JP2004119547A - セラミック配線基板およびその製造方法 - Google Patents

セラミック配線基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抵抗体層を有するセラミック配線基板について、精度の高い抵抗を絶縁基体との同時焼成にて表面および/または内部に形成でき、より一層の小型化および高密度化が可能なセラミック配線基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックスから成る絶縁基体2の表面および/または内部に金属粉末を焼結して成る配線回路層3および0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体層4が絶縁基体2との同時焼成によって形成されているセラミック配線基板1である。精度の高い抵抗値を有する抵抗体層4を絶縁基体2との同時焼成にて表面および/または内部に形成することができ、より一層の小型化および高密度化が可能な、抵抗体層4を有するセラミック配線基板1を提供することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスから成る絶縁基体の表面および/または内部に配線回路層と抵抗体層とを具備した、混成集積回路基板等に適したセラミック配線基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、配線基板、例えば受動部品や能動部品を実装し電子回路の一部を構成するハイブリッドIC用配線基板として、比較的高密度の配線が可能なセラミック系の抵抗体搭載型配線基板が多用されている。このセラミック系の抵抗体搭載型配線基板は、抵抗体を配線基板の表面に搭載することにより、回路の小型化および高密度化を実現したものであり、アルミナセラミックスやガラスセラミックス等のセラミックスから成る絶縁基体と、その表面に形成されたW,Mo,CuまたはAg等の金属から成る配線回路層に加え、LaBやSnOやRuO等の抵抗体材料から成る抵抗体が厚膜法等により形成される。
【0003】
このようなセラミック系の抵抗体搭載型配線基板においては、厚膜法によって抵抗体を形成する場合であれば、LaBやSnOやRuO等の酸化物粉末、あるいはCu−Ni系合金等の高抵抗金属粉末を主成分とする抵抗体ペーストを用いて、焼成されたセラミック系配線基板の表面にスクリーン印刷法等により所定の形状に抵抗体パターンを印刷形成した後、これを焼き付けて抵抗体を形成する手法が一般的である。
【0004】
しかし、この手法では、厚膜法で抵抗体粉末に有機バインダ等を添加して調製した抵抗体ペーストをスクリーン印刷し、これを焼成して抵抗体を形成するために、抵抗値の精度が悪いという問題点があった。これは主に、スクリーン印刷の印刷精度および焼成時の収縮バラツキにより抵抗体の形状を精度良く形成できないことに起因する。そのため、厚膜法で精度の良い抵抗体を形成するためには、焼成後に抵抗体のトリミングを行なって抵抗値を調整することが必要であった。
【0005】
また、絶縁基体の内部に抵抗体層を形成しようとすると、絶縁基体の内部に形成された抵抗体層にはトリミングを行なうことが不可能であるため、絶縁基体との同時焼成により精度の良い抵抗体を形成することが不可欠となるが、トリミングによる抵抗値の調整が必要な抵抗体では、そのような精度の高い抵抗体層を絶縁基体の内部に形成することはほとんど不可能であるという問題点もあった。その結果、抵抗体の形成は配線基板の表面に限られることとなって、回路設計上の大きな制約となり、回路のより一層の小型化および高密度化への要求に応えることができないという問題点があった。
【0006】
このような問題点に対して、金属板または金属箔から成る所定の抵抗値に予め調整された抵抗体を転写フィルム上に形成し、これを絶縁基体となるグリーンシートの表面に転写して同時焼成することによって、精度の高い抵抗体層を絶縁基体の内部に形成したセラミック配線基板が得られることが特開2001−68813号公報に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−68813号公報
特開昭57−32657号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年のセラミック系の抵抗体搭載型配線基板に搭載されるICの動作速度の高速化に伴い、絶縁基体に形成される抵抗体層の抵抗値の精度をさらに高めることが必要となっている。また、回路のより一層の小型化および高密度化への要求に応えるため、絶縁基体の内部にも精度の良い抵抗体層を形成することが必要となっている。
【0009】
これに対し、従来の、所定の抵抗値に予め調整された抵抗体を転写フィルム上に形成し、これをグリーンシート表面に転写して同時焼成することによって、抵抗体層を絶縁基体の内部に形成する方法は、比較的精度の高い抵抗体層を形成できる利点を有しているが、抵抗体となる金属板または金属箔をフォトリソグラフィ技術等によりパターン加工することで抵抗体を形成しているために、パターン加工の際に露光バラツキやエッチングバラツキ等によりパターン寸法に誤差が生じやすく、抵抗値バラツキが生じやすいという問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑み完成されたもので、その目的は、絶縁基体の表面および/または内部に配線回路層および抵抗体層を有するセラミック配線基板において、精度の高い抵抗体層を絶縁基体との同時焼成にて表面および/または内部に形成することができ、より一層の小型化および高密度化が可能なセラミック配線基板およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような課題について鋭意検討した結果、所定の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体金属層を転写フィルム上に形成し、この抵抗体金属層に転写フィルム上でレーザトリミングを行なうことにより抵抗値を高精度に調整した抵抗体パターンを形成した後、これを絶縁基体となるグリーンシートの表面に転写して同時焼成することによって、抵抗精度の高い抵抗体層を絶縁基体の表面および/または内部に形成したセラミック配線基板を作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明のセラミック配線基板は、セラミックスから成る絶縁基体の表面および/または内部に金属粉末を焼結して成る配線回路層および0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体層が前記絶縁基体との同時焼成によって形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明のセラミック配線基板は、上記構成において、前記抵抗体層の前記金属板または前記金属箔が、Ni,CrおよびCuから選ばれる少なくとも1種の金属から成ることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明のセラミック配線基板は、上記各構成において、前記絶縁基体の前記セラミックスが、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミックフィラーとの混合物を焼成したものであることを特徴とするものである。
【0015】
本発明のセラミック配線基板の製造方法は、(a)焼成後にセラミックスから成る絶縁基体となる複数枚のグリーンシートを準備する工程と、(b)前記グリーンシートの表面に金属粉末のペーストにより前記焼成後に配線回路層となる配線回路パターンを形成する工程と、(c)転写フィルムの表面に、0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体金属層を形成する工程と、(d)この抵抗体金属層にレーザトリミングを行なって抵抗体パターンを形成する工程と、(e)前記配線回路パターンが形成された前記グリーンシートの表面に前記抵抗体パターンを転写する工程と、(f)前記配線回路パターンが形成され前記抵抗体パターンが転写された前記グリーンシートを含む複数枚の前記グリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、(g)該積層体を前記抵抗体パターンを構成する金属の融点よりも低い温度で焼成して、前記絶縁基体の表面および/または内部に前記配線回路パターンを焼成して成る配線回路層および前記抵抗体パターンから成る抵抗体層を形成する工程と、を具備することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明のセラミック配線基板の製造方法は、上記構成において、前記(f)工程において前記積層体の両主面に前記セラミックスの焼結温度では焼結しない拘束グリーンシートを積層するとともに、前記(g)工程の後に前記拘束グリーンシートを焼成して成る拘束層を除去する工程を具備することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明のセラミック配線基板の製造方法は、上記各構成において、前記抵抗体層が、Ni,CrおよびCuから選ばれる少なくとも1種の金属から成ることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明のセラミック配線基板の製造方法は、上記各構成において、前記グリーンシートが、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミックフィラーとの混合物を主成分とすることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミック配線基板について、図面に基づいて、複数のガラスセラミックスから成る絶縁層を積層して成る絶縁基体を用いた抵抗体内蔵型多層配線基板を例にして説明する。図1は、本発明のセラミック配線基板の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【0020】
図1によれば、本発明のセラミック配線基板1は、セラミックスから成る絶縁基体2、金属粉末を焼結して成る配線回路層3、金属板または金属箔から成る抵抗体層4および貫通導体としてのビアホール導体5を具備する。
【0021】
絶縁基体2は、この例では複数のガラスセラミックスから成る絶縁層2a〜2dを積層して成る積層体から構成され、この絶縁層2a〜2d間および絶縁基体2の表面および裏面には、低抵抗金属の金属粉末を焼結して成る配線回路層3および0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板あるいは金属箔から成る抵抗体層4が形成されている。さらに、絶縁層2a〜2dを挟んで対向する配線回路層3や抵抗体層4は、低抵抗金属粉末を充填し焼結して成るビアホール導体5により接続され、セラミック配線基板1内で回路網を形成している。
【0022】
絶縁基体2の材質としては、配線回路層3や抵抗体層4を形成する金属の融点以下で焼成可能なセラミック材料であれば特に限定されるものではなく、アルミナセラミックス,ムライトセラミックス,窒化珪素セラミックス,窒化アルミニウムセラミックス,ガラスセラミックス等の周知のセラミック基板材料が用いられるが、とりわけ、焼成温度が800℃〜1000℃の低温焼成セラミック材料、具体的には、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物を焼成したガラスセラミックスから成ることが、抵抗体層4の材質の選択の幅が拡大するとともに、配線回路層3として低抵抗の金属を用いることができる点で望ましい。
【0023】
ガラスセラミックスから成る絶縁層2a〜2dを製造するのに用いられるガラス粉末のガラスとしては、シリカガラス,ソーダ石灰ガラス,鉛ガラス,鉛アルカリ珪酸ガラス,ほう珪酸ガラス,アルミノホウ珪酸ガラス,ほう珪酸亜鉛ガラス,アルミノ珪酸ガラス,燐酸ガラス等が挙げられる。特に、添加するセラミックフィラー粉末との適合性に優れており、誘電体損失が小さいことから、ほう珪酸ガラスが好適である。また、セラミックフィラー粉末のセラミックスとしては、SiO,Al,ZrO,TiO,ZnO,MgAl,ZnAl,MgSiO,MgSiO,ZnSiO,ZnTiO,SrTiO,CaTiO,MgTiO,BaTiO,CaMgSi,SrAlSi,BaAlSi,CaAlSi,MgAlSi18,ZnAlSi18,AlN,SiC,ムライト,ゼオライト等が挙げられ、用途に合わせて選択することができる。また、必ずしもこれら例示したガラスおよびセラミックスに限定されるものではない。
【0024】
そして、ガラスセラミックスから成る絶縁層2a〜2dがガラス粉末を焼成したものである場合は、アルミノほう珪酸結晶化ガラス,ほう珪酸亜鉛結晶化ガラス,アルミノ珪酸結晶化ガラス等が用いられ、ガラス粉末とセラミックフィラー粉末との混合物を焼成したものである場合は、ほう珪酸ガラスとAlとの混合物,ほう珪酸亜鉛ガラスとAlとの混合物等が用いられる。
【0025】
配線回路層3は金属粉末を焼成して成り、通常は金属粉末のペーストを焼成した所望の回路パターン形状の焼結体により形成される。その金属としては、Cu,Ag,Al,Au,Ni,Pt,Pd,W,MoおよびMnから選ばれる1種、または2種以上の混合物や合金のうち、絶縁基体2の焼結温度よりも高い融点を有する金属であることが絶縁基体2との同時焼成を行なう上で望ましく、特に絶縁基体2を焼成温度が800℃〜1000℃のガラスセラミックス等の低温焼成セラミックスによって形成する場合には、800℃〜1000℃で同時焼成可能な金属のうちでも低抵抗であることから、Cu,Ag,Al,Au,Ni,PtおよびPdから選ばれる1種、または2種以上の混合物や合金等の低抵抗金属を使用することが望ましい。中でも、特に配線回路層3を低コストに形成するという観点からは、Cu,AgおよびPdの1種、または2種以上の混合物や合金等の低抵抗金属が望ましい。
【0026】
さらに、セラミック配線基板1の表面に形成される配線回路層3は、ICチップ等の各種電子部品6を搭載するための接続パッドとして、あるいはシールド用導体膜として、さらには外部電気回路と接続される端子電極等としても用いられ、例えば各種電子部品6がセラミック配線基板1の表面に形成された配線回路層3に半田等のロウ材や導電性接着剤7等を介して接合されて電気的に接続される。
【0027】
なお、図1には図示していないが、セラミック配線基板1の表面に形成された配線回路層3に対して、必要に応じて、ガラスやエポキシ樹脂等により構成される配線保護膜等を形成しても構わない。
【0028】
本発明においては、抵抗体層4を、0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔によって形成することが重要である。この金属板または金属箔は、それ自体の収縮が従来の厚膜抵抗体のように抵抗体粉末の焼き付け等に伴う収縮に比較して格段に小さいことから寸法精度に優れており、そのために、予め所望の抵抗値が得られるようにその形状を定めておくことにより、その抵抗値の変化を小さくすることができ、絶縁基体2の内部に抵抗体層4を形成した場合であってもその抵抗値の高精度化に有利なものとなる。
【0029】
さらに、後述する本発明のセラミック配線基板の製造方法におけるように、この抵抗体層4となる抵抗体金属層から所望の抵抗値の抵抗体パターンを得る際に、抵抗体金属層に対してレーザトリミングを行なうことにより、更なる高精度化が可能となる。
【0030】
抵抗体層4となる金属箔は、例えば化学的蒸着法(CVD法)または物理的蒸着法(PVD法)等の薄膜形成法や、電解めっき法または無電解めっき法や、金属箔の圧延法等により転写フィルム上に0.01μm以上5μm以下の厚みで作製され、それが絶縁基体2(絶縁層2a〜2d)となるグリーンシートの表面に転写される。また、金属板の場合であれば、例えば圧延法や押し出し法により形成される。これらの形成法により0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体層4が形成される。
【0031】
このとき、金属抵抗体の抵抗値は当然のことながら厚みによって変化するため、所定の抵抗値の抵抗体層4を得るために、その金属材料の有する比抵抗の値に応じて厚み調整が行なわれる。また、上記形成法によって作製された金属板または金属箔は、その形成法によっても異なるが、レーザトリミングにより抵抗値調整を実施するためにその上に金属箔を形成する転写フィルム等の下地に対して十分な接着強度が必要であるが、0.01μm以上5μmの厚み範囲内とすることで、形成法に応じた接着仕様を選定できることから、レーザトリミングに必要な下地(転写フィルム)との接着強度が得られる。
【0032】
抵抗体層4の厚みが0.01μm未満では、抵抗体膜としての強度が低くなるため、レーザトリミング後に絶縁基体2(絶縁層2a〜2d)となるグリーンシート上への転写が不可能となる傾向がある。また、抵抗体膜を形成するためには、厚みが0.01μm未満となると、その金属板または金属箔を欠陥なく形成することが困難である。また、抵抗体層4の厚みが5μmを超える厚みでは、同時焼成した後の冷却時に生じる抵抗体層4の応力によって、抵抗体層4と配線回路層3との剥離が発生しやすい傾向があり、抵抗値がばらつきやすい。
【0033】
この抵抗体層4を構成する金属としては、Ni,Cr,CuおよびTaN等が使用されるが、特に所望の抵抗値に応じた金属板または金属箔の抵抗体層に形成しやすいことから、Ni,CrおよびCuから選ばれる少なくとも1種が好ましく、その金属単体またはそれらの混合物やNi−Crをはじめとする合金等を使用するのが好ましい。
【0034】
ビアホール導体5に充填される導体材料は、配線回路層3と同様の金属を主成分とする導体を用いることが配線回路層3との良好な電気的接続を得られる点で望ましいが、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0035】
次に、本発明のセラミック配線基板の製造方法について、多層配線基板を作成する場合を例として図2に示した製造工程毎の概略断面図に基づいて説明する。
【0036】
まず、図2(1)に示すように、前記ガラス粉末またはガラス粉末とセラミックフィラー粉末とを所定量秤量し、混合してガラスセラミック組成物を調製し、その組成物に有機バインダ等を加えた後、ドクターブレード法,圧延法,プレス法等によりシート状に成形してグリーンシート10を作製し準備する(a工程)。
【0037】
次に、図2(2)に示すように、このグリーンシート10にレーザやマイクロドリル,パンチング等により貫通孔を形成し、その内部に導体ペーストを充填してビアホール導体となるビアホール導体パターン11を形成する。なお導体ペースト中には、前述したような配線回路層形成用の金属粉末とともに有機バインダと有機溶剤とを含み、必要に応じてガラス等の無機成分を添加して混合して調製される。
【0038】
次に、図2(3)に示すように、このグリーンシート10の表面に配線回路パターン12を形成する(b工程)。この配線回路パターン12の形成にあたっては、導体ペーストをスクリーン印刷,グラビア印刷等により配線回路層のパターン形状に印刷することによって、グリーンシート10の表面に所望のパターン形状の配線回路パターン12を形成することができる。
【0039】
なお、配線回路層12を形成するための導体ペーストは、Cu,Ag,Al,Au,Ni,PtおよびPdから選ばれる少なくとも1種以上の金属粉末を主成分として、ビアホール導体パターン11と同様の成分を混合して調製される。さらに、印刷後に、配線回路パターン12がグリーンシート10の表面に凹凸を作らないように圧力を印加して埋設しておくことが、その上に寸法精度の高い抵抗体層を形成する上で望ましい。
【0040】
次に、このグリーンシート10の表面に、抵抗体パターンを形成する。抵抗体層の形成に当たっては、図2(4a)〜(4d)に示すような工程を経て転写フィルム13の表面に抵抗体パターン16を作製する。
【0041】
即ち、まず図2(4a)に示すように、高分子フィルム等から成る転写フィルム13の表面に接着剤を介して金属板または金属箔を張り合わせたものから成る抵抗体金属層14を形成する(c工程)。次に、図2(4b)に示すように、抵抗体金属層14の表面に抵抗体層のパターン形状のレジスト層15を付設する。次に、図2(4c)に示すように、エッチング法によりレジスト層15を形成していない領域の抵抗体金属層14の金属を除去する。そして、図2(4d)に示すように、レジスト層15を除去し、次いでレーザトリミングを行なって所望の抵抗値となるようにパターン形成を行なうことにより抵抗体パターン16を形成する(d工程)。
【0042】
この方法によれば、金属板または金属箔から成る抵抗体金属層14および抵抗体パターン16の厚みを均一に制御できることや、エッチング法では配線状に形成した抵抗体パターン16の切れやダレがなく微細加工が可能であることから、抵抗体パターン16の横方向の寸法精度を高めることができる。さらに、所定の抵抗値となるようにレーザトリミングにより抵抗値調整を行なっていることから、抵抗体層となる抵抗体パターン16を精度良く形成することが可能となる。
【0043】
続いて、図2(5)に示すように、以上のようにして抵抗体パターン16を付設した転写フィルム13を図2(3)に示すようにビアホール導体パターン11および配線回路パターン12が形成されたグリーンシート10の表面に位置合わせして積層し、0.1MPa〜5MPa程度の圧力を印加して、抵抗体パターン16をグリーンシート10の表面に圧接する。そして、抵抗体パターン16をグリーンシート10上に残したままで転写フィルム13のみを剥離することにより、抵抗体パターン16をグリーンシート10の表面に転写することができ、これにより、図2(6)に示す、抵抗体層となる抵抗体パターン16が転写され配線回路層となる配線回路パターン12が形成されたグリーンシート10から成る1層の配線シート17を作製することができる(e工程)。
【0044】
また、配線回路パターン12の形成に際しては、抵抗体パターン16の形成方法と同様の方法を用いて、グリーンシート10の表面に高純度の低抵抗金属の金属板または金属箔のパターンを転写することにより形成してもかまわない。この場合は、従来の印刷法では形成が困難である微細配線の配線回路パターン12を歩留まり良く形成することができ、さらに、配線抵抗の低抵抗化が可能となり、さらなる小型化,高密度化,高機能化に有効である。
【0045】
その後、図2(6)に示すように、配線回路パターン12が形成され抵抗体パターン16が転写されたグリーンシート10から成る配線シート17を含む、同様にして作製した複数枚の配線シート17〜20を積層し圧着して積層体を作製する(f工程)。なお、図2(6)においては、グリーンシート10,ビアホール導体パターン11,配線回路パターン12および抵抗体パターン16の符号は省略している。
【0046】
そして、この積層体を400℃〜850℃の温度で加熱処理してグリーンシート10内やビアホール導体パターン11,配線回路パターン12中の有機成分を分解除去した後、抵抗体パターン16を構成する金属の融点よりも低い温度にて同時焼成することにより、図1に示すような、グリーンシート10を焼成したセラミックスから成る絶縁基体2の表面および/または内部に、配線回路パターン12を焼成した金属粉末を焼結して成る配線回路層3、および抵抗体パターン16による0.01μm以上5μm以下の金属板または金属箔から成る抵抗体層4が形成された、本発明のセラミック配線基板1が得られる(g工程)。ここで、焼成条件としては、例えばグリーンシート10をガラスセラミックグリーンシートにて形成し、抵抗体パターン16を銅箔にて形成した場合であれば、800℃〜1000℃の窒素雰囲気中で焼成すればよい。
【0047】
なお、この焼成時には、金属板または金属箔からなる抵抗体パターン16はグリーンシート10の様な収縮挙動を示さないため、焼成の際には、特開昭57−32657号公報に記載されたような方法に基づいて、グリーンシート10(配線シート17〜20)の積層体に対してその積層方向に0.5MPa〜5MPa程度の圧力を印加する方法、あるいは積層体の両主面にグリーンシート10のセラミックスの焼結温度では焼結しない拘束グリーンシートを積層するとともに、その積層体の焼成後に拘束グリーンシートを焼成して成る拘束層を除去する方法等によって、グリーンシート10のX−Y方向(主面に平行な方向)における収縮を抑制し、グリーンシート10のZ方向(厚み方向)にのみ収縮しX−Y方向には実質的に収縮しない焼成方法にて焼成することが望ましい。
【0048】
このように、X−Y方向には実質的に収縮しない方法で焼成することにより、従来の厚膜法とは異なり、焼成収縮のバラツキに起因する抵抗体層4の抵抗値の精度劣化がほとんど生じることなく、非常に高い精度で形成した抵抗体パターン16を、その寸法精度を維持したまま焼成して抵抗体層4を形成することができる。
【0049】
このように積層体の焼成の際にX−Y方向には実質的に収縮させない方法として、積層体の両主面にグリーンシート10のセラミックスの焼結温度では焼結しない拘束グリーンシートを積層するとともに、その積層体の焼成後に拘束グリーンシートを焼成して成る拘束層を除去する方法は、焼成後のセラミック配線基板1中の配線回路パターン12の寸法精度と抵抗体パターン16の寸法精度をともに高精度に維持することができることから、電気的な回路定数の安定化をもたらし、配線基板としての電気特性の安定性を向上させるために好ましいものである。
【0050】
以上のような本発明のセラミック配線基板の製造方法により、本発明のセラミック配線基板1を作製することができるが、以上のような絶縁層を複数積層して成る絶縁基体から成る多層配線基板ではなく、単層の絶縁層から成る絶縁基体に表裏2層の配線回路層を有するセラミック配線基板を作製する場合には、図2(5)に示す工程においてグリーンシート10の裏面にも同様の配線回路パターン12および抵抗体パターン16を形成し、その後に焼成を行なうことにより作製することができる。
【0051】
本発明のセラミック配線基板の製造方法によれば、従来の厚膜法よりも格段に高い寸法精度で抵抗体パターン16を形成することが可能となり、精度の高い抵抗体層を絶縁基体との同時焼成にて簡便にかつ製造コストの上昇を最小限に抑えながら表面および/または内部に形成することができ、より一層の小型化および高密度化が可能なセラミック配線基板を提供することができる。
【0052】
さらに、積層体の両主面に拘束グリーンシートを積層して焼成時に積層体をX−Y方向には実質的に収縮させない焼成を行なうことにより、焼成による絶縁基体の寸法バラツキを抑制することができ、より一層精度の良好な抵抗体層を有するセラミック配線基板を形成することができる。
【0053】
【実施例】
<実施例1>
まず、ガラス粉末として70質量%のほう珪酸ガラスおよび30質量%のSiOを秤量し、それにバインダとしてアクリル樹脂、可塑剤としてDBP(ジブチルフタレート)、溶媒としてトルエンおよびイソプロピルアルコールを加えて調製したスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚みが300μmのグリーンシートを作製した。
【0054】
次に、金属粉末として平均粒径が5μmのCu粉末に、有機バインダとしてアクリル系樹脂、溶媒としてDBPを添加混練し、配線回路層用銅ペーストおよびビアホール導体用銅ペーストを作製した。
【0055】
そして、グリーンシートの所定箇所にパンチング加工を行なってビアホールを形成し、そのビアホール内にビアホール導体用銅ペーストを充填した。さらに、グリーンシートの所定箇所に、配線回路層用銅ペーストを用いてスクリーン印刷法にて、配線回路パターンを印刷形成した。
【0056】
一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムから成る転写シートの表面に、接着剤を塗布して、厚みが2.5μm,3μm,5μmのNi−Cr合金の圧延金属箔を接着した。そして、この金属箔の表面に感光性のレジストを塗布し、ガラスマスクを通して露光してパターンを形成した後、抵抗体パターン部分以外の圧延金属箔をエッチング除去し、さらにレーザトリミングを行なって所望のパターン形状とすることにより、抵抗値の異なる抵抗体パターンを形成した。
【0057】
次に、ビアホール導体銅ペーストを充填し配線回路パターンを形成したグリーンシートに、位置合わせを行ないながら抵抗体パターンを形成した転写シートを積層し、60℃の温度および2MPaの圧力で熱圧着した。その後、転写シートを剥がすことにより抵抗体パターンをグリーンシートの表面に転写し、ビアホール導体が接続された配線回路パターンおよび抵抗体パターンにより形成された配線層を具備する1枚の配線シートを形成した。
【0058】
さらに、この1枚の配線シートと同様にして形成した5層の配線シートを積層し、さらにその上にこの1枚の抵抗体パターンを具備する配線シートが表層または内層に位置するように配置し、60℃の温度および2MPaの圧力にて熱圧着して積層体を形成した。
【0059】
そして、この積層体を、有機バインダ等の有機成分を分解除去するため窒素雰囲気中にて750℃で1時間保持した後、同一雰囲気中で2MPaで1軸加圧しながら900℃で1時間保持することにより、本発明のセラミック配線基板を作製した。
【0060】
この本発明のセラミック配線基板を200個作製し、内層の抵抗体層および表層の抵抗体層の抵抗値のバラツキを評価した。その結果を表1に試料No.8,9,10として示す。
【0061】
また、圧延金属箔から成る抵抗体層の厚みを0.3μmとして、レーザトリミングを施さない以外は上記と同様にセラミック配線基板を作製し評価した。その結果を表1に試料No.4として示す。
【0062】
なお、比較例として圧延金属箔から成る抵抗体層の厚みを7.0μmとした以外は上記と同様にセラミック配線基板を作製し評価した。その結果を表1に試料No.11として示す。
【0063】
また、比較例として従来の厚膜法によりRuOから成る表層の抵抗体層を形成し、そのトリミング無しの抵抗値のバラツキを評価した。その結果を表1に試料No.12として示す。また同様に、他の比較例として厚膜法にて内層の抵抗体層を形成し、同様に抵抗値の目標値からのバラツキについて評価を行なった。その結果を表1に試料No.13として示す。
【0064】
<実施例2>
まず、ガラス粉末として50重量%のほう珪酸ガラスおよびセラミックフィラー粉末として50重量%のAlを秤量し、それにバインダとしてアクリル樹脂、可塑剤としてDBP(ジブチルフタレート)、溶媒としてトルエンおよびイソプロピルアルコールを加えて調製したスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚みが250μmのグリーンシートを作製した。
【0065】
次に、金属粉末として平均粒径が3μmのCu粉末に、有機バインダとしてアクリル系樹脂、溶媒としてDBPを添加混練し、配線回路層用銅ペーストおよびビアホール導体用銅ペーストを作製した。
【0066】
そして、グリーンシートの所定箇所にパンチング加工を行なってビアホールを形成し、そのビアホール内にビアホール導体用銅ペーストを充填した。さらに、グリーンシートの所定箇所に、配線回路層用銅ペーストを用いてスクリーン印刷法にて、配線回路パターンを印刷形成した。
【0067】
一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)から成る転写シートの表面に、接着剤を塗布して、無電解めっき法により作製した厚みが0.01μm,0.5μmのNiの金属箔、蒸着法により作製した厚みが1μmのNi−Crの金属箔を接着した。そして、この金属箔の表面に感光性のレジストを塗布し、ガラスマスクを通して露光してパターンを形成した後、抵抗体パターン部分以外の金属箔をエッチング除去し、さらにレーザトリミングを行なって所望のパターン形状とすることにより、抵抗値の異なる抵抗体パターンを形成した。
【0068】
そして、ビアホール導体用銅ペーストを充填し配線回路パターンを形成したグリーンシートに、位置合わせを行ないながら抵抗体パターンを形成した転写シートを積層し、60℃の温度および2MPaの圧力で熱圧着した。その後、転写シートを剥がすことにより抵抗体パターンをグリーンシートの表面に転写し、ビアホール導体が接続された配線回路パターンおよび抵抗体パターンにより形成された配線層を具備する1枚の配線シートを形成した。
【0069】
さらに、この1枚の配線シートと同様にして形成した5層の配線シートを積層し、さらにその上にこの1枚の抵抗体パターンを具備する配線シートが表層または内層に位置するように配置し、60℃の温度および2MPaの圧力にて熱圧着して積層体を形成した。
【0070】
そして、この積層体を、有機バインダ等の有機成分を分解除去するため窒素雰囲気中にて750℃で1時間保持した後、同一雰囲気中で2MPaで1軸加圧しながら910℃で1時間保持することにより、本発明のセラミック配線基板を作製した。
【0071】
この本発明のセラミック配線基板を200個作製し、内層の抵抗体層および表層の抵抗体層の抵抗値のバラツキを評価した。なお、抵抗値の目標値からのバラツキが±1.0%以下のものを合格とした。その結果を表1に試料No.2,5,6として示す。
【0072】
また、スパッタ法により作製した厚みが0.01μmのNi−Crの金属箔と、蒸着法により作製した厚みが1μmのNi−Crの金属箔とを用いて、レーザトリミングを施さない以外は上記と同様にセラミック配線基板を作製し評価した。その結果を表1に試料No.3,7として示す。
【0073】
なお、比較例として、無電解めっき法により作製した厚みが0.008μmのNi−Crの金属箔を用いて、レーザトリミングを施さない以外は上記と同様にセラミック配線基板を作製し評価した。その結果を表1に試料No.1として示す。
【0074】
【表1】
Figure 2004119547
【0075】
表1に示す結果から分かるように、試料No.2,5,6および8〜10に示す本発明のセラミック配線基板によれば、0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成るレーザトリミングを施した内層の抵抗体層および表層の抵抗体層を絶縁基体との同時焼成にて形成することにより、抵抗値のバラツキが±1.0%以下の高精度の抵抗体層を形成することができ、簡便に精度の高い抵抗体層を内蔵したセラミック配線基板を得ることができた。
【0076】
また、試料No.3,4,7に示す本発明のセラミック配線基板によれば、0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体層を絶縁基体との同時焼成にて形成することにより、レーザトリミングを施したものに比べてやや劣るものの抵抗値のバラツキが±10.0%以下の高精度の抵抗体層を形成することができた。
【0077】
これに対して、試料No.1,11に示す従来法による比較例では抵抗体層の抵抗値のバラツキが±10.0%を超えてしまった。また、表層と内層の抵抗体層を厚膜法にて形成した試料No.12,13についても同様に抵抗値のバラツキを±10.0%以下とすることができなかった。
【0078】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では、配線回路パターンを形成した後、抵抗体パターンを形成したが、この形成順序を逆にして、先に抵抗体パターンを形成した後に配線回路パターンを形成してもよい。
【0079】
【発明の効果】
本発明のセラミック配線基板によれば、セラミックスから成る絶縁基体の表面および/または内部に金属粉末を焼結して成る配線回路層および0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体層が絶縁基体との同時焼成によって形成されていることから、従来の厚膜抵抗体に比較して格段に寸法精度に優れた抵抗体層を形成することができ、予め所望の抵抗値が得られるようにその形状を定めることによって、その抵抗値の変化を小さくすることが可能となり、絶縁基体の内部に抵抗体層を形成した場合であってもその抵抗値を高精度に制御することができる。このため、精度の高い抵抗体層を絶縁基体との同時焼成にて配線基板の表層および/または内層に形成することができ、より一層の小型化および高密度化が可能な、抵抗体層を有するセラミック配線基板を提供することができる。
【0080】
また、抵抗体層の前記金属板または前記金属箔が、Ni,CrおよびCuから選ばれる少なくとも1種の金属から成るときには、これら金属が所望の抵抗値に応じた抵抗体層に形成しやすいことから、より効果的に所望の抵抗値に設定できる好適なセラミック配線基板を提供することができる。
【0081】
さらに、絶縁基体のセラミックスが、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミックフィラーとの混合物を焼成したものであるときには、焼成温度を低くできることから、抵抗体層の材質の選択の幅が拡大するとともに、配線回路層として低抵抗の金属を用いることができる。
【0082】
本発明のセラミック配線基板の製造方法によれば、(a)焼成後にセラミックスから成る絶縁基体となる複数枚のグリーンシートを準備する工程と、(b)グリーンシートの表面に金属粉末のペーストにより焼成後に配線回路層となる配線回路パターンを形成する工程と、(c)転写フィルムの表面に、0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体金属層を形成する工程と、(d)この抵抗体金属層にレーザトリミングを行なって抵抗体パターンを形成する工程と、(e)配線回路パターンが形成されたグリーンシートの表面に抵抗体パターンを転写する工程と、(f)配線回路パターンが形成され抵抗体パターンが転写されたグリーンシートを含む複数枚のグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、(g)この積層体を抵抗体パターンを構成する金属の融点よりも低い温度で焼成して、絶縁基体の表面および/または内部に配線回路パターンを焼成して成る配線回路層および抵抗体パターンから成る抵抗体層を形成する工程と、を具備することから、従来の厚膜法よりも格段に高い寸法精度で抵抗体パターンを形成することが可能となり、金属板または金属箔から成る抵抗体層の厚みを均一に制御でき、さらに所定の抵抗値となるようにレーザトリミングにより抵抗値調整を行なっていることから、抵抗体層となる抵抗体パターンを精度良く形成することができ、精度の高い抵抗体層を絶縁基体との同時焼成にて簡便にかつ製造コストの上昇を最小限に抑えながら表面および/または内部に形成することができ、より一層の小型化および高密度化が可能なセラミック配線基板を提供することができる。
【0083】
また、(f)工程において積層体の両主面に前記セラミックスの焼結温度では焼結しない拘束グリーンシートを積層するとともに、(g)工程の後に拘束グリーンシートを焼成して成る拘束層を除去する工程を具備するときには、グリーンシートをX−Y方向には実質的に収縮させない焼成を行なうことが可能となることから、焼成による寸法精度を高精度に維持でき、セラミック配線基板の電気特性の安定性を向上させることができる。その結果、絶縁基体の寸法バラツキを抑制することができ、より一層精度の良好な抵抗体層を有するセラミック配線基板を形成することができる。
【0084】
さらに、抵抗体層が、Ni,CrおよびCuから選ばれる少なくとも1種の金属から成るときには、薄膜形成法、めっき法、圧延法、押し出し法による金属板または金属箔を形成でき、またこれらの金属は加工が容易であることから、より好適なセラミック配線基板の製造方法とできる。
【0085】
さらにまた、グリーンシートが、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミックフィラーとの混合物を主成分とするときには、積層体を焼成する工程の温度を、より低温とすることができることから、抵抗体層や配線回路層の材質の選択の幅が拡大し、低抵抗の金属を用いることができる。
【0086】
以上により、本発明によれば、絶縁基体の表面および/または内部に配線回路層および抵抗体層を有するセラミック配線基板において、精度の高い抵抗体層を絶縁基体との同時焼成にて表面および/または内部に形成することができ、より一層の小型化および高密度化が可能なセラミック配線基板およびその製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック配線基板の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】(1)〜(6)は、本発明のセラミック配線基板の製造方法を説明するための、それぞれ多層配線基板を作成する場合を例として示した製造工程毎の概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・セラミック配線基板
2・・・・・・・絶縁基体
2a〜2d・・・絶縁層
3・・・・・・・配線回路層
4・・・・・・・抵抗体層
10・・・・・・・グリーンシート
12・・・・・・・配線回路パターン
13・・・・・・・転写フィルム
14・・・・・・・抵抗体金属層
16・・・・・・・抵抗体パターン

Claims (7)

  1. セラミックスから成る絶縁基体の表面および/または内部に金属粉末を焼結して成る配線回路層および0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体層が前記絶縁基体との同時焼成によって形成されていることを特徴とするセラミック配線基板。
  2. 前記抵抗体層の前記金属板または前記金属箔が、Ni,CrおよびCuから選ばれる少なくとも1種の金属から成ることを特徴とする請求項1記載のセラミック配線基板。
  3. 前記絶縁基体の前記セラミックスが、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミックフィラーとの混合物を焼成したものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセラミック配線基板。
  4. (a)焼成後にセラミックスから成る絶縁基体となる複数枚のグリーンシートを準備する工程と、(b)前記グリーンシートの表面に金属粉末のペーストにより前記焼成後に配線回路層となる配線回路パターンを形成する工程と、(c)転写フィルムの表面に、0.01μm以上5μm以下の厚みの金属板または金属箔から成る抵抗体金属層を形成する工程と、(d)該抵抗体金属層にレーザトリミングを行なって抵抗体パターンを形成する工程と、(e)前記配線回路パターンが形成された前記グリーンシートの表面に前記抵抗体パターンを転写する工程と、(f)前記配線回路パターンが形成され前記抵抗体パターンが転写された前記グリーンシートを含む複数枚の前記グリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、(g)該積層体を前記抵抗体パターンを構成する金属の融点よりも低い温度で焼成して、前記絶縁基体の表面および/または内部に前記配線回路パターンを焼成して成る配線回路層および前記抵抗体パターンから成る抵抗体層を形成する工程と、を具備することを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。
  5. 前記(f)工程において前記積層体の両主面に前記セラミックスの焼結温度では焼結しない拘束グリーンシートを積層するとともに、前記(g)工程の後に前記拘束グリーンシートを焼成して成る拘束層を除去する工程を具備することを特徴とする請求項4記載のセラミック配線基板の製造方法。
  6. 前記抵抗体層が、Ni,CrおよびCuから選ばれる少なくとも1種の金属から成ることを特徴とする請求項4または請求項5記載のセラミック配線基板の製造方法。
  7. 前記グリーンシートが、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミックフィラーとの混合物を主成分とすることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のセラミック配線基板の製造方法。
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