JPH06128302A - オレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン系重合体の製造方法

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JPH06128302A
JPH06128302A JP30608492A JP30608492A JPH06128302A JP H06128302 A JPH06128302 A JP H06128302A JP 30608492 A JP30608492 A JP 30608492A JP 30608492 A JP30608492 A JP 30608492A JP H06128302 A JPH06128302 A JP H06128302A
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JP
Japan
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alcohol
catalyst
carbon atoms
polymerization
olefin
Prior art date
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Pending
Application number
JP30608492A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimi Nikaido
俊実 二階堂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06128302A publication Critical patent/JPH06128302A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重合生成物であるポリマーの色相不良や、フ
ィッシュアイの発生等の不都合を、特別なプロセスや設
備を必要とすることなく解消し、ポリマー品質を向上さ
せることができるオレフィン系重合体の製造方法を提供
する。 【構成】 重合反応の終了後、二種類の非直鎖状アルコ
ールを主成分とする触媒失活剤の一定量を、重合生成物
に接触させ、重合反応に用いた触媒を失活させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系重合体の
製造方法に関する。特に、高温溶液重合による線状低密
度ポリエチレンの製造に適したオレフィン系重合体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系重合体の製造において、重
合反応に使用した触媒を失活させポリマー品質を安定化
させることは技術的に重要であり従来から多くの研究が
行われている。近年、特に触媒の高活性化が進み触媒残
渣の低減により脱灰の必要がなくなり失活反応が省略さ
れるケースが多い。しかし、得られたポリマーには色相
不良、フィッシュアイの発生等の不具合が見られ、その
対策として添加剤や失活剤又は、ポリマー処理方法の検
討が行なわれている。具体的には、後工程においてエポ
キシ化合物等でポリマーを処理する方法(特開昭53−
21285)や添加剤を造粒段階で練りこむ方法(特開
平2−53807)が知られているが装置の腐食の問題
や効果が不十分である等必ずしも満足のいくものではな
かった。
【0003】触媒の失活剤に関しては、水、アルコー
ル、エーテル、ケトン、エステル類の含酸素化合物を使
用することが知られている。(例:特公昭51−363
10、特公昭52−5956、特公昭54−2703
9、特公昭62−25161)。しかし、高温溶液重合
プロセスにおいては、フラッシュ槽、脱揮押出機におけ
る溶剤と未反応原料の回収工程において、失活剤がポリ
マーと充分接触せずに揮散しやすいためその効果が十分
でなく、ポリマーの色相不良、フィッシュアイの発生等
の不都合を解消することはできなかった。そのため多量
に失活剤を添加したり、特別な混合拡散プロセスを必要
としたり、また回収された溶剤に混入した失活剤を分離
精製する設備が必要であり、従って工業的に、必ずしも
満足できるものであるということはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点に鑑みなされたもので、特別なプロセスや設備を必要
とすることなくポリマー品質を向上させることができ
る、失活剤システムを用いたオレフィン系重合体の製造
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため鋭意研究した結果、オレフィン系重合体の製
造において、触媒の失活剤として特定のアルコール種を
組み合わせた混合物を主成分とするものを用いることに
よって、上記問題点を解決し得ることを見出し本発明を
完成した。
【0006】すなわち、本発明によれば、遷移金属化合
物及び有機金属化合物を有する触媒並びに触媒失活剤を
用いてオレフィン系重合体を製造する方法において、前
記触媒失活剤が、炭素数3〜6の非直鎖状アルコール
(アルコールI)及び炭素数7〜20の非直鎖状アルコ
ール(アルコールII)の混合物であって、その混合比
(アルコールI/アルコールII(モル比))が0.2〜
6である混合物、を主成分とするものであり、かつ、前
記触媒の存在下オレフィン類を重合させ、その重合反応
の終了後、遷移金属化合物当たり10倍モル〜200倍
モルの前記触媒失活剤を、重合反応によって生成した重
合体に接触させ、重合反応に用いた触媒を失活させるオ
レフィン系重合体の製造方法が提供される。
【0007】また、前記アルコールI、又は、アルコー
ルIIが分岐を有する鎖状アルコールである前記オレフィ
ン系重合体の製造方法が提供される。
【0008】さらに、前記重合反応が、重合温度が13
0℃以上の溶液重合である前記オレフィン系重合体の製
造方法が提供される。
【0009】以下詳細に説明する。 1.触媒、及び、重合方法 本発明に用いる触媒としては、遷移金属化合物及び有機
金属化合物を含む触媒であればいずれでもよく、特に限
定はされない。また、重合方法についても、特に限定は
なく、スラリー重合,気相重合等のいずれをも用いるこ
とはできるが、特に高温溶液重合を用いた場合は、後工
程として溶剤分離回収工程,脱揮工程が不可欠であるこ
とから、本発明を最も好適に適用し得る。
【0010】以下好適例について具体的に説明する。下
記(A)成分,(B)成分,(C)成分及び(D)成分
を接触させて触媒を調製した後、該触媒を用いてエチレ
ンの単独重合又はエチレンと他のオレフィン及び/又は
非共役ポリエンとの共重合を開始する、エチレン系重合
体の製造方法を挙げることができる。 (A)有機アルミニウム化合物 (B)マグネシウム化合物 (C)チタン化合物 (D)周期律表第IV族元素のハロゲン化化合物
【0011】この例で用いる触媒においては、(A)成
分として、有機アルミニウム化合物が用いられる。有機
アルミニウム化合物としては、特に限られないが、下記
一般式(1)または(2) R1 mAlX1 3-m …(1) R1 3Al21 3 …(2) (式(1)(2)中、R1 は炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基または炭素数6〜20のアリールオキシ基を
示し、X1 はハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦
3を満たす実数である。なお、mが複数のとき各R1
同じでも異っていてももよい。)で表わされる有機アル
ミニウム化合物が好ましく使用される。具体的には、例
えば、一般式R1 3Al,R1 2AlX1 ,R1AlX1 2
1 2AlOR2 ,R1Al(OR2)X1 ,Al(O
23(ただし、R2 は炭素数1〜20のアルキル基ま
たは炭素数6〜20のアリール基を示す。)で表わされ
る化合物が挙げられる。
【0012】これらの化合物は、さらに具体的には、ト
リエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、ト
リブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロ
リド、ジ−n−プロピルアルミニウムモノクロリド、ジ
イソプロピリアルミニウムモノクロリド、ジイソブチル
アルミニウムモノクロリド、ジオクチルアルミニウムモ
ノクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロ
ピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジク
ロリド、オクチルアルミニウムジクロリド、アルミニウ
ムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシ
ド、アルミニウムトリイソブトキシド、ジエチルアルミ
ニウムモノエトキシド、ジプロピルアルミニウムモノエ
トキシド、モノエチルモノエトキシアルミニウムクロリ
ド、モノエチルモノイソプロポキシアルミニウムクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキクロリド、プロピルアル
ミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキク
ロリド等である。これらの有機アルミニウム化合物のう
ち、例えばジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソ
プロピルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアル
ミニウムモノクロリド、ジオクチルアルミニウムモノク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピル
アルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキク
ロリド等が好ましく、特に、R1 2AlX1で表わされる
化合物、例えばジエチルアルミニウムモノクロリドおよ
びR1 2Al21 3で表わされる化合物、例えばエチルア
ルミニウムセスキクロリドが好ましい。これらの有機ア
ルミニウム化合物は単独で用いてもよく、二種以上を組
合わせて用いてもよい。
【0013】この例において、(B)成分に用いられる
マグネシウム化合物としては、下記一般式(3) MgR34 …(3) (式中R3は炭素数1〜18のアルキル基または炭素数
6〜18のアリール基を示し、R4は炭素数1〜18の
アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6
〜18のアリール基またはハロゲン原子を示す。)で表
わされる化合物が好ましく使用される。
【0014】前記一般式(3)で表わされる有機マグネ
シウム化合物としては、例えば、ジエチルマグネシウ
ム,ジブチルマグネシウム,ブチルオクチルマグネシウ
ム,ジアミルマグネシウム,ジヘキシルマグネシウム,
ジオクチルマグネシウム,エチルブチルマグネシウム,
ブチルイソプロピルマグネシウム等のジアルキルマグネ
シウム、ジフェニルマグネシウム等のジアリールマグネ
シウム、エチルフェニルマグネシウム等のアルキルアリ
ールマグネシウム、ブチルマグネシウムイソプロポキシ
ド等のアルキルマグネシウムアルコキシド、フェニルマ
グネシウムプロポキシド等のアリールマグネシウムアル
コキシド、ブチルマグネシウムクロリド,アミルマグネ
シウムクロリド等のアルキルマグネシウムハライド、フ
ェニルマグネシウムクロリド等のアリールマグネシウム
ハライド等が挙げられる。これらのうち、特にジブチル
マグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ブチルオクチ
ルマグネシウム等が好ましい。これらのマグネシウム化
合物は単独で用いてもよく、二種以上を組合わせて用い
てもよい。
【0015】この例において、(C)成分に用いられる
チタン化合物としては、炭化水素に可溶性のチタン化合
物、例えば下記一般式(4) Ti(OR5n2 4-n …(4) (式中R5 は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜
18のシクロアルキル基または炭素数6〜18のアリー
ル基を示し、X2はハロゲン原子を示す。また、nは0
≦n≦4を満たす実数である。)で表わされるチタン化
合物が好ましく使用される。ここで、前記一般式(4)
で表わされるチタン化合物は、nが0である場合には、
一般式TiX2 4(式中、X2 は前記と同じである。)で
表わされるテトラハロゲン化チタン、具体的には例え
ば、TiCl4、TiBr4 、TiL4である。
【0016】nが1である場合には、一般式Ti(OR
5n2 3(式中R5及びX2は前記と同じである。)で
表わされるチタン化合物、具体的には例えば、(CH3
O)TiCl3、(C25O)TiCl3 、(C3
7O)TiCl3 、(n−C49O)TiCl3等、又
は、X2が臭素またはヨウ素である対応するトリハロゲ
ン化アルコキシチタン、トリクロロシクロヘキソキシチ
タン等のトリハロゲン化シクロアルキルオキシチタンま
たはトリクロロフェノキシチタン等のトリハロゲン化ア
リールオキシチタンである。nが2である場合には、一
般式Ti(OR522 2(式中R5及びX2は前記と同じ
である。)で表わされるチタン化合物、具体的に例え
ば、(CH3O)2TiCl2 、(C25O)2 TiCl
2、(C37O)2TiCl2、(n−C49O)2 Ti
Cl2等、又は、X2が臭素またはヨウ素である対応する
ジハロゲン化ジアルコキシチタン、ジクロロジシクロヘ
キソキシチタン等のジハロゲン化ジシクロアルキルオキ
シチタンまたはジクロロジフェノキシチタン等のジハロ
ゲン化ジアリールオキシチタンである。
【0017】nが3である場合には、一般式Ti(OR
532 (式中R5及びX2は前記と同じである。)で表
わされるチタン化合物、具体的には例えば、(CH
3O)3TiCl、(C25O)3 TiCl、(C3
7O)3TiCl、(n−C49O)3TiCl等、又
は、X2 が臭素またはヨウ素である対応するモノハロゲ
ン化トリアルコキシチタン、モノクロロトリシクロヘキ
ソキシチタン等のモノハロゲン化トリシクロアルキルオ
キシチタンまたはモノクロロトリフェノキシチタン等の
モノハロゲン化トリアリールオキシチタンである。nが
4である場合には、一般式Ti(OR54(式中R5
は前記と同じである。)で表わされるチタン化合物、具
体的には例えば、テトラメトキシチタン,テトラエトキ
シチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトライソ
プロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テト
ライソブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン、テ
トラシクロヘキソキシチタン等のテトラシクロアルキル
オキシチタン、テトラフェノキシチタン等のテトラアリ
ールオキシチタンが挙げられる。これらのうち、前記一
般式Ti(OR54で表わされるテトラアルコキシチタ
ンおよびTiX4で表わされるテトラハロゲン化チタン
が好ましく、特にテトラ−n−ブトキシチタン及びテト
ラクロロチタンが好ましい。これら各種のチタン化合物
は、単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用し
てもよい。
【0018】この例において、(D)成分として用いら
れる周期律表第IV族の元素のハロゲン化合物として
は、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化シリコン化合物な
どが好ましく使用される。ここで、ハロゲン化炭化水素
としては、具体的には、炭素数1〜18の脂肪族ハロゲ
ン化炭化水素又は炭素数6〜15の芳香族ハロゲン化炭
化水素が挙げられる。さらに具体的には、例えば、ジク
ロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素,ジクロロエタ
ン,トリクロロエタン,テトラクロロエタン,ペンタク
ロロエタン,n−プロピルクロリド,イソプロピルクロ
リド,1,3−ジクロロプロパン,1,2−ジクロロプ
ロパン,n−ブチルクロリド,イソブチルクロリド,s
ec−ブチルクロリド,t−ブチルクロリド,4−ジク
ロロブタン,n−アミルクロリド,イソアミルクロリ
ド,1,5−ジクロロペンタン,n−ヘキシルクロリ
ド,1,6−オクチルクロリド,n−デシルクロリド等
の脂肪族塩素化炭化水素及びこれらに対応する臭素化、
ヨウ素化、又は、ふっ素化炭化水素、さらにクロロベン
ゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、p−
クロロエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジ
クロロベンゼン,3,4−ジクロロトルエン,塩化ベン
ジル,p−クロロベンジルクロリド,ベンゾトリクロリ
ド等の芳香族塩素化炭化水素及びこれらに対応する臭素
化、ヨウ素化、又は、ふっ素化炭化水素が挙げられる。
これらのハロゲン化炭化水素のうち、1,2−ジクロロ
エンタン,1,2−ジクロロプロパン,イソプロピルク
ロリド及びt−ブチルクロリドが好ましい。
【0019】ハロゲン化シリコン化合物としては、下記
一般式(5) Si(OR6p3 4-p …(5) (式中、R6はアルキル基、シクロアルキル基またはア
リール基を示し、X3は塩素、臭素等のハロゲン原子を
示し、pは0〜3.0の間の実数を示す。)で表わされ
るハロゲン化シリコン化合物が挙げられる。かかるシリ
コン化合物としては、具体的には、SiCl4、CH3
SiCl3、(CH3O)2SiCl2、(CH3O)3
iCl、C25OSiCl3 、(C25O)2 SiCl
2 、(C25O)3 SiCl、C37OSiCl3
(C37O)2 SiCl2、(C37O)3SiClなど
を挙げることができ、特に四塩化ケイ素(SiCl4 )
が好ましい。これら周期律表第IV族の元素のハロゲン
化合物は、単独で使用してもよく、二種以上を混合して
使用してもよい。
【0020】この例で用いる触媒は、上記(A)〜
(D)成分を接触させて調製する。各成分(A)〜
(D)の混合割合に特に制限はなく、また使用する成分
の種類等により一義的に決定することはできない。一般
には、(B)/(C)(Mg/Tiの原子比)を0.1
〜30、好ましくは0.5〜20とする。この範囲を外
れると触媒活性の低下を招くおそれがある。また、
(A)/(C)(Al/Tiの原子比)を1〜120、
好ましくは5〜80とする。この範囲を外れると触媒活
性の低下を招くおそれがある。さらに、(D)/(A)
(周期律表第IV族のハロゲン化化合物/Alのモル
比)を0.001〜5.0、好ましくは0.01〜2.
0とする。0.001未満だと分子量分布が狭化しない
おそれがあり、5.0を越えると触媒活性の低下を招く
おそれがある。
【0021】上記成分の接触順序に特に制限はない。ま
た、各成分は同時に接触させてもよいし、任意の成分を
予め予備混合してもよい。予備混合の組合わせとして
は、たとえば、(A)と(B)、(A)と(D)、
(B)と(D)、(C)と(D)などが挙げられる。た
だし、重合開始前に全ての成分を接触させ、触媒を形成
しなくてはならない。接触させる温度は、通常−10〜
50℃、好ましくは0〜40℃である。−10℃未満で
は十分に触媒が形成されず、触媒活性の低下を招く。5
0℃を越えると触媒活性の低下を招き、分子量分布が十
分狭くならない。また、全ての成分の接触を終えてから
重合反応開始までの時間は70秒以内とするのが好まし
い。
【0022】この例の(A)、(B)、(C)および
(D)成分を主成分とする触媒は、必要に応じ不活性溶
媒を用いて溶液、又は、懸濁液として使用することもで
きる。使用しうる不活性溶媒としては、例えば炭素数5
〜18の脂肪族炭化水素、脂肪式炭化水素、芳香族炭化
水素等が挙げられ、具体的にはn−、又は、1−ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、
テトラデカンまたはシクロヘキサン、さらにはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらのうち
好ましい不活性溶媒としては、例えばn−ヘキサンを挙
げることができる。
【0023】この例においては、上記の如く調製した触
媒を反応容器中に導入すると共に、エチレン及び必要に
応じてα−オレフィン及び/又は非共役ポリエンを供給
して重合を開始させる。上記重合に使用される原料モノ
マー(単量体)はエチレン単独でもよいが、他のα−オ
レフィン及び/又は非共役ポリエンをコモノマーとして
用いてもよい。α−オレフィンとしては、例えば炭素数
3〜18の直鎖または分枝鎖モノオレフィン、又は、芳
香族で置換されたα−オレフィンが挙げられる。使用し
うるα−オレフィンは、具体的には例えばプロピレン,
ブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1,ノネン−
1,デセン−1,ウンデセン−1,ドデセン−1等の直
鎖モノオレフィン、3−メチルブテン−1;3−メチル
ペンテン−1;4−メチルペンテン−1;2−エチルヘ
キセン−1;2,2,4−トリメチル−ペンテン−1等
の分枝鎖モノオレフィン、又は、スチレン等の芳香族核
で置換されたモノオレフィンである。
【0024】また、非共役ポリエンとしては、例えば、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7
−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジ
エン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,
4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−ジメチ
ル−4−tert−ブチル−2,6−ヘプタジエン等の
直鎖状非共役ジエン、1,5,9−デカトリエン等の直
鎖状非共役トリエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ポリ
エンなどが挙げられる。これらの中でも、直鎖状非共役
ポリエンが好適であり、特に1,7−オクタジエン、
1,9−デカジエン、1,5,9−デカトリエンなどが
好適である。
【0025】重合反応は、反応媒体中で行なわれ、生成
重合体が反応媒体に溶解する加熱条件下で連続式または
回分式で行なうことができる。反応媒体としては、前記
の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等
の不活性溶液を用いることができる。反応温度は、生成
重合体が反応媒体に溶解する温度、通常130℃以上、
特に170〜220℃とすることが好ましい。すなわ
ち、生成重合体溶液の液粘度が低下して装置運転上に好
ましい温度とする。その他の重合条件は、所望の重合体
の物性、使用単量体の種類等により一義的に決定するこ
とはできないが、通常、触媒濃度は、チタン濃度で0.
001〜10ミリモル/l、好ましくは0.001〜
1.0ミリモル/lである。また、反応圧力は通常10
〜150Kg/m2、特に20〜80Kg/m2とするの
が好ましい。さらに、重合反応系中に水素等の分子量調
節剤を存在させてもよい。
【0026】2.触媒失活剤 本発明に用いる触媒失活剤としては、下記二種のアルコ
ール(アルコールI及びアルコールII)の混合物を主成
分とするものを挙げることができる。 アルコールI アルコールIは、炭素数3〜6の非直鎖状アルコールで
ある。具体例としてはイソプロパノール,第2級及び3
級のブタノール・ペンタノール・ヘキサノール等の分岐
鎖状アルコールを挙げることができ、その中でも特にイ
ソプロパノール、及びイソブタノールが好ましい。ま
た、シクロペンタノール,シクロヘキサノール等の環状
脂肪族アルコール、及び芳香族アルコールを挙げること
ができる。
【0027】アルコールII アルコールIIは、炭素数7〜20の非直鎖状アルコール
である。具体例としては、第2級及び3級のヘプタノー
ル・オクタノール・デカノール、並びにイソステアリル
アルコール等の分岐鎖状アルコールを挙げることがで
き、その中でも特に2エチルヘキサノール、イソステア
リルアルコールが好ましい。また、環状脂肪族アルコー
ル,及び芳香族アルコールを挙げることができる。
【0028】アルコールI及びアルコールIIの混合比
(モル比) アルコールI及びアルコールIIの混合比(アルコールI
/アルコールII(モル比))は、0.2〜6である必要
がある。0.2未満ならポリマーの色相が改良されず、
6を超えるとポリマーのフィッシュアイは低減しない。
また、アルコールIのみ又はIIのみの場合は、ポリマー
の色相、フィッシュアイの問題点は共に改善されない。
【0029】触媒失活剤の使用量 触媒失活剤の使用量は、遷移金属化合物当たり10倍モ
ル〜200倍モルである必要がある。10倍未満なら、
ポリマーの色相、フィッシュアイの問題点は共に改善さ
れず、200を超えると、製造コスト的に不利になる。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて具体的に説明
する。なお、実施例における評価は次のようにして行っ
た。 色相 ペレットYI(イエローインデックス)を分光色差計
(日本電色工業(株)製)モデルSZ−Σ90を用いて測
定した。 フィルムのフィッシュアイ フルフライトスクリュウ L/D=20、コートハンガ
ータイプダイス 幅170m/m、リップ 巾0.3m
/m の条件で20m/m φ小型キャスト成形機で成
膜した。ダイス温度は200℃、フィルム厚みは25μ
mであった。直径0.10m/m以上のフィッシュアイ
を目視でカウントした(個/1000cm2 )。 MI JIS K7210に準拠して測定した。(温度190
℃、試験荷重21.18N) 密度 JIS K7210に準拠して測定した。 分岐数 C13NMRで測定した。
【0031】実施例1 1リットルの連続重合反応容器に接続した触媒調合ライ
ン中に、乾燥したn−ヘキサンを7.5リットル/時
間、エチルアルミニウムセスキクロリドを1.40mm
ol−Al原子/時間、ジヘキシルマグネシウムを0.
45mmol/時間、テトラブトキシチタンを0.08
0mmol/時間、t−ブチルクロリドを0.60mm
ol/時間の割合で導入し、接触させたのちに、重合反
応容器に供給した。同時にエチレンを700g/時間、
1−オクテンを470g/時間、水素を0.15g/時
間の割合で重合反応容器に連続導入し、反応温度175
℃、反応圧力70Kg/mGの条件下で0.11時間の
重合反応を行ない、エチレン系共重合体を得た。こうし
て得た溶融状態のエチレン重合体をリアクターから連続
的に抜き出し、配管に取りつけたラインミキサーを用い
て、表1に示すように所定の失活剤と混ぜた。次いでフ
ラッシュ槽に導き溶剤と未反応原料をフラッシュさせ更
に脱揮押出機で溶剤を揮散させたのち造粒してペレット
を得た。ポリマーMI2.0、密度0.920、ヘキシ
ル分岐数15個/1000Cであった。造粒に際して
は、以下の酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブ
ロッキング剤等の添加剤を添加した。 イルガノックス1010(日本チバガイギー社)1500ppm シリカ(水沢化学) 6000ppm ウルトラノックス626(ボルグワーナ社) 1500ppm カルシウムステアレ−ト(日本油脂) 500ppm エルカ酸アミド(日本精化) 1000ppm 評価結果を表1に示す。
【0032】実施例2〜5、比較例1〜5 失活剤の種類、量を変えた以外は実施例1と同じ条件で
実施した。評価結果を表1に示す。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
重合生成物であるポリマーの色相不良やフィッシュアイ
の発生等の不都合を、特別なプロセスや設備を必要とす
ることなく解消することができ、ポリマー品質を向上さ
せることができる。
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【表1】実施例2〜5、比較例1〜5 失活剤の種類、量を変えた以外は実施例1と同じ条件で
実施した。評価結果を表1に示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属化合物及び有機金属化合物を有
    する触媒並びに触媒失活剤を用いてオレフィン系重合体
    を製造する方法において、前記触媒失活剤が、炭素数3
    〜6の非直鎖状アルコール(アルコールI)及び炭素数
    7〜20の非直鎖状アルコール(アルコールII)の混合
    物であって、その混合比(アルコールI/アルコールII
    (モル比))が0.2〜6である混合物、を主成分とす
    るものであり、かつ、前記触媒の存在下オレフィン類を
    重合させ、その重合反応の終了後、遷移金属化合物当た
    り10倍モル〜200倍モルの前記触媒失活剤を、重合
    反応によって生成した重合体に接触させ、重合反応に用
    いた触媒を失活させることを特徴とするオレフィン系重
    合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アルコールI又はアルコールIIが分
    岐を有する鎖状アルコールである請求項1記載のオレフ
    ィン系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記重合反応が、重合温度が130℃以
    上の溶液重合である請求項1又は2記載のオレフィン系
    重合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005530914A (ja) * 2002-06-24 2005-10-13 バセル ポリオレフィン イタリア エス.ピー.エー. α−オレフィンの重合のための液相法
JP2009108224A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Japan Polypropylene Corp ポリオレフィン製造設備の触媒タンクにおける触媒切り替え方法

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