JP2005344037A - 水素化nbrゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性や耐薬品性に加えて、高伸度かつ高強度で、柔軟性を兼ね備える架橋ゴム組成物を提供する。
【解決手段】 水素化NBR100重量部に対し、過酸化物架橋型フッ素ゴムを0.1〜10重量部、過酸化物を0.1〜10重量部含有する未架橋ゴム組成物を架橋する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水素化NBRゴム組成物からなる未架橋物、及び前記未架橋物を酸化物架橋してなり、例えば、Oリングやパッキン等のシール材、ホース、チューブ、ベルト用等として好適な架橋ゴム組成物に関する。
水素化NBR(以下、HNBRと略す)は、高強度、耐熱性、耐薬品性を発現するゴム材料として、自動車やエネルギーを初めとする分野で多用されている。特に、過酸化物で架橋したHNBRは、高温での圧縮永久歪みが小さく、耐熱シール用途等に適している。
しかし、過酸化物で架橋したHNBRは一般に伸びが小さく、硫黄架橋物に比べて柔軟性に劣る欠点がある。過酸化物架橋においては通常、圧縮永久ひずみ等を改善するために多官能モノマーを助剤として併用するが、これによって伸びはさらに小さく、逆に低伸長応力はさらに大きくなる(例えば、非特許文献1参照)。これを改善すべく、フタル酸エステルやアジピン酸エステル等の可塑剤を配合すると、伸びは大きくなるものの引張強さや耐熱性が低下する問題がある(例えば、非特許文献2参照)。
日本ゼオン(株)のZetpol技術資料No.1、第11頁(1984年1月) 日本ゼオン(株)のZetpol技術資料No.4、第5頁、第7〜8頁(1989年5月)
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、耐熱性や耐薬品性に加えて、高伸度かつ高強度で、柔軟性を兼ね備える架橋ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、HNBRの過酸化物架橋において、過酸化物架橋型のフッ素ゴムを架橋助剤として用いることにより、柔軟かつ高強度で、耐熱性、復元性にも優れるゴム成形体が得られることを見出した。即ち、本発明は、下記に関する。
(1)水素化NBR100重量部に対し、過酸化物架橋型フッ素ゴムを0.1〜10重量部、過酸化物を0.1〜10重量部含有することを特徴とする未架橋ゴム組成物。
(2)過酸化物架橋型フッ素ゴムが、ヨウ素原子または臭素原子を分子中に有するフッ化ビニリデン系共重合体であることを特徴とする上記(1)記載の未架橋ゴム組成物。
(3)上記(1)または(2)記載の未架橋ゴム組成物を架橋して得られ、水素化NBRと過酸化物架橋型フッ素ゴムとが共架橋されていることを特徴とする架橋ゴム組成物。
(4)過酸化物架橋型フッ素ゴムを架橋助剤として使用し、水素化NBRまたは水素化NBRゴム組成物を過酸化物架橋することを特徴とする水素化NBRの架橋方法。
本発明では、過酸化物架橋型フッ素ゴムを架橋助剤として用いることが重要な要件である。後記する実施例にも示すように、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)やトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP)等の汎用の過酸化物架橋助剤を用いても、高伸度かつ高強度のHNBR成形体は得られない。架橋助剤を用いずに過酸化物架橋すると、常態では高伸度と高強度を発現するものの、圧縮永久ひずみが大きく、耐熱老化性も低下する。一方、本発明に従い過酸化物架橋型フッ素ゴムを架橋助剤とする成形体は、高伸度・高強度を発現し、復元性・耐熱性に優れる。これは全く予期されなかったことである。
本発明によれば、HNBRに過酸化物架橋型フッ素ゴムを特定量配合することにより、HNBRが本来有する耐熱性や耐薬品性に加え、高伸度かつ高強度で、柔軟であり、例えば、Oリングやパッキン等のシール材、ホース、チューブ、ベルト用材料として好適な架橋ゴム組成物が得られる。通常の架橋助剤を用いた架橋HNBRではこれら物性全てを満たすことが困難であったことに鑑み、本発明の効果は顕著である。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明で使用するHNBRに特に制限はなく、種々のニトリル量、水素化率、ムーニー粘度のゴムを使用することができる。例として、日本ゼオン(株)製のZetpol 0020、Zetpol 1010、Zetpol 1020、Zetpol 1020S、Zetpol 1020SG、Zetpol 1020M、Zetpol 1020L、Zetpol 2000、Zetpol 2000L、Zetpol 2010、Zetpol 2010H、Zetpol 2010L、Zetpol 2011、Zetpol 2011L、Zetpol 2020、Zetpol 2020S、Zetpol 2020SG、Zetpol 2020L、Zetpol 2030L、Zetpol 3110、Zetpol 3110X50、Zetpol 3310、Zetpol 4110、Zetpol 4310、Zetpol 4320、バイエル社のTHERBAN 1706、THERBAN 1706S、THERBAN 1707、THERBAN 1707S、THERBAN 1907、THERBAN 1907S、THERBAN 2207、THERBAN 2207S、グッドイヤー社のCHEMISAT等が挙げられるが、これらに限定されない。また、複数のHNBRをブレンドして使用することもできる。
しかしながら本発明においては、好ましくは水素化率約90%以上、より好ましくは約95%以上のHNBRを使用する。本発明の効果は、これら高水素化HNBRにおいて、より顕著に発現する。
過酸化物架橋剤としても、種々の公知のものを使用することができる。例えばジt−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキサイド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)パレレート、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ベンゾイルペルオキシド等が挙げられるが、これらに限定されない。これら過酸化物として、予めカーボンブラック、炭酸カルシウム、シリケート、珪藻土、ゴム等に混合されたものを用いることもできる。過酸化物添加量に特に制限はなく、過酸化物の種類、及び所望の物性に応じて任意に設定することができる。しかしながら本発明が目的とする高伸度・高強度で耐熱性・復元性に優れるゴム材料を製造する上で、HNBR100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜8重量部、特に好ましくは1〜5重量部とする。
本発明で使用する過酸化物架橋型フッ素ゴムは、過酸化物により架橋可能なフッ素ゴムであり、分子中にヨウ素原子や臭素原子、あるいはビニル基等の架橋サイトを有するフッ素ゴムやオレフィン共重合タイプのゴムを用いることができる。ここで、オレフィン共重合タイプのゴムとして例えば旭硝子(株)製のアフラス、デュポン・ダウ・エラストマー製のバイトンETP、バイトンIBR等が、架橋サイトを有するフッ素ゴムとしてダイエルパーフロ等のパーフルオロゴムが挙げられるが、これらに限定されない。
しかしながら本発明においては、過酸化物架橋型フッ素ゴムとして、分子中にヨウ素原子または臭素原子を有するフッ化ビニリデン系共重合体、特にヨウ化オレフィンまたは臭化オレフィンを共重合したフッ化ビニリデン系共重合体を使用するのが好ましい。これらFKMは過酸化物架橋速度が大きく、それ故HNBR用架橋助剤として特に有用である。より好ましくは、ヨウ素反応基を有するフッ化ビニリデン系共重合体を使用する。
ここで、フッ化ビニリデン系共重合体とは、モノマー成分としてフッ化ビニリデンを有するゴム全てを包含する。例えばフッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン/テトラフロロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフロロエチレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン/テトラフロロエチレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、[フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン]/[テトラフロロエチレン/エチレン]共重合体、[フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン]/フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられるが、これらに限定されない。
そして、上記のフッ化ビニリデン系共重合体は、ヨウ素または臭素の架橋サイトを有してさえいれば良く、その重合比、フッ素含有率、分子構造、分子量、ムーニー粘度等に特に制限はない。このようなヨウ素原子または臭素原子を有するフッ化ビニリデン系共重合体の具体例として、デュポン・ダウ・エラストマーのバイトンGBL−200、バイトンGBL−900、バイトンGF、バイトンGF−300、バイトンGLT、バイトンGLT−305、バイトンGLT−505、バイトンGFLT、バイトンGFLT−301、バイトンGFLT−501、住友3M(株)のフローレルFC−2260、フローレルFLS−2650、ソルベイ・ソレクシス(株)のテクノフロンP959、テクノフロンP459、テクノフロンP757、テクノフロンP457、テクノフロンPL958、テクノフロンPL458、テクノフロンPL956、テクノフロンPL557、テクノフロンPL855、テクノフロンPL455、テクノフロンBR9151、ダイキン工業(株)のダイエルG−801、ダイエルG−901、ダイエルG−902、ダイエルG−912、ダイエルG−1001、ダイエルサーモプラスチックT−530、ダイエルサーモプラスチックT−550、ダイエルサーモプラスチックT−630等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これを組み合わせて使用することもできる。
上記過酸化物架橋型フッ素ゴムは、HNBR100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部、特に好ましくは2〜5重量部配合される。配合量が少ないと十分な耐熱性や復元性が得られず、高すぎるとコスト高となる上、配合によっては架橋ゴムが硬くなる場合がある。これら過酸化物架橋型フッ素ゴムは、HNBRと共架橋し、その結果、架橋物には高い伸度や強度、良好な復元性、耐熱性が発現する。
本発明の未架橋ゴム組成物には、上記成分以外に、SAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のカーボンブラックを配合することもできる。また、オゾン劣化防止剤、酸化防止剤等の老化防止剤を配合することが好ましい。例えば6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、α−メチルベンジルフェノール、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、ジフェニルアミンとアセトンの反応生成物、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、トリブチルチオ尿素、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、チオジプロピオン酸ジラウリル等を配合することも可能である。その他にも、微細シリカ等の補強剤;タルク、クレー、グラファイト、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填材;アラミド繊維、カーボン繊維、ガラス繊維等の補強用繊維;その他、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、着色剤、加工助剤等、種々の慣用のゴム組成物用添加物を含有させることも可能である。これら他の配合物の配合量は、その種類、目的とする架橋ゴム組成物あるいは用途等により適宜選択される。
本発明の未架橋ゴム組成物を製造する方法には、特に制限はなく、通常のゴム練り法に従うことができる。例えば、上記のHNBR,過酸化物架橋型フッ素ゴム、過酸化物架橋剤及び他の配合物をオープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等に投入し、混練すればよい。
そして、上記本発明の未架橋ゴム組成物を所定の形状に成形し、架橋することにより本発明の架橋ゴム組成物が得られる。成形方法は、例えば、押出成形、プレス成形、射出成形、トランスファー成形等を適宜選択できる。架橋条件にも特に制限は無く、使用するHNBRと過酸化物架橋剤の種類に応じ、任意に設定することができる。本発明の未架橋ゴム組成物は、汎用の過酸化物架橋助剤に比べてスコーチし難い長所を有する故、架橋条件をより広い温度範囲から選択することが可能である。好ましくは100〜200℃、特に150〜180℃で1〜60分間、特に5〜20分間の架橋条件が推奨される。また、100〜200℃、特に140〜190℃で0.5〜10時間の二次架橋を施すことが好ましい。
こうして得られる本発明の架橋ゴム組成物は、高伸度かつ高強度であり、一方で低〜中伸張時の応力が汎用架橋品に比べて小さい。それ故、高強度、あるいは高硬度でありながら高い柔軟性を示す。従って強度と柔軟性の双方が要求されるベルトや緩衝材用材料として最適である。また、復元性や耐熱性、耐薬品性にも優れる故、自動車、一般工業、油井、地熱利用分野で、Oリングやパッキン等のシール材、ホース、チューブ、ベルト用材料への使用に適している。本発明はまた、上記ゴム組成物から成る成形品、例えばOリング、ゴムスリーブ、パッキン、ホース、チューブ等をも包含する。
本発明は特定の理論により限定されるものではないが、本発明が効果を奏する理由として、架橋点がフッ素ゴムで形成される点が考えられる。架橋点が高分子であるため、架橋密度が高くても低荷重で大きな変形が可能となる。従って、後記する実施例でも示すように、汎用の低分子架橋助剤を用いた場合に比べ、著しく大きな切断時伸びと低応力を示す。また、フッ素ゴム架橋点の高い耐熱・耐薬品性が、得られる架橋ゴム組成物に反映される。例えば、HNBR自身の二重結合を介した架橋成形物や、ポリブタジエン等の炭化水素ポリマーを介した架橋成形物は、常態では高い伸度を発現するものの耐熱性が低く、圧縮永久ひずみも大きい欠点を有する。一方で本発明の架橋ゴム組成物は、熱老化後にも高い伸度・強度と復元性を発現し、耐油性、耐薬品性も良好となる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜2)
下記の原材料を表1記載の配合にてロール混練し、熱プレスで架橋成形した。
・Zetpol 2010L:日本ゼオン(株)製 HNBR、ニトリル量36%、ヨウ素価11g/100g
・フローレルFC−2260:住友3M(株)製の過酸化物架橋型FKM、フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン共重合体
・ダイエルT−530:ダイキン工業(株)製の過酸化物架橋型FKM、[フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン]/[テトラフロロエチレン/エチレン]共重合体
・過酸化物−1:日本油脂(株)製のバーブチルP
・TAIC:架橋助剤、日本化成(株)製トリアリルイソシアヌレート
・TMP:架橋助剤、三菱レイヨン(株)製トリメチロールプロパントリメタクリレート
・老化防止剤−1:4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン+2−メルカプトベンゾイミダゾール
・MT−CB:CANCARB社製カーボンブラックN−990
プレス成形条件は、各配合ゴムの加硫曲線を基に決定した。加硫曲線測定にはアルファテクノロジー社のMDR2000を用い、トルクが最大値の10%となる時間(T10)、90%となる時間(T90)を算出した。成形後、オーブン中で150℃×4時間二次架橋を行い、シート状試料(2mmt)を得た。ここからJIS 3号ダンベル状試験片を打ち抜き、JIS K6251に従う引張試験、JIS K6253に従う硬さ測定を行った。同様の方法で、JIS K6262に従う大型試験片を作成し、圧縮永久ひずみ試験(150℃×22時間)に付した。但し圧縮永久ひずみ試験片の一次架橋時間は、シート状試料の約1.2倍とした。配合、シート状試料の架橋条件、及び試験結果を表1に示す。
Figure 2005344037
本発明に従い、過酸化物架橋型FKMを2.5重量部配合した各実施例の架橋ゴム組成物は、比較例の汎用架橋助剤を配合した架橋ゴム成形体に比べ、引張強さ、切断時伸び共大きくなっている。硬さはほぼ同等であるが、300%引張応力が小さく、柔軟性に優れている。一方、100%引張応力、圧縮永久ひずみは比較例の試料とほぼ同等であり、汎用架橋助剤使用時と同等の架橋密度が得られている。また、本発明に従う各実施例の未架橋ゴム組成物は、汎用架橋助剤を配合する未架橋ゴム組成物に比べ、T10の割にT90の値が小さい。そのため、架橋が速く、しかもスコーチし難い組成物と言える。
(実施例3〜4、比較例6〜12)
新たに下記の原材料を用い、表2に示す配合にて未架橋ゴム組成物を調製し、ブレス架橋して上記と同様の実験を行った。尚、プレス架橋条件は、いずれの試料もシート:180℃×10分、圧縮永久ひずみ試験片:180℃×12分とした。また、本実施例においては、JIS K6257に従う空気熱老化試験も行った。老化条件は、ギア―オーブン中、150℃×70時間とした。配合、試験結果を表2に示す。
・Zetpol 3310:日本ゼオン(株)製 HNBR、ニトリル量24%、ヨウ素価15g/100g
・テクノフロンP959:ソルベイ・ソレクシス社製 過酸化物架橋型FKM
・Nipol DN401:日本ゼオン(株)製 HNBR、ニトリル量18%
・JSR RB820:JSR(株)製シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン
・デナレックスR−E5EPT:ナガセ化成工業(株)の両末端エポキシ化液状ポリブタジエン
・過酸化物−2:日本油脂(株)製のバーヘキサ25B
・軟化剤:ジ(ブトキシエトキシエチル)アジペート
・HAF−CB:三菱化学(株)製カーボンブラック、ダイアブラックH
Figure 2005344037
本発明に従い、過酸化物架橋型フッ素ゴムを含有する各実施例の架橋ゴム組成物は、大きな切断時伸び、引張強さを示している。また、硬さや100%引張応力の割に300%引張応力が小さく、柔軟性にも優れる。これに対し、架橋助剤不含の架橋ゴム組成物(比較例3)も類似の特性を示すが、圧縮永久ひずみが大きく、熱老化による引張特性の低下が著しい。比較例6は汎用架橋助剤の系に軟化剤を配合したものであるが、低硬度になるものの、300%引張応力は本発明品ほど小さくなく、しかも引張強さ、切断時伸び共小さい欠点がある。一方で本発明品は、熱老化後にも大きな引張強さ、切断時伸びを示す。
(実施例5、比較例7)
新たに下記の原材料を用い、表3に示す配合にて未架橋ゴム組成物を調製し、ブレス架橋して上記と同様の実験を行った。尚、プレス架橋条件は、いずれの試料もシート:180℃×10分、圧縮永久ひずみ試験片:180℃×12分とした。また、本実施例においては、JIS K6258に従う浸漬試験も行った。浸漬液としてJIS No.3潤滑油を用い、150℃×22時間浸漬した。配合、試験結果を表3に示す。
・Zetpol 1010:日本ゼオン(株)製 HNBR、ニトリル量44%、ヨウ素価10g/100g
・過酸化物−3:日本油脂(株)製のペロキシモンF40
・TAIC−M60:日本化成(株)製架橋助剤、TAICを珪藻土に担持、純分60%
・老化防止剤−2:4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン+2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩
・SRF−CB:東海カーボン(株)製カーボンブラック、シーストS
Figure 2005344037
本発明に従い、過酸化物架橋型フッ素ゴムを配合した実施例5の架橋ゴム組成物は、比較例7の汎用架橋助剤を配合した架橋ゴム組成物に比べて切断時伸びが大きくなっている。硬さ及び引張強さは同等だが、100%引張応力が小さく、柔軟性に優れる。また、JIS 3号潤滑油に対する潤滑、引張物性変化が小さく、耐油性に優れることが示された。

Claims (4)

  1. 水素化NBR100重量部に対し、過酸化物架橋型フッ素ゴムを0.1〜10重量部、過酸化物を0.1〜10重量部含有することを特徴とする未架橋ゴム組成物。
  2. 過酸化物架橋型フッ素ゴムが、ヨウ素原子または臭素原子を分子中に有するフッ化ビニリデン系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の未架橋ゴム組成物。
  3. 請求項1または2記載の未架橋ゴム組成物を架橋して得られ、水素化NBRと過酸化物架橋型フッ素ゴムとが共架橋されていることを特徴とする架橋ゴム組成物。
  4. 過酸化物架橋型フッ素ゴムを架橋助剤として使用し、水素化NBRまたは水素化NBRゴム組成物を過酸化物架橋することを特徴とする水素化NBRの架橋方法。
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