茶〜黒色を呈した。
【0084】この銅めっき品を比較例1同様にレジスト
パターニング・エッチング加工して透視性電磁波シール
ド材を作製した。この電磁波シールド材は、実施例2に
比べてパターニング加工精度が著しく劣っていた。(こ
の結果、視認性も著しく劣っていた。)尚、実施例1〜
8及び比較例1及び2の電磁波シールド性能及び透視性
(光透過率)は、全て同等で良好であった。
【0085】上記の結果を表1−1、2、3に示した。
なお、性能の評価は次のように行った。
【0086】1)未処理塗膜安定性 形成直後の塗膜同様に(問題なく)使える期間で評価し
た。1日未満(×)、1日以上1週間未満(△)、1週
間以上1ケ月未満(○)、1ケ月以上(◎) 2)水系めっき析出性 めっき金属析出の開始時間で評価した。10秒未満
(◎)、10秒以上30秒未満(○)、30秒以上1分
未満(△)、1分以上(×) 3)水系めっき密着性 碁盤目テープテスト後の残存率(%)で評価した。10
0%(◎)、90%以上(○)、90%未満10%以上
(△)、10%未満(×) 4)塗膜黒化度 村上色彩技術研究所製測色分光光度計「CMS−35S
P」による光学濃度(入射角7°、反射光を含まない場
合)で評価した。2.9以上(◎)、2.9未満2.8
以上(○)、2.8未満2.7以上(△)、2.7未満
(×) 5)パターニング加工精度 以下の基準で評価した。 ◎;設計通りのメッシュ状パターンが極めて高い歩留ま
りで形成できる。 ○;ほぼ設計通りのメッシュ状パターンが高い歩留まり
で形成できる。 Δ;ほぼ設計通りのメッシュ状パターンは低い歩留まり
でしか形成できない。 ×;ほぼ設計通りのメッシュ状パターンはほとんど形成
できない。 6)視認性 パターニング加工後の平均的な外観完成度品について、
目視にて評価した。極めて良好(◎)、良好(○)、や
や不良(△)、不良(×)
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【発明の効果】本発明は次の効果を有する。 塗膜黒化度及びパターニング加工精度が極めて高く視
認性が良好。 導電性が高く、シールド効果が高い。 黒塗りが不要。 パターン設計の制約が小さい。 アースリード線との接続が容易。
【0091】さらに、実施例2を除けば、 塗膜形成、触媒付与(活性化)の工程が、触媒含有塗
膜形成の1工程ですむため製造コストが低い。 触媒含有塗膜を片面に形成するだけで片面めっきが可
能、又めっき前処理により必要部分(メッシュ状パター
ン部)だけのめっきが可能であり、めっきコストが低
い。 触媒付与工程(塗膜密着性低下を伴う)が省略される
ため、塗膜密着性の確保が容易。 触媒が塗膜中に均一に分布しているため、めっきが確
実に塗膜内部から析出し、少ない触媒量で効率良く黒色
化が可能である(触媒コストが低い)。又、これにより
塗膜とめっき金属が一体化するため、めっき密着性も高
い。
【0092】このように本発明の効果は顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 真 東京都足立区西新井栄町1−18−1 日清 紡績株式会社東京研究センター内 (72)発明者 谷口 彰 東京都足立区西新井栄町1−18−1 日清 紡績株式会社東京研究センター内 (72)発明者 志賀 洋史 東京都足立区西新井栄町1−18−1 日清 紡績株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 4F100 AA01H AB01A AB01C AK01A AK23 AK25 AT00B BA03 BA07 BA10B BA10C CA30 DE01A EH462 EH712 EJ122 EJ682 HB00A HB31A JD06 JD08 JD09 JL10A JN01A 4K022 AA13 AA14 AA16 AA17 AA20 AA21 AA22 AA23 AA36 AA41 BA01 BA03 BA06 BA08 BA09 BA14 BA18 BA35 CA06 CA08 CA12 CA17 CA19 CA21 CA22 DA01 EA03 5E321 BB23 BB32 BB41 GG05 GH01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元金属粒子(無電解めっき触媒)
    [A]を分散含有する透明樹脂塗膜を透明基材上に形成
    後、該塗膜のメッシュ状パターン開口部になる部分に、
    (1)[A]を失活又は溶解除去可能な処理剤[B]を
    接触させ、及び/又は(2)電磁波あるいは電子線を照
    射した後、必要に応じて[B]を除去し非水系無電解め
    っき液で下地処理後、無電解めっき(水系)によりメッ
    シュ状パターン部になる部分だけの塗膜上部にめっき層
    (導電層)を形成し、同時に塗膜を黒色化することを特
    徴とする透視性電磁波シールド材の製造方法。
  2. 【請求項2】 処理剤[B]が、アルコール(液体)
    及び/又は酸性水溶液、アルコール(液体)及び/又
    は酸性水溶液を含有するインク組成物、酸化性ガス、
    アルコール蒸気のいずれかであることを特徴とする請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 電磁波が、紫外線、遠紫外線、X線のい
    ずれかであることを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】還元金属粒子(無電解めっき触媒)を分散
    含有する透明樹脂塗膜を透明基材上に形成し、必要に応
    じて非水系無電解めっき液で下地処理後、メッシュ状パ
    ターン開口部になる部分にめっきレジスト層を形成し、
    無電解めっき(水系)によりメッシュ状パターン部にな
    る部分だけの塗膜上部にめっき層(導電層)を形成、同
    時に塗膜を黒色化し、必要に応じてめっきレジスト層を
    除去することを特徴とする透視性電磁波シールド材の製
    造方法。
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