JP3493294B2 - 回路基板 - Google Patents

回路基板

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JP3493294B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、多層基板、又は単
板などの基体表面に、Au系導体膜とAg系導体膜とが
混在して成る回路基板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上述の回路基板は、主に、ICチップや
単結晶圧電基板などを実装する回路基板に用いられるも
のであり、Au系導体からなる第1表面配線導体膜は、
例えばICチップの入出力パッドや単結晶圧電基板の入
出力電極との間にボンディングワイヤなどが施されるボ
ンディングパッドとして用いられる。また、Ag系導体
からなる第2表面配線は、主に回路配線を構成したり、
半田接合される電子部品の電極として用いられる。 【0003】いずれの材料も、その焼成雰囲気が酸化性
雰囲気(大気雰囲気)であるため、当然同時に焼成可能
な材料と言える。しかも、近年、基体材料も、焼成温度
を800〜1050℃と比較的低い温度で焼成可能な材
料も提案されなおり、基体との一括焼成も行われいた。 【0004】回路基板は、例えば、複数の誘電体(絶
縁)層からなる多層基板の各層間にAg系導体の内部配
線導体を有し、同時に、多層基板の厚み方向に所定内部
配線導体を接続するAg系導体のビアホール導体を有
し、さらに、多層基板の表面に、ICチップなどのチッ
プ部品を搭載するためのAu系導体からなる第1表面配
線導体膜と配線パターンを形成するAg系導体からなる
第2表面配線導体膜が形成されている。尚、誘電体層
は、Ag系導体のAgの融点よりも低温で焼成可能なガ
ラス−セラミック材料が用いられている。そして、この
ような回路基板を構成する誘電体層、内部配線導体、ビ
アホール導体、第1表面配線導体膜、第2表面配線導体
膜を一括的に焼成していた。 【0005】ここでと大きな問題は、表面配線導体膜が
Au系導体からなる第1表面配線導体膜とAg系導体か
らなる第2表面配線導体膜との接続である。これは、第
1表面配線導体膜と第2表面配線導体膜とが直接重畳接
合する部分及びビアホール導体と第1表面配線導体膜と
が重畳接合する部分で、焼成処理時に、Ag系導体のA
g粒子がAu系導体膜中に取り込まれてしまい、安定し
た接続が達成できないということである。 【0006】そこで、特開昭62−279695号で
は、Ag系導体とAu系導体との接合界面部分にNiな
どのメッキ層を形成し、Ag粒子のAu導体膜への移行
を防止し、接続信頼性を維持していた。 【0007】また、ICチップなどとボンディングワイ
ヤとによって接続されるAu系導体からなる第1表面配
線導体膜とAu系導体からなる第2表面配線導体膜と重
畳部分は、Ag粒子のAu導体膜への移行距離を考慮
し、ボンディング位置から300〜500μm以上離し
て信頼性を確保していた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかし、Ag系の導体
とAu系の導体との接合界面に、別の金属などのメッキ
層を介在させることにより、Ag粒子のAu系導体膜の
移行を防ぐことができるものの、製造工程中、厚膜技法
(導電性ペースト印刷・乾燥及び焼成)を中心とする工
程中に、メッキ工程を行う必要があり、製造工程の煩雑
化してしまい、実際の工程に供さないものであった。 【0009】また、Ag系の導体とAu系の導体とを直
接接続し、ボンディングパッドまでの距離を一定以上と
ることによりワイヤーボンディング信頼性を確保できる
ものの、設計の制約が非常に大きく、小型化の大きな妨
げとなっていた。 【0010】本発明は、上述の問題に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、Ag系の表面配線とAu系の
表面配線とを直接重畳接合でき、且つ接続信頼性を確保
し、また、設計の制約を最小限にして小型化が可能な回
路基板の製造方法を提供するものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の回路基板は、耐
熱絶縁基体の表面に、Au系金属粉末、ガラス成分を含
む第1表面配線導体膜と、Ag系金属粉末、ガラス成分
を含む第2表面配線導体膜とを、夫々の一部を重畳接合
し、且つ一体的に焼成した回路基板において、前記第1
表面配線導体膜のガラス成分の含有率が、Au系金属成
分100重量部に対して5.0wt%未満であり、且つ
第2表面配線導体膜のAg系金属成分に対するガラス成
分の含有率よりも大きいとともに、第1表面配線導体膜
のガラス成分の軟化点が、第2表面配線導体膜のガラス
成分の軟化点よりも高いことを特徴とするものである。 【0012】尚、ここで、耐熱性絶縁基体とは、例えば
焼成された単板状のセラミック基板であったり、未焼成
状態の低温焼成材料からなる単板状の基板であったり、
また、焼成された多層セラミック基板であったり、未焼
成状態の低温焼成材料からなる多層基板をいい、多層基
板においては、内部に所定配線パターンやコンデンサ、
抵抗、コイルやストリップラインなどの所定機能を有す
る回路が形成されている。 【0013】 【作用】本発明では、耐熱絶縁基体上に、同時焼成され
たAu系導体からなる第1表面配線導体膜とAg系導体
からなる第2表面配線導体膜とが互いに重畳接合しあっ
て混在している。そして、Au系の第1表面配線導体膜
は、主にICチップや単結晶圧電基板との接続用パッド
として用いられ、Ag系の第2表面配線導体膜は、主に
回路を構成する表面配線として、内部配線導体との接続
するための導体膜として用いられる。 【0014】このようなAu系導体からなる第1表面配
線導体膜とAg系導体からなる第2表面配線導体膜と接
合部分において一体的に焼成すると、Au系導体からな
る第1表面配線導体膜を形成するAu系導電性ペースト
のガラス成分粉末(無機バインダー)の含有率及び軟化
点の違いにより、Ag系導体からなる第2表面配線導体
膜の焼結の促進を遅れせることができる。従って、Ag
系導体からなる第2表面配線導体膜のAg粒子がAu系
導体膜中に移行する時期、スピードを遅らせることがで
きる。 【0015】その結果、Au系導体からなる第1表面配
線導体膜とAg系導体からなる第2表面配線導体膜との
重畳接合部分の接続安定する。また、ICチップが接続
するAu系導体からなる第1表面配線導体膜(ボンディ
ングパッド)から重畳接合部分までの距離を短くするこ
とができる。 【0016】Au系導体からなる第1表面配線導体膜の
単体では、Au導体膜のガラス成分粉末量が多い場合や
焼結温度よりも軟化点が高い場合は、Au系導電性ペー
ストのガラス成分粉末が、第1表面配線導体膜の表面に
残留したり、焼結不足により第1表面配線導体膜の表面
にボイドが発生したりする。その結果、ワイヤーボンデ
ィング不良や半田濡れ性が低下してしまう。 【0017】このため、本発明では、Au系導電性ペー
スト中、ガラス成分粉末の含有率をAu系金属成分10
0重量部に対して、5.0wt%未満とすることが重要
となる。また、そのガラス成分粉末の軟化点温度は、焼
成温度以下、例えば、Auの融点以下でなくてはならな
い。 【0018】以上のように、本発明では、Au系導体か
らなる第1表面配線導体膜とAg系導体からなる第2表
面配線導体膜との接合界面に、メッキという異なる工程
で別の金属を形成する必要がなく、製造工程が非常に簡
略化する。また、Au系導体からなる第1表面配線導体
膜とAg系導体からなる第2表面配線導体膜との電気的
な接続も安定し、さらに、Au系導体からなる第1表面
配線導体膜に対してワイヤボンディングを行うことがで
きる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の回路基板を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明に係る回路基板の断
面図である。尚、実施例の基体として、基体の構造及び
製造工程が複雑な低温焼成多層基板を用いた例で説明す
る。 【0020】図1において、10は回路基板であり、1
は基体(以下、積層体という)、21は積層体1の表面
に形成したAu系導体からなる第1表面配線導体膜、2
2はAg系導体からなる第2表面配線導体膜、3は積層
体1内の形成された内部配線導体、4は積層体1内の形
成されたビアホール導体、5は積層体1の表面にAu系
導体からなる第1表面配線導体膜21とボンディングワ
イヤWを介して接続する電子部品、6はAg系導体から
なる第2表面配線導体膜22に半田などを介して接続さ
れる電子部品である。 【0021】積層体1は、低温焼成可能な材料からなる
絶縁層1a〜1eが積層されて構成されている。その材
料は、例えば、アルミナセラミック粉末、誘電体セラミ
ック粉末、磁性体材料(広義にセラミック)粉末などの
粒体の周囲に結晶化ガラス成分が存在するガラス−セラ
ミック材料である。 【0022】絶縁層1a〜1eの各層間には、所定回路
網を達成し、また必要に応じて容量成分、インダクタ成
分を発生するための内部配線導体膜3が配置されてい
る。また、絶縁層1a〜1eには、その層の厚み方向を
貫くビアホール導体4が形成されている。 【0023】上述のガラス−セラミック材料は、例えば
850〜1050℃前後の比較的低い温度で焼成されて
成るものであり、具体的には、セラミック材料として
は、クリストバライト、石英、コランダム(αアルミ
ナ)、ムライト、コージライトなどの絶縁性セラミッ
ク、BaTiO3 、PbFe2 Nb2 12、TiO2
どの誘電体セラミック、Ni−Znフェライト、Mn−
Znフェライトなどの磁性体セラミックなどが例示でき
る。また、ガラス材料として複数の金属酸化物を含むガ
ラスフリットを焼成処理することによって、コージェラ
イト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネ
ル、ガーナイト、ウイレマ イト、ドロマイト、ペタラ
イトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出
するものである。 【0024】この絶縁層1a〜1eの厚みは、例えば1
00〜300μm程度である。 【0025】内部配線導体3、ビアホール導体4は、A
g系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)など導体
膜(導体)からなり、内部配線導体3の厚みは8〜15
μm程度であり、ビアホール導体4の直径は任意な値と
することができるが、例えば直径は80〜250μmで
ある。 【0026】また、このような構造の積層体1の表面に
は、2種類の表面配線導体膜21、22が形成されてい
る。第1表面配線導体膜21は、Au系(Au単体、A
u−Pt、Au−PdななどのAg合金)導体膜からな
り、第2表面配線導体膜22は、Ag系(Ag単体、A
g−PdなどAg合金)導体膜からなっている。 Ag
系導体からなる第2表面配線導体膜22は、主に表面の
回路配線を構成するとともに、半田を介して接合される
電子部品6の接続パッドを構成したり、また、厚膜抵抗
膜、厚膜コンデンサ素子の端子電極を構成したりする。
特に、内部配線導体膜3との接続において、例えば、絶
縁層1aから露出するAg系導体からなるビアホール導
体4の開口部分で重畳接合している。 【0027】Au系導体からなる第1表面配線導体膜2
1は、主に、ボンディングワイヤWによって接続される
電子部品(ICチップや単結晶圧電基板)の接続パッド
(ワイヤボンディングパッド)や半田などを介して接続
される電極パッドとして用いられる。 【0028】回路基板の表面において、第1表面配線導
体膜21と第2表面配線導体膜22との接続構造は、第
1表面配線導体膜21の一部に、第2表面配線導体膜2
1が直接重畳して接続を達成している。 【0029】このようなAu系導体からなる第1表面配
線導体膜21及びAg系導体からなる第2表面配線導体
膜22は、積層体1とともに一体的に焼成されて構成さ
れる。 【0030】このAu系導体からなる第1表面配線導体
膜21とAg系導体からなる第2表面配線導体膜22と
の重畳接合部分において、第1表面配線導体膜21の膜
厚は10〜15μであり、第2表面配線導体膜の膜厚は
25μm以上である。従って、この重畳接合部分以外の
膜厚は、Au系導体からなる第1表面配線導体膜21、
Ag系導体からなる第2表面配線導体膜22を各々例え
ば10〜15μm程度としても表面配線導体膜22同一
にしても構わない。 【0031】このような接合構造によれば、製造工程
中、特に焼成工程において、Au系の第1表面配線導体
膜21に、第2表面配線導体膜22のAg粒子の移行が
発生しても、Ag系の第2表面配線導体膜22には十分
な膜厚が存在するために、接続部分が不良となることは
ない。 【0032】また、焼成工程において、Au系の第1表
面配線導体膜21に、Ag系の第2表面配線導体膜22
のAg系粒子の移行が発生しても、Ag系粒子の移行距
離(Ag拡散距離)を最小限にできるため、重畳部から
ボンディングパッドまでの距離が短くでき、設計的に有
利である。 【0033】以上のように、本発明の低温焼成回路基板
において、積層体1の第1表面配線導体膜21に機械的
に接合されたICチップなどの電子部品5とAu系第1
表面配線導体膜21(ワイヤボンディングパッド)と
を、Al又はAuのボンディングワイヤWを用いてワイ
ヤボンディングすることができる。 【0034】また、この第1表面配線導体膜21には、
半田を介して電子部品を実装することもでき、また、A
g系導体からなる第2表面配線導体膜22には、電子部
品6を安定して接続することができ、全体として接続信
頼性が維持できる。 【0035】上述の回路基板の製造方法について説明す
る。 【0036】まず、絶縁層1a〜1eとなるガラス−セ
ラミック材料から成るグリーンシートを形成する。具体
的には、アルミナセラミック粉末、低融点ガラス成分の
フリット、有機バインダ、有機溶剤を均質混練したスラ
リーを、ドクターブレード法によって所定厚みにテープ
成形して、所定大きさに切断してシートを作成する。 【0037】セラミック粉末は、平均粒径1.0〜6.
0μm、好ましくは1.5〜4.0μmに粉砕したもの
を用いる。尚、セラミック材料は2種以上混合して用い
られてもよい。 【0038】低融点ガラス成分のフリットは、焼成処理
することによってコージェライト、ムライト、アノーサ
イト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイ
ト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶や
スピネル構造の結晶 相を析出するものであればよく、
例えば、B2 3 、SiO2 、Al2 3 、ZnO、ア
ルカリ土類酸化物を含むガラスフリットが挙げられる。
このようなガラスフリットは、ガラス化範囲が広くまた
屈伏点が600〜800℃付近にあるため、850〜1
050℃程度の低温焼成に適し、Ag系内部配線導体
3、ビアホール導体4、Au系導体からなる第1表面配
線導体膜21、Ag系導体からなる第2表面配線導体膜
22となる導体膜との焼結挙動が近似している。尚、こ
のガラスフリットの平均粒径は、1.0〜6.0μm、
1.5〜3.5μmである。また、上述のセラミック材
料とガラス材料との構成比率は、850〜1050℃の
比較的低温で焼成するために、セラミック材料が10〜
60wt%、好ましくは30〜50wt%であり、ガラ
ス材料が90〜40wt%、好ましくは70〜50wt
%である。 【0039】有機バインダは、固形分(セラミック粉
末、低融点ガラス成分のフリット)との濡れ性も重視す
る必要があり、比較的低温で且つ短時間の焼成工程で焼
失できるように熱分解性に優れたものが好ましく、アク
リル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキ
シル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和
化合物が好ましい。 【0040】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。例えば、有機溶剤の場合には、2.2.4-
トリメチル-1. 3-ペンタンジオールモノイソベンチート
などが用いられ、水系溶剤の場合には、水溶性である必
要があり、モノマー 及びバインダには、親水性の官能
基、例えばカルボキシル基が付加されている。 【0041】その付加量は酸価で表せば2〜300であ
り、好ましくは5〜200である。付加量が少ない場合
は水への溶解性、固定成分の粉末の分散性が悪くなり、
多い場合は熱分解性が悪くなるため、付加量は、水への
溶解性、分散性、熱分解性を考慮して、上述の範囲で適
宜付加される。 【0042】次に、絶縁層1a〜1eとなるグリーンシ
ートには、各層のビアホール導体4の形成位置に対応し
て、所定径の貫通穴をパンチングによって形成する。 【0043】次に、グリーンシートの貫通穴に、ビアホ
ール導体4となるAg系導体をAg系導電性ペーストの
印刷により充填するとともに、絶縁層1b〜1eとなる
グリーンシート上に、各内部配線導体3となる導体膜を
Ag系導電性ペーストの印刷印刷し、乾燥処理を行う。 【0044】ここで、ビアホール導体4となる導体、内
部配線導体3となる導体はAg系導電性ペーストを用い
て形成される。このAg系導電性ペーストは、Ag系
(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)粉末、ホウ珪
酸系低融点ガラスフリット、エチルセルロースなどの有
機バインダー、溶剤を均質混合したものが用いられる。 【0045】また、絶縁層1aなるグリーンシート上
に、第1表面配線導体膜21となる導体膜を表面配線用
のAu系導電性ペーストを用いて印刷し、乾燥処理を行
い、続いて、第2表面配線導体膜22となる導体膜を表
面配線用のAg系導電性ペーストを用いて印刷し、乾燥
処理を行う。両者の接続部、即ち、第1表面配線導体膜
21となる導体膜上に、第2表面配線導体膜22となる
導体膜が直接重畳して成る部分において、それぞれの膜
厚を制御しなくてはならない。このため、この重畳接合
部において、第2表面配線導体膜22となる導体膜を印
刷した回数の1.5倍以上の回数を施して、第2表面配線
導体膜22となる導体膜の厚みが第1表面配線導体膜の
厚みの1.5 倍以上となるように印刷を行う。 【0046】ここで、Ag系導体からなる第2表面配線
導体膜22を形成するためのAg系導電性ペーストは、
Ag系(Ag単体、Ag−PtなどのAg合金)粉末、
Pt粉末、ガラス粉末成分(以下、基板材料のガラス成
分と混同を避けるために無機バインダーという)、有機
バインダー、溶剤を均質混合したものが用いられる。 【0047】また、Au系導体からなる第1表面配線導
体膜21を形成するためのAu系導電性ペーストは、A
u系(Au単体、Au−Pd、Au−PtなどのAu合
金)粉末、無機バインダー(以下、基板材料のガラス成
分と混同を避けるために無機バインダーという)、有機
バインダー、溶剤を均質混合したものが用いられる。 【0048】尚、Au系導体からなる第1表面配線導体
膜21、Ag系導体からなる第2表面配線導体膜22を
形成する導電性ペーストには、積層体1とのアンカー効
果のために接続強度を向上させるために、V2 5 粉末
を各金属成分100重量部に対して、0.2〜1.0w
t%添加すると、積層体1との接着強度が向上して望ま
しい。 【0049】このようにして内部配線導体3、ビアホー
ル導体4を有する絶縁層1b〜1eとなるグリーンシー
ト及びAu系導体からなる第1表面配線導体膜21とな
る導体膜、Ag系導体からなる第2表面配線導体膜22
となる導体膜を有する絶縁層1aとなるグリーンシート
を、積層体1の絶縁層1a〜1eの積層順に応じて積層
一体化する。 【0050】次に、未焼成の積層体を、酸化性雰囲気ま
たは大気雰囲気で焼成処理する。焼成処理は、脱バイン
ダ過程と焼結過程からなる。 【0051】脱バインダ過程は、絶縁層1a〜1eとな
るグリーンシート、内部配線導体33となる導体膜、ビ
アホール導体4となる導体、第1表面配線導体膜21と
なる導体膜、第2表面配線導体膜22となる導体膜に含
まれる有機成分を焼失するためのものであり、例えば5
80℃以下の温度領域で行われる。 【0052】また、焼結過程は、グリーンシートのガラ
ス成分を結晶化させると同時にセラミック粉末の粒界に
均一に分散させ、積層体に一定強度を与え、内部配線導
体3となる導体膜、ビアホール導体4となる導体、表面
配線導体膜21、22となる導体膜の導電材料の金属粉
末、AgまたはAu粉末を粒成長させて、低抵抗化さ
せ、絶縁層1a〜1eと一体化させるものである。これ
は、ピーク温度850〜1050℃に達するまでに行わ
れる 。 【0053】この工程で、内部に内部配線導体3、ビア
ホール導体4が形成され、且つ表面に表面配線導体膜2
1、22が形成された積層体1が達成されることにな
る。 【0054】所定形状の絶縁保護膜を形成して、各種電
子部品6を半田などで接合・実装を行う。さらに、第1
表面配線導体膜21上にICチップなどの電子部品6を
搭載して、第1表面配線導体膜21との間にAl又はA
uのボンディング細線を介して、ワイヤボンディング接
合を行う。 【0055】これにより、図1に示す回路基板が達成す
ることになる。 【0056】上述の製造方法において、Au系導体から
なる第1表面配線導体膜21を形成するためのAu系導
電性ペースト、Ag系導体からなる第2表面配線導体膜
22を形成するためのAg系導電性ペーストには、固形
成分として、Au系やAg系金属粉末以外に無機バイン
ダーを含んでいる。 【0057】上述の無機バインダーは、ホウ珪酸鉛系ガ
ラス、ホウ珪酸バリウム系ガラス、ホウ珪酸マグネシウ
ム系ガラスなどが適宜用いられる。無機バインダーの軟
化点は、その組成、比率を制御することができる。例え
ば、軟化点530℃の無機バインダーは、鉛成分が多い
ホウ珪酸鉛系ガラスなどが例示でき、軟化点580℃の
無機バインダーは、鉛成分が少ないホウ珪酸鉛系ガラス
などが例示でき、軟化点680℃の無機バインダーは、
ホウ珪酸バリウム系ガラスなどが例示でき、軟化点81
0℃の無機バインダーは、ホウ珪酸マグネシウム系ガラ
スなどが例示できる。 【0058】そして、Au系導電性ペースト中の無機バ
インダーは、Au系金属成分100重量部に対して、
5.0wt%未満の範囲に含有している。また、その軟
化点と、脱バイ処理終了温度、例えば、580℃以上、
焼成温度、例えば1050℃未満の範囲に設定されてい
る。 【0059】また、Ag系導電性ペースト中の無機バイ
ンダーの含有率は、上述したAu系導電性ペーストの含
有率よりも小さく、また、その軟化点も上述したAu系
導電性ペーストの無機バインダーの軟化点よりも低くな
っている。 【0060】この理由は、Au系導電性ペーストの無機
バインダーの軟化点が、Ag系導電性ペーストの無機バ
インダーの軟化点よりも高く、且つ金属成分に対する含
有率が高いため、Ag系導電性ペーストにより形成され
るAu系導体からなる第1表面配線導体膜21の焼結促
進を遅れせることができる。従って、Ag系導電性ペー
ストにより形成するAg系導体からなる第2表面配線導
体膜22のAg粒子がAu系導体からなる第1表面配線
導体膜21に移行する時期(昇温による時間的な差異)
及び移行スピードを遅らせることができる。その結果、
Au系導体からなる第1表面配線導体膜21とAg系導
体からなる第2表面配線導体膜22との重畳接合部分を
安定した状態で接合でき、しかも、この接合重畳部分と
ワイヤーボンディングパッドまでの距離を最小限に抑え
ても安定したボンディングが可能となる。 【0061】また、Au系導体からなる第1表面配線導
体膜21の無機バインダーの含有率が5.0wt%未満
であるため、導体膜21の表面に無機バインダーが析出
されたりすることがない。また、Au系導体からなる第
1表面配線導体膜21の無機バインダーの軟化点が焼成
温度以下であるため、焼成不足に起因して、導体膜21
の表面にボイドが形成されたりすることがない。 【0062】上述の説明では、第1表面配線導体膜21
と第1表面配線導体膜22との接合構造について説明し
たが、多層回路基板は、積層体1の内部に内部配線導体
膜3、ビアホール導体4とで構成された回路網と積層体
1の表面のAu系導体からなる第1表面配線導体膜2
1、Ag系導体からなる第2表面配線導体膜22とを接
続させる必要がある。ここで、内部配線導体膜電極3と
表面配線導体膜21、22とを接続する絶縁層1a形成
されたビアホール導体4は、Ag系導体で形成されてい
る。従って、このビアホール導体4と表面配線導体膜と
の接続を、同じAg系の第2表面配線導体膜22と接続
させれば、簡単に表面配線導体膜21、22と内部配線
導体3との接続が達成できる。 【0063】 【実験例】本発明者は、積層体1の表面におけるAg系
の第2表面配線導体膜22とAu系の表面配線導体膜2
1に含まれる無機バインダーの軟化点及び金属成分10
0重量部に対する含有率による比較を行った。 【0064】 【表1】 【0065】表1の実験1〜8に示す様に、Ag導体中
の無機バインダーの軟化点に対して、Au導体中の無機
バインダーの軟化点が高い程Agの拡散距離が短くな
り、接合点からワイヤーボンディングパッドまでの距離
を狭くでき、設計制約が少なくできることを表してい
る。また、Ag導体中の無機バインダーの量よりもAu
導体中の無機バインダー量が多い方がAg拡散距離を短
くでき、同様の効果が見られる。しかし、無機バインダ
ーの量が5%を越えるとガラス浮きが顕著となり、ボン
ディング性が劣化してしまう。以上の結果は、Ag導体
よりもAu導体の焼結性を遅らせることにより、Ag粒
子のAuへの拡散を抑えることができることを意味して
いる。 【0066】尚、上述の説明では、基板に、低温焼成材
料を用いて、Au系導体からなる第1表面配線導体膜2
1、Ag系導体からなる第2表面配線導体膜22とを低
温焼成可能な基板材料と一括して焼成してる低温焼成回
路基板を例に説明したが、少なくともAu系導体からな
る第1表面配線導体膜21とAg系導体からなる第2表
面配線導体膜22とを同時に焼成すればよく、この限り
においては、耐熱性絶縁基体は、既に焼成された単板上
の基板、多層構造の基板であってもよく、また、低温焼
成可能な基板材料を単板状として基板と一体的に焼成し
ても構わない。 【0067】 【発明の効果】本発明によれば、耐熱性絶縁基体の表面
に、Au系導体からなる第1表面配線導体膜とAg系導
体からなる第2表面配線導体膜とを重畳し、一体的に焼
成しているため、製造工程が簡略化する。特に、両者の
接合界面には別の金属層を介在させる必要がないことか
らも、一層、製造方法が簡略化する。 【0068】また、Au系導体からなる第1表面配線導
体膜に含有するガラス成分粉末の金属成分に対する含有
率を、Ag系導体からなる第2表面配線導体膜に含有す
るガラス成分粉末の含有率が多いため、Ag系導体から
なる第2表面配線導体膜のAg系粒子がAu系導体から
なる第1表面配線導体膜に移行しにくくなる。これよ
り、両者の重畳接合が安定化し、Ag系粒子の移行処理
が短くなり、重畳接合部分に近接して各種電子部品を実
装することができ、回路基板の設計が緩和され、小型化
に寄与できる。 【0069】さらに、Au系導体からなる第1表面配線
導体膜に含まれるガラス成分粉末の含有率が5.0wt
%未満であるため、Au系導体からなる第1表面配線導
体膜にガラス成分が析出されることがなく、ガラス成分
粉末の軟化点が焼成温度よりも低いため、Au系導体か
らなる第1表面配線導体膜の表面にボイドなどが形成さ
れることがない。 【0070】このため、Au系導体からなる第1表面配
線導体膜への各種電子部品の実際が簡単かつ確実とな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る回路基板の断面図である。 【符号の説明】 10 ・・・・・ 回路基板 1 ・・・・・ 積層体 1a〜1e・・・ 絶縁層 21 ・・・・・ Au系導体からなる第1表面配線導
体膜 22 ・・・・・ Ag系導体からなる第2表面配線導
体膜 3 ・・・・・ 内部配線導体 4 ・・・・・ ビアホール導体

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】耐熱絶縁基体の表面に、Au系金属粉末、
    ガラス成分を含む第1表面配線導体膜と、Ag系金属粉
    末、ガラス成分を含む第2表面配線導体膜とを、夫々の
    一部を重畳接合し、且つ一体的に焼成した回路基板にお
    いて、 前記第1表面配線導体膜のガラス成分の含有率が、Au
    系金属成分100重量部に対して5.0wt%未満であ
    り、且つ第2表面配線導体膜のAg系金属成分に対する
    ガラス成分の含有率よりも大きいとともに、第1表面配
    線導体膜のガラス成分の軟化点が、第2表面配線導体膜
    のガラス成分の軟化点よりも高いことを特徴とする回路
    板基板。
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