JP4409209B2 - 回路部品内蔵モジュールの製造方法 - Google Patents

回路部品内蔵モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面実装タイプであって、特に小型、高密度、および高効率であることが求められる携帯情報端末等に好適に用いられる回路部品、回路部品実装体、および回路部品内蔵モジュールと、回路部品実装体および回路部品内蔵モジュールの製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気・電子機器の小型化および高密度化に伴い、個別部品を基板上に実装して電気回路を形成する従来の方法に対し、機能ブロックごとに複数の部品を1つのパッケージとしてモジュール化する手法が多く用いられている。このように形成されたモジュールは、必要な部品をドーター基板に片面実装もしくは両面実装して形成されることが一般的である。しかしながら、基板表面上に個別部品を搭載する方法では、搭載する部品の面積よりもモジュール面積を小さくすることは不可能であるため、高密度化には限界があった。また、この方法の場合、平面内に部品を配置するので、配置する部品の構成によっては部品間の接続距離が長くならざるを得なくなり、抵抗損失の増大や、高周波に対するインピーダンス整合の問題が生じていた。
【0003】
このため、部品を基板表面に2次元的に実装するだけではなく、基板内部にも配置して、3次元的な部品配置を行うモジュールの提案がなされている。このような形態のモジュールの製造方法としては、例えば、セラミック基板に空隙を設けてその空隙部分に部品を配置する方法や、多層プリント配線板の内部に空隙部分を設けてその空隙部分に部品を配置する方法等がある。
【0004】
しかしながら、セラミック基板に空隙を設けてその空隙部分に部品を配置する方法の場合、焼成工程が含まれるため半導体や有機物を含む回路部品を基板内部に内蔵することができなかった。そのため、空隙を設けて回路部品を配置した部分の上部に部品を実装することができず、低背化は図れるものの実際には3次元的な部品配置ができなかった。このため、この方法による高密度化には限界があった。また、セラミック基板を用いた場合、層間の接続がタングステンやモリブデンといった高抵抗金属を焼結したビアを介して行われるため、接続抵抗が比較的大きくなっていた。このことは、特に損失が問題となる電源回路等においては大きな課題であった。
【0005】
一方、多層プリント配線板に空隙を設けてその空隙部分に部品を配置する方法の場合、スルーホール接続により低抵抗の層間接続が可能であるが、プリント配線板の熱伝導率が低いため、基板内部に配置された部品から発生した熱が外部に伝わりにくく、放熱が困難であった。このため、実際の設計においては温度上昇を考慮しなければならず、部品の高密度化ができなくなるという問題があった。また、プリント配線板の厚み方向の熱膨張係数は約60ppm/℃前後であり、めっき材料である銅の熱膨張係数(17ppm/℃)との差が大きいので、その接続信頼性にも問題があった。
【0006】
そこで、以上のような問題を解決して高密度化および高信頼性を実現できる回路部品内蔵モジュールが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この回路部品内蔵モジュールは、少なくとも無機フィラー70〜95重量%と熱硬化性樹脂組成物とを含む混合物からなる電気絶縁性基板の内部に、少なくとも1つ以上の能動部品および/または受動部品を内蔵し、かつ、複数設けられた配線パターン間を導電性樹脂組成物よりなるインナービアで電気的に接続している。この回路部品内蔵モジュールによれば、3次元的な部品配置による高密度化が可能になり、また熱膨張係数の整合による信頼性の向上も見込むことができる。
【0007】
このような回路部品内蔵モジュールに使用される回路部品は、主に表面実装タイプの部品である。これは、基板に対して高密度に実装することが重要であるためである。これらの表面実装タイプの部品を基板に実装する場合には、通常、基板に配置された配線パターン上に部品を搭載し、その電極部分と配線パターンとをはんだや導電性接着剤等で電気的に接続する。図18には、表面実装タイプの回路部品101を、配線パターン105が設けられた基板104上に搭載した様子が示されている。この回路部品101は、部品本体部102と、部品本体部102の両端に設けられた外部電極103とにより構成されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−220262号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平10−97942号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平3−2号公報
【0011】
【特許文献4】
特開平6−29102号公報
【0012】
【特許文献5】
特開平8−241827号公報
【0013】
【特許文献6】
特開昭58−27314号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常の表面実装タイプの回路部品を用いる場合、その両端に形成されている外部電極部分の厚みは部品本体部の厚みよりもやや厚くなっている。これは、外部電極を設ける際には、部品本体部の表面に金属ペースト等を塗布して焼成した後、さらにめっき膜を設けることが多いため、必然的に厚くなってしまうからである。このため、図18に示すように、配線パターン105が設けられた基板104上に搭載した場合に、回路部品101の部品本体部102と基板104および配線パターン105からなる実装部材との間に隙間106が生じてしまう。このような隙間106が存在すると、回路部品101を電気絶縁性材料に内蔵して回路部品内蔵モジュールを作製する際に、内蔵時に加えられる圧力により回路部品101に割れが生じてしまうという問題があった。
【0015】
また、配線パターンと接続させた回路部品を電気絶縁性材料に内蔵する工程においては、内蔵後に電気絶縁性材料を硬化させるために加熱を行う必要がある。従って、回路部品をはんだ等の低融点金属で配線パターンと接続させている場合、加熱工程によって温度がこの低融点金属の溶融点に達すると、この低融点金属が回路部品と配線パターンとの隙間に流れ込み、配線の短絡が生じてしまうという問題もあった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の回路部品内蔵モジュールの製造方法は、部品本体部および前記部品本体部の端部に設けられた外部電極を含んでおり、前記部品本体部は、前記外部電極が設けられた部分の厚みが他の部分の厚みよりも小さく、かつ、前記外部電極が設けられた部分の厚みの最小値が他の部分の厚みの90%以下であり、前記外部電極は、前記部品本体部の実装面を含む基準面に対して前記部品本体部が位置する側の領域に配置されている回路部品を用意する第1の工程と、配線パターンが設けられた回路基板上の所定の領域に、前記外部電極と前記回路基板との間には隙間を設け、かつ、前記部品本体部の実装面と前記回路基板との間には隙間が生じないように前記回路部品を配置し、前記回路部品の前記外部電極と前記配線パターンとの間にはんだを配置して、前記部品本体部の実装面と前記回路基板とが接するように前記回路部品と前記回路基板とを一体化し、回路部品実装体を作製する第2の工程と、無機フィラーおよび未硬化の熱硬化性樹脂を含む混合物を、貫通孔を有するシート状体に加工する第3の工程と、前記回路部品実装体と、前記貫通孔内に未硬化の導電性材料を充填したシート状体とを積層した積層体を加熱し加圧することにより、前記回路部品実装体の前記回路部品を前記シート状体内に埋設された回路部品内蔵基板を作製する第4の工程と、前記回路部品内蔵基板の少なくとも一方の外面に別の回路部品を実装する第5の工程と、を含むことを特徴としている。ただし、部品本体部の実装面とは、部品本体部において、回路部品を回路基板に実装する際に回路基板と対向する面であって、その全体が回路基板に接する面のことである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の回路部品によれば、実装部材に実装した際に部品本体部と実装部材との間に隙間が生じにくいので、実装部材上に実装された状態で圧力を加えられても破損しにくい。さらに、例えば回路部品が低融点金属にて実装部材に実装されている場合であっても、この低融点金属が部品本体部と実装部材との間の隙間に流れ込みにくいので、配線の短絡も生じにくい。従って、このような回路部品を用いれば、高密度で信頼性の高い回路部品内蔵モジュールを提供できる。また、部品本体部において、外部電極が設けられた部分の厚みの最小値が他の部分の厚みの90%以下であるので、外部電極によって回路部品の厚みが増加することを抑制できる。また、配線パターンが表面から突出している実装部材に実装する場合等では、部品搭載の位置精度が向上するという効果も得られる。
【0023】
本発明の回路部品においては、前記外部電極の前記基準面に対向する面が、前記基準面に対して傾斜角10°以上50°以下で傾斜していることが好ましい。実装部材に実装する際に、外部電極が実装部材に設けられた配線パターンに接触して部品本体部が実装部材から浮かないように配線パターンを設計する必要がなくなり、配線パターン設計の自由度や部品実装の自由度が向上するからである。
【0024】
本発明の回路部品においては、前記外部電極の前記基準面に対向する面と前記基準面との間の距離の最大値が、30μm以上100μm以下であることが好ましい。30μm以上とすることにより、実装部材に実装した際に外部電極と実装部材との間にさらに十分な隙間を生じさせて、実装部材に設けられる配線パターンの設計の自由度や部品実装の自由度をより向上させることができる。100μm以下とすることにより、外部電極と実装部材との間の接続抵抗の増加や接続信頼性の低下を抑制できる。
【0025】
本発明の回路部品は、前記外部電極が前記基準面に配置されていないことが好ましい。回路部品を実装部材に実装する際に、部品本体部と実装部材との密着性を高くできるので、部品本体部と実装部材との間に導電性材料が流れ込んで外部電極間でショートするのを抑制できるからである。なお、導電性部材は、回路部品の外部電極と実装部材とを電気的に接続するために用いられるものである。
【0026】
本発明の回路部品は、表面実装用のチップ部品であることが好ましい。表面実装用のチップ部品とすることにより高密度実装が可能となるので、回路部品内蔵モジュールの小型化にも繋がるからである。表面実装用のチップ部品としては、抵抗器、コンデンサ、およびインダクタからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
【0027】
次に、本発明の回路部品実装体について説明する。
【0028】
本発明の回路部品実装体によれば、回路部品の部品本体部と実装部材との間に隙間が生じにくいので、圧力を加えても回路部品が破損しにくい。さらに、例えば回路部品の外部電極と配線パターンとを電気的に接続する導電性材料が低融点金属であっても、この低融点金属が部品本体部と実装部材との間の隙間に流れ込みにくいので、配線の短絡も生じにくい。従って、このような回路部品実装体を用いることにより、高密度で信頼性の高い回路部品内蔵モジュールの提供が可能となる。なお、回路部品は部品本体部と実装部材とが接するように実装部材上に配置されているが、少なくとも部品本体部の中央部分が実装部材に接していることが好ましい。
【0029】
本発明の回路部品実装体においては、配線パターンが支持体の表面から突出していないことが好ましい。支持体の表面から突出しないように配線パターンを形成すれば、回路部品の部品本体部が支持体の表面から浮かないように配線パターンを設計する必要がなくなり、配線パターン設計の自由度や回路部品実装の自由度が向上するからである。
【0030】
本発明の回路部品実装体においては、支持体には、電気絶縁性材料を含む回路基板またはキャリアフィルムを用いることができる。また、この際に用いる回路基板を、前記電気絶縁性材料中に配線パターンが複数層設けられた多層配線構造とすることも可能である。
【0031】
本発明の回路部品実装体においては、導電性材料は、はんだ、または、金属粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂組成物であることが好ましい。はんだは、Pb、Cu、Zn、Sn、Ag、およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属を主成分として含むことが好ましい。これらの金属は低融点であり、比較的低温で接続できるため、実装部材や回路部品等に樹脂が用いられている場合に、その樹脂への熱ダメージを少なくできるからである。金属粉末としては、Au、Ag、Cu、Ni、Pd、およびPtからなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属を含むことが好ましい。これらの金属は低抵抗であり、且つ安定であるからである。
【0032】
本発明の回路部品実装体においては、前記回路部品の前記部品本体部において、前記外部電極が設けられた部分の厚みの最小値が、他の部分の厚みの90%以下であることが好ましい。これによれば、外部電極による回路部品の厚み増加を抑制できるので、回路部品実装体の厚みも抑制できる。
【0033】
本発明の回路部品実装体においては、前記回路部品の前記外部電極の前記基準面に対向する面が、前記基準面に対して傾斜角10°以上50°以下で傾斜していることが好ましい。外部電極が配線パターンに接触して部品本体部が実装部材から浮かないように配線パターンを設計する必要がなくなり、配線パターン設計の自由度や部品実装の自由度が向上するからである。
【0034】
本発明の回路部品実装体においては、前記回路部品の前記外部電極の前記基準面に対向する面と前記基準面との間の距離の最大値が、30μm以上100μm以下であることが好ましい。外部電極と実装部材との間にさらに十分な隙間を生じさせて、配線パターンの設計の自由度や部品実装の自由度をより向上させることができ、かつ、隙間を設けることによる外部電極と実装部材との間の接続抵抗の増加や接続信頼性の低下を抑制できるからである。
【0035】
本発明の回路部品実装体においては、前記回路部品は表面実装用のチップ部品であることが好ましい。表面実装用のチップ部品とすることにより高密度実装が可能となるので、回路部品内蔵モジュールの小型化にも繋がる。表面実装用のチップ部品としては、抵抗器、コンデンサ、およびインダクタからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
【0036】
本発明の回路部品実装体においては、前記外部電極が前記基準面に配置されていないことが好ましい。部品本体部と実装部材との密着性を高くできるので、部品本体部と実装部材との間に導電性材料が流れ込んで外部電極間でショートすることを抑制できるからである。
【0037】
本発明の回路部品実装体においては、前記導電性材料は、前記基準面に対して前記実装部材が位置する側の領域に突出していないことが好ましい。部品本体部と実装部材との密着性を高くするためである。
【0038】
本発明の回路部品実装体の製造方法によれば、上記したような本発明の回路部品実装体を作製できる。
【0039】
次に、本発明の回路部品内蔵モジュールについて説明する。
【0040】
本発明の回路部品内蔵モジュールによれば、高密度で信頼性の高い回路部品内蔵モジュールを提供できる。
【0041】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、電気絶縁性部材が無機フィラーおよび熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。放熱性を良好にして回路部品の高密度化を実現するためである。
【0042】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記電気絶縁性部材に設けられ、前記第1の配線パターンと電気的に接続された第2の配線パターンをさらに含むことが好ましい。また、前記第2の配線パターンが複数設けられており、前記第1の配線パターンは、前記複数の第2の配線パターンのうち少なくとも一つと、前記電気絶縁性部材に設けられたインナービアにより電気的に接続されていることが好ましい。
【0043】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記第1の配線パターンが支持体上に設けられており、前記第1のパターンが前記支持体の表面から突出していないことが好ましい。また、支持体には、電気絶縁性材料を含む回路基板を用いることができる。また、この際に用いる回路基板を、前記電気絶縁性材料中に前記第1の配線パターンが複数層設けられた多層配線構造とすることも可能である。
【0044】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記導電性材料が、はんだ、または、金属粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂組成物であることが好ましい。はんだは、Pb、Cu、Zn、Sn、Ag、およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属を主成分として含むことが好ましい。金属粉末は、Au、Ag、Cu、Ni、Pd、およびPtからなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属を含むことが好ましい。
【0045】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記回路部品の前記部品本体部において、外部電極が設けられた部分の厚みの最小値が、他の部分の厚みの90%以下であることが好ましい。
【0046】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記回路部品の前記外部電極の前記基準面に対向する面が、前記基準面に対して傾斜角10°以上50°以下で傾斜していることが好ましい。
【0047】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記回路部品の前記外部電極の前記基準面に対向する面と前記基準面との間の距離の最大値が、30μm以上100μm以下であることが好ましい。
【0048】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記回路部品の前記外部電極が前記基準面には配置されていないことが好ましい。
【0049】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記回路部品が表面実装用のチップ部品であることが好ましい。チップ部品は、抵抗器、コンデンサ、およびインダクタからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
【0050】
本発明の回路部品内蔵モジュールにおいては、前記導電性材料は、前記基準面に対して前記実装部材が位置する側の領域に突出していないことが好ましい。
【0051】
以上のように、本発明の回路部品内蔵モジュールに本発明の回路部品や回路部品実装体と同様の構成のものを適用することにより、より高密度で信頼性の高い回路部品内蔵モジュールを実現できる。
【0052】
本発明の第1および第2の回路部品内蔵モジュールの製造方法によれば、上記したような本発明の回路部品内蔵モジュールを作製できる。また、本発明の第1および第2の回路部品内蔵モジュールの製造方法においては、回路部品実装体の支持体がキャリアフィルムである場合、回路部品をシート状体内に埋設する工程の後に、前記キャリアフィルムに設けられている配線パターンを前記シート状体に残して、前記キャリアフィルムのみを剥離する工程をさらに含むことが好ましい。この方法によれば、厚みが薄く体積の小さい回路部品内蔵モジュールが実現できる。
【0053】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0054】
(実施の形態1)
本発明に係る回路部品の一実施形態について説明する。
【0055】
図1(a)は、本実施の形態の回路部品1を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示した回路部品1を二点鎖線Aで示す箇所で切断した場合の断面図である。
【0056】
回路部品1は、部品本体部11と、部品本体部11の両端部に配置された外部電極12とを備えている。図1(a)および図1(b)においては、部品本体部11の下面が部品本体部11の所定の面である実装面11aであり、図1(b)に示すように、この実装面11aによって実装基準面13aが決定される。なお、実装面11aとは、部品本体部11において、回路部品1を実装部材(図1(a)および(b)には図示せず。)に実装した際に実装部材と対向する面のことであり、実装基準面13aとは、部品本体部11の実装面11aを含む面のことである。また、便宜上、ここでは、実装基準面13aに対して部品本体部11が位置する側を上側、その反対側、すなわち回路部品1を実装部材に実装した場合に実装部材が位置する側を下側として説明する。
【0057】
回路部品1において、外部電極12は、部品本体部11の両端部の表面に設けられており、かつ実装基準面13aに対して上側の領域に設けられている。部品本体部11において、外部電極12が設けられた部分11cは他の部分(中央部分)よりも薄く形成されており、先端部に向かって連続的に薄くなるような形状となっている。このような形状によれば、実装部材に実装する際に、実装部材に設けられている配線パターンに外部電極が接触して部品本体部が実装部材から浮いてしまうおそれが少なくなるので、実装部材の配線パターン設計の自由度や部品実装の自由度が向上するという効果も得られる。外部電極12の実装基準面13に対向する面(以下、下面という。)12aは、実装基準面13aに対して傾斜角θで傾斜している。この傾斜角θは、回路部品1を実装部材上に実装した場合に外部電極12の下面12aと実装部材との間に十分な隙間が生じるように設定されていればよく、10°以上とすることが好ましい。また、小型な回路部品に対して、接続に十分な外部電極部分を得ることができ、また実装部材の部品接続面との間の隙間が大きくなり過ぎないという理由から、傾斜角θは50°以下とすることが好ましい。また、外部電極12の下面12aと実装基準面13aとの間の距離の最大値は、30μm以上とすることが好ましい。また、実装基準面13aには外部電極12が配設されていないことが好ましい。
【0058】
図2は、電気絶縁性材料を含む回路基板(支持体)5に配線パターン6が設けられた実装部材に回路部品1が実装された回路部品実装体を示す断面図である。本実施の形態においては、回路基板5上に配線パターン6が配置されており、この配線パターン6と回路部品1の外部電極12とが導電性材料7により電気的に接続されている。回路部品1の部品本体部11の実装面11aと回路基板5とは接触しているが、回路部品1の外部電極12は、図1(b)に示したように実装基準面13aに対して上側の領域に設けられているため、外部電極12の下面12aと回路基板5上に設けられた配線パターン6との間には隙間8が生じている。また、外部電極12は、部品本体部11の上面11bにより決定される高さ基準面13bよりも下側に形成されている。従って、外部電極12による部品の厚み増加が抑制できる。また、導電性材料7は部品本体部11の実装面11aよりも実装部材側に突出していないため、回路基板5と部品本体部11との間に隙間が生じない。なお、本実施の形態においては部品本体部11の実装面11aの全体が回路基板5に接しているが、必ずしも全面が接している必要はなく、実装面11aにおいて、両端に設けられた外部電極12間の領域(図2において紙面と直交する方向に延びる領域)が回路基板5に接していることが好ましい。
【0059】
回路基板5としては、特に限定されず、一般的に使用されるプリント配線基板およびセラミック基板等が使用できるが、回路部品1が電気絶縁性部材内に埋設された回路部品内蔵モジュールを作製する場合には、使用する電気絶縁性部材と同じ材料にて形成された回路基板を用いることが好ましい。このようにすれば、回路部品1を内蔵する電気絶縁性部材と回路基板5との熱膨張差がなくなるため、回路基板5上に回路部品1が実装された回路部品実装体を用いて、信頼性の高い回路部品内蔵モジュールを作製することが可能となる。
【0060】
導電性材料7としては、はんだ、あるいは金属粉末と熱硬化性樹脂とを含んだ導電性樹脂組成物を用いることができる。はんだは、Pb、Cu、Zn、Sn、Ag、およびInからなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属を主成分として含むことが好ましい。これらの金属は低融点であり、比較的低温で接続できるため、回路基板5や回路部品1に樹脂が用いられている場合にその樹脂へのダメージを少なくできるからである。また、金属粉末は、Au、Ag、Cu、Ni、Pd、およびPtからなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属を含むことが好ましい。これらの金属は低抵抗であり、かつ安定だからである。
【0061】
以上のように、実装時に外部電極12と実装部材との間に空間が設けられるように形成された回路部品1によれば、実装部材に実装した状態で回路部品1の部品本体部11と実装部材との間に隙間をほとんど生じさせることなく、回路部品1と配線パターン6とを電気的に接続できる。このため、回路基板5上に実装された回路部品1を電気絶縁性部材内に内蔵する場合でも、内蔵時に加えられる圧力による回路部品1の割れ等の破損を防ぐことができる。従って、実装後の加圧等に対して破壊されにくい回路部品1および回路部品実装体を提供することにより、高密度で信頼性の高い回路部品内蔵モジュールの提供も可能となる。また、実装された状態において部品本体部11と回路基板5との間に隙間がほとんどないので、外部電極12と配線パターン6とが例えば低融点金属にて接続されていたとしても、加熱処理によって溶融した低融点金属が部品本体部11と実装部材との間に流れ込みにくい。そのため、配線の短絡を防ぐことができる。また、外部電極12と実装部材との間に隙間ができるような構成になっているので、実装部材に設けられた配線パターン6で回路部品1が浮かないように配線パターン設計をする必要がない。従って、配線パターン設計の自由度や、部品実装の自由度等も向上する。
【0062】
また、実装時に外部電極12と実装部材との間に空間が設けられるように形成された回路部品11によれば、実装部材に実装した状態で回路部品1の部品本体部11と実装部材との間に隙間をほとんど生じさせることなく配置することができるので、回路部品1の実装位置精度が高くなる。
【0063】
なお、本実施の形態の回路部品1は、図1(a)および(b)に示したように、実装面に相当しない面側、すなわち上面側においても、外部電極12が部品本体部11の薄く形成された部分の表面にのみ形成された構成になっているが、上面側においては部品本体部11の薄く形成されていない部分の表面上に設けられていても構わない。
【0064】
また、本実施の形態においては、回路部品実装体の実装部材として、回路基板5と回路基板5に設けられた配線パターン6とを含む部材を使用したが、回路基板5のかわりにキャリアフィルムを用いた実装部材(キャリアフィルム上に配線パターンが形成された実装部材)を使用することも可能である。
【0065】
次に、本発明に係る回路部品の製造方法の一実施形態について説明する。図3(a)〜(e)は、回路部品1の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0066】
図3(a)に示すように、無機粉末と有機バインダとを含む混合物をシート状に成形したグリーンシート14上の所定の領域に、金属粉末と有機バインダとを含む導電性ペースト15を塗布(印刷)する。
【0067】
次に、図3(b)に示すように、導電性ペースト15が塗布されたグリーンシート14を複数枚準備してこれらを重ね合わせ、さらに最上層に導電性ペースト15が印刷されていないグリーンシート14を重ね合わせた後、積層方向に加圧してグリーンシート14および導電性ペースト15の積層体16を作製する。なお、この導電性ペースト15は、完成後は回路部品の内部電極として機能する。
【0068】
次に、図3(c)に示すように、この積層体16を所定の切断位置17で切断して、所定の大きさに加工する。
【0069】
その後、所定の大きさに加工された積層体16を焼成する。積層体16には導電性ペースト15が含まれているが、積層体16の両端部分では導電性ペースト15の印刷部分が中央部分に比べて少なく塗布されている。この導電性ペースト15はグリーンシート14よりも焼成時の収縮率が小さいものである。そのため、焼成時の収縮率の違いにより、両端部分が中央部分よりも薄く形成される。この両端部分が外部電極を形成する部分となる。すなわち、この積層体16を焼成することにより、図3(d)に示すような、櫛形構造の内部電極19が設けられた、外部電極を形成する部分(両端部分)の厚みが中央部分の厚みよりも薄いセラミック焼結体18を作製できる。なお、ここでは、焼成によって両端部分の上下面が共に傾斜した回路部品についてのみ示しているが、グリーンシート14のサイズが下面側にいくに従い連続的に小さくなるように積層しておけば、下面のみが傾斜した形状のものを作製することも可能である。
【0070】
その後、図3(e)に示すように、セラミック焼結体18(部品本体部11に相当する。)の両端部分の表面に外部電極12を形成する。なお、本実施の形態の回路部品1においては、外部電極12をセラミック焼結体18の両端部分の表面全体に形成しているが、両端部分の少なくとも一部の領域に形成すればよい。
【0071】
以上の工程により、回路部品1が製造される。次に、回路部品1の作製に用いられる材料について説明する。
【0072】
まず、グリーンシート14を作製するために用いられる無機粉末は、回路部品の使用上の特性に応じて適宜決定すればよい。例えば、グリーンシート14を用いて積層セラミックコンデンサを作製する場合は、BaTiO3、BaZrO3、CaZrO3、SrTiO3、BaSnO3、CaSnO3、PbTiO3、MgO、MgTiO3、NiSnO3、MgZrO3、またはCaTiO3等からなる高誘電体の無機粉末を、単体あるいは混合物として使用できる。また、グリーンシート14を用いてセラミック基板を作製する場合は、高温焼成用として例えばAl23、AlN、SiC、CaO、MgO、SiO2、Y23、またはBaO等からなる無機粉末を単体あるいは混合物として使用でき、低温焼成用として例えばAl23、MgO、ZrO2、TiO2、SiO2、BeO、BN、またはCaO等の無機粉末とコージェライト、ムライト、およびホウ珪酸ガラス等のガラスとの混合物を使用できる。また、グリーンシート14を用いてインダクタを作製する場合は、例えばNiZnフェライトやNiZnCuフェライト等が使用できる。
【0073】
また、グリーンシート14に用いられる有機バインダとしては、一般的に使用されるものから適宜選択すればよく、例えば、繊維誘導体であるエチルセルロースやアセチルセルロース、樹脂系であるアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等が使用できる。さらに、混合物の低粘度化のための溶剤や、分散剤、可塑剤、離型剤等を加えてもよい。
【0074】
グリーンシート14の製造方法としては、通常の積層セラミックコンデンサやセラミック基板等の作製に用いられる方法から適宜選択すればよく、例えば、ドクターブレード法やスロットダイ法等が使用できる。
【0075】
次に、導電性ペースト15に用いられる金属粉末には、例えば、Pd、Ag−Pd、Ni、Cu、またはAg等が使用できる。また、導電性ペースト15に用いられる有機バインダには、グリーンシート14の有機バインダに使用した各材料が使用できる。また、その他に、粘度調整のための溶剤や、分散剤、可塑剤、離型剤等を添加することも可能である。
【0076】
図3(b)に示したグリーンシート14の積層時においては、印刷された導電性ペースト15に含まれる溶剤等を除去するために、あらかじめ乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度および乾燥時間は、添加されている溶剤の種類により適宜決定すればよい。
【0077】
積層体16を焼成してセラミック焼結体18を作製する際の温度や雰囲気は、グリーンシート14の材料や内部電極19となる導電性ペースト15の種類により適宜決定すればよい。通常、焼成プロセスは有機バインダ除去工程とセラミック焼成工程とに分けられ、それぞれの工程において最適の温度および雰囲気に設定される。焼成温度としては、例えば、700℃〜1300℃の範囲から設定できる。雰囲気としては、窒素ガス、水素ガス、炭酸ガス、および水蒸気等から単体もしくは混合物として選択できる。
【0078】
また、上述したように、導電性ペースト15を含む積層体16は、焼成時の収縮率の違いにより両端部分を中央部分より薄く焼成できる。ここでは、低背化するために、外部電極が設けられる部分(両端部分)の厚みの最小値を、外部電極が設けられていない他の部分(中央部分)の厚みの90%よりも小さくすることが好ましい。
【0079】
外部電極12としては、例えば、Ag、Cu等の金属を使用できる。本実施の形態では、これらの金属を予めペースト状にしておき、セラミック焼結体18の外部電極を形成する部分である端部表面に予めこの金属ペーストを塗布して再度焼き付けることにより、外部電極12を形成する。また、図3(c)に示した状態の積層体16の外部電極を形成する部分である端部表面にこの金属ペーストを塗布しておき、セラミック焼成工程と同時にこの金属ペーストも焼成して外部電極12を形成してもよい。また、外部電極12の表面に、Ni、Sn、Pd、およびはんだ等を用いてめっき処理を施してもよい。このようなめっき処理を施すことにより、濡れ性や耐酸化性が向上し、実装性が良好になるからである。
【0080】
図2に示した本実施の形態の回路部品実装体は、以上のように作製した回路部品1を実装部材に実装することにより形成される。具体的には、導電性材料7として例えばはんだペーストを用意し、メタルマスクを用いて実装部材の配線パターン6上にはんだペーストを印刷する。その後、回路部品1を配線パターン6にはんだ付けすることにより回路部品実装体を作製する。また、導電性材料7として金属粉末と熱硬化性樹脂とを含んだ導電性樹脂組成物を用いる場合は、はんだペーストの場合と同様に配線パターン6上に導電性樹脂組成物を印刷してから回路部品1を配線パターン6上に搭載し、その後、加熱炉で熱処理して導電性樹脂組成物を硬化させて回路部品1を配線パターン6に接続し、回路部品実装体を作製する。上記の熱処理時には、同時に加圧して回路部品1を実装部材に接触させることが好ましい。
【0081】
(実施の形態2)
本発明に係る回路部品の別の一実施形態について説明する。
【0082】
図4(a)は、本実施の形態に係る回路部品2を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示した回路部品2を二点鎖線Bで示す箇所で切断した場合の断面図である。
【0083】
回路部品2は、部品本体部21と、部品本体部21の両端に配置された外部電極22とを備えている。図4(a)および(b)においては,部品本体部21の下面が部品本体部21の所定の面である実装面21aであり、図4(b)に示すように、この実装面21aによって実装基準面23aが決定される。なお、実装面21aとは、部品本体部21において、回路部品1を実装部材に実装した際に実装部材と対向する面のことであり、実装基準面23aとは、部品本体部21の実装面21aを含む面のことである。また、便宜上、ここでは、実装基準面23aに対し、部品本体部21が位置する側を上側、その反対側、すなわち回路部品2を実装部材に実装した場合に実装部材が位置する側を下側として説明する。
【0084】
回路部品2において、外部電極22は、部品本体部21の両端部の表面に設けられており、実装基準面23aに対して上側の領域に配置されている。外部電極22が設けられた部分21cは他の部分(中央部分)よりも薄く形成されている。外部電極22の実装基準面23aに対向する面(以下、下面という。)22aは部品本体部21の実装面21aに対して段差を有している。すなわち、外部電極22の下面22aは部品本体部21の実装面21aからへこんだ形状となっている。このような形状によれば、実装部材に実装する際に、実装部材に設けられている配線パターンに外部電極が接触して部品本体部が実装部材から浮いてしまうおそれが少なくなるので、実装部材の配線パターン設計の自由度や部品実装の自由度が向上するという効果も得られる。外部電極22の下面22aと実装基準面23aとの間の距離は、回路部品2を実装部材上に実装した場合に外部電極22の下面22aと実装部材との間に隙間が生じるように設定されていればよく、30μm以上とすることが好ましい。また、隙間が大きすぎる場合、外部電極22と実装面との接続距離が長くなり、抵抗増加や信頼性の低下が起き易いという理由から、外部電極22の下面22aと実装基準面23aとの間の距離は100μm以下とすることが好ましい。また、外部電極22は、部品本体部21の上面21bにて決定される高さ基準面23bよりも下側に形成されているため、外部電極22によって部品の厚みが増加することもない。
【0085】
図5は、回路基板5に配線パターン6が設けられた実装部材に回路部品2が実装された回路部品実装体を示す断面図である。本実施の形態においては、回路基板5上に配線パターン6が配置されており、この配線パターン6と回路部品2の外部電極22とは導電性材料7によって電気的に接続されている。本実施の形態においては、配線パターン6が回路基板5の表面から突出しないように埋設されており、配線パターン6の表面と回路基板5の表面とがほぼ同一平面内に位置するように形成されている。回路部品2の部品本体部21の実装面21aと回路基板5とは接触しているが、回路部品2の外部電極22は実装基準面23aよりも上の領域に設けられているため、外部電極22の下面22aと回路基板5に設けられた配線パターン6との間には隙間8が生じている。
【0086】
以上のように、実装時に外部電極22と実装部材との間に空間が設けられるように形成された回路部品2によれば、実装部材に実装した状態で回路部品2の部品本体部21と実装部材との間に隙間を生じさせることなく、回路部品2と配線パターン6とを電気的に接続できる。従って、実施の形態1の回路部品1を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0087】
さらに、本実施の形態によれば、配線パターン6が回路基板5の表面から突出していないので、配線パターン6の突出により回路部品2の部品本体部21が回路基板表面から浮いてしまう可能性が少ない。このため、配線パターン6に含まれる回路部品実装用ランド間の距離を回路部品2の両端に設けられた外部電極22間の距離以上に離す必要がなく、配線パターン設計および回路部品実装の自由度がより向上する。
【0088】
なお、本実施の形態の回路部品2は、図4(a)および(b)に示したように、実装面に相当しない面側、すなわち上面側においても、外部電極22が部品本体部21の薄く形成された部分の表面にのみ形成された構成になっているが、上面側においては部品本体部21の薄く形成されていない部分の表面上に設けられていても構わない。
【0089】
次に、本発明に係る回路部品の製造方法の一実施形態について説明する。図6(a)〜(f)は、回路部品2の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0090】
まず、図6(a)に示すように、無機粉末と有機バインダとを含む混合物をシート状に成形して作製したグリーンシート24上の所定の領域に、金属粉末と有機バインダとを含む導電性ペースト25を塗布(印刷)する。
【0091】
次に、図6(b)に示すように、導電性ペースト25が印刷されたグリーンシート24を複数枚準備してこれらを重ね合わせ、さらに最上層に導電性ペースト25が印刷されていないグリーンシート24を重ね合わせた後、積層方向に加圧して、図6(c)に示すようなグリーンシートの積層体26を作製する。このとき、外部電極を形成する部分である両端部分が他の部分よりも薄く圧縮されるように加圧して、両端部分に厚みの薄い箇所27を形成する。その後、端部を所定の切断位置28で切断することにより、図6(d)に示すような所定の大きさの積層体26を形成する。
【0092】
次に、積層体26を焼成することにより、図6(e)に示すような、櫛形構造の内部電極30が設けられ、外部電極を形成する部分である両端部分が他の部分(中央部分)の厚みよりも薄い形状のセラミック焼結体29が作製される。
【0093】
その後、図6(f)に示すように、セラミック焼結体29(部品本体部21に相当する。)の両端部分の表面に外部電極22を形成する。なお、本実施の形態の回路部品2においては、外部電極22をセラミック焼結体29の両端部分の表面全体に形成しているが、両端部分の少なくとも一部の領域に形成すればよい。
【0094】
厚みの薄い箇所27を形成する方法としては、例えば、厚みの薄い箇所27を形成する領域に対応する部分に凸部を有する平板で、積層体26をプレスする方法が使用できる。また、本実施の形態においては、グリーンシート24を積層する際に厚みの薄い箇所27を形成し、その後で切断しているが、グリーンシート24を積層した後に切断を行い、その後で両端部分を圧縮して厚みを薄くしてもよい。
【0095】
なお、グリーンシート24は、実施の形態1にて説明したグリーンシート14と同様の方法および材料にて作製できる。また、導電性ペースト25は、実施の形態1で説明した導電性ペースト15と同様の方法および材料にて作製できる。さらに、積層体26を焼成してセラミック焼結体29を作製する際の焼成温度および雰囲気についても、実施の形態1の場合と同様である。また、外部電極22も、実施の形態1で説明した外部電極12と同様の方法および材料にて作製できる。
【0096】
なお、本実施の形態の外部電極22は、部品本体部21の上面21bよりも下側に位置するように形成されているが、必ずしもこのように形成される必要はなく、少なくとも下面22aが実装基準面23aよりも上側に位置するように形成されていればよい。従って、図7(a)および(b)に示す回路部品3のように、外部電極32が、部品本体部31の上面31bにて決定される高さ基準面33bよりも下側に配置されていない構成であっても構わない。なお、図7(b)において、31aは部品本体部31の実装面、32aは外部電極32の下面、33aは実装基準面を示している。
【0097】
また、このような回路部品3を図6(a)〜(f)に示した方法を用いて作製する場合は、積層体26を圧縮する際に、上下面両方から圧縮して厚みの薄い箇所27を形成するのではなく、下面からのみ圧縮するとよい。その他の工程については、図6(a)〜(f)を参照しながら説明した工程と同様で構わない。
【0098】
また、このような回路部品3を別の方法で製造することもできる。図8(a)〜(e)には、回路部品3の別の製造方法の一例が示されている。
【0099】
まず、図8(a)に示すように、所望の形状に切断した第1のグリーンシート34aと、第1のグリーンシート34aよりも少なくとも一方向の長さが短い第2のグリーンシート34bとの、長さの異なる二種類のグリーンシートを用意する。
【0100】
これらのグリーンシート34a,34bを長さが短い順に積層し、その後焼成することにより、図8(b)に示すような、下面の両端部分に切り欠き部35を有する、外部電極を形成する部分である両端部分の厚みが他の部分(中央部分)よりも薄いセラミック基板36を作製する。
【0101】
次に、図8(c)に示すように、セラミック基板36の面積の大きな面(図中、上面に相当する。)に、無機粉末と有機バインダまたは熱硬化性樹脂とを含む混合物37を印刷する。さらに、その両端に金属粉末と有機バインダまたは熱硬化性樹脂とを含む導電性混合物38を印刷する。これらの印刷物を硬化もしくは焼成させた後、図8(d)に示すように、印刷面を熱硬化性樹脂39により封止する。
【0102】
その後、図8(e)に示すように、中央部分よりも厚みの薄い両端部分の表面全体に外部電極32を形成する。これにより、図7(a)および(b)に示すような、外部電極32の下面32aが部品本体部31の実装面31aに対して段差を有する回路部品3を形成できる。なお、回路部品3においては端部全体に外部電極32を形成しているが、外部電極32は端部の少なくとも一部に形成されていればよい。
【0103】
混合物37としては、回路部品3の機能により適宜選択すればよい。例えば、回路部品3を抵抗体として用いる場合、混合物37中の無機粉末としては、カーボン、酸化ルテニウム等が使用できる。また、有機バインダとしては、実施の形態1で説明したグリーンシート14に用いられる有機バインダと同様の材料が使用できる。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、およびイミド樹脂等が使用できる。また、導電性混合物38中の金属粉末としては、例えばAg、Pd、Au、Cu、Ni、およびAlからなる群から選ばれる単体、もしくはそれらの合金や混合物が使用できる。
【0104】
また、導電性混合物38中の有機バインダもしくは熱硬化性樹脂としては、上記の混合物37の有機バインダに使用できるものと同様のものが使用できる。
【0105】
熱硬化性樹脂39としては、例えばエポキシ樹脂が使用できる。また、熱硬化性樹脂39中に無機粉末が混合されていてもよく、その場合の無機粉末としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、アルミナ等が使用できる。熱硬化性樹脂39を用いた封止方法としては、例えばトランスファ成形法、印刷法、ポッティング法等が使用できる。なお、ここでは印刷面の封止に熱硬化性樹脂39を使用したが、混合物37が印刷された回路部分を保護できれば封止の材料および封止方法は特に限定されない。例えば混合物37がセラミック基板36に焼き付けられている場合は、ガラスペーストやガラス−セラミックペーストを印刷してオーバーコートとし、これにより封止することができる。
【0106】
なお、図7(a)および(b)の回路部品3の内部構造を、回路部品1,2のように櫛形構造の内部電極を有するように形成することも可能である。
【0107】
本実施の形態の回路部品実装体は、以上のように作製した回路部品2,3を実装部材に実装することにより形成される。具体的には、実施の形態1で説明した回路部品実装体の作製方法と同様の方法で作製できる。
【0108】
(実施の形態3)
以下、本発明に係る回路部品の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0109】
図9(a)は、本実施の形態の回路部品4を示す斜視図であり、図9(b)は、図9(a)に示した回路部品4を二点鎖線Dで示す箇所で切断した場合の断面図である。
【0110】
回路部品4は、実装面41a側の両端に切り欠き部41bが設けられた部品本体部41と、切り欠き部41bの表面に設けられた外部電極42とを備えている。図9(a)および(b)においては部品本体部41の下面が部品本体部41の所定の面である実装面41aであり、図9(b)に示すように、この実装面41aによって実装基準面43aが決定される。なお、実装面41aとは、部品本体部41において、回路部品4を実装部材に実装した際に実装部材と対向する面のことであり、実装基準面43aとは、部品本体部41の実装面41aを含む平面である。また、便宜上、ここでは、実装基準面43aに対して部品本体部41が位置する側を上側、その反対側、すなわち回路部品4を実装部材に実装した場合に実装部材が位置する側を下側として説明する。
【0111】
回路部品4において、外部電極42は、部品本体部41の両端部の表面の一部(切り欠き部41bの表面)に設けられており、実装基準面43aに対して部品本体部41が位置する領域、すなわち上側の領域に配置されている。部品本体部41において、外部電極42が設けられた部分41cには切り欠き部41bが設けられ、他の部分(中央部分)よりも薄く形成されている。外部電極42の実装基準面43aに対向する面(以下、下面とする。)42aと実装基準面43aとの間の距離は、回路部品4を実装部材上に実装した場合に外部電極42の下面42aと実装部材との間に隙間が生じるように設定されていればよく、30μm以上とすることが好ましい。また、隙間が大き過ぎる場合、外部電極42と実装面との接続距離が長くなり、抵抗増加や信頼性の低下が起き易いという理由から、外部電極42の下面42aと実装基準面43aとの間の距離は100μm以下とすることが好ましい。
【0112】
図10は、キャリアフィルム(支持体)9に配線パターン6が設けられた実装部材に回路部品4が実装された回路部品実装体を示す断面図である。本実施の形態においては、キャリアフィルム9上に配線パターン6が設けられており、この配線パターン6と回路部品4の外部電極42とは導電性材料7により電気的に接続されている。実装された状態において、回路部品4の部品本体部41とキャリアフィルム9とは接触しているが、外部電極42とキャリアフィルム9上に設けられた配線パターン6との間には隙間8が生じている。この隙間8の部分に導電性材料7が配置され、この導電性材料7を介して外部電極42と配線パターン6とが接続されている。
【0113】
キャリアフィルム9としては、例えば金属フィルムや樹脂フィルムを使用できる。金属フィルムとしては、例えばCu、Al、またはNi等からなるフィルムが使用できる。樹脂フィルムとしては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、またはポリイミド等からなるフィルムが使用できる。
【0114】
このように、実装時に外部電極42と実装部材との間に空間が設けられるように形成された回路部品4によれば、実装部材に実装された状態で回路部品4の部品本体部41と実装部材との間に隙間を生じさせることなく、回路部品4と配線パターン6とを電気的に接続できる。従って、実施の形態1,2で説明した回路部品1,2,3と同様の効果が得られる。さらに、外部電極42が回路部品4の実装面側にのみ形成されているため、導電性材料7としてはんだのような低融点金属を用いた場合に、導電性材料7が回路部品4の端部にフィレットを形成することを防ぐことができる。これにより、部品周囲の面積および体積の増加が抑えられるので、高密度に部品を配置したり、部品間の接続および層間の接続の信頼性を高めたりできる。
【0115】
なお、本実施の形態においては回路部品実装体の実装部材の支持体にキャリアフィルム9を使用したが、実施の形態1,2で説明した回路部品実装体のように回路基板5を使用することも可能である。また、実施の形態1,2で説明した回路部品実装体の実装部材の支持体としてキャリアフィルム9を使用することも、当然可能である。
【0116】
次に、本発明に係る回路部品の製造方法の一実施形態について説明する。図11(a)〜(g)は、回路部品4の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0117】
図11(a)に示すように、所望の形状に切断した第1のグリーンシート44aおよび第1のグリーンシート44aよりも一方向の長さが短い第2のグリーンシート44bを用意する。その後、図11(b)に示すように、グリーンシート44a,44bの所定の箇所に貫通孔45を形成する。
【0118】
さらに、図11(c)に示すように、貫通孔45内に金属粉末と有機バインダとを含む混合物であるビアペースト46を充填する。このようなグリーンシート44a,44bの上面の所定の領域に、図11(d)に示すように金属粉末と有機バインダとを含む混合物である導電性ペースト47を印刷する。これらを複数枚用意し、図11(e)に示すように、長さの短い順にグリーンシート44a,44bを重ね合わせて焼成することにより、図11(f)に示すような、多層の内部配線49が設けられ、下面(完成後に実装面となる面)の両端部分に切り欠き部48が設けられたセラミック焼結体50(部品本体部41に相当)が作製される。
【0119】
最後に、図11(g)に示すように、セラミック焼結体50の切り欠き部48の表面に外部電極42を形成して、回路部品4が完成する。
【0120】
上記のビアペースト46および導電性ペースト47に使用される金属粉末および有機バインダとしては、実施の形態1において説明した導電性ペースト15と同様の材料を使用できる。また、外部電極42の形成方法としては特に限定されず、例えば導電性ペーストを塗布した後で焼成する方法や、蒸着やスパッタにより薄膜を形成する方法、めっき法等が使用できる。
【0121】
貫通孔45の形成方法としては特に限定されず、例えばパンチングマシンによるうち抜き方法、金型によるうち抜き方法、炭酸ガスレーザーにより形成する方法等が使用できる。
【0122】
なお、本実施の形態においては、グリーンシート44a,44bを用い、これらの積層体を焼成することにより回路部品4を作製したが、グリーンシート44a,44bを少なくとも無機粉末と熱硬化性樹脂とを含む混合物からなるシート状体に置き換え、ビアペースト46および導電性ペースト47を、少なくとも金属粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂組成物に置き換えて、図11(a)〜(e)に示した方法と同様の方法で導電性樹脂組成物を含んだシート状体を作製し、これらを積層して熱硬化性樹脂が硬化する温度で加熱し加圧することにより、多層内部配線を有する硬化物を作製することもできる。この方法の場合も、最後に、図11(g)に示したのと同様に、外部電極を形成する。この方法によれば、低温で回路部品4を作製できるため、工業上有利である。また、実施の形態1,2にて説明した回路部品の製造方法においても、上記のシート状体および導電性樹脂組成物を使用することが可能である。
【0123】
上記シート状体を形成するための無機粉末としては、実施の形態1で説明したグリーンシート14に用いられる無機粉末と同様の材料が使用できる。また、熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、およびPPE(ポリフェニレンエーテル)等が使用できる。
【0124】
また、上記の各実施の形態において説明した回路部品は、必要に応じて各辺部および頂点部分を研磨してもよい。これによれば、チップの欠けを防ぐことができるので、好ましい。研磨の方法としては、例えばバレル研磨等が使用できる。
【0125】
なお、本実施の形態では、多層内部配線が設けられている回路部品4を製造する方法について説明したが、回路部品4は必ずしも多層内部配線を備えている必要はない。従って、図8に示した方法を用いてセラミック基板を作製した後に、切り欠き部の表面に外部電極を形成する方法を用いても、回路部品4の構成を実現することが可能である。
【0126】
また、回路部品4の製造方法としては、他に、図12(a)〜(g)に示すような方法が挙げられる。まず、図12(a)に示すように、グリーンシート44の所定の箇所に設けた貫通孔内に、金属粉末と有機バインダとを含む混合物であるビアペースト46を充填する。その後、図12(b)に示すように、グリーンシート44の上面の所定の領域に、金属粉末と有機バインダとを含む混合物である導電性ペースト47を印刷する。また、図12(c)に示すように、一部のグリーンシート44には、所定の領域に開口部71を設ける。すなわち、所定の領域に開口部71が設けられているグリーンシートと、開口部が設けられていないグリーンシートの二種類のグリーンシートとを、それぞれ複数枚用意する。次に、図12(d)に示すように、一方面側に開口部71を有するグリーンシート44が配置され、かつ、他方面側に開口部を有しないグリーンシート44が配置されるように、これらのグリーンシート44を積層して積層体を作製する。その後、図12(e)に示すように、開口部71の内壁に導電性ペースト72を塗布し、焼成する。図12(f)に示すように、このようにして作製されたセラミック焼結体を、内壁に導電性ペースト72が塗布された開口部のほぼ中央部分に相当する分割位置73で分割する。これにより、図12(g)に示したような、多層の内部配線49が設けられ、かつ、下面の両端部分に切り欠き部が設けられてその表面に外部電極42が形成された回路部品を、一度に複数個製造できる。
【0127】
本実施の形態の回路部品実装体は、以上のように作製した回路部品4を実装部材に実装することにより形成される。具体的には、実施の形態1で説明した回路部品実装体の作製方法と同様の方法で作製できる。
【0128】
(実施の形態4)
以下、本発明に係る回路部品内蔵モジュールの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0129】
図13は、本実施の形態の回路部品内蔵モジュールの構成を示す断面図である。本実施の形態の回路部品内蔵モジュールは、実施の形態1で説明した回路部品実装体(配線パターン6が形成された回路基板5上に回路部品1が実装された回路部品実装体)を用いて作製されたものであり、回路部品1が電気絶縁性部材51a内に埋設されている。回路基板5の表面および内部には、複数層の配線パターン6(第1の配線パターン)が設けられている。回路基板5に設けられた相異なる層の配線パターン6は、インナービア10にて、互いに電気的に接続されている。回路部品1が埋設されている電気絶縁性部材51aの表面には配線パターン52a(第2の配線パターン)が配置されており、この配線パターン52aは、回路基板5に設けられている配線パターン6とインナービア53aにて接続されている。さらに、回路基板5の回路部品1が実装されていない面上にも電気絶縁性部材51bが配置されており、同様に、電気絶縁性部材51b上に配線パターン52bが配置され、この配線パターン52bと回路基板5の配線パターン6とはインナービア53bにて電気的に接続されている。電気絶縁性部材51bには半導体チップ54が埋設されており、この半導体チップ54は回路基板5の表面に設けられた配線パターン6と電気的に接続されている。このような構成の回路部品内蔵モジュールの外面に配置された配線パターン52a上には、さらに別の部品55が実装されている。
【0130】
以上のように、本実施の形態の回路部品内蔵モジュールによれば、各部品を3次元的に接続することにより回路ブロックの大幅な省面積化、省体積化が可能になり、高密度で信頼性の高いモジュールを提供できる。
【0131】
また、回路基板5としては特に限定されず、一般的に使用されるプリント配線板、セラミック基板が使用できるが、特に電気絶縁性部材51a,51bと同じ電気絶縁性材料を用いて多層配線構造が形成された回路基板であることが好ましい。これは、部品を内蔵する電気絶縁性部材51a,51bとの熱膨張差がなくなることにより、高い信頼性が得られるからである。
【0132】
電気絶縁性部材51a,51bは、少なくとも無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含む混合物により形成されている。無機フィラーとして用いる材料は、埋設される部品の線膨張係数や熱伝導率、弾性率などにより適宜決定すればよいが、例えばAl23、SiO2、SiC、AlN、Si34、またはBN等が使用できる。特に、Al23やSiO2を無機フィラーに使用する場合は、無機フィラーの混合が容易となり、高濃度に充填することが可能になる。また、無機フィラーにSiO2を使用した場合には、電気絶縁性部材51a,51bの誘電率が低下するため、高速信号動作に有利となる点で好ましい。また、無機フィラーにAl23、AlN、またはSi34を使用した場合、電気絶縁性部材51a,51bの熱伝導率が高くなるため、内蔵されている部品の温度上昇を抑えることができる点で好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、またはPPE(ポリフェニレンエーテル)等が使用でき、これらは電気的に高信頼で高強度である点で好ましい。また、無機質フィラーの混合比率は、電気絶縁性材料全体の70〜95重量%であることが好ましい。また、無機質フィラーおよび熱硬化性樹脂に加えて、さらにカップリング剤、分散剤、着色剤、離型剤等が添加されていてもよい。ここで用いるカップリング剤としては、例えばエポキシシラン系やアミノシラン系、チタネート系のものが使用できる。
【0133】
なお、図13に示した本実施の形態の回路部品内蔵モジュールにおいては、回路部品1に加えて半導体チップ54を内蔵しているが、回路部品1のみが電気絶縁性部材51a,51bに埋設されていてもよく、半導体チップ54はモジュール表面上に実装されていてもよい。また、部品55は適宜選択すればよく、必ずしも必要ではない。また、この回路部品内蔵モジュールにおいては、各層の配線パターン6,52a,52bをインナービア10,53a,53bで接続しているが、めっきスルーホール等を使用してもよい。
【0134】
次に、本発明に係る回路部品内蔵モジュールの製造方法の一実施形態について説明する。図14(a)〜(h)は、図13に示した回路部品内蔵モジュールの製造方法の各工程を示す断面図である。
【0135】
まず、図14(a)に示すように、配線パターン6が設けられた回路基板5に回路部品1が実装された、実施の形態1で説明した回路部品実装体を用意する。
【0136】
次に、少なくとも無機質フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む混合物をシート化してシート状絶縁体61を作製する。さらに、このシート状絶縁体61の所定の箇所に貫通孔を形成して、その内部に、少なくとも金属粉末と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む導電性樹脂組成物62を充填する。このようなシート状絶縁体61と配線パターンを形成するための金属箔63とを、図14(b)に示すように、この順で回路部品実装体上に重ね合わせる。その後、これら積層体を加熱し加圧することにより、シート状絶縁体61が流動して回路部品1がシート状絶縁体61内に埋設されるともに、シート状絶縁体61および導電性樹脂組成物62中の熱硬化性樹脂が硬化されて一体となり、図14(c)に示すように、シート状絶縁体61が電気絶縁性部材51aとなり、導電性樹脂組成物62がインナービア53aとなる。
【0137】
その後,図14(d)に示すように、金属箔63を加工して配線パターン52aを形成する。
【0138】
さらに、図14(e)に示すように、回路基板5の回路部品1が実装されていない面上に、半導体チップ54を実装する。その後、図14(f)に示すように、図14(b)に示したものと同様のシート状絶縁体61および金属箔63を重ね合わせて加熱し加圧する。これにより、半導体チップ54がシート状絶縁体61中に埋設されるともに、シート状絶縁体61および導電性樹脂組成物62中の熱硬化性樹脂が硬化されて一体となり、図14(g)に示すように、シート状絶縁体61が電気絶縁性部材51bとなり、導電性樹脂組成物62がインナービア53bとなる。さらに、金属箔63を配線パターン52bに加工して、図14(g)に示すような回路部品内蔵モジュールが作製される。
【0139】
さらに、図14(h)に示すように回路部品内蔵モジュールの外面に部品55を実装して、図13に示した回路部品内蔵モジュールを完成させる。
【0140】
なお、本実施の形態では、回路基板5の両主面にシート状絶縁体61を積層してその表面に配線パターン52a,52bを形成しているが、その配線パターン52a,52b上にさらに回路部品1を実装し、シート状絶縁体61を積層して多層化してもよい。
【0141】
なお、図14(c)および(g)で説明した加熱加圧時の温度は、シート状絶縁体61および導電性樹脂組成物62中に含まれる熱硬化性樹脂の硬化温度によって適宜決定すればよいが、通常約140〜210℃が好ましい。これより低すぎると熱硬化性樹脂の硬化が不十分になり、また高すぎると熱硬化性樹脂の分解や、内蔵する部品の異常等が発生しやすくなるからである。
【0142】
また、金属箔63を配線パターン52a,52bに加工する方法としては、たとえば化学的エッチングが使用できる。
【0143】
本発明の回路部品内蔵モジュールの別の実施形態には、図15に示す構造の回路部品内蔵モジュールもある。この回路部品内蔵モジュールは、回路基板5に回路部品1が実装された二つの回路部品実装体が、回路部品1が実装された面が互いに対向するように配置されており、二つの回路部品実装体間には電気絶縁性部材51が設けられている。回路部品実装体に実装されている回路部品1は、電気絶縁性部材51に内蔵されている。回路基板5の表面および内部には、複数層の配線パターン6が設けられており、回路基板5に設けられた相異なる層の配線パターン6は、インナービア10にて、互いに電気的に接続されている。また、互いに異なる回路基板5に設けられた配線パターン6は、電気絶縁性部材51内に設けられたインナービア53にて、互いに電気的に接続されている。
【0144】
図16(a)および(b)は、図15に示した回路部品内蔵モジュールの製造方法の各工程を示す断面図である。
【0145】
まず、回路基板5に回路部品1が実装された実施の形態1で説明した回路部品実装体二つと、シート状絶縁体61とを用意する。次に、図16(a)に示すように、二つの回路部品実装体の間にシート状絶縁体61を配置してこれらを重ね合わせ、積層体を作製する。シート状絶縁体61の所定の箇所には貫通孔が形成されており、その貫通孔の内部に導電性樹脂組成物62が充填されている。なお、シート状絶縁体61および導電性樹脂組成物62は、上記で説明したものと同じである。その後、これらの積層体を加熱し加圧することにより、シート状絶縁体61内に回路部品1が埋設されるとともに、シート状絶縁体61および導電性樹脂組成物62が硬化されて、全体が一体となる。図16(b)に示すように、シート状絶縁体61が電気絶縁性部材51となり、導電性樹脂組成物62がインナービア53となる。
【0146】
なお、本実施の形態では、回路部品1が回路基板5および配線パターン6を含む実装部材に実装された回路部品実装体を用いて回路部品内蔵モジュールを作製する方法について説明したが、これに限定されるものではなく、実施の形態2,3で説明した回路部品実装体を用いて回路部品内蔵モジュールを作製することも可能である。そこで、以下に、図17(a)〜(d)を参照しながら、実施の形態3で説明した回路部品実装体を用いて回路部品内蔵モジュールを作製する方法について説明する。
【0147】
まず、図17(a)に示すように、配線パターン6が設けられたキャリアフィルム9上に回路部品4が実装されている、実施の形態3で説明した回路部品実装体を用意する。
【0148】
次に、図14(b)で示したような、導電性樹脂組成物62が充填された貫通孔を有するシート状絶縁体61、および配線パターンを形成するための金属箔63を、図17(a)の回路部品実装体上にこの順で重ね合わせ、さらに加熱し加圧する。これにより、回路部品4をシート状絶縁体61に埋設するともに、シート状絶縁体61および導電性樹脂組成物62中の熱硬化性樹脂が硬化されて一体となり、図17(b)に示すように、シート状絶縁体61が電気絶縁性部材51となり、導電性樹脂組成物62がインナービア53となる。
【0149】
その後、金属箔63を配線パターン52に加工するとともに、キャリアフィルム9を剥離して、図17(c)に示すような回路部品内蔵モジュールを作製する。さらに、図17(d)に示すように半導体チップ54を表層に実装して、回路部品内蔵モジュールを完成させる。
【0150】
本実施の形態によれば、キャリアフィルム9上の配線パターン6に回路部品4が接続されているため、配線パターン6を保持する回路基板が必要なくなり、厚みが薄く体積の小さい回路部品内蔵モジュールが実現できる。
【0151】
また、上記の各実施の形態において、配線パターン6としては通常使用される金属箔を使用すればよく、例えば銅、アルミ、銀、ニッケルが使用できる。
【0152】
また、上記の各実施の形態における回路部品1〜4は、その機能として特に限定されないが、コンデンサ、積層セラミックコンデンサ、インダクタ、および抵抗器等であることが好ましい。これらの部品は所望の形状に作製することが比較的容易だからである。
【0153】
【実施例】
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明の回路部品と、それを用いた回路部品実装体および部品内蔵モジュール、並びにそれらの製造方法について、さらに詳細に説明する。
【0154】
(実施例1)
実施例1では、実施の形態1で説明した回路部品1、回路部品実装体、およびこれらを用いた回路部品内蔵モジュールの具体例について説明する。
【0155】
まず、回路部品1を作製するために用いたセラミックグリーンシート14について説明する。本実施例では、BaTiO3粉末(堺化学工業株式会社製、BT−03:平均粒子径0.3μm)が約99.2重量%、焼結助剤として機能するMn34(東ソー株式会社製、ブラウノックス)、Dy23(信越化学株式会社製、DSU)、MgO(タテホ株式会社製、#5000)、BaCO3(日本化学工業株式会社製、F−03)、CaCO3(宇部マテリアルズ株式会社製、3N−B)およびSiO2(ナカライテスク株式会社製、特級)が合計で約0.8重量%となるようにポットに量り取り、ジルコニアボールを媒体にして約20時間ボールミル混合した。この懸濁液を120℃に設定したドラムドライヤーを用いて全量乾燥させて、粉末を調製した。この乾燥粉末をアルミナ乳鉢で解砕した後、30メッシュのふるいを通し、さらに粗大粒を除去することにより無機粉末を作製した。次に、ブチラール樹脂を主成分とする有機バインダと、上記のように調整した無機粉末とを、ジルコニアボールを媒体にして約6時間ボールミルで混合分散させ、スラリーを調製した。このスラリーをドクターブレード法により塗膜して、厚み約6μmのグリーンシートを作製した。また、別に、厚み50μmのグリーンシートも同様の方法にて作製した。
【0156】
一方、導電性ペースト15として用いるためのニッケルペーストを作製し、このニッケルペーストを上記のように作製した厚み6μmのグリーンシート上に印刷して、図3(a)に示したような内部電極パターンを形成した。その後、ニッケルペーストを印刷して内部電極パターンを形成したグリーンシートを100枚積層し、さらにその上下に保護層として厚さ50μmのグリーンシートをそれぞれ4枚積層して、これらを熱圧着することにより、図3(b)に示したような積層体16を作製した。その後、この積層体16を個片に寸断して、3.2mm×1.6mmサイズの積層グリーンチップを作製した。
【0157】
次に、上記の積層グリーンチップを脱バインダして焼成し、図3(d)に示したようなセラミック焼結体18を作製した。脱バインダは、大気中、400℃まで毎時15℃で昇温させ、400℃で5時間保持した後、炉内放冷するという方法で行った。焼成は、窒素と水素の混合ガス雰囲気中で、常温から900℃まで毎時200℃で昇温させ、900℃で1時間保持しながらマスフローコントローラを動作させて、酸素分圧をニッケルの酸化還元平衡酸素分圧よりも2桁小さくなるように調整し、その後、各温度でこの酸素分圧が保持されるようにマスフローコントローラを動作させながら1325℃まで毎時200℃で昇温、1325℃で2時間保持した後、常温まで毎時200℃で降温するという方法で行った。その後、セラミック焼結体18をバレル研磨して面取りを施し、銅ペーストを両端部の内部電極取り出し部分に塗布して焼付けを行い、外部電極12を形成した。さらに、外部電極12表面にニッケルめっきとハンダめっきを順次施して、回路部品1で示した構成と同様の積層チップコンデンサを作製した。
【0158】
上記の積層チップコンデンサの厚みをノギスで測定したところ、中心部分は50個平均で0.780mmであったのに対し、端部の外部電極部分は50個平均で0.615mmであった。
【0159】
本実施例で作製した積層チップコンデンサを内蔵するときのダメージを調べるため、厚さ35μmの銅箔配線を持つガラス・エポキシプリント配線板(松下電工製)に本実施例の積層チップコンデンサを実装した。実装には共晶のクリームはんだを用い、230℃ピークのリフローを行った。このときの実装状態を観察すると、図2に示したものと同様に、積層チップコンデンサの部品本体部は配線板に接触していたが、外部電極ははんだを介して配線パターンに接続しており、直接には配線板に接触していないことが確認できた。
【0160】
次に、本実施例の積層チップコンデンサを内蔵するための電気絶縁性部材51となるシート状絶縁体61の製造方法について説明する。
【0161】
まず、無機フィラーと未硬化の熱硬化性樹脂とを混合してスラリー状に加工した。混合した絶縁体の組成は次のとおりである。▲1▼無機フィラー:Al23(AS−40、昭和電工(株)製)88重量%、▲2▼熱硬化性樹脂:多官能エポキシ樹脂(NVR−1010、サンユレック(株)製、硬化剤含む)10重量%、▲3▼その他の添加物:硬化促進剤(イミダゾール、サンユレック(株)製)0.05重量%、カーボンブラック(東洋カーボン(株)製)0.4重量%、カップリング剤(プレンアクト KR−46B、味の素ファインテクノ(株)製)0.55重量%。
【0162】
これらの材料に、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を加えて、撹拌脱泡機(松尾産業(株)製)で混合した。MEKを添加することにより混合物の粘度が低下してスラリー状に加工することが可能になるが、その後の乾燥工程で飛散させるため配合組成には含んでいない。
【0163】
このスラリーを用いて、ドクターブレード法により、表面に離型処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)からなる離型フィルム上に造膜した。その後、90℃で乾燥を行い、溶剤を飛散させて図14(b)に示したシート状絶縁体61と同様のものを作製した。
【0164】
別に、銅粉末(三井金属工業社製)87重量%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)3重量%、グルシジルエステル系エポキシ樹脂(日産化成社製、YD−171)9重量%、アミンアダクト硬化剤(味の素ファインテクノ(株)社製、MY−24)1重量%を量り取り、3本ロールで混合させて、導電性樹脂組成物62を作製した。
【0165】
上記のシート状絶縁体61の所定の位置に、NCパンチングマシン(UHT社製)で直径0.3mmの貫通孔を形成し、その貫通孔に導電性樹脂組成物62を充填させた。このシート状絶縁体61を上記の積層チップコンデンサが実装されたプリント配線板に重ね、さらにその上に厚さ18μmの片面粗化銅箔を重ねてから、150℃で1時間1MPaの圧力で加熱加圧して、シート状絶縁体61中に積層チップコンデンサを埋設すると同時に、シート状絶縁体61とプリント基板とを一体化した。
【0166】
(実施例2)
実施例2では、実施の形態2で説明した回路部品2、回路部品実装体、およびこれらを用いた回路部品内蔵モジュールの具体例について説明する。
【0167】
実施例1と同様の方法でグリーンシートを作製し、グリーンシート上に別途作製したニッケルペーストを印刷した。次に、実施例1と同様にグリーンシートを積層させた。その後、積層体を熱圧着する際に、後の工程で外部電極を形成する領域に対応する部分に突起を設けた一組の平板を用い、図6(c)に示すような積層体26を作製した。その後、個片に寸断して図6(d)に示すような両端部分の厚みが薄い3.2mm×1.6mmサイズの積層グリーンチップを作製した。この積層グリーンチップを実施例1と同様の方法で脱バインダ、焼成し、さらにバレル研磨による面取り、外部電極形成を行って、図6(f)に示したような、両端部分がへこんでいる積層チップコンデンサを作製した。
【0168】
上記の積層チップコンデンサの厚みをノギスで測定したところ、中心部分は50個平均で0.780mmであったのに対し、端部の外部電極部分は50個平均で0.540mmであった。
【0169】
この積層チップコンデンサを、実施例1と同様の方法でプリント配線板に実装し、シート状絶縁体61に埋設して内蔵し、回路部品内蔵モジュールを作製した。
【0170】
(実施例3)
実施例3では、実施の形態3で説明した回路部品4、回路部品実装体、およびこれらを用いた回路部品内蔵モジュールの具体例について説明する。
【0171】
本実施例では、まず、グリーンシートを用いて低温焼成のセラミック基板を作製した。本実施例のグリーンシートの材料組成として、Al23粉末とホウ珪酸ガラスとの混合粉末(日本電気硝子社製、MLS−1000)88重量%、ポリビニルブチラール(旭化成社製)10重量%、ブチルベンジルフタレート(関東化学社製)2重量%を秤量し、これらに溶剤としてトルエンを添加した。これにアルミナボールを加えてポット中で48時間回転混合させ、スラリーを調整した。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚み約0.22mmのグリーンシートを複数枚作製した。
【0172】
別に、銀粉末(三井金属工業社製)75重量%、エチルセルロース(ダウケミカル社製)5重量%、ターピネオール(関東化学社製)15重量%、ブチルベンジルフタレート(関東化学社製)5重量%を秤量し、3本ロールで混練して導電性ペーストを作製した。
【0173】
このグリーンシートを所定の大きさに切断し、パンチングマシンを用いて直径0.15mmの貫通孔を形成した。また、複数枚のグリーンシートのうち、所定枚数のグリーンシートの所定の箇所に、幅0.10mmの開口部を形成した。貫通孔に上記の導電性ペーストをスクリーン印刷法で充填し、さらにグリーンシート上に配線パターンを印刷した。
【0174】
以上のように作製されたグリーンシートを複数枚用意し、開口部を有するグリーンシートが一方面側に、開口部が設けられていないグリーンシートが他方面側に配置されるような順でグリーンシートを積層し、互いに熱圧着させて積層体を作製した。その後、グリーンシートに設けられた開口部の内壁に導電性ペーストを塗布した。
【0175】
その後、脱バインダおよび焼成を行った。まず、電気炉を用いて毎時25℃で500℃まで昇温させ、500℃で2時間空気中処理を行ってバインダを除去した。その後、ベルト炉を用いて900℃で20分間処理して焼成を行った。次に、形成された焼結体を開口部のほぼ中央部分で切断して、複数個の回路部品を作製した。複数個の回路部品に切り出された状態では、グリーンシートの開口部だった箇所が図4(b)に示した回路部品4の切り欠き部41bとなっており、さらに、開口部の内壁に塗布された導電性ペーストが焼成により外部電極42として形成されていた。本実施例では、さらに、外部電極42にニッケルめっきおよびすずめっきを施して、3.2mm×1.6mmサイズの回路部品4を完成させた。
【0176】
作製した回路部品4を、実施例1および2と同様にプリント配線板に実装してからシート状絶縁体61に埋設して内蔵し、回路部品内蔵モジュールを製造した。
【0177】
(比較例1)
比較例1では、回路部品として市販のセラミックコンデンサ(松下電子部品株式会社製、3.2mm×1.6mm×0.85mm)を使用し、実施例1と同様の方法でプリント配線板に実装した。このとき、セラミックコンデンサの部品本体部とプリント配線板との間には隙間が生じていた。さらに、実施例1と同様の方法でシート状絶縁体61中にセラミックコンデンサを埋設して内蔵し、比較例1の回路部品内蔵モジュールを作製した。
【0178】
以上のように形成された実施例1〜3および比較例1の回路部品内蔵モジュールをX線透過撮影装置(日立建機ファインテック社製)で観察して、回路部品の割れの有無を調べた。その結果、実施例1〜3の回路部品内蔵モジュールにおいては、50個中に回路部品の割れが生じていた回路部品内蔵モジュールは0個であった。これに対し、比較例1の回路部品内蔵モジュールにおいては、50個中に回路部品の割れが生じていた回路部品内蔵モジュールは45個であった。これにより、実施例1〜3の回路部品は、電気絶縁性部材内へ内蔵される際のダメージに対して強いことが明らかになった。
【0179】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回路部品および回路部品実装体によれば、実装された状態での破壊が起こりにくく、さらに、例えば回路部品を実装するために用いた導電性材料の再溶融による配線の短絡も生じにくい。また、本発明の回路部品によれば、配線パターンに実装する際に高い位置精度を実現できる。また、本発明の回路部品内蔵モジュールによれば、高密度で信頼性の高い回路部品内蔵モジュールを実現できる。また、本発明の回路部品実装体の製造方法によれば、上記のような効果を有する本発明の回路部品実装体を実現できる。また、本発明の回路部品内蔵モジュールの製造方法によれば、上記のような効果を有する本発明の回路部品内蔵モジュールを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の回路部品の一実施形態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の回路部品を二点鎖線Aに示す箇所で切断した断面図である。
【図2】 本発明の回路部品実装体の一実施形態を示す断面図である。
【図3】 (a)〜(e)は、図1(a)および(b)に示した回路部品の製造方法における各工程を示す断面図である。
【図4】 (a)は、本発明の回路部品の別の一実施形態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の回路部品を二点鎖線Bに示す箇所で切断した断面図である。
【図5】 本発明の回路部品実装体の別の一実施形態を示す断面図である。
【図6】 (a)〜(f)は、図4(a)および(b)に示した回路部品の製造方法における各工程を示す断面図である。
【図7】 (a)は、本発明の回路部品のさらに別の一実施形態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の回路部品を二点鎖線Cに示す箇所で切断した断面図である。
【図8】 (a)〜(e)は、図7(a)および(b)に示した回路部品の製造方法における各工程を示す断面図である。
【図9】 (a)は、本発明の回路部品のさらに別の一実施形態を示す斜視図であり、(b)は、(a)の回路部品を二点鎖線Dに示す箇所で切断した断面図である。
【図10】 本発明の回路部品実装体のさらに別の一実施形態を示す断面図である。
【図11】 (a)〜(g)は、図9(a)および(b)に示した回路部品の製造方法における各工程を示す断面図である。
【図12】 (a)〜(g)は、図9(a)および(b)に示した回路部品の別の製造方法における各工程を示す断面図である。
【図13】 本発明の回路部品内蔵モジュールの一実施形態を示す断面図である。
【図14】 (a)〜(h)は、図13に示した回路部品内蔵モジュールの製造方法における各工程を示す断面図である。
【図15】 本発明の回路部品内蔵モジュールの別の一実施形態を示す断面図である、
【図16】 (a)および(b)は、図15に示した回路部品内蔵モジュールの製造方法における各工程を示す断面図である。
【図17】 (a)〜(d)は、本発明の回路部品内蔵モジュールの製造方法における別の一実施形態を示す断面図である。
【図18】 従来の回路部品実装体を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 回路部品
5 回路基板
6 配線パターン
7 導電性材料
8 隙間
9 キャリアフィルム
10 インナービア
11 部品本体部
11a 部品本体部の実装面
11b 部品本体部の上面
11c 外部電極が設けられた部分
12 外部電極
12a 外部電極の下面
13a 実装基準面
13b 高さ基準面
14 グリーンシート
15 導電性ペースト
16 積層体
17 切断位置
18 セラミック焼結体
19 内部電極
21 部品本体部
21a 部品本体部の実装面
21b 部品本体部の上面
21c 外部電極が設けられた部分
22 外部電極
22a 外部電極の下面
23a 実装基準面
23b 高さ基準面
24 グリーンシート
25 導電性ペースト
26 積層体
27 厚みの薄い箇所
28 切断位置
29 セラミック焼結体
30 内部電極
31 部品本体部
31a 部品本体部の実装面
31b 部品本体部の上面
32 外部電極
32a 外部電極の下面
33a 実装基準面
33b 高さ基準面
34a,34b グリーンシート
35 切り欠き部
36 セラミック基板
37 混合物
38 導電性混合物
39 熱硬化性樹脂
41 部品本体部
41a 部品本体部の実装面
41b 切り欠き部
41c 外部電極が設けられた部分
42 外部電極
42a 外部電極の下面
43a 実装基準面
44a,44b グリーンシート
45 貫通孔
46 ビアペースト
47 導電性ペースト
48 切り欠き部
49 内部配線
50 セラミック焼結体
51a,51b 電気絶縁性部材
52a,52b 配線パターン
53a,53b インナービア
54 半導体チップ
55 部品
61 シート状絶縁体
62 導電性樹脂組成物
63 金属箔
71 開口部
72 導電性ペースト
73 分割位置
101 回路部品
102 部品本体部
103 外部電極
104 基板
105 配線パターン
106 隙間

Claims (7)

  1. 部品本体部および前記部品本体部の端部に設けられた外部電極を含んでおり、前記部品本体部は、前記外部電極が設けられた部分の厚みが他の部分の厚みよりも小さく、かつ、前記外部電極が設けられた部分の厚みの最小値が他の部分の厚みの90%以下であり、前記外部電極は、前記部品本体部の実装面を含む基準面に対して前記部品本体部が位置する側の領域に配置されている回路部品を用意する第1の工程と、
    配線パターンが設けられた回路基板上の所定の領域に、前記外部電極と前記回路基板との間には隙間を設け、かつ、前記部品本体部の実装面と前記回路基板との間には隙間が生じないように前記回路部品を配置し、前記回路部品の前記外部電極と前記配線パターンとの間にはんだを配置して、前記部品本体部の実装面と前記回路基板とが接するように前記回路部品と前記回路基板とを一体化し、回路部品実装体を作製する第2の工程と、
    無機フィラーおよび未硬化の熱硬化性樹脂を含む混合物を、貫通孔を有するシート状体に加工する第3の工程と、
    前記回路部品実装体と、前記貫通孔内に未硬化の導電性材料を充填したシート状体とを積層した積層体を加熱し加圧することにより、前記回路部品実装体の前記回路部品を前記シート状体内に埋設された回路部品内蔵基板を作製する第4の工程と、
    前記回路部品内蔵基板の少なくとも一方の外面に別の回路部品を実装する第5の工程と、を含むことを特徴とする回路部品内蔵モジュールの製造方法。
    ただし、部品本体部の実装面とは、部品本体部において、回路部品を回路基板に実装する際に回路基板と対向する面であって、その全体が回路基板に接する面のことである。
  2. 前記回路基板は、無機フィラーおよび熱硬化性樹脂を含み、かつ前記シート状体と同じ電気絶縁材料からなる請求項1記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
  3. 前記回路部品の前記外部電極の前記基準面に対向する面が、前記基準面に対して傾斜角10°以上50°以下で傾斜している請求項1に記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
  4. 前記回路部品の前記外部電極の前記基準面に対向する面と前記基準面との間の距離の最大値が、30μm以上100μm以下である請求項1に記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
  5. 前記回路部品の前記外部電極が、前記基準面に配置されていない請求項1に記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
  6. 前記回路部品が、表面実装用のチップ部品である請求項1に記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
  7. 前記チップ部品が、抵抗器、コンデンサ、およびインダクタからなる群から選択される少なくとも一つである請求項6に記載の回路部品内蔵モジュールの製造方法。
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