JP2001156412A - 回路基板 - Google Patents

回路基板

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JP2001156412A
JP2001156412A JP33997999A JP33997999A JP2001156412A JP 2001156412 A JP2001156412 A JP 2001156412A JP 33997999 A JP33997999 A JP 33997999A JP 33997999 A JP33997999 A JP 33997999A JP 2001156412 A JP2001156412 A JP 2001156412A
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glass
conductor
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Tsutomu Oda
勉 小田
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、オーバーコートガラスの厚みを必
要以上に厚くすることなく、表層配線導体どうしの絶縁
信頼性を確保し、かつ、電子部品素子などの搭載時に必
要な接合信頼性を確保できる回路基板を提供する。 【解決手段】 本発明は、ガラス−セラミックから成る
基体1の表面に、V2 5 を含むAg系導体から成る第
1の表層配線導体21及び第2の表層配線導体22を被
着形成するとともに、前記第2の表層配線導体22上に
前記基体成分を含むオーバーコートガラス7で被覆する
とともに、前記第1の表層配線導体211上に半田sを
介して電子部品素子6を実装した回路基板である。そし
て、前記第1の表層配線導体21は、Ag系導体中にV
2 5 が0.2〜1.0wt%の範囲で含み、第2の表
面配線導体22は、Ag系導体中にV2 5 が0〜0.
1wt%(0を含まない)の範囲で含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス−セラミッ
ク材料を用いて、低温、例えば800〜1050℃で焼
成可能な回路基板に関するものであり、特に、基板と一
体的に焼成される表層配線導体を有する回路基板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、焼成温度を800〜1050
℃と比較的低い温度で焼成可能な材料を用いた回路基板
が提案されている。
【0003】回路基板は、複数の誘電体(絶縁)層から
なる多層基板の各層間に内部配線導体を有し、同時に、
多層基板の厚み方向に所定内部配線導体を接続するビア
ホール導体を有し、さらに、多層基板の表面に、所定配
線を構成する表層配線導体、外部端子電極を構成した
り、ICチップやチップコンデンサなどの各種電子部品
素子を搭載するための表面配線導体などが形成されてい
る。尚、所定配線を構成する表層配線導体は、耐湿信頼
性を向上させるためのオーバーコートガラスが被覆され
て成り、特に、第2の表層配線導体という。また、電子
部品素子を搭載するための表面配線導体を第1の表層配
線導体という。
【0004】一般に、表層配線導体及び内部配線導体
は、導電率の向上、回路の高速化のために、Agを主体
としたAg系導体材料(Ag単体、またはAg−Pd、
Ag−PtなどのAg合金)が使用されている。
【0005】また、単板または多層構造の回路基板の材
料は、Ag系導体の融点から、低温(800〜1050
°)で焼成可能なガラス−セラミック層が用いられる。
【0006】上述の表層配線導体は、電子部品素子など
を実装するため、誘電体層に対する強い接着強度が必要
とされる。その結果、表層配線導体中に無機バインダー
を多量に添加し接着強度の向上を図っていた。また、V
2 5 を添加し、Ag系表層配線導体と誘電体層との界
面で結晶構造を形成して接着強度向上を図っていた。
【0007】また、回路基板の高密度実装対応の要求は
益々強くなり、表層配線導体の微細化が進み、隣接しあ
う表層配線導体間の絶縁特性を確保する為に、電子部品
素子を搭載する表層配線導体を除いて、表層配線導体の
表面にオーバーコートガラスを形成していた。
【0008】尚、このオーバーコートガラスは、回路基
板の一体焼結時に、回路基板との焼結収縮挙動差を抑制
するために、回路基板材料と実質的に同一材料、または
それと焼結収縮挙動が実質的に同一の材料が用いられて
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来は、表層配線導体
に、多量の無機物バインダーを含有させることは、上述
したように、導電率の向上、回路の高速化などから逆行
してしまう。
【0010】また、V2 5 を添加した表層配線導体の
場合、回路基板材料との界面に結晶構造を形成すること
により接着強度の向上は図れるものの、第2の表層配線
導体上に形成したオーバーコートガラスの界面側にも結
晶構造を形成することになる。これにより、第2の表層
配線導体上のオーバーコートガラスは、粗い絶縁膜とな
り、微細化に対応できる耐湿性を確保することが困難で
あり、オーバーコートガラスの膜厚を、例えば20〜5
0μm以上に厚くすることが必要であった。
【0011】しかし、表層配線導体は、その配線導体の
間隔が狭くなり、オーバーコートガラスの膜厚を厚く形
成しよとすると、複数回の被着形成行程が必要となり、
実際の工程に適さないものであった。
【0012】本発明は、上述の問題に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、表層配線導体上に形成される
オーバーコートガラスの厚みを必要以上に厚くすること
なく、表層配線導体どうしの絶縁信頼性を確保し、か
つ、電子部品素子などの搭載時に必要な接合信頼性を確
保できる回路基板を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス−セラ
ミックから成る基体の表面に、V2 5 を含むAg系導
体から成る第1の表層配線導体及び第2の表層配線導体
を被着形成し、且つ前記第2の表層配線導体を、前記基
体成分を含むオーバーコートガラスで被覆するととも
に、前記第1の表層配線導体に半田を介して電子部品素
子を実装した回路基板において、前記第1の表層配線導
体は、Ag系導体中にV2 5 を0.2〜1.0wt%
の範囲で含み、第2の表面配線導体は、Ag系導体中に
2 5 を0〜0.1wt%(0を含まない)含むこと
を特徴とする回路基板である。
【0014】
【作用】本発明では、基体上に電子部品素子チップ部品
の搭載電極に使用する表面頬線導体以外の表層導体上に
基体の絶縁層の成分を含むオーバーコートガラスが形成
されている。
【0015】本発明では、電子部品素子が半田などを介
して実装される第1の表層配線導体は、Ag系導体中
に、V2 5 を0.2〜1.0wt%含有している。
【0016】これにより、回路基板との界面に充分な結
晶構造を形成することができるため、接着強度を向上す
る。同時に、半田ヌレ性に優れた特性を有することにな
る。
【0017】また、オーバーコートガラスで被覆される
第2の表層配線導体は、V2 5 の含有を0.1wt%
以下に抑えている。
【0018】このため、オーバーコートガラスと第2の
表層配線導体との界面の結晶構造を最小限度以下に抑え
ることができ、緻密なオーバーコートガラスが形成でき
る。
【0019】その結果、安定した絶縁信頼性を確保でき
る。
【0020】この緻密なオーバーコートガラスを阻害す
る理由は、V2 5 がオーバーコート内の結晶化ガラス
の結晶化の核部材となるため、20〜50μm程度の厚
みの中で界面部分で結晶化ガラスがリッチとなり、その
結果、全体に緻密なオーバーコートガラスが達成できな
い。
【0021】尚、第1の表層配線導体において、基板側
界面でもV2 5 が結晶化促進の核となるものの、基板
側の厚みが100〜150μm/層の厚みを有し、しか
しも単板状ではそれ以上となり、回路基板で結晶化ガラ
スの絶対量が多いため、基板の界面部分に結晶化ガラス
がリッチとなっても、回路基板全体が粗い状態にはなら
ない。逆に、この結晶化リッチにより、基板と第1の表
層配線導体との接合強度が向上する。
【0022】この第1の表層配線導体では、多量の無機
物バインダーを用いることがなく、しかも、V2 5
基板側に引き寄せられるため、第1の表層配線導体の表
面には、酸化物が析出されにくいため、従来のように、
メッキ被覆することなく、半田接合が可能となる。
【0023】この結果、表層配線導体上に形成されるオ
ーバーコートガラスの厚みを必要以上厚くすることな
く、表層配線導体どうしの絶縁信頼性を確保し、かつ、
電子部品素子などの搭載時に必要な接合信頼性を確保で
きる回路基板となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回路基板を図面に
基づいて説明する。
【0025】図1は、本発明に係る回路基板の断面図で
ある。尚、回路基板を多層構造の回路基板で説明する。
【0026】図1において、10は回路基板であり、1
は基体(以下、積層体という)、21は積層体1の表面
に形成した第1の表層配線導体、22は第2の表層配線
導体、3は積層体1内の形成された内部配線導体、4は
積層体1内の形成されたビアホール導体、5は積層体1
の表面に形成した第1の表層配線導体21に半田Sを介
して実装されたICチップ部品、チップ抵抗器、チップ
コンデンサなどであり電子部品素子である。
【0027】また、7は積層体1の第2の表層配線導体
22の表面及びその隣接部分の基体1の表面に被着され
たオーバーコートガラスである。
【0028】積層体1は、ガラス−セラミック層1a〜
leと、ガラス−セラミック層1a〜1eの各層間に
は、所定回路網を形成する配線、容量成分を発生するた
めの電極となる内部配線導体3が配置されている。ま
た、ガラス−セラミック層1a〜1eには、その層の厚
み方向を貫くビアホール体4が形成されている。
【0029】ガラス−セラミック層1a〜1eは、例え
ば850〜1050℃前後の比較的低い温度で焼成可能
にするガラス−セラミック材料からなる。具体的なセラ
ミック成分とは、クリストバライト、石英、コランダム
(αアルミナ)、ムライト、コージライトなどが例示で
きる。また、ガラス成分とは、焼成処理によってコージ
ェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピ
ネル、ガーナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタラ
イトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出
する結晶化ガラスである。尚、焼成後にこのうような構
造を達成させるため、セラミックフィラーと結晶化ガラ
スとなる成分を有するガラスフリットを含むガラス−セ
ラミックペースト(スラリー)を用いられる。このガラ
ス−セラミック層1a〜1eの厚みは、例えば100〜
300μm程度である。
【0030】内部配線導体3、ビアホール導体4は、A
g系(Ag単体、Ag一Pd、Ag一PtなどのAg合
金)など導体膜(導体)からなり、内部配線導体3の厚
みは8〜15μm程度であり、ビアホール導体4の直径
は、80〜250μmである。
【0031】このような積層体1の表面には、2種類の
表面配線導体21、22が形成されている。第1の表層
配線導体21及び第2の表層配線導体22は、Ag系
(Ag単体、Ag一Pd、Ag一PtなどのAg合金)
などの導体膜からなる。
【0032】第1の表層配線導体21は、主に半田を介
して接合される電子部品素子5の接続パッドとななった
り、外部端子電極となったりする。
【0033】第2の表層配線導体22は、主に表面の所
定回路配線を形成するものであり、その表面にオーバー
コートガラス7が被覆されている。
【0034】このオーバーコートガラス7は、基板材料
の実質的に同一のガラス−セラミック材料からなる。こ
れは、積層体1とオーバーコートガラス7とを同時に焼
成処理した時に、その焼結挙動が実質的に一致させ、基
板の反りなどを防止するものである。尚、積層体1とオ
ーバーコートガラス7とを区別するために、オーバーコ
ートガラス7となるペースト中に、着色作用のある金属
酸化物を焼結挙動が大きく変化しない程度に含有させて
おいても構わない。例えば、酸化コバルトを含有させる
ことにより、オーバーコートガラス7は青色に変色す
る。また、オーバーコートガラス7は、実質的に15〜
20μm程度の厚みである。
【0035】尚、図において、5は積層体1の表面や裏
面に形成したキャビティー部であり、このキャビティー
部5の底面には、内部配線導体3から延びる導体(第1
の表層配線導体21と同等)が形成され、電子部品素子
6が実装されている。
【0036】上述の回路基被の製造方法について説明す
る。
【0037】まず、ガラス−セラミック層1a〜1eと
なるガラス−セラミック材料から成るグリーンシートを
形成する。具体的には、セラミック粉末、低融点ガラス
フリット(焼結により結晶化される)、有機バインダ、
有機溶剤を均質混練したスラリーを用いて、ドクターブ
レード法によって所定厚みにテープ成形して、所定大き
さに切断してグリーンシートを作成する。
【0038】ここで、セラミック粉末は、上述のように
クリストバライト、石英、コランダム(αアルミナ)、
ムライト、コージライトなどの絶縁セラミック材料の他
に、BaTiO3 、Pb4 Fe2 NbにO12、TiO2
などの誘電体セラミック材料、Ni−Znフェライト、
Mg−Znフェライト(広義の意味でセラミック)など
の磁性体セラミック材料などが拳げられる。その平均粒
径は、1.0〜6.0μm、好ましくは1.5〜4.0
μmの粉末を用いる。尚、セラミック材料は2種類以上
混合して用いられてもよい。特に、コランダムを用いた
場合コスト的に有利となる。
【0039】低融点ガラスフリットは、焼成処理するこ
とによってコージェライト、ムライト、アノーサイト、
セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウイレマイト、ド
ロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶やスピネ
ル構造の結晶相を析出するものであればよく、例えば、
2 3 、SiO2 、Al2 3 、ZnO、アルカリ土
類酸化物を含むガラスフリットが挙げられる。この様な
ガラスフリットは、ガラス化範囲が広くまた屈伏点が6
00〜800℃付近にあるため、850〜1050℃程
度の低温焼成に適し、Ag系の内部配線導体3、Ag系
表層配線導体2となる導体膜との焼結挙動が近似してい
る。尚、このガラスフリットの平均粒径は、1.0〜
6.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmである。
【0040】上述のセラミック材料とガラス材料との構
成比率は、850〜1050℃の比較的低温で焼成する
ために、セラミック材料が10〜60wt%、好ましく
は30〜50wt%であり、ガラス材料が90〜40w
t%、好ましくは70〜50wt%である。
【0041】有機バインダは、固形分(セラミック粉
末、低融点ガラス成分のフリット)との濡れ性も重視す
る必要があり、比較的低温で且つ短時間の焼成工程で焼
失できるように熱分解性に優れたものが好ましく、アク
リル酸もしくはメタクリル酸系重合体のようなカルボキ
シル基、アルコール性水酸基を備えたエチレン性不飽和
化合物が好ましい。
【0042】溶剤として、有機系溶剤、水系溶剤を用い
ることができる。例えば、有機溶剤の場合には、2.
2.4−トリメチル−1.3−ペンタンジオールモノイ
ソベンチートなどが用いられ、水系溶剤の場合には、水
溶性である必要があり、モノマー及びバインダには、親
水性の官能基、例えばカルボキシル基が付加されてい
る。
【0043】その付加量は酸個で表せば、2〜300あ
り、好ましくは5〜100である。
【0044】付加量が少ない場合は水への溶解性、固定
成分の粉末の分散性が悪くなり、多い場合は熱分解性が
悪くなるため、付加量は、水への溶解性、分散性、熱分
解性を考慮して、上述の範囲で適宜付加される。
【0045】次に、ガラス−セラミック層1a〜1eと
なるグリーンシートには、各層のビアホール導体4とな
る貫通孔、キャビティー部5となる貫通孔を所定位置に
形成する。
【0046】次に、ビアホール導体4となる貫通孔に、
Ag系導電性ペーストを用いて印刷・充填する。同時
に、ガラス−セラミック層1b〜1eとなるグリーンシ
ート上に、各内部配線導体3となる導体膜を印刷し、乾
燥処理を行う。ここで、ビアホール導体4、内部配線導
体3となるAg系導電性ペーストは、Ag系(Ag単
体、Ag一PdなどのAg合金)粉末、ホウ珪酸系低融
点ガラス、エチルセルロースなどの有機バインダー、溶
剤を均質混練したものが用いられる。尚、キャビティー
部5の底面に露出する導体ついては、第1の表面配線導
体用のAg系導電性ペーストを用いて、印刷・乾燥を行
う。
【0047】またガラス−セラミック層1aとなるグリ
ーンシート上に第1の表層配線導体21となる導体膜、
第2の表層配線導体22となる導体膜を、Ag系導電性
ペーストを用いて印刷形成し、乾換処理を行い形成す
る。尚、その順序ば、例えば、第2の表層配線導体22
となる導体膜、第1の表面配線導体膜21となる導体膜
の順に形成する。
【0048】同時に、ガラス−セラミック層1eとなる
グリーンシートの裏面上に、必要に応じて第1の表層配
線導体21を形成する。
【0049】続いて、例えば、ガラス−セラミック層1
aとなるグリーンシートの第2の表層配線導体22とな
る導体膜及び隣接しあう該導体膜の間のグリーンシート
上に、オーバーコートガラス7となる絶縁膜をオーバー
コートガラスペーストを用いて印刷し、乾換処理を行
う。即ち、第1の表層配線導体21となる導体膜の表面
には、このオーバーコートガラス7となる絶縁膜を形成
しない。
【0050】このようにビアホール導体4となる導体、
内部配線導体3となる導体膜及びさらに必要に応じて表
層配線導体21、22となる導体膜、オーバーコートガ
ラス7となる絶縁膜が形成されたガラス−セラミック層
1b〜1eとなるグリーンシートを、積層体1の積層順
に応じて積層圧着を行い、未焼成の積層体1を形成す
る。
【0051】次に、この未焼成の積層体1を、酸化性雰
囲気または大気雰囲気で焼成処理する。この焼成処理
は、脱バインダ過程と焼結過程からなる。
【0052】脱バインダ過程は、ガラス−セラミック層
1a〜1eとなるグリーンシート、内部配線導体3とな
る導体膜、ビアホール導体4となる導体、表層配線導体
21、22となる導体膜及びオーバーコートガラス7と
なる絶縁膜に含まれる有機成分を焼失するためのもので
あり、例えば600℃以下の温度領域で行われる。
【0053】また、焼結過程は、ガラス−セラミック層
1a〜1eのグリーンシートにおいて、ガラス成分を結
晶化させると同時にセラミック粉末の粒界に均一に分散
させ、積層体1に一定の強度を与えるものである。ま
た、内部配線導体3となる導体膜、ビアホール導体4と
なる導体、表層配線導体21、22となる導体膜におい
て、導電性金属材料であるAg系粉末を粒成長させて、
低抵抗化させ、ガラス−セラミック層1a〜1eと一体
化させるものである。さらに、オーバーコートガラス7
においては、その膜内でガラス成分を概略均一で結晶化
させ、第2の表層配線導体22と安定的な被着を達成す
る。これは、ピーク温度850〜1050℃に達するま
でに行われる。
【0054】この工程で、内部に内部配線導体3、ビア
ホール導体4が形成され、且つ表面に表面配線導体2
(第1の表層配線導体21、第2の表層配線導体2
2)、オーバーコートガラス7が形成された積層体1が
達成されることになる。
【0055】その後、第1の表層配線導体21には、厚
膜抵抗体膜などを表層配線導体着形成するとともに、さ
らに、チップ抵抗器、積層コンデンサなどの電子部品素
子6を半田Sを介して接合・実装を行う。
【0056】ここで、上述の第1の表層配線導体21を
形成するためのAg系導電性ペーストは、Ag系材料
(Ag単体、Ag−Pd合金、Ag−Pt合金など)、
Pt粉末、無機バインダー、有機バインダー、溶剤を均
質混練し、さらに、V2 5 粉末を金属成分に対して
0.2〜1.0wt%の範囲で添加して構成されてい
る。
【0057】V2 5 は、結晶化しある低融点ガラス成
分に反応して、結晶化を促進させる核を形成しやすい。
このため、第1の表層配線導体21と積層体1との界面
に、結晶化ガラスを析出させることができるため、非常
に強固な接合が可能となる。
【0058】ここで、V2 5 の添加量が0.2wt%
未満の場合、上述の結晶構造を充分に形成できず、その
結果、第1の表層配線導体21と積層体1との接合強度
を低下させてしまう。そして、この表面に半田接合によ
り溶融した半田を供給し、熱衝撃を受けたとき、その強
度劣化が著しくなる。
【0059】また、V2 5 の添加量が1.0wt%を
越えると、半田ヌレ性が劣化し、安定した電子部品素子
6の半田接合が不可能となる。これは、第1の表層配線
導体21中にV2 5 がリッチとなり、その結果、表層
配線導体21の表面に多量に析出してしまうためであ
る。
【0060】また、第2の表層配線導体22を形成する
ためのAg系導電性ペーストは、Ag系材料(Ag単
体、Ag−Pd合金、Ag−Pt合金など)、Pt粉
末、無機バインダー、有機バインダー、溶剤を均質混練
し、さらに、V2 5 粉末を金属成分に対して0〜0.
1wt%(0を含まない)の範囲で添加して構成されて
いる。そして、V2 5 の添加範囲が、0〜0.1wt
%としている。V2 5 の添加量が0.1wt%を越え
ると、積層体1側の界面のみならず、オーバーコートガ
ラス7側の界面に、結晶構造を積極的に形成する。その
結果、オーバコートガラス7中の結晶化ガラス成分が、
第2の表層配線導体22とオーバーコート7との界面に
主に析出され、オーバーコートガラス7の表面側では結
晶化ガラスが不足してしまい、セラミック粉末中に安定
的に結晶化ガラスがその粒界に回り込まなくなり、その
結果、膜が粗くなり、絶縁信頼性が劣化してしまう。特
に、第2の表層配線導体22が隣接しあいその間隔が微
細になると、マイグレーションなどを引き起こしやすく
なる。
【0061】さらに、オーバーコートガラスペースト
は、ガラス−セラミック層1a〜1eに用いられたセラ
ミック粉末、低融点ガラスフリットを含み、有機バイン
ダー、溶剤を均質混練したペーストが用いられ、必要に
応じて着色作用が現れる金属酸化物、例えば酸化コバル
ト、酸化クロムなどを添加する。このように、ガラス−
セラミック層1a〜1eに用いられたガラス−セラミッ
クペーストを用いることにより、同時焼結時の焼結挙動
が近似して、基板の反りや膜のはがれなどが一切ない。
【0062】
【実験例】本発明者は、積層体1の表面におけるAg系
の第1の表層配線導体21と第2のAg系の表層配線導
体22の金属成分に対するV2 5 添加量の変化による
諸特性を検討した。
【0063】例えば、第1の表層配線導体21において
は、温度変化状態における引っ張り強度(熱衝撃強度:
TCT試験の接着強度)、表面の半田濡れ性を測定し
た。また、第2の表層配線導体22においては、オーバ
ーコートガラス7の膜の緻密さ、高温高湿において絶縁
特性を調べた。TCT後の接着強度は、−40℃〜+1
25まで温度を変化させて、2mm角の電極面積のリー
ド線を半田接合し、0から1kgの荷重でリード線を引
っ張り、第1の表層配線導体21がはがれる限界点重量
を求めた。尚、その強度が0.5kgを越えても耐え得
るものを良品とした。
【0064】また、表面の半田濡れ性は、2mm角の電
極表面に半田が付着する面積比率でその良否を確認し
た。例えば、面積比率で99%以上の半田が付着するも
のを良品とした。
【0065】また、第2の表層配線導体22において
は、オーバーコートガラス7の緻密さは、オーバーコー
トガラス7の表面状態で判断した。これは、上述したよ
うに第2の表層配線導体22とオーバーコートガラス7
との界面でのガラス結晶化の量によって、そのオーバー
コートガラス7の表面の緻密差が変化するためである。
【0066】また、高温高湿において絶縁特性は、オー
バーコートガラス7の緻密さに関係するが、温度85
℃、湿度85%の状態で維持して、間隔が100μmと
した隣接する第2の表層配線導体22に5Vの電圧を印
加し(以下、HHBT試験という)、1010Ω以上を維
持できる時間で絶縁特性を評価した。尚、その時間が1
000時間以上を良品とした。
【0067】
【表1】
【0068】試料1〜4に示すように、第1の表層配線
導体21におけるV2 5 の添加量が多くなると、TC
T後の接着強度が向上することが理解できる。尚、その
添加量が0.1wt%(試料番号1)ではTCT後の接
着強度が0.5kgを下回ってしまう。これは、積層体
1と第1の表層配線導体21との界面に充分な結晶層が
形成されず、アンカー効果が小さいためである。
【0069】またその添加量が1.1wt%を越えると
(試料番号4)、半田濡れ性が電極面積比95%と劣化
することが判る。これは、第1の表層配線導体21に過
剰のV2 5 が存在することになり、その結果、第1の
表層配線導体21の表面にまで析出してしまうためであ
る。
【0070】以上の点から、第1の表層配線導体21中
に、金属成分に対してV2 5 の添加量は、0.2〜
1.0wt%の範囲が好ましい。
【0071】また、第2の表層配線導体22は、Ag導
体中のV2 5 の添加量は0.1wt%が望ましい。試
料番号2、3、4のようにV2 5 の添加量は0.1w
t%を越えて、0.2wt%となると、オーバーコート
ガラス7の緻密化若干劣化してしまう。その結果、HH
BT後の絶縁劣化時間が500時間となってしまう。
【0072】これに対して試料番号1、5、6のように
2 5 の添加量は0.1wt%以下では、絶縁特性の
劣化時間が1000時間を越える。即ち、耐湿信頼性に
優れた回路基板となり、隣接しあう第2の表層配線導体
22間のマイグレーションを有効に抑えることができ
る。
【0073】尚、V2 5 の添加量を0とすると、積層
体1と第2の表層配線導体22との界面で結晶構造が達
成されににく、第2の表層配線導体22の接着強度が大
きく低下してしまう。
【0074】このようにオーバーコートガラス7側で、
特に第2の表層配線導体22に含有するV2 5 を厳密
に制御することにより、オーバーコートガラス7の膜厚
は20μm〜50μm程度の膜厚であり、積層体1のガ
ラス−セラミック層1aの膜厚(100〜150μm/
1層)に比較して薄いためである。即ち、オーバーコー
トガラス7中の結晶化しえるガラス成分の絶対量が、ガ
ラス−セラミック層1aに比較して非常に少ない。その
上、V2 5 が結晶化ガラス成分を生成する核部材とな
るためである。このV2 5 の核部材の作用について
は、積層体1側においては強固な接着のために重要であ
るものの、オーバーコートガラス7側においては、オー
バーコートガラス7内の結晶化ガラス成分の分布に不均
一さをもたらし、逆にオーバーコートガラス7の特性
(耐湿信頼性)を大きく低下させるものである。
【0075】本発明は、上述のように第1の表層配線導
体21においては、積層体1との接着強度を考慮しつ
つ、半田塗れ性を向上・維持させ得るV2 5 の添加量
を規定するとともに、第2の表層配線導体22において
は、オーバーコートガラス7の変質を有効に抑えること
ができるV2 5 の添加量を規定しているため( 表1中
の試料番号5、6のように)、非常に表層配線導体どう
しの絶縁信頼性を確保し、かつ、電子部品素子などの搭
載時に必要な接合信頼性を確保できる回路基板となる。
【0076】尚、上述の回路基板は、多層構造の回路基
板で説明したが、単板構造の回路基板を用いても構わな
い。
【0077】
【発明の効果】以上の本発明により、基板上に電子部品
素子を搭載する電極に使用する表面配線導体(第1の表
層配線導体)以外の表層配線導体(第2の表層配線導
体)上に基板の絶縁層の成分を含むオーバーコートガラ
スが形成されている。そして、第1の表層配線導体にお
けるV2 5 の添加量を0.2〜1.0wt%の範囲と
し、第2の表層配線導体におけるV2 5 の添加量を
0.1wt%としている。
【0078】その結果、オーバーコートガラスで覆われ
た第2の表層配線導体を微細な加工を行っても、マイグ
レーションを有効に防止でき、また、オーバーコートガ
ラスの変質を有効に防止でき、しかも、第1の表層配線
導体の接着強度、半田濡れ性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回路基板の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・積層体 1a〜1e・・・ガラス−セラミック層 21・・・・・第1の表層配線導体 22・・・・・第2の表層配線導体 3・・・・・・内部配線導体 4・・・・・ビアホール導体 5・・・・キャビティー部 6・・・・電子部品素子 7・・・・オーバーコートガラス
フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA07 AA13 BB01 BB26 BB31 BB49 CC12 CC22 CC31 CC34 CC36 DD05 DD14 DD20 DD21 DD22 DD43 DD50 EE02 EE12 EE24 GG04 GG09 GG13 GG15 GG16 5E314 AA06 AA14 AA45 BB06 BB11 CC01 DD06 FF02 FF03 FF14 GG01 GG03 GG09 GG11 GG18 5E319 AA03 AA10 AB05 AC04 AC20 BB05 CC33 GG11 GG20 5E346 CC18 CC39 CC46 DD03 DD13 DD34 EE21 FF05 FF18 FF22 GG04 GG06 GG07 GG08 GG15 GG19 GG28 GG31 HH01 HH11 HH24 HH33

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス−セラミックから成る基体の表面
    に、V2 5 を含むAg系導体から成る第1の表層配線
    導体及び第2の表層配線導体を被着形成し、且つ前記第
    2の表層配線導体を、前記基体成分を含むオーバーコー
    トガラスで被覆するとともに、前記第1の表層配線導体
    に半田を介して電子部品素子を実装した回路基板におい
    て、 前記第1の表層配線導体は、Ag系導体中にV2 5
    0.2〜1.0wt%の範囲で含み、第2の表面配線導
    体は、Ag系導体中にV2 5 を0〜0.1wt%(0
    を含まない)含むことを特徴とする回路基板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005045257A (ja) * 2003-07-23 2005-02-17 Robert Bosch Gmbh 複数の配線平面から成るハイブリッド製品を製作するための方法
JP2014003188A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミック多層基板の製造方法

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