JP4508625B2 - 多層基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板に適した多層基板の製造方法に関するものであり、特に、焼成における収縮曲線(挙動)が異なる絶縁層同士を一体して焼成することにより、互いのX−Y方向の焼成収縮を抑制した寸法精度に優れた多層基板の製造方法に関するものである。
従来より、セラミックスを絶縁基板とする多層基板が用いられているが、近年、多層基板に対して種々の機能の付加が求められ、異種セラミックスを組み合わせた多層基板が提案されている。例えば、強度の弱い絶縁層を強度の強い絶縁層で補強したり、多層基板の中に容量値の高いキャパシタを内臓するために、低誘電率の絶縁層中に高誘電率の絶縁層などを積層した多層基板が知られている。
このような多層基板では、セラミックスのクラックやデラミネーション(層間剥離)を防止するために、異種の絶縁層間で焼成収縮率および熱膨張係数を一致させるように絶縁層材料の特性を選択、制御することが通常行われている。
しかしながら、近年においては、多層基板の低コスト化や、多層基板上に形成された電極の寸法精度向上のため、焼成時のX−Y方向における多層基板の収縮率を小さくすることが要求されており、上記従来の多層基板では、この要求を達成することができなかった。
このような要求を満足するため、近年では、未焼成の絶縁層の積層体に対して、Al焼結板を介して加圧しながら焼成して厚み方向への焼成収縮を増大させる加圧焼成法や、積層体の表面に、該積層体の焼成温度では焼結しない未焼成セラミック層によって拘束し、厚み方向にのみ収縮させた後、未焼成セラミック層を取り除く方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前者の加圧焼成法では、反りのないAl焼結板が必要であるとともに特殊な加圧手段が必要であった。また、未焼成セラミック層によって拘束する方法では、焼成終了後に未焼成セラミック層を取り除く必要があるために製造工程が増える、という問題があった。
そこで、焼成収縮開始温度の異なる2種のセラミック成形体を積層して同時焼成するにあたり、焼成収縮開始温度が高温側の絶縁層が収縮開始する時、焼成収縮開始温度が低温側の絶縁層が、すでに最終焼成体積収縮量の90%以上焼成収縮しているように設定することにより、寸法変化を抑制する回路基板の製造方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
特許第2554415号 特開2002−261443号公報
しかしながら、特許文献2に記載の回路基板の製造方法は、焼成収縮開始温度の異なる2種のセラミック成形体を積層して同時焼成するにあたり、焼成収縮開始温度が高温側の絶縁層が収縮開始する時、焼成収縮開始温度が低温側の絶縁層が、すでに最終焼成体積収縮量の90%以上焼成収縮しているように設定することにより、回路基板の寸法変化を抑制することはできるものの、焼成収縮開始温度のみの制御であるため、収縮抑制の挙動にばらつきが大きく、また収縮率も十分に小さくないという問題があった。
従って、本発明は、寸法度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、その収縮率のばらつきの小さい多層基板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の多層基板は、ガラスセラミックスからなる少なくとも2種の絶縁層の積層体からなり、第1絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点よりも低く、かつ前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との熱膨張係数の差が、2×10 −6 /℃以下であることを特徴とする。
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の残留ガラス量が、いずれも10体積%以下であることが好ましい。
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層に含まれる前記結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を形成することが好ましい。
本発明の多層基板の製造方法は、結晶化ガラス粉末及びセラミック粉末を含む第1絶縁シート及び第2絶縁シートを積層してなる積層物を同時焼成して、ガラスセラミックスからなる第1絶縁層及び第2絶縁層を積層してなる積層体を作製する多層基板の製造方法であって、前記第1絶縁シートに含まれる前記結晶化ガラス粉末の結晶化温度が、前記第2絶縁シートに含まれる前記結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低く、かつ前記積層物を同時焼成して得られた前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との熱膨張係数の差が、2×10 −6 /℃以下であることを特徴とする。
前記第1絶縁シート及び前記第2絶縁シートが、それぞれ前記結晶化ガラス粉末を30質量%以上含むことが好ましい。
前記第1絶縁シート及び前記第2絶縁シートに含まれる前記結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を形成することが好ましい。
本発明の多層基板は、ガラスセラミックスからなる少なくとも2種の絶縁層の積層体からなり、第1の絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が、第2の絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点よりも低いため、寸法精度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、その収縮率のばらつきが小さい多層基板を実現することができる。
特に、前記第1及び第2絶縁層の熱膨張係数の差が、2×10−6/℃以下である場合、多層基板中にクラックやデラミネーションの発生をより効果的に抑制することができる。
前記第1及び第2絶縁層が、いずれも結晶化ガラスを30質量%以上含む場合、より安定した焼結性及び接着性を得ることができる。
前記第1及び第2絶縁層の残留ガラス量が、いずれも10体積%以下であることが、X−Y方向の収縮抑制効果や基板の曲げ強度、誘電損失の観点から望ましい。
前記第1及び第2絶縁層に含まれる前記結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を形成する場合、誘電特性または強度をさらに改善することができる。
本発明の多層基板の製造方法は、第1絶縁シート及び第2絶縁シートがお互いに収縮抑制効果を安定して発揮することができ、焼成収縮のばらつきを抑制し、かつ収縮率を0に近づけることができ、寸法度の高い多層基板を提供することができる。
特に、前記第1及び第2絶縁シートが、それぞれ結晶化ガラス粉末を30質量%以上含む場合、より安定した焼結性及び接着性を得ることができる。
前記第1及び第2絶縁層シートに含まれる前記結晶化ガラス粉末が、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を形成する場合、誘電特性または強度をさらに改善することができる。
図1は、本発明による多層基板の一例の概略断面図を示すもので、図1において、多層基板10は、絶縁層1a〜1gが積層された絶縁基板1と、絶縁基板1の表裏面に形成された表面導体層2、絶縁基板1の内部に形成された内部導体層3、導体層間を接続するためのビアホール導体4を有する。
絶縁基板1は、収縮開始温度が異なるガラスセラミックスからなる第1絶縁層及び第2絶縁層によって構成される。この図1の多層基板において、絶縁層1a〜1gのうち、例えば絶縁層1a、1gを第1絶縁層に、絶縁層1b〜1fを第2絶縁層に設定することができる。そして、第1絶縁層の結晶化ガラスの結晶化温度が、第2絶縁層の結晶化ガラスの軟化点よりも低いものである。
ここで、第1絶縁層1a、1g、及び第2絶縁層1b〜1fに含まれる結晶化ガラスの熱特性について説明する。
低温から収縮開始する第1絶縁層1a、1gに含まれる結晶化ガラスの結晶化温度は第2絶縁層1b〜1fに含まれる結晶化ガラスの軟化点より低く、この特徴ゆえに第2絶縁層1b〜1fが収縮開始するときには、第1絶縁層1a、1gの焼成収縮はほぼ終了している(最終焼成体積収縮量の97%以上)
即ち、第1絶縁層が収縮しているときには第2絶縁層が収縮せず、第2絶縁層が収縮しているときには、第1絶縁層は収縮しないため、お互いのX−Y方向の収縮を抑制しあうことが可能であり、また、収縮のばらつきを抑制でき、収縮0に近づけることができる。
とりわけ、より効果的にX−Y方向の収縮を抑制しあうためには、第1絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点が、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度よりも10℃以上低いことが望ましい。
また、第1絶縁層1a、1gと第2絶縁層1b〜1fの焼成後の熱膨張係数差が2×10−6/℃以下であることが望ましい。これは、上記の熱膨張係数差が2×10−6/℃を超えると、最高焼成温度からの冷却時において、熱収縮の差が生じ第1及び第2絶縁層との界面にクラックやデラミネーションが生じるからである。とりわけ、クラックやデラミネーションの観点から、熱膨張係数の差は1×10−6/℃以下が望ましい。
本発明によれば、第1及び第2絶縁層が、いずれも結晶化ガラスを30質量%以上、特に40〜90質量%、更には50〜80質量%含むことが焼結性の観点から好ましい。そして、含有する結晶化ガラスのうち、残留ガラス量はいずれも10体積%以下、特に5体積%以下、更には2体積%以下であることが、X−Y方向の収縮抑制効果や基板の曲げ強度、誘電損失の観点から望ましい。なお、残留ガラス量は、XRD回折パターンからリートベルト解析により決定することができる。ガラスの定量については、試料とZnO(標準試料)を所定の比率で混合し、試料に形成される全ての結晶相とZnO標準試料を考慮したプログラム解析より求めることができる。
第1及び第2絶縁層に含まれるセラミックスとしては、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTi、ZrTiO、SrTiO、BaTiO、TiO、AlN、Siなどを例示できる。これらの中でも、特に誘電特性の点でAl、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTiが望ましく、強度の点でAl、AlN、Siが望ましく、さらには誘電特性と強度の点でAlが望ましい。
第1絶縁層及び第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスとしては、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を形成することが好ましい。これらの中でも、特に誘電特性の点でディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、ウィレマイト、フォルステライトが望ましく、強度の点でディオプサイド、セルシアン、コージェライト、アノーサイトが望ましく、さらには誘電特性と強度の点でディオプサイド、セルシアンが望ましい。
本発明の多層基板に用いられる絶縁層は、結晶化ガラス及びセラミックスからなるガラスセラミックスを採用できるため、1000℃以下での焼成が可能であり、導体層としてCu、Ag、Alなどの低抵抗導体を用いて形成することが可能となり、また、低誘電率化も可能であり、高速伝送化に適している。そして、本発明によれば、寸法制度が高い多層基板を再現性良く実現することができる。
なお、第1及び第2絶縁層は、目的に応じて、例えば、比誘電率、曲げ強度、誘電損失、熱伝導率、嵩密度、温度係数などの他の特性を変えた材料設計を行うことができる。
また、第1絶縁層(A)及び第2絶縁層(B)の積層形態としては、図1では、ABBBBBAにて積層したが、その他、ABABABA、AAABAAA、AABBBAA、AABABAA、AABBAAA、ABAAAAA、ABAAABA、ABBABBA、AABAAAA、ABBAAAA、ABBBAAA、ABBBBAAでもよく、また、AとBとを反対に入れ替えてもよい。
更には、第1及び第2絶縁層以外の第3の絶縁層を加えても良い。また、第1及び第2絶縁層以外の絶縁層が複数種類であっても良い。
次に、本発明の多層基板の製造方法について、より具体的に説明する。
まず、第1及び第2絶縁シートに使用する原料粉末を準備する。結晶化ガラス粉末及びセラミック粉末を準備する。結晶化ガラス粉末としては、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種が焼成後に形成されることが誘電特性または強度の観点で好ましい。
また、セラミック粉末として、Al粉末、SiO粉末、MgTiO粉末、CaZrO粉末、CaTiO粉末、MgSiO粉末、BaTi粉末、ZrTiO粉末、SrTiO粉末、BaTiO粉末、TiO粉末、AlN粉末、Si粉末のうち少なくとも1種であることが、誘電特性または強度の観点で好ましい。
ここで、前記第1及び第2絶縁シートが、それぞれ結晶化ガラス粉末を30質量%以上、特に40〜90質量%、更には50〜80質量%含むことが、焼結性の点で好ましい。
次に、上記の粉末を用いて、第1及び第2絶縁シートとしてグリーンシートを作製する。グリーンシートは、所定の結晶化ガラス粉末およびセラミック粉末と焼成途中で容易に揮発する揮発性有機バインダーと有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化することができる。このスラリーを用いて、リップコーター法やドクターブレード法などによってテープ成形を行い、所定寸法に切断しグリーンシートを作製する。尚、場合によっては、片方の絶縁層はペースト化してことも可能である。
次にこのグリーンシートにパンチングなどによって貫通孔を形成し、その貫通孔内に導体ペーストを充填し、また、表面導体層や内部導体層を、導体ペーストを用いてスクリーン印刷法などによって被着形成する。
このようにして得られた各グリーンシートからなる第1及び第2絶縁シートを所定の積層順序に応じて積層して積層成形体を形成した後、焼成する。
また、第1絶縁シートの収縮開始温度Tと第1絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の結晶化温度Tの間で一旦保持するような多段焼成も可能であるが、通常の単一キープ温度においても同時焼成することでX−Y方向への焼成収縮が抑制されZ方向に焼成収縮した寸法精度の高い基板を作製することができる。
第1絶縁シートが収縮を開始する際に第2絶縁シートがX−Y方向における収縮を抑制し、第1絶縁シートが収縮を完了すると、第2絶縁シートの焼結が進行する際に、第1絶縁シートがX−Y方向における収縮を抑制する結果、焼結完了後の多層基板全体としてX−Y方向の焼成収縮を抑制でき、さらに、第1絶縁シートに含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が第2絶縁シートに含まれる結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低いため、第1絶縁シートの収縮は終了して結晶化されており、収縮のばらつきを抑制し、かつ収縮率を0に近づけることができ、寸法度の高い多層基板を提供することができる。
まず、絶縁シートを作製した。表1に示す結晶化ガラス粉末と、セラミック粉末と、有機バインダーとしてエチルセルロースと、有機溶剤として2−2−4−トリメチル・ペンタジオール・モノイソブチレートと、を添加してスラリーを作製し、これをドクターブレード法により薄層化し、グリーンシートを作製し、多層基板用の絶縁シートとした。
なお、各絶縁シートの焼成収縮開始温度及び収縮終了温度を表1に示した。これらの測定は、表1に示した各絶縁シートの組成物についてワックスを添加して、100MPaでプレスすることにより圧粉体を別途形成し、この圧粉体に対して空気中でTMA(熱機械分析)による室温〜1000℃の温度範囲により各セラミックスの収縮開始温度S、収縮終了温度E、室温〜900℃における熱膨張係数を評価した。
得られた絶縁シートの所定の位置にパンチング等により貫通孔を形成し、この貫通孔にAg粉末を含む導電性ペーストを充填するとともに、この導電性ペーストを絶縁シート表面にスクリーン印刷して配線パターンを形成した後、これを乾燥させた。そして、これらの絶縁シートを第1及び第2絶縁シートとして使用した。
即ち、最上層及び最下層となるグリーンシートを第1絶縁シートとし、これらに挟まれるグリーンシートを第2絶縁シートとして、表2のような結晶化ガラスをそれぞれ選択し、図1に示した積層体となるように、これらの絶縁シートを積層し、積層成形体を作成した。なお、第1に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度と、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点との差を表2に示した。
得られた積層成形体を、大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに910℃で焼成し、図1に示すような多層基板を作製した。尚、各絶縁層1a〜1gの厚みは0.1mmであり、多層基板の大きさは、縦10mm、横10mm、厚み1.0mmであった。
次に、焼成前の積層成形体と焼成後の多層基板に対して、所定のポイント間の長さを測定することにより、X−Y方向の多層基板の収縮率を測定した。なお、収縮率は、各試料番号について10個の試料を作製してそれぞれ収縮率測定し、平均値を収縮率とするとともに、10個の試料のうち、最大収縮率と最小収縮率との差を収縮バラツキとして評価した。
また、多層基板の表面を研磨して光学顕微鏡で表面観察することにより、多層基板におけるクラック、デラミネーションを有無を調べ、これを欠陥として評価した。
なお、第1絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度Tと、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点Tは、DTA(示唆熱分析)により、10℃/分で昇温して得られた曲線から決定した。結果を表1に示した。
Figure 0004508625
Figure 0004508625
本発明の試料No.1〜4、7〜10の多層基板は、収縮率が4%以下と小さく、また、収縮バラツキが0.3%以下であり、多層基板にクラックやデラミネーションなどの欠陥は観察されなかった。このように、本発明の多層基板は、寸法制度に優れ、平面方向の収縮率が0に近く、収縮率のばらつきが小さいものであった。
一方、第1絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点よりも高い本発明の範囲外の試料No.5及び6は、収縮率が8.5%以上、収縮バラツキが0.7%以上であった。
本発明のセラミック多層基板の一例を示す概略断面図を示す。
符号の説明
1・・・絶縁基板
2・・・表面導体層
3・・・内部導体層
4・・・ビアホール導体
10・・・多層基板

Claims (6)

  1. ガラスセラミックスからなる少なくとも2種の絶縁層の積層体からなり、第1絶縁層に含まれる結晶化ガラスの結晶化温度が、第2絶縁層に含まれる結晶化ガラスの軟化点よりも低く、かつ前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との熱膨張係数の差が、2×10 −6 /℃以下であることを特徴とする多層基板。
  2. 前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の残留ガラス量が、いずれも10体積%以下であることを特徴とする請求項1記載の多層基板。
  3. 前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層に含まれる前記結晶化ガラスが、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の多層基板。
  4. 結晶化ガラス粉末及びセラミック粉末を含む第1絶縁シート及び第2絶縁シートを積層してなる積層物を同時焼成して、ガラスセラミックスからなる第1絶縁層及び第2絶縁層を積層してなる積層体を作製する多層基板の製造方法であって、前記第1絶縁シートに含まれる前記結晶化ガラス粉末の結晶化温度が、前記第2絶縁シートに含まれる前記結晶化ガラス粉末の軟化点よりも低く、かつ前記積層物を同時焼成して得られた前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との熱膨張係数の差が、2×10 −6 /℃以下であることを特徴とする多層基板の製造方法。
  5. 前記第1絶縁シート及び前記第2絶縁シートが、それぞれ前記結晶化ガラス粉末を30質量%以上含むことを特徴とする請求項4記載の多層基板の製造方法。
  6. 前記第1絶縁シート及び前記第2絶縁シートに含まれる前記結晶化ガラス粉末が、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト及びスーアナイトのうち少なくとも1種を形成することを特徴とする請求項4又は5記載の多層基板の製造方法。
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