JP2002141625A - 回路基板 - Google Patents

回路基板

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JP2002141625A
JP2002141625A JP2000331543A JP2000331543A JP2002141625A JP 2002141625 A JP2002141625 A JP 2002141625A JP 2000331543 A JP2000331543 A JP 2000331543A JP 2000331543 A JP2000331543 A JP 2000331543A JP 2002141625 A JP2002141625 A JP 2002141625A
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plating
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rhodium
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JP2000331543A
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Toshiaki Takagi
俊昭 高木
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シート抵抗を増大させることなく、表面下地導
体層の劣化を防ぐことができ、表面下地導体層とメッキ
の接合性が良好な回路基板を提供する。 【解決手段】複数の誘電体層1a〜1dが積層して成る
基板1の表面に表面下地導体層4、Ni及びAuメッキ
とからなる表面配線導体膜を形成してなる回路基板10
において、表面下地導体層は、Agを主成分とする金属
100重量部に対して、白金、ロジウム、ルテニウムの
うち、少なくとも1種類を0.01〜5重量部(ただ
し、ロジウムは0.2重量部以下)含有し、焼成後の表
面下地導体層のAgの平均グレインサイズ径が0.5〜
10μmの範囲にあり、かつ表面下地導体層の表面粗さ
(Rmax)が2μm以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、基板材料に、ガラ
ス−セラミック材料を用いて、低温、例えば800〜1
050℃で焼成可能な回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、焼成温度を800〜1050
℃と比較的低い温度で焼成可能な材料を用いた低温焼成
回路基板が検討されてきた。回路基板の基体構造として
は、ガラス−セラミック層を複数積層して成る多層基板
と、ガラス−セラミックから成る単板基板とがある。基
体が多層基板である場合には、基体の内部に内部配線導
体やビアホール導体をAg系(Ag単体またはAg合金
など)などの低抵抗材料で形成されていた。
【0003】このような基板材料として、一般にガラス
−セラミック材料、例えば、コージェライト、ムライ
ト、アノートサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイ
ト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライト、オオスミ
ライト及びその置換誘導体などの結晶相のうち少なくと
も1種類を析出し得る低融点ガラス成分とクリストバラ
イト、石英、コランダム(αアルミナ)のうち少なくと
も1種類のセラミック材料(無機物フィラー)からなっ
ていた。特に、このようなガラス−セラミッ基板の混合
比率はセラミック材料が10〜60重量部、低融点ガラ
ス成分が90重量部〜40重量部と、低融点ガラス成分
が多いものであった。
【0004】実際、このような基板材料を用いて、回路
基板を構成するには、回路基板の表面に表面配線導体を
形成する必要がある。また、製造工程上、基板の焼成と
表面配線導体を構成する表面下地導体層の焼成工程を共
通化して、製造方法の簡略化を図ることが考えられてい
た。
【0005】ここで、表面下地導体層用の導電性ペース
トとして、Au系導体は、導電性に優れ、化学的にも安
定で、且つ基板との接合性も良く、特に耐候性に優れて
いるが、主成分のAu系金属粉末はコストが高いという
難点がある。
【0006】また、Cu系導体は、安価で導電性にも優
れているが、還元雰囲気での焼成が必要となり、そのた
めの焼成炉が必要であり、また、基板材料として耐還元
性の材料を用いる必要がある。
【0007】これらの難点を解消するために、Ag系
(Ag単体、又はAg−PdなどのAg合金)導体が多
く用いられてきた。
【0008】Ag系導体は導電性に優れ、且つコスト的
に有利となり、さらに焼成処理においても大気中で処理
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ag系
表面下地導体層は、大気中に露出しているため、大気中
の放置により表面が腐食してしまう。例えば、Ag系表
面下地導体層が硫黄成分と反応し硫化したり、塩素成分
と反応したりすることにより、表面下地導体層が腐食す
る。また、基板上のICチップと基板上の表面下地導体
層をAuワイヤで接続する際に、Ag系表面下地導体層
ではAuワイヤとの接着強度が弱い。そこで、Ag系表
面下地導体層の上にNiメッキを施し、さらにその上に
Auメッキを施す必要がある。
【0010】しかしながら、AuメッキはAg系表面下
地導体層の表面状態の影響を受けやすく、メッキ剥がれ
が起きるという問題があった。
【0011】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、Ag系表面下地導体層にN
i/Auメッキを施した際、Ag系表面下地導体層とメ
ッキの接合性が良好であり、かつ実際の工程に適した回
路基板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の回路基板は、セ
ラミック基板の表面にAg系表面下地導体層を設けると
ともに、該Ag系表面下地導体層上にNi/Auメッキ
を被着した表面導体層を形成してなる回路基板におい
て、前記Ag系表面下地導体層は、Ag100重量部に
対して、白金、ロジウム、ルテニウムのうち、少なくと
も1種類を0.01〜5重量部(ただし、ロジウムは0
〜0.2重量部)含有してなり、且つ前記Ag系表面下
地導体層のAgの平均粒子径が0.5〜10μmの範囲
にあるとともに、且つ前記Ag系表面下地導体層の表面
粗さ(Rmax)が2μm以下であることした。尚、焼成
後、表面下地導体層の焼結したAgのグレインサイズ平
均粒径を0.5〜10μmの範囲とするには、出発原料
である導電性ペースト中のAg粉末の平均粒径を0.3
〜5.0μm程度としたり、また、焼結条件、例えば焼
結時間、ピーク温度を制御した。
【0013】
【作用】本発明では、表面下地導体層は、Agを主成分
とする金属100重量部に対して、白金、ロジウム、ル
テニウムのうち、少なくとも1種類を0.01〜5重量
部(ただし、ロジウムは0.2重量部以下)含有し、焼
成後の表面下地導体層のAgのグレインサイズ(平均粒
径)が0.5〜10μmの範囲にあり、かつ表面下地導
体層の表面粗さ(Rmax)が2μm以下である。
【0014】すなわち、Agを主成分とする金属100
重量部に対して、白金、ロジウム、ルテニウムのうち、
少なくとも1種類を0.01〜5重量部(ただし、ロジ
ウムは0.2重量部以下)含有しているため、表面下地
導体層の焼結時のAg粒子の粒成長を抑え、グレインサ
イズを小さく維持することができる。これにより、表面
下地導体層の表面の平滑性が良好になるため、Ag系表
面下地導体層上にNi及びAuメッキを被着しても、安
定した密着牲が維持できる。
【0015】なお、上記含有量が0.01重量部を下回
ると、焼成時に表面下地導体層のAgのグレインサイズ
を小さく維持する効果が現れにくくなる。一方、5重量
部を上回ると、白金、ルテニウム自身は焼結しないた
め、Ag粉末の焼結を妨げ、逆にシート抵抗が増大化さ
せてしまう傾向がある。また、ロジウムはAg粉末の焼
結を妨げやすいため、ロジウムを含有量する場合には、
は0.2重量部以下とする重要である。
【0016】また、焼成後の表面下地導体層のAgのグ
レインサイズが0.5μmより小さいと、粒界の面積が
大きくなり、Agのグレインどうしの緻密な接触が達成
できず、シート抵抗が増大してしまう。一方、10μm
より大きいと、表面下地導体層の腐食が起こりやすくな
り、また、Ag系表面下地導体層の平滑牲が損なわれ、
Ni及びAuメッキなどを安定した被着できなくなる。
【0017】このように表面下地導体層の表面粗さ(R
max)が2μm以下であるため、Ag系表面下地導体層
とNi及びAuメッキの接合性が良好となり、このNi
及びAuメッキを介してボンディングワイヤ、パンプに
よる超音波融着が確実に行なえる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回路基板を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明に係る回路基板の断
面図である。図1において、1は積層基板、2は積層基
板1内に形成された内部配線導体、3は積層基板1内に
形成されたビアホール導体、4は積層基板1の表面に形
成した表面導体層を構成する表面下地導体層、5はIC
チップ部品であり、6は他の電子部品である。尚、表面
導体層は、表面下地導体層4及び下地導体層4の表面を
Ni及びAuメッキ層4が被着されて構成されている。
尚、以下において、表面下地導体層を符号4で示し、N
i及びAuメッキ層を41で示す。
【0019】積層基板1は、ガラス−セラミック材料か
ら成る誘電体層1a〜1dと、誘電体層1a〜1dの各層間
に、所定回路網を達成したり、容量成分を発生するため
の内部配線導体2が配置されている。
【0020】また、誘電体層1a〜1dには、その層の
厚み方向を貫くビアホール導体3が形成されている。
【0021】さらに、誘電体層1a〜1dを積層した積
層基板1の表面には、表面下地導体層4が形成されてい
る。
【0022】誘電体層1a〜1dは、例えば850〜1
050℃前後の比較的低い温度で焼成可能にするガラス
ーセラミック材料からなる。具体的なセラミック材料と
しては、クリストバライト、石英、コランダム(αアル
ミナ)、ムライト、コージライトなどの絶縁セラミック
材料、BaTiO3 、Pb4Fe2Nb212、TiO2
どの誘電体セラミック材料、Ni−Znフェライト、M
n−Znフェライト(広義の意味でセラミックという)
などの磁性体セラミック材料などが挙げられる。なお、
その平均粒径1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜
4.0μmに粉砕したものを用いる。また、セラミック
材料は2種以上混合して用いられてもよい。特に、コラ
ンダムを用いた場合、コスト的に有利となる。
【0023】ガラス成分のフリットは、焼成処理するこ
とによってコージェライト、ムライト、アノーサイト、
セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ド
ロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶やスピネ
ル構造の結晶相を析出するものであればよく、例えば、
23、SiO2、Al23、ZnO、アルカリ土類酸
化物を含むガラスフリットが挙げられる。この様なガラ
スフリットは、ガラス化範囲が広くまた屈伏点が600
〜800℃付近となっている。
【0024】この誘電体層1a〜1dの厚みは、例えば
100〜300μm程度である。
【0025】内部配線導体2、ビアホール導体3は、A
g系(Ag単体、Ag−Pd、Ag−PtなどのAg合
金)を主成分とする導体膜(導体)からなり、内部配線
導体2の厚みは8〜15μm程度である。また、ビアホ
ール導体3の直径は任意な値とすることができるが、大
径化として低抵抗化するために、80〜350μmとし
ている。特に、ビアホール導体3は、Ag系材料、β石
英、誘電体層1a〜1dを構成するガラス成分と概略同
一のガラス成分、コージェライト、ムライト、アノーサ
イト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイ
ト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶や
スピネル構造の結晶相を析出し得る、例えばB23、S
iO2、Al23、ZnO、アルカリ土類酸化物を含む
ガラスフリットが挙げられる。
【0026】なお、誘電体層1a〜1d内のガラス成分
と概略同一のガラス成分とは、誘電体層1a〜1dに含
有されるガラス成分と全く同じ成分か、組成比率を若干
変更したもの、特性改善のために添加物を加えたもの、
基本特性(熱特性)を大きく変化させない程度で組成を
変更・削除したものであってもよい。
【0027】表面下地導体層4は、Ag系(Ag単体、
Ag−Pd、Ag−PtなどのAg合金)を主成分とす
る導体膜から成り、その表面にNi及びAuメッキ層4
1が被着形成される。積層基板1の表面導体層は所定回
路網を形成するとともに、半田を介して接合される電子
部品6の接続パッドとなったり、また、厚膜抵抗膜、厚
膜コンデンサ素子の端子電極となる。特に、内部配線導
体2との接続において、表面下地導体層4は、誘電体層
1aから露出するビアホール導体3と接続する。
【0028】本発明の特徴的なことは、表面下地導体層
4は、Agを主成分とする金属100重量部に対して、
白金、ロジウム、ルテニウムのうち、少なくとも1種類
を0.01〜5重量部(ただし、ロジウムは0.2重量
部以下)含有し、焼成後の表面下地導体層の平均グレイ
ンサイズ径が0.5〜10μmの範囲にあり、かつ表面
下地導体層の表面粗さ(Rmax)が2μm以下である。
【0029】ここで、白金、ロジウム、ルテニウムは、
そのうち1種類のみ含有してもよく、2種類、あるいは
3種類全てを含有してもよい。すなわち、その合計がA
gを主成分とする金属100重量部に対して、0.01
〜5重量部になることが重要である。ただし、ロジウム
は0.2重量部以下であることが必要である。
【0030】また、焼成後の表面下地導体層4の平均グ
レインサイズ径は、導電性ペースト中のAgの粒径や、
焼成条件等を制御することにより達成できる。例えば、
Agの平均グレインサイズ径は、0.3〜0.5μmと
すれば、白金、ロジウム、ルテニウムのAg粉末の粒成
長抑制機能が作用して、焼結後のAgの平均粒系を0.
5〜10μmとすることができる。
【0031】また、ICチップ部品5は、ICチップ部
品5の下面に形成したパンプ部材、AlまたはAuのボ
ンディング細線を介して表面下地導体層4上のNi及び
Auメッキ層41に接合されている。さらに、電子部品
6は、電子装置やトランジスタなどが例示でき、表面下
地導体層4上のNi及びAuメッキ層41に半田を介し
て接続されている。
【0032】次に、回路基板10の製造方法について説
明する。
【0033】まず、積層体1の誘電体層1a〜1dとな
る大型のグリーンシート、内部配線導体2、ビアホール
導体3を形成するための例えばAg系の導電性ペース
ト、表面下地導体層を形成するための、例えばAg系の
導電性ペーストをペーストを用意する。
【0034】グリーンシートは、複数の回路基板を抽出
できるように、複数の回路基板領域を有しており、ガラ
ス−セラミック材料から成っている。例えば、セラミッ
ク粉末、低融点ガラス成分のフリット、有機バインダ、
有機溶剤を均質混練したスラリーを、ドクターブレード
法によって所定厚みにテープ成型して、所定大きさに切
断してシートを作成する。
【0035】上述のセラミック材料とガラス材料との構
成比率は、850〜1050℃の比較的低温で焼成する
ために、セラミック材料が10〜60wt%、好ましく
は30〜50wt%であり、ガラス材料が90〜40w
t%、好ましくは70〜50wt%である。
【0036】有機バインダは、固形分(セラミック粉
末、低融点ガラス成分のフリット)との濡れ性も重視す
る必要があり、比較的低温で且つ短時間の焼成工程で焼
失できるように熱分解性に優れたものが好ましく、アク
リル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキ
シル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和
化合物が好ましい。
【0037】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。例えば、有機溶剤の場合には、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソ
ベンチートなどが用いられ、水系溶剤の場合には、水溶
性である必要があり、モノマー及びバインダには、親水
性の官能基、例えばカルボキシル基が付加されている。
【0038】その付加量は酸価で表せば2〜300であ
り、好ましくは5〜100である。付加量が少ない場合
は水への溶解性、固定成分の粉末の分散性が悪くなり、
多い場合は熱分解性が悪くなるため、付加量は、水への
溶解性、分散性、熱分解性を考慮して、上述の範囲で適
宜付加される。
【0039】次に、誘電体層1a〜1dとなるグリーン
シートの各回路基板領域に、ビアホール導体3となる貫
通穴をパンチングによって形成する。同時に、該貫通穴
にビアホール導体3となる導体をAg系導電性ペースト
の印刷・充填によって形成する。また、誘電体層1b〜
1dとなるグリーンシート上には、内部配線導体2とな
る導体膜を、Ag系導電性ペーストの印刷・乾燥によっ
て形成する。さらに、誘電体層1aとなるグリーンシー
ト上には、表面下地導体層4となる導体膜を、Ag系導
電性ペーストの印刷・乾燥によって形成する。
【0040】ここで、ビアホール導体3、内部配線導体
膜2のAg系導電性ペーストは、Ag系(Ag単体、A
g−PdなどのAg合金)粉末、ホウ珪酸系低融点ガラ
スフリット、エチルセルロースなどの有機バインダ、溶
剤を均質混合したものが用いられる。
【0041】また、表面下地導体層4のAg系導電性ペ
ーストは、Ag系(Ag単体、Ag−PdなどのAg合
金)粉末、白金、ロジウム、ルテニウムの少なくとも種
類の金属粉末、低融点ガラスフリット、有機バインダ、
溶剤を均質混合したものが用いられる。
【0042】次に、各回路基板領域にビアホール導体3
となる導体、内部配線導体2となる導体膜が形成された
誘電体層1b〜1dとなるグリーンシート、表面下地導
体層4となる導体膜が形成された誘電体層1aとなるグ
リーンシートを、積層順に応じて積層し、例えば60k
gf/cm3の圧力で圧着等で一体化して大型積層体を
形成する。
【0043】次に、未焼成状態の大型積層体に、各回路
基板領域を区画するように分割溝を形成する。
【0044】次に、未焼成状態の大型積層体を、酸化性
雰囲気または大気雰囲気で同時焼成処理する。なお、こ
の焼成工程は、脱バインダ過程と焼結過程からなる。
【0045】脱バインダ過程は、誘電体層1a〜1dと
なるグリーンシート、内部配線導体2となる導体膜、ビ
アホール導体3となる導体、表面下地導体層4となる導
体膜に含まれる有機成分を焼失・除去させるためのもの
であり、例えば500〜600℃の温度領域で行われ
る。
【0046】また、焼結過程は、ガラス−セラミックの
グリーンシートのガラス成分を結晶化させると同時にセ
ラミック粉末の粒界に均一に分散させ、積層体に一定強
度を与え、内部配線導体2となる導体膜、ビアホール導
体3となる導体、表面下地導体層4となる導体膜の導電
材料の金属粉末、Ag粉末を粒成長させ、低抵抗化させ
て、誘電体層1a〜1dと一体化させるものである。こ
れは、ピーク温度850〜1050℃に達するまでに行
われる。
【0047】ここで、ガラス−セラミック材料が焼結反
応(焼結収縮)を開始する温度(約600℃)よりも低
い温度(例えば550℃)で、導電材料の金属粉末が
(焼結収縮)を開始することになる。
【0048】これにより、各回路基板領域の内部に内部
配線導体2、ビアホール導体3が形成され、且つ表面に
表面下地導体層4が形成された大型回路基板が達成され
ることになる。
【0049】次に、表面下地導体層4上に、無電解また
は電解メッキによって、Ni及びAuメッキ層41を被
着する。
【0050】次に、表面下地導体層4に接続する厚膜抵
抗素子、各種電子部品6を半田などで接合・実装を行
う。
【0051】最後に、各回路基板を区画する分割溝に沿
って分割処理を行う。これにより、大型回路基板から
は、図1に示す複数の回路基板10が抽出されることに
なる。
【0052】以上のように、本発明では、表面下地導体
層4は、Agを主成分とする金属100重量部に対し
て、白金、ロジウム、ルテニウムのうち、少なくとも1
種類を0.01〜5重量部(ただし、ロジウムは0.2
重量部以下)含有し、焼成後の表面下地導体層のAgの
平均グレインサイズ径が0.5〜10μmの範囲にあ
り、かつ表面下地導体層の表面粗さ(Rmax)が2μm
以下である。すなわち、Ag系導電性ペーストにおいて
は、Agの平均粒子径を0.3〜5.0μmに設定す
る。
【0053】これにより、白金、ロジウム、ルテニウム
のうち、少なくとも1種類が、表面下地導体層の焼結時
のAg粒子の粒成長を抑え、焼成後のAg粉末の平均グ
レインサイズ径を小さくすることができる。これによ
り、表面下地導体層4の平滑性が良好になるため、Ag
系表面下地導体層4上のNi及びAuメッキの接合性が
良好となる。
【0054】なお、上記白金、ロジウム、ルテニウムの
含有量が0.01重量部を下回ると、表面下地導体層4
のAgの平均グレインサイズ径を小さく維持する効果が
現れにくくなる。一方、白金、ルテニウムが5重量部を
越えると、白金、ルテニウム、自身は焼結しないため、
Ag粉末の粒界に存在して、Agの焼結を妨げ、シート
抵抗を増大させてしまう。う。また、ロジウムはAg粉
末の焼結を妨げやすいため、ロジウムの含有量は0.2
重量部以下であることが必要である。
【0055】また、焼成後の表面下地導体層4のAgの
平均グレインサイズ径が0.5μmより小さいと、粒界
の面積が大きくなるため、シート抵抗を増大させてしま
う。一方、10μmを越えると、Ag系表面下地導体層
の平滑牲が損なわれ、Ni及びAuメッキ層41との接
合性が悪くなり、ボンディングワイヤやバンプ6を介し
て、ICチップ部品5を接合しても、安定した接合が困
難となる。
【0056】さらに、表面下地導体層4の表面粗さ(R
max)が2μm以下であるため、Ag系表面下地導体層
とメッキの接合性が良好となる。
【0057】
【実施例】次に本発明について、実施例に基づき、更に
詳細に説明する。
【0058】本発明者は、上記製造方法により、回路基
板10を作製した。なお、誘電体層は100μm×5
層、内部配線導体2及び表面下地導体層4の厚みは10
μmとなるようにした。
【0059】試料番号1は、白金、ロジウム、ルテニウ
ムを添加しなかった。
【0060】試料番号2〜4は、白金を添加した場合で
あり、その添加量をAg100重量部に対して0.01
〜6重量部とした。焼成後の表面下地導体層4のAgの
平均グレインサイズ径が2.0〜3.0μmの範囲にな
るよう導電性ペーストのAgの平均粒径を1.0〜1.
5μmとした。
【0061】試料番号5〜7は、ロジウムの添加量を
0.01〜3重量部とし、焼成後の表面下地導体層4の
Agの平均グレインサイズ径が0.5〜5.0μmの範
囲になるよう導電性ペーストのAgの平均粒径を0.3
〜2.0μmとした。
【0062】試料番号8〜10は、ルテニウムの添加量
を0.01〜6重量部とし、焼成後の表面下地導体層4
のAgの平均グレインサイズ径が0.5〜5.0μmの
範囲になるよう導電性ペーストのAgの平均粒径を0.
3〜2.0μmとした。
【0063】試料番号11、12は、ルテニウムの添加
量を3重量部とし、焼成後の表面下地導体層4のAgの
平均グレインサイズ径が0.4、2.5μmとなるよう
にした。導電性ペーストのAgの平均粒径を0.2μ
m、1.5μmとした。
【0064】なお、焼成後の表面下地導体層4のAgの
平均グレインサイズ径は、導電性ペースト中のAgの粒
径以外にも、焼成時間などによって大きく左右される
が、その粒径及び焼成時間などの焼成条件を総合的に制
御することにより調節した。
【0065】すなわち、表面下地導体層4を研磨し、S
EM像を写真撮影し、得られたSEM像に複数の線を引
き、各線の長さを各線が通ったグレインの数で割った値
の平均値を求め、さらにSEM像の倍率で割ることによ
り算出した。
【0066】表面下地導体層4の表面粗さRmaxの測定方
法は、日本工業規格(JIS B0601)に規定され
ており、本発明においてもこれに準拠して、触針式の表
面粗さ計を用いて測定した。
【0067】このようにして得られた回路基板10のメ
ッキ剥がれ試験、シート抵抗を測定、評価した。その結
果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】表面下地導体層4とメッキの接合性の尺度
としてのメッキ剥がれ試験は、メッキ後の表面配線導体
にAuワイヤボンディングを施し、その後ピンセットで
ワイヤを引っ張り、表面下地導体層41とメッキ層との
界面で剥がれるかどうかを調べた。試料数は720本と
し、この界面でメッキが剥がれた試料の数が0本のもの
を良好とした。
【0070】また、シート抵抗(mΩ/□)は、長さ
(L)及び幅(W)が100:1の寸法関係(L/W=
100/1)を有するパターンとされた厚膜導体上の2
点を、周知の4端子法(ホイートストンブリッジを用い
た抵抗値測定方法)によって測定し、膜厚換算によって
シート抵抗値を求めた。シート抵抗の評価として、3.
0mΩ/□以下であれば、実用的な条件を満足するもの
とした。
【0071】表1に示すように、表面下地導体層4が、
Agを主成分とする金属100重量部に対して、白金、
ロジウム、ルテニウムのうち、少なくとも1種類を0.
01〜5重量部(ただし、ロジウムは0.2重量部以
下)含有し、焼成後の表面下地導体層のAgの平均グレ
インサイズ径が0.5〜10μmの範囲にあり、かつ表
面下地導体層の表面粗さ(Rmax)が2μm以下である
場合、(試料番号2〜3,5〜6,8〜9)、メッキが
剥がれた試料の数は0本、シート抵抗が3.0mΩ/□
以下となった。
【0072】これに対し、白金、ロジウム、ルテニウム
を含有しない場合(試料番号1)、Agの平均グレイン
サイズ径が35μmとAg粉末の粒成長が激しく、メッ
キが剥がれた試料の数は2本となった。一方、白金を6
重量部含有し、表面下地導体層4の表面粗さ(Rmax)
が2.3μmである場合(試料番号4)、メッキが剥が
れた試料の数は1本となり、シート抵抗が3.2mΩ/
□となった。
【0073】また、ロジウムを0.3重量部含有し、表
面下地導体層の表面粗さ(Rmax)が2.2μmである
場合(試料番号7)、Auメッキが剥がれた試料の数は
1本となり、シート抵抗が3.3mΩ/□となった。
【0074】さらに、ルテニウムを6重量部含有し、表
面下地導体層の表面粗さ(Rmax)が2.2μmである
場合(試料番号10)、Auメッキが剥がれた試料の数
は1本となり、シート抵抗が3.2mΩ/□となった。
【0075】また、焼成後の表面下地導体層4のAgの
平均グレインサイズ径が0.4μmになるようにした場
合(試料番号11)、シート抵抗が3.2mΩ/□とな
った。一方、Agの平均グレインサイズ径が2.5μm
になるようにした場合(試料番号12)、Auメッキが
剥がれた試料の数は2本となった。
【0076】なお、Agの平均グレインサイズ径の制御
では、焼成条件、例えば焼成時間(時間が長ければグレ
インサイズが大きくなる)、焼成ピーク温度(温度が高
ければグレインサイズが大きくなる)を制御して、焼成
後のグレインサイズを制御してもよい。
【0077】また、本発明は上記の実施の形態例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
での種々の変更や改良等は何ら差し支えない。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、表面下
地導体層は、Ag100重量部に対して、白金、ロジウ
ム、ルテニウムのうち、少なくとも1種類を0.01〜
0.5重量部(ただし、ロジウムの上限は、0.2重量
部)含有し、且つ焼成後の表面下地導体層のAgの平均
グレインサイズ径が2μm以下の範囲とすることがで
き、シート抵抗を増大させることなく、表面下地導体層
の劣化を防ぐことができ、表面下地導体層とメッキの接
合性が良好となり、ボンディングワイヤまたはバンプと
の接合牲が飛躍的に向上する回路基板となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回路基板の断面図である。
【符号の説明】
10 回路基板 1 積層基板 1a〜1d 誘電体層 2 内部配線 3 スルーホール導体 4 表面下地導体層 5 ICチップ部品 6 電子部品

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の表面にAg系表面下地
    導体層を設けるとともに、該Ag系表面下地導体層上に
    Ni/Auメッキを被着した表面導体層を形成してなる
    回路基板において、 前記Ag系表面下地導体層は、Ag100重量部に対し
    て、白金、ロジウム、ルテニウムのうち、少なくとも1
    種類を0.01〜5重量部(ただし、ロジウムは0〜
    0.2重量部)含有してなり、且つ前記Ag系表面下地
    導体層のAgの平均粒子径が0.5〜10μmの範囲に
    あるとともに、且つ前記Ag系表面下地導体層の表面粗
    さ(Rmax)が2μm以下であることを特徴とする回路
    基板。
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