JP4869005B2 - 多層基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板に適した多層基板およびその製造方法に関するものであり、特に、寸法精度の優れた多層基板およびその製造方法に関するものである。
従来、セラミックスを絶縁基板とする多層基板が半導体パッケージ用基板やハイブリッドIC用基板としていられている。近年、多層基板に対して種々の機能の付加が求められ、異種セラミックスを組み合わせた多層基板が提案されている。例えば、強度の弱い絶縁層を強度の強い絶縁層で補強した多層基板や、多層基板の中に容量値の高いキャパシタを内蔵するために、低誘電率の絶縁層中に高誘電率の絶縁層を積層した多層基板が知られている。
絶縁基板としてはアルミナ焼結体が広く用いられているが、アルミナ焼結体は1500度以上の温度で焼成しなければならないため、1050度程度で溶融するCu、AgおよびAu等の低抵抗金属を主成分としたメタライズ配線層をセラミック多層基板と同時焼成して使用することができなかった。そのため、Cu、AgおよびAu等の低抵抗金属を主成分としたメタライズ配線層をセラミック多層基板と同時焼成して使用できるように、1050℃以下の低温で焼結が可能なガラスセラミック焼結体が絶縁基板として用いられるようになった。ガラスセラミック焼結体は、一般にガラス粉末にアルミナ等のセラミック粉末をとフィラーとして混合し、焼成することにより製造されるもので、焼成時にガラス粉末が軟化流動してフィラーの間に濡れ広がることにより緻密化する。
ところが、多層基板の低コスト化や、多層基板上に形成された電極の寸法精度向上のため、焼成時の多層基板の主面に平行な方向(X−Y方向)における多層基板の収縮率を小さくすることが要求されており、上記従来の多層基板では、この要求を達成することができなかった。
このような要求を満足するため、未焼成の絶縁層の積層体に対して、Al焼結板を介して加圧しながら焼成して厚み方向(Z方向)への焼成収縮を増大させる加圧焼成法が提案されている。また、積層体の表面に該積層体の焼成温度では焼結しない未焼成セラミック層を積層し、焼成することにより、X−Y方向の焼成収縮を抑制し、主にZ方向に焼成収縮させた後、焼結していないセラミック層を取り除く方法が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前者の加圧焼成法では、反りのないAl焼結板が必要であると共に特殊な加圧手段が必要であり、コストが高いという問題があった。また、後者の方法では、焼成終了後に焼結していないセラミック層を取り除く必要があるために製造工程が増えるという問題があった。
そこで、第1絶縁層と該第1絶縁層より収縮開始温度が高い第2絶縁層とが積層されたガラスセラミック多層基板を製造する際に、第2絶縁層の焼成収縮開始温度より低温で第1絶縁層が最終焼成体積収縮量の90%以上焼成収縮しているようにする製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
これにより、焼成時に、第1絶縁層が収縮する温度域では、第1絶縁層は焼結前の第2絶縁層によりX−Y方向の焼成を拘束されるため、第1絶縁層は主にZ方向に収縮し、第2絶縁層が収縮する温度域では、第2絶縁層は収縮した第1絶縁層によりX−Y方向の焼成を拘束されるため、第2絶縁層は主にZ方向に収縮する。つまり、ガラスセラミック多層基板は、X−Y方向の焼成収縮が抑制されることにより、X−Y方向の寸法精度を高くすることができる。
特開平4−243978号公報 特開2005−183482号公報
しかしながら、特許文献2に記載の多層基板の製造方法は、焼成収縮のばらつきを抑制し、かつ収縮率を0に近づけることができ、寸法精度の高い多層基板が得られるが、第1絶縁層となる第1グリーンシートおよび第2絶縁層となる第2グリーンシートには焼成温度では軟化流動しない、すなわち、焼結しないセラミック粉末がフィラーとして多く含まれているため、フィラーの間を隙間なくガラスが埋め尽くすことが困難であり、焼成後の絶縁層にボイド等の欠陥が形成され、絶縁信頼性が得られないという問題があった。
X−Y方向の収縮を抑制しない多層基板では、収縮が等方的なため原料粉末が再配置されながら緻密化していくのに対し、X−Y方向の収縮を抑制した多層基板では、収縮は主にZ方向に起こるため原料粉末の再配置が起こりにくいので、この問題が顕著になる。特に、低温側で焼結する第1絶縁層では、フィラーに対するガラスの比率を高くすることにより、ボイドを少なくなくしようとしても、フィラーが少ないために軟化したガラスが第1絶縁層中に保持できず、軟化したガラスが未焼結の第2グリーンシートに流動してしまい、ボイドを少なくすることができなかった。
この、ボイドの発生する現象は、第1グリーンシートの厚さが、ガラス粉末やフィラーの平均粒径に近くなるにしたがい激しくなり、特に第1グリーンシートの厚さがガラス粉末やフィラーの平均粒径の5倍以下では顕著であった。
したがって、本発明は、X−Y方向の収縮率が少なく、かつ、絶縁層が薄くても絶縁信頼性に優れたセラミック多層基板およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の多層基板の製造方法は、第1ガラス粉末および軟化点が前記第1ガラス粉末の結晶化温度よりも高い第2ガラス粉末を主成分とし、セラミック粉末を20体積%以下含有する第1グリーンシートを作製する工程Aと、セラミック粉末および第3ガラス粉末の少なくとも一方を主成分とし、前記第1のグリーンシートより収縮開始温度高い第2グ
リーンシートを作製する工程Bと、前記第1グリーンシートおよび前記第2グリーンシートを積層して積層体を作製する工程Cと、前記積層体を焼成する工程Dとを具備する多層基板の製造方法であって、前記工程Dにおいて、前記第1ガラス粉末から析出した結晶が前記第1グリーンシートに含まれていた結晶と合わせて前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の40体積%以上80体積%以下である時に前記第2ガラス粉末を軟化させ、次いで、前記第1グリーンシートの焼結を終了させ、前記第1グリーンシートの焼結が終了した後に前記第2グリーンシートを焼結させることを特徴とするものである。
前記第1ガラス粉末として、前記工程Dにおいて、前記第1グリーンシートに含まれる結晶が前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の40体積%に達する前の前記第1ガラス粉末が軟化した時の最低粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であるものを用いることが好ましい。
前記第1ガラス粉末を、前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の35体積%以上60体積%以下の割合で含ませることが好ましい。
前記第1および第2ガラス粉末として、前記工程Dにおいて、前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の40体積%が結晶となった後での前記第1グリーンシートに含まれる第1および第2ガラス粉末が軟化したガラスの最低粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であるものを用いることが好ましい。
前記工程Dにおいて、前記第2ガラス粉末を軟化させた後に前記第2ガラス粉末からも結晶を析出させて、前記第1グリーンシートに含まれる結晶を前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の90体積%以上にすることが好ましい。
発明の多層基板の製造方法によれば、第1ガラス粉末および軟化点が前記第1ガラス粉末の結晶化温度よりも高い第2ガラス粉末を主成分とし、セラミック粉末を20体積%以下含有する第1グリーンシートを作製する工程Aと、セラミック粉末および第3ガラス粉末の少なくとも一方を主成分とし、前記第1のグリーンシートより収縮開始温度高い
第2グリーンシートを作製する工程Bと、前記第1グリーンシートおよび前記第2グリーンシートを積層して積層体を作製する工程Cと、前記積層体を焼成する工程Dとを具備する多層基板の製造方法であって、前記工程Dにおいて、前記第1ガラス粉末から析出した結晶が前記第1グリーンシートに含まれていた結晶と合わせて前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の40体積%以上80体積%以下である時に前記第2ガラス粉末を軟化させ、次いで、前記第1グリーンシートの焼結を終了させ、前記第1グリーンシートの焼結が終了した後に前記第2グリーンシートを焼結させることにより、第2ガラス粉末が軟化する際には、前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の中で結晶が40体積%以上80体積%以下占めるため、軟化した前記第2ガラス粉末が前記第1グリーンシートの外にまで濡れ広がることが抑制できる。また、この時点で結晶の多くは前記第1ガラス粉末から析出したものであるから、結晶の多くは、はすでに周囲をガラスで覆われており前記第1絶縁層にボイドが残り難い。このため、前記第1グリーンシートは緻密に焼結し、これにより、その後に焼結する前記第2グリーンシートとX−Y方向の収縮を相互に抑制しあうことによりX−Y方向の収縮を少なくすることができる。また、前記第1絶縁層にボイドが少ないため、絶縁信頼性に優れる。
本発明を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の製造方法で作製される多層基板であるセラミック多層配線基板の縦断面図である。セラミック多層配線基板10は絶縁層1a〜1kからなる絶縁基板1に表面および内部に導体層2が形成され、導体層2間を厚み方向に接続するために貫通導体3が形成されている。
絶縁基板1は、少なくとも第1絶縁層と第1絶縁層より高温で収縮開始する第2絶縁層から成る。第1絶縁層は図1では、絶縁層1a、1c、1e、1g、1iおよび1kが第1絶縁層であり、絶縁層1b、1d、1f、1hおよび1jが第2絶縁層である。
なお、第1絶縁層および第2絶縁層は、目的に応じて、例えば、比誘電率、曲げ強度、誘電損失、熱伝導率、嵩密度、温度係数などの他の特性を変えた材料設計を行うことができる。
収縮開始温度とは、単一の絶縁層を焼成した際に、つまりXYZの各方向に等方的に収縮させ際のTMA(熱機械的分析)の線収縮率が1%となる温度のことである。X−Y方向の収縮率を小さくするのに第2絶縁層の焼成収縮開始温度より低温で第1絶縁層が最終焼成体積収縮量の90%以上焼成収縮していることが好ましい。
また、第1絶縁層(A)および第2絶縁層(B)の積層形態としては、図1では、ABBABABABAとなっているものを示したが、積層数および積層順はこれに限らず、例えば、ABBBA、ABABA、AABAA、ABAAAおよびABBAA等でもよく、さらに、これらのAとBとを入れ替えたものでもよい。
またさらに、第1絶縁層および第2絶縁層以外に組成の異なる第3絶縁層を加えてもよい。また、第1絶縁層および第2絶縁層以外の絶縁層が複数種類であってもよい。
第1絶縁層は、第1ガラス粉末および第2ガラス粉末を主成分とするグリーンシートを焼成したものであり、第2絶縁層はセラミック粉末および第3ガラス粉末の少なくとも一方を主成分とする第2グリーンシートを焼成したものである。なお、以下の記載で、第1ガラス粉末、第2ガラス粉末、第3ガラス粉末が軟化した後などで粉末でない状態になっている場合、それぞれ第1ガラス、第2ガラス、第3ガラスということがある。
導体層2および貫通導体3は金属を主成分とするものであり、第2絶縁層の焼結する温度が1050℃以下であれば銀、銅および金の中の少なくとも1種を主成分とするものが導体抵抗を低くできるため好ましい。第2絶縁層の焼結する温度が1050℃以上1300℃以下であればニッケル、銀−パラジウムあるいは銅−タングステンを主成分とするものが好ましい。第2絶縁層の焼結する温度が1300℃以上であれば、焼成中に溶融して導体が断線することを防止するために、タングステンあるいはモリブデンを主成分とするものが好ましい。
第1ガラス粉末および軟化点が前記第1ガラス粉末の結晶化温度よりも高い第2ガラス粉末を主成分とし、セラミック粉末を20体積%以下含有する第1グリーンシートを作製する工程Aと、セラミック粉末および第3ガラス粉末の少なくとも一方を主成分とする第2グリーンシートを作製する工程Bと、前記第1グリーンシートおよび前記第2グリーンシートを積層して積層体を作製する工程Cと、前記積層体を焼成する工程Dとを具備する多層基板の製造方法であって、前記工程Dにおいて、前記第1ガラス粉末から析出した結晶が前記第1グリーンシートに含まれていた結晶と合わせて前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の40体積%以上80体積%以下である時に前記第2ガラス粉末を軟化させ、次いで、前記第1グリーンシートの焼結を終了させ、前記第1グリーンシートの焼結が終了した後に前記第2グリーンシートを焼結させることが重要である。
なお、ここでガラスが軟化するとは、ガラスの粘度が106.6Pa・s以下になることである。また、第1グリーンシートに第1ガラス粉末および第2ガラス粉末からなるガラス粉末を主成分とするとは、第1グリーンシートに含まれる全無機成分のうち第1ガラス粉末および第2ガラス粉末からなるガラス粉末が80体積%以上、好ましくは90体積%以上を占めるということである。第1ガラス粉末および第2ガラス粉末以外の第1グリーンシートに含まれる無機成分としては、セラミック粉末が挙げられる。第1グリーンシートの全無機成分の中にセラミック粉末が1体積%以上20体積%以下含まれことにより、第1絶縁層の抗折強度が強くなり、セラミック多層配線基板10の抗折強度を強くすることができる。セラミック粉末の量が20体積%以下、より好ましくは10体積%以下であることにより、第1ガラス粉末および第2ガラス粉末によりセラミック粉末の表面全体を覆うのがより容易になり、第1絶縁層に空隙が残り難くなるため、絶縁信頼性が高くなる。
第1ガラス粉末および第2ガラス粉末の平均粒径は1.2〜2.4μmが好ましい。2.4μm以下にすることにより、軟化流動が起こりやすくなり、第1絶縁層がより緻密になる。1.2μm以上にすることにより、第1のグリーンシートを作製する際に粉末の凝集が起こりにくく、第1のグリーンシートの粉末の充填率が高くなり、第1絶縁層がより緻密になると共に、粉砕して作製するガラスのコストが安くなる。より好ましい平均粒径の範囲は1.4〜2.0μmである。
第1の絶縁層のうち少なくとも1層は厚さが5μm以下で、ボイド率が5%以下であることにより、絶縁層が薄くても絶縁信頼性に優れる。また、第1絶縁層を薄くすることにより、セラミック多層配線基板10を薄くすることができる。さらに、第1絶縁層を薄くすることによりセラミック多層配線基板10に占める第2絶縁層の比率が高くなり、セラミック粉末を多く含ませたり、焼結収縮温度が高いことをにより析出させる結晶の選択肢が広がることにより、第2絶縁層に高強度や低誘電損失などの特性を持たせることにより、セラミック多層基板10を高強度や低誘電損失にできる。またさらに、薄くした第1絶縁層を電極で挟んで高容量のコンデンサとすることができる。
第2ガラス粉末が軟化する際には、前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の中で結晶が40体積%以上80体積%以下占めるため、第2ガラス粉末が軟化しても第1グリーンシートの外にまで濡れ広がることが抑制できる。これを、図2に基づいて説明する。
図2(a)は、焼成後にセラミック多層配線基板10となる焼成前の積層体の部分断面の模式図である。積層体は焼成後第1絶縁層となる第1グリーンシート111と焼成後第2絶縁層となる第2グリーンシート112が積層されている。第1グリーンシート111は第1ガラス粉末101および軟化点が第1ガラス粉末101の結晶化温度より高い第2ガラス粉末102を主成分としている。第2グリーンシート112はセラミック粉末104および第3ガラス粉末103の少なくとも一方を主成分としている。なお、第1グリーンシート111および第2グリーンシート112には、上記粉末以外に有機バインダなどが含まれることがあるが、図では省略している。
図2(b)は図2(a)の積層体を焼成する途中で第2ガラス粉末102が軟化してから、第1グリーンシート111が焼結するまでの間の部分断面の模式図である。第2ガラス102が軟化するより低温で、第1ガラス粉末101は焼成により軟化して第2ガラス粉末102に濡れ、第1ガラス粉末101の一部は結晶化して第1結晶105となっている。そして、その際、第1グリーンシート111は、第2グリーンシート112により拘束されているため、第1グリーンシート111は主にZ方向に収縮している。軟化しているガラス106は第2ガラス粉末が軟化したものと第1ガラス粉末101のうち結晶105とならなかったものとからなるが、第1ガラス粉末がすべて結晶化する場合は、第2ガラス粉末が軟化したものからなる。結晶105はすでに周囲を第1ガラスのうち結晶とならなったガラスで覆われているため、さらに、軟化流動して第2ガラス粉末102に濡れた状態となっているため結晶105の周囲にはボイドが残り難い。このため、第1グリーンシート111は緻密に焼結させることができる。
第2ガラス粉末102が軟化した際には結晶105が第1グリーンシート111(すでに焼結が始まっているが、便宜上グリーンシートと呼ぶ)の40体積%以上80体積%以下となっている。結晶105が層111の40体積%以上であるため、第1グリーンシート111は結晶105によりZ方向の収縮が拘束され、軟化したガラス106が第2グリーシート112に浸透して、第2グリーンシート112が組成変動により特性が変わることを抑制する。また、結晶105が第1グリーンシート111の80体積%以下であるため、軟化したガラス106が結晶105の間に濡れ広がることにより第1グリーンシート111が緻密化できる。第2ガラス粉末102が軟化した際の結晶105が80体積%より多いことにより、ガラス106が結晶105の隙間を埋めることができないため、第1グリーンシート111の焼結した第1絶縁層にボイドが多くなる。
第1ガラス粉末101や第2ガラス粉末102の平均粒径は1.2〜2.4μmであるので、焼成後の第1絶縁層が5μm以下の厚さ、つまり第1グリーンシートの厚さが7〜9μm程度以下になると、第1グリーンシートにはガラス粉末3〜7個程度の厚みしかなく、第2グリーンシートへのガラスの浸透がわずかであっても、第1グリーンシートの緻密化し難くなる。これに対して、通常のガラスセラミックスの様にガラスの量を増やすことにより緻密化しようとしても、第2グリーンシートに浸透するガラスの量が増えて、第2絶縁層の特性が変動してしまう。
この後さらに焼成温度が上がると第2グリーンシート112が焼結し多層セラミック配線基板10となる。第2グリーンシート112が焼成収縮する際は、結晶105によりX−Y方向の収縮が抑制されるため、第2グリーンシート112は主にZ方向に収縮する。なお、第2ガラス粉末102として、第2グリーンシート112の焼成収縮開始より低温で結晶化するガラスを使用すると、結晶105に加えて第2ガラス粉末102から生成される結晶により、第2グリーンシート112のX−Y方向の収縮が抑制されるため抑制の効果が高くなるため好ましい。
なお、図示していないが第1グリーンシート111にセラミック粉末が含まれている場合、そのセラミック粉末は軟化したガラス105に対して結晶105と同等の効果があるので、結晶105の体積%にはそのセラミック粉末を含める。
図2(c)は、比較のため第2ガラス粉末が軟化した際に結晶205が、第1グリーンシート211の40体積%より少ない、本発明の範囲外の状態を示している。第2ガラス粉末が軟化した際の結晶が40体積%より少ない場合、第1グリーンシート211が収縮しても図2(b)に示すように結晶105同士が略接触した圧縮し難い構造が形成されないか、構造が形成されたとしてもその構造の隙間に保持できる量よりも第1ガラスのうち結晶205とならなかったガラスと第2ガラス粉末が軟化したガラスとを合わせたガラス206の量が多くなるため、ガラス206が第2グリーンシート212に浸透していくことになる。このため、ガラス206により第2グリーンシート212中のセラミック粉末204や第3ガラス粉末203が再配列されるため、第1絶縁層や第1絶縁層と第2絶縁層との境界部分が焼結不足となって緻密化しなかったり、第2グリーンシート212に浸透したガラス206により第2グリーンシート212の焼結した第2絶縁層の誘電特性などが変動したりする。
上記のように第1絶縁層を緻密に形成するためには、第1ガラス粉末101の結晶化温度Tcsより第2ガラス粉末102の軟化点が高いことが重要である。また、第2ガラス粉末102の結晶化温度が、Tcsよりも70℃以上高いことが好ましく、第1ガラス粉末101が軟化したガラスを十分に軟化流動させてボイドを系外に排出する観点から、100℃以上高いことが好ましい。
第1ガラス粉末101として、前記工程Dにおいて、第1グリーンシート111に含まれる結晶105が第1グリーンシート111に含まれる全無機成分の40体積%に達する前の第1ガラス粉末101が軟化した時の最低粘度が、10Pa・s以上10Pa・s以下であるものを用いることが好ましい。第1ガラス粉末101が軟化した時の最低粘度が10Pa・s以上であることにより、第1ガラス粉末101が軟化したガラスが第2グリーンシート112に浸透していくことを抑制でき、第2グリーンシート212中のセラミック粉末204や第3ガラス粉末203が再配列されるため、第1絶縁層や第1絶縁層と第2絶縁層との境界部分が焼結不足となって緻密化しなかったり、第2グリーンシート112に浸透した第1ガラス粉末101の軟化したガラスにより第2グリーンシート112の焼結した第2絶縁層の誘電特性などが変動したりすることを抑制できる。第1ガラス粉末101が軟化した時の最低粘度が10Pa・s以下であることにより、第1ガラス粉末101が軟化したガラスが第2ガラス粉末102に濡れるため、さらに高温になって第2ガラス粉末102が軟化して結晶105の間を濡れ広がるのを容易にでき、第1絶縁層をより緻密化できる。
第2ガラス102は軟化した際に第1ガラス101に溶ける量が少ないことが好ましい。第1ガラス101の軟化流動時の粘度は、第1ガラス101が軟化流動して第2ガラス102の周囲に濡れ広がるのに十分であり、かつ、高い方がよく、10Pa・s以上10Pa・s以下であることが好ましい。また、第2ガラス102の粒径は、第1ガラス101の軟化流動を阻害しない程度に大きい方がよく、比表面積は小さい方がよく、平均粒径は0.5〜2μm、比表面積は3000m/kg以下であることが好ましい。第2ガラス102の組成は、ガラスの網目構造を形成して溶けにくくするため、Si、AlやZr等の元素が多い方が好ましく、例えば、これらの元素が酸化物換算で30質量%以上含まれることが好ましい。また、第2ガラス102の組成は、ガラスの網目修飾イオンが多くなると、ガラスの網目構造が崩れ易く、ガラスが溶け易くなるため、Li、K、Rb、Cs等の元素群が少ない方が好ましく、例えば、これらの元素が酸化物換算で15質量%以下含まれることが好ましい。
第1絶縁層の中で第1ガラス101から析出した結晶が40体積%を占めてから高温で第1絶縁層に含まれるガラス106が軟化流動するのに際して、粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下となることが好ましい。粘度が10Pa・s以上であればガラス106が軟化流動しても、粘度が高いので未焼結の第2絶縁層に浸透することが抑制できる。また、粘度が10Pa・s以下であれば、より効率よく第1絶縁層中のボイドを系外へ排出することができる。なお、ここでいうガラス106の粘度とは、軟化流動しているガラス単体の粘度のことであり、結晶105を含んだ第1絶縁層全体の粘度のことではない。
ガラス106の粘度の測定方法を説明する。まず、第1絶縁層組成物のみを焼成することにより、第1ガラス101から析出する結晶が第1絶縁層組成物の40体積%となる温度を調べる。その温度で取り出した第一絶縁層組成物の試料について、標準試料を用いたリートベルト解析により結晶組成とその量および未結晶化部の組成を求めた。得られた未結晶化部の組成、すなわち、第1ガラス101の未結晶化部と第2ガラス102の粉末を混合し、5〜10MPaの圧力で、直径10mm、高さ10mmの円柱プレス体を作製し、貫入法、平行平板法および平行板回転法により、未結晶化部の粘度を測定し、上記の方法で求めた第1絶縁層組成物の40体積%が結晶化する温度から第2ガラス粉末の結晶化温度の範囲において、最も低い粘度をガラス106の粘度とした。この粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下となることが好ましい。
ガラス106が流動するよりも低温において、第1絶縁層の形状を保持するためには、第1ガラス101の結晶化比率は高い方がよいが、ボイドを系外へ排出する観点からは結晶化比率が低い方がよく、50体積%以上70体積%以下が好ましい。第2ガラス102が軟化する温度で、第1ガラス101から析出した結晶が第1絶縁層組成物の40体積%以上を占めることにより、第1絶縁層が収縮して体積が少なくなることにより、第1ガラス101で結晶化していない部分および第2ガラス102の少なくとも一方が軟化したガラスが第1絶縁層から出て、第2絶縁層に吸収されることを抑制できる。第2ガラス102が軟化する温度で、第1ガラス101から析出した結晶が第1絶縁層組成物の80体積%以下を占めることにより、第1絶縁層が収縮して体積が少なくなることにより、第1ガラス101で結晶化していない部分および第2ガラス粉末106の少なくとも一方が軟化して第1絶縁層が主にZ方向に収縮する際に、第1ガラス101から析出した結晶が少ないため、結晶化してないガラスの流動および収縮が阻害されず、ガラスが空隙を埋めることができるため、ボイドが少なくなる。
第1絶縁層の残留ガラスは、基板のX−Y方向の収縮抑制効果や基板の曲げ強度、誘電損失の観点から、10体積%以下であることが好ましい。一方、配線導体との界面を平滑にし、高周波伝送における導電率を向上する観点から、残留ガラスが僅かに存在してもかまわない。
なお、残留ガラス量は、XRD回折パターンからリートベルト解析により決定することができる。リートベルト法については、J.Am.Ceram.Soc.,81[11]2978-82(1998)に記載されている方法を用いた。具体的には、解析対象の試料とCrの標準試料とを所定の比率で混合し、ディフラクトメーター法で測定した2θ=10°以上80°以下の範囲のX線回折パターンに対して、RIETAN−2000プログラムを使用することにより、Crの標準試料により回折されたパターンと加えたCrの標準試料の量の相関関係から、評価対象の試料中に含まれる結晶の種類およびその量を評価した。なお、焼成途中の状態は、所望の温度で焼成炉から取り出した試料を解析することにより調べることができる。
第1絶縁層に生成される結晶としては、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト、スーアナイトのうち少なくとも1種を形成することが好ましい。第1ガラス101および第2ガラス102から析出する結晶は、上記の結晶を1種以上含んでいればよく、上記以外の結晶を含んでいてもかまわない。第1ガラス101から析出する結晶としては、比較的低温で析出しやすいディオプサイドやガーナイトが好ましく、第2ガラス102から析出する結晶としては、比較的高温で析出するセルシアンやコージェライト、スピネルが好ましい。
第2絶縁層は、ガラスセラミックの層であっても、セラミックスの層であってもかまわない。いずれの場合でも、第2絶縁層に含まれるセラミックスとしては、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTi、ZrTiO、SrTiO、BaTiO、TiO、AlN、SiNなどを例示できる。これらの中でも、特に誘電特性の点でAl、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTiが望ましく、強度の点でAl、AlN、SiNが望ましく、さらには誘電特性と強度の点でAlが望ましい。
本発明のセラミック多層基板に用いられる絶縁層は、ガラスおよびセラミックスからなるガラスセラミックスを採用できるため、1050℃以下での焼成が可能であり、導体層としてCu、Ag、Alなどの低抵抗導体を用いて形成することが可能となり、また、低誘電率化も可能であり、高速伝送化に適している。そして、本発明によれば、寸法精度が高い多層基板を再現性良く実現することができる。
次に、本発明のセラミック多層基板の製造方法について、具体的に説明する。
まず、第1絶縁層および第2絶縁層に使用する原料粉末を準備する。ガラス粉末およびセラミック粉末を準備する。ガラス粉末としては、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライトおよびスーアナイトのうち少なくとも1種が、焼成後に形成されることが誘電特性または強度の観点で好ましい。
また、セラミック粉末として、Al粉末、SiO粉末、MgTiO粉末、CaZrO粉末、CaTiO粉末、MgSiO粉末、BaTi粉末、ZrTiO粉末、SrTiO粉末、BaTiO粉末、TiO粉末、AlN粉末、Si粉末のうち少なくとも1種が、誘電特性または強度の観点で好ましい。
次に、上記の粉末を用いて、第1および第2絶縁層となるグリーンシートを作製する。第1絶縁層となるグリーンシートには、上記の特徴をもつ、2種類のガラス粉末が含まれる。第2絶縁層となるグリーンシートには、上記の特徴をもつセラミック粉末が1種類以上含まれ、第2絶縁層がガラスセラミックスの層である場合は、さらに、上記の特徴をもつガラス粉末が1種類以上含まれる。グリーンシートは、所定のセラミック粉末組成物と焼成途中で容易に揮発する揮発性有機バインダと有機溶剤および必要に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化することができる。このスラリーを用いて、リップコーター法やドクターブレード法などによってテープ成形を行い、所定寸法に切断しグリーンシートを作製する。なお、場合によっては、一方の絶縁層はペースト化し、他方のグリーンシートにスクリーン印刷法などで被着してもよい。
次にこのグリーンシートにパンチングなどによって貫通孔を形成し、その貫通孔内に導体ペーストを充填し、また、表面導体層や内部導体層を、導体ペーストを用いてスクリーン印刷法などによって被着形成する。
このようにして得られた第1および第2の各グリーンシートを所定の積層順序に応じて積層して積層成形体を形成した後、焼成する。
焼成にあたっては、TMA(熱機械的分析)またはDTA(示唆熱分析)より測定した第1グリーンシートの収縮開始温度T、第1グリーンシートに含まれる第1ガラス粉末の結晶化温度Tc1、第2ガラス粉末の軟化点Tg2、第2グリーンシートに含まれる第3ガラスの軟化点温度Tg3、第2グリーンシートの収縮開始温度Tが、T<Tc1<Tg2<Tg3<Tの関係になることが重要である。第2ガラス粉末が結晶化する場合、結晶化温度Tc2は、Tg2<Tc2<Tg3であることが好ましい。
第1グリーンシートに含まれる第1ガラス粉末の結晶化温度Tc1の間、Tc1と第2ガラス粉末の結晶化温度Tc2の間で一旦保持するような多段焼成も可能であるが、通常の単一キープ温度においても同時焼成することでX−Y方向への焼成収縮が抑制され、主にZ方向に焼成収縮した寸法精度の高い基板を作製することができる。
第1絶縁層は、第1ガラスの一部が結晶化して形状を保持し、第1ガラス粉末の未結晶化部および第2ガラス粉末が軟化流動してボイドを系外へ排出し、その後、温度が上がると特に第2ガラス粉末も結晶化する場合、第1絶縁層の多くの部分が結晶化するため、緻密かつ強固な絶縁層が形成され、第2グリーンシートの焼成収縮時にX−Y方向における収縮を抑制するため、基板X−Y方向の収縮率を0に近く、その収縮率のばらつきを0に近づけることができ、寸法精度に優れ、かつ、絶縁信頼性に優れた絶縁層を有するセラミック多層配線基板を提供することができる。
表1に示すA、B、C、DおよびEの平均粒径1.6μmのガラスを用いて、表2に示した組成の第1絶縁層となる第1グリーンシートを作製する。また、第2絶縁層となる第2グリーンシートを、組成が24.9質量%MgO−2.7質量%Al−45.0質量%SiO−0.1質量%CuO−27.3質量%CaOである平均粒径1.6μmのガラス粉末60質量%と平均粒径1.8μmのAl粉末40質量%を用いて作製する。
Figure 0004869005
Figure 0004869005
上記の粉末と、有機バインダとしてイソブチルメタクリレートと、有機溶剤としてトルエンを添加してスラリーを作製し、これをドクターブレード法により薄層化し、多層基板用のグリーンシートを作製した。
得られたグリーンシートの所定の位置にパンチング等により貫通孔を形成し、この貫通孔にAg粉末を含む導電性ペーストを充填すると共に、この導電性ペーストをグリーンシート表面にスクリーン印刷して配線パターンを形成した後、これを乾燥させた。
最上層および最下層となるグリーンシートを第1グリーンシートとし、これらに挟まれるグリーンシートを第2グリーンシートとして、図1に示した積層体となるように、これらのグリーンシートを積層し、積層成形体を作製した。
得られた積層成形体を、大気中400℃で脱バインダ処理し、さらに910℃で焼成し、図1に示すようなセラミック多層配線基板を作製した。第1絶縁層である、絶縁層1a、1c、1e、1g、1iおよび1kの厚みは表1に示したものにし、第2絶縁層である絶縁層1b、1d、1f、1hおよび1jの厚みは50μmとした。多層基板の大きさは、縦10mm、横10mmとした。
次に、焼成前の積層成形体と焼成後の多層基板に対して、所定のポイント間の長さを測定することにより、X−Y方向の多層基板の収縮率を測定した。なお、収縮率は、各試料番号について10個の試料を作製してそれぞれ収縮率測定し、平均値を収縮率とした。なお、ここでいう収縮率は焼成前の長さをX、焼成後の長さをXとしたときに、(X−X)/Xで計算されるものである。
また、セラミック多層基板を表面と平行に研磨して、研磨面におけるボイド率を、倍率1000倍の走査型電子顕微鏡像の視野3000μm×3000μmの範囲に対して、画像解析装置(ルーゼックス)により測定した。
また、セラミック多層基板において、第1絶縁層に形成された、電極面積0.5mm□、絶縁層厚み5μmの10個の平行平板コンデンサを準備した。これらに10Vの直流電圧を印加し、温度85℃、湿度85%の槽内に1000時間放置した後、コンデンサ部の絶縁抵抗を測定し、10Ω以下の試料を不良として絶縁信頼性不良率を出した。
また、第2ガラスの軟化点における、第1絶縁層の結晶化度を、XRD回折パターンからリートベルト解析により評価した。評価用の試料は第1グリーンシートのみを、第2ガラスの軟化点まで焼成し、焼成炉から取り出したものを用いた。
本発明の範囲外の試料No.1は第1絶縁層の厚みが15μmと厚いため、ボイド率が5%で絶縁信頼性不良率0%となっているが、同じ材料で作製した試料No.2では第1絶縁層の厚みが5μmと薄いため、第1絶縁層のガラスが第2絶縁層に浸透してしまうため、ボイド率が20%で絶縁信頼性不良率60%となっている。
本発明の試料No.4〜7および9〜13では、収縮率が1%以下と小さいとともに、第1絶縁層の厚みが3あるいは5μmと薄くても、ボイド率も5%以下と低く、絶縁信頼性の高いセラミック多層基板であることが判る。
本発明のセラミック多層回路基板の概略断面図である。 (a)(b)本発明のセラミック多層回路基板の焼成途中の状態を示す断面の模式図である。(c)本発明の範囲外のセラミック多層回路基板の焼成途中の状態を示す断面の模式図である。
符号の説明
1・・・絶縁基板
1a、c、e、g、i、k・・・第1絶縁層
1b、d、f、h、j・・・第2絶縁層
2・・・導体層
3・・・貫通導体
10・・・セラミック多層回路基板
101・・・第1ガラス粉末
102・・・第2ガラス粉末
103・・・第1ガラス粉末
104・・・セラミック粉末
105・・・第1ガラス粉末から析出した結晶
106・・・第1ガラス粉末のうちで結晶105とならなかったガラスおよび第2ガラス粉末が軟化したガラス
111・・・第1グリーンシート
112・・・第2グリーンシート

Claims (5)

  1. 第1ガラス粉末および軟化点が前記第1ガラス粉末の結晶化温度よりも高い第2ガラス粉末を主成分とし、セラミック粉末を20体積%以下含有する第1グリーンシートを作製する工程Aと、セラミック粉末および第3ガラス粉末の少なくとも一方を主成分し、前記第1のグリーンシートより収縮開始温度高い第2グリーンシートを作製する工程Bと、前記第1グリーンシートおよび前記第2グリーンシートを積層して積層体を作製する工程Cと、前記積層体を焼成する工程Dとを具備する多層基板の製造方法であって、前記工程Dにおいて、前記第1ガラス粉末から析出した結晶が前記第1グリーンシートに含まれていた結晶と合わせて前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の40体積%以上80体積%以下である時に前記第2ガラス粉末を軟化させ、次いで、前記第1グリーンシートの焼結を終了させ、前記第1グリーンシートの焼結が終了した後に前記第2グリーンシートを焼結させることを特徴とする多層基板の製造方法。
  2. 前記第1ガラス粉末として、前記工程Dにおいて、前記第1グリーンシートに含まれる結晶が前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の40体積%に達する前の前記第1ガラス粉末が軟化した時の最低粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であるものを用いることを特徴とする請求項1に記載の多層基板の製造方法。
  3. 前記第1ガラス粉末を、前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の35体積%以上60体積%以下の割合で含ませることを特徴とする請求項1または2に記載の多層基板の製造方法。
  4. 前記第1および第2ガラス粉末として、前記工程Dにおいて、前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の40体積%が結晶となった後での前記第1グリーンシートに含まれる前記第1および前記第2ガラス粉末が軟化したガラスの最低粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であるものを用いることを特徴とする請求項のいずれかに記載の多層基板の製造方法。
  5. 前記工程Dにおいて、前記第2ガラス粉末を軟化させた後に前記第2ガラス粉末からも結晶を析出させて、前記第1グリーンシートに含まれる結晶を前記第1グリーンシートに含まれる全無機成分の90体積%以上にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層基板の製造方法。
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