JP3493264B2 - 回路基板 - Google Patents

回路基板

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、ガラス−セラミッ
ク材料を用いて、低温、例えば800〜1050℃で焼
成可能な回路基板に関するものであり、特に、基板と一
体的に焼成されるAu系の表面配線導体を有する回路基
板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、焼成温度を800〜1050
℃と比較的低い温度で焼成可能な材料を用いた回路基板
が提案されている。 【0003】回路基板は、複数の誘電体(絶縁)層から
なる多層基板の各層間に内部配線導体を有し、同時に、
多層基板の厚み方向に所定内部配線導体を接続するビア
ホール導体を有し、さらに、多層基板の表面に、ICチ
ップなどチップ部品を搭載するための表面配線導体が形
成されている。 【0004】内部配線導体の導電率を高め、回路の高速
化のために、内部配線導体として、Ag系の導体膜が使
用されている。また、誘電体層としては、Ag系導体の
Agの融点から、低温で焼成可能なガラス−セラミック
層が用いられる。 【0005】また、表面配線導体としては、ICチップ
を搭載して、AlやAuのワイヤボンディング細線が可
能なように、Au系の導体膜が必要である。 【0006】このような制約を満足するものとして、特
開昭62−279695号が開示されている。 【0007】上述の内部配線導体がAg系の導体膜で、
表面配線導体膜がAu系の同時焼結される回路基板にお
いて、最も問題となるのは、Ag系導体膜とAu系導体
膜との接続である。例えば、内部配線導体の一部である
Ag系のビアホール導体の露出面にAu系の表面導体を
重畳して、焼成処理をすると、Ag系導体のAg粒子が
Au導体膜中に取り込まれてしまい、安定した接続が達
成できないということである。しかも、このビアホール
導体と表面配線導体との接続は、回路基板においては、
必ず存在する構造である。 【0008】そこで、上述の特開昭62−279695
号では、Ag系導体とAu系導体との接続部分には、両
導体の接続界面部分にNiなどのメッキ層を形成し、A
g粒子のAu導体膜への移行を防止し、接続信頼性を維
持していた。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかし、Ag系の導体
とAu系の導体との接続界面に、別の金属などのメッキ
層を介在させることにより、Ag粒子のAu系導体膜の
移行を防ぐことができるものの、製造工程中、厚膜技法
(導電性ペーストの印刷など)を中心とする工程に、メ
ッキ工程が途中で行わなくてはならず、製造工程の煩雑
化をおこしてしまうことになり、実際の工程に供さない
ものであった。 【0010】本発明は、上述の問題的に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、Ag系の導体とAu系の導
体とを別の金属部材を用いることなく、接続信頼性を確
保し、また、実際の工程に適用した回路基板を提供する
ものである。 【0011】 【問題点を解決するための手段】本発明の回路基板は、
ガラス−セラミック焼結体から成る基体の内部にAg系
の内部配線導体、表面にAg系の第1の表面配線導体、
Au系の第2の表面配線導体を一体的に形成し、前記内
部配線導体と第1の表面配線導体とをAg系のビアホー
ル導体によって電気的に接続してなるものであって、前
記第1の表面配線導体は、その一部を第2の表面配線導
体上に重畳させて第2の表面配線導体に接続されてお
り、且つ、前記第1の表面配線導体の厚みが、第2の表
面配線導体の厚みに対して1.5倍以上であるものであ
る。 【0012】 【作用】本発明では、基体上に表面配線導体がAg系導
体とAu系導体とが混在している。そして、Au系の第
2の表面配線導体は、主にICチップの接続用パッドと
して用いられ、Ag系の第2の表面配線導体は、主に回
路を構成する表面配線として、内部配線導体との接続す
るための導体膜として用いられる。 【0013】さて、両者の接続に関しては、Ag系導体
とAu系導体とを接続して、一体的に焼成すると、Ag
粒子のAu系導体膜への移行が発生する。 【0014】この点、本発明では、Ag系導体膜をAu
系導体膜上に重畳して、且つAg粒子のAu系導体膜へ
の移行が発生しても安定した接続が維持できるように、
Ag系導体膜の膜厚を、Au系導体膜の厚みに対して
1.5倍以上とした。 【0015】即ち、この膜厚の関係では、Ag粒子がA
u系導体膜に移行しても、互いの接続が不良となる程度
のAg粒子の移行は発生せず、その結果、安定した接続
が維持できる。 【0016】また、従来のように、別の金属部材を用い
ることがないため、また、メッキという異なる工程を用
いる必要がないため、製造工程も非常に簡素化されるこ
とになる。 【0017】従って、回路基板上にICチップを搭載し
て、第2の表面配線導体に対して安定的にワイヤボンデ
ィングを行うことができ、また、他のチップ部品を半田
を用いて、第1の表面配線導体に接合できることにな
る。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の回路基板を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明に係る回路基板の断
面図である。 【0019】図1において、10は回路基板であり、1
は基体(以下、積層体という)、21は積層体1の表面
に形成した第1の表面配線導体、22は第2の表面配線
導体、3は積層体1内の形成された内部配線導体、4は
積層体1内の形成されたビアホール導体、5は積層体1
の表面に搭載したICチップ部品であり、6は他の電子
部品である。 【0020】積層体1は、ガラス−セラミック層1a〜
1eと、ガラス−セラミック層1a〜1eの各層間に
は、所定回路網を達成するや容量成分を発生するための
内部配線導体膜3が配置されている。また、ガラス−セ
ラミック層1a〜1eには、その層の厚み方向を貫くビ
アホール導体4が形成されている。 【0021】ガラス−セラミック層1a〜1eは、例え
ば850〜1050℃前後の比較的低い温度で焼成可能
にするガラス−セラミック材料からなる。具体的なセラ
ミック材料としては、クリストバライト、石英、コラン
ダム(αアルミナ)、ムライト、コージライトなどが例
示できる。また、ガラス材料として複数の金属酸化物を
含むガラスフリットを焼成処理することによって、コー
ジェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、ス
ピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタ
ライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析
出するものである。このガラス−セラミック層1a〜1
eの厚みは、例えば100〜300μm程度である。 【0022】内部配線導体膜3、ビアホール導体4は、
Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合金)など導
体膜(導体)からなり、内部配線導体膜3の厚みは8〜
15μm程度であり、ビアホール導体4の直径は任意な
値とすることができるが、例えば直径は80〜250μ
mである。 【0023】また、積層体1の表面には、2種類の表面
配線導体膜21、22が形成されている。第1の表面配
線導体膜21は、Ag系(Ag単体、Ag−Pdなどの
Ag合金)導体膜からなり、第2の表面配線導体膜22
は、Au系(Au単体、Au−Pd、Au−Ptなどの
Au合金)導体膜からなる。 【0024】第1の表面配線導体膜21は、主に表面の
回路配線を構成するとともに、半田を介して接合される
電子部品6の接続パッドとなったり、また、厚膜抵抗
膜、厚膜コンデンサ素子の端子電極となる。特に、内部
配線導体膜3との接続において、この第1の表面配線導
体膜21とガラス−セラミック層1aから露出するビア
ホール導体4と接続する。 【0025】第2の表面配線導体膜22は、主に、ボン
ディング細線によって接続されるICチップ5の接続パ
ッド(ワイヤボンディングパッド)として用いられる。 【0026】回路基板の表面において、第1の表面配線
導体膜21と第2の表面配線導体膜22との接続構造
は、図2に示すように、第2の表面配線導体膜22の一
部に、第1の表面配線導体膜21が直接重畳して、接続
を達成している。 【0027】ここで、第1の表面配線導体膜21の膜厚
は、25μm以上であり、第2の表面配線導体膜の膜厚
は10〜15μm程度であるこの膜厚は、少なくとも第
1の表面配線導体膜21と第2の表面配線導体膜22と
の接続部分または接続部分とその周囲の膜厚である。従
って、第1の表面配線導体膜21の接続部分以外の膜厚
は、10〜15μm程度と第2の表面配線導体膜22同
一にしても構わない。 【0028】このような接続構造によれば、製造工程
中、特に焼成工程において、Au系の第2の表面配線導
体膜22に、第1の表面配線導体膜21のAg粒子の移
行が発生しても、Ag系の第1の表面配線導体膜21に
は充分な膜厚が存在するために、接続部分が不良となる
ことはない。 【0029】以上のように、本発明の低温焼成回路基板
において、積層体1の第1又は第2の表面配線導体膜2
1、22に機械的に接合されたICチップと表面配線導
体膜との電気的に接続するにあたり、Ag系の導体膜で
ある第2の表面配線導体膜22との間にAlまたはAu
のボンディング細線を用いてワイヤボンディングするこ
とができる。 【0030】また、このようにICチップ6と電気的に
接続された第2の表面配線導体膜22と第1の表面配線
導体との接続とが安定的に達成され、全体として、接続
信頼性が維持できる。 【0031】上述の回路基板の製造方法について説明す
る。 【0032】まず、ガラス−セラミック層1a〜1eと
なるガラス−セラミック材料から成るグリーンシートを
形成する。具体的には、セラミック粉末、低融点ガラス
成分のフリット、有機バインダ、有機溶剤を均質混練し
たスラリーを、ドクタブレード法によって所定厚みにテ
ープ成型して、所定大きさに切断してシートを作成す
る。 【0033】セラミック粉末は、クリストバライト、石
英、コランダム(αアルミナ)、ムライト、コージライ
トなどの絶縁セラミック材料、BaTiO3 、Pb4
2Nb2 12、TiO2 などの誘電体セラミック材
料、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト(広
義の意味でセラミックという)なとの磁性体セラミック
材料などが挙げられ、その平均粒径1.0〜6.0μ
m、好ましくは1.5〜4.0μmに粉砕したものを用
いる。尚、セラミック材料は2種以上混合して用いられ
てもよい。特に、コランダムを用いた場合、コスト的に
有利となる。 【0034】低融点ガラス成分のフリットは、焼成処理
することによってコージェライト、ムライト、アノーサ
イト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイ
ト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶や
スピネル構造の結晶相を析出するものであればよく、例
えば、B2 3 、SiO2 、Al2 3 、ZnO、アル
カリ土類酸化物を含むガラスフリットが挙げられる。こ
の様なガラスフリットは、ガラス化範囲が広くまた屈伏
点が600〜800℃付近にあるため、850〜105
0℃程度の低温焼成に適し、Ag系内部配線導体膜3、
Ag系表面配線導体膜2となる導体膜との焼結挙動が近
似している。尚、このガラスフリットの平均粒径は、
1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmで
ある。 【0035】上述のセラミック材料とガラス材料との構
成比率は、850〜1050℃の比較的低温で焼成する
ために、セラミック材料が10〜60wt%、好ましく
は30〜50wt%であり、ガラス材料が90〜40w
t%、好ましくは70〜50wt%である。 【0036】有機バインダは、固形分(セラミック粉
末、低融点ガラス成分のフリット)との濡れ性も重視す
る必要があり、比較的低温で且つ短時間の焼成工程で焼
失できるように熱分解性に優れたものが好ましく、アク
リル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキ
シル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和
化合物が好ましい。 【0037】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。例えば、有機溶剤の場合には、2.
2.4−トリメチル−1.3−ペンタジオールモノイソ
ベンチートなどが用いられ、水系溶剤の場合には、水溶
性である必要があり、モノマー及びバインダには、親水
性の官能基、例えばカルボキシル基が付加されている。 【0038】その付加量は酸価で表せば2〜300あ
り、好ましくは5〜100である。付加量が少ない場合
は水への溶解性、固定成分の粉末の分散性が悪くなり、
多い場合は熱分解性が悪くなるため、付加量は、水への
溶解性、分散性、熱分解性を考慮して、上述の範囲で適
宜付加される。 【0039】次に、ガラス−セラミック層1a〜1eと
なるグリーンシートには、各層のビアホール導体4の形
成位置に対応して、所定径の貫通穴をパンチングによっ
て形成する。 【0040】次に、グリーンシートの貫通穴に、ビアホ
ール導体4の導体をAg系導電性ペーストを印刷・充填
するとともに、ガラス−セラミック層1b〜1eとなる
グリーンシート上に、各内部配線導体膜3となる導体膜
を印刷し、乾燥処理を行う。 【0041】ここで、ビアホール導体、内部配線導体膜
のAg系導電性ペーストは、Ag系(Ag単体、Ag−
PdなどのAg合金)粉末、ホウ珪酸系低融点ガラスフ
リット、エチルセルロースなどの有機バインダー、溶剤
を均質混合したものが用いられる。 【0042】また、ガラス−セラミック層1aとなるグ
リーンシート上に、第2の表面配線導体膜22となる導
体膜を表面配線用のAu系導電性ペーストを用いて印刷
し、乾燥処理を行い、続いて、第1の表面配線導体膜2
2となる導体膜を表面配線用のAg系導電性ペーストを
用いて印刷し、乾燥処理を行う。両者の接続部、即ち、
第2の表面導体膜22となる導体膜上に、第1の表面配
線導体となる導体膜が直接重畳して成る部分において、
それぞれの膜厚を制御しなくてはならない。 【0043】このため、この接続重畳部においては、第
2の表面配線導体膜22となる導体膜を形成した後、少
なくとも第1の表面配線導体部21の接続部分を、第2
の表面配線導体膜22となる導体膜を印刷した回数の
1.5倍以上の回数を施して、重印刷を行う。 【0044】ここで、第1の表面配線導体膜用のAg系
導電性ペーストは、Ag系(Ag単体、Ag−Pdなど
のAg合金)粉末、Pt粉末、低融点ガラスフリット、
有機バインダー、溶剤を均質混合したものが用いられ、
第2の表面配線導体膜用のAu系導電性ペーストは、A
u系(Au単体、Au−Pd、Au−PtなどのAu合
金)粉末、低融点ガラスフリット、有機バインダー、溶
剤を均質混合したものが用いられる。尚、その他に、V
2 5 粉末を各金属成分に対して0.2〜1.0wt%
添加すると、積層体1との接着強度が向上して望まし
い。 【0045】このようにビアホール導体4となる導体、
内部配線導体膜3となる導体膜が形成されたガラス−セ
ラミック層1b〜1eとなるグリーンシート、第1の表
面配線導体膜となるAg系の導体膜、第2の表面配線導
体膜となるAu系の導体膜が形成されたガラス−セラミ
ック層1aとなるグリーンシートを、積層体1のガラス
−セラミック層1a〜1eの積層順に応じて積層一体化
する。 【0046】次に、未焼成の積層体を、酸化性雰囲気ま
たは大気雰囲気で焼成処理する。焼成処理は、脱バイン
ダ過程と焼結過程からなる。 【0047】脱バインダ過程は、ガラス−セラミック層
1a〜1eとなるグリーンシート、内部配線導体膜3と
なる導体膜、ビアホール導体4となる導体、表面配線導
体膜2となる導体膜に含まれる有機成分を焼失するため
のものであり、例えば600℃以下の温度領域で行われ
る。 【0048】また、焼結過程は、ガラス−セラミックの
グリーンシートのガラス成分を結晶化させると同時にセ
ラミック粉末の粒界に均一に分散させ、積層体に一定強
度を与え、内部配線導体膜3となる導体膜、ビアホール
導体4となる導体、表面配線導体膜21、22となる導
体膜の導電材料の金属粉末、AgまたはAu粉末を粒成
長させて、低抵抗化させ、ガラス−セラミック層1a〜
1eと一体化させるものである。これは、ピーク温度8
50〜1050℃に達するまでに行われる。 【0049】この工程で、内部に内部配線導体膜3、ビ
アホール導体4が形成され、且つ表面に表面配線導体膜
2が形成された積層体1が達成されることになる。 【0050】その後、必要に応じて、第1の表面配線導
体膜21に接続する厚膜抵抗素子や所定形状の絶縁保護
膜を形成して、各種電子部品6を半田などで接合・実装
を行う。さらに、所定配線導体膜上にICチップ6を搭
載して、第2の表面配線導体膜22との間でAlまたは
Auのボンディング細線を介して、ワイヤボンディング
接合を行う。 【0051】これにより、図1に示す回路基板が達成す
ることになる。 【0052】上述の説明では、主に第1の表面配線導体
膜21と第2の表面配線導体膜22との接続構造につい
て説明したが、回路基板は、積層体1の内部に内部配線
導体膜3、ビアホール導体とで構成された回路網と積層
体1の表面に第1の表面配線導体膜21、第2の表面配
線導体膜22とで構成された回路網を接続させなければ
ならない。 【0053】ここで、内部配線導体膜電極3と表面配線
導体膜とを接続するガラス−セラミック層1aに形成さ
れたビアホール導体4は、Ag系導体で形成されてい
る。従って、このビアホール導体4と表面配線導体との
接続は、同じAg系の第1の表面配線導体膜2と接続さ
せる必要がある。即ち、単純に、ガラス−セラミック層
1aの表面に露出するビアホール導体4の端面を、第1
の表面配線導体膜21で覆うように重畳すればよいこと
になる。 【0054】これにより、本発明の回路基板の内部導体
膜3と第1の表面配線導体膜21との接続は安定に行わ
れることになる。 【0055】 【実験例】本発明者は、積層体1の表面におけるAg系
の第1の表面配線導体膜21とAu系の表面配線導体膜
22との構造及びその膜厚を種々の変更による検討を行
った。 【0056】参考例として、積層体1の表面にAg系の
表面配線導体膜となる導体膜を形成し、その上面にAu
系の第2の表面配線導体膜となる導体膜を形成して、大
気雰囲気中で同時焼成した。即ち、本発明の構造におい
て、第1の表面配線導体膜21と第2の表面配線導体膜
22とが逆構造となっている。即ち、ビアホール導体4
にAu系の第2の表面配線導体膜22を重畳接続するこ
とを想定した構造である。 【0057】この場合、下地のAg系の第1の表面配線
導体膜21の膜厚に係わらず、Au系の第2の表面導体
膜が浮き上がった状態で形成され、その部分の引っ張り
強度は、0.5kgf/2mm角の力で簡単に剥離して
しまう。 【0058】次に、接続部分の重畳構造を、Au系の第
2の表面配線導体膜22、Ag系の第1の表面配線導体
膜21の順に形成した。この時、Au系の第2の表面配
線導体膜22の膜厚は、15μmとなるように形成し、
Ag系の第1の表面配線導体膜21の膜厚を種々変更
(18μm、21μm、23μm)した。 【0059】第1の表面配線導体膜の厚みが18μm
(第2の表面配線導体膜22に対して、約1倍=略同
じ)時には、接続部分から延びる回路配線部分との境界
付近で断線が生じてしまった。 【0060】第1の表面配線導体膜の厚みが21μm
(第2の表面配線導体膜22に対して、約1・4倍)時
には、接続部分から延びる回路配線部分との境界付近で
断線しかかっている状態であった。 【0061】これらは、第1の表面配線導体膜となる導
体膜と第2の表面配線導体膜22となる導体膜の同時焼
成時、第1の表面配線導体膜21のAg粒子が、Au系
の第2の表面配線導体膜22側に拡散・移行して発生す
るものである。 【0062】第1の表面配線導体膜の厚みが23μm
(第2の表面配線導体膜22に対して、約1・53倍)
時には、接続部分から延びる回路配線部分との境界付近
でも安定した接続が維持できる。 【0063】さらに、23μm以上の第1の表面配線導
体膜21を形成した場合では、より接続信頼性が向上す
ることを確認した。 【0064】尚、接続部分の接合強度に難点がある場合
には、第2の表面配線導体膜22となる導体膜、第1の
表面配線導体膜21となる導体膜の重畳部分を覆うよう
に、絶縁保護膜となる絶縁膜を形成すればよい。また、
焼成した後において、樹脂などの絶縁保護膜を形成して
も構わない。 【0065】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガラス−
セラミック焼結体から成る基体の内部にAg系の内部配
線導体、表面にAg系の第1の表面配線導体、Au系の
第2の表面配線導体を一体的に形成し、前記内部配線導
体と第1の表面配線導体とをAg系のビアホール導体に
よって電気的に接続してなる回路基板おいて、前記第2
の表面配線導体膜上に、該第2の表面配線導体膜の膜厚
に対して1.5倍以上の第1の表面配線導体膜を直接重
畳することによって、安定した接続状態で接続させるこ
とができる。 【0066】これによって、従来のように、製造工程が
異質な別金属部材を用いることなく、さらに、ICチッ
プなどをボンディング細線で接続できることになり、こ
れによって、実用に適した回路基板となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る回路基板の断面図である。 【図2】本発明に第1の表面配線導体膜と第2の表面配
線導体膜との接続部分の概略図である。 【符号の説明】 10・・・・・・回路基板 1・・・・・・・積層体 1a〜1e・・・ガラス−セラミック層 21・・・・・・Ag系の第1の表面配線導体 22・・・・・・Au系の第2の表面配線導体 3・・・・・・・内部配線導体 4・・・・・・・ビアホール導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−115947(JP,A) 特開 平7−94866(JP,A) 特開 昭61−119096(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46 H05K 1/09

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ガラス−セラミック焼結体から成る基体の
    内部にAg系の内部配線導体、表面にAg系の第1の表
    面配線導体、Au系の第2の表面配線導体を一体的に形
    成し、前記内部配線導体と第1の表面配線導体とをAg
    系のビアホール導体によって電気的に接続してなる回路
    基板であって、前記第1の表面配線導体は、その一部
    第2の表面配線導体に重畳させて第2の表面配線導体
    接続されており、且つ、前記第1の表面配線導体の厚
    みが、第2の表面配線導体の厚みに対して1.5倍以上
    であることを特徴とする回路基板。
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