JP2598872B2 - ガラスセラミックス多層基板 - Google Patents
ガラスセラミックス多層基板Info
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- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Description
及びLSI等の高密度実装に好適なガラスセラミックス
多層基板に関するものである。
り、セラミックス多層基板としては、機械的強度、熱伝
導性及び気密性に優れたアルミナセラミックスが主に用
いられている。しかしながら、アルミナセラミックスは
焼成温度が1500〜1600℃と極めて高いため、内
層導体の材料としては、Mo、W等の高融点の金属材料
を使用しなければならず、これらの材料は導体抵抗が高
いという欠点を有していた。従って、Au、Ag、Cu
等の低い融点を有する金属を内層導体として用いること
ができるように、1000℃以下の低い温度で焼成する
ことができるセラミックス材料が要望され検討されてい
る。
70×10-7/℃と高いため、熱膨張係数が35×10
-7/℃であるシリコンチップを直接搭載することができ
ないという問題もあった。
(ε)が約10と高いため、高速信号回路用の基板とし
て適さないという問題もあった。すなわち、導体中を伝
播する信号の速度は、その周囲を形成する材料の誘電率
が高いほど遅れることが一般的に知られており、アルミ
ナセラミックスは誘電率が高いため、演算処理の高速化
の要求に応えることができない。
ス粉末とフィラー成分とを混合してなり、1000℃以
下の低温焼成で作製できるガラスセラミック多層基板が
提案されている。例えば特開昭64−45743号、同
64−51346号、特開平1−179741号、同1
−252548号等には、SiO2 、Al2 O3 、RO
を所定割合含むガラス粉末と、フィラー粉末、酸化剤、
ニオブの酸化物等を焼成してなるガラスセラミックス多
層基板が開示されている。これらのガラスセラミックス
多層基板は、機械的強度及び熱伝導率を大きくし、絶縁
抵抗及び絶縁破壊電圧の向上、及び導体のはんだ濡れ性
の向上等を目的として提案されているものであり、低温
焼成が可能な材料であるが、シリコンチップを直接搭載
できるような低い熱膨張係数を示すものではなく、また
高速信号回路用基板に用いることができる程度の低い誘
電率を有するものではなかった。
000℃以下の低温で焼結することができ、低誘電率
で、かつ高い強度を有するガラスセラミックス配線基板
が提案されているが、低誘電率を得ることを目的とする
ものの、その誘電率は7.3〜7.8の範囲であり、未
だ不十分なものであった。また低熱膨張率の点において
も、明細書中の記載では、熱膨張係数は60〜72×1
0-7/℃の範囲が適当とされており、シリコンチップを
直接搭載するには不適当であった。
を解消し、1000℃以下の低温焼成で作製することが
でき、熱膨張係数がシリコンチップの熱膨張係数と近似
しており、高速演算処理に十分対応することができるよ
うな7以下の低い誘電率を有し、かつ高い機械的強度を
有するガラスセラミックス多層基板を提供することにあ
る。
クス多層基板は、重量百分率で、ガラス成分40〜80
%、フィラー成分20〜60%からなり、該ガラス成分
がSiO2 20〜50%、Al2 O3 10〜40
%、SrO 11〜25%、MgO 6〜20%、B2
O3 0.1〜30%、ZnO 0.1〜30%の組成
を有することを特徴としている。
は、例えば、アルミナ、ムライト、コージエライト、ジ
ルコニア及びケイ酸ジルコニウムの群から選ばれる1種
以上を用いることができる。
板は、以下の方法で製造される。まず重量百分率で、S
iO2 20〜50%、Al2 O3 10〜40%、S
rO 11〜25%、MgO 6〜20%、B2 O3
0.1〜30%、ZnO0.1〜30%の組成を有する
ガラス粉末と、アルミナ、ムライト、コージエライト、
ジルコニア及びケイ酸ジルコニウムの群から選ばれる1
種以上のフィラー粉末とを所定の混合割合で秤取し、結
合剤、可塑剤及び溶剤等と混合してスラリーを調製す
る。結合剤としては、例えばポリビニルブチラール樹
脂、メタアクリル酸樹脂等を用いることができる。また
可塑剤としては、例えばフタル酸ジブチルを用いること
ができ、溶剤としては、例えばトルエン、メチルエチル
ケトン等を用いることができる。
エステルフィルム上にドクターブレード法により塗布
し、厚み0.2mm程度のグリーンシートを製造する。
これを乾燥し、所定の大きさに切断した後、各グリーン
シートに機械的加工によりスルーホールを形成し、導体
となる低抵抗金属材料をスルーホール及びグリーンシー
ト表面に印刷し形成する。これらのグリーンシートを複
数枚積層し、熱圧着により一体化する。
を、毎分3℃の速度で昇温し、500℃の温度で30分
間保持し、グリーンシート中の有機物質を除去する。こ
の後、毎分10℃の速度で800〜1000℃まで昇温
し、10分〜1時間保持して焼結させ、本発明のガラス
セラミックス多層基板を得る。
ス成分中にSrO及びMgOを所定の割合で含有するこ
とを特徴としており、このようなSrO及びMgOの含
有により、焼成の際ガラス相よりストロンチウム長石及
びコージエライトを同時に析出させることができ、シリ
コンチップを直接搭載可能な低い熱膨張係数、及び高速
演算処理に十分対応できる低い誘電率を実現すると共
に、高い機械的強度を得ることができる。
明する。本発明のガラスセラミックス多層基板は、40
〜80%のガラス成分と20〜60%のフィラー成分と
からなる。ガラス成分の割合が40%未満であると、即
ちフィラー成分が60%を超えると、焼成の際に緻密化
せず、機械的強度が著しく低下する。またガラス成分の
割合が80%を超えると、即ちフィラー成分が20%未
満であると、結晶析出後、ガラス成分が基板表面から浮
き出し、表面に印刷した導体との接着強度が低下する。
において、ガラス成分中、SiO2は20〜50%、好
ましくは、25〜45%含まれる。SiO2 はガラスの
ネットワークフォーマーであり、またストロンチウム長
石及びコージエライトの結晶構成成分である。従って、
SiO2 が20%未満であると、結晶量が少なくなり、
低熱膨張係数、低誘電率及び十分な機械的強度を得るこ
とができない。また50%を超えると、ガラスの溶融性
が悪くなると共に、軟化点が高くなり、低温焼成が困難
になる。
5〜35%、さらに好ましくは20〜35%含まれる。
Al2 O3 もストロンチウム長石及びコージエライトの
結晶構成成分であり、その含有量が10%より少ないと
結晶量が少なくなり、また40%を超えると溶融性が悪
くなる。
は11〜20%含有される。本発明においては、SrO
がガラス成分中の必須成分として含有されるが、これは
焼成の際にストロンチウム長石を析出させる必要がある
からである。SrOの含有量が11%未満であるとスト
ロンチウム長石が析出せず、機械的強度が低くなる。ま
た25%を超えると、熱膨張係数が大きくなり過ぎる。
必須成分であり、6〜20%、好ましくは6〜15%含
有される。本発明においては、MgOを含むことによ
り、焼成の際にコージエライトが析出し、シリコンチッ
プに近い熱膨張係数を示すと共に、誘電率を低くするこ
とができる。MgOの含有量が6%未満であると、コー
ジエライトが十分に析出せず、低熱膨張係数及び低誘電
率を達成することができない。またMgOの含有量が2
0%を超えると、失透が生成しやすくなる。
向上させるためにガラス成分中に含まれる。B2 O3 の
含有量は0.1〜30%であり、好ましくは1〜25%
である。ZnOの含有量は0.1〜30%であり、好ま
しくは1〜25%である。B 2 O3 が30%を超えて含
まれると、ガラスの耐水性が悪化する。また、ZnOの
含有量が30%を超えると、異種結晶としてガーナイト
が析出し、熱膨張係数が高くなる。一方、B2 O3 及び
ZnOは、前記したようにガラスの溶融性を改善する成
分であるので、それぞれ0.1%よりも少ない含有量で
ある場合には、その効果が十分に発揮されない。
及びMgOがガラス粉末中の必須成分であり、これらの
酸化物を含むことにより、焼成の際にストロンチウム長
石及びコージエライトをガラス相より析出させ、これに
よってシリコンに近い低熱膨張係数、高速演算処理に十
分対応できる低い誘電率を示すと共に、高い機械的強度
を有することができる。
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸ストロ
ンチウム、ホウ酸、及び酸化亜鉛の各原料を調合し、こ
れを白金ルツボ中に入れ、1500℃で2時間保持して
溶融した。次に、この溶融ガラスを急冷して薄板状に成
形した後、アルミナボールで粉砕し分級することによっ
て、平均粒径が約2μmのガラス粉末を得た。
表1に示す各種フィラー粉末と所定の割合で混合し、直
径5mm、長さ50mmの丸棒状試験体、直径40m
m、厚み2mmの円板状試験体、及び幅15mm、長さ
50mm、厚み1mmの短冊状試験体にプレス成形した
後、900℃で10分間焼成した。
熱膨張係数を測定し、円板状試験体を用いて誘電率を測
定し、短冊状試験体を用いて曲げ強度(三点荷重方式)
を測定した。
明の範囲外の組成のガラス粉末を用い、上記実施例と同
様にしてフィラー粉末と混合し、同様の試験体を作製
し、熱膨張係数、誘電率及び曲げ強度を測定した。結果
を表2に示す。
は、シリコンチップの熱膨張係数35×10-7/℃に近
い低熱膨張係数を示しており、また誘電率も7以下の低
い値を示している。また曲げ強度も高く、高い機械的強
度を有していることがわかる。
MgOの含有量が本発明の範囲よりも少ないため熱膨張
係数及び誘電率が高くなっている。比較例2は、ガラス
成分中のSrOの含有量が本発明の範囲よりも少なく、
曲げ強度が著しく低くなっている。
ZnOを含まないため、緻密化した焼結体を得ることが
できなかった。比較例4は、ガラス成分中のAl2 O3
の含有量が本発明の範囲よりも少ないため、熱膨張係数
及び誘電率が高く、また著しく曲げ強度が低下した。
あるMgOを含有しておらず、フィラー成分としてコー
ジエライトを60%含有させたものである。コージエラ
イトをフィラー成分として大量に含有させると、低い熱
膨張係数及び低い誘電率が得られるものの、これらの特
性がほぼ同等である実施例3に比べて曲げ強度が著しく
劣る。これは本発明では、ガラス成分中にMgOを必須
成分として含有させることにより、焼成の際にガラス相
よりコージエライトが析出し、析出したコージエライト
によって低い熱膨張係数及び低い誘電率を達成し、しか
も析出したコージエライトが微結晶粒であるため、曲げ
強度の向上に寄与するためである。
組成物を使用してセラミックス多層基板を作製した。図
1はガラスセラミックス多層基板の断面図を示したもの
であり、1はビア導体、2は内層導体パターン、3は最
外層導体、4はベアICチップ、5は突起電極、6は接
合材である。また表3は作製したガラスセラミックス多
層基板の反りや変形の有無、端子強度、接続抵抗値の変
化量をそれぞれ示している。
セラミックス組成物を用い、公知の技術によりグリーン
シートを複数枚作製した。さらに得られた各グリーンシ
ートの所定の位置にビア孔を設け、CuOビア導体を充
填してビア導体1を形成し、また印刷法によりCuO内
層導体を用いて内層導体パターン2を形成した。その
後、これらのグリーンシートを積層して多層化し、脱バ
インダーの後、H2 /N 2 グリーンガスにより還元し、
900℃の窒素雰囲気中で10分間焼成した。このよう
にして内層導体と同時焼成されたガラスセラミックス多
層基板には、反りや変形は認められなかった。
導体を印刷して焼成し、最外層導体3を形成し、その端
子強度を測定した。端子強度が1.5mm角の電極で
0.9kg以上であれば実用レベルであるが、本実施例
では表3に示すように0.9〜1.8kg/1.5mm
角の値を示し、実用に十分耐え得ることがわかった。
合材に共晶ハンダを用い、フリップチップ実装法により
ガラスセラミックス多層基板にハンダ付けした。チップ
実装後の多層基板に対して、ヒートサイクル−40〜+
125℃、100サイクルの試験を行ったところ、接続
部の断線はなく1バンプ(ICパッドの大きさは100
μm)当たりの抵抗値の変化量は±20mΩと良好な値
を示した。このように熱膨張係数をシリコンチップに近
づけた組成により、優れた信頼性のフリップチップ実装
されたガラスセラミックス多層基板を得ることができ
た。
ス多層基板は、1000℃以下の温度で焼成が可能であ
り、シリコンチップを直接搭載できる低い熱膨張係数を
有し、高速演算処理に十分対応できる7以下の低い誘電
率を有し、かつ高い機械的強度を有するセラミックス多
層基板を作製することができる。
ップを実装した状態を示す断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量百分率で、ガラス成分40〜80
%、フィラー成分20〜60%からなり、該ガラス成分
がSiO2 20〜50%、Al2 O3 10〜40%、
SrO 11〜25%、MgO 6〜20%、B2 O3
0.1〜30%、ZnO0.1〜30%の組成を有す
ることを特徴とするガラスセラミックス多層基板。 - 【請求項2】 フィラー成分が、アルミナ、ムライト、
コージエライト、ジルコニア及びケイ酸ジルコニウムの
群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項
1に記載のガラスセラミックス多層基板。
Priority Applications (1)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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JPH0758454A JPH0758454A (ja) | 1995-03-03 |
JP2598872B2 true JP2598872B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=16408845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5199499A Expired - Lifetime JP2598872B2 (ja) | 1993-08-11 | 1993-08-11 | ガラスセラミックス多層基板 |
Country Status (1)
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-
1993
- 1993-08-11 JP JP5199499A patent/JP2598872B2/ja not_active Expired - Lifetime
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