JP4416342B2 - 回路基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部導体層を具備する回路基板において、平面方向での焼成収縮を抑制するとともに、焼成に伴うクラックの発生を防止した回路基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、強度の弱い絶縁層を強度の強い絶縁層で補強するためや回路基板の中に容量値の高いキャパシタを内蔵するために、絶縁層と、この絶縁層とは異なる材料からなる異種材料絶縁層を積層した回路基板が知られている(例えば、特開昭59−194493号公報参照)。
【0003】
また、25th INTERNEPCONJAPAN’96 electrotest’ 96 Conference and Exhibition Japan CONNECTOR JZPAN’96 SEMINAR R8の活発化する高周波部品の動向「移動体通信機器用セラミック多層機能基板」、あるいはElectronic Monthly 1996.8 「多層セラミック基板の新しい展開」においては、異種材料を同時に焼成して一体化する回路基板が記載されている。
【0004】
これらの文献には、比誘電率6.1、5GHzでのQ値が300のBaO−Al23−SiO2系組成物からなる第1絶縁層と、比誘電率1500、誘電損失2.5%の高誘電率のBaTiO3系誘電体材料とBaO−CaO−B23−SiO2系ガラスからなる第2絶縁層材料とを同時焼成した基板や、比誘電率7.1MHzでのQ値が1700程度のSr系ガラスとAl23からなる第1絶縁層と、比誘電率10000、誘電損失0.5%の鉛系ペロブスカイト型誘電体材料からなる第2絶縁層材料とを同時焼成した基板が開示されている。
【0005】
そして、これらの文献には、異種材料からなる絶縁層を同時焼成によって一体化する為の必要条件として、異種材料同士の焼成収縮挙動が一致することが重要であると記載されている。
【0006】
一方、近年においては、回路基板の低コスト化や、回路基板上に形成された電極の寸法精度向上のため、焼成時のx−y方向における回路基板の収縮率を小さくすることが要求されており、上記従来の回路基板では、この要求を達成することができなかった。
【0007】
このような要求を満足するため、近年では、未焼成のセラミック絶縁層の積層体に対して、Al23焼結板を介して加圧しながら焼成して厚み方向への焼成収縮を増大させる加圧焼成法や、積層体の表面に、該積層体の焼成温度では焼結しない未焼成セラミック板を接着して焼成することによって積層体の収縮を未焼成セラミック板によって拘束し、厚み方向にのみ収縮させた後、未焼成セラミック板を削り取る方法(第2554415等)が開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の加圧焼成法では、反りのないAl23焼結板が必要であるとともに特殊な加圧手段が必要であった。また、未焼成セラミック板によって拘束する方法では、焼成終了後に未焼成セラミック板を削り取る必要があるために製造工数が増える、という問題があった。
【0009】
そこで、特開平2001−15875号には、焼成収縮開始温度の異なる2種のセラミック成形体を積層して同時焼成することによって焼成の収縮による寸法変化を抑制することが提案されている。
【0010】
しかしながら、かかる構造の回路基板においては、焼成収縮挙動が異なる絶縁層間に配設される導体層のパターンによっては界面付近が剥離したり、界面付近の絶縁層にクラックが生じるなどの問題があった。特に、異種材料を積層した回路基板においては、一方のセラミック材料を高誘電率系セラミックスによって構成することが多いが、この場合、この高誘電率をコンデンサとして機能させるために、高誘電率層の両側、即ち、低誘電率層との界面に、面積の大きい電極を形成した場合にその傾向が顕著であった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みて案出されたものであり、その目的は、焼成収縮挙動が異なる絶縁層が積層され、その絶縁層の界面に導体層が形成された回路基板において、界面付近での剥離やクラックの発生を防止することのできる回路基板とその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題に対して検討を重ねた結果、焼結挙動が異なる2つの絶縁層間の界面に導体層を形成する場合、その導体層の総面積を所定の比率以下に小さくすることによって、クラックや剥離の発生を防止することができることを見いだし本発明に至った。
【0013】
即ち、本発明の回路基板は、焼成収縮挙動が異なる2種以上のセラミック絶縁層を積層してなる絶縁基板を具備する回路基板において、前記焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層が接する界面に内部導体層が配設されており、前記界面のそれぞれにおける前記内部導体層の総面積が前記界面の全面積の50%以下であることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の回路基板の製造方法によれば、焼成収縮挙動が異なる2種以上の未焼成のセラミック絶縁層の界面に、導電性ペーストを塗布してなる内部導体層を形成した積層体を作製した後、該積層体の平面方向の収縮を抑制しながら焼成する回路基板の製造方法において、焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層が接する前記界面のそれぞれおける前記内部導体層の総面積が前記界面全面積の50%以下であることを特徴とするものである。
【0015】
なお、本発明においては、上記焼成収縮挙動が異なる2種以上のセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度が異なること、また、焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層が接する界面が2箇所以上存在することが互いの絶縁層の焼成収縮を抑制する上で望ましい。また、界面に配設された内部導体層の厚みは、30μm以下であることがクラックや剥離の発生を抑える上で望ましい。
【0016】
また、焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層の比誘電率が異なり、高誘電率のセラミック絶縁層の両側に電極導体層を形成してコンデンサとして機能させることが望ましい
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による回路基板の一例の概略断面図を示すもので、図1において、回路基板10は、セラミック絶縁層1a〜1gが積層されたセラミック絶縁基板1と、絶縁基板1の表裏面に形成された表面導体層2、基板1の内部に形成された内部導体層3、導体層間を接続するためのビアホール導体4を有する。
【0018】
セラミック絶縁基板1は、焼成収縮挙動が異なる2種以上のセラミック絶縁層によって形成されて、この図1の回路基板では、セラミック絶縁層1a〜1gのうち、セラミック絶縁層1a,1gが、他のセラミック絶縁層1b〜1fと収縮開始温度が異なるセラミック材料から形成されている。
【0019】
さらに具体的には、上記セラミック絶縁層1a,1gと、セラミック絶縁層1b〜1fとは、収縮開始温度が異なり、セラミック絶縁層1a,1gは、収縮開始温度が低いセラミック材料によって形成され、また他のセラミック絶縁層1b〜1fは収縮開始温度が高いセラミック材料によって形成されている。
【0020】
また、上記図1の回路基板においては、セラミック絶縁層1a、1gは、他のセラミック絶縁層1a、1b、1d,1eよりも高誘電率を有し、そのセラミック絶縁層1a、1gと他のセラミック絶縁層1b、1dとの界面には、セラミック絶縁層1a、1gから所定の静電容量を取り出すための一対の電極導体層5が形成されている。
【0021】
また、本発明の上記の回路基板10は、焼成収縮挙動が異なる、特に焼成収縮開始温度が異なる2種以上のセラミック絶縁層1a〜1gの積層構造によって、焼成収縮開始温度が低温側のセラミック絶縁層1a、1gが焼結収縮する時、未収縮の高温側のセラミック絶縁層1b〜1fが平面方向の収縮を抑制し、高温側のセラミック絶縁層1b〜1fが焼成収縮する時、焼成によって収縮が完了した低温側のセラミック絶縁層1a、1gによって平面方向の収縮が抑制される結果、回路基板全体として平面方向の収縮が抑制された高寸法精度の回路基板が得られる。
【0022】
このような回路基板10において、本発明によれば、焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層の界面、即ち、セラミック絶縁層1aとセラミック絶縁層1bとの界面に存在する内部導体層3セラミック絶縁層1gとセラミック絶縁層1fとの界面に存在する内部導体層3が、いずれもその総面積が界面全面積の50%以下、特に30%以下であることが重要である。
【0023】
即ち、焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層1a、1gと、セラミック絶縁層1b、1fが接する界面では互いに平面方向への焼成収縮を拘束し合うことによって平面方向の収縮率が小さくなるので寸法精度の向上が図れる。
【0024】
しかしながら、セラミック絶縁層1a、1gとセラミック絶縁層1bや1fが導体層3、3によって隔たれた部分では、両セラミック絶縁層1a−1b1g−1f同士の拘束力が極端に低下し、互いの界面での拘束力との差によって電極導体層5の端部からセラミック絶縁層1a、1g、1b、1fにクラックが発生するなどの問題が生じ易くなる。そこで、前記したように内部導体層3、3のそれぞれの界面における総面積をその界面の全面積の50%以下にすることで互いの拘束力を高め、このような構造欠陥を抑制することができる。
【0025】
また、この内部導体層3a、3bの厚みは30μm以下、特に25μm以下であることが望ましい。これは、界面に存在する内部導体層3a、3bの厚みが厚くなりすぎると、内部導体層3a、3b自体が、金属粉末を含む導体ペースト等から形成されている場合、内部導体層3a、3b自体が収縮し、その厚みが大きいほど収縮も大きくなる結果、収縮が抑制された絶縁層間で応力が発生し、内部導体層3a、3bの剥離や絶縁層間の剥離を引き起こすおそれがあるためである。
【0026】
また、両セラミック絶縁層1a−1b,1g−1f同士の拘束力を高める上では、界面の導体層3、3は、セラミック絶縁層1a、1b、1g、1fの周縁から1mm以上、特に2mm以上内側領域に形成することが望ましい。これは、焼成収縮挙動が異なる2つの絶縁層が周縁部で互いに結合することができるために、焼成収縮抑制効果を均一化することができるために、クラックなどの発生をさらに防止することができる。
【0027】
なお、焼成収縮挙動が異なる2種のセラミック材料A、Bの積層順序は、図1の回路基板では、ABBBBBAにて積層したが、ABABAB、AAABAAA,AABBBAA,AABABAA,AABBAAA,ABAAAAのいずれでもよく、また、AとBとを反対に入れ換えてもよい。ただし、焼成収縮挙動の異なる絶縁層同士が接する界面が1箇所では、拘束力の偏在によって回路基板に反りが発生する場合があるために、界面が2箇所以上、特に偶数箇所に存在することが望ましい。または界面が2箇所以上存在する場合、回路基板の厚み中心に対して対照的な位置に界面が存在することが望ましい。
【0028】
本発明におけるセラミック材料は、図1の回路基板10においては、一方のセラミック絶縁層1a、1gは、低誘電率のセラミック材料である場合について説明したが、このセラミック材料は、絶縁体、誘電体、磁性体のいずれでも良く、焼成収縮挙動が異なるセラミック材料は、例えば異なる組成のセラミック材料であってもよく、組成が全く同一であってセラミック粒子の粒度分布や比表面積が異なるセラミック材料であってもよい。特に組成が異なることが最も焼成収縮挙動の制御が容易であり、あらゆる要求特性に対応できる。また、この焼成収縮挙動が異なるセラミック材料は、焼成収縮挙動が異なるものであればかまわないが、特に少なくとも焼成収縮開始温度が異なることが望ましい。なお、焼成収縮挙動が異なる2種以上のセラミックスは、例えば、焼結収縮挙動の相違のみならず、目的に応じて、比誘電率が異なる、強度が異なる、誘電損失が異なるなどの他の特性が異なっていてもよい。
【0029】
また、図1の回路基板10に形成される表面導体層2、内部導体層3、ビアホール導体4、電極導体層5は、導体層としてはCu、Ag、Alの群から選ばれる少なくとも1種の低抵抗金属からなることが高速伝送化を図る上で望ましく、またセラミック絶縁層と同時焼成して形成されることが望ましい。
【0030】
そのために、セラミック絶縁層は、1000℃以下の低温で焼成可能なセラミック材料、とりわけ、大気中で焼成できるAgと同時焼成が可能な960℃以下、特に920℃以下で焼成が可能なセラミック材料が良い。
【0031】
上記のような低温焼成セラミック材料としては、ガラス粉末系、ガラス粉末とセラミック粉末との混合粉末系、酸化物粉末混合系などの周知の低温焼成セラミック材料が用いられる。なお、上記ガラスとしては、非晶質ガラス、結晶化ガラスのいずれでもよい。
【0032】
例えば、ガラス粉末50〜100重量部とセラミック粉末0〜50重量部からなることが望ましい。ガラス粉末の具体的な組成例としては、必須成分として、SiO220〜70重量部、Al230.5〜30重量部,MgO3〜60重量部、任意成分として、CaO0〜35重量部、BaO0〜30重量部、SrO0〜30重量部、B230〜20重量部、ZnO0〜30重量部、TiO20〜10重量部、Na2O0〜3重量部、Li2O0〜5重量部を含むものが挙げられる。
【0033】
また、セラミック粉末としては、Al23,SiO2,MgTiO3,CaZrO3,CaTiO3,Mg2SiO4,BaTi49,ZrTiO4,SrTiO3,BaTiO3,TiO2から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0034】
上記組成のガラス粉末とセラミック粉末との組み合わせによれば、1000℃以下での低温焼結が可能となるとともに、導体層として、Cu、Ag、Alなどの低抵抗導体を用いて形成することが可能となり、また、低誘電率化も可能であり、高速伝送化に適している。しかも、上記の範囲で種々組成を制御することによって、焼成収縮挙動を容易に制御、変更することができる。
【0035】
本発明の回路基板の製造方法についてより具体的に説明すると、上記焼成収縮挙動が異なる2種以上のセラミック材料、たとえば焼成収縮開始温度が低い(SA℃)セラミック材料Aと、焼成収縮開始温度が高い(SB℃)セラミック材料Bを準備し、各セラミック材料を用いてグリーンシートA、Bを作製する。グリーンシートA,Bは、所定のセラミック粉末組成物と有機バインダーと有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化する。このスラリーを用いてドクターブレード法などによりテープ成形を行い、所定寸法に切断しグリーンシートを作製する。
【0036】
次に、このグリーンシートA,Bにパンチングなどによって貫通孔を形成し、その貫通孔内に導体ペーストを充填し、表面導体層や内部導体層および電極導体層を導体ペーストを用いてスクリーン印刷法などによって被着形成する。その際に、焼結収縮挙動が異なるシート間に配設される内部導体層については、その総面積が50%以下、特に30%以下になるようにパターンの面積調整する。
【0037】
このようにして得られた各グリーンシートA,Bを、所定の積層順序に応じて積層して積層成形体を形成した後、焼成する。
【0038】
また、積層成形体の製造方法としては、所定の基板表面にセラミックペーストおよび導体ペーストを順次塗布することにより積層化したり、セラミック材料と光硬化性樹脂を含有するスリップ材を塗布乾燥し、露光、硬化、現像を行い、さらに前記スリップ材を塗布乾燥、露光、硬化、現像を繰り返して積層成形体を作成しても良い。この場合に、必要に応じて現像して絶縁層成形体に形成された貫通孔内に導電性ペーストを充填したり、絶縁層成形体表面に導体ペーストを用いて内部導体層を形成してもよい。
【0039】
焼成にあたっては、まず、収縮開始温度が低いシートAの収縮開始温度SAに到達後、徐々に昇温するか、焼成収縮開始温度SAよりも高く、シートBの焼成収縮開始温度SBよりも低い温度で、一次的に炉内温度を保持してシートAを焼成収縮させる。この時、シートAは、その温度で焼成収縮しないシートBによってx−y方向への収縮が抑制されz方向に焼成収縮する。
【0040】
その後、シートAの焼結が進行し、望ましくは最終焼成体積収縮量の90%以上収縮した後、シートBの焼結開始温度SB以上に昇温して焼成する。この焼成によって、シートBは、焼結がほぼ完了したシートAによってx−y方向への焼成収縮が抑制されz方向に焼成収縮する。その結果、シートAおよびシートBともにx−y方向への焼成収縮が抑制されz方向に焼成収縮した、寸法精度の高い基板を作製することができる。
【0041】
【実施例】
以下の方法により、図1の構造の回路基板を作製した。
まず、SiO2−Al23−MgO−ZnO−BaO−B23ガラス粉末82重量%と、平均粒径が約1μmのSiO2粉末18重量%からなるセラミック材料A(焼成収縮開始温度760℃、比誘電率6.5)と、モル比で0.92MaTiO3−0.08CaTiO3の主成分100重量部に対して、B2314重量部、Li2CO37重量部、SiO20.01重量部、BaO1.6重量部、Al230.5重量部、MnO21.5重量部からなる平均粒径が約1μmのセラミック材料B(焼成収縮開始温度850℃、比誘電率19)を準備した。このセラミック材料A、Bに対して各々バインダー等を混練したスラリーをドクターブレード法にてグリーンシートA,Bに加工した。
【0042】
層構成は、▲1▼ABBBBBB、▲2▼ABBBBBA、▲3▼ABABABAの3種として、各シートに貫通孔を形成し、その貫通孔内にAg粉末を含む導体ペーストを充填した。そして、各グリーンシートの表面に上記の導体ペーストを用いて表面導体層、内部導体層および電極導体層を印刷形成した。これらのグリーンシートを位置合わせした後、積層して、大気中にて900〜930℃で焼結一体化した。
【0043】
一方、比較として▲4▼AAAAAA,▲5▼BBBBBBの層構成のものについて同様な導体層を形成し回路基板を作製した。
【0044】
なお、ここで、各シートの厚みはすべて0.10mmとした。また、シートAとシートB間に位置する導体層の面積を表1の比率で制御した。また、各シートの導体層の形成は、シートの周縁から2mm以上内側の領域に形成した。
【0045】
作製した回路基板に対して平面方向の収縮率(x方向、y方向の収縮率の平均値)と、クラックの有無、回路基板全体の反り量を評価した。
【0046】
ここで、反り量は、回路基板(100mm角)について表面粗さ計で基板表面の表面粗さを測定し、最大、最小の差を反りとして評価した。
【0047】
また、クラックについては回路基板の側面、表面、あるいは研磨して研磨面を金属顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)によって、シートA,シートB界面の剥離や界面付近でのクラックの有無を調べた。
【0048】
これらの結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004416342
【0050】
表1に示したこれらの結果から、本発明に界面に位置する導体層の面積比率が50%を超える試料No.5、10、17では、クラックあるいはデラミネーションが生じた。これに対して、面積比率を50%以下にすることによって、クラックやデラミネーション(層間剥離)の発生がなく、また反り(平坦性)も小さく、焼成収縮率も小さく出来ることが判る。特に、界面を2箇所以上、対照位置に形成した層構成2および層構成3では特に焼成収縮も小さく反りも小さいものであった。なお、導体層面積比率が70%の試料No.4、No.9および試料No.16は参考例である。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、例えば焼成収縮開始温度といった焼成収縮挙動が異なる2種以上のセラミック絶縁層を積層してなり、そのセラミック絶縁層の界面に配設される内部導体層の面積を小さくすることによって、クラックや界面での剥離の発生を防止することができる。その結果、焼成収縮挙動の相違を利用した寸法精度の高い回路基板を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック回路基板の一例を示す概略断面図を示す。
【符号の説明】
10・・・回路基板
1・・・絶縁層
2・・・表面導体層
3・・・内部導体層
4・・・ビアホール導体

Claims (7)

  1. 焼成収縮挙動が異なる2種以上のセラミック絶縁層を積層してなる絶縁基板を具備する回路基板において、前記焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層が接する界面に内部導体層が配設されており、前記界面のそれぞれにおける前記内部導体層の総面積が前記界面の全面積の50%以下であることを特徴とする回路基板。
  2. 前記焼成収縮挙動が異なる2種以上のセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度が異なることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
  3. 前記焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層が接する界面が2箇所以上存在することを特徴とする請求項1または請求項2記載の回路基板。
  4. 記内部導体層の厚みが30μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の回路基板。
  5. 焼成収縮挙動が異なる2種以上の未焼成のセラミック絶縁層の界面に、導電性ペーストを塗布してなる内部導体層を形成した積層体を作製した後、該積層体の平面方向の収縮を抑制しながら焼成する回路基板の製造方法において、焼成収縮挙動が異なるセラミック絶縁層が接する前記界面のそれぞれおける前記内部導体層の総面積が前記界面全面積の50%以下であることを特徴とする回路基板の製造方法。
  6. 前記焼成収縮挙動が異なる2種以上の未焼成のセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度が異なることを特徴とする請求項記載の回路基板の製造方法。
  7. 前記積層体中に、焼成収縮挙動が異なる未焼成のセラミック絶縁層が接する界面が2箇所以上存在することを特徴とする請求項または請求項6記載の回路基板の製造方法。
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