JP2011166074A - 電磁波遮蔽材の製造方法 - Google Patents

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武章 今泉
Shinya Kiura
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Abstract

【課題】電磁波遮蔽材で導電体パターン層とする導電性組成物層を印刷法で形成する場合に表面抵抗率の面均一性を良好にする。また、導電性組成物層、導電性金属層の材料費や加工費の無駄も少なくし、電解めっきをスピードアップする。
【解決手段】帯状の透明基材1上に、導電体パターン層2として導電性粒子とバインダ樹脂からなる導電性組成物層3を、所定幅よりも広幅で印刷して導電性組成物層印刷物4を作製する印刷工程の後、裁断工程にて、その印刷方向PDに直交する幅方向TDの両側端部4eを裁断刃5などで裁断除去して、残りの中央部を、所定幅の導電体パターン層のみを透明基材上に有する電磁波遮蔽材10とする。或いは更に導電性組成物層の表面に電解めっきで導電性金属層6を形成し導電体パターン層が導電性組成物層と導電性金属層を含む層とする電解めっき工程を行うときは、裁断工程の後に行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は各種の用途、中でも特にディスプレイの前面に配置するのに好適な電磁波遮蔽材に関し、特に、導電性組成物層を印刷法で形成した場合に、電気抵抗の面均一性を良好にできる電磁波遮蔽材の製造方法に関する。
現在、ディスプレイ(画像表示装置とも言う)として、旧来のブラウン管(CRT)ディスプレイ以外に、フラットパネルディスプレイ(FPD)となる、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(以後PDPとも言う)、電界発光(EL)ディスプレイ等の各種ディスプレイが実用されている。これらの中でも、特に、PDPは不要な電磁波放出が強いため、ディスプレイの前面(観察者側面)に電磁波遮蔽材を配置している。
また、ディスプレイ用途の電磁波遮蔽材では、優れた電磁波遮蔽性能と優れた光透過性とを高度に両立できる点で、導電体層には導電性に優れた金属層など結果として不透明となる層が好適であり、不透明性な導電体層であっても光透過性を確保する為に、導電体層はメッシュ形状などのパターンで多数の開口部を設けた導電体パターン層として形成している。導電体パターン層の形成には、金属箔をフォトエッチング法で形成する方法もあるが、コスト的な面で印刷法が有利である。そして、導電体パターン層の形成に印刷法を利用した電磁波遮蔽材も各種提案されており、印刷する際は、印刷対象物である透明基材は帯状として、その長手方向に連続的に印刷していくのが、生産性及びコストの点で好ましい(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
また、印刷法の中でも、従来では不可能であった様な線幅が細く且つ精細なパターン形成が可能で、優れた電磁波遮蔽性と優れた光透過性とを高度に両立できる、最近提案された凹版印刷法もある(特許文献3)。特許文献3に開示の凹版印刷法は、透明基材上に施した流動状態のままのプライマ流動層上に導電性組成物のインキを凹版印刷する方法であり、しかもその際、版面上に透明基材が存在している間に、版面と透明基材間にあるプライマ流動層を紫外線照射などで固化させてプライマ層7として固化させた後に透明基材を凹版から離版して、透明基材上にプライマ層7を介してパターン状の導電性組成物層を導電体パターン層として印刷形成する方法である。このプライマ層7は流動状態のときに、版から被印刷物へのインキの転移を促進する作用、言い換えると凹版の版面凹部内に充填されたインキを引き抜いて被印刷物(透明基材)に移す作用を有しており、この凹版印刷法は「引抜プライマ方式凹版印刷法」とでも呼べる印刷法である。
特開2001−102792号公報 特開平11−174174号公報 国際公開第2008/149969号のパンフレット
しかし、帯状の透明基材の長手方向を印刷方向として印刷していく場合、印刷方向(=長手方向)に直交する幅方向の全幅の両端の端から端まで、インキの転移量は完全には均一にならない。印刷法による場合、一般に、幅方向の両側端部では幅方向の中央部に比べて、インキの転移量が多過ぎるか、或いは少な過ぎる現象が生じる。また、幅方向の両側端部では幅方向の中央部に比べて、印刷形成されたパターンに歪み、カスレ(インキ転移量の極端な不足)等が生じる。これらの結果、両側端部では、電磁波遮蔽性能の不良域となる傾向がある。図4はこれを概念的に示す図面であり、インキ転移量等の特性値が、幅方向TDでの両側端部4eでは中央部の均一部分に対して減少又は増加し分布が生じ均一性が低下する状況を示す。例えば、特性値がインキ転移量の場合は両側端部4eで小さくなり、またその結果、特性値が表面抵抗率では両側端部4eでは大きくなる。この様な幅方向で特性値の不均一性の分布が生じる原因は、例えば、凹版印刷では、ドクターブレードが、版面上に供給されたインキを版面の凹部に充填すると共に版面の凸部上の不要なインキは除去して掻き取っているが、ドクターブレードの版面への押圧力(ドクター圧)が、幅方向TDの両側端部4eでは中央部に比べて強くなる結果、版面凹部内へのインキ充填量が低下することが原因となる。また、この様な現象を改善する為に、印刷条件を両側端部4eで加減調整して矯正したとしても、長時間に亘って条件を安定させることは難い。
そして、この様な現象を伴う印刷法を利用して導電体パターン層を印刷形成した電磁波遮蔽材では、導電体パターン層の幅方向TDの両側端部4eで電気抵抗値(表面抵抗率)が中央部に比べて上昇し、電磁波遮蔽性能が不足する。そこで、この両側端部4eに於ける表面抵抗率でも電磁波遮蔽性能を満足できるインキ転移量で印刷すると、幅方向中央部ではより多くインキを転移させる事になるから、中央部では要求性能以上の電磁波遮蔽性能を備えたものとなる。これは見方を変えれば余裕を持った十分な電磁波遮蔽性能を付与できるとも言えるが、過剰性能であり、その分、導電性インキが余計に使用されていることになる。
また、導電体パターン層を印刷形成した導電性組成物層のみによらずに、更にその上に電解めっきで導電性金属層を形成して、導電性組成物層と導電性金属層とからなる構成の導電体パターン層にして、これら両層で電磁波遮蔽性能を満足させる場合に於いても、表面抵抗率の相対的に低い中央部に比べて、表面抵抗率の相対的に高い両側端部4eでの導電性金属属層の付着量が相対的に低くなる。この結果、電解めっき後の表面抵抗率も、幅方向中央部の方が両側端部よりも低くなる。この不具合を矯正し、幅方向全体に亙って表面抵抗率が所定の値よりも低くなる様にする為に、電解めっきでは、両側端部4eのめっき付着量が該中央部では両側端部に比べて厚い導電性金属層が形成されることになる。この結果、中央部に於けるバターンの線幅が太り、開口率が低下し可視光線透過率が低下する問題も生じる。逆に、幅方向中央部の線幅を所定の幅以内に抑えようとすると、今度は、両側端部4eのめっき付着量が不足し、両側端部4eでの電磁波遮蔽性が不足するという矛盾を来たす。また、導電性金属層の厚みが幅方向で増幅される結果、表面抵抗率の幅方向分布が更に拡大する。
そして、この拡大された表面抵抗率の分布を製品として解消する為に、電解めっき後の電磁波遮蔽材に於いて、幅方向の両側端部4eは裁断して除去して中央部のみを製品として取り出した場合は、全幅に亙る電磁波遮蔽性能及び可視光線透過率の両立は可能になるが、その代わり、裁断除去する両側端部の導電体パターン層には導電性組成物層に加えて導電性金属層も有する為に、導電性金属層を設ける事による両側端部の部分での材料費及び加工費が増えており、その分無駄も多くなり、低コスト化、省資源の点で好ましくない。
すなわち、本発明の課題は、特にPDPなど各種ディスプレイの前面に配置する用途に好適な電磁波遮蔽材について、導電性粒子とバインダ樹脂からなる導電性組成物層の印刷形成によって導電体パターン層を設ける場合に、導電体パターン層の表面抵抗率の面均一性乃至は分布を良好に出来、また無駄も少なく出来る、電磁波遮蔽材の製造方法を提供することである。
そこで、本発明の電磁波遮蔽材の製造方法では、次の方法とした。
(1)帯状の透明基材上に、導電体パターン層として導電性粒子とバインダ樹脂からなる導電性組成物層を、所定幅よりも広幅で印刷形成して導電性組成物層印刷物を作製する印刷工程の後、導電性組成物層印刷物の印刷方向に直交する幅方向の両側端部を裁断除去して、所定幅の導電性組成物層を有する導電性組成物層印刷物にする裁断工程を行う、電磁波遮蔽材の製造方法。
(2)更に、上記(1)において、両側端部を裁断除去する裁断工程の後に、導電性組成物層の表面に電解めっきによって導電性金属層を形成して、導電体パターン層が導電性組成物層と導電性金属層を含む層とする電解めっき工程を行う、電磁波遮蔽材の製造方法。
(1)本発明によれば、導電性組成物層の表面抵抗率が、幅方向の両側端部と中央部とが異なり面均一性が悪く分布があって、たとえ両側端部の表面抵抗率が要求性能を満足しなくても、両側端部は製品に取り込まないので、両側端部を除いた中央部のみの表面抵抗率が要求性能を満足する様にすれば良く、幅方向での表面抵抗率の面均一性が良好なものが得られる。また、表面抵抗率は、両側端部は度外視して、中央部のみが要求性能を満足させれば良いから、両側端部で要求性能を満足させる為に中央部でインキ転移量を増やして中央部を過剰性能とする必要がなく、その分、材料費の無駄を減らせる。
(2)更に、導電性組成物層の表面に電解めっき法によって導電性金属層を形成するときでも、既に両側端部は除去して面均一性を良くしてあるので、導電性金属層のめっき厚みに幅方向分布が生じ難く、導電性金属層の堆積抵抗率の寄与が導電性組成物層に比べて大きくなる導電体パターン層において、その表面抵抗率の面均一性が増幅されず、分布がなく面均一性が良いものが得られる。また、電解めっき後に幅方向両側端部を裁断除去する場合に比べて、必要な幅の分のみ電解めっきすれば良いから、導電性金属層の材料費やそのめっき加工費などの無駄も少ない。また、導電性組成物層の表面抵抗率が高い両側端部でも充分な厚みの導電性金属層が形成できる様に電解めっきするのに比べて、導電性組成物層の表面抵抗率が低い中央部にのみ電解めっきすれば良くなるので、その分、電解めっき時間を短くして、電解めっき工程のスピードアップが出来る。
本発明の電磁波遮蔽材の製造方法の一形態を例示する斜視図であり、(a)は印刷工程、(b)は裁断工程を示す。 本発明の電磁波遮蔽材の製造方法の別の一形態として電解めっき工程を例示する断面図であり、(a)は裁断工程後の電解めっき工程前の状態、(b)は電解めっき工程後の状態を示す。 引抜プライマ方式凹版印刷法による導電性組成物層の凸部(形成部)の一形態として、導電性組成物層の非形成部よりも形成部でプライマ層が厚く、導電性組成物層の凸部内での導電性粒子の分布が凸部頂上部近くが密でプライマ層近くが疎の形態を、概念的に示す断面図。 印刷の幅方向での特性値の不均一性を概念的に説明する図面。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
〔A.1〕第1の実施形態例
先ず、図1は本発明の電磁波遮蔽材の製造方法の一実施形態例を概念的に説明する図面である。図1(a)は印刷工程を示し、帯状の透明基材1に導電体パターン層2として導電性組成物層3をシリンダ状(円筒状)の印刷版Pを用いた印刷法によって、印刷方向PDを透明基材1の長手方向MDに平行な方向にして連続処理で印刷形成して、導電性組成物層印刷物4を得る工程を示す。なお、帯状の透明基材1が印刷版Pに対して移動する走行方向RDは、図面左から右に向かう(透明基材1に対する印刷方向PDとは逆向きの方向)方向である。
また、図1(b)は裁断工程を示し、印刷工程を経た後、導電性組成物層印刷物4の長手方向MDに直交する幅方向TDの両側端部4eを裁断除去する工程を示す。また、本実施形態例では、幅方向TDの両側に二組設けた裁断刃5は位置固定して、帯状の透明基材1を走行方向RDで移動させることで裁断する場合である。裁断工程では、両側端部4eが除去された残りの幅方向TDの中央部の導電性組成物層印刷物4は、その表面抵抗率の幅方向TDでの均一性が許容できるレベルとなる様に両側端部4eを裁断除去することで、導電性組成物層3で専ら導電体パターン層2としての特性を満足するものである場合は、そのまま電磁波遮蔽材10とすることができる。
ここで、導電性組成物層印刷物4は、帯状の透明基材1には透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、導電性組成物層3は導電性粒子とバインダ樹脂からなる導電性組成物(インキ)を「引抜プライマ方式凹版印刷法」によって印刷形成したものである。導電性粒子には銀粒子を用い、バインダ樹脂にはポリエステル系樹脂を用い、導電性組成物(インキ)は該バインダ樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂バインダに銀粒子を分散した液状物である。また、プライマにはアクリレート系の紫外線硬化性樹脂をロールコート法で厚さ5μmとなるように透明基材1上に長手方向MDに連続面で形成して、これを版面に供給する。また、本実施形態の印刷工程では、帯状の透明基材1は、連続状の長尺物であり、ロールから巻き出して印刷し、得られた導電性組成物層印刷物4は一旦ロールに巻き取る。導電性組成物層3は、長手方向MDに亘って継ぎ目無く連続して形成し、そのパターンは線幅20μm、高さ20μmの細線からなるピッチ300μmの正方格子状のパターンである。
そして、裁断工程では、スリッタマシンで、導電性組成物層印刷物4の幅方向TDで、導電性組成物層3の表面抵抗率が高くなっている両側端部4eを、裁断刃5によってスリット除去して、幅方向TDの中央部のみ残した導電性組成物層印刷物4とする。なお、図1(b)の概念図に於いては、図示の便宜上、裁断刃の形状が楔形(三角形)の例を代表的に図示してあるが、裁断刃の形状はこれに限定されない。第1の実施形態に於いては、裁断刃5には、回転しながら表裏から挟んで切断する一対の丸刃を幅方向両端に各1組、合計2組用いた。この丸刃は、透明基材1の一方の面からは円盤状の雄刃を用い、他方の面からは円筒状(ローラ状)でその円周方向に走る溝による雌刃を用い、両者の嵌合によって裁断する形態にした。裁断除去する両側端部4eの幅は、導電性組成物層印刷物の全幅1080mmに対して、片側40mmとした。
この様に両側端部4eを除去することで、両側端部4eでは導電性組成物層3の表面抵抗率が中央部と異なり性能を満足しなくても、両側端部は製品に取り込まないので、両側端部を4e除いた分布がないか有っても小さい中央部のみの表面抵抗率が、要求性能を満足する様にすれば良く、幅方向全幅に亙る表面抵抗率、電磁波遮蔽性能など性能の面均一性を良好にできる。
一方、両側端部4eを裁断除去しないで、印刷された幅そのままで製品とした場合は、導電性組成物層3の幅方向TDでの表面抵抗率が両側端部4eが中央部に比べて高くなる分布があるので、表面抵抗率が高い両側端部4eであっも性能を満足する様な厚みで導電性組成物層3を形成することが必要であり、その結果、幅方向中央部では必要以上の過剰の厚みの導電性組成物層3となっている。従って、その分、余分な導電性組成物の材料が使われ無駄となっている。
なお、上記実施形態例では両側端部4eを除去するといっても、せいぜい全幅1000mmに対して片側50mm程度、つまり10%の割合なので、導電性組成物層の厚みが厚くなる割合に比べれば、それほど無駄とはならない。
〔A.2〕第2の実施形態例
次に、図2は、本発明の電磁波遮蔽材の製造方法の別の実施形態の一部を概念的に説明する図面であり、電解めっき工程を説明する断面図である。導電性組成物層3のみの導電体パターン層2ではその表面抵抗率が高く電磁波遮蔽性能に満足しないが、導電性組成物層3の表面に導電性金属層6を電解めっきにより形成することで、導電体パターン層2としての表面抵抗率を落として電磁波遮蔽性能を満足させる場合を示す。図2(a)の断面図は裁断工程後の導電性組成物層印刷物4を示し、電解めっき前の状態である。図2(a)の導電性組成物層印刷物4は、帯状の透明基材1の片面に導電体パターン層2の一部を構成する導電性組成物層3が形成された状態を示す。そして、この導電性組成物層3の表面に電解めっきによって導電性金属層6を形成したのが、図2(b)の断面図である。この結果、導電体パターン層2が導電性組成物層3と導電性金属層6を含む構成となった、電磁波遮蔽材10が得られる。
なお、本実施形態例では、導電性金属層6の金属としては銅を用いた。銅の電解めっきに使用した電解めっき浴には、硫酸銅五水和物75g/l、硫酸180g/l、塩酸60mg/l、配向性調整剤40ml/lの割合でこれら成分を水に混合した酸性電解浴を用いた。また、電解めっき条件は、浴温度25℃、電流密度25A/dm2、めっき時間5minである。そして、電解めっき後、120℃で60minの条件でアニール処理を行った。なお、導電性金属層6の厚みは2μmである。
この様に、電解めっき工程によって、導電性金属層6を導電性組成物層3の表面に形成することで、導電体パターン層2の表面抵抗率を下げて電磁波遮蔽性能を向上させることができるが、導電性金属層6を電解めっきで形成するときは、導電性組成物層印刷物4の表面抵抗率の面均一性の障害となる幅方向TDの両側端部4eは除去されているので、電解めっきの面均一性が向上して、導電性金属層6の厚みの面均一性が得られる。その結果、導電体パターン層2の表面抵抗率、電磁波遮蔽性能などの性能の面均一性が良くなり、また、電解めっき後に裁断除去する場合に比べて、必要な中央部のみに電解めっきすれば良く、両側端部4eには電解めっきしないので、その分、導電性金属層6やその材料費・加工費などの無駄も少ない。
一方、印刷工程の後に裁断工程を設けずに、印刷された幅そのままの導電性組成物層3に対して電解めっき工程にて導電性金属層6を形成した場合は、裁断除去する両側端部4eに対する導電性金属層の材料費・加工費などの無駄が増える。しかも、導電性組成物層3は幅方向TDの両側で表面抵抗率が高いので、幅方向TDでの両側端部4eでは電解めっき速度が遅くなり、両側端部4eでは幅方向中央部に比べて導電性金属層6の厚みが薄くなって、表面抵抗率の分布が残存したままとなる。また、電解めっきでは導電性組成物層3のパターン形成部である凸部の側面にも導電性金属層3が形成されるので、幅方向中央部が両側端部4eに比べて線幅がより太り、導電体パターン層2としての線幅に分布が発生する。
〔B〕各工程、各層の詳細
以下、本発明の、電磁波遮蔽材の製造方法について、更に詳述する。
《印刷工程》
印刷工程では、帯状の透明基材1の長手方向MDに平行な方向を印刷方向PDとして印刷して、導電体パターン層2として、導電性組成物を用いた導電性組成物層3を印刷形成するが、その際、印刷方向PD(長手方向MD)に直交する幅方向TDでは、製品として要求される導電性組成物層3の必要幅よりも両側に各々拡張して広げた広幅で、導電性組成物層3を印刷形成しておく。導電性組成物層3を製品として要求される必要幅よりも、どれだけ両側に拡張して広幅で設けるかは、印刷形成された導電性組成物層3の幅方向TDでの表面抵抗率の分布(面均一性)と、要求性能の面均一性のレベル等によって適宜決定する。
[透明基材]
帯状の透明基材1には、公知の透明な材料を使用すれば良く、可視光線領域での透明性、耐熱性、機械的強度等を考慮すると、樹脂フィルム(乃至シート)が代表的である。樹脂フィルム(乃至シート)の樹脂は例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、或いは、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂等である。なかでも、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは好適な材料である。なお、透明基材1の厚みは、取扱性、コスト等の点で通常は、12〜500μm、好ましくは25〜200μmだが、特に制限はない。
また、帯状の透明基材1は、ロール・ツー・ロール方式での生産適性の点で、フレキシブルな(可撓性の)材料を選べる樹脂フィルムが好ましい。更に、この点では、帯状の透明基材1は、ロールに巻き取り可能な程度に長手方向に連続して長い連続帯状の透明基材1となる連続帯状の樹脂フィルムを用いるのが好ましい。
[導電体パターン層]
導電体パターン層2は、導電体層の非形成部として多数の開口部2oを設けたパターン状の導電体層である{図2(b)参照}。また、この導電体パターン層2は、導電性粒子を樹脂バインダ中に分散させた導電性組成物(導電性ペースト、導電性インキ等とも呼ばれる)を用いて印刷法で形成される導電性組成物層3を少なくとも含む。なお、導電性組成物層3の厚みは、電磁波遮蔽性能、形成法等の点から、通常は2〜100μm、より好ましくは5〜20μm程度である。
導電体パターン層2及び導電性組成物層3のパターンの平面視形状は、特に制限はなく公知の形状でよく、例えば、メッシュ形状(六角形や四角形などの格子模様)、ストライプ形状(直線状縞模様、螺旋模様など)などである。なかでもメッシュ形状、それも正方格子形状が代表的である。開口部2oの形状は、メッシュ形状が例えば正方格子形状では正方形、ストライプ形状では帯形状となる。
なお、パターンの線幅、つまり導電体パターン層2乃至は導電性組成物層3の形成部3aの線幅は(図3参照)、電磁波遮蔽性能などの観点から通常は5〜50μmである。また、導電体パターン層2の開口率〔(導電体パターン層2の開口部2oの合計面積/導電体パターン層2の開口部2o及び導電体パターン層2の形成部を含めた全被覆面積)×100で定義〕は、電磁波遮蔽性能及び可視光透過性との両立の点から、50〜95%程度である。
(導電性組成物層)
導電性組成物層3を形成する為の導電性組成物は、導電性粒子を樹脂バインダ中に分散させたものであるが、該導電性粒子としては、金、銀、白金、銅、錫、アルミニウム、ニッケルなど高導電性金属(乃至その合金)粒子、或いは樹脂粒子や無機非金属物粒子の表面を金、銀など上記高導電性金属で被覆した金属被覆粒子などを用い、或いは黒鉛粒子などを用いてもよい。
また、上記樹脂バインダの樹脂(バインダ樹脂)としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを単独使用又は併用する。熱可塑性樹脂には熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性アクリル樹脂など、熱硬化性樹脂にはメラミン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂などを使用する。また、電離放射線硬化性樹脂には、電離放射線で架橋など重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーを含む組成物を使用する。モノマーやプレポリマーにはラジカル重合性やカチオン重合性の化合物を使用する。なかでも、アクリレート系化合物を用いた電離放射性硬化性樹脂が代表的である。
(印刷方式)
導電性組成物層3を印刷形成する為の印刷方式としては、目的とするパターン形状、表面抵抗率等に応じて適宜選択すれば良く基本的には特に制限はない。例えば、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凹版印刷など、版を有し何らかの形で幅方向TDに亘る圧力(印圧、ローラ圧、ドクター圧、スキージ圧など)が加わり、これら圧力がインキ転移現象に関係する有版印刷である。これらの圧力の幅方向TDでの不均一性に起因する導電性組成物層3の幅方向TDでの性能の不均一性(表面抵抗率、パターンの歪やカスレなど)が製品性能へ反映されるのを抑制できる。
これらの印刷法の中でも、前記特許文献3で採用の凹版印刷の一種である「引抜プライマ方式凹版印刷法」は、従来では不可能であった様な、細く且つ精細なパターン形成が可能となる点で好ましい印刷方式の一種である。そこで、以下この方式について更に説明しておく。
「引抜プライマ方式凹版印刷法」では、例えば次の様にして印刷する。導電性ペーストなどの固化前の導電性組成物を、凹版の版面の凹部のみにドクターブレードによって充填すると共に凹部以外の版面凸部上の導電性組成物は掻き取って除去する。凹部に充填された導電性組成物の表面は版面(凸部)と完全な面一にならず僅かに窪んだ凹みが生じる。この凹版に、未だ流動状態のプライマ流動層が塗工された透明基材1を供給してプライマ流動層を版面に圧着すると、プライマ流動層が凹みに流れ込み凹みを充填し、また版面凸部も覆う。この状態でプライマ流動層を紫外線照射による硬化等によって固化してプライマ層7とした後、透明基材1を凹版から離版して、透明基材1上にプライマ層7と、未硬化の導電性組成物、或いは導電性組成物が固化済みの導電性組成物層3からなる導電体パターン層2が積層された印刷物を得る。なお、導電性組成物の固化は、未硬化の導電性組成物が溶剤を含むときは離版後に行い、無溶剤の場合は離版後、或いは、離版前のプライマ固化と同時又はプライマ固化後に行う。
そして、この様な、「引抜プライマ方式凹版印刷法」による印刷物が、他の印刷法に見られない大きな特徴は、図3の断面図(透明基材1は略して図示)で概念的に示す様に、プライマ層7と導電性組成物層3との界面について、プライマ層7は、導電性組成物層3の形成部3aでの厚さTaが導電性組成物層3の非形成部3bでの厚さTbよりも厚い形状となることである。なお、非形成部3bの厚さTbは、形成部3aの厚さTaの影響のない非形成部3bつまり開口部2oの中央部での厚さとする。
更に、プライマ層7と導電性組成物層3との界面は、次の(A)〜(C)のいずれかの1以上の断面形態を有する(但し、図3では図示は省略)。(A)プライマ層7と導電性組成物層3との界面が非直線状に入り組んでいる断面形態、(B)プライマ層7を構成する成分と導電性組成物層3を構成する成分とが混合している混合層を界面近傍に有する断面形態、(C)導電性組成物層3を構成する導電性組成物中にプライマ層7に含まれる成分が存在している断面形態。この様な、界面の断面形態は、プライマ層7がプライマ層7と導電性組成物層3との離版時の密着性を強化し、凹版からインキ(導電性組成物)の被印刷物(透明基材1)への転移を促進し高精度且つ高品質の凹版印刷を可能にしている理由であると思われる。
また、導電性組成物層3の形成部3aである導電性組成物層3自体の凸部の内部では、図3で概念的に示す様に、導電性粒子Cpが一様な均一な分布ではなく、導電性粒子Cpの分布が、相対的に、凸部の頂上部の近くが密でそれよりも頂上部から遠いプライマ層7の近くが疎である分布を持つ内部構造が好ましい。密とは単位体積中の導電性粒子Cpの粒子数で見た数密度である。つまり、凸部内部の導電性粒子Cpの数密度が、プライマ層7近くに比べて頂上部近くの方が大きくなる分布である。数密度が大きい方が導電性粒子Cp同士の電気的接触が行われ易い。従って、例え導電性組成物層3中の導電性粒子Cpの平均濃度が同じであっても、同じ数の導電性粒子Cpを数密度一様で分布させた場合に比べて、数密度が大きい部分での体積抵抗率の低下が寄与して全体として体積抵抗率が下がり、電磁波遮蔽性能が向上する。更に、プライマ層7との境界近傍での導電性粒子Cpの数密度が小さいことによって、導電性組成物層3とプライマ層7との密着性が向上する。
この様に凸部頂上部の方に導電性粒子Cpを偏在させるには、例えば、プライマ流動層形成済みの透明基材1を版面に圧着する圧着力を強くすると共に、導電性組成物は粘度を低めにし且つ凹版凹部内では固化させずに版面から離版後に固化させると良い。この他、固化前の導電性組成物の粘度(樹脂材料及び樹脂量、溶剤量、その他添加剤量、導電性粒子の形状、粒度分布、含有量など関係)、固化条件などにも依存するので、これらは適宜実験的に決定すると良い。
なお、上記したプライマ層7は、引抜プライマ方式凹版印刷法に特有の層であり、透明な樹脂層として形成される。該樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂などを使用でき、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂を使用できる。ただ、該樹脂としては、凹版印刷時に、流動状態から固化状態への迅速な変化を制御できる点で、好ましくは電離放射線硬化性樹脂が使用される。なお、電離放射線硬化性樹脂としては公知のものから適宜選択できる。例えば、電離放射線で架橋など重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーを含む組成物を使用する。モノマーやプレポリマーにはラジカル重合性やカチオン重合性の化合物を使用する。なかでも、アクリレート系化合物を用いた電離放射性硬化性樹脂が代表的である。また、電離放射線としては、通常、紫外線、電子線などが使用される。
《裁断工程》
裁断工程では、導電性組成物層3が帯状の透明基材1に形成された導電性組成物層印刷物4に対して、印刷方向PDに平行な長手方向MDに対して、直角方向の幅方向TDの両側端部4eを除去して、両側端部4eが取り除かれた残りの中央部を所定幅の導電性組成物層印刷物4とする工程である。この段階で、電磁波遮蔽材10の完成品としても良いし、更に、電解めっき工程など、他の工程、他の層を追加しても良い。
裁断工程にて、導電性組成物層印刷物4の両側端部4eを裁断除去する為の、裁断には、公知のスリットマシン、トリミングマシンを使用することができる。例えば、裁断は、金属、セラミックス等からなるスリット刃(通常回転する丸刃である)、加熱金属線条(大部分の厚さを占める熱可塑性樹脂の透明基材1を溶融して切断する)、レーザ光ビーム(例えば炭酸ガスレーザ、YAGレーザなど)、超音波カッタ、シャーリング刃、などを使用すると良い。なお、スリット刃として、導電性組成物層印刷物4に対して表裏から一対の回転する丸刃を使用するとき、片方は幅方向TDを全幅を支持可能なローラ状としても良く、裁断時の裁断対象物の位置が安定する。
なお、裁断工程は、印刷工程の直後にオンラインで印刷と同一装置上で行っても良いし、印刷工程の後、一旦、導電性組成物層印刷物4を保管後に、印刷とは別の装置でオフラインで行っても良い。また、裁断は、導電性組成物層印刷物4を走行させたままの状態で行っても良いが、裁断時だけ一時的に停止して静止状態で行っても良い。
裁断工程で除去する両側端部4eの幅は、例えば、片側で10〜50mm程度(つりま、合計した両側では20〜100mm程度)とすれば、導電体組成物層の幅方向TDでの不均一性を回避できる。
尚、裁断後の両側端部4eは、(図示は略すが、)紙管に巻き取ったり、真空吸引したりして除去する。
《電解めっき工程》
電解めっき工程では、裁断工程の後の導電性組成物層印刷物4に対して、その導電性組成物層3の表面に電解めっきによって導電性金属層6を形成する。もちろん、電解めっき工程、乃至はこの工程によって形成される導電性金属層6は、導電性組成物層3のみで導電体パターン層2としての表面抵抗率が充分である場合は基本的には必要はない。導電体パターン層2の表面抵抗率が導電性組成物層3のみでは電磁波遮蔽性能の点で不足する場合に、その表面に導電性金属層6を形成して、導電体パターン層2を導電性組成物層3と導電性金属層6とから構成することによって表面抵抗率を十分な程度に低いものとする。或いは、導電性組成物層3の材料使用量を減らす等の為に、あえて導電性組成物層3と導電性金属層6とを含めた導電体パターン層2のトータルとして表面抵抗率が電磁波遮蔽性能を満たす様にしてもよい。すなわち、導電性組成物層3は電解めっきが可能な表面抵抗率を確保できる範囲内で導電性組成物の使用量を減らして形成して、その上に電解めっきで導電性金属層6を形成する様にしてもよい。
電解めっきでは、導電性組成物層3に通電して行うが、この時、導電性組成物層3の表面抵抗率{通常、100Ω/□以下(100Ω/sq以下)、好ましくは10Ω/□以下、更に好ましくは3Ω/□以下である}の面均一性が悪いと、導電性金属層6が表面抵抗率の低い部分は厚く形成され、表面抵抗率の高い部分は薄く形成され、しかも、導電性金属層6の方が導電性組成物層3よりも体積抵抗率が低いので、導電体パターン層2としての表面抵抗率の面均一性は更に拡大する傾向がある。従って、導電性組成物層3の幅方向TDでの面均一性の問題を回避するには、電解めっき工程は裁断工程の前ではなく、裁断工程の後に行うのが効果的となる。しかも、電解めっき工程の後に裁断工程を行うと、裁断工程で除去される両側端部4eには、導電性金属層6も含まれ、その分、材料費、加工費などで無駄が増えるという問題も発生する。又、裁断刃の磨耗の程度が増大すると云う問題も生じる。
また、電解めっき工程に於いて、導電性金属層6は導電性組成物層3の表面上に形成されるが、図2(b)で示す様に、導電性組成物層3の側面にも形成され、この部分では透明基材1の面に平行な方向(図面左右方向)に向かって導電性金属層6が側面に堆積する結果、線幅は太くなり開口部2oは面積が縮小し、開口率は低下する。従って、仮に裁断工程を設けずに、電解めっき工程で導電性金属層6を形成したままの導電体バターン層2とすれば、表面抵抗率が高い幅方向TDの両側端部4eの性能を基準に要求性能を満足する様に製造すれば、中央部は表面抵抗率がより低いから電磁波遮蔽性能的には(過剰性能となるが)満足しても、線幅の拡大により光透過率が低下してしまう。また、逆に、この光透過率の低下を回避する為に、電解めっき量を少なくして、中央部での線幅の拡大を抑制して中央部での電磁波遮蔽性能を丁度良いレベルに抑えれば、今度は両側端部4eは線幅の拡大はより少ないから、光透過率は満足しても、めっき厚も薄くなり、電磁波遮蔽性能が満足しないレベルに低下してしまうという問題が発生する。以上の様な問題を、電解めっき工程を裁断工程の後に行うことで回避できる事になる。なお、裁断工程は、電解めっきと同じ装置上でインラインで行っても良いし、電解めっきと別の装置でオフラインで行っても良い。
電解めっき工程で形成する導電性金属層6の金属としては、導電性が高く容易にめっき可能な金属であれば特に制限はなく、例えば、銅、銀、金、白金、クロム、ニッケル、錫、などを用いることができる。なかでも、銅は材料費及び導電性(体積抵抗率)に優れているので、好ましい金属の一種である。また、導電性金属層の金属は合金も含む。また、この様な金属からなる導電性金属層6は、導電体組成物層3に比べて体積抵抗率が1桁以上小さいため、導電体組成物層3のみで導電体パターン層2を構成する場合に比べて、工程数は増えるが、必要な導電材料の量を減らせる利点もある。
なお、電解めっき浴は、めっきする金属に応じたものとすればよく、銅の場合は、例えば、硫酸銅五水和物、硫酸、塩酸等を水に溶解した酸性硫酸銅浴を使用する。
尚、導電性金属層6の形成方法としては、電解めっきの他、無電解めっきによることも可能である。但し、無電解めっきを適用する場合には、導電性組成物層3を構成する導電性粒子Cpとしてパラジウム等の無電解めっきの触媒作用を有する物を選択する必要が有る。又、導電性金属層6の堆積速度も電解めっきに比べて低くなる。一方、電解めっきには、これらの制約がなく、多くの導電性金属を使用でき、且つ電流密度を上げることによって金属の堆積速度を増加できる点で、より好ましい手段である。
《黒化処理工程》
なお、導電体パターン層2は、その表面に更に黒化処理を施すことが、コントラスト向上の点で好ましい。黒化処理には公知の処理を適宜選択すれば良い。例えば、黒化処理を導電性金属層6の表面に施す場合、黒化ニッケルめっき、銅−コバルト合金めっき、等を行う。また、粗面化処理によって表面を針状、粒状、樹木状等として、粗面によって表面反射を低減してもよい。粗面化処理はめっきによる堆積の他、エッチング等による表面腐食によればよい。また、この様な粗面化処理後の粗面の形状が機械的に弱い場合は、該粗面を被覆保護する被覆層をめっき等によって形成しても良い。
なお、黒化処理後の表面の色は、完全な黒、つまり低明度無彩色である必要は無く、コントラスト向上効果がある色であれば良く、黒色以外に、焦げ茶色、黒褐色、紺色、深緑色等の低明度有彩色であっても良い。つまり、有彩色乃至は無彩色で低明度である暗色でも良い。
《その他の工程》
なお、本発明による電磁波遮蔽材の製造方法は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、上記した以外のその他の工程を含んでもよい。例えば、導電性金属層6や黒化処理層の表面の酸化を防止する防錆層を設ける工程、導電体パターン層2による凹凸を平坦化する平坦化樹脂層を設ける工程、導電体パターン層2が形成された側とは反対側の透明基材1の面に、ディスプレイ前面板などの被着体に貼り付ける為の粘着剤層やそのセパレータフィルムを設ける工程、或いは、導電体パターン層2側の面、或いはその反対側の透明基材1の面に、各種光学フィルタ、光学フィルタ以外のその他の機能層を積層する工程などある。なお、これら工程で設ける層には公知のものを適宜使用すれば良い。なお、防錆層としては、例えば、公知のクロメート処理(により形成される)層である。又、光学フィルタには、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、ネオン光吸収層、色補正層、反射防止層(防眩、反射防止、防眩及び反射防止兼用のいずれか)、微小ルーバによる外光反射防止層(特開2007−272161号公報など参照)などであり、光学フィルタ以外の機能層では、保護層、ハードコート層、帯電防止層、汚染防止層、耐衝撃層、粘着剤層などである。
〔C〕用途
本発明による電磁波遮蔽材は、特に、テレビジョン受像装置、測定機器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器、電話機、電子看板、遊戯機器等の表示部等に用いられるPDP、CRT、LCD、ELなどの各種画像表示装置の前面フィルタ用として好適であり、特にPDP用として好適である。又、その他、住宅、学校、病院、事務所、店舗等の建築物の窓、車輛、航空機、船舶等の乗物の窓、電子レンジ等の各種家電製品の窓等に於ける電磁波遮蔽用途にも使用可能である。
1 透明基材
2 導電体パターン層
2o 開口部
3 導電性組成物層
3a 導電性組成物層の形成部
3b 導電性組成物層の非形成部
4 導電性組成物層印刷物
4e 両側端部
5 裁断刃
6 導電性金属層
7 プライマ層
10 電磁波遮蔽材
Cp 導電性粒子
MD 長手方向
P 印刷版
PD 印刷方向(処理方向)
RD 透明基材の走行方向
Ta 導電性組成物層の形成部のプライマ層の厚み
Tb 導電性組成物層の非形成部のプライマ層の厚み
TD 幅方向

Claims (2)

  1. 帯状の透明基材上に、導電体パターン層として導電性粒子とバインダ樹脂からなる導電性組成物層を、所定幅よりも広幅で印刷形成して導電性組成物層印刷物を作製する印刷工程の後、
    導電性組成物層印刷物の印刷方向に直交する幅方向の両側端部を裁断除去して、所定幅の導電性組成物層を有する導電性組成物層印刷物にする裁断工程を行う、
    電磁波遮蔽材の製造方法。
  2. 両側端部を裁断除去する裁断工程の後に、電解めっきによって導電性組成物層の表面に導電性金属層を形成して、導電体パターン層が導電性組成物層と導電性金属層を含む層とする電解めっき工程を行う、請求項1記載の電磁波遮蔽材の製造方法。
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