JP4498925B2 - α−オレフィンの重合のための液相法 - Google Patents

α−オレフィンの重合のための液相法 Download PDF

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Description

本発明は、α−オレフィンの重合のための液相法に関する。特に、本発明は、触媒残渣を高効率で失活させる後重合工程を伴った、α−オレフィン、とりわけブテン−1の重合のための液相法に関する。
ブテン−1(コ)ポリマーは当該分野において周知であり、パイプ、包装用フィルム、粘着剤のような成形品の製造に主として使用される。
これまで、ブテン−1(コ)ポリマーは、主として、一般にチーグラー−ナッタ触媒と呼ばれる配位触媒の存在下で溶液またはスラリー重合法によって製造されてきた。溶液法が採用される場合、重合は、一般に、ブテン−1中のポリブテンの溶液が重合反応器から排出される条件にて、液体ブテン−1中で行なわれる。スラリー重合が採用される場合、重合は、ポリマーが固体として製造され、したがってブテン−1中の固体ポリマースラリーが得られる条件にて、液体ブテン−1中で行なわれる。両方の場合で、得られたポリマーをモノマーと分離する追加工程が必要である。モノマーは回収され反応器に再循環される。
数世代のチーグラー−ナッタ触媒が、ポリプロピレンまたはポリブテンのようなアイソタクチックポリオレフィンの製造に使用されてきた。ブテン−1の重合に用いられる前世代のチーグラー−ナッタ触媒は、触媒成分としてTiCl3をベースにする。ブテン−1(コ)ポリマーは、TiCl3ベースの触媒および助触媒としてのハロゲン化ジアルキルアルミニウムの存在下で、ブテン−1を重合させることにより調製されてきた。この触媒系の比較的低い活性を考慮すれば、得られるポリマーは、高含有量の触媒残渣(一般に300ppmより多いTi)を有する。このような高含有量の触媒残渣は、ポリマーの最終特性に対して有害であるので、ポリマーから触媒残渣を抽出するために脱灰工程が必要となる。脱灰工程は、一般に、脱灰チャンバにおいて、ポリブテンを含有する溶液またはスラリーを苛性水と接触させることにより行なわれる。その後、触媒の塩および水が沈殿槽中で重力によりポリマー相と分離される。触媒の塩および水は、次いで、沈殿槽から排出され、その結果、ポリブテン溶液またはスラリー中の触媒残渣の含有量は、最小限になる。この脱灰工程は大量の液体の使用を含み、反応プラントの複雑性を増大させる。さらに、水とポリマー相との完全な分離は、沈殿工程ではほとんど達成可能でなく、水滴が沈殿しないままポリマー溶液中に残る。
上記の問題は、アイソタクチックポリプロピレンの製造のために特に開発された最近の世代の立体特異性チーグラー−ナッタ触媒を使用することにより克服された。これらの触媒は、典型的には、TiCl4と組み合わされた塩化マグネシウムの担体および安息香酸エチルのような電子供与体を含む。助触媒は、また、アルミニウムアルキル、好ましくはアルミニウムトリアルキル化合物である。3以上の炭素原子のα−オレフィンをこの触媒の存在下で重合させる場合、立体規則性ポリマーが高い重合収率で得られる。高い活性を考慮すると、重合生成物中の触媒残渣の含有量は、劇的に減少している。一般に、最終ポリマーは20ppm未満のTiを含有する。その結果、ポリマーからの触媒残渣の除去を省略することができ、よって方法の構成がより単純になり、稼動費用が減少する。
しかし、ブテン−1の液相重合は、必ず、得られたポリブテンと未反応モノマーとの分離が必要となる。モノマー回収は、一般に、(約150〜250℃の)高温が必要となる分離工程で行なわれる。したがって、そのような分離工程の前に、無制御のさらなる重合および/またはポリマーの熱分解に起因して最終ポリマーの特性が望まないのに改変してしまうことを避けるため、触媒残渣を失活させることが必要である。触媒を失活させなければ、最終ペレットは、重合工程の出口で得られるポリマーに対して、より高いメルトインデックスおよび異なる分子量分布を有するであろう。このようなメルトインデックスのシフトは、所望の特性を有する最終ポリマーを得るために、防止されるべきである。
当該分野において公知の方法は、一般に、重合工程の間に失活剤化合物を導入することにより行なわれる触媒失活に関する。例えば、衝撃コポリマー組成物を製造する多段階重合法では、ホモポリマー相とコポリマー相との相対比率は、触媒活性を無効化する(kill)かまたは減少させる適切な触媒失活剤の添加により制御することができる。このような触媒失活剤は、一般に、第1および第2の重合反応器の間に位置する点で導入されるか、または第2重合反応器に直接導入される。この失活法の例は、EP225099にみられる。この中で、高い衝撃特性、剛性および加工性のような釣り合いの良い品質を有するプロピレン−エチレンブロックコポリマーは、第1および第2の重合工程の間に、触媒失活剤としてポリアルキレングリコールエーテルを導入することによって得られると述べられている。この添加の結果、第2段階の重合における触媒活性は、30%〜80%減少する。
α−オレフィンの液相重合の後に、得られたポリマーと未反応α−オレフィンとの分離を続けて行なわなければならない場合、ブテン−1の重合に関しては、先行技術の教示は、触媒系の失活に相関する課題を解決するためには満足できるものでない。
重合が停止するレベルまで触媒活性を減少させるために低分子量の気体または液体を使用することは公知である。チーグラー−ナッタ触媒の無効化剤(killer)として水を使用することは、米国特許第4,701,489号に開示される。この米国特許は、非晶質のプロピレンホモポリマーおよびコポリマーのような非晶質ポリαオレフィン中の触媒残渣を失活させる方法に言及する。バルク重合法および未反応モノマーと溶融ポリαオレフィンとの分離の後に、溶融ポリαオレフィン中に含有される触媒残渣を失活させることが記載されている。この特許によれば、失活は、溶融非晶質ポリαオレフィンを、そのポリマー中に存在するアルミニウム1モルあたり少なくとも3モルの水と接触させることにより行なわれる。
水および同様な低沸点化合物(例えば、CO2およびアルコール)が、チーグラー−ナッタ触媒の高効率の失活剤であると認識されている。しかし、α−オレフィンの液相重合の後に、得られたポリマーと未反応α−オレフィンとを分離する工程を続ける場合、これら低沸点化合物は未反応モノマーと凝集する。結果として、重合反応器への失活剤の供給およびその結果の重合反応終結を回避するため、これら失活剤と未反応α−オレフィンとのさらなる分離が必要である。しかし、上記化合物は、一般に、未反応α−オレフィンから容易に分離可能ではない。事実、従来の蒸留ユニットは、許容できる分離を達成するには十分でなく、これらの失活剤を捕捉しそして分離を効率的に完了するためには、モノマー回収区画に分子ふるいを設けなければならない。分子ふるいの使用は、方法の構成の複雑性および回収区画の稼動費用を増大させる。
上記欠点を考慮すれば、ポリオレフィンを製造する液相重合法下流での適切な触媒失活は、未反応モノマーからの失活剤の容易な分離を意図すべきであり、同時に、得られたポリオレフィンの所望の特性に何らの改変も引き起こすべきではない。
得られるポリマーの最終特性に何ら悪化を生じさせず、回収区画でのモノマー回収を向上させて触媒残渣を失活させる、α−オレフィンを重合させる液相法を提供することが望まれる。
本出願人は、驚くべきことに、上記利点と高効率の触媒残渣失活とを兼ね備える、α−オレフィンを重合させる液相法を見出した。
以下の工程:
a)遷移金属化合物をベースにする触媒系の存在下でα−オレフィンを液相で連続的に重合させる工程;
b)工程a)から液体反応媒体中のポリマーの溶液を連続的に取り出す工程;
c)該反応媒体中のポリマーの溶液を、少なくとも1つのヒドロキシ基と、150℃より高い沸点と、20〜100の間にある分子量(MW)とヒドロキシ基数(nOH)の間の比とを有する有機失活剤と、1以上の混合段階で混合する工程
を包含する、反応媒体に可溶なポリマーを製造するために、式CH2=CHR(ここで、RはHまたはC1〜C6アルキル基である)のα−オレフィンを重合させる液相法が本発明の目的である。
本発明の方法は、ブテン−1をホモ重合または共重合させる液相法に関して詳細に記載される。ここで、工程a)では、α−オレフィンはブテン−1であり、反応媒体中のポリブテン−1(PB−1)の溶液が得られる。重合工程a)は、不活性炭化水素溶剤の存在下または非存在下の液相で起こる。適切な溶剤は、5〜10の炭素原子を有する液体炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)であることができる。好ましくは、液体ブテン−1が本発明の方法における反応媒体として使用される:ポリブテン−1は比較的低圧でブテン−1に溶解可能なので、溶液法が実施できる。さらに、溶液の2つの成分は、チーグラー−ナッタおよびメタロセン触媒の最適作用温度で完全に混合する。モノマーとポリマーとの完全な混和性と共に触媒の最高性能を得るため、工程a)での重合温度は、一般に、65〜85℃の範囲内の値に維持される一方、圧力は、一般に、8〜40バールの間にある。好ましい稼動条件は、70〜80℃の温度および12〜25バールの間にある圧力である。
チーグラー−ナッタまたはメタロセンタイプの高度に活性な触媒の存在が、工程a)に含まれる。このため、高い重合収率が、1グラムの触媒につき8〜200kgのPB−1のオーダーで達成される。したがって、得られたポリブテン−1中の触媒残渣の量は、無視でき、一般には120ppmより低く、最終的なポリマーの質に有害に影響しない。ポリマーからの触媒残渣の除去を何ら行なうことなく、優れた色相および強度を有する高い産業的価値をもつ生成物が得られる。
予備接触ポットで、触媒成分の予備接触を行なうことが好ましい。遷移金属化合物と、アルミニウムアルキル化合物と、任意に電子供与体化合物とを、60℃より低い温度、好ましくは0〜20℃の間にある温度にて接触させる。予備接触ポットで生成された触媒系は、その後、第1重合反応器に移される。任意に、予備重合工程を、触媒成分の予備接触と重合反応器の間に置くことができる。
重合工程a)は、1以上の連続撹拌タンク反応器中で実施することができる。この中で、ブテン−1中のポリブテン−1の高粘性ポリマー溶液が得られる。溶液中のポリマー濃度が、過度に高くならないような条件下で、重合を行なうことが好ましい。なぜならば、そうでなければポリマー溶液が非常に粘性になり、よって撹拌および/または加工が困難になるからである。
ポリブテン−1の濃度は、35重量%より低い値に適切に維持される。事実、ポリマー濃度のさらなる増加により、ポリマー溶液の粘性は高くなりすぎ、反応器の撹拌デバイスが妨げられる。低濃度は、加工が全く容易であるが、プラントの低い生産性および水道光熱費の高い影響力のために非経済的である。したがって、重合は、ブテン−1中のポリブテン−1濃度が、好ましくは10〜30重量%の間、より好ましくは20〜30重量%の間にあるような方法で実施される。
任意に、工程a)で、ブテン−1は、ブテン−1に基づいて20重量%までの、好ましくは0.5〜10重量%の別のα−オレフィンの存在下で重合されてもよい。適切なコモノマーは、例えば、エチレン、プロピレン、ペンテン−1およびヘキセン−1である。
複数の撹拌反応器が連続して配置される場合、分子量調節剤、モノマー、コモノマーの濃度に関しては、各反応器で異なる作用条件を採用することができる。したがって、異なる平均分子量のポリブテン−1を各撹拌反応器で得ることができ、こうして幅広い分子量分布(MWD)を有する最終生成物が導かれる。水素は、ポリマー分子量を制御するために有利に使用することができる。連鎖移動剤としてのH2の使用により、重合法の触媒活性が増大する。
重合工程a)中の総滞留時間は、一般には1〜4時間の間、好ましくは2〜3時間の間にある。
上記で特定した温度の値は、適切な冷却系を用いて各反応器内で維持されなければならない。重合反応により生じる熱を平衡にするために、熱交換ユニットが、反応器への再循環ループに沿って配置される。実施形態によれば、ブテン−1中のポリブテンの溶液は、高粘性流体に適切なポンプ(例えば、ギアポンプまたはスクリューポンプ)を用いて、撹拌反応器の底から取り出すことができる。その後、その大部分は、熱交換器を通過して反応熱を除去され、反応器に戻される。残りの部分は、次の重合反応器に直接供給される。
最後の撹拌タンク反応器の出口で、得られたブテン−1中のPB−1の溶液は失活工程c)に移される。失活工程は、重合からのポリマー溶液に単に失活剤を添加することによっては実施できないことを指摘することは重要である。これは、無効化剤化合物の粘度と失活されるべきポリマー溶液の粘度との間に存在する顕著な差異に帰結する。事実、この2つのストリーム(stream)は粘度が数オーダーの大きさ異なる。ポリマー溶液の粘度は、約1000〜100000cPである一方、無効化剤化合物の粘度は、約1〜100cPである。このような違いを考慮すれば、無効化剤化合物は、成分を力強く効果的に混合する場合にのみ、すべての触媒部位に均一に到達することができ、よって触媒を効率的に失活させることができる。この均質な混合は、連続して配置された1以上の混合タンク中で達成されるか、あるいは高い剪断速度が確立された一連の強力な混合段階を備えた1つの失活装置中で達成することができる。
上記(工程c))のように、本発明の失活剤化合物は、150℃より高い沸点および少なくとも1つのヒドロキシ基を有する化合物である。特に、これらは、分子量(MW)とヒドロキシ基数(nOH)との間の適切な比によって特徴付けられる。この比MW/(nOH)は、20〜100の間、好ましくは30〜70の間にあるべきである。上記要件を満足する好ましい失活剤は、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールおよびブタンジオールである。
重合工程a)で使用する触媒系は、好ましくは、固体触媒成分としてTiベースの化合物を、そして活性化剤としてアルミニウムアルキル化合物を含むチーグラー−ナッタ触媒である。本発明の失活剤は、その少量が使用されるときでさえ、高効率の上記のような触媒系の失活を示す。事実、失活剤のモルと(Ti+Al)のモルとの比が2/nOH(ここで、nOHは失活剤化合物のヒドロキシ基数である)より高い化合物を使用すれば十分である。例えば、ポリエチレングリコール(nOH=2)の場合、失活剤/(Ti+Al)のモル比が1より高くなるべきである。上記で規定したモル比は、好ましくは、3/nOH〜6/nOHの間にある。失活剤は、そのまま添加されてもよいし、脂肪族炭化水素のような液体媒質中に分散されてもよい。
本発明の好ましい実施形態によれば、ブテン−1中のPB−1のポリマー溶液と失活剤化合物を含有するストリームとの間の親密な接触を実現するため、特有の装置が用いられる。この装置は、2〜20の間、好ましくは4〜12の間にある数の羽根車を備えた撹拌シャフトを含む。その結果、各羽根車の回転により装置のシャフトに沿って強力な混合段階が形成される。羽根車は、撹拌シャフトに固定された放射状の羽根を備え、その放射状の羽根は各混合段階内で放射状の流れを引き起こす。ポリマー溶液および失活剤は、この装置の入口で連続的に供給され、一連の混合段階を通ってゆっくりと流れる。この多段階の強力な撹拌は高い剪断場を生じ、その結果、成分の親密な接触および混合が達成される。剪断速度を増大させるため、装置の垂直壁に沿ってバッフルが設けられる。放射状の流れが羽根の回転によって引き起こされ、同時にポリマー溶液は、ピストン様の流れがある混合段階から次の混合段階へ通過するこの装置のシャフトに沿って移動する。放射状の流れおよび軸流の両方が、成分の混合および結果的に触媒残渣の失活を改善することに寄与する。
高効率の触媒成分失活を提供すること、したがって重合反応器の下流で望まないさらなる無制御の重合またはポリマー分解を防止することのほかに、本発明の失活剤化合物の使用は、以下のように要約され得る他の顕著な利点を実現する。
1)公知の低沸点失活剤(例えば、水、メタノールなど)とは異なり、これらの化合物は、未反応モノマーがポリマーから分離される回収区画で、未反応のブテン−1からより容易に分離可能である。
2)これらの化合物の別の顕著な特性は、最終ポリマーが医学応用分野または食品包装応用分野での使用が意図されるとき特に適切であることが明らかになる。これらの化合物のほとんどは、EuropeanDirective 90/128およびそれ以降の改正の規定を満たす結果、ペレット化後の最終ポリマー内にこれらの化合物が存在することは、得られたポリオレフィンを上記応用分野に使用することに関して弊害とはならない。
触媒残渣の失活(工程c)後、ブテン−1中のポリブテンの溶液は、分離工程に通され、そこでポリブテン−1が未反応モノマーから分離され、未反応モノマーは回収され重合工程a)に再循環される。ポリマーからの未反応ポリマーの除去は、当該分野において公知の方法に従って行なうことができる。好ましくは、漸減圧力で稼動する1以上の揮発チャンバを用いる溶融揮発物除去(meltdevolatilization)技術が採用される。例えば、連続して配置された2つの揮発器が使用され、第1揮発器は圧力下で稼動し、第2揮発器は減圧下で稼動する。この技術により、実質的にモノマーがないポリブテン溶融物が得られる。その後、ポリマー溶融物は、調合されてスタティックミキサの内に流し込まれ、これにマスターバッチが添加される。
モノマー回収区画に関しては、ポリマーから分離した気状相は、ブテン−1のほか、ごく少量の触媒失活剤もまた含有することがある。その結果、モノマー回収には失活剤化合物とブテン−1との分離が必要である。一般に、この分離は、2つの蒸留ユニットの使用により効率的に行なうことができ、このようにして重合反応器への失活剤の導入が防止される。
本発明の上記目的および利点は、以下の添付図面の説明から明らかになる。添付の図面は説明のみを目的とし、本発明の範囲を制限するものではないことを理解すべきである。
本発明の方法の1つの好ましい実施形態は、図1に言及しながら詳細に記載する。遷移金属化合物とアルミニウムアルキル化合物と任意に電子供与体化合物が、ライン11を介して予備接触ポット10に供給される。予備接触ポットで生成された触媒系は、次いで、ブテン−1と水素と任意にコモノマーとを含有するストリーム13と共に、ライン12を介して第1連続撹拌タンク反応器30に移される。水素およびコモノマーは、ライン14および17を通じて反応器へ供給される一方、液体ブテン−1は、ライン15および16により導入される。具体的には、回収区画からのモノマーは、ライン16により提供される一方、新鮮なブテン−1がライン15により供給される。
重合工程a)は、2つの連続撹拌タンク反応器30および60で起こる。2つの反応器の稼動条件は、上記で特定したように選択され、ブテン−1中のポリブテン−1の高粘性溶液が両反応器で生成する。
ライン14および17は、異なる量のH2ならびに異なるタイプおよび量のコモノマーを提供できる。その結果、異なる組成および異なる平均分子量のブテン−1(コ)ポリマーが反応器30および60で製造できる。この二段階双峰性重合は、2つの反応器で重合を調整して、所望の幅の分子量分布(MWD)を有する最終生成物を製造できる利点を有し、そしてまた他のポリマー特性(溶融点、曲げ弾性率など)をあつらえられる利点を有する。
第1反応器30中の水素濃度は、一般に、第2反応器60中の水素濃度より低いレベルで維持される。その結果、第1反応器は、第2反応器で得られるポリマーのメルトインデックスより一般に低いメルトフローインデックスを有するブテン−1ポリマーを製造する。
得られたブテン−1中のポリブテンの溶液は、ギアポンプ40を用いて反応器30の底から取り出される。ポリマー溶液の一部が、ライン18を介して熱交換器50に供給され、次いで反応器30に戻される。残りの部分は、ライン19を介して第2重合反応器60に直接供給される。ブテン−1中のポリブテンの溶液は、ギアポンプ70を用いて反応器60の底から取り出される。ポリマー溶液の一部は、ライン20を介して第2熱交換器80に供給され、その後反応器60に戻される。残りの部分のポリマー溶液は、触媒残渣を無効化するため、ライン21を通って失活装置90の上部へ直接供給される。同時に、本発明の方法の工程c)で規定されるような1以上の失活剤化合物が、ライン22を介して失活装置90の上部へ連続的に供給される。ポリマー溶液は、一旦失活されると、失活装置90の底から取り出され、分離区画にライン23を介して供給される。分離区画では、ポリブテン溶融物は、漸減圧力にて稼動する2つの揮発チャンバ(図1に示さず)を用いて、未反応モノマーと分離される。揮発性に依存して、本発明の失活剤は、未反応ブテン−1と共にポリマーから部分的に分離され、こうしてライン24に続く。それらは、分離されなければ、ポリブテン−1溶融物内に取り込まれたままである。未反応ブテン−1は、次いで、回収区画で蒸留により失活剤化合物と分離され、その後、重合工程にライン16を介して再循環される。得られたポリブテン−1溶融物は、それから、適切な添加剤と調合され、水中ペレット化(図1に示さず)を受ける。
本発明の方法で使用する失活装置の好ましい実施形態を図2に示す。この装置は、放射状の羽根を備えた羽根車を備えた撹拌シャフト1を含む。混合段階は、各羽根車の回転によりシャフトに沿って形成される。剪断速度を増大させるため、バッフル3が、装置の垂直壁に沿って設けられる。ポリマー溶液4および失活剤5が、装置の上部に連続的に導入され、一連の混合段階を通ってゆっくりと流れる。各混合段階内で羽根の回転により与えられる放射状の流れと共に、ピストン様の軸流がまたシャフトに沿って達成される。失活したポリマー溶液6は、装置の底から取り出され、分離工程に通される。
重合工程a)で使用するチーグラー−ナッタ触媒は、活性形態で塩化マグネシウムに担持されたチタニウム化合物および助触媒としてのアルキルアルミニウム化合物を含む。内部電子供与体化合物を使用する場合、高い立体特異性もまた達成される。
好ましいチタニウム化合物は、TiCl4およびTiCl3である。式Ti(OR)n-yy(ここで、nはチタニウムの原子価であり、yは1〜nの間の数である)のTi−ハロアルコラートもまた使用できる。内部電子供与体化合物は、エステル、エーテル、アミンおよびケトンから選択してもよい。これは、好ましくは、モノカルボン酸(例えば安息香酸)またはポリカルボン酸(例えばフタル酸もしくはマロン酸)のアルキル、シクロアルキルまたはアリールエステルから選択される。このアルキル、シクロアルキルまたはアリール基は、1〜18の炭素原子を有する。電子供与体化合物の例は、安息香酸メチル、安息香酸エチルおよびフタル酸ジイソブチルである。内部電子供与体化合物は、MgCl2に対して、一般には0.01〜1、好ましくは0.05〜0.5のモル比で使用する。
アルキルアルミニウム化合物は、好ましくは、トリアルキルアルミニウム化合物(例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム)の中から選択する。トリアルキルアルミニウムと、AlEt2ClおよびAl2Et3Cl3のようなハロゲン化アルキルアルミニウム、水素化アルキルアルミニウムまたはアルキルアルミニウムセスキクロライドとの混合物を使用することもまた可能である。
外部供与体は、上記の内部供与体と、同じタイプであることも可能であり、またはこれと異なることもできる。適切な外部電子供与体化合物には、ケイ素化合物、エーテル、エステル、アミン、ヘテロ環化合物、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ケトンおよび1,3−ジエーテルが含まれる。別のクラスの好ましい外部供与体化合物は、式Ra 5b 6Si(OR7c(ここで、aおよびbは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、総和(a+b+c)は4であり、R5、R6およびR7は、1〜18の炭素原子を有し任意にヘテロ原子を含有するアルキル、シクロアルキルまたはアリール基である)のケイ素化合物のものである。aが0であり、cが3であり、R6が任意にヘテロ原子を含有する分枝鎖アルキルまたはシクロアルキル基であり、R7がメチルである上記ケイ素化合物が特に好ましい。このような好ましいケイ素化合物の例は、シクロヘキシルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシランおよびテキシルトリメトキシシラン(thexyltrimethoxysilane)である。
電子供与体化合物は、0.1〜500、好ましくは1〜300、より好ましくは3〜100の有機アルミニウム化合物と電子供与体化合物とのモル比を与える量で使用する。
以下の実施例は代表例であって、本発明の範囲を限定するものではないとみなすべきである。
以下の実施例は、試験プラントで行われ、ブテン−1を重合させる液相法で使用するときの本発明の失活剤の効果を評価することを目的としたいくつかの試験に関する。
重合試験は、図1の実施形態に従って連続して配置した0.33m3の容積を有する2つの連続撹拌タンク反応器で行なった。触媒残渣は、図2の実施形態に従う失活装置で失活させた。
重合は、以下を含む触媒の存在下で行なった。
チタニウム化合物をベースにする固体触媒成分;
触媒活性化剤としてのトリイソブチルアルミニウム(TIBA);
供与体化合物としてのテキシルトリメトキシシラン
得られたポリブテン−1のメルトフローインデックスは、ISO1133(ASTM D1238条件E)に従って、190℃にて2.16Kgの重量を使用することによって測定した。
固体触媒成分の調製
窒素で清浄した500ml四首丸フラスコに、225mlのTiCl4を0℃で導入した。撹拌しながら、6.8gの微小球状MgCl22.7C25OH(10,000に代えて3,000rpmで稼動して米国特許第4,399,054号の実施例2に記載されたように調製)を添加した。フラスコを40℃まで加熱し、4.4ミリモルのフタル酸ジイソブチルをその上に加えた。温度を100℃まで上昇させ、2時間維持し、次いで撹拌を中止し、固体生成物を沈殿させ、上清液体を吸い上げて捨てた。
200mlの新鮮なTiCl4を加え、混合物を120℃にて1時間反応させ、次いで上清液体を吸い上げて捨て、得られた固体を60℃の無水ヘキサンで6回洗浄し(6×100ml)、その後減圧下で乾燥させた。触媒成分は、2.8重量%のTiおよび12.3重量%のフタレートを含有していた。
実施例1
−重合−
0.5g/hの上記固体触媒成分(0.15×10-3mol/hのTiに対応)、50g/hのTIBA(0.25mol/hのAlに対応)および0.3g/hのテキシルトリメトキシ−シランを、15℃のヘキサン中で10分間予備接触させた後で、第1反応器に供給した。液体ブテン−1を、分子量調節剤としてのH2と共に重合反応器に連続供給した。第1および第2の反応器の重合条件ならびに供給比H2/C48を表1に報告する。
Figure 0004498925
25重量%のポリマー濃度を有するブテン−1中のポリブテンの溶液が、160kg/hの流速で第2反応器から連続的に取り出された。このことは、ポリマー産生が40kg/hであり、触媒活性が1グラムの固体触媒成分につき130kgのポリマーであることを意味する。得られたポリブテン−1のメルトフローインデックスを評価するため、ポリマー溶液のサンプルを第2反応器の出口で採取した。0.40の値が測定された。
失活
ブテン−1中のPB−1の溶液は、触媒残渣の無効化のために失活装置に通される。プロピレングリコールを失活剤化合物として使用した。
プロピレングリコール CH3CH(OH)CH2OH
沸点: 185℃
分子量(MW): 76
MW/nOH: 38
50g/hのCH3CH(OH)CH2OH(0.66mol/hに対応)を、160kg/hのポリマー溶液と共に、失活装置の上部に連続的に供給した。プロピレングリコールと触媒の(Ti+Al)のモルとのモル比は2.6である。
分離およびモノマー回収
失活工程の後、ブテン−1中のポリブテンの溶液を、210℃まで加熱し、次いで連続して配置した2つの揮発物除去チャンバ中に移した。第1チャンバは6バールで稼動し、第2チャンバは50ミリバールで稼動する。無視できる量のモノマーを有するポリブテン−1溶融物を、第2揮発器の底から取り出す一方で、ブテン−1およびプロピレングリコールを含有する気体状混合物を、第1揮発器の上部で収集した。
未反応モノマーを、2つの蒸留カラムを用いて回収し、次いで重合区画に戻した。重合収率に変化は観察されなかった。
第2揮発器の出口で、PB−1溶融物に、酸化防止剤化合物としてIrganox1010を添加し、その後これを水中ペレタイザーに移した。得られたペレットのメルトフローインデックスは0.45である。したがって、本発明の方法は、限定され無視できるメルトフローインデックスシフトを実現し、高い重合収率と触媒残渣の失活における高効率を兼ね備える。
実施例2
重合
0.18g/hの固体触媒成分(0.054 10-3mol/hのTiに対応)、46g/hのTIBA(0.23mol/hのAlに対応)および0.5g/hのテキシルトリメトキシ−シランは、15℃のヘキサン中で10分間予備接触させた後で、反応器に供給した。H2を分子量調節剤として使用した。液体ブテン−1およびエチレンは、表2に報告した供給比に従って重合反応器に連続的に供給した。第1および第2の反応器中の重合条件を表2に報告する。
Figure 0004498925
17重量%のポリマー濃度を有するブテン−1中のランダムコポリマー(改変PB−1)溶液が、第2反応器から155kg/hの流速で連続的に取り出された。これは、ポリマー産生が26kg/hであり、触媒活性が1グラムの固体触媒成分について140Kgのポリマーであることを意味する。得られたポリブテン−1のメルトフローインデックスを評価するため、ポリマー溶液のサンプルを第2反応器の出口で採取した。0.75の値が測定された。
失活
ブテン−1中の改変PB−1の溶液を、触媒残渣の無効化のために失活装置に通した。50g/hのプロピレングリコール(0.66mol/hに対応)を、155kg/hのポリマー溶液と共に失活装置の上部に連続的に供給した。プロピレングリコールと触媒の(Ti+Al)との間のモル比は2.86である。
分離およびモノマー回収
実施例1と同じ稼動条件で行なった。
未反応モノマーを2つの蒸留カラムを用いて回収し、その後重合区画に戻した。重合収率に変化は観察されなかった。
第2揮発器の出口で、PB−1溶融物を取り出し、水中ペレタイザーに移した。得られたペレットのメルトフローインデックスの測定値は0.85であり、無視できるMIシフトが観察された。
実施例3
重合
重合は、0.33m3の容積を有する1つの連続撹拌タンク反応器で行なった。
0.25g/hの固体触媒成分(0.75 10-3mol/hのTiに対応)、38g/hのTIBA(0.19mol/hのAlに対応)および0.7g/hのテキシルトリメトキシ−シランを、15℃のヘキサン中で10分間予備接触させた。液体ブテン−1を、分子量調節剤としてのH2と共に重合反応器に連続供給した。重合条件を表3に報告する。
Figure 0004498925
25重量%の濃度を有するブテン−1中のPB−1の溶液を、60kg/hの流速で第2反応器から連続的に取り出した。このことは、ポリマー産生が15kg/hであり、触媒活性が1グラムの固体触媒成分につき60kgのポリマーであることを意味する。得られたポリブテン−1のメルトフローインデックスを評価するため、ポリマー溶液のサンプルを第2反応器の出口で採取した。0.40の値が測定された。
失活
ブテン−1中のPB−1の溶液を、触媒残渣の無効化のために失活装置に通した。ジプロピレングリコールを失活剤化合物として使用した。
ジプロピレングリコール HOC36OC36OH
沸点: 230℃
分子量(MW): 134
MW/nOH: 67
88.4g/hのジプロピレングリコール(0.66mol/hに対応)を、160kg/hのポリマー溶液と共に失活装置の上部に連続的に供給した。プロピレングリコールと触媒の(Ti+Al)のモルとの間のモル比は3.5である。
分離およびモノマー回収
実施例1と同じ稼動条件で行なった。
未反応モノマーを2つの蒸留カラムを用いて回収し、その後重合区画に戻した。重合収率に変化は観察されなかった。
第2揮発器の出口でPB−1溶融物を取り出し、水中ペレタイザーに移した。得られたペレットのメルトフローインデックスの測定値は0.50であり、無視できるMIシフトが観察された。
実施例4(比較)
重合
ブテン−1の重合は、実施例1と同じ条件に従って行なった。ポリマー溶液のサンプルを第2反応器の出口で採取した。0.40のメルトフローインデックスが測定された。
失活
第2反応器から取り出したポリマー溶液は、何らの触媒残渣失活処理にもかけなかった。
分離およびモノマー回収
実施例1と同じ稼動条件で行なった。第2揮発器の出口で、ポリブテン−1溶融物を、水中ペレタイザーに移した。
得られたペレットのメルトインデックスは3.0であり、メルトインデックスの受容できないシフトが観察された。本実施例は、分離工程の間で、ポリマーの最終的な構造を改変し得る望まない無制御副反応またはポリマー分解を回避するため、ブテン−1の液相重合の後に、触媒残渣の失活処理を続けなければならないことを証明する。
実施例5(比較)
重合
ブテン−1の重合は実施例1と同じ条件に従って行なった。その結果、第2反応器の出口で、MIE=0.40の値が測定された。
失活
ブテン−1中のPB−1の溶液を、触媒残渣の無効化のために失活装置に通した。失活剤として、式R−N(CH2CH2OH)2(ここで、RはC12〜C18アルキル基である)のアルキルジエタノールアミンの混合物を使用した(Atlas Chemical Industriesが販売するATMER 163)。
アルキルジエタノールアミンの混合物 R−N(CH2CH2OH)2
R=C12〜C18
分子量(MW): 271〜357
MW/nOH: 135〜178
0.66mol/hのAtmer 163を、160kg/hのポリマー溶液と共に失活装置の上部に連続的に供給した。Atmer 163のモルと(Ti+Al)のモルとの間の比は2.6である。
分離およびモノマー回収
実施例1と同じ稼動条件で行なった。
第2揮発器の出口で、ポリブテン−1溶融物を水中ペレタイザーに移した。得られたペレットのメルトインデックスは1.0であり、メルトインデックスの相当なシフトが観察された。さらに、PB−1ペレット中に約3.000ppm(重量)の量の上記失活剤が検出された。このような量は、一般に、高純度ポリマーが要求されるすべての応用分野で受容され得ない。本実施例は、100より高い比MW/nOHを有する化合物が、ブテン−1の液相重合から得られるポリマー溶液に含有される触媒残渣を無効化するに適切でないことを証明する。
実施例1〜5の失活条件およびメルトインデックスEの値を表4に報告する。表4において、重合工程の出口でのメルトインデックスをMIE(A)で示し、最終的なペレットのメルトインデックスをMIE(B)で示す。
実施例6
重合
ブテン−1の重合を実施例1と同じ条件に従って行ない、第2反応器の出口でMIE=0.40の値が測定された。
失活
ブテン−1中のPB−1の溶液を、触媒残渣の無効化のために失活装置に通した。失活剤として1,3−ブタンジオールを使用した。
1,3−ブタンジオール CH3CHOHCH2CH2OH
沸点 207℃
分子量(MW): 90
MW/nOH: 45
70g/hの1,3−ブタンジオール(0.77mol/hに対応)を、160kg/hのポリマー溶液と共に失活装置の上部に連続的に供給した。1,3−ブタンジオールのモルと(Ti+Al)のモルとの間の比は約3.1である。
分離およびモノマー回収
実施例1と同じ稼動条件で行なった。
未反応ブテン−1を2つの蒸留カラムを用いて回収し、その後重合区画に戻した。重合収率に変化は観察されなかった。
第2揮発器の出口でPB−1溶融物を取り出し、水中ペレタイザーに移した。得られたペレットのメルトフローインデックスの測定値は0.48であり、無視できるMIシフトが観察された。
実施例1〜6の失活条件およびメルトインデックスEの値を表4に報告する。表4において、重合工程の出口でのメルトインデックスをMIE(A)で示し、最終的なペレットのメルトインデックスをMIE(B)で示す。
Figure 0004498925
本発明の方法の1つの好ましい実施形態を示す図である。 本発明の方法で使用する失活装置の好ましい実施形態を示す図である。

Claims (9)

  1. 以下の工程:
    a)遷移金属化合物をベースにする触媒系の存在下でα−オレフィンを液相で連続的に重合させる工程;
    b)工程a)から液体反応媒体中に溶解したポリマーの溶液を連続的に取り出す工程;
    c)前記の連続的に取り出されたポリマーの溶液を、連続して配置された1以上の混合タンク、または一連の混合段階を備えた1つの失活装置に直接供給して、少なくとも1つのヒドロキシ基を有し、分子量(MW)とヒドロキシ基数(nOH)の比が20〜100であり、かつ150℃より高い沸点を有する有機失活剤と混合する工程、
    を包含する反応媒体に可溶なポリマーを製造するために、式CH=CHR(ここで、RはHまたはC1〜C6アルキル基である)のα−オレフィンを重合させる液相法。
  2. α−オレフィンがブテン−1である請求項1に記載の方法。
  3. 反応媒体中に溶解したポリブテン−1の溶液が工程a)で連続的に得られる請求項に記載の方法。
  4. 工程c)の有機失活剤は、分子量(MW)とヒドロキシ基数(n OH との比が、30〜70であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 有機失活剤が、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ブタンジオールから選択される請求項1に記載の方法。
  6. 工程a)の触媒系が、固体触媒成分としてのTiベースの化合物と、活性化剤としてのアルミニウムアルキル化合物とを含むチーグラー−ナッタ触媒である請求項1に記載の方法。
  7. 工程c)において、前記有機失活剤のモル数と、前記TiおよびAlの合計のモル数との比で定義される有機失活剤/(Ti+Al)のモル比が2/nOH(ここで、nOHは失活剤のヒドロキシ基数である)より高い請求項に記載の方法。
  8. 前記有機失活剤/(Ti+Al)のモル比が3/nOH〜6/nOH である請求項に記載の方法。
  9. 前記一連の混合段階を備えた失活装置は、2〜20の羽根車を備えた撹拌シャフトおよび装置の垂直壁に設けられた複数のバッフルを具備し、各羽根車は各バッフルの間に位置付けられて、一連の混合段階が前記シャフトに沿って形成されている失活装置である、請求項1記載の方法。
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