JP2511200B2 - エチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体の製造方法

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JP2511200B2
JP2511200B2 JP3072136A JP7213691A JP2511200B2 JP 2511200 B2 JP2511200 B2 JP 2511200B2 JP 3072136 A JP3072136 A JP 3072136A JP 7213691 A JP7213691 A JP 7213691A JP 2511200 B2 JP2511200 B2 JP 2511200B2
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチレン系重合体の製造
方法に関し、さらに詳しくは、分子量分布が狭く、諸物
性に優れたポリマーを製造できるエチレン系重合体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のエチ
レン共重合体の製造方法としては、高圧イオン法、気相
重合法、懸濁重合法、高温溶液重合法が知られている。
これらの方法のうち、高圧イオン法および気相重合法は
高級α−オレフィンの使用に難点があり、また懸濁重合
法は低密度品の製造に問題がある。従って、直鎖状低密
度ポリエチレンの製造方法としては、高温溶液重合が優
れている。一般に、溶液重合法では、生成重合体が溶媒
中に溶解し、重合系内の液粘度が高くなるため、装置の
運転上、できるだけ高温(155℃以上)で重合を行な
うことが望ましい。しかし、従来公知の触媒はいずれも
高温下における活性が不十分であり、このため高温溶液
重合によって得られる重合体の物性は未だ満足すべきも
のに至っていない。
【0003】一方、活性を向上させた高温溶液重合触媒
として担持型触媒が開発されている(特公昭59−52
643号公報)が、その製造工程は複雑であり、また調
製した触媒から不要のチタン成分を除去するため、洗浄
工程を必要とするものが大部分であった。そのため、大
規模な触媒の製造設備を必要としたり、多量の洗浄溶液
を必要としていた。これに対し、高温で高い活性を有す
る触媒を容易に得ることを目的として、従来いくつかの
提案がなされてきた。そのうち特公昭46−31968
号および同50−39117号公報には、予め触媒を調
製することなく、比較的高い活性を得ることができる触
媒系が報告されている。しかし、これらも未だ十分に高
い活性を発現しうるものではなく、しかも生成した重合
体の分子量分布(Mw/Mn)が広くなる上、生成重合
体が共重合体である場合にはその組成が不均一となるな
ど、溶液重合法の特徴が損なわれるものであった。
【0004】さらに、重合反応系内において触媒を形成
することにより、触媒の製造工程を簡便にするととも
に、分子量分布(Mw/Mn)を均一化する方法も知ら
れている(特開昭61−126110号公報)。しか
し、この方法でも分子量分布は十分に狭くなっておら
ず、触媒活性も低い。本発明は、上記事情に鑑みなされ
たもので、高温においても高い活性を有する触媒を容易
に調製できるとともに、分子量分布が狭く、諸物性に優
れたポリマーを製造できるエチレン系重合体の製造方法
の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、下記(A)成分,(B)成分,(C)成分及
び(D)成分を接触させて触媒を調製した後、5〜60
秒以内に、該触媒を用いてエチレンの単独重合又はエチ
レンと他のオレフィン及び/又は非共役ポリエンとの共
重合を開始することを特徴とするエチレン系重合体の製
造方法を提供する。 (A)下記一般式(1)または(2)に示す有機アルミニウム化合物 1 m AlX 1 3-m …(1) 1 3 Al 2 1 3 …(2) (式(1)(2)中、R 1 は炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基または炭素数6〜20のアリールオキシ基を
示し、X 1 はハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦
3を満たす実数である。なお、mが複数のとき各R 1
同じでも異っていてももよい。) (B)下記一般式(3)に示すマグネシウム化合物 MgR 3 4 …(3) (式中R 3 は炭素数1〜18のアルキル基または炭素数
6〜18のアリール基を示し、R 4 は炭素数1〜18の
アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6
〜18のアリール基またはハロゲン原子を示す。) (C)下記一般式(4)に示すチタン化合物 Ti(OR 5 n 2 4-n …(4) (式中R 5 は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜
18のシクロアルキル基または炭素数6〜18のアリー
ル基を示し、X 2 はハロゲン原子を示す。また、nは0
≦n≦4を満たす実数である。) (D)ハロゲン化炭化水素(炭素数1〜18の脂肪族ハロゲン化炭化水素もしく は炭素数6〜15の芳香族ハロゲン化炭化水素)、または下記一般式(5)に示 すハロゲン化シリコン化合物 Si(OR 6 p 3 4-p …(5) (式中、R 6 はアルキル基、シクロアルキル基またはア
リール基を示し、X 3 は塩素、臭素等のハロゲン原子を
示し、pは0〜3.0の間の実数を示す。)
【0006】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明で用いる触媒においては、(A)成分として、下記一
般式(1)または(2)に示す有機アルミニウム化合物
が用いられる1 mAlX1 3-m …(1) R1 3Al21 3 …(2) (式(1)(2)中、R1 は炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基または炭素数6〜20のアリールオキシ基を
示し、X1 はハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦
3を満たす実数である。なお、mが複数のとき各R1
同じでも異っていてももよい。 体的には、例えば、
一般式R1 3Al,R1 2Al 1 ,R1Al 1 2 ,R1 2
lOR2 ,R1Al(OR2)X1 ,Al(OR23(た
だし、R 1 ,R 2 は炭素数1〜20のアルキル基または
炭素数6〜20のアリール基を示す。)で表わされる化
合物が挙げられる。
【0007】これらの化合物は、さらに具体的には、ト
リエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、ト
リブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロ
リド、ジ−n−プロピルアルミニウムモノクロリド、ジ
イソプロピリアルミニウムモノクロリド、ジイソブチル
アルミニウムモノクロリド、ジオクチルアルミニウムモ
ノクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロ
ピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジク
ロリド、オクチルアルミニウムジクロリド、アルミニウ
ムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシ
ド、アルミニウムトリイソブトキシド、ジエチルアルミ
ニウムモノエトキシド、ジプロピルアルミニウムモノエ
トキシド、モノエチルモノエトキシアルミニウムクロリ
ド、モノエチルモノイソプロポキシアルミニウムクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキクロリド、プロピルアル
ミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキク
ロリド等である。これらの有機アルミニウム化合物のう
ち、例えばジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソ
プロピルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアル
ミニウムモノクロリド、ジオクチルアルミニウムモノク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピル
アルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキク
ロリド等が好ましく、特に、R1 2AlX1で表わされる
化合物、例えばジエチルアルミニウムモノクロリドおよ
びR1 2Al21 3で表わされる化合物、例えばエチルア
ルミニウムセスキクロリドが好ましい。これらの有機ア
ルミニウム化合物は単独で用いてもよく、二種以上を組
合わせて用いてもよい。
【0008】本発明においては、(B)成分として、下
記一般式(3)に示す、マグネシウム化合物が用いられ
る。 MgR34 …(3) (式中R3は炭素数1〜18のアルキル基または炭素数
6〜18のアリール基を示し、R4は炭素数1〜18の
アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6
〜18のアリール基またはハロゲン原子を示す。
【0009】前記一般式(3)で表わされっる有機マグ
ネシウム化合物としては、例えば、ジエチルマグネシウ
ム,ジブチルマグネシウム,ブチルオクチルマグネシウ
ム,ジアミルマグネシウム,ジヘキシルマグネシウム,
ジオクチルマグネシウム,エチルブチルマグネシウム,
ブチルイソプロピルマグネシウム等のジアルキルマグネ
シウム、ジフェニルマグネシウム等のジアリールマグネ
シウム、エチルフェニルマグネシウム等のアルキルアリ
ールマグネシウム、ブチルマグネシウムイソプロポキシ
ド等のアルキルマグネシウムアルコキシド、フェニルマ
グネシウムプロポキシド等のアリールマグネシウムアル
コキシド、ブチルマグネシウムクロリド,アミルマグネ
シウムクロリド等のアルキルマグネシウムハライド、フ
ェニルマグネシウムクロリド等のアリールマグネシウム
ハライド等が挙げられる。これらのうち、特にジブチル
マグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ブチルオクチ
ルマグネシウム等が好ましい。これらのマグネシウム化
合物は単独で用いてもよく、二種以上を組合わせて用い
てもよい。
【0010】本発明においては、(C)成分として、下
記一般式(4)に示す、炭化水素に可溶性のチタン化合
物が用いられる。 Ti(OR5n2 4-n …(4) (式中R5 は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜
18のシクロアルキル基または炭素数6〜18のアリー
ル基を示し、X2はハロゲン原子を示す。また、nは0
≦n≦4を満たす実数である。 こで、前記一般式
(4)で表わされるチタン化合物は、nが0である場合
には、一般式TiX2 4(式中、X2 は前記と同じであ
る。)で表わされるテトラハロゲン化チタン、具体的に
は例えば、TiCl4、TiBr4 、TiL4である。
【0011】nが1である場合には、一般式Ti(OR
5n2 3(式中R5及びX2は前記と同じである。)で
表わされるチタン化合物、具体的には例えば、(CH3
O)TiCl3、(C25O)TiCl3 、(C3
7O)TiCl3 、(n−C49O)TiCl3等あるい
はX2が臭素またはヨウ素である対応するトリハロゲン
化アルコキシチタン、トリクロロシクロヘキソキシチタ
ン等のトリハロゲン化シクロアルキルオキシチタンまた
はトリクロロフェノキシチタン等のトリハロゲン化アリ
ールオキシチタンである。nが2である場合には、一般
式Ti(OR522 2(式中R5及びX2は前記と同じで
ある。)で表わされるチタン化合物、具体的に例えば、
(CH3O)2TiCl2 、(C25O)2 TiCl2
(C37O)2TiCl2、(n−C49O)2 TiCl
2等あるいはX2が臭素またはヨウ素である対応するジハ
ロゲン化ジアルコキシチタン、ジクロロジシクロヘキソ
キシチタン等のジハロゲン化ジシクロアルキルオキシチ
タンまたはジクロロジフェノキシチタン等のジハロゲン
化ジアリールオキシチタンである。
【0012】nが3である場合には、一般式Ti(OR
532 (式中R5及びX2は前記と同じである。)で表
わされるチタン化合物、具体的には例えば、(CH
3O)3TiCl、(C25O)3 TiCl、(C3
7O)3TiCl、(n−C49O)3TiCl等あるい
はX2 が臭素またはヨウ素である対応するモノハロゲン
化トリアルコキシチタン、モノクロロトリシクロヘキソ
キシチタン等のモノハロゲン化トリシクロアルキルオキ
シチタンまたはモノクロロトリフェノキシチタン等のモ
ノハロゲン化トリアリールオキシチタンである。nが4
である場合には、一般式Ti(OR54(式中R5
前記と同じである。)で表わされるチタン化合物、具体
的には例えば、テトラメトキシチタン,テトラエトキシ
チタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトライソプ
ロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトラ
イソブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン、テト
ラシクロヘキソキシチタン等のテトラシクロアルキルオ
キシチタン、テトラフェノキシチタン等のテトラアリー
ルオキシチタンが挙げられる。これらのうち、前記一般
式Ti(OR54で表わされるテトラアルコキシチタン
およびTiX4で表わされるテトラハロゲン化チタンが
好ましく、特にテトラ−n−ブトキシチタン及びテトラ
クロロチタンが好ましい。これら各種のチタン化合物
は、単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用し
てもよい。
【0013】本発明においては、(D)成分としてハロ
ゲン化炭化水素(炭素数1〜18の脂肪族ハロゲン化炭
化水素もしくは炭素数6〜15の芳香族ハロゲン化炭化
水素)、または下記一般式(5)に示すハロゲン化シリ
コン化合物が用いられる。 Si(OR 6 p 3 4-p …(5) (式中、R 6 はアルキル基、シクロアルキル基またはア
リール基を示し、X 3 は塩素、臭素等のハロゲン原子を
示し、pは0〜3.0の間の実数を示す。) ここで、ハ
ロゲン化炭化水素としては 、例えば、ジクロロメタン,
クロロホルム,四塩化炭素,ジクロロエタン,トリクロ
ロエタン,テトラクロロエタン,ペンタクロロエタン,
n−プロピルクロリド,イソプロピルクロリド,1,3
−ジクロロプロパン,1,2−ジクロロプロパン,n−
ブチルクロリド,イソブチルクロリド,sec−ブチル
クロリド,t−ブチルクロリド,4−ジクロロブタン,
n−アミルクロリド,イソアミルクロリド,1,5−ジ
クロロペンタン,n−ヘキシルクロリド,1,6−オク
チルクロリド,n−デシルクロリド等の脂肪族塩素化炭
化水素及びこれらに対応する臭素化、ヨウ素化あるいは
ふっ素化炭化水素、さらにクロロベンゼン、o−クロロ
トルエン、p−クロロトルエン、p−クロロエチルベン
ゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン,
3,4−ジクロロトルエン,塩化ベンジル,p−クロロ
ベンジルクロリド,ベンゾトリクロリド等の芳香族塩素
化炭化水素及びこれらに対応する臭素化、ヨウ素化ある
いはふっ素化炭化水素が挙げられる。これらのハロゲン
化炭化水素のうち、1,2−ジクロロエンタン,1,2
−ジクロロプロパン,イソプロピルクロリド及びt−ブ
チルクロリドが好ましい。
【0014】また、ハロゲン化シリコン化合物として
は、例えば、 SiCl4、CH3OSiCl3、(CH3O)2SiCl2、 (CH3O)3 SiCl、C25OSiCl3 、(C25O)2 SiCl2 、 (C25O)3 SiCl、C37OSiCl3 、 (C37O)2 SiCl2、(C37O)3SiCl などを挙げることができ、特に四塩化ケイ素(SiCl
4 )が好ましい。これらハロゲン炭化水素またはハロゲ
ン化シリコン化合物は、単独で使用してもよく、二種以
上を混合して使用してもよい。
【0015】本発明で用いる触媒は、上記(A)〜
(D)成分を接触させて調製する。各成分(A)〜
(D)の混合割合に特に制限はなく、また使用する成分
の種類等により一義的に決定することはできない。一般
には、(B)/(C)(Mg/Tiの原子比)を0.1
〜30、好ましくは0.5〜20とする。この範囲を外
れると触媒活性の低下を招くおそれがある。また、
(A)/(C)(Al/Tiの原子比)を1〜120、
好ましくは5〜80とする。この範囲を外れると触媒活
性の低下を招くおそれがある。さらに、(D)/(A)
(ハロゲン化化合物またはハロゲン化シコリン化合物/
Alのモル比)を0.001〜5.0、好ましくは0.
01〜2.0とする。0.001未満だと分子量分布が
狭化しないおそれがあり、5.0を越えると触媒活性の
低下を招くおそれがある。
【0016】上記成分の接触順序に特に制限はない。ま
た、各成分は同時に接触させてもよいし、任意の成分を
予め予備混合してもよい。予備混合の組合わせとして
は、たとえば、(A)と(B)、(A)と(D)、
(B)と(D)、(C)と(D)などが挙げられる。た
だし、重合開始前に全ての成分を接触させ、触媒を形成
しなくてはならない。接触させる温度は、通常−10〜
50℃、好ましくは0〜40℃である。−10℃未満で
は十分に触媒が形成されず、触媒活性の低下を招く。5
0℃を越えると触媒活性の低下を招き、分子量分布が十
分狭くならない。また、全ての成分の接触を終えてから
重合反応開始までの時間は、5〜60秒になるように調
整する。5秒未満または60秒を越えると触媒活性の低
下を招くことがあると共に、ポリマーの分子量分布が広
くなり、機械的特性を悪化させることがある。
【0017】本発明の(A)、(B)、(C)および
(D)成分を主成分とする触媒は、必要に応じ不活性溶
媒を用いて溶液あるいは懸濁液として使用することもで
きる。使用しうる不活性溶媒としては、例えば炭素数5
〜18の脂肪族炭化水素、脂肪式炭化水素、芳香族炭化
水素等が挙げられ、具体的にはn−あるいは1−ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、
テトラデカンまたはシクロヘキサン、さらにはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらのうち
好ましい不活性溶媒としては、例えばn−ヘキサンを挙
げることができる。
【0018】本発明においては、上記の如く調製した触
媒を反応容器中に導入すると共に、エチレン及び必要に
応じてα−オレフィン及び/又は非共役ポリエンを供給
して重合を開始させる。上記重合に使用される原料モノ
マー(単量体)はエチレン単独でもよいが、他のα−オ
レフィン及び/又は非共役ポリエンをコモノマーとして
用いてもよい。α−オレフィンとしては、例えば炭素数
3〜18の直鎖または分枝鎖モノオレフィンあるいは芳
香族で置換されたα−オレフィンが挙げられる。使用し
うるα−オレフィンは、具体的には例えばプロピレン,
ブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1,ノネン−
1,デセン−1,ウンデセン−1,ドデセン−1等の直
鎖モノオレフィン、3−メチルブテン−1;3−メチル
ペンテン−1;4−メチルペンテン−1;2−エチルヘ
キセン−1;2,2,4−トリメチル−ペンテン−1等
の分枝鎖モノオレフィンあるいはスチレン等の芳香族核
で置換されたモノオレフィンである。
【0019】また、非共役ポリエンとしては、例えば、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7
−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジ
エン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,
4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−ジメチ
ル−4−tert−ブチル−2,6−ヘプタジエン等の
直鎖状非共役ジエン、1,5,9−デカトリエン等の直
鎖状非共役トリエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ポリ
エンなどが挙げられる。これらの中でも、直鎖状非共役
ポリエンが好適であり、特に1,7−オクタジエン、
1,9−デカジエン、1,5,9−デカトリエンなどが
好適である。
【0020】重合反応は、反応媒体中で行なわれ、生成
重合体が反応媒体に溶解する加熱条件下で連続式または
回分式で行なうことができる。反応媒体としては、前記
の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等
の不活性溶液を用いることができる。反応温度は、生成
重合体が反応媒体に溶解する温度、通常140℃以上、
特に180〜220℃とすることが好ましい。すなわ
ち、生成重合体溶液の液粘度が低下して装置運転上に好
ましい温度とする。その他の重合条件は、所望の重合体
の物性、使用単量体の種類等により一義的に決定するこ
とはできないが、通常、触媒濃度は、チタン濃度で0.
001〜10ミリモル/l、好ましくは0.001〜
1.0ミリモル/lである。また、反応圧力は通常10
〜150Kg/m2、特に20〜70Kg/m2とするの
が好ましい。さらに、重合反応系中に水素等の分子量調
節剤を存在させてもよい。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例1 1リットルの連続重合反応容器に接続した触媒調合ライ
ン中に、乾燥したn−ヘキサンを7.5リットル/時
間、エチルアルミニウムセスキクロリドを1.32mm
ol−A1原子/時間、ジヘキシルマグネシウムを0.
43mmol/時間、テトラブトキシチタンを0.06
8mmol/時間、t−ブチルクロリドを0.66mm
ol/時間の割合で導入し、接触させたのちに、得られ
た触媒を表1に示す時間後に重合反応容器に供給した。
同時にエチレンを700g/時間、1−オクテンを50
0g/時間、水素を0.15g/時間の割合で重合反応
容器に連続導入し、反応温度175℃、反応圧力70K
g/mGの条件下で0.11時間の重合反応を行ない、
エチレン系共重合体を得た。
【0022】実施例2 1リットルの連続重合反応容器に接続した触媒調合ライ
ン中に、乾燥したn−ヘキサンを7.5リットル/時
間、エチルアルミニウムジクロリドを1.32mmol
−A1原子/時間、ブチルエチルマグネシウムを0.6
6mmol/時間で導入し、さらにテトラブトキシチタ
ン0.068mmol/時間、イソプロピルクロリド
0.33mmol/時間の割合で混合したものを導入
し、接触させたのちに、得られた触媒を表1に示す時間
後に重合反応容器に供給した、同時にエチレンを700
g/時間、1−オクテンを500g/時間、水素を0.
15g/時間の割合で重合反応容器に連続導入し、反応
温度175℃、反応圧力70Kg/mGの条件下で0.
11時間の重合反応を行ない、エチレン系共重合体を得
た。
【0023】実施例3 t−ブチルクロリドを四塩化塩素0.17mmol/時
間に代えた以外は実施例1と同様に行なった。実施例4 コモノマーを1−オクテンから1−ブテン400g/時
間に代えた以外は実施例1と同様に行なった。実施例5 触媒成分をモノマーと接触させるまでの時間を50秒と
した以外は実施例1と同様に行なった。実施例6 触媒成分をモノマーと接触させるまでの時間を10秒と
した以外は実施例2と同様に行なった。実施例7 コモノマーとしてさらに1,9−デカジエンを1.4g
/時間の割合で導入した以外は実施例1と同様に行なっ
た。
【0024】比較例1 触媒成分をモノマーと接触させるまでの時間を300秒
とした以外は実施例1と同様に行なった。比較例2 触媒成分をモノマーと接触させるまでの時間を300秒
とした以外は実施例2と同様に行なった。比較例3 触媒成分をモノマーと接触させるまでの時間を300秒
とした以外は実施例3と同様に行なった。比較例4 触媒成分をモノマーと接触させるまでの時間を300秒
とした以外は実施例4と同様に行なった。比較例5 触媒成分のうちテトラブトキシチタンのみを別のライン
から0.068mmol/時間の割合で重合器に導入
し、重合器内で触媒を調製した以外は実施例1と同様に
行なった。
【0025】上記実施例、比較例で用いた活性及び得ら
れた重合物の物性の測定結果を表1に示す。なお、表1
の物性は次のようにして求めた。 (1)触媒活性:1時間当たりのポリマー生産量を1時
間当たりに導入したTi原子のグラム数で割って求め
た。 (2)MI(メルトインデックス):JIS K−72
10に準拠して測定した。 (3)メルトフローレート(MFR):測定条件とし
て、試験温度230℃及び試験荷重2.15Kgfを用
い、JIS K−7210に準拠して測定した。(4)
密度:JIS K−7112に準拠して求めた。 (5)フィルム衝撃強度:得られた共重合体を20mm
φの小型キャスト成形機で厚さ25μmのフィルムに成
形し、ASTM 0342に準拠して測定した。 (6)ヒートシール温度:フィルム衝撃強度試験と同様
にして成形したフィルムを用い、シール幅1cm×2c
m、荷重300gの条件下におけるヒートシール温度を
求めた。
【0026】
【表1】
【0027】上記実施例及び比較例から明らかなよう
に、本発明においては、175℃の高温度での重合にお
いても十分に高い活性を有する触媒を容易に調製でき
とともに、得られるポリマーは、分子量分布が狭く、フ
ィルム衝撃強度等の機械的特性やヒートシール性等の
に優れている
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温においても高い活性を有する触媒を容易に調製する
ことができるとともに、分子量分布が狭く、かつフィル
ムヒートシール性、フィルム衝撃強度等の諸物性に優れ
たエチレン系重合体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−126110(JP,A) 特開 昭62−292805(JP,A) 特開 昭63−248804(JP,A) 特開 昭63−264607(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分,(B)成分,(C)成
    分及び(D)成分を接触させて触媒を調製した後、5〜
    60秒以内に、該触媒を用いてエチレンの単独重合又は
    エチレンと他のオレフィン及び/又は非共役ポリエンと
    の共重合を開始することを特徴とするエチレン系重合体
    の製造方法。 (A)下記一般式(1)または(2)に示す有機アルミニウム化合物 1 m AlX 1 3-m …(1) 1 3 Al 2 1 3 …(2) (式(1)(2)中、R 1 は炭素数1〜20のアルキル
    基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数1〜20のア
    ルコキシ基または炭素数6〜20のアリールオキシ基を
    示し、X 1 はハロゲン原子を示す。また、mは0<m≦
    3を満たす実数である。なお、mが複数のとき各R 1
    同じでも異っていてももよい。) (B)下記一般式(3)に示すマグネシウム化合物 MgR 3 4 …(3) (式中R 3 は炭素数1〜18のアルキル基または炭素数
    6〜18のアリール基を示し、R 4 は炭素数1〜18の
    アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6
    〜18のアリール基またはハロゲン原子を示す。) (C)下記一般式(4)に示すチタン化合物 Ti(OR 5 n 2 4-n …(4) (式中R 5 は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜
    18のシクロアルキル基または炭素数6〜18のアリー
    ル基を示し、X 2 はハロゲン原子を示す。また、nは0
    ≦n≦4を満たす実数である。) (D)ハロゲン化炭化水素(炭素数1〜18の脂肪族ハロゲン化炭化水素もしく は炭素数6〜15の芳香族ハロゲン化炭化水素)、または下記一般式(5)に示 すハロゲン化シリコン化合物 Si(OR 6 p 3 4-p …(5) (式中、R 6 はアルキル基、シクロアルキル基またはア
    リール基を示し、X 3 は塩素、臭素等のハロゲン原子を
    示し、pは0〜3.0の間の実数を示す。)
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