JP2002076554A - 高周波用回路基板 - Google Patents

高周波用回路基板

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JP2002076554A
JP2002076554A JP2000264463A JP2000264463A JP2002076554A JP 2002076554 A JP2002076554 A JP 2002076554A JP 2000264463 A JP2000264463 A JP 2000264463A JP 2000264463 A JP2000264463 A JP 2000264463A JP 2002076554 A JP2002076554 A JP 2002076554A
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glass
conductor
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conductive paste
substrate
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Kenichirou Morishige
憲一郎 森茂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MgとTiを含有するペロブスカイト型結晶
粒子、もしくはBaTi 49粒子を主成分とする基板と
SiO2が反応し、導体と誘電体層との間にすき間が発
生することがなく、周波数バラツキや、信頼性の劣化が
ない高周波用回路を提供する。 【解決手段】 本発明の回路基板10は、MgとTiを
含有するペロブスカイト型結晶粒子、もしくはBaTi
49粒子を主成分とする誘電体層1a〜1eを複数積層
した積層体1の内部及び/または表面に、少なくともA
g系粉末とガラスフリットとを含有し、該ガラスフリッ
トがガラス成分中30wt%以下のSiO 2を含有する
導電性ペーストで配線パターン2、3を形成した。ま
た、前記導電性ペースト中のガラスフリットの添加量が
1〜12重量部である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波、ミリ
波等の高周波領域において、高いQ値を有する高周波用
電子部品に用いる回路基板に関するものであり、詳しく
は、その内部配線、表面配線、ビアホール導体の少なく
とも1つとなる導電性ペーストの改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガラス成分とセラミック成分
とを有するガラスセラミック基板は、単板状基体又は複
数のガラスセラミック層を積層した積層基板等として用
いられている。これらの基板材料は比較的低温で焼結で
きるため、基板の内部または表面の所定配線・電極パタ
ーンの材料にAgやCu等の低抵抗材料を用いることが
できる。
【0003】従って、高周波動作する共振器、コンデン
サ、フィルタ等の素子を基板に形成する高周波用電子部
品として非常に有望となる。
【0004】この高周波用電子部品としては、高周波共
振器、コンデンサ、フィルタ等やこれらを含む電圧制御
型発振回路、局発振信号形成回路、パワーアンプ等を形
成した回路基板等が例示できる。
【0005】例えば、積層基板(基体)を用いた回路基
板は、複数の誘電体層を積層した基体と、誘電体層の層
間に配置した内部配線と、積層基板の表面に配置した表
面配線と、内部配線同士または内部配線と表面配線とを
接続するビアホール導体と、表面配線上に実装された各
種電子部品から構成されている。
【0006】また、単板状基板(基体)を用いた回路基
板は、基板と、表面配線と、表面配線パターン上に実装
された各種電子部品から横成されている。
【0007】比較的低温で焼成可能な回路基板は、基板
の材料として、セラミック等のフィラー材と、フィラー
材とほぼ同等の量の低融点ガラスフリットから成るセラ
ミック材が用いられている。例えば低融点ガラスフリッ
トは、コージェライト、ムライト、アノートサイト、セ
ルジアン、スピネル、ガーナイト、ウィレマイト、ドロ
マイト、ベタライト、オオスミライト及びその置換誘電
体等の結晶層のうち、少なくとも1種類を析出し得るガ
ラスフリットであり、フィラー材は、クリストバライ
ト、石英、コランダム(αアルミナ)等が例示できる。
【0008】このような低温焼成可能な基体に、所定配
線パターンを形成するために用いられる低温焼成用導電
材料としては、Ag粉末、Cu粉末、Au粉末等の低抵
抗材料の金属粉末を主体とし、ガラスフリット、有機ビ
ヒクルを混錬した導電性ペーストがあげられる。Au系
導電性ペーストは、導電性に優れ、化学的にも全く安定
で、且つ基体との接着性も良く、特に耐侯性に優れてい
るが、主成分のAu粉末が大変高価であるという難点が
ある。また、Cu系導電性ペーストは主成分のCu粉末
は安価で導電性にも優れるが、還元雰囲気での焼成が必
要となるため焼成工程が高価になる。そこで、これらの
難点を解消するために、各種Ag系導電性ペーストが使
用されてきた。
【0009】Ag系導電性ペーストは、導電性に優れ、
且つ主成分のAg粉末は比較的安価で、焼成も大気中で
行うことができる。このとき基体は、製造工程の簡略化
のために、表面配線パターンと同時焼成することによ
り、形成される。
【0010】また、近年、高周波電子部品の小型化と高
性能化に伴い、誘電体磁器には高誘電率や低損失、共振
周波数の温度係数が小さいこと等が要求されている。
【0011】そこで、MgとTiを含有するペロブスカ
イト型結晶粒子、もしくはBaTi 49粒子を主成分と
する高周波用磁器組成物が特開平11−157931号
公報に開示されている。
【0012】上記公報の材料では、誘電体磁器の比誘電
率εrが18以上、測定周波数7GHzでのQ値が20
0以上、かつ共振周波数の温度係数τfが±40ppm
/℃以内の優れた特性を有し、且つ、比較的低温で焼成
できる高周波用磁器組成物が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】一般に、高周波用磁器
組成物をAg等を主成分とする導体材料と共に同時焼成
すると、導体膜の収縮開始温度が400℃以下で始ま
り、収縮終了温度が750〜800℃程度となり、一般
のガラスセラミック材料からなる基体側の収縮挙動に合
わず、例えば、導体膜の収縮終了温度(800〜850
℃)前後では、ガラスセラミック材料のガラスの軟化や
結晶化反応が行われるため、基体側に反りが発生してし
まうという問題点がある。
【0014】また、導体膜の脱バインダーは300〜4
00℃で行われるが、導体膜の収縮が400℃以下で始
まると、収縮した導体膜がバインダーの抜け道を塞いで
しまい、残留したバインダーが焼成時に膨張し、デラミ
ネーションの原因となるという問題点がある。
【0015】そこで、導電性ペースト中にガラスフリッ
トを添加して収縮挙動を合わせ、反りを防止する方法が
考えられる。例えば特開平4−39813には、800
〜1000℃の低温で、グリーンシートと一体焼成可能
な導電性ペーストとして、軟化点が580℃以上のB2
3−SiO2酸系ガラス粉末を添加した導電性ペースト
が提案されている。すなわち、Ag系導体材料の焼結反
応を、ガラスセラミック材料の焼結反応と同時程度に遅
らせることができ、その結果、基板の反りを防止するこ
とができる。また、導体膜の収縮開始温度をガラスセラ
ミック材料の収縮開始温度に近づけることができるた
め、導体膜の脱バインダーを300〜400℃で行った
場合も、収縮した導体膜がバインダーの抜け道を塞ぐこ
とがなく、脱バインダーが十分に行われるため、残留し
たバインダーが焼成時に膨張し、デラミネーションの原
因となるという問題点を解決できる。
【0016】しかしながら、特開平11−157931
号公報に開示されている誘電体磁器の場合、B23−S
iO2系ガラスを添加した導電性ペーストと同時焼成を
行うと、基板と導体中のガラスとが反応し、導体と基板
の界面にすき間が発生してしまう。そのため、ストリッ
プライン共振器の周波数バラツキや信頼性の劣化につな
がるという問題点があった。
【0017】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、MgとTiを含有するペロブスカイト
型結晶粒子、もしくはBaTi49粒子を主成分とする
高周波用磁器組成物から成る誘電体層をAg系導体材料
と一体焼成した場合も、誘電体基板と配線パターン(導
体)中のガラスとが反応し、導体と基板の界面にすき間
が発生することがなく、ストリップライン共振器等の周
波数バラツキや、信頼性の劣化のない高周波用回路基板
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波用回路基
板は、MgとTiを含有するペロブスカイト型結晶粒
子、もしくはBaTi49粒子を主成分とする誘電体層
を複数積層した積層体の内部及び/または表面に、少な
くともAg粉末とガラスフリットとを含有し、該ガラス
フリットの組成中30wt%以下のSiO2を含有する
導電性ペーストで配線パターンを形成したことを特徴と
するものである。
【0019】好ましくは、前記導電性ペースト中のガラ
スフリットの添加量は、Ag系金属成分100重量部に
対して1〜12重量部の範囲にあることを特徴とするも
のである。
【作用】本発明によれば、導電性ペースト中のガラスフ
リット中に含有されるSiO2が30wt%以下である
ため、MgとTiを含有するペロブスカイト型結晶粒
子、もしくはBaTi49粒子を主成分とする基板とS
iO2が反応し、導体と基板の間にすき間が発生するこ
とがなく、周波数バラツキや、信頼性の劣化がない高周
波用電子部品を提供することができる。
【0020】また、前記導電性ペースト中のガラスフリ
ットの添加量が、Ag系金属成分100重量部に対して
1〜12重量部の範囲であるため、導体抵抗を低下させ
ることができる。また、ガラスフリットの比率が1重量
部以上であるため、Ag系導体材料の焼結反応を、ガラ
スセラミック材料の焼結反応と同時程度に遅らせること
ができ、その結果、基板の反りを防止することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高周波用回路
基を図面に基づいて詳説する。
【0022】図1は、本発明に係る高周波用電子部品の
一例である回路基板の断面図である。図1において、1
0は高周波用回路路基板であり、1は積層基板、2は積
層基板1内に形成された内部配線、3は積層基板1内に
形成されたビアホール導体、4は積層基板1の表面に形
成した表面配線、5はICチップ部品であり、6は他の
電子部品である。
【0023】積層基板1は、ガラスセラミック材料から
成る誘電体層1a〜1eと、誘電体層1a〜1eの各層
間に、所定回路網を達成したり、容量成分を発生するた
めの内部配線2が配置されている。
【0024】また、誘電体層1a〜1eには、その層の
厚み方向を貫くビアホール導体3が形成されている。
【0025】さらに、誘電体層1a〜1eを積層した積
層基板1の表面には、表面配線4が形成されている。
【0026】誘電体層1a〜1eは、例えば900〜1
050℃前後の比較的低い温度で焼成可能にするガラス
セラミック材料からなる。具体的なセラミック材料とし
ては、クリストバライト、石英、コランダム(αアルミ
ナ)、ムライト、コージェライト等の絶縁セラミック材
料、BaTiO3 、Pb4Fe2Nb212、TiO2等の
誘電体セラミック材料、Ni−Znフェライト、Mn−
Znフェライト(広義の意味でセラミックスという)等
の磁性体セラミック材料等が挙げられる。なお、その平
均粒径1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜4.0
μmに粉砕したものを用いる。また、セラミック材料は
2種以上混合して用いられてもよい。特に、コランダム
を用いた場合、コスト的に有利となる。誘電体層1a〜
1eの厚みは、例えば100〜300μm程度である。
【0027】ガラスフリットのフリットは、焼成処理す
ることによってコージェライト、ムライト、アノーサイ
ト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイ
ト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶や
スピネル構造の結晶相を析出するものであればよく、例
えば、B23、SiO2、Al23、ZnO、アルカリ
土類酸化物を含むガラスフリットが挙げられる。
【0028】ガラスフリットは、上述の焼成処理におい
て主に低温焼結助剤として作用し、900〜960℃で
焼成可能とする材料が選ばれる。このガラスフリット
は、B 23−SiO2系の低軟化点(600〜800
℃)のガラスフリットを添加されている。このガラスフ
リットは、低温焼結助材として作用するものであり、そ
の添加量は、基体の固形成分中30vol%以下の範囲
で含まれている。すなわち、30vol%を越えると、
基体の誘電率を低下させてしまい、高周波動作可能な電
子部品に用いることが困難となる。内部配線2の厚みは
8〜15μm程度である。また、ビアホール導体3の直
径は任意な値とすることができるが、大径化して低抵抗
化するために80〜350μmとしている。
【0029】表面配線4は、主に積層基板1の表面で所
定回路配線を構成するとともに、半田を介して接合され
る電子部品6の接続パッドとなったり、また、厚膜抵抗
膜、厚膜コンデンサ素子の端子電極となる。特に、内部
配線2との接続において、この表面配線4は誘電体層1
aから露出するビアホール導体3と接続する。
【0030】内部配線2、ビアホール導体3、及び表面
配線4を形成するAg系導電性ペーストは、Ag粉末を
主成分とする金属粉末(若干量のPt、Pdの粉末等を
添加してもよい)と、例えば45B23−5SiO2
35Ba0−3MgO−8Al23等のB23−SiO
2系ガラスフリット、さらに必要に応じてBi23粉末
と、有機ビヒクルとを混練して形成される。
【0031】本発明の特徴的なことは、導電性ペースト
のガラスフリット、その組成分中SiO2の量が30w
t%以下であるため、MgとTiを含有するペロブスカ
イト型結晶粒子、もしくはBaTi49粒子を主成分と
する基板とSiO2が反応し、導体と基板の間にすき間
が発生することがなく、周波数バラツキや、信頼性の劣
化がない高周波用電子部品を提供することができる。
【0032】ここで、本発明のAg系導電性ペースト
は、内部配線2、ビアホール導体3、及び表面配線4の
全てを形成するために用いてもよく、また、少なくとも
1つを形成するために用いてもよい。
【0033】そして、このガラスフリットは、配線パタ
ーンのAg系金属成分100重量部に対して、1〜12
重量部の範囲になるように添加されることが望ましい。
【0034】すなわち、ガラス添加量が1重量部未満の
場合、基板と配線パターン(導体)との収縮挙動が合わ
ず、反りが発生してしまう。一方、ガラス添加量が12
重量部を越える場合、配線パターン(導体)のシート抵
抗値が大きくなってしまう。
【0035】なお、反りの測定方法は、焼成後の寸法で
8.5mm角の表面配線を形成し、接触膜厚計のプロー
ブを当てることによって測定し、100μm以下のもの
を良品とし、100μmを越えるものを不良とした。
【0036】また、シート抵抗(mΩ/□)は、長さ
(L)及び幅(W)が100:1の寸法関係(L/W=
100/1)を有するパターンとされた厚膜導体上の2
点を周知の4端子法(ホイートストンブリッジを用いた
抵抗値測定方法)によって測定した上での膜厚換算によ
って求めた導体抵抗値である。シート抵抗の評価とし
て、20mΩ/□以下のものを良品として、20mΩ/
□を越えるものを不良とした。
【0037】また、ICチップ5は、所定表面配線4
に、AlまたはAuのボンディング細線を用いてワイヤ
ボンディングしたり、ICチップ5の下面に形成したパ
ンプ部材を介して接続されている。
【0038】また、電子部品6は、積層セラミックコン
デンサやチップ抵抗器等のチップ状電子部品や、その他
発振装置やトランジスタ等が例示でき、表面配線4に半
田を介して接続されている。
【0039】なお、本発明においては、Ag系の導電性
ペーストに導体特性に悪影響を及ぼさない範囲でBi、
Rh、V、Ru、Ni等の酸化物や有機物を添加しても
良く、この場合、さらに接着力低下の抑制や、基体反り
の低減を図ることができる。
【0040】上述の回路基板10の製造方法について説
明する。
【0041】まず、誘電体層1a〜1eとなるガラスセ
ラミック材料から成るグリーンシートを形成する。具体
的には、上述のセラミック粉末、上述の低融点ガラス成
分のフリット、有機バインダ、有機溶剤を均質混練した
スラリーを、ドクターブレード法によって所定厚みにテ
ープ成形して、所定大きさに切断してシートを作成す
る。上述のセラミック材料とガラス材料との構成比率
は、900〜1050℃の比較的低温で安定的に焼成す
るために、セラミック材料が10〜60重量%、好まし
くは30〜50重量%であり、ガラス材料が90〜40
重量%、好ましくは70〜50重量%である。
【0042】有機バインダは、固形分(セラミック粉
末、低融点ガラス成分のフリット)との濡れ性も重視す
る必要があり、比較的低温で且つ短時間の焼成工程で焼
失できるように、熱分解性に優れたものが好ましく、ア
クリル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボ
キシル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽
和化合物が好ましい。
【0043】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。例えば、有機溶剤の場合には、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイ
ソベンチート等が用いられ、水系溶剤の場合には、水溶
性である必要があり、モノマー及びバインダには、親水
性の官能基、例えばカルボキシル基が付加されている。
その付加量は酸価で表せば2〜300あり、好ましくは
5〜100である。付加量が少ない場合は水への溶解
性、固定成分の粉末の分散性が悪くなり、多い場合は熱
分解性が悪くなるため、付加量は、水への溶解性、分散
性、熱分解性を考慮して、上述の範囲で適宜付加され
る。
【0044】次に、誘電体層1a〜1eとなるグリーン
シートに、各誘電体層の厚みを貫くビアホール導体3が
形成される所定径の貫通穴をパンチングによって形成す
る。
【0045】この貫通穴は、ビアホール導体3の導体抵
抗を下げるため、必要に応じてその開口直径を80〜3
50μmとしている。
【0046】次に、グリーンシートに形成した貫通穴
に、ビアホール導体3となる導体を、Ag系導電性ペー
ストの印刷・充填により形成するとともに、グリーンシ
ート上に、各内部配線2となる導体膜を印刷し、乾燥処
理を行う。同時に、最外表に位置するグリーンシート上
に、表面配線4となる導体膜を印刷し、乾燥処理を行
う。
【0047】ここで、内部配線2、ビアホール導体3、
表面配線4用のAg系導電性ペーストは、Ag系(Ag
単体、Ag−Pd、Ag−Pt等のAg合金)粉末、ホ
ウ珪酸系低融点ガラスフリット、エチルセルロース等の
有機バインダー、溶剤を均質混合したものが用いられ
る。
【0048】また、表面配線4には、固形成分として、
25粉末を各金属成分に対して0.2〜1.0重量部
添加すると、積層基板1表面との接着強度が向上して望
ましい。
【0049】このようにビアホール導体3となる導体、
内部配線2となる導体膜が形成された誘電体層1b〜1
eとなるグリーンシート、表面配線4となるAg系の導
体膜が形成された誘電体層1aとなるグリーンシート
を、積層基板1の誘電体層1a〜1eの積層順に応じて
積層一体化する。
【0050】次に、未焼成の積層基板を、酸化性、中性
雰囲気または大気雰囲気で焼成処理する。焼成処理は、
脱バインダ過程と焼結過程からなる。
【0051】脱バインダ過程は、誘電体層1a〜1eと
なるグリーンシート、内部配線2となる導体膜、ビアホ
ール導体3となる導体、表面配線4となる導体膜に含ま
れる有機成分を焼失するためのものであり、例えば60
0℃以下の温度領域で行われる。
【0052】また、焼結過程は、誘電体層1a〜1eと
なるグリーンシートのガラス成分が結晶化すると同時に
セラミック粉末の粒界に均一に分散し、積層基板に一定
強度を与え、さらに、内部配線2となる導体膜、ビアホ
ール導体3となる導体、表面配線4となる導体膜の導電
材料の金属粉末であるAg系材料またはAu材料を粒成
長させて、低抵抗化させ、誘電体層1a〜1eと一体化
させるものである。これは、ピーク温度900〜105
0℃に達するまでに行われる。
【0053】この工程で、内部に内部配線2、ビアホー
ル導体3が形成され、且つ表面に表面配線4が形成され
た積層基板1が達成されることになる。
【0054】その後、必要に応じて、表面配線4に接続
する厚膜抵抗素子や所定形状の絶縁保護膜を形成して、
各種電子部品6を半田等で接合・実装を行う。さらに、
所定配線導体膜上にICチップ部品5を搭載して、Al
またはAuのボンディング細線によるワイヤボンディン
グ接合や半田バンプを用いたフリップチップ接続を行
う。これにより、図1に示す回路基板10が達成でき
る。
【0055】ここで、導電性ペーストのガラスフリット
中のSiO2は、全ガラス成分中0、10、12、3
0、40、50wt%に夫々変化させ、作製した試料を
破断し、SEMによりすき間の有無を調査した。尚、ガ
ラス成分の添加量は、Ag系金属成分100重量部に対
して、10重量部に固定した。
【0056】その結果、ガラスフリット中のSiO2
量が30wt%以下である場合、基体とガラスが反応せ
ず、すき間が発生しなかった。これは、SiO2の量が
0wt%の場合も同様だった。
【0057】これに対し、SiO2の量が30wt%を
超える場合、基体とガラスが反応し、すき間が発生し
た。
【0058】また、ガラスの添加量として、導電性ペー
ストのAg系金属成分100重量部に対して、0重量
部、1重量部、12重量部、15重量部に夫々変化させ
て、反り及び導体抵抗を測定した。尚、SiO2の添加
量は、ガラス成分中12wt%で固定した。
【0059】その結果、0重量部では、反りが120μ
m、シート抵抗が9mΩ/□であり、1重量部では、反
りが60μm、シート抵抗が13mΩ/□であり、12
重量部では、反りが20μm、シート抵抗が19mΩ/
□であり、15重量部では、反りが10μm、シート抵
抗が35mΩ/□であった。
【0060】すなわち、上述のガラス添加量では、1重
量部未満の場合、反りが100μmを越えてしまい、ま
た12重量部を越えると、20mΩ/□を越えるものと
なってまう。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、導電性
ペーストのガラスフリット中の成分中SiO2の含有量
が30wt%以下であるため、導電性ペーストと基体と
の反応を抑え、基体と導体界面のすき間の発生を抑える
ことが可能となる。このことにより、周波数バラツキ
や、信頼性の劣化がない高周波用電子部品に用いる回路
基板を提供することができる。
【0062】また、前記導電性ペーストのガラスフリッ
トの添加量が、Ag系金属成分中1〜12重量部の範囲
であるため、導体抵抗を低下させることができる。ま
た、ガラスフリットの比率が1重量部以上であるため、
Ag系導体材料の焼結反応を、ガラスセラミック材料の
焼結反応と同時程度に遅らせることができ、その結果、
基板の反りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる高周波用回路基板の断面図であ
る。
【符号の説明】
10 回路基板 1 積層基板 1a〜1e 誘電体層 2 内部配線 3 ビアホール導体 4 表面配線 5 ICチップ 6 電子部品

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MgとTiを含有するペロブスカイト型結
    晶粒子、もしくはBaTi49粒子を主成分とする誘電
    体層を複数積層した積層体の内部及び/または表面に、 少なくともAg系粉末とガラスフリットとを含有し、該
    ガラスフリットの組成中30wt%以下のSiO2を含
    有する導電性ペーストにより配線パターンを形成したこ
    とを特徴とする高周波用回路基板。
  2. 【請求項2】前記導電性ペースト中のガラスフリットの
    添加量は、Ag系金属成分100重量部に対して、1〜
    12重量部の範囲であることを特徴とする請求項1記載
    の高周波用回路基板。
JP2000264463A 2000-08-31 2000-08-31 高周波用回路基板 Pending JP2002076554A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005302778A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Toyota Motor Corp 半導体モジュールおよびその製造方法
JP2006344582A (ja) * 2005-04-25 2006-12-21 E I Du Pont De Nemours & Co マイクロ波用途におけるltccテープ用厚膜導体ペースト組成物
JP2007128872A (ja) * 2005-10-11 2007-05-24 E I Du Pont De Nemours & Co アルミニウム厚膜組成物、電極、半導体デバイス、およびこれらの作製方法
JP2012033614A (ja) * 2010-07-29 2012-02-16 Kyocera Corp 導電層付きセラミック体、および導電層付きセラミック体の製造方法。

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