JP2008159940A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 X−Y方向への焼成収縮を抑制し、ビアホール導体が配線基板の表面から大きく突出することなく、実装性の良好な多層配線基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 ガラスセラミックスからなる第1の絶縁層と、第1の絶縁層を構成するガラスセラミックスの焼成収縮の終了温度よりも焼成収縮の開始温度が高いガラスセラミックスからなる第2の絶縁層とが交互に積層された絶縁基板1と、絶縁基板1の表面に形成された金属粉末が焼結されてなる表面配線導体層2と、表面配線導体層2に接続された金属粉末が焼結されてなるビアホール導体4とを含む同時焼成によって形成された多層配線基板であって、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位の導体粒子が表面配線導体層2の厚みよりも長く延びた扁平粒子21であり、絶縁基板1の積層方向から見たときの扁平粒子21の平均粒径がビアホール導体4の平均粒径の3倍以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、焼成における収縮曲線(挙動)が異なるガラスセラミックスからなる絶縁層同士を一体にして焼成することにより、互いの絶縁層のX−Y方向の焼成収縮を抑制した多層配線基板およびその製造方法に関するものである。
従来、移動体通信分野などで使用される多層配線基板において、配線導体層の材料として導電率の高い銀、銅あるいはそれらの混合物を用い、絶縁層の材料として配線導体層の材料の融点よりも低い温度で焼成が可能なガラスセラミックスを用いた多層配線基板が広く用いられている。
この多層配線基板は、複数の配線導体層間がビアホール導体により電気的に接続されている。製造に際しては、焼成後に絶縁層となるグリーンシートに貫通孔を形成し、その貫通孔に焼成後にビアホール導体となる導体材料を充填し、貫通孔に導体材料の充填されたグリーンシートの主面に配線導体層となる導体材料を塗布する。そのようにして準備したグリーンシートを複数枚積層し、焼成することにより、配線導体層間がビアホール導体により接続された多層配線基板が得られる。
ここで、ガラスセラミックスを用いた多層配線基板は、焼成により体積が40〜50%程度収縮する。このとき、多層回路基板の主面と平行な方向(X−Y方向)における収縮率は1方向において平均15〜20%程度ばらついており、この収縮率のばらつきが配線導体層の位置ばらつきにつながり、基板の寸法精度が悪くなっていた。なお、ここでいう収縮率とは、焼成前の寸法から焼成後の寸法を減じた値を焼成前の寸法で除した値で定義されるものである。
そこで、基板の寸法精度を向上させる方法として、焼結開始温度が異なる2種以上のグリーンシート(2種の場合は第一の絶縁層と第二の絶縁層)を積層し焼成することにより、X−Y方向の焼成収縮を抑制し、主に積層方向(Z方向)に収縮させることによりX−Y方向の収縮を少なくする方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特開2003−69236号公報
特許文献1に記載の方法では、焼成後に第1の絶縁層となるグリーンシートと焼成後に第2の絶縁層となるグリーンシートとが焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度が異なることで、互いにX−Y方向への収縮を抑制しあう。具体的には、第1の絶縁層の焼成収縮(焼結)終了後に第2の絶縁層が焼成収縮(焼結)を開始するようになっていることから、第1の絶縁層の焼結時には第二の絶縁層によって第2の絶縁層のX−Y方向への収縮が抑制され、第2の絶縁層の焼結時には第1の絶縁層によって第2の絶縁層のX−Y方向への収縮が抑制される。したがって、焼結後に第2の絶縁層となるグリーンシートのZ方向への収縮が大きくなる。
ところが、それぞれのグリーンシートに形成されたビアホール導体は同じ材料であることから焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度に違いはなく、互いに隣接する絶縁層に形成されたビアホール導体同士が接続して形成されていた場合、互いにX−Y方向への収縮を抑制しあうことはない。したがって、本来の体積収縮量だけ収縮しようとすると、Z方向への収縮はグリーンシートほど大きくなることはない。
このため、図3に示すように、表層a1を貫通するビアホール導体4aと表層に隣接する絶縁層b1を貫通するビアホール導体4bとが接続して形成されていた場合、焼成後にビアホール導体4が配線基板の表面から大きく突出してしまい、多層配線基板の実装性が低下するという問題が発生していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ビアホール導体が絶縁基板の表面から大きく突出することのない実装性の良好な多層配線基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガラスセラミックスからなる第1の絶縁層と、該第1の絶縁層を構成するガラスセラミックスの焼成収縮の終了温度よりも焼成収縮の開始温度が高いガラスセラミックスからなる第2の絶縁層とが交互に積層された絶縁基板と、該絶縁基板の表面に形成された金属粉末が焼結されてなる表面配線導体層と、該表面配線導体層に接続された金属粉末が焼結されてなるビアホール導体とを含む同時焼成によって形成された多層配線基板であって、前記表面配線導体層の少なくとも前記ビアホール導体を覆う部位の導体粒子が前記表面配線導体層の厚みよりも長く延びた扁平粒子であり、前記絶縁基板の積層方向から見たときの前記扁平粒子の平均粒径が前記ビアホール導体の平均粒径の3倍以上であることを特徴とするものである。ここで、前記表面配線導体層と前記ビアホール導体とが同じ主金属成分からなるのが好ましい。
また、絶縁基板の表面に表面配線導体層が形成され、前記絶縁基板の内部に前記表面配線導体層に接続されたビアホール導体が形成された多層配線基板の製造方法であって、ガラス粉末およびセラミック粉末を含有する第1のグリーンシートを用意する工程と、ガラス粉末およびセラミック粉末を含有し前記第1のグリーンシートの焼成収縮終了温度よりも焼成収縮開始温度が高い第2のグリーンシートを用意する工程と、前記第1のグリーンシートと前記第2のグリーンシートのうち表層およびこれに隣接する層に配置されるグリーンシートに貫通孔を形成し、該貫通孔に平均粒子径が1〜5μmの金属粉末を含むビアホール導体用ペーストを充填する工程と、前記表層に配置される前記グリーンシート上に、少なくとも前記ビアホール導体用ペーストを覆うように、前記ビアホール導体用ペーストに含まれる金属粉末の平均粒子径の1/10以下の平均粒子径の金属粉末を含む表面配線導体層用ペーストを被着形成する工程と、表面配線導体層用ペーストを被着形成した前記グリーンシートを表層として前記第1のグリーンシートおよび前記第2のグリーンシートを交互に積層し、同時焼成する工程とを有することを特徴とするものである。ここで、前記ビアホール導体用ペーストに含まれる金属粉末と前記表面配線導体層用ペーストに含まれる金属粉末とが同じ主金属成分からなるのが好ましい。
本発明によれば、ビアホール導体を形成するためのビアホール導体用ペーストに含まれる金属粉末の平均粒子径を1〜5μmとし、表面配線導体層を形成するための表面配線導体層用ペーストに含まれる金属粉末の平均粒子径をビアホール導体用ペーストに含まれる金属粉末の平均粒子径の1/10以下として、同時焼成することによって、表面配線導体層を形成するための導体ペーストの焼結開始温度を低くすることができ、表面配線導体層を形成するための導体ペーストの焼成収縮終了後にビアホール導体を形成するための導体ペーストの焼成収縮が開始し、X−Y方向の焼成収縮を抑制し主にZ方向に収縮させたビアホール導体を得ることができる。このものは、焼成収縮終了後の状態として、表面配線導体層の少なくともビアホール導体を覆う部位の導体粒子が表面配線導体層の厚みよりも長く延びた扁平粒子であり、絶縁基板の積層方向から見たときの扁平粒子の平均粒径がビアホール導体の平均粒径の3倍以上になっている。このような多層配線基板は、ビアホール導体が表面から大きく突出することなく、実装性が良好なものとなる。
本発明の実施形態を図を用いて説明する。
図1は本発明の多層配線基板の構造を示す概略断面図、図2(a)は図1に示す表面配線導体層2の積層方向から見た2次元拡大図、図2(b)は図1に示すビアホール導体4の積層方向から見た2次元拡大図である。
本発明の多層配線基板は、図1に示すように、ガラスセラミックスからなる第1の絶縁層としての絶縁層a1〜a5およびガラスセラミックスからなる第2の絶縁層としての絶縁層b1〜b4が交互に積層された絶縁基板1と、絶縁基板1の表面に形成された表面配線導体層2と、表面配線導体層2に接続されたビアホール導体4とを有する。
絶縁基板1における第1の絶縁層としての絶縁層a1〜a5と第2の絶縁層としての絶縁層b1〜b4とは、互いに焼成収縮の開始温度および終了温度が異なるガラスセラミックスで構成されている。すなわち、第1の絶縁層としての絶縁層a1〜a5が焼成収縮を終了した後に、第2の絶縁層としての絶縁層b1〜b4が焼成収縮を開始するように、それぞれの絶縁層を構成するガラスセラミックス材料が選定されている。具体的には、ガラスの熱特性として、第1の絶縁層としての絶縁層a1〜a5に含まれるガラスの結晶化温度が、第2の絶縁層としての絶縁層b1〜b4に含まれるガラスの軟化点より低くなるように選定されている。したがって、第2の絶縁層としての絶縁層b1〜b4が焼成収縮を開始するときには、第1の絶縁層としての絶縁層a1〜a5の焼成収縮は終了しており、互いのX−Y方向の収縮を抑制しあうことが可能である。すなわち、寸法精度が高い多層配線基板を実現することができる。
第1の絶縁層および第2の絶縁層を構成するガラスセラミックスは、セラミック粉末とガラス粉末とを焼成してなるもので、セラミック粉末としてはAl、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTi、ZrTiO、SrTiO、BaTiO、TiO、AlN、Siなどを例示できる。これらの中でも、特に誘電特性の点でAl、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTiが望ましく、強度の点でAl、AlN、Siが望ましく、さらには誘電特性と強度の点でAlが望ましい。第1の絶縁層および第2の絶縁層に含まれる結晶化ガラスとしては、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライトのうち少なくとも1種を形成することが好ましい。これらの中でも、特に誘電特性の点でディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、ウィレマイト、フォルステライトが望ましく、強度の点でディオプサイド、セルシアン、コージェライト、アノーサイトが望ましく、さらには誘電特性と強度の点でディオプサイド、セルシアンが望ましい。
第1の絶縁層は第2の絶縁層が焼成による収縮を開始するまでに、自身の焼結を完了させる必要がある。従って、軟化温度、結晶化温度、結晶化度等の特性を調整する為に第1の絶縁層と第2の絶縁層に用いるガラス粉末とは組成が異なり、ガラス粉末とセラミック粉末の組成比率も異なる。
なお、ここでいう焼成収縮の開始温度とは、対象とする材料を単独で焼成した時に、0.3%体積収縮するときの温度で定義されるものである。また、ここでいう焼成収縮の終了温度とは、焼成前の状態から焼成終了後の状態までの収縮量に対し90%以上収縮したときの温度をいう。体積収縮は、内側拘束部、外側導体部をそれぞれ単独でプレス成形し、TMA(熱機械分析)により決定されるものである。このとき、それぞれは等方的に収縮するものとし、TMAの線収縮から体積収縮に換算する。
絶縁基板1の表面には金属粉末が焼結され、導体粒子で構成された表面配線導体層2が形成され、絶縁基板1の内部には金属粉末が焼結され、導体粒子で構成されたビアホール導体4が形成されている。表面配線導体層2はシリコンチップやコンデンサ、プリント板等との半田接続端子の機能を有するもので、ビアホール導体4は表層配線導体層2と内部導体層3との間または内部導体層3と内部導体層3との間を接続する機能を有するものである。
そして、本発明の多層配線基板は同時焼成によって形成されたもので、図2(a)および図2(b)に示すように、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位の導体粒子が表面配線導体層2の厚みよりも長く延びた扁平粒子21であり、絶縁基板1の積層方向から見たときの扁平粒子21の平均粒径がビアホール導体4の平均粒径の3倍以上であることが重要である。なお、絶縁基板1の積層方向から見たときの扁平粒子21の平均粒径とは、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位を絶縁基板1の積層方向から500倍の電子顕微鏡で見たときに、任意の直交する線を引き、線の長さ75μmの範囲で複数の粒界間の距離を測定し、平均をとったものである。また、ビアホール導体4の平均粒径については、表面配線導体層2をエッチングにより剥離し、ビアホール導体4を絶縁基板1の積層方向から500倍の電子顕微鏡で見たときに、任意の直交する線を引き、線の長さ75μmの範囲で複数の粒界間の距離を測定し、平均をとったものである。なお、表面配線導体層2の厚みは13〜17μm程度である。
表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位の導体粒子が表面配線導体層2の厚みよりも長く延びた扁平粒子21であるとは、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位を形成する原料としての金属粉末の平均粒子径が少なくとも表面配線導体層2の厚みよりも小さいことを意味している。ただし、表面配線導体層2は緻密に形成される必要があるから、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位を形成するための原料としての金属粉末の平均粒子径は表面配線導体層2の厚みに対してかなり小さいものである。
また、ビアホール導体4も同様に緻密に形成される必要があり、ビアホール導体4を形成するための原料としての金属粉末の平均粒子径はビアホール導体4の直径に対して小さくする必要がある。ただし、ビアホール導体4を形成するための金属粉末の平均粒子径をかなり小さいものにすると、ビアホール導体4と第2の絶縁層b1〜b4との焼成収縮挙動の差が大きく異なり、絶縁層のスルーホール壁面とビアホール導体との間に隙間が生じ、気密不良による多層配線基板の絶縁性劣化が生じるため、この点を考慮して金属粉末の平均粒子径が決定される。
ここで、金属粉末の平均粒子径が小さければ小さいほど、焼成による粒成長の度合いが大きく、焼成後の導体粒子の平均粒径は大きくなることから、絶縁基板1の積層方向から見たときの扁平粒子21の平均粒径がビアホール導体の平均粒径の3倍以上であるとは、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位を形成する金属粉末の平均粒子径がビアホール導体4を形成する金属粉末の平均粒子径よりもかなり微小なものであるということを意味している。
このように、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位を形成する金属粉末の平均粒子径が、ビアホール導体4を形成する金属粉末の平均粒子径よりもかなり微小、具体的には1/10以下であることにより、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位の焼成収縮の終了後にビアホール導体4の焼成収縮を開始させることができ、ビアホール導体4のX−Y方向の収縮を抑制させることができる。このビアホール導体4のX−Y方向への収縮の抑制により、ビアホール導体4が主にZ方向へと収縮することにより、ビアホール導体4が表面から大きく突出することなく、実装性が良好なものとなる。
ここで、表面配線導体層2の少なくともビアホール導体4を覆う部位の主金属成分はこれに接続されるビアホール導体4の主金属成分と同じであるのが好ましい。具体的には、主金属成分としては金、銀、銅、アルミニウムのうち少なくとも1種以上であり、特に価格および導通抵抗の観点から、銀または銅が好ましい。また、ビアホール導体の主金属成分がCu、Ag、Au等を主成分とした合金の場合には、同様に合金が用いられるのが好ましい。なお、これらの主成分に対して電気抵抗を劣化させない範囲で、他の金属、酸化物、ガラス、セラミックス等の無機成分を含んでいても良い。
これは、主金属成分が同じであって金属粉末の平均粒子径を調整することで、表面配線導体層2とビアホール導体4の焼成収縮開始温度(収縮挙動)を異ならせるように制御しやすいからである。主金属成分が異なっていたとしても、表面配線導体層2とビアホール導体4の焼成収縮開始温度(収縮挙動)を異ならせるように制御できれば、特に同じくしなくてもよい。
次に、上記多層配線基板の製造方法を説明する。
まず、含有ガラスの熱特性が上記関係にある2種の無機材料からなるグリーンシートを作製する。グリーンシートは、所定のセラミック粉末組成物と焼成途中で容易に揮発する揮発性有機バインダーと有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化する。このスラリーを用いて、リップコーター法やドクターブレード法などによってテープ成形を行い、所定寸法に切断しグリーンシートを作製する。
例えば焼成後に第1の絶縁層となるグリーンシート材料として、SiOを10〜30質量%と、Alを1〜9質量%と、MgOを5〜30質量%と、BaOを21〜35質量%と、Bを10〜30質量%と、Y、CaO、SrO、ZnO、TiO、NaO、SnO、P、ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなる40〜90質量%のガラスと、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、BaTi、SrTiO、ZrO、TiO、AlNおよびSiから選ばれる少なくとも1種を含む10〜60質量%のセラミックスとから構成される材料が採用される。
また、例えば焼成後に第2の絶縁層となるグリーンシート材料として、SiOを20〜60質量%と、Alを10〜25質量%と、MgOを8〜35質量%、BaOを10〜20質量%と、B、Y、CaO、SrO、NaO、SnO、P、ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなる30〜100質量%のガラスと、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、BaTi、SrTiO、ZrO、TiO、AlN、Siから選ばれる少なくとも1種を含む0〜70質量%のセラミックスとから構成される材料が採用される。
なお、場合によっては一方の絶縁層を上記材料を含むペーストで作製することも可能である。具体的には、一方の絶縁層を形成するためのグリーンシートに他方の絶縁層の形成するためのペーストを塗布すればよい。
次に、このグリーンシートにパンチングなどによって貫通孔を形成する。そして、貫通孔内に焼成後にビアホール導体4となる導体ペーストを充填する。導体ペーストとして、平均粒子径1〜5μm程度の金粉末、銀粉末、銅粉末、アルミニウム粉末のいずれかに対して、有機バインダー、有機溶剤を混合したものが用いられる。充填には、ビアホール導体形成位置に一致する箇所に穿孔されたメタルマスク、あるいは、エマルジョンメッシュスクリーンマスクを用いて、スクリーン印刷する方法を用いることができる。このとき、マスクを通して導体ペーストを押し出す方法として、通常のポリウレタン製等の板状(あるいは剣状)のスキージを用いる方法でもよく、ペースト押し出し式のスキージヘッドを用いて、ペーストを貫通孔に加圧注入する方法でもよい。また、導体ペーストの粘度や印刷条件を調整して、充填した導体ペーストが貫通孔上でグリーンシート表面から突出するように過充填する。その後、必要に応じて、突出した導体ペーストをプレスして、貫通孔に押し込む。
さらに、表面配線導体層2や内部導体層3を導体ペーストのスクリーン印刷法などによって被着形成する。これらの導体層の厚みは、18〜22μm程度に形成される。ここで、内部導体層3を形成する導体ペーストについては、ビアホール導体4を形成する導体ペーストに含まれる原料としての金属粉末と同じかまたはこれよりも小さい粒子径のものを採用できるが、表面配線導体層2を形成する導体ペーストに含まれる原料としての金属粉末ついてはビアホール導体4を形成する導体ペーストに含まれる金属粉末よりもかなり微小な平均粒子径、具体的には0.1〜0.5μm程度のものが好適に用いられる。
このようにして得られた各グリーンシートまたは絶縁体ペーストを所定の積層順序に応じて積層して積層成形体を形成する。具体的には、表面配線導体層用ペーストを被着形成したグリーンシートを表層とする。このグリーンシートは、第1のグリーンシートであっても第2のグリーンシートであってもよい。そして、表層が第1のグリーンシートの場合はこれに隣接する層として第2のグリーンシートを配置し、表層が第2のグリーンシートの場合はこれに隣接する層として第1のグリーンシートを配置するように、これらのグリーンシートは交互に配置される。ここで、表層およびこれに隣接する層に配置されるグリーンシートには連通する貫通孔が形成されていて、この貫通孔には平均粒子径が1〜5μmの金属粉末を含むビアホール導体用ペーストが充填された構成となる。

その後、上記積層成形体を焼成する。焼成にあたっては、低温側で焼成収縮が開始する第1の絶縁層の収縮開始温度と第2の絶縁層に含まれるガラスの結晶化温度との間の温度で一旦保持する多段焼成でもよいが、単一キープ温度においても同時焼成することでX−Y方向への焼成収縮が抑制されZ方向に焼成収縮した寸法精度の高い多層配線基板を作製することができる。
なお、上述の製造方法においては、表面配線導体層2におけるビアホール導体4を覆う部位およびそれ以外の部位を同じ成分および同じ平均粒子径の金属粉末を用いた場合について説明したが、表面配線導体層2におけるビアホール導体4を覆う部位およびそれ以外の部位を異なる成分および異なる平均粒子径の金属粉末を用いて別々にスクリーン印刷してもよい。
まず、焼成後に第1の絶縁層(絶縁層a1〜a5)を形成するガラスセラミック材料Aとして、23.8質量%のSiO、8.4質量%のAl、15.4質量%のMgO、26.5質量%のBaO、17.9質量%のB、4.9質量%のCaO、0.4質量%のSrO、1.0質量%のSnO、1.7質量%のZrOからなる60質量%のガラスと、40質量%のAlとから構成されるガラスセラミック材料を用意した。
また、焼成後に第2の絶縁層(絶縁層b1〜b4)を形成するガラスセラミック材料Bとして、43.3質量%のSiO、12.9質量%のAl、18.0質量%のMgO、14.1質量%のBaO、7.5質量%のB、1.0質量%のY、1.7質量%のCaO、0.5質量%のSrO、1.0質量%のZrOからなる60質量%のガラスと、40質量%のAlとから構成されるガラスセラミック材料を用意した。
これらのガラスセラミック材料A、Bに、アクリル有機バインダー、可塑剤、有機溶剤を添加して、スラリーを作製し、ドクターブレード法により薄層化し、絶縁基板用のグリーンシートA、Bを作製した。このとき、グリーンシートAの厚みを6μm、グリーンシートBの厚みを74μmとした。
次に、ビアホール導体を形成する導体ペーストを作製した。平均粒子径が0.5μm、3.5μm、5.0μmの銀粉末を準備し、銀粉末100質量%に対して、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを12質量%添加し、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混錬してビアホール導体層用ペーストを作製した。そして、上記のグリーンシートAおよびBに、貫通導体を形成すべく、直径90μmの貫通孔をレーザーによって形成し、上記のビアホール導体層用ペーストをスクリーン印刷法によりこのビアホールに充填した。
次に、内層配線導体層を形成する導体ペーストを作製した。平均粒子径が2.5μmの銀粉末を準備し、銀粉末100質量%に対して、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを0.5質量%添加し、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混錬して内層配線導体層用ペーストを作製した。得られた内層配線導体層用ペーストを、スクリーン印刷法により、印刷した。
次に、表面配線導体層を形成する導体ペーストを作製した。平均粒子径が0.1μm、0.3μm、0.5μm、1.8μm、2.5μm、5.0μmの銀粉末を準備し、銀粉末100質量%に対して、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを1質量%添加し、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混錬して表面配線導体層用ペーストを作製した。得られた表面配線導体層用ペーストを用いて、スクリーン印刷法により、ビアホール導体の直上に厚み20μm、直径200μmとなるように被着形成した。
その後、これらのグリーンシートAおよびBを位置合わせした後、積層して積層体を作製し、これを大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに、大気中910℃で焼成して多層配線基板を作製した。なお、焼成後の表面配線導体層(ランド)の厚みは15μmであった。
焼成後の多層配線基板において、基板端部付近の表面の凹凸を3次元レーザー変位計で測定した。このとき、得られた測定データのうち、表層配線導体層の表面における最低点と最高点との差を突起高さと定義して測定した。なお、表1には9基板の結果における突起高さの最高値を記した。また、ラインインターセプト法により、表面配線導体層2を構成する扁平粒子21を絶縁基板の積層方向から見たときの平均粒径、ビアホール導体の平均粒径を算出した。具体的には、表面配線導体層2を絶縁基板1の積層方向から500倍の電子顕微鏡で見たときに、任意の直交する線を引き、線の長さ75μmの範囲で複数の粒界間の距離を測定し、平均粒径を算出した。また、ビアホール導体4の平均粒径については、表面導体をエッチングにより剥離し、ビアホール導体4表面を積層方向から500倍の電子顕微鏡で見たときに、任意の直交する線を引き、線の長さ75μmの範囲で複数の粒界間の距離を測定し、平均粒径を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2008159940
表1より、本発明のガラスセラミック多層回路基板である試料No.1〜3、7においては、突起高さの最高値が15μm以下であった。特に、試料No.1の表層導体の平均粒径が50μmの場合、突起高さの最高値が5μmと非常に良好であった。
一方、本発明の範囲外である試料No.4〜6については、突起高さが著しく上昇した。また、試料No.9のようにビアホール導体を形成する金属粉末が0.5μmと小さく、焼結体の平均粒径が大きくなったものは、ビアホール導体のX−Y方向の焼成収縮を抑制できずに、突起高さが著しく上昇した。
本発明の多層配線基板の構造を示す概略断面図である。 (a)は図1に示す表面配線導体層2の積層方向から見た2次元拡大図、(b)は図1に示すビアホール導体4の積層方向から見た2次元拡大図である。
符号の説明
1・・・多層配線基板
2・・・表面配線導体層
21・・扁平粒子
3・・・内部導体層
4・・・ビアホール導体

Claims (4)

  1. ガラスセラミックスからなる第1の絶縁層と、該第1の絶縁層を構成するガラスセラミックスの焼成収縮の終了温度よりも焼成収縮の開始温度が高いガラスセラミックスからなる第2の絶縁層とが交互に積層された絶縁基板と、該絶縁基板の表面に形成された金属粉末が焼結されてなる表面配線導体層と、該表面配線導体層に接続された金属粉末が焼結されてなるビアホール導体とを含む同時焼成によって形成された多層配線基板であって、
    前記表面配線導体層の少なくとも前記ビアホール導体を覆う部位の導体粒子が前記表面配線導体層の厚みよりも長く延びた扁平粒子であり、前記絶縁基板の積層方向から見たときの前記扁平粒子の平均粒径が前記ビアホール導体の平均粒径の3倍以上であることを特徴とする多層配線基板。
  2. 前記表面配線導体層と前記ビアホール導体とが同じ主金属成分からなることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
  3. 絶縁基板の表面に表面配線導体層が形成され、前記絶縁基板の内部に前記表面配線導体層に接続されたビアホール導体が形成された多層配線基板の製造方法であって、
    ガラス粉末およびセラミック粉末を含有する第1のグリーンシートを用意する工程と、
    ガラス粉末およびセラミック粉末を含有し前記第1のグリーンシートの焼成収縮終了温度よりも焼成収縮開始温度が高い第2のグリーンシートを用意する工程と、
    前記第1のグリーンシートと前記第2のグリーンシートのうち表層およびこれに隣接する層に配置されるグリーンシートに貫通孔を形成し、該貫通孔に平均粒子径が1〜5μmの金属粉末を含むビアホール導体用ペーストを充填する工程と、
    前記表層に配置される前記グリーンシート上に、少なくとも前記ビアホール導体用ペーストを覆うように、前記ビアホール導体用ペーストに含まれる金属粉末の平均粒子径の1/10以下の平均粒子径の金属粉末を含む表面配線導体層用ペーストを被着形成する工程と、
    表面配線導体層用ペーストを被着形成した前記グリーンシートを表層として前記第1のグリーンシートおよび前記第2のグリーンシートを交互に積層し、同時焼成する工程とを有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  4. 前記ビアホール導体用ペーストに含まれる金属粉末と前記表面配線導体層用ペーストに含まれる金属粉末とが同じ主金属成分からなることを特徴とする請求項3に記載の多層配線基板の製造方法。
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