JP2010232255A - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定したキャパシタ特性を有する寸法精度の高い多層配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、第1のガラスセラミックグリーンシート11〜15と、第1のガラスセラミックグリーンシート11〜15の焼成収縮の終了温度よりも焼成収縮の開始温度が高い第2のガラスセラミックグリーンシート21〜24とが複数積層されるとともに、層間にAg導体ペーストによる一対のキャパシタ形成用電極パターン41の形成されたガラスセラミックグリーンシート積層体7を作製し、ガラスセラミックグリーンシート積層体7を第2のガラスセラミックグリーンシート21〜24が焼成収縮する温度で焼成する多層配線基板の製造方法であって、一対の前記キャパシタ形成用電極パターン41を、互いに対向する側の面が前記第1のガラスセラミックグリーンシート13、14と接するように配置したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラスセラミックグリーンシート積層体の平面方向の焼成収縮を抑制する多層配線基板の製造方法に関するものである。
従来、移動体通信分野などで使用される多層配線基板において、配線層の材料として導電率の高い銀を主成分とし、絶縁層の材料として配線層の材料の融点よりも低い温度で焼成が可能なガラスセラミックスを用いたものが広く知られている。
この多層配線基板の製造に際しては、焼成後に絶縁層となるガラスセラミックグリーンシートに貫通孔を形成し、その貫通孔に焼成後に貫通導体となるAg導体ペーストを充填するとともに、ガラスセラミックグリーンシートの主面に焼成後に配線層となるAg導体ペーストを塗布する。そのようにして作製されたガラスセラミックグリーンシートを複数積層してガラスセラミックグリーンシート積層体を作製した後、焼成することにより、配線層間が貫通導体により電気的に接続された多層配線基板が得られる。
ここで、焼成時にAgがガラスセラミックグリーンシート中に拡散することにより、焼成後の絶縁層の材料特性(誘電率や誘電損失)が部分的に変化してしまうという問題がある。この拡散は、Agの濃度勾配によるとともにAgがガラス(液相)中に拡散しやすいことに起因している。特に、異なる層間に設けられた配線層によって形成された内蔵キャパシタのキャパシタ特性は、絶縁層の材料特性の変化を受けて大きく変化してしまう。
一方、ガラスセラミックグリーンシート積層体は、焼成により体積が40〜50%程度収縮する。このとき、ガラスセラミックグリーンシート積層体(多層配線基板)の主面と平行な方向(平面方向)における収縮率は一方向において平均15〜20%程度ばらついており、この収縮率のばらつきが多層配線基板の表面に形成された接続パッド(配線層)の位置ばらつきにつながり、寸法精度(多層配線基板の表面に形成された接続パッド間距離の精度)が悪くなっていた。なお、ここでいう収縮率とは、焼成前の寸法から焼成後の寸法を減じた値を焼成前の寸法で除した値で定義されるものである。
そこで、寸法精度を向上させる方法として、焼成収縮開始温度が異なる2種のガラスセラミックグリーンシートを積層して焼成することにより、平面方向の収縮を抑制する多層配線基板の製造方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
この特許文献1に記載の方法では、焼成後に第1の絶縁層となる第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度と焼成後に第2の絶縁層となる第2のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮開始温度および焼成収縮終了温度とが異なることで、互いに平面方向の収縮を抑制しあう。具体的には、第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮(焼結)終了後に第2のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮(焼結)を開始するようになっていることから、第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮時には第2のガラスセラミックグリーンシートによって第1のガラスセラミックグリーンシートの平面方向の収縮が抑制され、第2のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮時には第1の絶縁層(第1のガラスセラミックグリーンシートがすでに焼成収縮を終了した状態)によって第2のガラスセラミックグリーンシートの平面方向の収縮が抑制される。
通常、上記の関係とするために、第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮開始温度はAg導体ペーストの焼成収縮開始温度(700〜750℃)よりも低い温度に設定され、第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮終了温度は800℃よりも低い温度に設定される。
特開2004−200679号公報
ここで、前述のAgがガラスセラミックグリーンシート中に拡散しやすいとの問題点に関し、Agがガラスセラミックグリーンシート中にかなりの量拡散する温度域がおおよそ800〜850℃であることから、800℃でガラスセラミックグリーンシートがすでに焼成収縮を終了している場合にAgはガラスセラミックグリーンシート中に拡散し難くなり、上記の多層配線基板の製造方法においても第1のガラスセラミックグリーンシートにはAgが拡散し難いことが考えられる。
しかしながら、ガラスセラミックグリーンシート積層体において、全てのガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮終了温度を低くすることは、耐薬品性の低下が懸念される。また、全てのガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮終了温度を低くすると、ガラスセラミックグリーンシート積層体の平面方向の収縮を抑制することができず、寸法精度の良好な多層配線基板を得ることができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、安定したキャパシタ特性を有するキャパシタを内蔵する寸法精度の高い多層配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1のガラスセラミックグリーンシートと、該第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮の終了温度よりも焼成収縮の開始温度が高い第2のガラスセラミックグリーンシートとが複数積層されるとともに、層間にAg導体ペーストによる一対のキャパシタ形成用電極パターンの形成されたガラスセラミックグリーンシート積層体を作製し、該ガラスセラミックグリーンシート積層体を前記第2のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮する温度で焼成する多層配線基板の製造方法であって、一対の前記キャパシタ形成用電極パターンを、互いに対向する側の面が前記第1のガラスセラミックグリーンシートと接するように配置したことを特徴とする。
ここで、前記キャパシタ形成用電極パターンを前記第1のガラスセラミックグリーンシート同士を積層した層間に配置していることが好ましい。
本発明によれば、キャパシタを形成するために対向する一対のキャパシタ形成用電極パターンを、互いに対向する側の面が第1のガラスセラミックグリーンシートと接するように配置することにより、キャパシタ形成用電極パターンからキャパシタ形成領域側の第1のガラスセラミックグリーンシートへのAgの拡散を抑制することが可能となり、Agの拡散によるキャパシタ特性のばらつきを抑制することができる。
さらに、キャパシタ形成用電極パターンを第1のガラスセラミックグリーンシート同士を積層した層間に配置していることで、キャパシタ形成用電極パターンから上下のガラスセラミックグリーンシートへのAgの拡散を抑制することができる。
本発明の多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す説明図である。 図1に示す点線で囲まれたキャパシタ形成領域Sの拡大図である。 本発明の多層配線基板の製造方法の他の実施形態を示す説明図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す説明図であり、本発明の多層配線基板の製造方法は、まず、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15を作製するとともに、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15の焼成収縮の終了温度よりも焼成収縮の開始温度が高い第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24を作製する。
第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15および第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24は、800〜1000℃前後の比較的低い温度で焼成収縮させることができるように、ガラス粉末とセラミックフィラーとを所望の割合で調合した原料粉末を主成分とするものである。
第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15および第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24を構成するガラス粉末としては、焼成によって結晶を析出する結晶性ガラスであるのが好ましい。例えば、析出結晶としては、ディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、コージェライト、アノーサイト、ガーナイト、ウィレマイト、スピネル、ムライト、フォルステライトのうち少なくとも1種が挙げられる。これらのうち、誘電特性の点でディオプサイド、ハーディストナイト、セルシアン、ウィレマイト、フォルステライトが好ましく、強度の点でディオプサイド、セルシアン、コージェライト、アノーサイトが好ましい。
また、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15および第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24を構成するセラミックフィラーとしては、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTi、ZrTiO、SrTiO、BaTiO、TiO、AlN、Siなどを例示できる。これらのうち、誘電特性の点でAl、MgTiO、CaZrO、CaTiO、MgSiO、BaTiが好ましく、強度の点でAl、AlN、Siが好ましい。
ここで、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15は、第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24が焼成収縮を開始するまでに、自身の焼成収縮(焼結)を終了させる必要がある。したがって、軟化温度、結晶化温度、結晶化度等の特性を調整するために、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15に用いるガラス粉末と第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24に用いるガラス粉末とは組成が異なり、ガラス粉末とセラミックフィラーとの比率も異なる。例えば、第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24に含まれるガラス粉末の軟化点を、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15に含まれるガラスの結晶化点よりも高くなるように調整することで、第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24の焼成収縮開始温度を第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15の焼成収縮終了温度よりも高くすることができる。
なお、ここでいう焼成収縮の開始温度とは、対象とする材料を単独で焼成した時に、0.5%体積収縮したときの温度をいう。また、焼成収縮の終了温度とは、焼成前の状態から焼成終了後の状態までの収縮量に対し90%以上体積収縮したときの温度をいう。体積収縮はTMA(熱機械分析)の線収縮から体積収縮に換算して決定される。
例えば、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15として、SiOを10〜30質量%と、Alを1〜9質量%と、MgOを5〜30質量%と、BaOを21〜35質量%と、Bを10〜30質量%と、Y、CaO、SrO、ZnO、TiO、NaO、SnO、P、ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなるガラス粉末を40〜90質量%と、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、BaTi、SrTiO、ZrO、TiO、AlNおよびSiから選ばれる少なくとも1種を含むセラミックフィラーを10〜60質量%とからなる原料粉末が採用される。例えば、この第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15の焼成収縮開始温度は600〜650℃、焼成収縮終了温度は750〜800℃に設定される。
また、第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24として、SiOを20〜60質量%と、Alを10〜25質量%と、MgOを8〜35質量%、BaOを10〜20質量%と、B、Y、CaO、SrO、NaO、SnO、P、ZrOおよびLiOから選ばれる少なくとも1種を0〜20質量%とからなるガラス粉末を30〜100質量%と、Al、SiO、MgTiO、CaZrO、CaTiO、BaTi、SrTiO、ZrO、TiO、AlN、Siから選ばれる少なくとも1種を含むセラミックフィラーを0〜70質量%とからなる原料粉末が採用される。例えば、この第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24の焼成収縮開始温度は750〜800℃、焼成収縮終了温度は900〜950℃に設定される。ただし、第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24の焼成収縮開始温度は、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15の焼成収縮終了温度よりも高く設計される。
これらの原料粉末に、焼成途中で容易に揮発する有機バインダー、有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化する。このスラリーを用いて、リップコーター法やドクターブレード法などによってテープ成形を行い、所定寸法に切断して、厚み5μm〜100μmの第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15および第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24を作製する。
次に、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15および第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24に、パンチングなどによって貫通孔を形成する。そして、貫通孔内に焼成後に貫通導体となる貫通導体用ペースト3を充填する。
貫通導体用ペースト3としては、平均粒径1〜5μmのAg粉末を主成分とし、これに有機バインダーおよび有機溶剤を混合し、粘度や印刷条件を調整したものが用いられる。なお、貫通導体用ペースト3には、電気抵抗を劣化させない範囲で、他の金属、酸化物、ガラス、セラミックス等の無機成分が含まれていても良い。
充填には、貫通導体形成位置に相当する箇所に穿孔されたメタルマスク、あるいは、エマルジョンメッシュスクリーンマスクを用いて、スクリーン印刷する方法を用いる。ここで、通常のポリウレタン製等の板状(あるいは剣状)のスキージを用いる方法でもよく、ペースト押し出し式のスキージヘッドを用いて貫通孔に加圧注入する方法でもよい。このとき、貫通導体用ペースト3がガラスセラミックグリーンシートの表面から突出するように過充填する。その後、必要に応じて突出した貫通導体用ペースト3をプレスして、貫通孔に押し込む。
さらに、第1のガラスセラミックグリーンシートおよび第2のガラスセラミックグリーンシートの少なくとも一方の一方主面に、配線層用導体ペーストとしてのAg導体ペーストによる配線パターン4やキャパシタ形成電極用導体ペーストとしてのAg導体ペーストによるキャパシタ形成用電極パターン5をスクリーン印刷法などによって形成する。配線パターン4やキャパシタ形成用電極パターン5は、貫通導体用ペースト3に含まれるAg粉末と同じかまたはこれよりも小さい粒子径のAg粉末を主成分とするのが好ましい。なお、配線パターン4やキャパシタ形成用電極パターン5の焼成収縮開始温度は700〜750℃で、Agの拡散しやすくなる温度域は800〜850℃である。
次に、貫通孔に貫通導体用ペースト3が充填され、少なくとも一方主面に配線パターン4やキャパシタ形成用電極パターン5の形成された第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14、15および第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24を所定の配置に積層してガラスセラミックグリーンシート積層体7を作製する。
ここで、図2に示すように、一対のキャパシタ形成用電極パターン5を、互いに対向する側の面が第1のガラスセラミックグリーンシート13、14と接するように配置することが重要である。
このように配置することにより、一対のキャパシタ形成用電極パターン5から互いに対向する側(キャパシタ形成領域側)の第1のガラスセラミックグリーンシート13、14へのAgの拡散を抑制することが可能となる。
Agの拡散が起こると、ガラスセラミック絶縁層(ガラスセラミックグリーンシートの焼成後の状態)の材料特性が変化する。特に、異なる層間に設けられた配線層(配線パターンの焼成後の状態)によって形成された内臓キャパシタのキャパシタ特性は、ガラスセラミック絶縁層の材料特性の変化を受けて大きく変化してしまう。
これに対し、キャパシタを形成するために対向する一対のキャパシタ形成用電極パターン5のそれぞれの互いに対向する側の面が第1のガラスセラミックグリーンシート(図1では第1のガラスセラミックグリーンシート13と第1のガラスセラミックグリーンシート14)と接するように配置することで、後述の焼成によるAgの拡散によるキャパシタ特性のばらつきを抑制することができる。
すなわち、第1のガラスセラミックグリーンシート11、12、13、14の焼成収縮終了温度は750〜800℃であり、かなりの量のAgが拡散する温度域が800〜850℃であることから、すでに焼成収縮を終了してほぼ緻密化し、ガラス相が少なくなっている第1のガラスセラミック絶縁層(第1のガラスセラミックグリーンシート13、14の焼成後の状態)にはAgが拡散し難いからである。
ここで、前記キャパシタ形成用電極パターンを前記第1のガラスセラミックグリーンシート同士を積層した層間に配置していることが好ましい。
なお、図3に示すように、キャパシタ形成用電極パターン5を、第1のガラスセラミックグリーンシート同士(第1のガラスセラミックグリーンシート16と第1のガラスセラミックグリーンシート17)を積層した層間に挟むように積層してガラスセラミックグリーンシート積層体7を作製するのが好ましい。このような配置にすることで、キャパシタ形成用電極パターン5から上下の第1のガラスセラミックグリーンシート16、17へのAgの拡散を抑制することができる。さらに、キャパシタ形成用電極パターン5のみならず、層間に配置される全ての配線パターン4を、第1のガラスセラミックグリーンシート同士を積層した層間に挟むように積層してガラスセラミックグリーンシート積層体を作製することで、キャパシタ特性のみならず、他の電気特性についてもばらつきのないものとすることができる。
最後に、ガラスセラミックグリーンシート積層体7を第2のガラスセラミックグリーンシート21、22、23、24が焼成収縮する温度で焼成する。
成形のために配合した有機バインダー成分を除去するため、大気中で500℃前後までガラスセラミックグリーンシート積層体7の界面の剥離がないように昇温し、必要に応じて500℃前後にて保持する。続いて、大気中で700〜950℃まで再度昇温し、焼成の最高温度にて0.2〜10時間、特に0.5〜5時間焼成する。
なお、この工程の後、必要に応じてNi−AuめっきやCu−Auめっき、Snめっき等のめっき処理を行う。
以上の製造方法によって作製された多層配線基板は、キャパシタ形成用電極パターン5からキャパシタ形成領域側の第1のガラスセラミックグリーンシート12、13へのAg拡散が抑制され、キャパシタ特性のばらつきが抑制されたものとなる。
さらに、前記キャパシタ形成用電極パターン5を第1のガラスセラミックグリーンシート16と第1のガラスセラミックグリーンシート17とで挟むように積層してガラスセラミックグリーンシート積層体7を作製することで、キャパシタ形成用電極パターン5から上下の絶縁層へのAgの拡散を抑制することができる。なお、図1中、符号6は接続パットである。
まず、第1のガラスセラミックグリーンシートを形成するために、23.8質量%のSiO、8.4質量%のAl、15.4質量%のMgO、26.5質量%のBaO、17.9質量%のB、4.9質量%のCaO、0.4質量%のSrO、1.0質量%のSnO、1.7質量%のZrOからなる60質量%のガラス粉末と、40質量%のAlフィラーとから構成されるガラスセラミック材料Aを用意した。
また、第1のガラスセラミックグリーンシートを形成するために、24.9質量%のiO、8.8質量%のAl、16.1質量%のMgO、27.8質量%のBaO、14.0質量%のB、5.1質量%のCaO、0.4質量%のSrO、1.0質量%のSnO、1.8質量%のZrOからなる60質量%のガラス粉末と、40質量%のAlフィラーとから構成されるガラスセラミック材料Bを用意した。
一方、第2のガラスセラミックグリーンシートを形成するために、43.3質量%のSiO、12.9質量%のAl、18.0質量%のMgO、14.1質量%のBaO、7.5質量%のB、1.0質量%のY、1.7質量%のCaO、0.5質量%のSrO、1.0質量%のZrOからなる60質量%のガラス粉末と、40質量%のAlフィラーとから構成されるガラスセラミック材料Cを用意した。
これらのガラスセラミック材料A、B、Cに、アクリル有機バインダー、可塑剤、有機溶剤を添加して、スラリーを作製し、ドクターブレード法により薄層化し、第1のガラスセラミックグリーンシートA、第1のガラスセラミックグリーンシートB、第2のガラスセラミックグリーンシートCを作製した。このとき、第1のガラスセラミックグリーンシートAおよび第1のガラスセラミックグリーンシートBの厚みを10μmまたは20μmに形成し、第2のガラスセラミックグリーンシートCの厚みを30μmに形成した。また、第1のガラスセラミックグリーンシートAの焼成収縮開始温度は約625℃、焼成収縮終了温度は約740℃であり、第1のガラスセラミックグリーンシートBの焼成収縮開始温度は約700℃、焼成収縮終了温度は約795℃、第2のガラスセラミックグリーンシートCの焼成収縮開始温度は約800℃、焼成収縮終了温度は約900℃である。
次に、平均粒径が5.0μmのAg粉末を準備し、Ag粉末100質量部に対して、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを12質量部添加し、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混錬して貫通導体用ペーストを作製した。そして、上記の第1のガラスセラミックグリーンシートA、第1のガラスセラミックグリーンシートBおよび第2のガラスセラミックグリーンシートCに、直径90μmの貫通孔をレーザによって形成し、上記の貫通導体用ペーストをスクリーン印刷法によりこの貫通孔に充填した。
次に、平均粒径が2.5μmのAg粉末を準備し、Ag粉末100質量部に対して、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを0.5または10質量部添加し、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混錬してキャパシタ形成用電極パターン用のAg導体ペーストを作製した。なお、上記ガラスを0.5質量%添加したAg導体ペーストをAg導体ペーストX、上記ガラスを10質量%添加したAg導体ペーストをAg導体ペーストYとした。得られたAg導体ペーストを用いて、スクリーン印刷法により、キャパシタ形成用電極パターンを印刷形成した。なお、Ag導体ペーストYはAg導体ペーストよりも50℃焼成収縮の開始が遅いものである。
また、平均粒径が5.0μmのAg粉末を準備し、Ag粉末100質量部に対して、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを1質量部添加し、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混錬して多層配線基板の表面に設けられる接続パッド用のAg導体ペーストを作製し、スクリーン印刷法により、接続パッドを形成した。
その後、図1に示すように、これらのガラスセラミックグリーンシート(第1のガラスセラミックグリーンシートAと第2のガラスセラミックグリーンシートC、または第1のガラスセラミックグリーンシートBと第2のガラスセラミックグリーンシートC)を所定の配置で積層し、ガラスセラミックグリーンシート積層体を作製した後、大気中400℃で脱バインダー処理し、さらに、大気中910℃で焼成して多層配線基板を作製した。
ここで、図2に示すように、一対のキャパシタ形成用電極パターン5を、互いに対向する側の面が第1のガラスセラミックグリーンシート13、14と接するように配置することが重要である。
得られた多層配線基板について、上側の電極層(キャパシタ形成用電極パターン)と下側の電極層(キャパシタ形成用電極パターン)とで形成されるキャパシタ形成領域の間のガラスセラミック絶縁層(第1のガラスセラミックグリーンシートA、Bまたは第2のガラスセラミックグリーンシートC)へのAg拡散量をX線マイクロアナライザー(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)で測定した。具体的には、上側の電極層(キャパシタ形成用電極パターン)の下側(キャパシタ形成領域側)の面に接するガラスセラミック絶縁層(表ではガラスセラミックグリーンシートと表示)における上側の電極層(キャパシタ形成用電極パターン)との界面から1μm離れた50μm×50μmのエリアをAg拡散量測定エリアとし、下側の電極層(キャパシタ形成用電極パターン)の上側(キャパシタ形成領域側)の面に接するガラスセラミック絶縁層(表ではガラスセラミックグリーンシートと表示)における下側の電極層(キャパシタ形成用電極パターン)との界面から1μm離れた50μm×50μmのエリアを拡散量測定エリアとした。なお、Ag拡散量が3.0質量%以下を良品と判断した。その結果を表1に示す。
Figure 2010232255
表1によれば、本発明の多層配線基板の製造方法により形成された試料No.2、4、5では、Ag拡散量が3.0質量%以下であり、安定したキャパシタ特性を有する(ばらつきを低減する)ことがわかる。
これに対し、本発明範囲外である試料No.1、4については、Ag拡散量が10.3質量%以上であり、安定したキャパシタ特性を有する(ばらつきを低減する)ことができない。
なお、焼成収縮開始温度がAg導体Xと比較して高温側に50℃シフトしたAg導体Yにおいては、Ag拡散量は若干抑制できるが、大きくは変化せず、ガラスセラミックグリーンシートの配置に大きく依存していることがわかる。
11、12、13、14、15、16、17:第1のガラスセラミックグリーンシート
21、22、23、24:第2のガラスセラミックグリーンシート
3:貫通導体用ペースト
4:配線パターン
5:キャパシタ形成用電極パターン
6:接続パッド
7:ガラスセラミックグリーンシート積層体

Claims (2)

  1. 第1のガラスセラミックグリーンシートと、該第1のガラスセラミックグリーンシートの焼成収縮の終了温度よりも焼成収縮の開始温度が高い第2のガラスセラミックグリーンシートとが複数積層されるとともに、層間にAg導体ペーストによる一対のキャパシタ形成用電極パターンの形成されたガラスセラミックグリーンシート積層体を作製し、該ガラスセラミックグリーンシート積層体を前記第2のガラスセラミックグリーンシートが焼成収縮する温度で焼成する多層配線基板の製造方法であって、一対の前記キャパシタ形成用電極パターンを、互いに対向する側の面が前記第1のガラスセラミックグリーンシートと接するように配置したことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  2. 前記キャパシタ形成用電極パターンを前記第1のガラスセラミックグリーンシート同士を積層した層間に配置したことを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板の製造方法。
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