JP2002076609A - 回路基板 - Google Patents

回路基板

Info

Publication number
JP2002076609A
JP2002076609A JP2000256288A JP2000256288A JP2002076609A JP 2002076609 A JP2002076609 A JP 2002076609A JP 2000256288 A JP2000256288 A JP 2000256288A JP 2000256288 A JP2000256288 A JP 2000256288A JP 2002076609 A JP2002076609 A JP 2002076609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
wiring conductor
component
conductor
surface wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000256288A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Nakano
紀男 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2000256288A priority Critical patent/JP2002076609A/ja
Publication of JP2002076609A publication Critical patent/JP2002076609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シート抵抗の増大を抑制しつつも、セラミック
基板と表面配線導体との高い接着強度を確保した回路基
板を提供する。 【解決手段】回路基板10において、セラミック基板1
の表面に、銀を主成分とする金属成分と、ガラス成分
と、Cu2OまたはMnO2のいずれかの金属酸化物とを
含有してなる表面配線導体2を形成してなり、表面配線
導体2は、ガラス成分と金属酸化物との合計が、金属成
分100重量部に対して0.1〜30重量部含有し、か
つセラミック基板1と表面配線導体2が接触する界面の
粗さが5μm以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板材料に、ガラ
ス−セラミック材料を用いて、低温、例えば800〜1
050℃で焼成可能な回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、焼成温度を800〜1050
℃と比較的低い温度で焼成可能な材料を用いた低温焼成
回路基板が検討されてきた。回路基板の基体構造として
は、ガラス−セラミック層を複数積層して成る多層基板
と、ガラス−セラミックから成る単板基板とがある。基
体が多層基板である場合には、基体の内部に内部配線導
体やビアホール導体をAg系(Ag単体またはAg合金
など)、Cu系、Au系などの低抵抗材料で形成されて
いた。
【0003】このような基板材料として、一般にガラス
−セラミック材料、例えば、コージェライト、ムライ
ト、アノートサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイ
ト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライト、オオスミ
ライト及びその置換誘導体などの結晶相のうち少なくと
も1種類を析出し得る低融点ガラス成分とクリストバラ
イト、石英、コランダム(αアルミナ)のうち少なくと
も1種類のセラミック材料(無機物フィラー)とからな
っていた。特に、このようなガラス−セラミック基板の
混合比率はセラミック材料が10〜60重量部、低融点
ガラス成分が90重量部〜40重量部と、低融点ガラス
成分が多いものであった。
【0004】実際、このような基板材料を用いて、回路
基板を構成するには、回路基板の表面に表面配線導体を
形成する必要がある。また、製造工程上、基板の焼成と
表面配線導体の焼成工程を共通化して、製造方法の簡略
化を図ることが考えられていた。
【0005】基板と一体的に焼成される表面配線導体と
しては、Ag系導体やCu系導体などが例示できる。し
かしながら、表面配線導体のマイグレーション性、酸化
性雰囲気(大気中)での焼成などを考慮して、専らAg
系導体に限られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記回
路基板によれば、回路基板の表面に実装された各種電子
部品を接合する半田の拡散、特に半田に含まれるスズの
拡散により、接着強度の劣化が起こり、十分な接続信頼
性を確保することができないという問題点があった。
【0007】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、セラミック基板と表面配線導体の接続信頼性を向
上させることが可能な回路基板を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の回路基板は、
セラミック基板の表面に、銀を主成分とする金属成分
と、ガラス成分と、Cu2OまたはMnO2のいずれかの
金属酸化物とを含有してなる表面配線導体を形成してな
る回路基板であって、前記表面配線導体は、前記ガラス
成分と前記金属酸化物との合計が、前記金属成分100
重量部に対して0.1〜30重量部含有するとともに、
前記セラミック基板と表面配線導体が接触する界面の粗
さが5μm以上である。
【作用】セラミック基板と表面配線導体とが接合する構
造としては、ガラスボンドやケミカルボンドによるもの
がある。
【0009】ここで、ガラスボンドとは、焼成による表
面配線導体中のガラス成分の融液によって、界面の近傍
のガラス成分とセラミック基板とが融着することによ
り、セラミック基板と表面配線導体とを接合するもので
ある。また、ケミカルボンドとは、界面の近傍のガラス
成分とセラミック基板との反応によって、界面の近傍に
反応層が形成することにより、セラミック基板と表面配
線導体とを接合するものである。
【0010】ここで、ガラスボンドはケミカルボンドよ
り確実かつ良好な結合である。しかし、セラミック基板
と表面配線導体が接触する界面の粗さが5μm未満であ
る場合、セラミック基板と表面配線導体の接触面積が狭
いことから、ケミカルボンドが支配的となる。
【0011】すなわち、表面配線導体は、銀を主成分と
する金属成分と、金属成分100重量に対して0.1〜
30重量部のガラス成分および金属酸化物(Cu2Oま
たはMnO2)を含有し、かつセラミック基板と表面配
線導体が接触する界面の粗さが5μm以上であるため、
セラミック基板が適度な凹凸の表面を有し、いわゆるア
ンカー効果(Ag系導電性ペーストを構成するAg粒子
と基板材料のガラス成分が強固に結合し合う)を発揮し
て、ガラスボンドやケミカルボンドの両方により、セラ
ミック基板と表面配線導体との接着力を高めるため、高
い接着信頼性が達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回路基板を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明に係る回路基板の断
面図である。尚、実施例では、基板として、ガラス−セ
ラミック層を4層積層して成る多層回路基板で説明す
る。
【0013】図1において、10は回路基板であり、1
は内部に所定回路を構成する内部配線導体を有する基体
(以下、セラミック基板という)、2は基体1の表面に
形成した表面配線導体、3は内部配線導体、4はビアホ
ール導体、5は各種電子部品、6は半田である。
【0014】セラミック基板1は、ガラス−セラミック
層1a〜1dと、ガラス−セラミック層1a〜1dの各
層間には、所定回路網を達成するため、あるいは容量成
分を発生するための内部配線導体3が配置されている。
また、ガラス−セラミック層1a〜1dには、その層の
厚み方向を貫くビアホール導体4が形成されている。
【0015】ガラス−セラミック層1a〜1dは、例え
ば850〜1050℃前後の比較的低い温度で焼成可能
にするガラス−セラミック材料からなる。具体的なセラ
ミック材料としては、クリストバライト、石英、コラン
ダム(αアルミナ)、ムライト、コージライトなどが例
示できる。また、ガラス材料として複数の金属酸化物を
含むガラスフリットを焼成処理することによって、コー
ジェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、ス
ピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタ
ライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析
出するものである。このガラス−セラミック層1a〜1
dの厚みは例えば100〜300μm程度である。
【0016】内部配線導体3、ビアホール導体4は、ガ
ラス成分を含有するAg系(Ag単体、Ag−Pdなど
のAg合金)導体からなり、内部配線導体3の厚みは8
〜15μm程度であり、ビアホール導体4の直径は任意
な値とすることができるが、例えば直径は80〜250
μmである。
【0017】また、セラミック基板1の両主面には、表
面配線導体2が形成されている。表面配線導体2は、金
属酸化物(Cu2OまたはMnO2)、Bi23、ホウ珪
酸系ガラス成分を含有するAg系(Ag単体、Ag−P
dなどのAg合金)導体から成る。
【0018】銀を主成分とする金属成分と、金属成分1
00重量に対して0.1〜30重量部のガラス成分及び
金属酸化物を含有する。ここで、0.1〜30重量部の
ガラス成分及び金属酸化物とは、ガラス成分と金属酸化
物の重量の合計が、金属成分100重量に対して0.1
〜30重量部であることを意味する。
【0019】また、セラミック基板1と表面配線導体2
が接触する界面の粗さが5μm以上である。尚、界面の
粗さは20μm程度が実用的である。これを大きく越え
ると、表面配線導体の表面にその影響が現れてくる。
【0020】また、表面配線導体2のAg系導体は、セ
ラミック基板1の焼成時に同時に焼成されて形成される
ものであり、電子部品5を表面配線導体2上に半田接合
したときに、表面配線導体2に半田食われが発生しない
ように、金属成分として、Ptなどを若干添加してもか
まわない。
【0021】表面配線導体2は、所定回路の入出力端子
電極や電子部品搭載パッドを含むものであり、必要に応
じて、厚膜抵抗体膜や絶縁保護膜が形成され、さらにチ
ップ状コンデンサ、チップ状抵抗、トランジスタ、IC
などの各種電子部品5などが半田やワイヤボンディング
などによって搭載されている。
【0022】上述の回路基板10の製造方法について説
明する。
【0023】セラミック基板1は、まず、ガラス−セラ
ミック層1a〜1dとなるガラス−セラミック材料から
成るグリーンシートを形成する。具体的には、セラミッ
ク粉末、低融点ガラス成分のフリット、有機バインダ、
有機溶剤を均質混練したスラリーを、ドクターブレード
法によって所定厚みにテープ成型して、所定大きさに切
断してシートを作成する。
【0024】セラミック粉末は、クリストバライト、石
英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コージライ
トなどの絶縁セラミック材料、BaTiO3、Pb4Fe
2Nb212、TiO2などの誘電体セラミック材料、N
i−Znフェライト、Mn−Znフェライト(広義の意
味でセラミックという)なとの磁性体セラミック材料な
どが挙げられ、その平均粒径1.0〜6.0μm、好ま
しくは1.5〜4.0μmに粉砕したものを用いる。
尚、セラミック材料は2種以上混合して用いられてもよ
い。特に、コランダムを用いた場合、コスト的に有利と
なる。
【0025】低融点ガラス成分のフリットは、焼成処理
することによってコージェライト、ムライト、アノーサ
イト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイ
ト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶や
スピネル構造の結晶相を析出するものであればよく、例
えば、B23、SiO2、Al23、ZnO、アルカリ
土類酸化物を含むガラスフリットが挙げられる。この様
なガラスフリットは、ガラス化の温度範囲が広く、また
屈伏点が600〜800℃付近にあるため、850〜1
050℃程度の低温焼成に適し、Ag系内部配線導体
3、Ag系表面配線導体2となる導体膜との焼結挙動が
近似している。尚、このガラスフリットの平均粒径は、
1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmで
ある。
【0026】上述のセラミック材料とガラス材料との構
成比率は、850〜1050℃の比較的低温で焼成する
場合には、セラミック材料が10〜60重量部、好まし
くは30〜50重量部であり、ガラス材料が90〜40
重量部、好ましくは70〜50重量部である。
【0027】有機バインダは、固形分(セラミック粉
末、低融点ガラス成分のフリット)との濡れ性も重視す
る必要があり、比較的低温で且つ短時間の焼成工程で焼
失できるように熱分解性に優れたものが好ましく、アク
リル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキ
シル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和
化合物が好ましい。
【0028】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。例えば、有機溶剤の場合には、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソ
ベンチートなどが用いられ、水系溶剤の場合には、水溶
性である必要があり、モノマー及びバインダには、親水
性の官能基、例えばカルボキシル基が付加されている。
【0029】その付加量は酸価で表せば2〜300であ
り、好ましくは5〜100である。付加量が少ない場合
は水への溶解性、固定成分の粉末の分散性が悪くなり、
多い場合は熱分解性が悪くなるため、付加量は、水への
溶解性、分散性、熱分解性を考慮して、上述の範囲で適
宜付加される。
【0030】次に、ガラス−セラミック層1a〜1dと
なるグリーンシートには、各層のビアホール導体4の形
成位置に対応して、所定径の貫通穴をパンチングによっ
て形成する。
【0031】次に、グリーンシートの貫通穴に、ビアホ
ール導体4の導体をAg系導電性ペーストを印刷・充填
するとともに、ガラス−セラミック層1b〜1dとなる
グリーンシート上に、各内部配線導体3となる導体膜を
印刷し、乾燥処理を行う。
【0032】ここで、ビアホール導体、内部配線用のA
g系導電性ペーストは、Ag系(Ag単体、Ag−Pd
などのAg合金)粉末、金属酸化物(Cu2OまたはM
nO2)、Bi23、ホウ珪酸系ガラスフリット、エチ
ルセルロースなどの有機バインダー、溶剤を均質混合し
たものが用いられる。
【0033】また、ガラス−セラミック層1aとなるグ
リーンシート上に、表面配線導体2となる導体膜を表面
配線用Ag系導電性ペーストを用いて印刷し、乾燥処理
を行う。
【0034】表面配線用Ag系導電性ペーストは、Ag
系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)粉末、Pt
粉末、所定量の金属酸化物(Cu2OまたはMnO2)、
Bi 23粉末、ホウ珪酸系ガラスフリット、有機バイン
ダー、溶剤を均質混合したものが用いられる。尚、金属
酸化物(Cu2OまたはMnO2)、Bi23粉末、ホウ
珪酸系ガラス成分以外の微量の金属酸化物が含有してい
ても構わない。このようにビアホール導体4となる導
体、内部配線導体3となる導体膜、表面配線導体2とな
る導体膜が形成されたグリーンシートを、セラミック基
板1のガラス−セラミック層1a〜1dの積層順に応じ
て積層一体化する。
【0035】尚、ガラス−セラミック層1a〜1dとな
るグリーンシートに形成されるビアホール導体4となる
導体は、印刷工程の共通化のために、表面配線用Ag系
導電性ペーストを用いることが望ましい。
【0036】次に、未焼成のセラミック基板を、酸化性
雰囲気または大気雰囲気で焼成処理する。焼成処理は、
脱バインダ過程と焼結過程からなる。
【0037】脱バインダ過程は、ガラス−セラミック層
1a〜1dとなるグリーンシート、内部配線導体3とな
る導体膜、ビアホール導体4となる導体、表面配線導体
2となる導体膜に含まれる有機成分を焼失するためのも
のであり、例えば600℃以下の温度領域で行われる。
【0038】また、焼結過程は、ガラス−セラミックの
グリーンシートのガラス成分を結晶化させると同時にセ
ラミック粉末の粒界に均一に分散させ、セラミック基板
1に一定強度を与え、内部配線導体3となる導体膜、ビ
アホール導体4となる導体、表面配線導体2となる導体
膜の導電材料、例えば、Ag系粉末を粒成長させて、低
抵抗化させ、ガラス−セラミック層1a〜1dと一体化
させるものである。これは、ピーク温度850〜105
0℃に達するまでに行われる。
【0039】この工程で、内部に内部配線導体3、ビア
ホール導体4が形成され、かつ表面に表面配線導体2が
形成されたセラミック基板1が達成されることになる。
その後、必要に応じて、表面配線導体2に接続する厚膜
抵抗素子や絶縁保護膜を形成して、各種電子部品5を半
田などで接着・実装を行う。
【0040】これにより、表面配線導体2がセラミック
基板1と一体的に焼成処理された低温焼成の回路基板1
0が達成することになる。
【0041】本発明において、表面配線導体2を形成す
るためのAg系導電性ペーストは、例えば、平均粒径3
μmのAg粉末と、Ag等の金属成分に100重量部に
対して、0.1〜30重量部のガラス成分及び金属酸化
物粉末と、エチルセルロースなどの有機バインダー、ペ
ンタンジオールイソブレートなどの有機溶剤が均質混合
されて形成される。尚、必要に応じて、金属成分とし
て、例えば、平均粒径0.5μmのPt粉末を添加して
も構わない。このPt粉末は、表面配線導体2上に電子
部品5などを半田を介して接着する際、Ag成分が半田
に食われることを防止するために添加するものであり、
例えば、金属成分中、例えば約1重量部の割合で添加さ
れている。
【0042】この表面配線用のAg系導電性ぺースト
は、ガラス−セラミック層1a〜1dとなるガラス−セ
ラミックのグリーンシートなどとともに、大気雰囲気中
で一体的に焼成されるものである。
【0043】金属酸化物(Cu2OまたはMnO2)粉末
は、Ag系粉末と、例えばセラミック基板1のガラス−
セラミック材料のガラス成分とのアンカー効果のスパイ
ク構造をより接着を強固にするものである。具体的にA
g系粒子の凹凸表面に、食い込むように金属酸化物(C
2OまたはMnO2)が配置されて、ガラス−セラミッ
ク材料のガラス成分と安定的に結合しあう。
【0044】かくして本発明の回路基板10によれば、
表面配線導体2は、銀を主成分とする金属と、金属成分
100重量に対して0.1〜30重量部のガラス成分及
び金属酸化物を含有し、かつセラミック基板1と表面配
線導体2が接触する界面の粗さが5μm以上であるた
め、セラミック基板1が適度な凹凸の表面を有し、いわ
ゆるアンカー効果(Ag系導電性ペーストを構成するA
g粒子への基板材料のガラス成分とが強固に結合しあ
う)を発揮して、ガラスボンドやケミカルボンドの両方
により、セラミック基板1と表面配線導体2との接着力
を高めるため、高い接着信頼性が達成される。
【0045】次に、ガラス成分及び金属酸化物(Cu2
OまたはMnO2)粉末の添加範囲の上限は、金属成分
100重量部に対して30重量部である。ガラス成分及
び金属酸化物粉末が30重量部を越えて過剰に添加され
ると、金属酸化物成分が、表面配線導体2の表面に析出
されることから、表面配線導体2の表面において、半田
の濡れ性を阻害され、各種電子部品5を安定して半田接
合することが困難となる。
【0046】ここで、上記ガラス成分と金属酸化物のそ
れぞれの重量部でなく、合計の重量部によって、シート
抵抗及び接着強度が支配される原因は、現在のところ不
明である。
【0047】また、ホウ珪酸系ガラスについて、軟化点
が600〜800℃である。軟化点は、ホウ珪酸系ガラ
ス成分を構成するB23の量比を調整することによって
制御される。例えば、B23の量比を高めると、軟化点
は低下する方向となる。
【0048】ホウ珪酸系ガラス成分の軟化点は、セラミ
ック基板1の焼結挙動に近似させることなどから厳密に
制御する必要がある。
【0049】軟化点が600℃未満では、表面配線導体
2中のホウ珪酸系ガラス成分が、Ag系材料に比較して
低い温度または同等の温度で軟化流動してしまう。この
ため、セラミック基板1の収縮挙動を阻害し、セラミッ
ク基板1のガラス成分と相溶し、セラミック基板1の結
晶化ガラス成分の組成を変質させて、結晶化を阻害して
しまう。
【0050】そして、Ag系材料の焼結反応を遅らせる
べく、ホウ珪酸系ガラス成分の量を多くすると、表面配
線導体2の表面や配線導体の基体との界面部分にガラス
成分が集中し、半田ぬれ性が低下し、Ag粉末のアンカ
ー効果を阻害する結果となり、接着強度が低下してしま
う。
【0051】また、軟化点が800℃を越えると、焼成
された表面配線導体2中にホウ珪酸系ガラス成分が残存
し、セラミック基板1の結晶化ガラス成分を引きつけ、
表面配線導体2のガラス成分が相対的に過剰となり、半
田ぬれ性を劣化させてしまうことになる。
【0052】以上の点から、表面配線導体2に含まれる
ホウ珪酸系ガラス成分の軟化点は、600〜800℃が
望ましい。
【0053】
【実施例】次に本発明について実施例に基づき更に詳細
に説明する。
【0054】界面粗さは、ガラス成分と金属酸化物の添
加量を変化させることによって適宣調節し、セラミック
基板と表面配線導体が接触する部分を研磨し、SEM像
を写真撮影し、この写真により求めた。
【0055】このようにして得られた厚膜導体のシート
抵抗及び接着強度をそれぞれ測定、評価した。その結果
を表1に示す。
【0056】なお、表1におけるシート抵抗(mΩ/
□)は、長さ(L)及び幅(W)が100:1の寸法関
係(L/W=100/1)を有するパターンとされた厚
膜導体上の2点を周知の4端子法(ホイートストンブリ
ッジを用いた抵抗値測定方法)によって測定した上での
膜厚換算によって求めた導体抵抗値である。シート抵抗
の評価として、4.0mΩ/□以下であれば、実用的な
条件を満足するものである。
【0057】また、接着強度(kgf)は、ピール法、
すなわち導電性ペーストの焼き付けによって形成された
2mm角の表面配線上に0.6mmφの錫メッキ銅リー
ド線を半田付け接続した後、このリード線を引っ張るこ
とによって求められる数値である。そこで、本実施例に
おいては、235±5℃に温度調整された銀(Ag)2
%入りの共晶半田中に2mm×2mmの大きさを有する
厚膜導体を5±1秒間だけ浸漬し、かつ、この厚膜導体
に対して、リード線である直径0.8mmの錫メッキ銅
線を半田付け接続した後、このリード線を引っ張り試験
機によって20cm/分の速度で引っ張ることによって
測定された接着強度を示している。また、150℃で2
時間放置後(エージング)の接着強度を調べた。接着強
度の評価として、0.5kg以上あれば、実用的な条件
を満足するものである。
【0058】
【表1】
【0059】表面配線導体が、銀を主成分とする金属成
分と、金属成分100重量に対して0.1〜30重量部
のガラス成分及び金属酸化物を含有し、かつ前記セラミ
ック基板と表面配線導体が接触する界面の粗さが5μm
以上である場合(試料No4〜13)は、シート抵抗が
4.0mΩ/□以下、接着強度が0.5kg以上となっ
た。
【0060】これに対し、界面粗さが5μm未満である
場合(試料No1〜3)は、接着強度が0.5kg未満
となった。
【0061】また、ガラス成分と金属酸化物の合計が3
0重量部を越える場合(試料No14〜15)は、シー
ト抵抗が4.0mΩ/□より大きくなった。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の回路基板は、セ
ラミック基板の表面に所定の表面配線導体を形成してな
る回路基板において、前記表面配線導体は、銀を主成分
とする金属成分と、金属成分100重量に対して0.1
〜30重量部のガラス成分及び金属酸化物を含有し、か
つ前記セラミック基板と表面配線導体が接触する界面の
粗さが5μm以上であるため、セラミック基板が適度な
凹凸の表面を有し、いわゆるアンカー効果(Ag系導電
性ペーストを構成するAg粒子への基板材料のガラス成
分とが強固に結合しあう)を発揮して、ガラスボンドや
ケミカルボンドの両方により、セラミック基板と表面配
線導体との接着力を高めるため、高い接着信頼性が達成
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回路基板の断面図である。
【符号の説明】
10 回路基板 1 基体(セラミック基板) 1a〜1d ガラス−セラミック層 2 表面配線導体 3 内部配線導体 4 ビアホール導体 5 電子部品
フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA07 AA17 BB01 BB24 BB31 CC11 CC22 DD05 DD31 DD33 EE02 EE03 EE09 EE27 GG01 5E343 AA02 AA23 AA36 AA39 BB15 BB25 BB59 BB74 BB77 DD02 ER33 ER35 GG02 5E346 AA12 AA15 AA32 BB01 CC18 CC39 DD34 EE21 GG02 GG06 GG09 HH11 5G301 DA03 DA33 DA34 DD01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基板の表面に、銀を主成分とす
    る金属成分と、ガラス成分と、Cu 2OまたはMnO2
    いずれかの金属酸化物とを含有してなる表面配線導体を
    形成してなる回路基板であって、 前記表面配線導体は、前記ガラス成分と前記金属酸化物
    との合計が、前記金属成分100重量部に対して0.1
    〜30重量部含有するとともに、前記セラミック基板と
    表面配線導体が接触する界面の粗さが5μm以上である
    ことを特徴とする回路基板。
JP2000256288A 2000-08-25 2000-08-25 回路基板 Pending JP2002076609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000256288A JP2002076609A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 回路基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000256288A JP2002076609A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 回路基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002076609A true JP2002076609A (ja) 2002-03-15

Family

ID=18744920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000256288A Pending JP2002076609A (ja) 2000-08-25 2000-08-25 回路基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002076609A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006310777A (ja) * 2005-03-29 2006-11-09 Kyocera Corp コイル内蔵基板
WO2012014743A1 (ja) * 2010-07-30 2012-02-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 車載用電子機器に用いる基板構造
WO2012111385A1 (ja) * 2011-02-17 2012-08-23 株式会社村田製作所 正特性サーミスタ
JP2012221765A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Tdk Corp 導体用ペースト、ガラスセラミックス基板および電子部品モジュール
JP2016025200A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 京セラ株式会社 配線基板およびその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006310777A (ja) * 2005-03-29 2006-11-09 Kyocera Corp コイル内蔵基板
WO2012014743A1 (ja) * 2010-07-30 2012-02-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 車載用電子機器に用いる基板構造
JP2012033664A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Hitachi Automotive Systems Ltd 車載用電子機器に用いる基板構造
CN103026806A (zh) * 2010-07-30 2013-04-03 日立汽车系统株式会社 用于车载用电子设备的基板构造
WO2012111385A1 (ja) * 2011-02-17 2012-08-23 株式会社村田製作所 正特性サーミスタ
JP2012221765A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Tdk Corp 導体用ペースト、ガラスセラミックス基板および電子部品モジュール
JP2016025200A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 京セラ株式会社 配線基板およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3331083B2 (ja) 低温焼成セラミック回路基板
JP2001243836A (ja) 導電性ペースト及びそれを用いた印刷配線板
JPH08236936A (ja) 積層ガラス−セラミック回路基板
JP2002076609A (ja) 回路基板
JP3686687B2 (ja) 低温焼成セラミック回路基板
JP3152873B2 (ja) 低温焼成回路基板
JP3642648B2 (ja) 回路基板
JP2885477B2 (ja) 多層配線基板及びその製造方法
JP3336204B2 (ja) 回路基板
JP2001284754A (ja) ガラスセラミック回路基板
JP3493294B2 (ja) 回路基板
JP2002198626A (ja) 低温焼成セラミック回路基板の製造方法
JP3792271B2 (ja) 低温焼成回路基板
JP2000049431A (ja) セラミック回路基板
JP3493264B2 (ja) 回路基板
JP2002076639A (ja) 回路基板
JP2002198624A (ja) 回路基板
JP2002050842A (ja) 回路基板
JP2002076640A (ja) 回路基板
JPH11135899A (ja) セラミック回路基板
JP2002141625A (ja) 回路基板
JP2001156412A (ja) 回路基板
JP2001217545A (ja) 多層回路基板
JP2000165043A (ja) 回路基板
JPH11186681A (ja) 電子部品搭載基板