JP2005140196A - 燃料電池用ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池用ガスケットとして求められる高遮蔽性、耐水性および低抽出性を有し、従来品より一層低反力でのシールが可能であり、特に車載用など、小型化が要求される燃料電池用ガスケット。
【解決手段】フッ素含有量が62重量%以上で、含臭素および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、過酸化物架橋可能な共重合体であり、その共重合体の成分単位組成が、(a)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル成分単位10〜25モル%、(b)フッ化ビニリデン成分単位60〜90モル%、(c)四フッ化エチレン成分単位0〜20モル%、(d)六フッ化プロピレン成分単位0〜10モル%((a)〜(d)の合計:100モル%)を含有した架橋性含フッ素共重合体組成物を架橋してなり、硬度(JIS K 6253に準拠。デュロAタイプ)が50度未満である燃料電池用ガスケット。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池用ガスケットに関し、さらに詳しくは、燃料電池用ガスケットとして求められる高遮蔽性、耐水性および低抽出性を有し、さらに低反力でのシールが可能であり、特に車載用など、小型化が要求される燃料電池用ガスケットに関する。
近年、環境への配慮や資源節約等の観点から、燃料電池の開発が盛んに行われている。特に自動車などの車載用燃料電池としては、発電効率と共に、小型、軽量化が求められている。車載用燃料電池を小型化するために、燃料電池が全体として積層構造をとることから、燃料電池用の構成部品であるセパレータ、セパレータ用支持部品、シール材料(ガスケットなど)などとしても軽量薄層化が求められている。また、セパレータなどにカーボンプレートなどのような脆性部品を用いる場合には、脆性部品の破壊防止の必要があり、また、支持部品の軽量薄層化により支持部品やセパレータに変形が生じやすいが、これらの変形を防止する必要性もある。
また、ガスケットなどのシール材としては、軽量薄層化の要請から極力薄肉でありながら、シール面の大きなウネリ変形(シール面圧のバラツキ)や、シール面の微細な凹凸に対してシール性を確保する必要がある。このため、シール材としては、低硬度であって、低反力であることが必要である。
また、燃料電池は、水の存在する環境下で電池反応が実施されるため、用いられるシール材としては、水に浸漬されても、触媒毒となる硫黄やリンなどのイオンの抽出が極めて少ないことが求められる。
さらに、燃料電池では、水素、酸素といった気体を発電に使用するため、気体に対する遮蔽性が大きいことが望ましい。加えて、燃料電池の冷却にはLLC(エチレングリコール水溶液)、水−メタノール混合液などが使用されており、それらに対する耐久性も求められる。
従来の燃料電池用シール材としては、液状のシリコーンゴム(VMQ、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)、低粘度のフッ素ゴム(FKM)を原料とし、これ
を架橋(加硫)・成形して用いている。
しかし、液状シリコーンゴムを原料に用いたシール材では、低硬度、低反力を達成することは可能であるが、気体の透過性が大きく、シール対象の水素、酸素などの気体に対する遮蔽性が悪い、また、酸、アルカリにより加水分解を生じ、水系の浸漬液に対する耐久性が低い、といった問題点がある。
これらの状況から、ガス遮断性が良く、耐水性のあるフッ素ゴム(FKM)にて形成された、低硬度のガスケット材料が求められていた。しかしながら、硬度の低い液状タイプのフッ素ゴム(FKM)系の原料を用いる場合には、成形加工に専用の成型機を用いるなど、特殊な工程が必要であり、また、従来の「ミラブルタイプ」のフッ素ゴム、すなわちロールミルを用いて成形加工、例えば、可塑化、加硫配合、シート分出し、色づけ等の成形加工を行う「ミラブルタイプ」のフッ素ゴムは、充分な低硬度化が難しかった。
そこで、本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明者らが、特願2002−381972号明細書にて提案した、特定の架橋性含フッ素共重合体組
成物を架橋すると、特定の硬度を有する燃料電池用ガスケット(材料)が得られ、反力が低く所望の範囲にあり燃料電池中に組み込まれる脆性材料に悪影響を及ぼさず、燃料電池の薄層化が可能となり、燃料電池の小型化に対応でき、製造工程の簡略化(製造容易化)も可能であり、かつ気体遮蔽性、抽出性、耐水性も良好であることなどを見出して、本発明を完成するに至った。
なお、特開2002−83616号公報(特許文献1)には、燃料電池の小型化に好適な固体高分子型燃料電池用パッキング材に係り、燃料電池用セパレータの少なくとも片側周縁部に位置するパッキング材であって、そのパッキング材が次のA液とB液:
Figure 2005140196
を架橋反応させてなる付加型シリコーンからなり、熱架橋後、パルスNMR法により特定温度で測定した横緩和時間の分布が特定の範囲にある固体高分子型燃料電池用パッキング材が開示され、耐酸性が良好で長期の使用が可能である旨記載されている。
また本願出願人が先に提案した、WO00/64995号パンフレット(特許文献2)には、樹脂フィルムと、樹脂フィルム上に積層され、樹脂フィルムに対する粘着性を有するゴム層とから構成されたフィルム一体化型ガスケットが開示され、上記ゴムとして、市販の液状またはペースト状シリコーンゴム、特に付加反応型シリコーンゴムが挙げられている。このガスケットは、薄物シールとしてシールの薄肉化や組み込み位置ずれの防止などを満足させるので、燃料電池、二次電池、コンデンサなどに用いられ、それらのセルに使われる電解液や触媒などを汚染させない旨、記載されている。
また、特開2002−221276号公報(特許文献3)には、シリコーンゴムからなるパッキング材の表面をフッ素樹脂層で被覆してなるパッキングが開示され、燃料電池、特に固体高分子型燃料電池のセパレータの周縁部に使用するパッキング等に適している旨記載されている。また該公報には、該パッキングの製造方法として、例えば、フッ素樹脂
フィルム、又は当該フィルムに密接した支持フィルムからなる二層フィルムを、パッキングの外郭形状に対応した凹部を刻設した加熱成形用金型上に載置した後、凹部に対応する位置のフッ素樹脂フィルム表面に(従来より公知の)未硬化のシリコーンゴム原料を供給した後、加熱成形法によりフッ素樹脂フィルム又は二層フィルムを凹部形状に賦形すると同時にシリコーンゴム原料を凹部に充填し、硬化させて所定形状のパッキングに賦形して、シリコーンゴムからなるパッキング材の接合面の反対側表面をフッ素樹脂層で被覆してなるパッキングの製造方法が開示されている。
しかしながら、これら特許文献1〜3に記載の公報では、上記したような問題点がある
また、特開2003−7313号公報(特許文献4)には、固体高分子型燃料電池セパレータの少なくとも片側周縁部をシールするシール用ゴム組成物であって、(A)少なくとも片末端にアリル基を有するポリイソブチレンポリマー、(B)平均組成式R1 nSiO(4-n)/2で示されるオルガノポリシロキサン、(C)1分子中にケイ素原子に結合した水
素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)白金族金属系触媒を含有する固体高分子型燃料電池セパレータシール用ゴム組成物、及びこれを硬化させてなる固体高分子型燃料電池セパレータシール材が開示され、このゴム組成物を用いることにより、耐酸性に優れ、かつ耐候性、耐クリープ性、ガス透過性に優れ、長期の使用が可能であるシール材が得られ、固体高分子型燃料電池セパレータシール材として有用であると記載されている。
この特許文献4に記載のシール材では、ポリシロキサン成分比が大の場合では耐酸性に劣り、ポリイソブチレン成分比が大の場合、50°以下の低硬度において十分な強度が得られないという問題点がある。
特開2002−83616号公報 WO00/64995号パンフレット 特開2002−221276号公報 特開2003−7313号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、燃料電池用ガスケットとして求められる高遮蔽性、耐水性および低抽出性を有し、さらに低反力でのシールが可能であり、特に車載用など、小型化が要求される燃料電池用として好適なガスケットを提供することを目的としている。
本発明に係る燃料電池用ガスケットは、
フッ素含有量が62重量%以上で、含臭素および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、
過酸化物架橋可能な共重合体であり、その共重合体形成用のモノマー成分であるパーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレンを塊状、溶液、懸濁、乳化重合等公知の方法で重合させることにより得られる。溶液重合に用いられる溶媒としては、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロジメチルシクロブタンなどの高度にフッ素置換された溶媒が好ましく用いられる。塊状、懸濁、溶液重合では、一般に油溶性開始剤が使用される。好ましい開始剤は、高度に
フッ素化された過酸化物であり、(Rf−COO)2(式中Rfはパーフルオロアルキル
基、ω―ヒドロパーフルオロアルキル基、またはパークロロフルオロアリキル基を表す。)で示されるジアシルパーオキサイドが特に好ましい。
乳化重合においては、乳化剤を用いてモノマーを水に乳化させて重合を行う。
乳化剤としては、
一般式:F(CF2nCO2NH4(式中、nは7〜10の整数である)、または、一般式:
Figure 2005140196
(式中、nは1〜3の整数である。)
で示される化合物等が好ましく用いられる。乳化重合における重合開始剤としては、油溶性または水溶性の過酸化物が好ましく用いられる。好ましい油溶性の過酸化物としては上記のものがあり、水溶性の過酸化物としては過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩の他、過りん酸塩、過硝酸塩、過炭酸塩等を挙げることができる。また、これらの無機過酸化物と、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸等の水溶性還元剤との組み合わせも用いることができる。
本発明の共重合体の製造にあたっては、架橋サイトを有する単量体を加えることもできる。このような架橋サイトを有する単量体としては、
CF2=CFO(CF2mCN、CF2=CFO(CF2mBr、
CF2=CFO(CF2mI、CH2=CHOCH2CH2CH2Cl、
CF2=CFCF2COOH
(これら式中で、mは通常1〜8の数を示す。)
などが挙げられる。
重合温度は用いる重合開始剤の分解温度により異なるが、通常0〜100℃である。重合圧力は共重合体の組成により決定されるが0〜30kg/cm2Gが好ましい。
本発明においては、以上のようにして得られた共重合体の成分単位組成が、
(a)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル成分単位 10〜25モル%

(b)フッ化ビニリデン成分単位 60〜90モル%、
(c)四フッ化エチレン成分単位 0〜20モル%、
(d)六フッ化プロピレン成分単位 0〜10モル%((a)〜(d)の合計100モル%)、及び、
(e)架橋部位用として上記(a)〜(d)の合計100モル%に対して少量の臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を含有する含フッ素共重合体(A)と、
該含フッ素共重合体(A)100重量部に対して、
有機過酸化物(B)を0.5〜6重量部と、
多官能性モノマー(C)を0.5〜10重量部と、
を含有した架橋性含フッ素共重合体組成物を架橋してなり、硬度(JIS K 6253
に準拠。デュロAタイプ)が50度未満であることを特徴としている。
この燃料電池用ガスケットでは、上記架橋性含フッ素共重合体組成物が、さらに、上記含フッ素共重合体(A)以外の過酸化物架橋可能な他の含フッ素共重合体(A’)を含有し、上記含フッ素共重合体(A)と、他の含フッ素共重合体(A’)との合計100重量部中に、上記含フッ素共重合体(A)を10重量部〜100重量部未満の量で、他の含フッ素共重合体(A’)を残部量(すなわち90以下〜0重量部を超える量)で含むことが好ましい。
また、この燃料電池用ガスケットでは、上記架橋性含フッ素共重合体組成物中の含フッ素共重合体合計量[(A)+(A’)]が、85重量%以上であることが好ましい。
この燃料電池用ガスケットは、高遮蔽性、耐水性および低抽出性を有し、従来よりも一層低反力下でのシールが可能であり、特に車載用など、小型化が要求される燃料電池用のガスケットとして好適である。
また、本発明のガスケットは、固体高分子形燃料電池において使用される全ての種類のセパレータ材質(例:金属系、焼成カーボン系、樹脂混合カーボン系、導電性樹脂系など)に適用可能であるが、低反力でのシールが可能となることから、特に強度の低い脆性材料である樹脂混合カーボン系プレートでのシール用に好適に使用することができる。
以下、本発明に係る燃料電池用ガスケットについて具体的に説明する。
本発明に係る燃料電池用ガスケットは、下記のような架橋性含フッ素共重合体組成物を架橋してなり、硬度(JIS K 6253に準拠。デュロAタイプ)が50度未満、好ましくは49〜40度であり、燃料電池スタック本体にガスケットを組み付けたときに、ガスケット反力が大きすぎず適度であり、セパレータの破損などがなく、完全にシール可能であり、ガスケットとしてのシール性等の特性に優れるため好ましい。なお、ガスケットの硬度が50度以上では、燃料電池スタック本体にガスケットを組み付けたときに、ガスケット反力が大き過ぎて、セパレータの破損などを生じる恐れが高く、完全にシール(密閉)が困難となり、ガスケットとして不適当となる傾向がある。
以下、本発明に係る燃料電池用ガスケットの製造に用いられる架橋性含フッ素共重合体組成物について初めに詳説する。
[架橋性含フッ素共重合体組成物]
本発明で用いられる架橋性含フッ素共重合体組成物は、以下に詳述する過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(含フッ素共重合体)(A)と、有機過酸化物(B)と、多官能性モノマー(C)とを含有している。
本発明の好ましい態様においては、この架橋性含フッ素共重合体組成物には、さらに、上記含フッ素共重合体(A)以外の、他の含フッ素共重合体(A’)、カーボン、シラン等
の補強剤、瀝青質微粉末、偏平充填剤、その他の配合物(例:ワックス成分)等が含まれていてもよい。
<過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(A)>
本発明で用いられる過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(A)は、測定・算出法:F19−NMR法により求められるフッ素含有量が62 重量%以上、好ましくは64〜68重量%であり、含臭素および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有しており、
このようなフッ素ゴム(含フッ素共重合体)(A)は、該共重合体(A)中に(a)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル(PMMEVE:「CF3O−CF2O−C24−O−CF=CF2」)から誘導される成分単位(以下、単に、パーフロロメトキ
シメトキシエチルビニルエーテル(PMMEVE)成分単位などと略称する。他の成分についても以下同様に略称する。)を10〜25モル%、好ましくは13〜22モル%と、(b)フッ化ビニリデン(VdF)成分単位を60〜90モル%、好ましくは65〜80
モル%とを含み、(c)四フッ化エチレン(TFE)成分単位を必要により0〜20モル%、好ましくは5〜18モル%で含み、および(d)六フッ化プロピレン(HFP)成分単位を必要により0〜10モル%、好ましくは0.5〜8モル%の量(これら共重合成分単位(a)〜(d)の合計:100モル%)で、及び、
上記含フッ素共重合体(A)中の共重合成分単位の合計((a)+(b)+(c)+(d))100モル%に対して、架橋部位用として(e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を少量で、例えば、共重合成分単位であるPMMEVE、VdF、TFE、HFPの各成分単位の合計100モルあたり、架橋部位用成分単位である臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を0.01〜3モルの量で、含有してなる含フッ素共重合体である。
このフッ素ゴムを形成する際に用いられる含フッ素共重合体中のフッ素含有量が上記範囲にあると、得られるガスケットは、高遮蔽性、耐水性および低抽出性を有し、さらに主眼である低反力でのシールが可能であり、これら特性のバランスが良好となる傾向があり、含フッ素共重合体中のフッ素含有量が上記範囲を下まわると燃料電池用ガスケットのシール性(圧縮永久ひずみ)は良好になるが、遮蔽性、耐水性が悪化する傾向があり、また上記範囲を上回ると燃料電池用ガスケットの遮蔽性、耐水性は良好になるが、低反力性、シール性(圧縮永久ひずみ)が悪化する傾向がある。なお、本発明では、フッ素含量は、重合させる各モノマーのフッ素含量(配合量)から算出している。
また、上記含フッ素共重合体中の各成分単位がそれぞれ、上記量で用いられると、得られる燃料電池用ガスケットはゴム的な柔軟性を示し、また、高遮蔽性、耐水性および低抽出性、さらに低反力性、シール性(圧縮永久歪)等にバランス良く優れる傾向があり、特に燃料電池用ガスケットなどとして好適に使用できる。
特に、フッ素ゴムを形成する際に用いられる含フッ素共重合体中のパーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル(PMMEVE)成分単位含量が上記範囲を下まわると得られるシール材は、硬度が上昇し、耐寒性が悪化する傾向があり、また上回ると機械強度が低下する傾向があり、また、
フッ化ビニリデン(VdF)成分単位含量が上記範囲を上回ると得られるシール材は耐酸性が悪化する傾向があり、また下まわると硬度が上昇し、耐寒性が悪化する傾向があり、また、
フッ素ゴムを形成する際に用いられる含フッ素共重合体中の四フッ化エチレン(TFE)成分単位含量が上記範囲を上回ると硬度上昇、耐寒性の悪化が生ずる傾向があり、また、
必要により用いられる六フッ化プロピレン(HFP)成分単位含量が特に上記範囲を上回るとシール材の耐寒性悪化、硬度上昇が生ずる傾向がある。
さらに、架橋部位用として臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位は、上記量で用いれば、架橋されることにより適度の架橋度となり、充分な耐寒特性、
耐燃料油性等にバランス良く優れるフッ素ゴム(加硫・硬化物)となる傾向がある。
上記した臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位形成用のモノマーとしては、1-ブロモ-2-ヨード-パーフロロエタン、1-ブロモ-3-ヨード-パーフロロプロパンなどが挙げられる。
この含フッ素共重合体中においては、用いられた各モノマーは、その炭素・炭素2重結合部位で2重結合が開裂して単結合のモノマーユニット(重合単位、成分単位などとも言う。)となり、隣接するモノマーユニットと互いに結合(連結)しているものと考えられる。そして、得られた含フッ素共重合体では、用いられた含フッ素単量体由来の含フッ素成分単位が、ランダムあるいは規則的に配列しており、固体または液体状であり、その分子量は、含フッ素共重合体の成形加工性や機械的諸特性等を考慮して適宜決定可能であるが、分子量の指標としての極限粘度[η](測定法:ウベローデ粘度計での35℃における落下時間から求めたもの。)が通常、0.2〜5.0dl/g、好ましくは、0.4〜3.0dl/gであることが成形加工性の点から望ましい。
このような過酸化物架橋可能なフッ素ゴムは、常法に準じて製造される。
このような過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(未加硫ゴム、未架橋の含フッ素共重合体などとも言う。)のムーニー粘度(JIS K6300準拠、ML1+10,121℃)はゴム
加工上10〜120、好ましくは20〜80であることが望ましいが、特に制限はない。
<過酸化物架橋可能な他の含フッ素共重合体(A’)>
他の過酸化物架橋可能な含フッ素共重合体(A’)としては、(非抽出性、低硬度、充分な機械強度、充分な圧縮永久歪)などの特性を有するガスケットが得られる限り、特に限定されない。
また、このような他の含フッ素共重合体(A’)としては、市販品では、例えば、「Viton GLT、GF、GFLT」の各シリーズ(デュポンダウエラストマー社製)、「ダイキンG801」(ダイキン工業(株)製)等が挙げられる。これら他の含フッ素共重合体フッ素(A’)は、1種または2種以上組合わせて用いてもよい。
架橋性含フッ素共重合体組成物は、他の含フッ素共重合体(A’)を含んでいなくともよいが(すなわち、(A)+(A’)=100重量部中、(A)=100重量部、(A’)=0重量部)、本発明では架橋性含フッ素共重合体組成物が、さらに、上記含フッ素共重合体(A)以外の過酸化物架橋可能な他の含フッ素共重合体(A’)を含有する場合には、上記含フッ素共重合体(A)と、他の含フッ素共重合体(A’)との合計((A)+(A’))100重量部中に、上記含フッ素共重合体(A)を10重量部〜100重量部未満、好ましくは、50〜100重量部未満の量で、他の含フッ素共重合体(A’)を残部量で含むことが、得られるガスケットの硬さ、圧縮反力、圧縮永久歪、耐ガス透過性、抽出性などがバランス良く優れるため好ましい。なお、共重合体(A)を上記範囲より少ない量で、換言すれば、上記範囲を超える量で他の含フッ素共重合体(A’)例えば、「Viton GLT 305」(デュポンダウエラストマー社製)を用いると、得られるガスケットは、圧縮永久歪、耐ガス透過性、抽出性は良好であっても、硬くなり過ぎ、圧縮反力の点で劣る傾向がある。
また、含フッ素共重合体合計量[(A)+(A’)]が、架橋性含フッ素共重合体組成物中に、85重量%以上、好ましくは85〜99重量%、さらに好ましくは95〜98重量%であると、硬度が適度となる傾向がある。
<有機過酸化物(B)>
有機過酸化物(B)としては、一般にゴムに使用可能なものであれば特に制限なく使用でき、過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(FKM)100重量部に対して、通常0.5〜6重量部、好ましくは0.5〜2重量部の量で用いられる。
有機過酸化物の配合量が、特に0.5重量部未満では、充分な架橋密度が得られず、圧縮永久歪やガス透過性が大きくなる傾向があり、また特に6重量部を超えると、発泡により架橋成形物が得られなかったり、得られてもゴム弾性、伸びが低下する傾向がある。
有機過酸化物としては、例えば、第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(第3ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ジ(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベゾイルパーオキシ)ヘキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル−4,4−ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレートなどが挙げられる。これら有機過酸化物は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
<多官能性モノマー(C)>
多官能性モノマー(C)としては、一般にゴムに使用可能なものであれば、特に制限なく使用でき、過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(FKM)(A)100重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好ましくは1〜4重量部の量で用いられる。
多官能性モノマーの配合量が過酸化物架橋可能なフッ素ゴム(FKM)100重量部に対して、特に0.5重量部未満では、充分な架橋密度が得られず、また、特に10重量部を超える量で用いても、発泡により、架橋成形物が得られなかったり、得られても弾性、伸びが低下する傾向がある。
多官能性モノマーとしては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドなどが挙げられる。これら多官能性モノマーは、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
架橋性含フッ素共重合体組成物中には、以上の必須成分以外に、ゴムの配合剤として、カーボンブラック、ホワイトカーボンなどの補強剤;
タルク、クレー、グラファイト、珪酸カルシウムなどの充填剤;
ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィンワックスなどの加工助剤;
老化防止剤;可塑剤;
など、ゴム工業で一般的に使用されている配合剤が、必要に応じて適宜添加されて用いられる。
例えば、カーボン(商品名:「Thermax N990」、Cancarb製)、ホ
ワイトカーボン等の補強剤を用いる場合には、カーボンなどに代表される補強剤は、上記含フッ素共重合体(A)100重量部に対して、通常、0.1〜14.0重量部、好ましくは0.1〜5重量部程度の合計量で用いられる。上記範囲を超え、例えば、15重量部で用いられると、圧縮永久歪や耐ガス透過性、抽出性は良好であっても、硬さや圧縮反力が過度に大きくなり、実用上使用不可となるなどの傾向がある。
このような配合組成の架橋性含フッ素共重合体組成物を得るには、上記成分を配合し、
該架橋性含フッ素共重合体組成物が加硫(架橋)されないような温度、圧力条件、例えば、常温、常圧下に、必要により攪拌、混練等すればよい。なお、この攪拌・混練の際には、インターミックス、ニーダー、バンバリーミキサーなどの混練機またはオープンロールなどを使用することができる。
<架橋(加硫)>
架橋(加硫)成形体である、発明の燃料電池用ガスケットを調製するには、圧縮成型、移送成型、射出成型、押出成型、カレンダー成型等の一般のゴム成型法を適宜利用でき、例えば、上記架橋性含フッ素共重合体組成物(配合物)を、射出成形機、圧縮成形機、加硫プレスなどを用いて、通常、150〜200℃で3〜60分程度加熱(一次加硫)する。さらに、必要に応じて、加熱オーブンなどを用いて、通常、150〜250℃程度で1〜24時間程度加熱(二次加硫)してもよい。なお、上記加硫は、必要により、加圧下、例えば、1〜500MPaの加圧下に行ってもよく、また上記架橋性含フッ素共重合体組成物を、所定の型内に充填して行ってもよい。
このような架橋反応においては、架橋性含フッ素共重合体中より臭素またはヨウ素が有機過酸化物により脱離され、その脱離部分に多官能性モノマーが反応・結合して架橋構造が形成されているものと考えられる。
<燃料電池用ガスケットの用途>
このようにして得られる燃料電池用ガスケットは、加硫成形品であり、低硬度、低圧縮反力、低圧縮永久歪、低ガス透過性、低抽出性であり、しかもこれら特性にバランス良く優れている。
このような本発明に係る燃料電池用ガスケットは、硬度Hs(JIS K 6253に準拠。2mm(厚)テストシート×3枚重ね。)が、通常50未満、好ましくは49〜40であり、
圧縮反力[JIS K 6262に準拠し、φ13の小型試験片にて、50%圧縮時の反力(応力)を測定。]が0.3kN以下、好ましくは0.15〜0.3kN、特に好ましくは0.15〜0.25kNであり、
圧縮永久歪(JIS K6262に準拠し、120℃×168時間後の圧縮永久歪率を測定。)が50%未満、好ましくは35%以下であり、
ガス透過性[JIS K7216に準拠し、常温における水素の気体透過係数(cm3
・cm/cm2・sec・cmHg)を測定。]が1.0×10-8(cm3・cm/cm2
・sec・cmHg)未満、通常3.0×10-9〜1.0×10-10(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)程度であり、
抽出性{超純水100ml中に、テストピース1gを投入し、80℃で70時間(h)加熱した後の浸漬液を分取して、元素:「P,S,Pb,Mg,Ca,Al,Zn,Fe」をICP発光分析装置(セイコーインスツルメンツ(株)製、型番:SPS3000)にて定量分析を実施。}は、何れの元素含量も0.1ppm以下、通常0.01ppm以下である。(なお、抽出性の下限値は、実際に測定限界の0.001〜0.0001以下の場合があり、下限値は設定できない。)
[発明の効果]
本発明の燃料電池用ガスケットは、高遮蔽性、耐水性および低抽出性を有し、従来品に比してさらに低反力でのシールが可能であり、特に車載用など、小型化が要求される燃料電池用ガスケットとして好適に用いることができる。
[実施例]
以下、本発明で用いられる架橋性含フッ素共重合体組成物、特に燃料電池用ガスケット用架橋性含フッ素共重合体組成物および、フッ素ゴム系シール材の1種である本発明の燃
料電池用ガスケットについて、実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例、比較例などで用いた試験方法、配合成分の架橋性含フッ素共重合体組成物性等は、以下の通り。
<評価・試験方法>
(1)硬度Hs:
2mm(厚)テストシートを3枚重ね合わせ、「JIS K 6253」に準拠して硬度を測定した。
評価基準は、以下の通り。
Hs50未満:○(合格)、
Hs50以上:×(不合格)。
(2)圧縮反力試験
「JIS K 6262」に準拠したφ13の小型試験片にて、50%圧縮時の反力(応力)を測定装置(島津製作所)(株)製、型番(AG−B)にて測定した。[JISに
準拠しているのは試験片の形のみです]
評価基準は、以下の通り。
0.3kN以下:○(合格)、
0.3kNを超える:×(不合格)。
(3)圧縮永久歪試験
「JIS K 6262」に準拠し、120℃×168時間保持後のテストピースの圧縮永久歪率を測定した。
評価基準は、以下の通り。
50%未満:○(合格)、
50%を超える:×(不合格)。
(4)ガス透過性試験
「JIS K 7216」に準拠し、常温における水素の気体透過係数(cm3・cm
/cm2・sec・cmHg)を測定装置(東洋精機製作所)(株)製、型番(M−C3
)にて測定した。
評価基準は、以下の通り。
1.0×10-8(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)未満:○(合格)、
1.0×10-8(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)以上:×(不合格)。
(5)抽出試験
超純水100ml中に、テストピース1gを投入し、80℃で70時間(h)加熱した後の浸漬液を分取して、元素:「P,S,Pb,Mg,Ca,Al,Zn,Fe」をICP発光分析装置(セイコーインスツルメンツ(株)製、型番:SPS3000)にて定量分析を実施した。
元素「P,S,Pb,Mg,Ca,Al,Zn,Fe」のうちの何れの元素含量も0.1ppm以下である。:○(合格)、
元素「P,S,Pb,Mg,Ca,Al,Zn,Fe」のうちの何れか1種でも0.1
ppmを超えるものがある。:×(不合格)。
(イ−1)FKM(A1):
(a1)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル成分単位16mol%、
(b1)フッ化ビニリデン成分単位73mol%、
(c1)四フッ化エチレン成分単位11mol%、
(d1)六フッ化プロピレン成分単位0mol%、及び
架橋部位用としてヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を約0.5mol%((a1)〜(d1)の合計100モルあたり0.5mol)の量で共重合されている含フッ素共重合体(未架橋フッ素ゴム)、フッ素含有量:66重量%)、ムーニー粘度(JIS K
6300準拠、ML1+10,121℃)105。
(イ−2)FKM(A2):
デュポンダウエラストマー社製ポリマー、「Viton GLT 305」(成分単位組成としてパーフルロロメチルビニルエーテル単位、フッ化ビニリデン単位、四フッ化エチレン単位を有する含フッ素共重合体であって、さらに架橋部位用としてヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を有している含フッ素共重合体。フッ素含量:64重量%)。
(イ−3)フッ素系オイル(A3):
NOK(株)製フッ素系オイル「バリエルタ J 400{NOKクリューバー}」(パーフルオロエーテル単位のみを有する重合体。)
(イ−4)フッ素系ゴム(A4):
単位組成がフッ化ビニリデン単位、四フッ化エチレン単位の含フッ素共重合体であるフッ素系ゴム(旭モント社製、ポリオール系フッ素ゴム、「テクノフロン FOR LHF」、フッ素含量:65%。)
(ロ)N990カーボン:
Cancarb製、カーボン、商品名「Thermax N990」。
<配合物の組成>
FKM(A1) ・・・・・100重量部、
N990カーボン ・・・・・2重量部、
2,5ジメチル2,5ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン ・・・・1重量部、
トリアリルイソシアヌレート ・・・・・2重量部。
上記組成の配合物を、ニーダーおよびオープンロールにて混練した。この未加硫ゴム組成物(架橋性含フッ素共重合体組成物)の加硫成形は、(80t加硫プレス)により180℃で10分間、圧力100MPaにて圧縮成形して、(150)mm×(150)mm×(2)mm(厚)のテストピース(加硫シート)を作成した。
得られたテストピースについて、前記条件下に、硬度測定、圧縮反力試験、圧縮永久歪試験、ガス透過試験を実施した。
その結果、硬度は、Hs41(評価:○、合格)となり、
圧縮反力は、0.21kN(評価:○、合格)となり、
圧縮永久歪は、28%(評価:○、合格)となり、
ガス透過性は、2.5×10-9(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)(評価:○、合格)となり、
抽出性は、「なし」(評価:○、合格)となった。
結果を併せて表1に示す。
実施例1において、フッ素ゴム(FKM(A1))100重量部に代えて、フッ素ゴム
(FKM(A1))を20重量部と、「Viton GLT 305」(デュポンダウエラストマー社製、ポリマー)を80重量部で用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピース(加硫シート)を作成した。
得られたテストピースについて、前記条件下に、硬度測定、圧縮反力試験、圧縮永久歪試験、ガス透過試験を実施した。
その結果、硬度は、Hs48(評価:○、合格)となり、
圧縮反力は、0.30kN(評価:○、合格)となり、
圧縮永久歪は、33%(評価:○、合格)となり、
ガス透過性は、1.5×10-9(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)(評価:○、合格)となり、
抽出性は、なし(評価:○、合格)となった。
結果を併せて表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、フッ素ゴム(FKM(A1))100重量部に代えて、「Viton GLT 305」(昭和電工・デュポン(株)製)を100重量部で用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピース(加硫シート)を作成した。
得られたテストピースについて、前記条件下に、硬度測定、圧縮反力試験、圧縮永久歪試験、ガス透過試験を実施した。
その結果、硬度は、Hs50(評価:×、不合格)となり、
圧縮反力は、0.33kN(評価:×、不合格)となり、
圧縮永久歪は、39%(評価:○、合格)となり、
ガス透過性は、1.0×10-9(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)(評価:○、合格)となり、
抽出性は、なし(評価:○、合格)となった。
結果を併せて表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、N990カーボンを15重量部で用いた以外は、実施例1と同様にしてテストピース(加硫シート)を作成した。
得られたテストピースについて、前記条件下に、硬度測定、圧縮反力試験、圧縮永久歪試験、ガス透過試験を実施した。
その結果、硬度は、Hs50(評価:×、不合格)となり、
圧縮反力は、0.35kN(評価:×、不合格)となり、
圧縮永久歪は、40%(評価:○、合格)となり、
ガス透過性は、1.0×10-9(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)(評価:○、合格)となり、
抽出性は、なし(評価:○、合格)となった。
結果を併せて表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、2,5ジメチル2,5ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサンを1重量部から、0.4重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてテストピース(加硫シート)を作成した。
得られたテストピースについて、前記条件下に、硬度測定、圧縮反力試験、圧縮永久歪試験、ガス透過試験を実施した。
その結果、硬度は、Hs45(評価:○、合格)となり、
圧縮反力は、0.25kN(評価:○、合格)となり、
圧縮永久歪は、65%(評価:×、不合格)となり、
ガス透過性は、3.0×10-9(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)(評価:○、合格)となり、
抽出性は、なし(評価:○、合格)となった。
結果を併せて表1に示す。
[比較例4]
実施例1において、2,5ジメチル2,5ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサンを1重量部から、10重量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてテストピース(加硫シート)を作成しようとしたが、成型時に発泡が生じ、サンプルの作成自体が困難であった。
結果を併せて表1に示す。
[比較例5]
比較例1において、フッ素系オイル(A3):NOK(株)製フッ素系オイル「バリエルタ J 400{NOKクリューバー}」を15重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてテストピース(加硫シート)を作成した。
得られたテストピースについて、前記条件下に、硬度測定、圧縮反力試験、圧縮永久歪試験、ガス透過試験を実施した。
その結果、硬度は、Hs45(評価:○、合格)となり、
圧縮反力は、0.26kN(評価:○、合格)となり、
圧縮永久歪は、45%(評価:○、合格)となり、
ガス透過性は、3.0×10-9(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)(評価:○、合格)となり、
抽出性は、Ca>0.1ppm等(評価:×、不合格)となった。
結果を併せて表1に示す。
[比較例6]
<配合物の配合組成>
旭モント社製ポリオール系フッ素ゴム「テクノフロン FOR LHF」
・・・・・100重量部、
N990カーボン ・・・・・2重量部、
MgO ・・・・・1重量部、
Ca(OH)2 ・・・・・2重量部。
(合計105重量部)
実施例1において、上記配合組成の配合物を用いた以外は、実施例1と同様にしてテス
トピース(加硫シート)を作成した。
得られたテストピースについて、前記条件下に、硬度測定、圧縮反力試験、圧縮永久歪試験、ガス透過試験を実施した。
その結果、硬度は、Hs48(評価:○、合格)となり、
圧縮反力は、0.33kN(評価:○、合格)となり、
圧縮永久歪は、25%(評価:○、合格)となり、
ガス透過性は、2.1×10-9(cm3・cm/cm2・sec・cmHg)(評価:○、合格)となり、
抽出性は、Ca>0.1ppm等(評価:×、不合格)となった。
結果を併せて表1に示す。
Figure 2005140196
このガスケットは、高遮蔽性、耐水性および低抽出性を有し、さらに低反力でのシールが可能であり、特に車載用など、小型化が要求される燃料電池用のガスケットとして好適である。

Claims (4)

  1. フッ素含有量が62重量%以上で、含臭素および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、
    過酸化物架橋可能な共重合体であり、その共重合体の成分単位組成が、
    (a)パーフロロメトキシメトキシエチルビニルエーテル成分単位 10〜25モル%

    (b)フッ化ビニリデン成分単位 60〜90モル%、
    (c)四フッ化エチレン成分単位 0〜20モル%、
    (d)六フッ化プロピレン成分単位 0〜10モル%((a)〜(d)の合計100モル%)、
    及び、
    (e)架橋部位用として上記(a)〜(d)の合計100モル%に対して少量の臭素化および/またはヨウ素化不飽和フロロ炭化水素成分単位を含有する含フッ素共重合体(A)と、
    該含フッ素共重合体(A)100重量部に対して、
    有機過酸化物(B)を0.5〜6重量部と、
    多官能性モノマー(C)を0.5〜10重量部と、
    を含有した
    架橋性含フッ素共重合体組成物を架橋してなり、硬度(JIS K 6253に準拠。デ
    ュロAタイプ)が50度未満である燃料電池用ガスケット。
  2. 上記架橋性含フッ素共重合体組成物が、さらに、上記含フッ素共重合体(A)以外の過酸化物架橋可能な他の含フッ素共重合体(A’)を含有し、上記含フッ素共重合体(A)と、他の含フッ素共重合体(A’)との合計100重量部中に、上記含フッ素共重合体(A)を10重量部〜100重量部未満の量で、他の含フッ素共重合体(A’)を残部量で
    含む請求項1に記載の燃料電池用ガスケット。
  3. 上記架橋性含フッ素共重合体組成物中の含フッ素共重合体合計量[(A)+(A’)]が、85重量%以上である請求項2に記載の燃料電池用ガスケット。
  4. 上記架橋性含フッ素共重合体組成物が、さらに、補強剤を含有し、上記含フッ素共重合体(A)100重量部に対して、上記補強剤を0.1〜14.0重量部量で含む請求項1〜3の何れかに記載の燃料電池用ガスケット。
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