JP4509516B2 - フッ素ゴム系シール材用組成物及びフッ素ゴム系シール材 - Google Patents

フッ素ゴム系シール材用組成物及びフッ素ゴム系シール材 Download PDF

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Description

本発明は、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材形成用として好適なフッ素ゴム系シール材用組成物および自動車燃料用として好適なフッ素ゴム系シール材に関する。さらに詳しくは、本発明は、耐熱性、耐寒性、耐燃料油性に優れ、自動車燃料用として好適なフッ素ゴム系シール材が得られるようなフッ素ゴム系シール材用組成物および得られたシール材に関する。
自動車燃料用シール材としては、燃料タンク等からの燃料油漏れを完璧に防止し得る「耐燃料油性」が求められており、これまでフッ素ゴムを中心に使用されている。
しかも、自動車燃料油としては、一般に使用される炭化水素燃料であるガソリンの他に、燃焼効率などの面でエーテルやアルコールなどの含酸素燃料も使用されつつある。
含酸素燃料に対しては、シール材中のフッ素含有量を増加させることで、対応可能であるが、フッ素含有量を増加させるとシール材の耐寒性が悪化し、冬季の寒冷地などでは燃料漏れを生じる可能性がある。しかしながら、シール材中のフッ素含有量を減少させると、耐寒性は良好になるが含酸素燃料に対しての耐性がなくなってしまうという問題点があり、耐含酸素燃料性と耐寒性の両者を同時に満足させることでさえも、非常に困難である。
このため、例えば、デュポンダウエラストマー社製フッ素ゴム系シール材である「GLT」シリーズや「GFLT」シリーズのように、従来は、パーフロロ(メチルビニルエーテル)を用いて、得られるシール材の耐寒性と耐含酸素燃料性のバランスの向上が図られていたが、これら特性は充分でなかった。
そこで、耐熱性はもとより、耐寒性、耐燃料油性特に耐含酸素燃料性に優れ、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材として好適に使用し得るシール材の開発が求められている。
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、フッ素ゴムの耐寒性、耐燃料油性、特に耐含酸素燃料性を改善することにより、自動車燃料用インジェクターなど、自動車燃料と接する部位等でシール材として好適に使用できる、シール材用組成物を提供することを目的としている。
また、本発明は、フッ素ゴムの耐寒性、耐燃料油性、特に耐含酸素燃料性を改善することにより、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材として好適に使用し得るシール材を提供することを目的としている。
本発明に係るフッ素ゴム系シール材用組成物は、フッ素含有量が64重量%以上で、含臭素および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、過酸化物架橋可能な共重合体であり、その共重合体の成分単位組成が、
(a)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル成分単位 10〜25モル%、
(b)フッ化ビニリデン成分単位 60〜80モル%、
(c)四フッ化エチレン成分単位 5〜20モル%、
(d)六フッ化プロピレン成分単位 0〜10モル%、
及び
(e)架橋部位用として少量の臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位((a)〜(d)の合計を100モル%とする)
であるフッ素ゴムと、
該フッ素ゴム100重量部に対して、
金属化合物を2重量部以上と、
有機過酸化物を0.5〜6重量部と、
多官能性モノマーを1〜10重量部と
を含有することを特徴としている。
本発明に係る上記フッ素ゴム系シール材用組成物は、燃料油、潤滑油、作動油等の油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;アルコールのうちの何れかの収容物のシール材形成用として好適に用いられ、特に、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材形成用として好適に用いられる。
本発明に係る上記フッ素ゴム系シール材用組成物は、さらに、瀝青質微粉末を上記フッ素ゴム(FKM)100重量部あたり2〜40重量部の量で含有することが好ましい。
本発明に係る上記フッ素ゴム系シール材用組成物は、さらに偏平状充填剤を上記フッ素ゴム(FKM)100重量部あたり2〜40重量部の量で含有することが好ましい。
本発明に係るフッ素ゴム系シール材は、上記の何れかに記載のフッ素ゴム系シール材用組成物を架橋してなることを特徴としている。
本発明に係る上記フッ素ゴム系シール材は、燃料油、潤滑油、作動油等の油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;アルコールのうちの何れかの収容物のシール材用として好適に用いられ、特に、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材用として好適に用いられる。
本発明に係る上記フッ素ゴム系シール材は、JIS K 6261に規定のTR試験における、シール材のTR10値が−35℃以下であり、かつ、JIS K 6258に規定された、25℃、168時間でのメタノールによるシール材の膨潤量が+20%以内であることが、特に上記自動車燃料用シール材などの用途に用いる上で好ましい。
本発明に係る上記組成物を架橋(加硫)すれば、フッ素ゴムの耐寒性、耐含酸素燃料性がバランス良く改善され、自動車燃料用インジェクターなど、自動車燃料油やアルコール混合油等と接する部位、あるいはこれら燃料油が蒸気等として存在する部位で使用されても、燃料油などによりシール材が膨潤あるいは界面で剥離せず、燃料油の透過、燃料油の漏れ、シール材の劣化、腐食、変質、崩壊、変形などの発生がないか、あっても極めて少なく、「耐燃料油性」、特に耐含酸素燃料性に優れ、また、冬季の寒冷地など極低温下におかれても、シール材の硬化、ひび割れ(低温脆化)などの発生がなく「耐寒性」に優れ、シール材として好適に使用できるフッ素ゴム系シール材が得られ、これらのシール材は上記用途に好適に使用できる。
このフッ素ゴム系シール材は、耐熱性、耐寒性、耐燃料油性(特に耐含酸素燃料性)がバランス良く優れており、上記用途に、中でも自動車燃料用フッ素ゴム系シール材として好適に使用される。
上記フッ素ゴム系シール材は、例えば、スクィーズパッキンとして好適に用いられる。
以下、本発明に係るフッ素ゴム系シール材用組成物およびフッ素ゴム系シール材について具体的に説明する。
<フッ素ゴム系シール材用組成物>
本発明に係るフッ素ゴム系シール材用組成物(シール材用組成物、組成物等とも言う。)は、以下に詳述する過酸化物架橋可能なフッ素ゴムと、金属化合物(腐食防止剤、受酸剤)と、有機過酸化物と、多官能性モノマーとを含有している。
本発明の好ましい態様においては、このシール材用組成物には、さらに、瀝青質微粉末、偏平充填剤等が含まれていてもよい。
<過酸化物架橋可能なフッ素ゴム>
本発明で用いられる過酸化物架橋可能なフッ素ゴムは、測定・算出法:F19NMR法により求められるフッ素含有量が64 重量%以上、好ましくは65〜68重量%であり
、含臭素および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有しており、
このようなフッ素ゴム(含フッ素共重合体)は、該共重合体中に(a)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル(PMMEVE):「CF3O−CF2O−C24−O−CF=CF2」から誘導される成分単位(以下、単に、パーフロロメトキシメトキシエ
チルビニルエーテル(PMMEVE)成分単位などと略称する。他の成分についても以下同様に略称する。)を10〜25モル%、好ましくは13〜22モル%と、(b)フッ化ビニリデン(VdF)成分単位を60〜80モル%、好ましくは65〜75モル%と、(c)四フッ化エチレン(TFE)成分単位を5〜20モル%、好ましくは12〜18モル%で含み、および(d)六フッ化プロピレン(HFP)成分単位を必要により0〜10モル%、この六フッ化プロピレン成分単位を含む場合には、好ましくは0.5〜8モル%の量(これら共重合成分単位(a)〜(d)の合計:100モル%)で、及び、
上記含フッ素共重合体中の共重合成分単位の合計((a)+(b)+(c)+(d))100モル%に対して、架橋部位用として(e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を少量で、例えば、共重合成分単位であるPMMEVE、VdF、TFE、HFPの各成分単位の合計100モルあたり、架橋部位用成分単位である臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を0.01〜3モルの量で、含有してなる含フッ素共重合体である。
このフッ素ゴムを形成する際に用いられるフッ素ゴム系シール材用組成物中あるいは含フッ素共重合体中のフッ素含有量が上記範囲にあると、得られるシール材は、耐寒性と耐燃料油性のバランスが良好となる傾向があり、フッ素ゴム形成用組成物中あるいは含フッ素共重合体中のフッ素含有量が上記範囲を下まわるとシール材の耐寒性は良好になるが、耐燃料油性が悪化する傾向があり、また上記範囲を上回るとシール材の耐燃料油性は良好になるが、耐寒性が悪化する傾向がある。また、上記含フッ素共重合体中の各成分単位がそれぞれ、上記量で用いられると、得られるフッ素ゴム系シール材はゴム的な柔軟性を示し、また、充分な耐寒特性、耐燃料油性等にバランス良く優れる傾向があり、特に自動車燃料用フッ素ゴム系シール材などとして好適に使用できる。
特に、フッ素ゴムを形成する際に用いられるフッ素ゴム系シール材用組成物中あるいは含フッ素共重合体中のパーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル(PMMEVE)成分単位含量が上記範囲を下まわると得られるシール材は耐寒性、燃料油性とも悪化する傾向があり、また上回ると機械強度が低下する傾向があり、また、
フッ化ビニリデン(VdF)成分単位含量が上記範囲を上回ると得られるシール材は耐燃料油性が悪化する傾向があり、また下まわると耐寒性が悪化する傾向があり、また、
フッ素ゴムを形成する際に用いられるフッ素ゴム系シール材用組成物中あるいは含フッ素共重合体中の四フッ化エチレン(TFE)成分単位含量が上記範囲を上回ると耐寒性が
悪化する傾向があり、また下まわると耐燃料油性が悪化する傾向があり、また、
必要により用いられる六フッ化プロピレン(HFP)成分単位含量が特に上記範囲を上回るとシール材の耐寒性が悪化する傾向がある。
さらに、架橋部位用として臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位は、上記量で用いれば、架橋されることにより適度の架橋度となり、充分な耐寒特性、耐燃料油性等にバランス良く優れるフッ素ゴム(加硫・硬化物)となる傾向がある。
上記した臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位形成用のモノマーとしては、1-ブロモ-2-ヨード-パーフロロエタン、1-ブロモ-3-ヨード-パーフロロプロパンなどが挙げられる。
この含フッ素共重合体中においては、用いられた各モノマーは、その炭素・炭素2重結合部位で2重結合が開裂して単結合のモノマーユニット(重合単位、成分単位などとも言う。)となり、隣接するモノマーユニットと互いに結合(連結)しているものと考えられる。そして、得られた含フッ素共重合体では、用いられた含フッ素単量体由来の含フッ素成分単位が、ランダムあるいは規則的に配列しており、固体または液体状であり、その分子量は、含フッ素共重合体の成形加工性や機械的諸特性等を考慮して適宜決定可能であるが、分子量の指標としての極限粘度[η](測定法:ウベローデ粘度計での35℃における落下時間から求めたもの。)が通常、0.2〜5.0dl/g、好ましくは、0.4〜3.0dl/gであることが成形加工性の点から望ましい。
なお、自動車用燃料、特に含酸素燃料には、『Aggressive』成分と称される酸性物質が存在し、これがゴム−金属接触部分にさびを発生させる原因と考えられており、本発明では、フッ素ゴム系シール材用組成物およびフッ素ゴム系シール材に金属化合物を上記量で添加・含有しているので、『Aggressive』成分をシール材内部に吸収し、シール材−金属間の電池作用を防止することによって、本発明のフッ素ゴム系シール材を特に自動車燃料用シール材などとして用いる場合には、このフッ素ゴム系シール材と接する金属製部材の腐食促進を、効率よく防止できるのであろうと考えられる。
このような過酸化物架橋可能なフッ素ゴムは、常法に準じて製造される。
このような過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(未加硫ゴム、未架橋の含フッ素共重合体などとも言う。)のムーニー粘度(JIS K6300準拠、ML1+10,121℃)はゴム
加工上10〜120、好ましくは20〜80であることが望ましいが、特に制限はない。
<金属化合物>
金属化合物は、腐食防止剤と受酸剤としての機能を有し、該金属化合物としては、水酸化カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム等が挙げられる。本発明では、これらの金属化合物は、1種または2種以上混合するなど、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
このような金属化合物は、ゴム系シール材と当接する金属製部材の腐食防止効果などを有しているが、上記した種々の機能・効果を考慮すると、過酸化物架橋可能な(未架橋)フッ素ゴム100重量部に対して、通常2重量部以上、好ましくは5〜15重量部の量で用いられる。
このような金属化合物として、上市されているものとしては、例えば、近江化学工業社製の「カルディック」(水酸化カルシウム)、堺化学工業社製の亜鉛華(酸化亜鉛)、協和化学工業社製の「DHTシリーズ」(ハイドロタルサイト)などが挙げられる。
<有機過酸化物>
有機過酸化物としては、一般にゴムに使用可能なものであれば特に制限なく使用でき、過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(FKM)100重量部に対して、通常0.5〜6重量部、好ましくは1〜5重量部の量で用いられる。
有機過酸化物の配合量が、特に0.5重量部未満では、充分な架橋密度が得られず、また特に6重量部を超えると、発泡により架橋成形物が得られなかったり、得られてもゴム弾性、伸びが低下する傾向がある。
有機過酸化物としては、例えば、第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(第3ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベゾイルパーオキシ)ヘキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル−4,4−ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレートなどが挙げられる。これら有機過酸化物は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
<多官能性モノマー>
多官能性モノマーとしては、一般にゴムに使用可能なものであれば、特に制限なく使用でき、過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(FKM)100重量部に対して、通常1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部の量で用いられる。
多官能性モノマーの配合量が過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(FKM)100重量部に対して、特に1重量部未満では、充分な架橋密度が得られず、また、特に10重量部を超える量で用いても、発泡により、架橋成形物が得られなかったり、得られても弾性、伸びが低下する傾向がある。
多官能性モノマーとしては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N'−m−フェニレンビスマレイミドなどが挙げられる。これら多官能性モノマーは、1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。
<瀝青質微粉末>
瀝青質微粉末としては、石炭を粉砕し、平均粒径φ10μm以下(通常φ1〜10μm)、好ましくは3〜8μmに微粉末化したものを使用でき、必要によりこの瀝青質微粉末を用いる場合には、過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(FKM)100重量部に対して、通常2〜40重量部、好ましくは5〜30重量部の量で用いられる。この瀝青質微粉末の平均粒径φが上記範囲を超え、特に10μmを超えると、ゴムの破断強度(TB)または破断伸び(EB)が小さく実用レベルの補強性がみられない。
また、瀝青質微粉末の配合量が、過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(FKM)100重量部に対して、特に2重量部未満では、添加効果すなわち瀝青質微粉末を添加することで、シール材の耐熱性が向上し、長寿命化が可能になる効果が乏しく、一方、特に40重量部を超える量で添加すると、得られる配合物(組成物)の粘度が高すぎて、混練や成形に支障をきたす傾向がある。
瀝青質微粉末として上市されているものとしては、例えば、「平均粒径6μm、Keystone Filler & Mfg製、Mineral Black 325BA」
などが挙げられる。
<偏平状充填剤>
偏平状充填剤は、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材中にあって、シール材料の燃料遮蔽性の向上に寄与し、燃料の蒸散を一層抑制することが可能になる。
偏平充填剤としては、例えば、クレー、マイカ、グラファイト、二硫化モリブデン等が挙げられ、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
これらの偏平充填剤は、平均粒子径φが0.5〜50μm、好ましくは5〜30μmで、アスペクト比が3以上、好ましくは5〜30のものが用いられる。平均粒子径またはアスペクト比がこれ以下のものを用いると、燃料遮蔽性の向上が見られない。一方、これ以上の平均粒子径のものを用いると、実用レベルの補強性が得られない(具体的には、ゴムの破断強度または破断伸びが小さい。)。
このような偏平状充填剤は、必要により、上記フッ素ゴム(FKM)100重量部あたり通常、2〜40重量部、好ましくは5〜30重量部の量で用いられる。この偏平状充填剤の配合量が特に2重量部に未満では添加効果である燃料の遮蔽性の向上が見られず、また、特に40重量部を超える量で添加すると、得られるシール材形成用組成物の粘度が上昇し混練できなくなる傾向があり、また、加硫してなるシール材は、非常に硬くなる傾向がある。
<その他の配合成分>
ゴム組成物中には、以上の必須成分以外に、ゴムの配合剤として、カーボンブラック、ホワイトカーボンなどの補強剤;
上記形状(平均粒径、アスペクト比)の偏平充填剤以外のタルク、クレー、グラファイト、珪酸カルシウムなどの充填剤;
ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィンワックスなどの加工助剤;
老化防止剤;可塑剤;
など、ゴム工業で一般的に使用されている配合剤が、必要に応じて適宜添加されて用いられる。
このような配合組成の架橋性含フッ素共重合体組成物を得るには、上記成分を配合し、該組成物が加硫(架橋)されないような温度、圧力条件、例えば、常温、常圧下に、必要により攪拌、混練等すればよい。なお、この攪拌・混練の際には、インターミックス、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機またはオープンロールなどを使用することができる。
<架橋(加硫)>
架橋(加硫)成形体であり、特に、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材に代表される用途に好適に使用されるフッ素ゴム系シール材(単に、シール材とも言う。)を調製するには、圧縮成型、移送成型、射出成型、押出成型、カレンダー成型等の一般のゴム成型法を適宜利用でき、例えば、上記フッ素ゴム系シール材用組成物(配合物)を、射出成形機、圧縮成形機、加硫プレスなどを用いて、通常、150〜200℃で3〜60分程度加熱(一次加硫)する。さらに、必要に応じて、加熱オーブンなどを用いて、通常、150〜250℃程度で1〜24時間程度加熱(二次加硫)してもよい。なお、上記加硫は、必要により、加圧下に行ってもよく、また上記組成物を、所定の型内に充填して行ってもよい。
このような架橋反応においては、架橋性含フッ素共重合体中より臭素またはヨウ素が有機過酸化物により脱離され、その脱離部分に多官能性モノマーが反応・結合して架橋構造が形成されているものと考えられる。
<シール材の用途>
このようにして得られるシール材は、加硫成形品であり、耐燃料油性と耐寒性にバラン
ス良く優れ、耐熱性等にも優れているため、その好適な用途としては、燃料インジェクター(燃料噴射装置、特に電磁弁型燃料噴射装置)、燃料ポンプ、燃料タンク、燃料配管などにおける、燃料あるいはその気体と接触する部位に使用されるスクィーズパッキン(例:O−リング、X−リング、D−リング、角リングなど。)その他のパッキン(例:Uパ
ッキン、Vパッキン、Lパッキン、Jパッキンなどのリップパッキン)、ダイヤフラム、
ライニング、ロール、オイルシール等が挙げられる。
図1に、本発明のフッ素ゴム系シール材を燃料インジェクタ(燃料噴射装置)のO−リングとして使用した態様を示す。
シール対象としては、自動車燃料油に限定されず、潤滑油、作動油等の油類の他、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコールなども包含される。
このような本発明に係るフッ素ゴム系シール材は、耐低温性すなわち耐寒性の評価基準である、JIS K 6261(加硫ゴムの低温試験方法)に規定のTR試験における、シール材のTR10値が−35℃以下、好ましくは−39℃以下であり、また、耐燃料油性の評価基準である、JIS K 6258(加硫ゴムの耐燃料油浸漬試験方法)に規定された、25℃、168時間でのメタノールによるシール材の膨潤量が、通常、+20%以内、好ましくは+10%以内であることが望ましい。
[発明の効果]
本発明のフッ素ゴム系シール材、特に自動車燃料用フッ素ゴム系シール材は、上記フッ素ゴム系シール材用組成物、好ましくは上記自動車燃料用フッ素ゴム系シール材用組成物を加硫(架橋)してなり、常態物性(硬さ、引張強さ、伸び)は元より、耐熱性、耐寒性、耐燃料油性(特に耐含酸素燃料油性)にバランス良く優れ、自動車燃料用シール材料として好適に用いることができる。
[実施例]
以下、本発明に係るフッ素ゴム系シール材用組成物、特に自動車燃料用フッ素ゴム系シール材用組成物および、フッ素ゴム系シール材、特に自動車燃料用フッ素ゴム系シール材について、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例、比較例などで用いた試験方法、配合成分の組成、物性等は、以下の通り。
<試験方法>
[低温シール試験(A)]
図2は、低温シール試験(A)に用いた治具の断面模式図である。この低温試験用治具10は、下部治具2と、その上面にセットされる上部治具1とからなる。下部治具2の上面2aには、平面リング状の溝4が設けられており、該溝内には、「P−24 O−リング
」3が嵌着されている。また、上部治具1には、上下に貫通する孔5が設けられ、孔5内の下部5aには、フッ素系不活性液体(商品名「フロリナート(R)」、米国3M社製)aが入れられ、その液体aの下面は下部治具2の上面2aと接し封止されている。また、上記液体aの上方には、液体aを加圧可能にプレス6が配設されている。
以下の低温シール試験(A)では、このような図2に示す低温シール試験用治具のa部にフッ素系不活性液体(「フロリナートFC77」(R)、米国3M社製)を入れた後、−45℃の恒温槽に1時間放置する。
その後、図2中、矢印(→)で示すように、プレス6を押し下げて1MPaの圧力をかけ、下部治具2と上部治具1との接合面bからの上記フッ素系不活性液体の漏れの有無を確認する。
[燃料シール試験]
燃料シール試験も、図2に示す治具を用いて行う。
すなわち、燃料シール試験では、図2に示す治具のa部に、フッ素系不活性液体(商品名「フロリナートFC77(R)」、米国3M社製)aに代えて、メタノールを入れた後、25℃で168時間放置する。その後、メタノールを除去し、代わりに上記フッ素系不活性液体「フロリナートFC77」を入れた後、図2中、矢印(→)で示すように、プレス6を押し下げて、1MPaの圧力をかけ、下部治具2と上部治具1との接合面b部からの上記フッ素系不活性液体「フロリナートFC77」の漏れの有無を確認する。
[腐食試験]
SPCC板(JISG3141に規定された冷間圧延鋼板、寸法:縦5cm×横2cm×2mm(厚))にゴム試験片(寸法:縦3cm×横1cm×2mm(厚))を挟み、燃料油C/メタノール=50/50vol%の混合燃料にAggressive solution(水、塩酸、硫酸ナトリウム混合溶液)を2vol%添加した混合燃料中で100℃、168時間放置後、試料(ゴム試験片)を取り出し、SPCCとゴムが接触していた部分を観察し腐食の有無を確認する。
[燃料透過試験]
図3に示す治具50にて燃料透過試験を行った。
すなわち、燃料透過試験は、図3に示すように上部が開口した容器状治具20(材質:SUS304、寸法:高さ5cm×直径5cm×肉厚5mm)内のb部に燃料油Cを深さが約3cm(体積約40ml)の量を入れる。
次いで、ゴム試験片30(寸法:直径5cm×2mm(厚))を容器状治具20の開口部が封止されるように載置した後、このゴム試験片30と前記容器状治具20との当接部が密封されるように、上部治具40を締付ける。
次いで、このようにゴム試験片がセットされた燃料透過試験用治具50を、70℃の恒温槽(図示せず)に入れ、24時間毎にその重量を測定し、その重量変化から、燃料透過量を測定する。
なお、以下の実施例、比較例で用いた含ふっ素(共)重合体、補強材等の略号は、以下の通り。
(イ−1)FKM(A1):
(a1)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル成分単位16mol%、
(b1)フッ化ビニリデン成分単位73mol%、
(c1)四フッ化エチレン成分単位11mol%、
(d1)六フッ化プロピレン成分単位0mol%、及び
架橋部位用としてヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を約0.5mol%((a1)〜(d1)の合計100モルあたり0.5mol)の量で共重合されている含フッ素共重合体(未架橋フッ素ゴム)、フッ素含有量66重量%)、ムーニー粘度(JIS K6
300準拠、ML1+10,121℃)105。
(イ−2)FKM(A2):
デュポンダウエラストマー社製ポリマー「GLT505」(成分単位組成がフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン、パーフロロ(メチルビニルエーテル)の共重合体であって、さらに架橋部位用として臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を有している含フッ素共重合体。フッ素含量64%)
(イ−3)FKM(A3):
デュポンダウエラストマー社製ポリマー「GFLT501」(成分単位組成がフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン、パーフロロ(メチルビニルエーテル)の共重合体であって
、さらに架橋部位用として臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を有している含フッ素共重合体、フッ素含量67%)
(ロ)N990カーボン:
Cancarb製、Thermax N990
(ハ)瀝青質微粉末:
平均粒径φ6μm、Keystone Filler & Mfg製、「Mineral Black 325BA」
<配合物の組成>
FKM(A1) 100重量部、
N990カーボン 40重量部、
水酸化カルシウム(金属化合物として) 5重量部、
2,5ジメチル2,5ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン 1重量部、
トリアリルイソシアヌレート 3重量部。
上記組成の配合物を、ニーダーおよびオープンロールにて混練した。この未加硫ゴム組成物の加硫成形は、加硫プレスにより170℃×20分間の一次加硫、および加熱オーブンにより160℃×2時間の二次加硫により行い、150mm×150mm×2mm(厚)の加硫シートおよびP−24サイズのOリングを得た。
得られた加硫シートについて、JIS K 6253、JIS K 6251に準拠して常態物性を測定すると共に、JIS K 6261に準拠してTR試験を、JIS K 6258に準拠して燃料油C中およびメタノール中にて25℃で168時間放置後の体積変化率を測定し、またJIS K 6262に準拠してP−24 Oリングにて200℃で70時間および336時間経過後での圧縮永久ひずみを測定した。
また、前記方法にて低温シール試験(A)と、燃料シール試験、燃料透過試験を行った。
結果を表1に示す。
実施例1において、N990カーボン量を20重量部に変更し、また上記瀝青質微粉末(平均粒径φ:6μm)を20重量部で添加した以外は実施例1と同様にして加硫シートおよびP−24サイズのOリングを得た。
得られた加硫シートおよびO−リングについて実施例1と同様に試験を行った。
結果を表1に示す。
実施例1において、N990カーボン量を20重量部に変更し、また偏平状グラファイト(平均粒子径φ:10μm、アスペクト比:20)を20重量部で添加した以外は実施例1と同様にして加硫シートおよびP−24サイズのOリングを得た。
得られた加硫シートおよびO−リングについて実施例1と同様に試験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、FKM(A1)に代えて、FKM(A2)すなわち、デュポンダウ
エラストマー社製ポリマー「GLT505」(成分単位組成がフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン、パーフロロ(メチルビニルエーテル)の共重合体であって、さらに架橋部位用として臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を有している含フッ素共重合体。フッ素含量64%)に変更した以外は、実施例1と同様にして加硫シートおよびP−24サイズのOリングを得た。
得られた加硫シートおよびO−リングについて実施例1と同様に試験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、FKM(A1)に代えて、FKM(A3)すなわち、デュポンダウエラストマー社製ポリマー「GFLT501」(成分単位組成がフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン、パーフロロ(メチルビニルエーテル)の共重合体であって、さらに架橋部位用として臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を有している含フッ素共重合体。フッ素含量67%)に変更した以外は、実施例1と同様にして加硫シートおよびP−24サイズのOリングを得た。
得られた加硫シートおよびO−リングについて実施例1と同様に試験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、水酸化カルシウム量を1重量部に変えた以外は実施例1と同様にして加硫シートおよびP−24サイズのOリングを得た。
得られた加硫シートおよびO−リングについて実施例1と同様に試験を行った。
結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、2,5ジメチル2,5ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン量を0.3重量部に変更したところ、成形時、架橋密度が上がらなかった。
[比較例5]
実施例1において、2,5ジメチル2,5ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン量を8重量部に変更したところ、加硫時に発泡し正常な試験片が得られなかった。
[比較例6]
実施例1において、トリアリルイソシアヌレート量を0.5重量部に変更したしたところ、成形時、架橋密度が上がらず正常な試験片が得られなかった。
[比較例7]
実施例1において、トリアリルイソシアヌレート量を12重量部に変更した以外は実施例1と同様にして加硫シートおよびP−24サイズのOリングを得た。
得られた加硫シートおよびO−リングについて実施例1と同様に試験を行った。
なお、耐寒性試験では、試験片を50%伸張させて行う必要があるが、上記のようにして得られた試験片は、ゴム弾性を有していないため、測定不可であった。
結果を表1に示す。
[比較例8]
実施例1において、N990カーボン量を10重量部に変更し、瀝青質微粉末を50重量部の量で添加したところ、配合物(組成物)の粘度が高すぎて、混練できなかった。
[比較例9]
実施例1において、N990カーボン量を10重量部に変更し、偏平状グラファイトを50重量部の量で添加したところ、配合物(組成物)の粘度が高すぎて、混練できなかった。
Figure 0004509516
表1に示す試験結果より、本発明の自動車燃料用フッ素ゴム系シール材の好適な例を示す実施例1は耐熱性、耐寒性、耐燃料油性ともに良好であり、さらに実施例2は高温(200℃)での耐圧縮歪み性に優れており耐熱性が良好であり、実施例3は燃料透過性が優れているため、自動車燃料用シール材として好適に使用できることが分かる。
一方、比較例1のシール材は、低温シール試験、燃料シール試験で漏れが生じ、また、比較例2では、低温シール試験で漏れが発生した。
また、比較例3のシール材では、腐食試験で金属腐食が発生し、また、比較例7では、得られた成形物は、ゴム弾性をほとんど有しておらず、シール材として使用できなかった。
なお、表中の空欄(−)は、本試験片が殆どゴム弾性を有さず、シール材として使用できないため、試験を行わなかったことを意味する。
[低温シール性試験(B)]
上記実施例で得られたO−リング、および従来のO−リングについて、図4に示す低温シール性試験装置に組み込んで、その低温シール性能を試験した。
結果を表2に示す。
図4に示す低温シール性試験装置の構造、作用などは、以下の通り。
Oリング64とバックアップリング63を、首の細くくびれた胴部円柱状の被シール部材65の首部65Aと頭部66Aの間、および首部65Bと頭部66Bの間にそれぞれ組み込む。組込み時にはエンジンオイルをOリング64の表面に塗布し上部構造部61の孔部72に組付ける。
次いで、保持部材67A、67B及びその下部に位置する下部構造部69にて、被シール部材65を押さえ、下部構造部69と上部構造部61をボルト62で組付ける。
その後で、シール媒体(図示せず)をPよりOリング64まで充填させる。
このシール媒体に外部より所定圧力を掛けた際に、漏れが発生した時には隙間(空隙)72を介して隙間68部へ漏れが生じる。
なお、低温シール性試験(B)の試験条件は、以下の通り。
低温シール性試験条件(B):
(a)試験用O−リング:内径7.5mm×線径5.5mm。
(b)試験条件:
温度:−30℃、−33℃、−35℃、−37℃、−40℃、−43℃、−45℃、−47℃、−50℃。
圧力:5MPa、10MPa、15MPa。
圧力媒体:Fuel−C(C−燃料油)。
圧縮率:21%。
(c)方法:図4に示す低温シール性測定用治具80に、バックアップリング63および試験用試料(O−リング)64を組み込み、上記各試験条件(温度、圧力)で3分間加圧後、常圧に戻し、試験時と同じ温度で1時間放置した後に、媒体の漏れを目視により確認し
た。
なお、試料(O−リング)組み込み時に、エンジンオイルを、試料の表面に塗布した。
なお、下記表2中、「○」は「漏れなし」を示し、表中の圧力は、燃料油が漏れ始めたときの圧力(MPa)を示す。
Figure 0004509516
[燃料中への浸漬試験]
上記実施例で得られたO−リング、および従来のO−リングについて、常態での硬度(Hw)を求めた。
また上記各O−リングを、密閉容器に入れたFuel−C中に、60℃で70時間浸漬し、硬さ変化(Points)、体積変化率(%)を求めた。
また、上記各O−リングを、密閉容器に入れたFuel−C(C燃料油)/メタノール(80体積%/20体積%)の混合液中に、60℃で70時間(h)、浸漬し、硬さ変化(Points)及び体積変化率(%)を求めた。
硬さ及び体積変化率の測定は、何れも「JIS B 6258」に準拠し実施した。
結果を表3に示す。
表3中、「Fuel−C」は、イソオクタン/トルエン=50(重量%)/50(重量%)を示す。
Figure 0004509516
<考察>
この表3によれば、何れの浸漬液に対しても、従来のO−リングに比して、本発明のO−リングは、体積変化率の絶対値が小さく、耐性があることが分かる。
以上詳述したことから明らかなように、本発明のフッ素ゴム系シール材は、耐熱性、耐寒性、耐燃料油性に優れ、自動車燃料と接触するような部位で用いられるシール材として好適である。また本発明によれば、このようなフッ素ゴム系シール材が得られるようなフッ素ゴム系シール材用組成物が提供される。
図1は、本発明に係る自動車燃料用フッ素ゴム系シール材をインジェクタ用O−リングとして用いた態様を示す説明図である。 図2は、本発明で用いられる燃料シール試験方法を説明する説明図である。 図3は、本発明に係る自動車燃料用フッ素ゴム系シール材の燃料透過試験方法で用いられる燃料透過試験装置を説明する説明図である。 図4は、本発明の一実施例に係る自動車燃料用フッ素ゴム系シール材などをインジェクタ用O−リングとして用いた低温シール性試験の説明図である。
符号の説明
1・・・・・・上部治具
2・・・・・・下部治具
2a・・・・・・下部治具の上面
3・・・・・・「P−24」Oリング
4・・・・・・平面リング状の溝
5・・・・・・貫通孔
5a・・・・・・孔内の下部
6・・・・・・プレス
10・・・・・・低温試験用治具
a・・・・・・フッ素系不活性液体(商品名「フロリナートFC77(R)」、米国3M社製)
b・・・・・・燃料油C
20・・・・・・上部が開口した容器状治具
30・・・・・・ゴム試験片
40・・・・・・上部治具
50・・・・・・燃料透過試験用治具

Claims (9)

  1. フッ素含有量が64重量%以上で、含臭素および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、過酸化物架橋可能な共重合体であり、その共重合体の成分単位組成が、
    (a)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル成分単位 10〜25モル%、(b)フッ化ビニリデン成分単位 60〜80モル%、
    (c)四フッ化エチレン成分単位 5〜20モル%、
    (d)六フッ化プロピレン成分単位 0〜10モル%((a)〜(d)の合計を100モル%とする)
    及び
    (e)架橋部位用として、(a)〜(d)の合計を100モルとするとき、0.01〜3モルの量の臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単
    あるフッ素ゴムと、
    該フッ素ゴム100重量部に対して、
    水酸化カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイトおよび酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物を2〜15重量部と
    有機過酸化物を0.5〜6重量部と、
    トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパントリメタクリレートおよびN,N'−m−フェニレンビスマレイ
    ミドからなる群から選択される少なくとも1種の多官能性モノマーを1〜10重量部と
    を含有することを特徴とするフッ素ゴム系シール材用組成物。
  2. 上記フッ素ゴム系シール材用組成物が、燃料油、潤滑油、作動油等の油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;アルコールのうちの何れかの収容物のシール材形成用として用いられる、請求項1に記載のフッ素ゴム系シール材用組成物。
  3. 上記フッ素ゴム系シール材用組成物が、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材形成用として用いられる、請求項1に記載のフッ素ゴム系シール材用組成物。
  4. さらに、石炭を粉砕し、平均粒径φ10μm以下に微粉末化した瀝青質微粉末を上記フッ素ゴム(FKM)100重量部あたり2〜40重量部の量で含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のフッ素ゴム系シール材用組成物。
  5. さらに、クレー、マイカ、グラファイトおよび二酸化モリブデンからなる群から選択される少なくとも1種の偏平状充填剤であって、平均粒子径φが0.5〜50μm、アスペクト比が3以上である該扁平状充填剤を上記フッ素ゴム(FKM)100重量部あたり2〜40重量部の量で含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のフッ素ゴム系シール材用組成物。
  6. 上記請求項1〜5の何れかに記載のフッ素ゴム系シール材用組成物を架橋してなるフッ素ゴム系シール材。
  7. 上記フッ素ゴム系シール材が、燃料油、潤滑油、作動油等の油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;アルコールのうちの何れかの収容物のシール材用として用いられる、請求項6に記載のフッ素ゴム系シール材。
  8. 上記フッ素ゴム系シール材が、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材用として用いられる、請求項6に記載のフッ素ゴム系シール材。
  9. 請求項6〜8の何れかに記載のフッ素ゴム系シール材を用いてなるスクィーズパッキン。
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