JP5414196B2 - 高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 - Google Patents
高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5414196B2 JP5414196B2 JP2008104810A JP2008104810A JP5414196B2 JP 5414196 B2 JP5414196 B2 JP 5414196B2 JP 2008104810 A JP2008104810 A JP 2008104810A JP 2008104810 A JP2008104810 A JP 2008104810A JP 5414196 B2 JP5414196 B2 JP 5414196B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluororubber
- sealing material
- mol
- based sealing
- fuel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K3/00—Materials not provided for elsewhere
- C09K3/10—Materials in mouldable or extrudable form for sealing or packing joints or covers
- C09K3/1006—Materials in mouldable or extrudable form for sealing or packing joints or covers characterised by the chemical nature of one of its constituents
- C09K3/1009—Fluorinated polymers, e.g. PTFE
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F214/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
- C08F214/02—Monomers containing chlorine
- C08F214/04—Monomers containing two carbon atoms
- C08F214/08—Vinylidene chloride
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F214/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
- C08F214/18—Monomers containing fluorine
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F214/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
- C08F214/18—Monomers containing fluorine
- C08F214/22—Vinylidene fluoride
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/0008—Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
- C08K5/0025—Crosslinking or vulcanising agents; including accelerators
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/04—Oxygen-containing compounds
- C08K5/14—Peroxides
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Sealing Material Composition (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
しかしながら、近年、特許文献1にて開示した材料を用いたシール部品でも、使用条件等によっては、シール性の点でさらなる改良の余地があった。具体的には燃料を、従来の擬似ガソリンもしくはガソリンから、軽油(ディーゼル燃料)に変更した場合、使用条件によっては、エンジン評価で漏れが発生している。
具体的には従来のTR−10や低温圧縮永久歪みといった方法ではなく、実機評価に近い方法を採用した。これはOリングを所定の圧縮率で圧縮した後、一度高温:具体的には120〜150℃に所定時間放置し、その後、シール性が要求される温度に急冷させた。この後、充分にOリングが低温となった後に低温下で開放し、このときの圧縮永久歪みの測定を実施した。
本発明は、フッ素を64〜69重量%含有し、含臭素化合物および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、過酸化物により架橋され得る含フッ素共重合体と、該含フッ素共重合体100重量部に対して、有機過酸化物を0.5〜6重量部と、多官能性モノマーを1〜10重量部とを含有することを特徴とするフッ素ゴム系シール材用組成物および該組成物を硬化してなることを特徴とするフッ素ゴム系シール材であって、上記フッ素ゴム系シール材用組成物中の含フッ素共重合体が、下記(a)〜(e):(a)ビニリデンフルオライド(VDF):30〜70モル%、(b)テトラフルオロエチレン(TFE):10〜30モル%、(c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE):10〜20モル%、(d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエーテル)(FMMVE):5〜30モル%、および(e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素:成分(a)〜成分(d)の合計((a)+(b)+(c)+(d)=)100モル%に対して少量(0.01〜3モル%の量)、を共重合して得られるフッ素ゴムポリマーである。
上記燃料は、ガソリン、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、軽油、エタノール、バイオエタノールおよびメタノールからなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。
<フッ素ゴム系シール材用組成物>
本発明に係るフッ素ゴム系シール材用組成物は、以下に詳述するフッ素ゴムポリマーと
、有機過酸化物と、多官能性モノマーとを含有している。
<フッ素ゴムポリマー>
本発明で用いられるフッ素ゴムポリマーは、測定・算出法:F19NMR法により求められるフッ素含有量が64〜69重量%、好ましくは64〜66重量%であり、含臭素化合物および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有している。
(a)ビニリデンフルオライド(VDF;フッ化ビニリデン)から誘導される成分単位(以下「VDF成分単位」、単に「成分単位」ともいう。他の成分についても同様である。)と、
(b)テトラフルオロエチレン(TFE;四フッ化エチレン)から誘導される成分単位と、
(c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE)から誘導される成分単位と、(d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエーテル)(FMMVE)から誘導される成分単位と、
架橋部位用として、(e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素から誘導される成分単位とを有している。
(a)ビニリデンフルオライド(VDF;フッ化ビニリデン)を30〜70モル%、好ましくは40〜65モル%、より好ましくは50〜64モル%の量で、
(b)テトラフルオロエチレン(TFE;四フッ化エチレン)を10〜30モル%、好ましくは12〜28モル%、より好ましくは15〜25モル%量で、
(c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE)を10〜20モル%、好ましくは5〜15モル%、より好ましくは5〜10モル%量で、
(d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエーテル)(FMMVE)を5〜30モル%、好ましくは8〜25モル%、より好ましくは10〜20モル%の量で、
また、これらモノマー(a)〜(d)の合計:100モル%に対して、架橋部位用として(e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素モノマーを少量で、例えば、0.01〜3モル%の量で共重合してなるフッ素ゴムポリマーである。
このフッ素ゴムを形成する際に用いられるフッ素ゴム系シール材用組成物中あるいはフッ素ゴムポリマー中のフッ素含有量が上記範囲にあると、得られるフッ素ゴム系シール材は、耐寒性と耐燃料油性とのバランスが良好となる傾向があり、フッ素ゴム系シール材用組成物中あるいはフッ素ゴムポリマー中のフッ素含有量が上記範囲を下まわるとフッ素ゴム系シール材の耐寒性は良好になるが、耐燃料油性が悪化する傾向があり、また上記範囲を上回るとフッ素ゴム系シール材の耐燃料油性は良好になるが、耐寒性が悪化する傾向がある。また、上記含フッ素共重合体中の各成分単位がそれぞれ、上記量で用いられると、得られるフッ素ゴム系シール材はゴム的な柔軟性を示し、また、充分な耐寒特性、耐燃料油性等にバランス良く優れる傾向があり、特に自動車燃料用フッ素ゴム系シール材などとして好適に使用できる。
る傾向があり、また、TFE成分単位含量が上記範囲を上回ると得られるフッ素ゴム系シール材は耐燃料油性が悪化する傾向があり、また下まわると耐寒性が悪化する傾向がある。
このようなフッ素ゴムポリマー(未加硫ゴム、未架橋の含フッ素共重合体などともいう。)のムーニー粘度(JIS K6300準拠、ML1+10,121℃)はゴム加工上10〜120、好ましくは20〜80であることが望ましいが、特に制限はない。
有機過酸化物としては、一般にゴムに使用可能なものであれば特に制限なく使用でき、フッ素ゴムポリマー(FKM)100重量部に対して、通常0.5〜6重量部、好ましくは1〜5重量部の量で用いられる。
レート等が挙げられる。また、市販のものも用いることができ、具体的には、「パーヘキサ25B40」(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
<多官能性モノマー>
多官能性モノマーとしては、一般にゴムに使用可能なものであれば、特に制限なく使用でき、フッ素ゴムポリマー(FKM)100重量部に対して、通常1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部の量で用いられる。
<金属化合物>
金属化合物は、腐食防止剤と受酸剤としての機能を有し、該金属化合物としては、水酸化カルシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム等が挙げられる。本発明では、これらの金属化合物は、1種単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。
瀝青質微粉末としては、石炭を粉砕し、平均粒径φ10μm以下(通常φ1〜10μm)、好ましくは3〜8μmに微粉末化したものを使用でき、必要によりこの瀝青質微粉末を用いる場合には、フッ素ゴムポリマー(FKM)100重量部に対して、通常2〜40重量部、好ましくは5〜30重量部の量で用いられる。この瀝青質微粉末の平均粒径φが上記範囲を超え、特に10μmを超えると、ゴムの破断強度(TB)または破断伸び(EB)が小さく実用レベルの補強性がみられない。
偏平状充填剤は、自動車燃料用フッ素ゴム系シール材中にあって、シール材料の燃料遮蔽性の向上に寄与し、燃料の蒸散を一層抑制することが可能になる。
これらの偏平充填剤は、平均粒子径φが0.5〜50μm、好ましくは5〜30μmで、アスペクト比が3以上、好ましくは5〜30のものが用いられる。平均粒子径またはアスペクト比が3未満のものを用いると、燃料遮蔽性の向上が見られない。一方、30以上の平均粒子径のものを用いると、実用レベルの補強性が得られない(具体的には、ゴムの破断強度または破断伸びが小さい。)。
ゴム組成物中には、以上の必須成分以外に、ゴムの配合剤として、カーボンブラック、ホワイトカーボンなどの補強剤;上記形状(平均粒径、アスペクト比)の偏平充填剤以外のタルク、クレー、グラファイト、珪酸カルシウム等の充填剤;ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィンワックス等の加工助剤;老化防止剤;可塑剤など、ゴム工業で一般的に使用されている配合剤が、必要に応じて適宜添加されて用いられる。これらのうち、カーボンブラックが好ましく、市販のものであってもよい。具体的には、「サーマルカーボンブラックN990(MTカーボン)」(米国Engineered Carbons Inc.製)等が挙げられる。
架橋(加硫)成形体であり、特に、自動車燃料と接触する部位でのシールに使用されるフッ素ゴム系シール材に代表される用途に好適に使用されるフッ素ゴム系シール材(単に、シール材ともいう。)を調製するには、圧縮成型、移送成型、射出成型、押出成型、カレンダー成型等の一般のゴム成型法を適宜利用できる。
(a)JIS K6253に規定のデュロメータ硬さ(試験タイプA)のHs硬度は、好ましくは50〜90、より好ましくは60〜80である。
(c)切断時伸びは,好ましくは100%以上、より好ましくは150%以上である。
本発明のフッ素ゴム系シール材は、上述のフッ素ゴム系シール材用組成物を、所定の金型を用いて、160〜180℃にて10〜20分間加熱圧縮することによって架橋・成形させ、さらに、空気循環型オーブンにて230℃で15時間、追加熱処理して得られるものである。
キン、Lパッキン、Jパッキン等のリップパッキン)、ダイヤフラム、ライニング、ロー
ル、オイルシールなどが挙げられる。
(a)圧縮永久歪み
P−24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)状に成形したフッ素ゴム系シール材ついて、JIS K6262に準拠して175℃×70時間経過後の圧縮永久歪みを測定する場合、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下である。
耐低温性すなわち耐寒性の評価基準である、JIS K6261に規定の低温弾性回復試験(TR試験)において、TR−10が、好ましくは−42〜−35℃、より好ましくは−42〜−40℃ある。
P−24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)を25%圧縮、120〜150℃×10〜20時間放置後、すぐに−40℃または−30℃×2時間冷却し、この後、同温度下で圧縮を開放し30分間経過した後のヘタリ量を測定した場合、高/低温負荷圧縮永久歪みは、冷却温度が−30℃の場合、好ましくは70%未満であり、冷却温度が−40℃の場合、好ましくは80%未満である。
耐燃料油性の評価基準である、JIS K6258(加硫ゴムの浸漬試験方法)に規定された、25℃×168時間燃料中に浸漬した場合におけるシール材の膨潤が、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。なお、該燃料は、ガソリン、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、軽油、エタノール、バイオエタノールおよびメタノールからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
Oリング64とバックアップリング63を、首の細くくびれた胴部円柱状の被シール部材65の首部65Aと頭部66Aの間、および首部65Bと頭部66Bの間にそれぞれ組み込む。組込み時にはエンジンオイルをOリング64の表面に塗布し上部構造部61の孔部72に組付ける。次いで、保持部材67A、67Bおよびその下部に位置する下部構造部69にて、被シール部材65を押さえ、下部構造部69と上部構造部61をボルト62で組付ける。
この状態において、シール媒体をPよりOリング64まで充填させる。図1に示す低温シール性測定用治具80に、バックアップリング63および試験用Oリング64を組み込み、下記試験条件(温度、圧力)で3分間加圧後、常圧に戻し、試験時と同じ温度で1時間放置した後に、媒体の漏れ(シール媒体に外部より所定圧力を掛けた際に、漏れが発生した時には孔部72を介して隙間68へ漏れが生じる。)を目視により確認する。なお、Oリング64組み込み時に、エンジンオイルを、試料の表面に塗布した。
(a)試験用Oリング:内径7.5mm×線径5.5mm。
(b)温度:−42℃。
(d)圧力媒体:Fuel−C(燃料油C)。
(e)圧縮率:18%。
図1に示す低温シール性測定用治具80に、バックアップリング63および試験用Oリング64を組み込み、120℃×70時間の後、−40℃×2時間で放置した。該治具80を常温に戻し、下記試験条件(温度、圧力)で3分間加圧後、試験時と同じ温度で1時間放置した後に、媒体の漏れ(シール媒体に外部より所定圧力を掛けた際に、漏れが発生した時には孔部72を介して隙間68へ漏れが生じる。)を目視により確認する。なお、Oリング64組み込み時に、エンジンオイルを、試料の表面に塗布した。
(a)試験用Oリング:内径7.5mm×線径5.5mm。
(b)温度:−38℃、−40℃および−42℃。
(d)圧力媒体:Fuel−C(燃料油C)。
(e)圧縮率:18%。
(1)常態物性
2mmシート状の架橋成形体について、Hs硬度(JIS K6253に規定のデュロメータ硬さ、試験タイプA)、JIS K6251に規定の引張応力(MPa)および切断時伸び(%)を測定する。
P−24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)状の架橋成形体について、JIS K6262に準拠して175℃において70時間経過後の圧縮永久歪み(%)を測定する。
P−24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)状の架橋成形体について、JIS K6261に規定のTR試験におけるTR−10(℃)を測定する。
JIS K6262に準拠して、P−24 Oリング(内径:約23.7mm×線径:3.5mm)状の架橋成型体を25%圧縮し、120℃で15時間放置後、すぐに−30℃または−40℃で2時間冷却する。この後、同温度下で開放、30分間放置後のP−24 Oリングを測定し、圧縮永久歪み(%)を算出する。
JIS K6258(加硫ゴムの浸漬試験方法)に準拠し、市販のレギュラーガソリン(A)または市販のディーゼル燃料(軽油)(B)に常温(20〜25℃)で浸漬した状態で168時間経過後の体積を測定し、体積変化率(%)を算出する。
下記実施例および比較例で得られたOリングについて、図1に示すシール性試験装置に組み込み、そのシール性能を試験した。シール媒体としては、安全性を考慮し、軽油等の燃料油の代わりに窒素ガスを使用した。窒素ガスをシールできれば、燃料油も確実にシールできると考えられる。
Oリング64とバックアップリング63を、首の細くくびれた胴部円柱状の被シール部材65の首部65Aと頭部66Aの間、および首部65Bと頭部66Bの間にそれぞれ組み込んだ。組込み時にはエンジンオイルをOリング64の表面に塗布し上部構造部61の孔部72に組付けた。次いで、保持部材67A、67Bおよびその下部に位置する下部構造部69にて、被シール部材65を押さえ、下部構造部69と上部構造部61をボルト62で組付けた。
この状態において、シール媒体をPよりOリング64まで充填させた。図1に示す低温シール性測定用治具80に、バックアップリング63および試験用Oリング64を組み込み、下記試験条件(温度、圧力)で3分間加圧後、常圧に戻し、試験時と同じ温度で1時間放置した後に、媒体の漏れ(シール媒体に外部より所定圧力を掛けた際に、漏れが発生した時には孔部72を介して隙間68へ漏れが生じる。)を目視により確認する。なお、Oリング64組み込み時に、エンジンオイルを、試料の表面に塗布した。
試験条件:
(a)試験用Oリング:内径7.5mm×線径5.5mm。
(c)圧力:2.0MPa。
(d)圧力媒体:Fuel−C(燃料油C)。
(2)高/低温負荷シール試験
図1に示す低温シール性測定用治具80に、バックアップリング63および試験用Oリング64を組み込み、120℃×70時間の後、−40℃×2時間で放置した。該治具80を常温に戻し、下記試験条件(温度、圧力)で3分間加圧後、試験時と同じ温度で1時間放置した後に、媒体の漏れ(シール媒体に外部より所定圧力を掛けた際に、漏れが発生した時には孔部72を介して隙間68へ漏れが生じる。)を目視により確認する。なお、Oリング64組み込み時に、エンジンオイルを、試料の表面に塗布した。
試験条件:
(a)試験用Oリング:内径7.5mm×線径5.5mm。
(c)圧力:2.0MPa。
(d)圧力媒体:Fuel−C(燃料油C)。
[実施例1]
フッ素ゴムポリマーとして、TR−10が−35℃以下であり、過酸化物によって架橋され得る「FKM−1」を用いた。
フルオロ(メトキシメチルビニルエーテル)(FMMVE):27.2モル%であり、(e)架橋部位用としてヨウ素化不飽和フロロ炭化水素を約0.5モル%の量で共重合して得られる含フッ素共重合体(未架橋フッ素ゴム)(ムーニー粘度:JIS K6300準拠ML1+4120℃:45)である。
d Carbons Inc.製「サーマルカーボンブラックN990(MTカーボン)」)を10重量部、有機過酸化物として「パーヘキサ25B40」(日本油脂(株)製)を3重量部および多官能性モノマーとしてトリアリルイソシアヌレート(日本化成(株)製「タイクM60」)を3重量部それぞれニーダに投入し20分間混練した後、オープンロールにてまとめた。架橋成形体は2mmシートまたは所定のOリング形状の金型を用い、160〜180℃にて10〜20分間加熱圧縮することで成形した。さらに、空気循環型オーブンにて230℃で15時間、追加熱処理した。
また、架橋成形体およびフッ素ゴム系シール材の各物性値をまとめて表2に示す。
[実施例2]
実施例1において、充填剤としてのカーボンブラックを40重量部に変更した以外は、実施例1と同様に架橋成形体およびフッ素ゴム系シール材を製造した。
また、架橋成形体およびフッ素ゴム系シール材の各物性値をまとめて表2に示す。
[比較例1]
実施例1において、含フッ素共重合体としてFKM−1の代わりに、ダイオネン(株)製「LTFE6400X」を用いた以外は、実施例1と同様に架橋成形体を製造した。
なお、「LTFE6400X」は、TR−10が−40℃を有し、共重合体成分単位として、VDF単位、TFE単位およびパーフルオロ(エトキシエトキシメチルエーテル)単位を含有するものである。
[比較例2]
比較例1において、充填剤としてのカーボンブラックを45重量部に変更した以外は、比較例1と同様に架橋成形体を製造した。
また、架橋成形体の各物性値をまとめて表2に示す。
62・・・ボルト
63・・・バックアップリング
64・・・Oリング
65・・・被シール部材
65A・・被シール部材の首部
65B・・被シール部材の首部
66A・・被シール部材の頭部
66B・・被シール部材の頭部
67A・・保持部材
67B・・保持部材
68・・・隙間
69・・・下部構造部
72・・・孔部
80・・・低温シール性測定用治具
Claims (8)
- フッ素を64〜69重量%含有し、含臭素化合物および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、過酸化物により架橋され得る含フッ素共重合体と、
該含フッ素共重合体100重量部に対して、
有機過酸化物を0.5〜6重量部と、
多官能性モノマーを1〜10重量部とを含有するフッ素ゴム系シール材用組成物
を架橋してなるフッ素ゴム系シール材であって、
上記フッ素ゴム系シール材用組成物中の含フッ素共重合体が、下記(a)〜(e):
(a)ビニリデンフルオライド(VDF):30〜70モル%、
(b)テトラフルオロエチレン(TFE):10〜30モル%、
(c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE):10〜20モル%、
(d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエーテル)(FMMVE):5〜30モル%、および
(e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素:成分(a)〜成分(d)の合計((a)+(b)+(c)+(d)=)100モル%に対して0.01〜3モル%の量、
を共重合して得られるフッ素ゴムポリマーであることを特徴とするフッ素ゴム系シール材。 - フッ素を64〜69重量%含有し、含臭素化合物および/または含ヨウ素化合物に由来する架橋部位を有し、過酸化物により架橋され得る含フッ素共重合体と、
該含フッ素共重合体100重量部に対して、
有機過酸化物を0.5〜6重量部と、
多官能性モノマーを1〜10重量部とを含有するフッ素ゴム系シール材用組成物であって、
上記フッ素ゴム系シール材用組成物中の含フッ素共重合体が、下記(a)〜(e):
(a)ビニリデンフルオライド(VDF):30〜70モル%、
(b)テトラフルオロエチレン(TFE):10〜30モル%、
(c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(FMVE):10〜20モル%、
(d)パーフルオロ(メトキシメチルビニルエーテル)(FMMVE):5〜30モル%、および
(e)臭素化および/またはヨウ素化不飽和フルオロ炭化水素:成分(a)〜成分(d)の合計((a)+(b)+(c)+(d)=)100モル%に対して0.01〜3モル%の量
を含有することを特徴とするフッ素ゴム系シール材用組成物。 - JIS K6261に規定される低温弾性回復試験(TR試験)におけるTR−10が、−42℃〜−35℃であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素ゴム系シール材。
- 高/低温負荷圧縮永久歪みが、80%未満であることを特徴とする請求項1または3に記載のフッ素ゴム系シール材。
- 上記フッ素ゴム系シール材用組成物の用途が、油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;アルコール混合油、アルコール;およびそれらの気体からなる群から選択される少なくとも1つを収容した容器における、これら収容物と接触する部位に使用されるシール材形成用であることを特徴とする請求項2に記載のフッ素ゴム系シール材用組成物。
- 上記フッ素ゴム系シール材の用途が、自動車の燃料タンク、燃料インジェクタ(燃料噴射装置)、燃料ポンプまたは燃料配管における、油類;芳香族炭化水素;脂肪族炭化水素;アルコール混合油およびアルコールのうちから選択される燃料あるいはその気体と接触する部位に使用される請求項1、3および4のいずれかに記載のフッ素ゴム系シール材。
- 上記フッ素ゴム系シール材を、室温20〜25℃で、燃料に168時間浸漬後の体積変化が、20%以下であることを特徴とする請求項1、3、4および6のいずれかに記載のフッ素ゴム系シール材。
- 上記燃料が、ガソリン、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、軽油、エタノール、バイオエタノールおよびメタノールからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項7に記載のフッ素ゴム系シール材。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008104810A JP5414196B2 (ja) | 2008-04-14 | 2008-04-14 | 高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 |
US12/937,371 US8563660B2 (en) | 2008-04-14 | 2009-04-07 | Fluororubber-based sealing material having good sealing properties under high/low temperature load |
EP09732353.9A EP2267072A4 (en) | 2008-04-14 | 2009-04-07 | FLUOR FLUID SEALING MATERIAL WITH GOOD SEALING FEATURES AT HIGH OR BENT. LOW TEMPERATURE LOAD |
PCT/JP2009/057095 WO2009128363A1 (ja) | 2008-04-14 | 2009-04-07 | 高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008104810A JP5414196B2 (ja) | 2008-04-14 | 2008-04-14 | 高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009256418A JP2009256418A (ja) | 2009-11-05 |
JP5414196B2 true JP5414196B2 (ja) | 2014-02-12 |
Family
ID=41199059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008104810A Active JP5414196B2 (ja) | 2008-04-14 | 2008-04-14 | 高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8563660B2 (ja) |
EP (1) | EP2267072A4 (ja) |
JP (1) | JP5414196B2 (ja) |
WO (1) | WO2009128363A1 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101516990B (zh) * | 2006-09-26 | 2013-01-09 | Nok株式会社 | 氟橡胶组合物、交联氟橡胶及其制造方法以及用于o形环的交联氟橡胶 |
JP5414196B2 (ja) * | 2008-04-14 | 2014-02-12 | Nok株式会社 | 高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 |
JP2011168630A (ja) * | 2010-02-16 | 2011-09-01 | Nok Corp | 耐燃料透過性の良好な耐寒フッ素ゴム組成物 |
US20130053519A1 (en) * | 2011-08-31 | 2013-02-28 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Acid resistant fluoroelastomer compositions |
CN103087450A (zh) * | 2013-02-28 | 2013-05-08 | 瑞科稀土冶金及功能材料国家工程研究中心有限公司 | 一种稀土配合物改性耐寒氟橡胶混炼胶及其制备方法 |
CN105189641B (zh) | 2013-05-02 | 2018-02-23 | 3M创新有限公司 | 部分氟化的弹性体及其制备和使用方法 |
JP2015013972A (ja) * | 2013-07-08 | 2015-01-22 | Nok株式会社 | フッ素ゴム系シール材用組成物およびフッ素ゴム系シール材 |
WO2015080002A1 (ja) * | 2013-11-26 | 2015-06-04 | 旭硝子株式会社 | ペルフルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー組成物、架橋ゴム物品、及びペルフルオロエラストマーの製造方法 |
JP7182948B2 (ja) * | 2017-11-21 | 2022-12-05 | 光洋シーリングテクノ株式会社 | 密封装置 |
CN115873359B (zh) * | 2022-11-23 | 2023-09-22 | 上海芯密科技有限公司 | 一种用于保护静电吸盘缝隙的氟橡胶极细密封件 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6255536B1 (en) * | 1999-12-22 | 2001-07-03 | Dyneon Llc | Fluorine containing vinyl ethers |
JP2002037818A (ja) * | 2000-05-18 | 2002-02-06 | Nippon Mektron Ltd | 含フッ素共重合体とその製造方法 |
JP4509516B2 (ja) * | 2002-12-27 | 2010-07-21 | Nok株式会社 | フッ素ゴム系シール材用組成物及びフッ素ゴム系シール材 |
US7312289B2 (en) * | 2003-03-03 | 2007-12-25 | Unimatec Co., Ltd. | Fluorine-containing elastomer and its composition |
ITMI20041573A1 (it) * | 2004-07-30 | 2006-01-31 | Solvay Solexis Spa | Fluoroelastomeri |
JP4827426B2 (ja) * | 2005-03-29 | 2011-11-30 | ニチアス株式会社 | 耐急速減圧性フッ素ゴム成形材料 |
WO2007111334A1 (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-04 | Daikin Industries, Ltd. | 含フッ素エラストマー組成物、フッ素樹脂組成物および該組成物から形成される成形品 |
JP5414196B2 (ja) * | 2008-04-14 | 2014-02-12 | Nok株式会社 | 高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 |
-
2008
- 2008-04-14 JP JP2008104810A patent/JP5414196B2/ja active Active
-
2009
- 2009-04-07 EP EP09732353.9A patent/EP2267072A4/en not_active Withdrawn
- 2009-04-07 WO PCT/JP2009/057095 patent/WO2009128363A1/ja active Application Filing
- 2009-04-07 US US12/937,371 patent/US8563660B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20110034639A1 (en) | 2011-02-10 |
EP2267072A1 (en) | 2010-12-29 |
WO2009128363A1 (ja) | 2009-10-22 |
EP2267072A4 (en) | 2015-08-19 |
JP2009256418A (ja) | 2009-11-05 |
US8563660B2 (en) | 2013-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5414196B2 (ja) | 高/低温負荷シール性が良好なフッ素ゴム系シール材 | |
KR101419956B1 (ko) | 고무 조성물, 그 제조 방법, 고무 조성물을 이용한 시일재 및 이것을 구비한 장치, 및 내dme용 고무 조성물 | |
US9156985B2 (en) | Fluororubber composition | |
JP2006299224A (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
US20150175774A1 (en) | Nbr composition | |
WO2006040944A1 (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
JP2015206002A (ja) | ゴム組成物および高圧水素機器用シール部材 | |
JP5223674B2 (ja) | シリコーンゴム組成物 | |
JP2011168630A (ja) | 耐燃料透過性の良好な耐寒フッ素ゴム組成物 | |
US7199198B2 (en) | Fluororubber base sealant composition and fluororubber base sealant | |
EP2031022B1 (en) | Silicone rubber composition | |
US8697782B2 (en) | Rubber composition | |
JP4509516B2 (ja) | フッ素ゴム系シール材用組成物及びフッ素ゴム系シール材 | |
EP2214241A1 (en) | Fluororubber composition for cell seals of fuel cells | |
JP2005140196A (ja) | 燃料電池用ガスケット | |
JP2015013972A (ja) | フッ素ゴム系シール材用組成物およびフッ素ゴム系シール材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110311 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120305 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130618 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130701 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130813 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130926 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131112 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5414196 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |