JP3239184B2 - 線状低密度ポリエチレンの製造法 - Google Patents

線状低密度ポリエチレンの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、2つ以上の流動床又は機械的撹拌床の反
応器中、何れの順序でも、反応器の1つで、エチレンと
α−オレフィンCH2=CHR(Rは1〜10の炭素原子を有す
るアルキル)の混合物を重合させてLLDPEを生成し、他
の反応器で、プロピレンとα−オレフィンCH2=CHR′
(R′は2〜18の炭素原子を有するアルキル)の混合物
を重合させ、両反応器中同じ触媒を用いる、モノマー類
の気相重合による改良した加工性を有する線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)の製造法に関する。
LLDPEは各種の応用性を有するが、特にフィルムの製
造に用いられる。これはLLDPEフィルムがLDPEフィルム
と比較し機械的及び光学特性が改良されているからであ
る。
しかし、LLDPEフィルムの生産には、主に溶融状態の
ポリマーが不適当に高い溶融強度を有し、一方溶融粘度
がむしろ高いことによるある種の困難性を伴う。
生産性を不変に保つには、フィルム押出機を改善す
る、例えばスリットを拡げるとか押出ヘッドの温度を上
げる必要がある。
これらの改善は、押出機出口でブローする泡の冷却及
びフィルム厚みの不均一性に困難性を生ずる。
これらの欠点に加えて、LLDPEフィルムの熱溶接では
耐熱性が悪い。
これらの欠点を解消するため、プロピレンとα−オレ
フィンCH2=CHR′(R′は2〜10の炭素原子を有するア
ルキル基)特に1−ブテンとの半結晶性コポリマーをLL
DPEとブレンドして使用することが提案されている(米
国特許第4,871,813号)。
このコポリマーは7〜40重量%のα−オレフィンを含
有し、75J/g以下の溶融エンタルピーを有し、1〜25重
量%の量で加えられる。
また、成分を固体状で混合し、その混合物を直接押出
機に供給して最終品を成形することが考えられている。
LLDPEが通常の重合法で得られ、一方、プロピレン−
α−オレフィンコポリマーを、75J/gより高くない溶融
エンタルピーの半結晶性コポリマーを生成しうる立体特
異性触媒を使用して、別に製造される。
上記のブレンドの製造には2つのポリマー成分を製造
するため2つの別々の重合ラインと、押出機で溶融成分
を混合するためのブレンド工程を必要とする。溶融ポリ
マーの混合はエネルギー消費の高い操作である。
ここに、少なくとも2つの一連の反応器を用い、順序
をとわず、反応器の1つでLLDPEを他の反応器でプロピ
レン−α−オレフィンコポリマーを合成し、両反応器で
同じ触媒を使用する重合で直接、改良された加工性を与
えかつ良好な機械・光学特性を奏するフィルムを形成し
うるLLDPEとプロピレン−α−オレフィンCH2=CHR′コ
ポリマーのブレンドを作ることができるこを見出した。
一連の各種反応器で同一触媒を使用することは、2つ
の生産ラインの代りに単一生産ラインを利用することな
らびにポリマーブレンドが各触媒粒子に生成する利点を
有し、そのため成分が均一に固形状態で混合されている
組成物が得られ成分を別の工程で作ったときに必要なペ
レット化の必要がない。
そのため、ポリマーは、直接フィルム押出機に供給で
き、それによってより高いフィルム生産率と低いエネル
ギー消費が達せられる。事実、ペレット化工程の溶融−
固化法に付さない非ペレット化顆粒は低い結晶性と高い
溶融指数を有する。
その上、この発明の方法で達しうる各単一粒子レベル
での均一化は、フィルムの性質に有利な効果を示す。
この発明の方法は次の工程からなる。
a)重合しうるオレフィン類の実質的非存在下(オレ
フィン類は、固形触媒成分のg当り約1g以上のポリマー
を生産しうるような量で存在しない)に、重合工程c2)
中に25℃でキシレンに少なくとも80%の不溶性を有する
コポリマーを生成できる立体特異性触媒を得るような方
法で操作して、触媒成分を、予め触媒させ、 b)工程a)で得た触媒を使用し、プロピレン又はプ
ロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンCH2=CHR
(Rは2〜10の炭素原子を有するアルキル基、例えばブ
テン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1)
との混合物を、固形触媒成分のg当り約1g〜約1000gの
量で、60%以上の25℃でのキシレン不溶性を有するポリ
マーを得るような条件下で、予備重合し、 c)モノマーを、一連の2以上の流動床又は機械的撹
拌反応器中で気相重合させ、但し次の何れかの順序で c1)反応器の1つで、エチレンとα−オレフィンCH2
=CHR(Rは1〜10の炭素原子を有するアルキル基)の
混合物が、α−オレフィンの約20モル%までを含有する
エチレン−α−オレフィンコポリマーを得るべく重合さ
せ、 c2)他の反応器中で、c1)が最初の反応器であるとき
反応器c1)からの未反応モノマーを除去した後に、プロ
ピレンとα−オレフィンCH2=CHR′(R′は2〜10の炭
素原子を有するアルキル基)との混合物をc1)とc2)で
得られるポリマーの全量に対し5〜30重量%の量で、α
−オレフィンの5〜40重量%含有するコポリマーを得る
べく重合させ、かつその中で、b)で得たプレポリマー
−触媒系がc1)の反応器に供給され、c1)で得たポリマ
ー−触媒反応系はc2)の反応器に供給され、第1の反応
器がc2)で用いられる場合は、c2)からの未反応モノマ
ーが、c1)の反応器にc2)で得たポリマー−触媒系を供
給する前に除去される。
気相反応を効率的にコントロールするため、3〜5の
炭素原子を有するアルカン、好ましくはプロパンを、全
ガスに対し20〜90モル%の濃度で、特に触媒反応性の高
い第1の反応器中の反応ガスに加えるのが好ましい。
c2)で形成されたコポリマーは、α−オレフィンの10
〜15重量%を含み、c1)とc2)のポリマーの全量の15〜
25%となるのが好ましい。
触媒の予備形成、プロピレンとの予備重合処理と気相
中に上記のモル濃度でのアルカンの存在により、従来技
術の方法で通常みられる欠点がなく気相重合法をコント
ロールさせることは、驚くべきことでかつ予期できない
ことである。なおその欠点は、触媒とポリマー粒子の反
応器の壁への付着傾向を決定するガス相の低い熱伝達能
と静電荷の形成に本質的によるものである。
さらに、この発明の方法に使用する触媒は、ポリマー
ブレンドを、固体触媒成分の各単一粒子上に成長させ、
ポリマーブレンドの良好な均一化をもたらす。
工程a)に使用される触媒成分は、次のものからなる 1)固体成分が活性形のマグネシウムハライドに支持
された少なくとも1つのチタニウム−ハロゲン結合を含
有するチタニウム化合物からなる。
この固形成分は、また、触媒自体が工程c2)で、c2)
に示した不溶解特性を有するプロピレンコポリマーを生
成する十分な立体特異性でないとき電子供与化合物(内
部ドナー)を含有する。
マグネシウムジハライドに支持された触媒の立体特異
性は、内部ドナーの使用により増加することが知られて
る。一般的なルールとして、内部ドナーが、80%以上好
ましくは85〜94%のキシレン不溶性を有するプロピレン
−α−オレフィンCH2=CHR′コポリマーを工程c2)で生
成しうる触媒を得るために、常に使用される。
2)アルキルアルミニウム化合物 3)任意に、固形成分1)に存在する電子供与体と同
一又は異なる型の電子供与化合物(外部ドナー)。
外部ドナーは、触媒に所要の高い立体特異性を与える
ために用いられる。しかし、ヨーロッパ特許出願A−34
4755に記載のもののように特定のジエーテルが内部ドナ
ーとして用いられると、触媒の立体特異性は十分に高
く、外部ドナーは必要とされない。
工程a)で生成した触媒は連続的又は非連続的に工程
b)に供給される。
工程b)は液相又は気相で行うことができる。工程
b)は、液状触媒として、プロピレン自体又はn−ヘキ
サン、n−ヘプタン、シクロヘキサンあるいは低沸点の
アルカン(例えばプロパン、ブタン)のような炭化水素
溶剤を用いて(但しb)での条件下で液状に保持)液相
で行うのが好ましい。
工程b)でのプロピレン予備重合は、0〜80℃、好ま
しくは5〜50℃の範囲の温度で行われる。
プロピレン、又はプロピレンとエチレン及び/又は他
のα−オレフィン(例えばブテン−1、ヘキセン−1、
4−メチルペンテン−1)の混合物は、60%以上のキシ
レン不溶性のポリマーを作るため重合される。プレポリ
マーの収率は、固形触媒成分のg当り約1g〜1000g好ま
しくは5g〜500gである。
工程b)は連続的間は非連続的に行うことができる。
連続的な場合には、工程b)のプレポリマー触媒系を気
相反応器に供給する前に、未反応のプロピレンを除去す
る適当な手段が用いられる。
工程c)の気相重合は、公知技術に従って一連に結合
させた2以上の流動床又は機械的撹拌床の反応器で行わ
れる。
モノマー類は、所定の組成を有するコポリマーを生成
するような割合で2つの反応器に供給される。
上述のように、未反応モノマーは、第1の反応器の反
応混合物を第2の反応器に供給する前に除去される。
この方法は、ポリマーの合成温度より低い温度で行わ
れる。その温度は一般に50〜120℃で、好ましくは60〜1
00℃である。全圧は1.5〜3MPaの間である。
上記のように、エチレン−α−オレフィン混合物が最
初にLLDPEコポリマーを形成するために重合されるか、
プロピレン−α−オレフィンCH2=CHR′混合物が最初に
対応コポリマーを形成するために重合さすかは重要では
ない。
しかし、第1の反応器でプロピレン−α−オレフィン
コポリマーを合成することが、良好な流動性と高い嵩密
度を有するポリマーを得るのに好ましい。
プロピレン−α−オレフィンコポリマーは、70J/gよ
り高い、好ましくは75〜95J/gの間、溶融エンタルピー
(米国特許第4,871,813号に記載の方法で測定)と80以
上一般に85〜94の間のアイソタクチック指数(25℃でキ
シレン不溶のコポリマーフラクションを測定して決め
る)で特徴付けられる。
従来技術で用いられたプロピレン−α−オレフィンコ
ポリマーの特性とは異なり、意外にも、この発明の方法
は、使用したコポリマーの結晶度のアイソタクティシテ
ーが高いが良好な加工性をもつLLDPEポリマーが得られ
る。
上記で示したように、各種反応器中に存在る気相は、
全ガスに対し20〜90%のモル量のC3-5アルカンを含むの
が好ましい。アルカンとしては、プロパン、ブタン、イ
ソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロプロパ
ンとシクロブタンが挙げられる。プロパンが好ましいア
ルカンである。
アルカンは、第1の反応器にモノマー混合物と又は別
に供給され、循環ガスすなわち反応床で反応しないガス
部分で循環され、好ましくは速度が減少している床上の
ゾーンに運び重合ゾーンから除去され、ガス中に含まれ
た粒子は再び床中に落下できる。
次いで循環ガスは、熱交換器を経て圧縮され、床に循
環される前に反応熱が除去される。例えば、米国特許第
3,298,792号と同第4,518,750号の気相技術の記載を参照
されたい。
窒素のような不活性ガスを用いるのは効果的でないの
で、アルカンが気相反応を非常によくコントロールする
ことは驚くべきことで全く予期しないことである。
事実、窒素の使用は、大量のポリマー塊〔“チャンク
(chumks)”〕の形成を防止せず、これは必然的にプラ
ント操作の停止の原因になる。
好ましい具体例では、第1の反応器のアルカン濃度
は、第2の(又は続いての)反応器より高く保持され
る。一般にアルカンは両反応器を循環される。
完全な液体を達するため、循環ガス及び、好ましいと
きはメーキャップガスの一部又は全部を、床の下のある
点で反応器に再導入される。帰り点上に設置されたガス
分配板はガスの効果的分配をさせその上、ガス流が停止
したときポリマー床用の支持体として作用する。
水素をポリマー分子量を調節する連鎖移動剤として使
用できる。
方法の代表的な略図を添付の図1に示す。
1は触媒成分が予め触媒される装置を示す。ループ反
応器2は予備重合反応器である。気相反応器は4と6で
示され、固−液分離器は3,5,7で示される。触媒成分と
希釈剤(プロパン)は、矢印Aで示すように、予備触媒
反応器に供給される。
予備接触触媒が矢印Bで示されるようにループ反応器
2に供給され、プロピレンが矢印Eで示されるようにル
ープ反応器に供給される。プレポリマー触媒系が分離器
3に供給され、次に気相反応器4に入り、そこで、ガス
循環ラインに、プロピレン、アルファオレフィンCH2=C
HR′、水素、プロパンが矢印Cで示すように供給され
る。反応器4を出るポリマーは、分離点5を通って、反
応器6に入り、そこで矢印Dで示すようにエチレン、ア
ルファオレフィンCH2=CHR、水素とプロパンが供給され
る。球状顆粒状のポリマーは反応器6から分離器7に排
出される。
チグラー・ナッタ触媒用支持材として用いる活性マグ
ネシウムジハライドは特許文献に多く記載されている。
このジハライドの使用は、最初に米国特許第4,298,718
号と同第4,495,338号に記載されている。
この発明の方法に使用する触媒成分支持体を形成する
マグネシウムジハライドは、X線スペクトルで特徴付け
られ、非活性ハライドのスペクトルに現れる最強回折ラ
インは強度を減少し、最大強度が最強ラインに関して低
い角度にシフトしているハロに置換される。
マグネシウムジハライドの最も活性な形では、最強ラ
インはもはや存在せず、上記のようにシフトした極大強
度をもつハロに置換される。
固形触媒成分の製造に適するチタン化合物は、TiCl4
(好ましい)やTiCl3のようなチタンハライド、トリク
ロロフェノキシチタンやトリクロロブトキシチタンのよ
うなハロアルコラートからなる。
チタン化合物は、バナジウム、ジルコニウムやハフニ
ウムのような他の遷移金属化合物との混合物として使用
できる。
適切な内部電子供与体は、エーテル類、エステル類、
アミン類、ケトン類、一般式: (RIとRIIは互に同一又は異なり、1〜18の炭素原子を
有するアルキル、シクロアルキルおよびアリール基であ
り、RIIIとRIVは互に同一又は異なり1〜4の炭素原子
を有するアルキル基) のジエーテル類からなる。
好ましい化合物は、フタル酸、マレイン酸のようなポ
リカルボン酸のアルキール、シクロアルキル及びアリー
ルエステル類と式: (RIとRIIは上記と同一意味) のジエーテル類である。
このような化合物の例としては、ジ−n−ブチルフタ
レート、ジイソブチルフタレート、ジ−n−オクチルフ
タレート、2−メチル−2−イソプロピル、1,3−ジメ
トキシプロパン、2−メチル−2−イソブチル−1,3−
ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメト
キシプロパンと2−イソプロピル−2−イソペンチル−
1,3−ジメトキシプロパンがある。
内部供与体は、Mgに対し1:8〜1:14のモル比に一般的
に存在する。Tiとしてチタン化合物は0.5〜10重量%存
在する。
固形触媒成分は米国特許第4,748,221号と同第4,803,2
51号に記載の方法で作ることができる。
得られた触媒の立体特異性がこの発明の目的に不十分
なときは、上記の公知技術に従って容易に修正できる。
ヨーロッパ特許出願A−344,755号に記載の触媒成分
から作った触媒を使用して、高嵩密度と流動性を賦与さ
れた、平均直径300〜5000ミクロンを有する球状形状の
ポリマーを、高比活性(一般に10〜100Kg/h/g固形触媒
成分)を有するものを得ることができる。
実施例で触媒成分の製造に使用した方法は、ヨーロッ
パ特許出願A−344,755号に記載した好ましい具体例
(参照としてここに導入)である。
特に、上記のヨーロッパ特許出願では、触媒成分を小
球化した付加物MgCl2・nR′OH(R′は2〜10の炭素原
子を有するアルキル又はシクロアルキル基、nは約3.5
〜2.5の数)から作られ、アルコールは約50℃〜約100℃
の上昇した温度で加熱することにより部分的に除去され
る。
上式でnが約3のものは、加熱により、nが2.5〜1
又はそれ以下に低下する。
小球化し部分脱アルコール化した製品は、約80℃〜約
135℃の温度で過剰のTiCl4と反応させ、過剰のTiCl4
例えば熱時濾過して除去される。
通常TiCl4での処理を繰り返し、固体から未反応TiCl4
を除去し、次いでクロルイオン反応が消失するまで不活
性炭化水素で洗浄される。
TiCl4との反応は、特に、ジ−n−ブチルフタレー
ト、ジ−イソブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタ
レートのようなフタル酸アルキルエステル類及び上記一
般式のジエーテル類から選択された電子供与体化合物の
存在下で行われる。
また、電子供与体化合物は、チタン化合物と反応させ
る前に、付加物と反応さすことができる。
共触媒として用いるアルキルアルミニウム化合物は、
Al−トリアルキル、Al−トリイソブチル、Al−トリ−n
−ブチル、Al−トリ−n−オクチルのようなトリアルキ
ルアルミニウム化合物から選択される。トリアルキルア
ルミニウム化合物とAlEt2Cl、Al2Et3Cl2のようなAl−ア
ルキルセスキハライドとの混合物も使用できる。
工程a)で形成される触媒中のAl/Ti比は1より大
で、一般に20〜800からなる。
外部供与体は、内部供与体として存在する電子供与化
合物と同一又は異なってもよい。
アルキルアルミニウム化合物/外部供与体とのモル比
は一般に2〜30である。
内部供与体がポリカルボン酸のエステル、特にフタレ
ート例えばイソブチルフタレート又はn−オクチルフタ
レートのとき、外部供与体は、R1R2Si(OR)又はR1Si
(OR)〔R1とR2は1〜18の炭素原子を有するアルキ
ル、シクロアルキル又はアリール基、Rは1〜6の炭素
原子を有するアルキル基)のシリコン化合物を選択する
のが好ましい。その例としては、メチル−シクロヘキシ
ル−ジメトキシシラン、ジフェニル−ジメトキシラン、
メチル−t−ブチル−ジメトキシシランとトリフェニル
メトキシランがある。
上記の一般式のジエーテル類は、外部供与体として用
いるのが便利である。
工程b)で得たプロピレンポリマーのキシレンへの溶
解性及びプロピレンα−オレフィンコポリマーのキシレ
ンへの溶解性は、135℃で撹拌下に2gのポリマーを250ml
のキシレンに溶解して決められる。20分後に、溶液を25
℃に冷却する。30分後に、沈殿物を濾過し、溶液を窒素
気流中で蒸発し、残渣を80℃で乾燥する。
このようにして、ポリマーの室温でのキシレン中のパ
ーセンテージと不溶ポリマーのパーセンテージが計算さ
れる。
次の実施例は発明をよりよく例証するためで、その範
囲を限定して解釈することはできない。特に示さない断
り、全てのデータは重量による。
一般的方法 この実施例に使用された固体触媒成分は以下によって
製造される。
不活性雰囲気中で、28.4gのMgCl2、49.5gの無水エタ
ノール、10mlのワセリン油ROL OB/30および、350cs粘度
を有する100mlのシリコン油が撹拌子のついた反応容器
に導入され、MgCl2が溶解するまで120℃で加熱される。
その後、加熱反応混合物は、ウルトラ タラックス(Ul
tra Turrax)T−45N撹拌子がつき、150mlのワセリン油
と150mlのシリコン油が入っている1500mlの容器に移さ
れる。3000rpmで3分間撹拌しながら、温度は120℃に保
たれる。その後、混合物は撹拌子つきで0℃に冷却され
た1000mlの無水n−ヘプタンを含有する2リットルの容
器に移される。混合物は温度を0℃に保ったまま、約20
分、6m/secの速度で撹拌される。かくして形成された粒
子は濾過により回収され、n−ヘプタンの500mlアリコ
ートで洗浄され、かつアルコール量を3モルから種々の
実施例に示されたモル数まで減少させるのに十分な時間
の間、50℃から100℃まで温度を上昇させながら徐々に
加熱する。
実施例に示された種々のアルコール分を含んだ付加物
(25g)は、撹拌子がつき、撹拌下に0℃で625mlのTiCl
4が入った反応容器に移される。その後、100℃で1時間
加熱される。温度が40℃のとき、Mgのフタールエステル
とのモル比が8になるような量で、ジイソブチルフター
ルエステルが添加される。
そして容器の内容物は、100℃で撹拌しながら2時
間、100℃で加熱され、固体が沈殿によって分離する。
熱い液体はサイホンによって除去される。500mlのTiCl4
が添加され、そして混合物は1時間撹拌しながら120℃
で加熱される。撹拌が停止し、固体は沈殿によって分離
する。熱液体はサイホンにより除去される。固体は60℃
および次いで室温のn−ヘプタンのアリコートで洗浄さ
れる。
実施例1 連続的に操作される装置が利用され、その装置は触媒
成分が、触媒を生成するため混合される反応容器と、前
段階で生成された触媒を受領し液体プロピレンとプロパ
ンを供給するループ反応器および連続して繋がれ、初め
のものが前工程で生成されたプレポリマーを受領し反応
器に未反応モノマーを除去後に第2ポリマーを排出する
2つの流動床反応器より構成されている。
方法は、アルコールの35重量%含有のエタノール/MgC
l2付加物と、トリエチルアルミニウム(TEAL)のn−ヘ
プタン溶液およびTEALのシランとの重量比が4でありTE
AL/Tiのモル比が120であるような量でのメチルシクロヘ
キシルジメトキシシラン電子ドナーを使用した前述の一
般的方法によって生成された触媒成分を、20℃の定温に
保持された予備接触容器に供給することで実施される。
同じ反応容器に、プロパンが不活性媒体として供給され
る。在留時間は約8.8分である。
次いで反応器から排出された生成物は、50℃に保持さ
れたループ予備重合反応器に供給される。ループ反応器
の在留時間は約80分である。
前段階で製造されたプレポリマーを受領する第1の反
応器は60℃の温度で反応圧は2MPaで操作される。
反応器の内部で生成すポリマーの平均在留時間は約80
分である。
反応器に供給される反応モノマーおよび気体はつぎの
とおりである。
−プロピレンとブテン −分子量調整剤としての水素 −プロパン 第1の反応量は、ガス−固体分離系に搬入され、そこ
で第2重合段階にポリマーを供給する前に不用のモノマ
ー(プロピレン)を除去する。
主操作条件 予備接触段階 −温度 (℃) =20 −在面時間(分) = 8.8 予備重合段階 −温度 (℃) =50 −在面時間(分) =80 第1の気相反応器 −温度 (℃) =60 −圧力 (MPa) = 1.8 −滞在時間(分) =68 −プロピレン(モル%) = 4.8 −ブチレン−1(モル%)= 1.2 −水素 (モル%) = 9.46 −プロパン(モル%) =89 −重合(%) =11 −結合ブテン(W%) = 9.8 −MIL(230℃)(g/10分)=21 第2の気相反応器 −温度 (℃) =90 −圧力 (MPa) = 1.75 −滞在時間(分) =76 −ブテン−1(モル%) = 8.6 −エチレン(モル%) =34 −水素 (モル%) = 9.2 −プロパン(モル%) =44 −重合(%) =89 −結合ブテン(W%) = 7 (最終) −MIE(190℃,2.16Kg) (最終)(g/10分) = 1.1 −F/E(21.6Kg/2.16Kg) (最終) =35 −密度(最終)(g/cc) = 0.916 実施例2 実施例1に記載された装置を使用する。
方法は、触媒成分を、0℃の定温に保持された予備接
触反応容器に供給し、9.5分の滞在時間で行われる。
反応器から排出された生成物は、さらに液体プロピレ
ンとプロパンが(不活性媒体として)が供給されている
ループ予備重合反応器に供給される。
予備重合反応器における在留時間は約80分であり、温
度は50℃に保持される。
前段階で製造されたプレポリマーを受領する第1の反
応器は60℃の温度で、1.8MPaの反応圧で操作される。
反応器に供給される反応モノマーおよび気体はつぎの
とおりである。
−エチレン −分子量調整剤の水素 −プロパン 主操作条件 予備接触段階 −温度 (℃) = 0 −滞在時間(分) = 9.5 予備重合段階 −温度 (℃) =50 −滞在時間(分) =80 第1の気相反応器 −温度 (℃) =60 −圧力 (MPa) = 1.8 −滞在時間(分) =45 −プロピレン(モル%) =15 −ブテン−1(モル%) = 3.5 −水素 (モル%) = 0.5 −プロパン(モル%) =80 −重合(%) =24 −結合ブテン(W%) =11.2 −MIL(230℃)(g/10分)= 6.1 第2の気相反応器 −温度 (℃) =90 −圧力 (MPa) = 1.75 −滞在時間(分) =83 −ブテン−1(モル%) = 4.8 −エチレン(モル%) =23 −水素 (モル%) = 4.2 −プロパン(モル%) =68 −重合(%) =76 −結合ブテン(W%) = 7.5 (最終) −MIE(190℃,2.16Kg) (最終)(g/10分) = 1.14 −F/E(21.6Kg/2.16Kg) (最終) =50 −密度(最終)(g/cc) = 9.15 実施例1と2で製造したポリマーの粒子サイズ分布を表
1に報告する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−132951(JP,A) 特開 昭61−42553(JP,A) 特開 昭56−34709(JP,A) 特表 平6−503123(JP,A) 国際公開91/1338(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/08 C08F 2/34 C08F 4/60

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)重合しうるオレフィン類の実質的非存
    在下に、触媒成分を予め接触させて、重合工程c2)中に
    25℃でキシレンに少なくとも80%の不溶性を有するコポ
    リマーを生成できる立体特異性触媒を形成させ、 b)工程a)で得た触媒を使用し、プロピレン又はプロ
    ピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンCH2=CHR
    (Rは1〜10の炭素原子を有するアルキル基、 との混合物を、固形触媒成分のg当り約1g〜約1000gの
    量で、60%以上の25℃でのキシレン不溶性をするポリマ
    ーを得るような条件下で、予備重合し、 c)モノマーを、一連の2以上の流動床又は機械的撹拌
    反応器中で、気相重合させ、但し次の何れかの順序で c1)1つの反応器で、エチレンとα−オレフィンCH2=C
    HR(Rは1〜10の炭素原子を有するアルキル基)の混合
    物が、α−オレフィンの約20モル%までを含有するエチ
    レン−α−オレフィンコポリマーを得るべく重合させ、
    かつ第1の反応器からの未反応モノマーを除去した後に c2)他の反応器中で、プロピレンとα−オレフィンCH2
    =CHR′(R′は2〜10の炭素原子を有するアルキル
    基)との混合物を重合させて、c1)とc2)で得られるポ
    リマーの全量に対し5〜30重量%の量で、α−オレフィ
    ンの5〜40重量%含有するコポリマーを生成させ、 かつその中で、b)で得たプレポリマー−触媒系が第1
    の反応器に供給され、第1の反応器で得たポリマー−触
    媒反応系を他の反応器に供給される工程からなる、チタ
    ンハライド又はチタンハロアルコレートと任意に電子供
    与化合物とからなり、活性型のマグネシウムハライドに
    支持された固形成分とアルキルアルミニウム化合物とを
    反応させて得られた生成物からなる触媒によって、エチ
    レンとオレフィンCH2=CHR(Rは1〜10の炭素原子を有
    するアルキル基)とを重合させることからなる改良加工
    性を持ったエチレン重合体の製造法。
  2. 【請求項2】c2)で生成したコポリマーが10〜15重量%
    のアルファオレフィンを含有し、c1)とc2)で得たポリ
    マーの全重量の15〜25%を形成する請求項1による方
    法。
  3. 【請求項3】c2)で生成したコポリマーが25℃で85%よ
    り高いキシレン不溶性を有するプロピレン−ブテンコポ
    リマーである請求項1又は2による方法。
  4. 【請求項4】工程c)で、c)のプロピレン−α−オレ
    フィンCH2=CHR′混合物が最初に重合され、次いでc1)
    のエチレン−α−オレフィン混合物が重合される請求項
    1記載による方法。
  5. 【請求項5】触媒がアルキルアルミニウム化合物、電子
    供与化合物と固形成分との反応によって得られる請求項
    1記載による方法。
  6. 【請求項6】電子供与化合物が、式R1R2Si(OR)又は
    R1Si(OR)(R1とR2は同一又は異なって1〜18の炭素
    原子を有するアルキル、シクロアルキル又はアリール
    基、Rは1〜6の炭素原子を有するアルキル基)のシラ
    ンである請求項1記載による方法。
  7. 【請求項7】反応ガス中に、3〜5の炭素原子を有する
    アルカンが全ガスに関して20〜90モル%の濃度で保持さ
    れる請求項1記載による方法。
  8. 【請求項8】アルカンがプロパンである請求項7による
    方法。
  9. 【請求項9】固形触媒成分が、小球化付加物MgCl2・n
    R′OH(R′は1〜10の炭素原子を有するアルキル又は
    シクロアルキル基、nは約3.5〜約2.5の数)から得ら
    れ、アルコールが、n=約2.5〜0.5の値まで部分的に除
    去されている請求項1記載による方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1つに記載の方
    法にしたがって得られる粒状のエチレン重合体。
  11. 【請求項11】請求項8によるポリマー粒子から得られ
    たペレット化組成物。
  12. 【請求項12】請求項8と9によるポリマーから得るこ
    とができるフィルム。
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