JP6336841B2 - 配線基板 - Google Patents

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本発明は、ガラスセラミックス焼結体からなる複数の絶縁層と、絶縁層に設けられた貫通導体とを含む配線基板、およびその製造方法に関するものである。
半導体素子や容量素子,圧電振動子等の電子部品が搭載される配線基板として、ガラスセラミック焼結体からなる複数の絶縁層が積層されてなる絶縁基板と、絶縁層を厚み方向に貫通する貫通導体とを含むものが多用されている。この絶縁基板の主面に電子部品が搭載され、電子部品と貫通導体とが電気的に接続されて電子装置が作製される。貫通導体は、例えば電子部品を外部電気回路と電気的に接続する導電路として機能する。
すなわち、例えば絶縁基板の上面に搭載された電子部品が貫通導体を介して絶縁基板の下面に電気的に導出され、導出された部分(貫通導体の下端部等)が外部電気回路に電気的に接続される。これにより、配線基板に搭載された電子部品、つまり電子装置の電子部品が外部電気回路と電気的に接続される。
貫通導体は、例えば銀または銅等の金属材料からなり、メタライズ法等の厚膜形成手段によって形成されている。この場合、未焼成の絶縁層(セラミックグリーンシート等)にあらかじめ貫通孔が設けられ、この貫通孔内に、金属材料の粉末が有機溶剤およびバインダ等と混練されて作製されたペーストが充填された後、これらが同時焼成されて貫通導体が絶縁層に形成される。また、絶縁層の平面視における収縮を抑制して寸法精度を向上させるために、互いに焼成収縮開始温度が異なる複数のセラミックグリーンシートが積層される場合(いわゆる拘束焼成される場合)もある。
特開2002−299830号公報 特開平6−103811号公報
上記従来技術の配線基板においては、貫通導体と絶縁層との接合の強度の向上が求められている。これは、貫通導体と絶縁層との熱膨張係数の差によって貫通導体と絶縁層との間で焼成時の収縮挙動が異なり、この収縮挙動の違いによって貫通導体の側面と貫通孔の内側面との接合強度が低くなりやすいことによる。
特に、近年、配線基板の小型化に応じて貫通孔の直径等の大きさが小さくなってきているため、貫通導体の側面と貫通孔の内側面との接合面積が小さくなる傾向があるため、上記接合強度の向上が強く求められるようになってきている。
また特に、拘束焼成の場合には、セラミックグリーンシートの平面方向の収縮が抑制される分、厚み方向の収縮が大きい。そのため貫通導体と絶縁層との焼成時の収縮挙動の差がさらに顕著になりやすく、接合強度が低くなりやすい。そのため、この場合にも上記接合強度の向上が強く求められる。
本発明の一つの態様の配線基板は、ガラスセラミック焼結体からなるとともに互いに積
層された複数の絶縁層を含む絶縁基板と、前記絶縁層の主面に設けられた配線導体と、主成分として銀を含有しているとともに添加材としてガラスおよび酸化銅を含有しており、前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層を厚み方向に貫通している貫通導体とを備えており、前記ガラスが前記貫通導体のうち前記絶縁層との界面部分に偏在しているとともに、該界面部分において前記銀の間に前記ガラスの粒子が分散している。
本発明の一つの態様の配線基板によれば、貫通導体に含有されているガラスが貫通導体のうち絶縁層との界面部分に偏在して、その界面部分において銀の間に粒子として分散していることから、貫通導体と絶縁層との接合強度が従来よりも向上している。
すなわち、貫通導体のガラスと絶縁層を形成しているガラスセラミック焼結体のガラス成分との接合強度が高いため、このガラスとガラス成分との接合によって貫通導体と絶縁層との接合強度が高められている。また、貫通導体の上記界面部分にガラスが粒子として分散しているため、このガラスの粒子のアンカー効果によって貫通導体と絶縁層との接合強度が高められている。この場合、酸化銅の存在によって、貫通導体のガラスが大きな塊として銀から分離することが抑制され、粒子としての分散が可能になっている。したがって、貫通導体と絶縁層との接合強度が容易な配線基板を提供できる。
本発明の実施形態の配線基板の要部を示す断面図である。 本発明の実施形態の配線基板の要部をさらに拡大して示す断面図である。 本発明の配線基板の製造方法を示すフロー図である。 (a)〜(c)はそれぞれ本発明の実施形態の配線基板の製造方法を工程順に示す断面図である。
本発明の配線基板を添付の図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態の配線基板の要部を拡大して示す断面図である。図2は、本発明の実施形態の配線基板の要部をさらに拡大して示す断面図である。複数の絶縁層2が積層されてなる絶縁基板1と、絶縁層2の主面に設けられた配線導体3と、絶縁層2を厚み方向に貫通している貫通導体4とによって配線基板10が基本的に形成されている。また、配線基板10に電子部品21が搭載されれば、電子装置20が形成される。
絶縁基板1を形成している複数の絶縁層2は、例えばホウケイ酸ガラスおよび酸化アルミニウムを主成分とするガラスセラミック焼結体等のガラスセラミック焼結体によって形成されている。ガラスセラミック焼結体は、例えばリチウムケイ酸系ガラス等の他のガラ
ス成分またはセラミック成分を含有していても構わない。
絶縁基板1を形成している複数の絶縁層2は、必ずしもすべてが同じ組成のものである必要はなく、互いに異なる組成のものが含まれていてもよい。また、互いに積層された複数の絶縁層2以外のもの、例えば配線導体3の露出面の一部等を被覆する絶縁コート層等が絶縁基板1に含まれていても構わない。
絶縁基板1は、例えば各絶縁層2が、ホウケイ酸系ガラスにセラミック成分として酸化アルミニウムを添加してなるガラスセラミックスからなる場合であれば、次のようにして製作することができる。すなわち、まず酸化ケイ素,酸化ホウ素等のガラス成分の粉末に酸化アルミニウム等のセラミック粉末を添加した原料粉末に適当な有機バインダおよび有機溶剤を添加混合してスラリーを作製する。次に、セラミックスラリーをドクターブレード法やリップコータ法等のシート成形技術でシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。その後、セラミックグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工により適当な形状とするとともにこれを複数枚積層し、最後にこの積層されたセラミックグリーンシートを還元雰囲気中において約950〜1000℃の温度で焼成することによって絶縁基板1を
製作することができる。
絶縁基板1は、例えば四角板状であり、電子部品21を搭載し支持するための基体として機能する。この場合、絶縁基板1の主面(図1に示す例では上面)に電子部品21が搭載される。なお、図2で示されている電子部品21は、その四角形状等の本体の一端部分のみである。電子部品21の上面に、電子部品の電気回路を外部接続するための電極等(図示せず)が設けられている。
電子部品21としては、ICやLSI等の半導体集積回路素子、およびLED(発光ダイオード)やPD(フォトダイオード),CCD(電荷結合素子)等の光半導体素子を含む半導体素子、弾性表面波素子や水晶振動子等の圧電素子,容量素子,抵抗器,半導体基板の表面に微小な電子機械機構が形成されてなるマイクロマシン(いわゆるMEMS素子)等の種々の電子部品21が挙げられる。
配線導体3は、例えば、絶縁基板1に搭載される電子部品21と電気的に接続されて、この電子部品21を外部電気回路(図示せず)に電気的に接続する導電路の一部となる部分である。また、貫通導体4は、絶縁層2の上下の配線導体3を互いに電気的に接続する部分である。例えば、絶縁基板1の上面の配線導体2と、絶縁基板1の下面の配線導体2とが、絶縁基板1の内部に位置する配線導体2および貫通導体4によって互いに電気的に接続されている。絶縁基板1の上面の配線導体2に電子部品21がボンディングワイヤ22等の導電性接続材を介して電気的に接続され、絶縁基板1の下面の配線導体2がはんだ等の接続材(図示せず)を介して外部電気回路と電気的に接続される。これにより、配線基板10に搭載される電子部品21と外部電気回路とが互いに電気的に接続される。この場合、配線導体2のうち絶縁基板1の上面および下面に露出して配置された部分は、電子部品21または外部電気回路に対する接続パッドとして機能する。
配線導体3は、例えば銀を主成分とする金属材料により形成されている。金属材料の主成分である銀は、電気抵抗が低いため配線導体3の電気抵抗を低く抑える上で有利である。絶縁基板1が上記組成等のガラスセラミック焼結体からなる絶縁層2が積層されたものであるため、絶縁基板1を製作するときの焼成温度を上記のように比較的低くすることができる。そのため、融点が比較的低い(約962℃)銀を主成分とする金属材料で配線導体
3を、絶縁基板1(複数の絶縁層2)との同時焼成で形成することが容易である。
貫通導体4は、主成分として銀を含有している。図2に示すように、断面視において貫
通導体4のうち銀4aからなる部分の範囲が最も大きい。そのため、貫通導体4の電気抵抗(抵抗率)が効果的に低く抑えられている。また、貫通導体4は、添加材としてガラス4bおよび酸化銅4cを含有している。
貫通導体4は、例えば銀、ガラスおよび酸化銅の各成分の粒子(粉末)を有機溶剤およびバインダとともに混練して作製した金属ペーストを、絶縁層2となるセラミックグリーンシートにあらかじめ形成しておいた貫通孔内に充填し、これらを同時焼成することによって形成することができる。
この貫通導体4に含まれているガラス4bは、貫通導体4のうち絶縁層2との界面部分において内部よりも多く含有されている。貫通導体4の絶縁層2との界面部分は、貫通導体4と絶縁層2との界面から貫通導体4の内側に約5〜20μm程度まで入った領域である。また、ガラス4bは、貫通導体4のうち絶縁層2との界面部分に粒子として含有されている。言い換えれば、貫通導体4のガラスの成分は、貫通導体4の絶縁層2との界面部分で層状になったものではなく、点在している。このようなガラス4bの粒子は、貫通導体4のうち銀4aからなる部分の間に、例えば互いに隣接間隔が同じ程度になるように分散している。貫通導体4のうち銀4aからなる部分は、例えば複数の銀の粒子(結晶粒)を含む多結晶体であり、この銀の粒子(粒子としては図示せず)の間にガラス4bの粒子が分散しているとみなすこともできる。
貫通導体4に含有されているガラス4bが貫通導体4のうち絶縁層2との界面部分に偏在して粒子として分散していることから、貫通導体4と絶縁層2との接合強度が効果的に向上している。
すなわち、貫通導体4のガラスと絶縁層2を形成しているガラスセラミック焼結体のガラス成分との接合強度が比較的高い。そのため、貫通導体4のガラスと絶縁層2のガラス成分との接合によって貫通導体4と絶縁層2との接合強度が高められている。また、貫通導体4の絶縁層2との界面部分にガラス4bが粒子として分散しているため、つまりガラス4bが層状ではなく粒子として銀4aの中に入り込んでいるため、このガラス4bの粒子のアンカー効果によって貫通導体4と絶縁層2との接合強度が高められている。したがって、貫通導体4と絶縁層2との接合強度が高い配線基板10を提供できる。
なお、この場合、仮に貫通導体4が銀およびガラスのみを含有し、酸化銅4cを含有していないとすると、ガラス4bが、絶縁層2との界面部分に分散できる程度の比較的小さい粒子にはならず、大きな塊として銀から分離する可能性がある。これに対して、酸化銅4cが含有されていることによって、ガラス4bの分離が抑制され、粒子としての分散が可能になっている。
貫通導体4の絶縁層2との界面部分に分散しているガラス4bの粒子は、例えば断面視における大きさ(最も長い対辺間の距離)が約5〜10μm程度と小さい。そのため、上記界面部分における分散が可能になっている。これに対して、仮に上記のように塊として分離したときのガラスの大きさは、約15〜20μm程度と大きくなってしまう。
酸化銅4cの上記の機能は、酸化銅4cの極性がガラス4bの極性と銀4aの極性との中間程度であることによると推定されている。すなわち、ガラス4bがホウ素またはケイ素等の成分と酸素成分との間で大きく分極しているのに対して、銀4aは酸化していない単体の金属であり、分極していない。酸化銅4cは、酸素と銅との間で分極しているが、その分極の程度はガラス4bよりは小さい。この酸化銅4cの介在によって、銀4aからなる部分にガラス4bが粒子として分散できる。
なお、ガラス4bの含有率が多くなり過ぎると、貫通導体4の導通抵抗が高くなり、配線基板10としての電気特性が低くなる可能性がある。そのため、貫通導体4全体におけるガラス4bの含有率は、例えば約6〜20質量%程度である。このガラス4bのうち質量の割合として約25〜70%程度が絶縁層2との界面部分に偏在していることが望ましい範囲である。この場合、例えば貫通導体4の断面を観察したときに、界面付近において所定の単位面積(例えば1辺の長さが約10μm程度の正方形)におけるガラス4bの割合(上記断面における面積の占有率)が約40〜80%程度になる。
この程度の範囲であれば、貫通導体4の絶縁層2との界面部分における断面の面積の割合として約60〜90%程度がガラス4bであり、ガラス成分との接合効果、およびアンカー効果をより確実に得ることができる。
また、貫通導体4全体における酸化銅4cの含有率は、例えば約3〜15質量%程度であることが望ましい。酸化銅の含有率が上記の範囲程度であれば、貫通導体4としての導通抵抗を低く抑えながら、ガラス4bを銀4aの間に粒子として分散させる効果をより確実に得ることができる。
貫通導体4について、ガラス4bの含有率が約6〜20質量%であり、かつ酸化銅の含有率が約3〜15質量%であるときに、その導通抵抗は抵抗値として約8×10−6〜6×10−5Ω程度の範範囲になる。この含有率の場合、貫通導体4の横断面を観察したとき、この横断面におけるガラス4bの面積の割合は約10〜30%になる。
なお、図2の例ではガラス4bの粒子は、断面視において、不定形状であるが、円形状または楕円形状等の他の形状でもよく、複数の形状のものが混在していてもよい。ガラス4bの粒子の形状は、例えばガラスの種類、添加量、焼成温度、酸化銅の添加量等の条件によって適宜調整することができる。
貫通導体4のうち酸化銅4cは、絶縁層2との界面部分よりも内部に多く含有されていることが好ましい。すなわち、酸化銅4cは、貫通導体4の内部に偏在していることが好ましい。この場合には、貫通導体4に添加されているガラス4bおよび酸化銅4cのうち貫通導体4の絶縁層2に対する接合の強化に対してより有効なガラス4bが界面部分により多く含有される。そのため貫通導体4の絶縁層2に対する接合の強度がより効果的に向上し得る。
貫通導体4の内部に酸化銅4cを比較的多く含有させるには、例えばガラス4bを絶縁層2のガラス成分との結合が容易なもの、つまり化学的な親和性が高いものとすればよい。この場合、焼成時にガラス4bが絶縁層2(セラミックグリーンシート)の方向に移動し、これと逆に酸化銅4cが貫通導体4の内部方向に移動しやすい。そのため、貫通導体4の内部に酸化銅4cが比較的多く含有されるようになる。上記のようなガラス4bの具体例については後述する。
また、実施形態の配線基板10では、絶縁層2の厚み方向の断面視において、貫通導体4は、その側面が上記厚み方向の中央部で内側に湾曲している。つまり、この実施形態の貫通導体4は、上端面および下端面が比較的大きく、その長さ方向(絶縁層2の厚み方向)の中央部における横断面が比較的小さい。言い換えれば、貫通導体4は円柱状等の柱状であって長さ方向の中央部がくびれた形状になっている。
このような形状の貫通導体4であれば、貫通導体4と絶縁層2との接合面積をより大きくして両者の接合強度を向上させる上でより有利である。また、貫通導体4と絶縁層2との接合界面が湾曲しているため、両者間に水平方向等に作用する熱応力を分散させる上で
も有利である。したがって、この場合には、貫通導体4と絶縁層2との間の剥がれ等がより効果的に抑制される。
また、貫通導体4と配線導体3との接合面積をより大きくして、貫通導体4と配線導体3との接合の強度をより大きくする上でも有利である。
貫通導体4を上記のようにくびれた形状とするには、例えば絶縁層2となるセラミックグリーンシートに貫通導体4用の貫通孔を形成する際に、その貫通孔の形状を上記のようにくびれた形状とすればよい。貫通孔をくびれた形状とするには、例えば打ち抜き加工に用いる金型について、実際にセラミックグリーンシートを打ち抜く金属ピン(いわゆる上金型)と、セラミックグリーンシートが載置されている載置部(いわゆる下金型)が有する孔(上記金属ピンを受ける部分)とのクリアランスを適宜調整すればよい。クリアランスが大きいほど、貫通孔の上下端の外側への広がりが大きくなる。つまり貫通孔の中央部がより大きく内側に湾曲する。
なお、貫通導体4は、焼成時のセラミックグリーンシートの厚み方向の収縮をより大きくして上下方向に圧力を加えることによっても、その中央部を内側に湾曲させること、または湾曲の程度をより大きくすることができる。この方法の詳細については後述する。
また、上記配線基板10において、貫通導体4に含有されているガラス4bが、絶縁層2を形成しているガラスセラミック焼結体のガラス成分とは異なる種類であってよい。この場合には、貫通導体4および絶縁層のそれぞれに適したガラス4bおよびガラス成分が用いられるため、例えば絶縁基板1の機械的強度の確保および貫通導体4となる金属ペーストの焼結性等がより高められる。つまり、配線基板10としての信頼性等がより高められる。
このような、貫通導体4のガラス4bと絶縁層2のガラス成分との組み合わせとしては、前述したようにガラス4bとガラス成分との化学的な親和性が高く、互いに結合しやすいものが適している。化学的な親和性は、例えばガラス4bとガラス成分とのそれぞれの分極が互いに同じ程度のものが挙げられる。具体的には次のような例が挙げられる。すなわち、貫通導体4のガラス4bとしては、リン酸塩系ガラス等の低融点ガラスが挙げられる。この場合に、絶縁層2のガラス成分としては、ホウケイ酸ガラス等の結晶化ガラスが挙げられる。
図3は、本発明の配線基板の製造方法を示すフロー図である。また、図4は、本発明の実施形態の配線基板の製造方法における要部を工程順に示す断面図である。図4において図1および図2と同様の部位には同様の符号を付している。
まず、図4(a)に示すように、互いに焼成温度が異なる第1セラミックグリーンシート31Aおよび第2セラミックグリーンシート31Bを含む複数のセラミックグリーンシート31を準備する。これらのセラミックグリーンシート31には貫通孔32を形成する。図4の例では、第1セラミックグリーンシート(以下、第1シート)31Aの貫通孔32が形成された部分を示しているが、この図の範囲外で第2セラミックグリーンシート(以下、第2シート)32Bに貫通孔(図示せず)が形成されてもよい。
貫通孔32は、例えば前述した実施形態の配線基板10の場合と同様に、金型を用いた機械的な打ち抜き加工で形成することができる。この打ち抜き加工時に、打ち抜き開始側と終了側との部分(開口部分)付近でセラミックグリーンシート31がより大きく外側に開きやすい。つまり、貫通孔32は上下の開口部分が中央部に比べて大きくなりやすい。また、貫通孔32は、レーザ加工等の他の方法で形成することもできる。この場合、例えばレーザ光
の照射回数または照射方向等を適宜調整すれば、所望の形状の貫通孔32を形成することができる。
第1シート31Aと第2シート31Bとで互いに焼成温度が異なることにより、後述する焼成時に、一方が焼成する温度では他方が焼成せず、互いに水平方向(主面に沿った方向)の焼成収縮を抑制する効果(いわゆる拘束焼成の効果)が得られる。これにより、焼成後の配線基板10の水平方向の寸法精度等が向上する。
第1シート31Aと第2シート31Bとの間で焼成収縮開始温度を互いに異ならせるには、例えばそれぞれに含有させるガラス成分の種類を互いに異なるものとして、それぞれのガラス成分の軟化温度、結晶化温度等を互いに異ならせればよい。第1シート31Aのガラス成分と第2シート31Bのガラス成分とは、それぞれの焼成収縮開始温度の差が50℃以上になるようなものであればよい。このようなガラス成分としては、例えば第1シート31Aにおいて焼成収縮開始温度がより高い結晶化ガラスが挙げられ、第2シート31Bにおいて焼成収縮開始温度がより低い結晶化ガラスが挙げられる。
この場合、第1シート31Aおよび第2シート31Bに含有されるガラス成分としては、焼成によって結晶を析出する結晶性化ガラスが好ましい。例えば、析出結晶としては、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライトのうち少なくとも1種が挙げられる。これらのうち、誘電特性の点でディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、ウィレマイト、フォルステイトが好ましく、強度の点でディオプサイド、セルシアン、コージェライト、アノーサイトが好ましい。
また、第1シート31Aおよび、第2シート31Bに含有されるセラミック成分(セラミックフィラー)としては、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTi、ZrTiO、SrTiO、BaTiO、TiO、AlN、Si等を例示できる。これらのうち、誘電特性の点でAl、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTiが好ましく、強度の点でAl、AlN、Siが好ましい。
ここで、第1シート31Aは、第2シート31Bが焼成収縮を開始するまでに、自身の焼成収縮(焼結)を終了させる必要がある。したがって、軟化温度、結晶化温度、結晶化度等の特性を調整するために、第1シート31Aに用いるガラス粉末と第2シート31Bに用いるガラス粉末とは組成が異なり、ガラス粉末とセラミックフィラーとの比率も異なる。
例えば、第2シート31Bに含まれるガラス粉末の軟化点を、第1シート31Aに含まれるガラスの結晶化点よりも高くなるように調整することで、第2シート31Bの焼成収縮開始温度を第1シート31Aの焼成収縮終了温度よりも高くすることができる。
なお、ここでいう焼成収縮開始温度とは、対象とする材料を単独で焼成した時に、0.5
%体積収縮したときの温度をいう。また、焼成収縮の終了温度とは、焼成前の状態から焼成終了後の状態までの収縮量に対し90%以上体積収縮したときの温度をいう。体積収縮はTMA(熱機械分析)の線収縮から体積収縮に換算して決定される。
例えば、第1シート31Aとして、SiOを10〜30質量%と、Alを1〜9質量%と、MgOを5〜30質量%と、BaOを21〜35質量%と、Bを10〜30質量%と、Y、CaO、SrO、ZnO、TiO、NaO、SnO、P、ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%との割合で含むガラス粉末を40〜90質量%と、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO
、BaTi、SrTiO、ZrO、TiO、AlNおよびSiから選ばれる少なくとも1種を含むセラミックフィラーを10〜60質量%とからなる原料粉末が採
用される。例えば、この第1シート31Aの焼成収縮開始温度は600〜650℃、焼成収縮終了温度は750〜800℃に設定される。
また、第2シート31Bとして、SiOを20〜60質量%と、Alを10〜25質量%と、MgOを8〜35質量%と、BaOを10〜20質量%と、B、Y、CaO、SrO、NaO、SnO、P、ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなるガラス粉末を30〜100質量%と、Al、SiO
、MgTiO、CaZrO、CaTiO、BaTi、SrTiO、ZrO、TiO、AlN、Siから選ばれる少なくとも1種を含むセラミックフィラ
ーを0〜70質量%との割合で含む原料粉末が採用される。例えば、この第2シート31Bの焼成収縮開始温度は750〜800℃、焼成収縮終了温度は900〜950℃に設定される。ただし、第2シート31Bの焼成収縮開始温度は、第1シート31Aの焼成収縮終了温度よりも高く設定される。
次に、銀、ガラスおよび酸化銅のそれぞれの粉末を含む導体ペースト33を作製するとともに、該この導体ペースト33を、セラミックグリーンシート31(31A)に形成した貫通孔32内に充填する。この導体ペースト33の充填は、例えばスクリーン印刷法によって行なうことができる。スクリーン印刷の際には、貫通孔32の下側からの真空吸引を併用してもよい。
導体ペースト33は、上記の各粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練して作製することができる。この導体ペースト33のうち銀、ガラスおよび酸化銅の粉末部分の組成は、例えば上記実施形態の配線基板10の貫通導体4と同様の組成である。すなわち、銀を主成分として含有し、ガラスを約6〜20質量%含有し、さらに酸化銅を約3〜15質量%含有するものを用いることができる。なお、この粉末における銀の含有率は、65〜91質量%程度に設定すればよい。
図4(b)の工程では、各セラミックグリーンシート31の主面に配線導体4用の導体ペースト34をスクリーン印刷法等の印刷法で印刷している。配線導体4用の導体ペースト34は、前述した配線導体4と同様の組成の金属材料の粉末を、有機溶剤およびバインダ等とともに混練することによって作製することができる。
次に、上記各セラミックグリーンシート31(31A、31B)を、第1シート31Aと第2シート31Bとが互いに上下に接し合うように積層して積層体(図示せず)を作製し、この積層体を焼成する。これにより、図4(c)に示す配線基板10を製作することができる。積層体は、図4(b)の3層のセラミックグリーンシート31が、図示された通りの順に上下に互いに積層され、機械的な加圧法等で上下に加圧されて密着し合った構造である。
この焼成時に、貫通孔32内に充填した導体ペースト33の銀の粉末同士が互いに焼結し合う。また、導体ペースト33のガラスの粉末が、銀との極性の相違、およびセラミックグリーンシートのガラス成分との結合に伴い、貫通孔32内の導体ペースト33の外周部分(セラミックグリーンシート31との界面部分)に移動する。このガラスの移動時には、ガラスと酸化銅との結合によって、例えば図2に示されているようにガラスが適度な大きさの粒子となって銀の焼結体中に分散する。このとき、互いに結合したガラス4bおよび酸化銅4cのうちガラス4bの方がセラミックグリーンシートのガラス成分と結合しやすいため、この導体ペースト(貫通導体2)のセラミックグリーンシート(絶縁層2)との界面部分にはガラスが粒子として偏在しやすい。また、これと逆に酸化銅が、貫通導体2となる導体ペーストの内部に偏在しやすい。そのため、上記実施形態の配線基板10における貫通導
体4と同様に、ガラスが絶縁層との界面部分に偏在しているとともに粒子として分散している貫通導体4を形成することができる。
また、この焼成時に、各セラミックグリーンシート31(31A、31B)は、それらの水平方向の収縮が抑制されている分、厚み方向の収縮量が大きい。そのため、貫通孔32内に充填された導体ペースト33にも上下方向に収縮させる(圧縮させる)力が比較的強く作用する。そのため、導体ペースト33は、上下に圧縮された形状、つまり長さ方向(厚み方向)の中央部が内側に湾曲した形状になりやすい。
この場合、厚み方向の中央部が内側に湾曲している貫通導体4を有する配線基板10をより容易に製作することができる。また、その湾曲の程度をより大きくした配線基板10の製作も容易である。
1・・・絶縁基板
2・・・絶縁層
3・・・配線導体
4・・・貫通導体
4a・・・銀
4b・・・ガラス
4c・・・酸化銅
10・・・配線基板
20・・・電子装置
21・・・電子部品
22・・・ボンディングワイヤ

Claims (4)

  1. ガラスセラミック焼結体からなるとともに互いに積層された複数の絶縁層を含む絶縁基板と、
    前記絶縁層の主面に設けられた配線導体と、
    主成分として銀を含有しているとともに添加材としてガラスおよび酸化銅を含有しており、前記複数の絶縁層のうち少なくとも一つの絶縁層を厚み方向に貫通している貫通導体とを備えており、
    前記ガラスが前記貫通導体のうち前記絶縁層との界面部分に偏在しているとともに、該界面部分において前記銀の間に前記ガラスの粒子が分散していることを特徴とする配線基板。
  2. 前記酸化銅が粒子として前記貫通導体の内部に偏在していることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記絶縁層の前記厚み方向の断面視において、前記貫通導体の前記厚み方向の中央部が内側に湾曲していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線基板。
  4. 前記貫通導体に含有されている前記ガラスが、前記絶縁層を形成している前記ガラスセラミック焼結体のガラス成分とは異なる種類であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の配線基板。
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