JP2008186909A - セラミック多層基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】収縮バラツキが小さく、貫通導体が絶縁基板の表面から大きく突出することのない実装性に優れるセラミック多層基板を提供する。
【解決手段】収縮開始温度の異なる、それぞれ焼結した第1の絶縁層1と第2の絶縁層3との積層体からなる絶縁基板4の表面または内部の少なくとも一方に配線層5が配置されるとともに、前記第1の絶縁層1および前記第2の絶縁層3を貫通する貫通導体7を備えており、前記積層体4の最外層に配置された前記第1の絶縁層1aまたは前記第2の絶縁層3を貫通する前記貫通導体7は、貫通方向に直交する断面積が表面側で小さくなっていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼成における収縮曲線(挙動)が異なる絶縁層成形体(グリーンシート)同士を一体にして焼成することにより、互いの絶縁層の平面方向の焼成収縮を抑制したセラミック多層基板に関するものであって、特に貫通導体の突出を抑制したセラミック多層基板に関する。
従来、移動体通信分野などで使用されるセラミック多層基板において、配線層の材料として導電率の高い金、銀、銅、アルミニウムあるいはそれらの混合物を用い、絶縁層の材料として配線層の材料の融点よりも低い温度で焼成が可能なガラスセラミックスを用いたセラミック多層基板が広く用いられている。
このセラミック多層基板は、複数の配線層間が貫通導体により電気的に接続されている。製造に際しては、焼成後に絶縁層となるグリーンシートに貫通孔を形成し、その貫通孔に焼成後に貫通導体となる導体材料を充填し、貫通孔に導体材料の充填されたグリーンシートの主面に配線層となる導体材料を塗布する。そのようにして準備したグリーンシートを複数枚積層して焼成することにより、配線層間が貫通導体により接続されたセラミック多層基板が得られる。
ここで、絶縁層の材料としてガラスセラミックスを用いたセラミック多層基板は、焼結により体積が40〜50%程度収縮する。このとき、セラミック多層基板の主面と平行な方向(平面方向)における収縮率は1方向において平均15〜20%程度ばらついており、この収縮率のばらつきが配線層の位置ばらつきにつながり、セラミック多層基板の寸法精度が悪くなっていた。なお、ここでいう収縮率とは、焼結前の寸法から焼結後の寸法を減じた値を焼結前の寸法で除した値で定義されるものである。
そこで、セラミック多層基板の寸法精度を向上させる方法として、焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度が異なる2種以上のグリーンシート(2種の場合は、焼成後に第1の絶縁層と第2の絶縁層となる)を積層し焼成することにより、平面方向の焼成収縮を抑制し、主に垂直方向に収縮させる方法が提案されている(例えば特許文献1を参照。)。
特開2003−69236号公報
この特許文献1に記載の方法では、焼成後に第1の絶縁層となるグリーンシートと焼成後に第2の絶縁層となるグリーンシートとが焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度が異なることで、互いに平面方向への収縮を抑制しあう。具体的には、第1の絶縁層の焼成収縮(焼結)終了後に第2の絶縁層が焼成収縮(焼結)を開始するようになっていることから、第1の絶縁層の焼結時には第2の絶縁層によって第1の絶縁層の平面方向への収縮が抑制され、第2の絶縁層の焼結時には第1の絶縁層によって第2の絶縁層の平面方向への収縮が抑制される。したがって、焼結後に第2の絶縁層となるグリーンシートの垂直方向への収縮が大きくなる。
ところが、それぞれのグリーンシートに形成された貫通導体は同じ材料であることから焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度に違いはなく、互いに隣接する絶縁層に形成された貫通導体同士が接続して形成されていた場合、互いに平面方向への収縮を抑制しあうことはない。したがって、本来の体積収縮量だけ収縮しようとすると、垂直方向への収縮はグリーンシートほど大きくなることはない。
このため、図2に示すように、焼成後に貫通導体50がセラミック多層基板52の表面から大きく突出してしまい、セラミック多層基板52の実装性が低下するという問題が発生していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、焼成開始温度の異なる絶縁層を積層して構成されていても貫通導体がセラミック多層基板の表面から大きく突出することのない実装性の良好なセラミック多層基板を提供することを目的とする。
本発明のセラミック多層基板は、収縮開始温度の異なる、それぞれ焼結した第1の絶縁層と第2の絶縁層との積層体からなる絶縁基板の表面または内部の少なくとも一方に配線層が配置されるとともに、前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層を貫通する貫通導体を備えており、前記積層体の最外層に配置された前記第1の絶縁層または前記第2の絶縁層を貫通する前記貫通導体は、貫通方向に直交する断面積が表面側で小さくなっていることを特徴とする。
また、本発明のセラミック多層基板は、前記積層体の最外層の絶縁層が前記第1の絶縁層または前記第2の絶縁層の一方からなり、前記最外層の絶縁層の内側に接する絶縁層が他方からなるとともに、前記最外層の絶縁層およびその内側に接する絶縁層を一体的に貫通する貫通導体は、前記最外層の絶縁層とその内側に接する絶縁層との界面で段差のない側壁を有しており、貫通方向に直交する断面積が表面側で小さくなっていることが望ましい。
本発明のセラミック多層基板によれば、最外層に配置された貫通導体の貫通方向に直交する断面積を表面側で小さくすることによって、焼成過程において外側に突出しようとする貫通導体に対して貫通導体を外側から覆う最外層が抵抗となり、あたかも、貫通導体を外側から押さえつけるかのような効果が発現し、貫通導体の突出を抑制することができる。
また、最外層の内側に接して配置された、最外層とは異なる絶縁層と最外層とを一体的に貫通し、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との界面で段差のない側壁を備えた貫通導体を設け、この貫通導体の断面積を表面側で小さくすることによって、さらに貫通導体の突出量を小さくすることができ、しかも最外層の内側に接して配置された、最外層とは異なる絶縁層と最外層との界面付近で両者が剥離することも防止することができる。
本発明のセラミック多層基板は、図1(a)に示すように、例えば、ガラスセラミックスからなる第1の絶縁層としての絶縁層1a〜1eおよびガラスセラミックスからなる第2の絶縁層としての絶縁層3a〜3dが交互に積層された絶縁基板4と、配線層として絶縁基板4の表面に形成された表面配線層5aおよび絶縁基板4の内部に形成された内部配線層5bと、絶縁層を貫通して設けられた貫通導体7を有する。
絶縁基板4における第1の絶縁層1としての絶縁層1a〜1eと第2の絶縁層3としての絶縁層3a〜3dとは、互いに焼成収縮の開始温度および終了温度が異なるガラスセラミックスで構成されている。すなわち、第1の絶縁層1としての絶縁層1a〜1eが焼成収縮を終了した後に、第2の絶縁層3としての絶縁層3a〜3dが焼成収縮を開始するように、それぞれの絶縁層を構成するガラスセラミックス材料が選定されている。具体的には、ガラスの熱特性として、第1の絶縁層1としての絶縁層1a〜1eに含まれるガラスの結晶化温度が、第2の絶縁層3としての絶縁層3a〜3dに含まれるガラスの軟化点より低くなるように選定されている。したがって、第2の絶縁層3としての絶縁層3a〜3dが焼成収縮を開始するときには、第1の絶縁層1としての絶縁層1a〜1eの焼成収縮は終了しており、互いの平面方向の収縮を抑制しあうことが可能である。すなわち、寸法精度が高いセラミック多層基板9を実現することができる。
なお、第1の絶縁層1の焼成収縮の終了とは、第1の絶縁層1における焼成前の状態からセラミック多層基板9の完成状態(セラミック多層基板焼成終了後の状態)までの収縮量に対し90%以上収縮したことをいい、第1の絶縁層1の焼成収縮の終了温度とは90%収縮したときの温度のことをいう。
そして、本発明においては、絶縁基板4の最外層に配置された絶縁層1a、1eを貫通して設けられた貫通導体7aの貫通方向に直交する断面積が、内側よりも表面側で小さくなっていることが重要である。言い換えると、最外層の絶縁層1a、1eが貫通導体7aの一部を覆うような構造となることが重要である。
これにより、あたかも外側から貫通導体7aが押さえつけられたかのようになり、貫通導体7aの垂直方向への収縮率を絶縁基板4の垂直方向の収縮率に近づけることができ、貫通導体7aの突出を小さくすることができる。
ただし、図1(a)のように、最外層の絶縁層1a、1eに形成された貫通導体7aと、最外層の絶縁層1a、1eの内側に接して配置された絶縁層3a、3dに形成された貫通導体7bとの内壁面が不連続であると、貫通導体7aと貫通導体7bとの界面およびその周辺に応力が集中することがあり、最外層の絶縁層1a、1eと、その内側に配置された絶縁層3a、3dとの間、あるいはこれらの絶縁層と貫通導体7a、7bとの間に剥離が発生するおそれがある。
このような剥離の発生は、目視による検査によって容易に確認できるため、製品の品質には直接、影響することはないが、歩留まりの低下を招くおそれがある。
そのため、最外層の絶縁層1a、1eに形成された貫通導体7aと、最外層の絶縁層1a、1eの内側に接して配置された絶縁層3a、3dに形成された貫通導体7bとの内壁面は連続して形成することが望ましい。すなわち、図1(b)に示すように、最外層の絶縁層1a、1eと最外層の絶縁層1a、1eの内側に接して配置された絶縁層3a、3dの界面で段差のない側面を備えた貫通導体7cを設けることが望ましい。
つまり、最外層の絶縁層1a、1eと、その内側に接して配置された絶縁層3a、3dを一体的に貫通する貫通導体7cを設けることが望ましく、これにより、セラミック多層基板9の製造歩留まりを向上させることができる。
また、セラミック多層基板9の最外層に限らず、厚み方向の中心から外側の方で貫通導体7の断面積を小さくすることで、セラミック多層基板9の内外において、貫通導体7にかかる圧力を近づけることができるため、貫通導体7の微構造を均一に近づけることができ、均一に近い配線抵抗を実現することができる。
また、これらの最外層に設けられた貫通導体7aおよび最外層の絶縁層1a、1eの内側に接して配置された絶縁層3a、3dに形成された貫通導体7b、最外層とその内側の絶縁層に一体的に設けられた貫通導体7cの内側の断面積は、貫通導体7を外側から押さえつける効果を大きくするため、外側の断面積の1.5倍、さらに2倍以上とすることが特に好ましい。一方、配線密度の点からは、3倍以下とすることが望ましい。
また、貫通導体7の形状は、内壁が連続したテーパーとすることが、応力の分散の観点から望ましい。また、貫通導体7の断面積の変化は一定でなくてもよいことは言うまでもない。
また、絶縁基板4における第1の絶縁層1としての絶縁層1a〜1eと第2の絶縁層3としての絶縁層3a〜3dとの熱膨張係数差が2×10−6/℃以下であるのが好ましい。この範囲であれば、最高焼成温度からの冷却時において、第1の絶縁層と第2の絶縁層との界面にクラックやデラミネーションの生じるおそれが少なくなるからである。とりわけ、熱膨張係数差は1×10−6/℃以下が好ましい。
また、第1の絶縁層1および第2の絶縁層3がいずれも結晶化ガラスを30質量%以上、特に40〜90質量%、更には50〜80質量%含むことが焼結性の観点から好ましい。そして、含有する結晶化ガラスのうち、残留ガラス量はいずれも10体積%以下、特に5体積%以下、更には2体積%以下であることが、平面方向の収縮抑制効果や基板の曲げ強度、誘電損失の観点から望ましい。なお、残留ガラス量は、XRD回折パターンからリートベルト解析により決定することができる。ガラスの定量については、試料とZnO(標準試料)を所定の比率で混合し、試料に形成される全ての結晶相とZnO標準試料を考慮したプログラム解析より求めることができる。
第1の絶縁層1および第2の絶縁層3に含まれるセラミックスとしては、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTi、ZrTiO、SrTiO、BaTiO、TiO、AlN、Siなどを例示できる。これらの中でも、特に誘電特性の点でAl、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTiが望ましく、強度の点でAl、AlN、Siが望ましく、さらには誘電特性と強度の点でAlが望ましい。
第1の絶縁層1および第2の絶縁層3に含まれる結晶化ガラスとしては、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライト、(スーアナイト)のうち少なくとも1種を形成することが好ましい。これらの中でも、特に誘電特性の点でディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、ウィレマイト、フォルステライトが望ましく、強度の点でディオプサイド、セルシアン、コージェライト、アノーサイトが望ましく、さらには誘電特性と強度の点でディオプサイド、セルシアンが望ましい。
このように、結晶化ガラスおよびセラミックスからなるガラスセラミックスを採用することで、1000℃以下での焼成が可能である。また、配線層としてCu、Ag、Alなどの低抵抗導体を用いることが可能となり、低誘電率化により高速伝送に適している。
なお、第1の絶縁層1を構成するガラスセラミックスと第2の絶縁層3を構成するガラスセラミックスとは、焼結収縮挙動の相違のみならず、目的に応じて、比誘電率、曲げ強度、誘電損失、熱伝導率、嵩密度、温度係数などの他の特性が異なっていてもよい。
そして、表層には、焼成収縮の開始温度および終了温度が第2の絶縁層3よりも低く、第2の絶縁層3が焼成収縮を開始する前に焼成収縮を終了する第1の絶縁層1(図では絶縁層a1)が配置されている。後述の貫通導体7が絶縁基板4の表面から突出するのを防ぐ効果を発現するためには、隣接する絶縁層の焼成収縮開始よりも前に焼成収縮が終了する絶縁層を表層に配置することが重要だからである。
絶縁基板4の表面には配線層5としての表面配線層5aが形成されており、絶縁基板4の内部には配線層5としての内部配線層5bと貫通導体7が形成されている。
表面配線層5a、内部配線層5b、貫通導体7を形成する導体材料としては、金、銀、銅、アルミニウムのうち少なくとも1種以上を主成分とすることが好ましく、特に、価格及び導通抵抗の観点から、銀及び銅が好ましい。また、これらの主成分に対して、電気抵抗、熱伝導性を劣化させない範囲で、他の金属、酸化物、ガラス、セラミックス等の無機分を含んでいてもよい。
次に、上記セラミック多層基板9の製造方法について説明する。
まず、ガラスセラミックスに含まれるガラスの熱特性が上記関係にある2種の無機材料からなるグリーンシートを作製する。
例えば焼成後に第1の絶縁層1となるグリーンシート材料として、SiOを10〜30質量%と、Alを1〜9質量%と、MgOを5〜30質量%と、BaOを21〜35質量%と、Bを10〜30質量%と、Y,CaO,SrO,ZnO,TiO,NaO,SnO,P,ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなる40〜90質量%のガラスと、Al,SiO,MgTiO,CaZrO,CaTiO,BaTi,SrTiO,ZrO,TiO,AlNおよびSiから選ばれる少なくとも1種を含む10〜60質量%のセラミックスとから構成される材料が採用される。
また、例えば焼成後に第2の絶縁層3となるグリーンシート材料として、SiOを20〜60質量%と、Alを10〜25質量%と、MgOを8〜35質量%、BaOを10〜20質量%と、B,Y,CaO,SrO,NaO,SnO,P,ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなる30〜100質量%のガラスと、Al,SiO,MgTiO,CaZrO,CaTiO,BaTi,SrTiO,ZrO,TiO,AlN,Siから選ばれる少なくとも1種を含む0〜70質量%のセラミックスとから構成される材料が採用される。
グリーンシートは、上記材料と焼成途中で容易に揮発する揮発性有機バインダーと有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合してスラリー化し、このスラリーを用いてリップコーター法やドクターブレード法などによってテープ成形を行い、所定寸法に切断して作製される。尚、第1の絶縁層1と第2の絶縁層3のうちのどちらか一方をペースト状(絶縁体ペースト)にしておいてもよい。
次に、このグリーンシートにパンチングなどによって貫通孔を形成する。このとき、焼成後に第1の絶縁層となるグリーンシートのうち表層に配置するグリーンシートに形成する貫通孔の大きさは、焼成後に第2の絶縁層となるグリーンシートに形成する貫通孔の大きさよりも小さくする。
例えば、形成方法としては、上記のようなパンチングや他にもレーザー、エッチング等の方法により形成が可能である。
図1(a)に示す形態のセラミック多層基板9は、第1の絶縁層1となるグリーンシートと第2の絶縁層3となるグリーンシートとを個々に加工して、貫通孔を形成することで作製することができる。
また、図1(b)に示す形態のセラミック多層基板9は、第1の絶縁層1となるグリーンシートと第2の絶縁層3となるグリーンシートとをあらかじめ積層した状態で形成したのち、この積層体に一括して貫通孔を形成することで作製することができる。。特に、図1(a)に示す形態のセラミック多層基板9では、貫通孔が小さく、ピッチが狭いような構造の場合は加工性及び応力集中による剥離や位置ずれ等の課題が少なからず生じる事から、こういった形状の場合は図1(b)に示す形態のセラミック多層基板9を選択する方が望ましい。
そして、貫通孔内に導体ペーストを充填する。導体ペーストとして、金粉末、銀粉末、銅粉末、アルミニウム粉末のいずれかに対して、有機バインダー、有機溶剤、必要に応じて、有機物や無機物の添加剤を加えて、3本ロールで混練したものを用いる。充填には、貫通導体形成位置に一致する箇所に穿孔されたメタルマスク、あるいは、エマルジョンメッシュスクリーンマスクを用いて、スクリーン印刷する方法を用いる。このとき、マスクを通して導体ペーストを押し出す方法として、通常のポリウレタン製等の板状(あるいは剣状)のスキージを用いる方法でもよく、ペースト押し出し式のスキージヘッドを用いて、ペーストを貫通孔に加圧注入する方法でもよい。また、導体ペーストの粘度や印刷条件を調整して、充填した導体ペーストが貫通孔上でグリーンシート表面から突出するように過充填する。その後、必要に応じて、突出した導体ペーストをプレスして、貫通孔に押し込む。さらに、表面配線層5aや内部配線層5bを導体ペーストのスクリーン印刷法などによって被着形成する。
このようにして得られた各グリーンシートまたは絶縁体ペーストを所定の積層順序に応じて積層して積層成形体を形成した後、焼成する。
焼成にあたっては、低温側で焼成収縮が開始する第1の絶縁層の収縮開始温度と第1の絶縁層に含まれるガラスの結晶化温度との間の温度で一旦保持する多段焼成でもよいが、単一キープ温度においても同時焼成することで平面方向への焼成収縮が抑制され垂直方向に焼成収縮した寸法精度が高く、貫通導体7の突出が抑制されたセラミック多層基板9を作製することができる。
まず、焼成後に第1の絶縁層(絶縁層1a〜1e)を形成するガラスセラミック材料Aとして、23.8質量%のSiO,8.4質量%のAl,15.4質量%のMgO,26.5質量%のBaO,17.9質量%のB、4.9質量%のCaO,0.4質量%のSrO,1.0質量%のSnO,1.7質量%のZrOからなる60質量%のガラスと、40質量%のAlとから構成されるガラスセラミック材料を用意した。
また、焼成後に第2の絶縁層(絶縁層3a〜3d)を形成するガラスセラミック材料Bとして、43.3質量%のSiO,12.9質量%のAl,18.0質量%のMgO,14.1質量%のBaO,7.5質量%のB、1.0質量%のY,1.7質量%のCaO,0.5質量%のSrO,1.0質量%のZrOからなる60質量%のガラスと、40質量%のAlとから構成されるガラスセラミック材料を用意した。
これらのガラスセラミック材料A、Bに、アクリル有機バインダー、可塑剤、有機溶剤を添加して、スラリーを作製し、ドクターブレード法により薄層化し、絶縁基板用のグリーンシートA、Bを作製した。このとき、グリーンシートAの厚みは、6μm及び37μmとし、グリーンシートBの厚みは74μmとした。
また、6μm及び37μmのグリーンシートA1枚と74μmのグリーンシートB1枚を加熱圧着して複合グリーンシートCを作製した。
次に、銀粉末に、β石英、バリウムホウ珪酸ガラス及び有機ビヒクルを添加し、これらを攪拌した後、銀粉末及び有機バインダーの凝集体がなくなるまで3本ロールミルで混合し、ペースト化し、導体ペーストを作製した。有機ビヒクルは、有機バインダーとして、エチルセルロースを5質量部、有機溶剤としてα−テルピネオールを95質量部とから構成し、この有機ビヒクルを、銀粉末100質量部に対して15質量部添加した。
次に、上記のグリーンシートAおよびB、複合グリーンシートCに貫通導体を形成すべく、レーザーによって貫通孔を形成し、上記の導体ペーストをこの貫通孔に充填した。導体ペーストの充填には、ペースト押出式のヘッドを備えたオンコンタクト印刷機を用いた。
なお、レーザーによって貫通孔を形成する際に、出力を変化させて、表1に示すテーパー状の貫通孔または円柱状の貫通孔を形成した。表1において、孔あけ方法が個別と記載した試料については、グリーンシートAとグリーンシートBとを個別にレーザー加工して孔あけしたものである。また、表1において、孔あけ方法が一括と記載した試料については、グリーンシートAとグリーンシートBとを予め積層して作製した複合グリーンシートCにレーザー加工して孔あけして、複合グリーンシートCを構成するグリーンシートAとグリーンシートBとに一括して孔あけしたものである。
次に、貫通孔に導体ペーストを充填したグリーンシートAおよびB、複合グリーンシートCを平板金型でプレスし、グリーンシートAおよびB、複合グリーンシートCを積層するとともに導体ペーストのグリーンシート表面から突出した部分を貫通孔に押し込んだ。
このとき、グリーンシートAおよびB、複合グリーンシートCは、表面にグリーンシートAが配置され、その内側に接するようにグリーンシートBを配置するとともにグリーンシートAとグリーンシートBとが交互に配置させるように組み合わせた。また、このようにして作製した積層体には5枚のグリーンシートAと4枚のグリーンシートBを用いて、計9層の絶縁層が積層された積層体とした。
積層する前に、グリーンシートAおよびB、複合グリーンシートCの表面に、表面配線層及び内部配線層となる導体パターンをスクリーン印刷により形成した。その後、これらのグリーンシートAおよびB、Cを位置合わせした後、積層して積層体を作製し、これを大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに、大気中900℃で焼成してセラミック多層基板を作製した。
焼成後のセラミック多層基板において、基板端部付近の表面の凹凸を3次元レーザー変位計で測定した。測定領域は、セラミック多層基板表面のうち、基板端部の稜線を含む3mm×3mmとした。このとき、得られた測定データのうち、基板端部の稜線以外の基板表面における最低点と最高点との差を突起高さと定義して測定した。その結果を表1に示す。なお、表1には5つの基板を測定した結果における突起高さの最高値を記した。
また、焼成の前後においてグリーンシートの積層体と焼成後の分割溝付き配線基板に対して、所定のポイント間の長さを測定して、分割溝付き配線基板の面方向の収縮率を測定した。なお、各試料についてそれぞれ収縮率を測定し、10個の試料の収縮率の最大値と最小値の差を収縮バラツキとして評価したところ、本発明の試料はいずれも、0.5%以下の優れた収縮バラツキを示すものであった。
Figure 2008186909
表1より、本発明のセラミック多層基板である試料No.1〜17において、突起高さの最高値が10μmであった。例えば、第1の絶縁層厚み6μmでは第1の貫通導体7aの上側の直径が50μm、下側の直径が60μm、第2の貫通導体7bの上側の直径が60μm、下側の直径が200μmである試料No.9の場合、突起高さの最高値が3μmと非常に良好であり、第1の絶縁層厚み37μmでは第1の貫通導体7aの上側の直径が50μm、下側の直径が80μm、第2の貫通導体7bの上側の直径が80μm、下側の直径が200μmである試料No.17の場合、突起高さの最高値が2μmと非常に良好であった。また、試料No.1〜8でも突起高さの最高値が3〜10μmと非常に良好ではあるが、歩留まりが悪くなる傾向がある。また、第1の絶縁層の厚みを変更した試料No.1〜4及び試料No.5〜8のように絶縁層の厚みを厚くする事で突起高さの最高値が低下する傾向にあった。また、試料No.9〜11のように第2の貫通導体7bの直径を固定して、第1の貫通導体7aの直径が小さくなると突起高さの最高値が低下する傾向にあった。特に、第1の絶縁層の貫通導体の表面側の直径を小さくし、第2の絶縁層の貫通導体の内側の直径を大きくすると突起高さの最高値は低下する傾向にある。言い換えると、第1の絶縁層の貫通導体の表面側の直径を第2の絶縁層の貫通導体の内側の直径で割った際に得られる値を小さくすると突起高さの最高値は低下する傾向にある。
これに対し、本発明の範囲外である試料No.18〜19については、突起高さが著しく上昇した。
本発明のセラミック多層基板の断面図である。 従来のセラミック多層基板の断面図である。
符号の説明
1a〜e・・・第1の絶縁層
1a、1e・・最外層に配置された第1の絶縁層
3a〜e・・・第2の絶縁層
3a、3e・・最外層に配置された第1の絶縁層の内側に接して配置された第2の絶縁層
5・・・配線層
7・・・貫通導体
9・・・セラミック多層基板

Claims (2)

  1. 収縮開始温度の異なる、それぞれ焼結した第1の絶縁層と第2の絶縁層との積層体からなる絶縁基板の表面または内部の少なくとも一方に配線層が配置されるとともに、前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層を貫通する貫通導体を備えており、前記積層体の最外層に配置された前記第1の絶縁層または前記第2の絶縁層を貫通する前記貫通導体は、貫通方向に直交する断面積が表面側で小さくなっていることを特徴とするセラミック多層基板。
  2. 前記積層体の最外層の絶縁層が前記第1の絶縁層または前記第2の絶縁層の一方からなり、前記最外層の絶縁層の内側に接する絶縁層が他方からなるとともに、前記最外層の絶縁層およびその内側に接する絶縁層を一体的に貫通する貫通導体は、前記最外層の絶縁層とその内側に接する絶縁層との界面で段差のない側壁を有しており、貫通方向に直交する断面積が表面側で小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック多層基板。
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