JP2006093484A - コンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板 - Google Patents

コンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 高容量で安定した容量をもつ内蔵コンデンサが形成可能なコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板を提供すること。
【解決手段】 ガラスおよびフィラーを含有するガラスセラミックス焼結体から成る絶縁基体11a、11bの間に、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層12a〜12c及びその上下に積層された金属粉末の焼結体から成る金属層13a〜13dから成るコンデンサ部が形成されており、誘電体層12a〜12cは、チタン酸バリウムを主成分とする平均粒径が0.3μm以下のペロブスカイト化合物粉末と軟化温度が400℃乃至600℃のガラス粉末との焼結体から成り、焼結体におけるペロブスカイト化合物の体積比率が90体積%以上であり、絶縁基体11a、11bと誘電体層12a,12cとの間に形成された金属層13a,13dは、AgまたはCuを95体積%以上含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ガラスセラミックス焼結体から成る絶縁層の内部にコンデンサ部を内蔵したコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板に関する。
従来、携帯電子機器や携帯用情報端末等の分野では、半導体素子を実装した多層配線基板と共に、受動部品として抵抗体,コンデンサ,インダクタ等をプリント回路基板等の基板上に実装したモジュール基板が用いられてきた。このような多層配線基板には比抵抗の小さいAg,Cu等の低融点金属と同時焼成が可能なガラスセラミック多層配線基板等が用いられている。
しかし近年、このような携帯電子機器や携帯用情報端末等に用いられる部品の小型化、複合化、高性能化が強く求められており、半導体素子を実装する多層配線基板の内部に受動部品に相当する機能を有する電子回路素子を内蔵させて、半導体素子等と受動部品とを高密度で実装した部品の集積化の流れが進んでいる。これらの受動部品を多層配線基板の内部に取り組むことは、多層配線基板表面にこれら受動部品の実装スペースを確保する必要をなくし、また設計の自由度も増すため、多層配線基板の小型化に寄与できることとなる。
例えば、コンデンサを内蔵したガラスセラミック多層配線基板1は、図1に示すように、絶縁基体2にチタン酸バリウム等の高誘電率を有する誘電体材料からなる誘電体層3及びその上下に金属粉末の焼結体からなる金属層4を形成し、金属層4と貫通導体5にて配線層6と接続した構造をとっている。
また、コンデンサを局所的に形成する必要がある場合、絶縁層を形成するガラスセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)に、誘電体材料からなる誘電体ペーストを部分的に塗布して誘電体層を形成し、その後、所望の導体パターンを形成したグリーンシートと、誘電体層を形成したグリーンシートとを積層して、誘電体層および導体パターンをグリーンシートと同時に焼成することで形成することもできる。
一般に、Ag,Cu等の低融点金属を配線導体として用いるガラスセラミック多層配線基板は800℃乃至1000℃で焼結させるが、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料の焼結温度は1200乃至1300℃であるため、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層をガラスセラミック多層配線基板に同時焼成で形成する場合、誘電材料の低温焼結化は不可欠であった。例えば、チタン酸バリウムの低温焼結化はチタン酸バリウム粒子の微粉化、焼結助剤としてガラスの微量添加することで行われている。
上田達也,「低温焼成多層基板、内蔵コンデンサ用高誘電率材料とその応用」ファインセラミックスレポート(Fine Ceramics Report),社団法人日本ファインセラミックス協会,1996年,第14巻,第8号,p.220〜222 亀原伸男、丹羽紘一,「CR複合基板」,ニューセラミックス,1995年,第1号,p.39〜44
しかしながら、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粉末は平均粒径で0.3μm以下の微粉化が達成されている反面、ガラス粉末の微粉化は平均粒径で約1μmが限界であり、かつその添加量は微量であるため、誘電体粉末とガラス粉末を十分混合した場合であってもガラスの偏析は避けられかった。その結果、局所的な誘電体焼結体の組成バラツキや異常成長粒の存在が避けられず、内蔵コンデンサの特性の安定化が困難であった。
また、焼結過程において絶縁基体と誘電体層間でガラス等の相互拡散が発生し、絶縁基体と誘電体材料が反応して、絶縁基体内部に空隙が発生したり、誘電体材料の比誘電率が大幅に低下し、絶縁基体の絶縁性の低下や、内蔵コンデンサの電気的な容量管理ができないという問題点があった。
また、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層とガラスおよびフィラーの焼結体からなる絶縁基体は、熱収縮特性が異なることから、この熱収縮特性の差に起因して絶縁基体と誘電体層との間で応力が発生する。その結果、絶縁基体内部にクラックが生じて、絶縁基体の絶縁性が低下するという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、ガラスの偏析を防止することによって、均一な組成で、誘電体焼結体中に組成ばらつきや異常成長粒がない誘電体層を形成することによって、高容量で安定した容量をもつ内蔵コンデンサが形成可能なコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板を提供することにある。さらに、絶縁基体と誘電体層を同時焼成する際、絶縁基体と誘電体層との間の熱収縮特性の差を緩和し、かつ絶縁基体と誘電体層の相互拡散を抑制することによって、高い絶縁信頼性をもつ絶縁基体と高容量の内蔵コンデンサが形成可能なコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板を提供することにある。
本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板(以下、コンデンサ内蔵基板ともいう)は、ガラスおよびフィラーを含有するガラスセラミックス焼結体から成る絶縁基体の内部に、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層およびその上下に積層された金属粉末の焼結体から成る金属層から成るコンデンサ部が形成されているコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板であって、前記誘電体層はチタン酸バリウムを主成分とする平均粒径が0.3μm以下のペロブスカイト化合物粉末と軟化温度が400℃乃至600℃のガラス粉末との焼結体から成るとともに、該焼結体における前記ペロブスカイト化合物の体積比率が90体積%以上であり、前記絶縁基体と前記誘電体層との間に形成された前記金属層は、AgまたはCuを95体積%以上含むことを特徴とする。
本発明において好ましくは、前記絶縁基体と前記誘電体層との間に形成された前記金属層は、厚みが10μm以上であることを特徴とする。
また、本発明において好ましくは、前記絶縁基体と前記誘電体層との間に形成された前記金属層は、平均粒径が2μm乃至5μmである、Ag粉末またはCu粉末の焼結体から成ることを特徴とする。
また、本発明において好ましくは、前記コンデンサ部は、前記コンデンサ部の上下面のそれぞれに誘電体拡散防止層およびメタライズ拡散防止層が順次積層されて形成されており、前記メタライズ拡散防止層は平均粒径が2μm乃至5μmである、Ag粉末またはCu粉末の焼結体から成ることを特徴とする。
また、本発明において好ましくは、前記誘電体層は、チタン酸バリウムを主成分とし、B,SiO,CaO,BaOおよびZnOを含むガラスとCuOとを含有しており、前記ガラスおよびCuOは、それぞれチタン酸バリウム100質量部に対する含有量が2乃至10質量部であることを特徴とする。
本発明のコンデンサ内蔵基板は、チタン酸バリウムを主成分とするペロブスカイト化合物粉末の平均粒径を0.3μm以下としたことから、一般的なガラスセラミック多層配線基板の焼成温度である800℃乃至1000℃でペロブスカイト化合物粉末の液相焼結が可能となる。これは、液相焼結の最終段階では、液相化したガラスに粒径が小さいペロブスカイト粉末が溶解し、粒径が大きいペロブスカイト粉末として析出することで粒成長が進行するが、ペロブスカイト化合物粉末の液相ガラスに対する溶解性はその粒径が小さい程大きくなるためである。
また、ガラス粉末の軟化温度を400℃乃至600℃としたことから、焼結前の誘電体層に含まれる有機バインダ成分の揮発分解が完了する400℃以上でペロブスカイト化合物粉末間に液相を生じる。このとき、ガラス量は体積比率で10体積%以下であることから、液相のガラスはペロブスカイト化合物粉末間に偏析する。しかし、ガラスの粘度は温度上昇に対し指数関数的に低下するため、一般的なガラスセラミック多層配線基板の焼成温度である800℃乃至1000℃の温度領域で、ペロブスカイト化合物粉末間を均一なガラスの液相で満たすことができる。その結果、誘電体層にガラスの偏析による局所的な組成のバラツキやペロブスカイト化合物粉末の異常成長粒のない誘電体層とすることができ、コンデンサ部の特性の安定化が可能となる。また、誘電体層は断面積で観察したとき、体積比で90体積%以上がペロブスカイト化合物粉末の焼結体としたことから、誘電体層の誘電率を高くすることができる。
さらに、絶縁基体と誘電体層との間に形成された金属層は、AgまたはCuを体積比率で95体積%以上含む低融点金属粉末の焼結体としたことから、金属層を700℃乃至900℃で緻密な焼結体とすることができる。これにより、絶縁基体と誘電体層との間のガラスの相互拡散を防止し、絶縁基体材料と誘電体材料との反応を抑えることができる。その結果、絶縁基体と誘電体層とが反応して、空隙が絶縁基体内部に発生したり、誘電体層の誘電率が大幅に低下することはない。従って、絶縁基体の絶縁信頼性を高く、コンデンサ部を高容量なものとすることができる。
また、本発明のコンデンサ内蔵基板は好ましくは、絶縁基体と誘電体層との間に形成された金属層の厚みを10μm以上としたことから、絶縁基体と誘電体層との間のガラスの相互拡散をより効果的に抑制し、かつ絶縁基体と誘電体層との熱膨張係数の差によって生じる応力を効果的に緩和することができる。その結果、コンデンサ部や絶縁基体にクラックがなく、高容量なコンデンサを内蔵したコンデンサ内蔵基板を得ることができる。
さらに、本発明のコンデンサ内蔵基板は好ましくは、絶縁基体と誘電体層との間に形成された金属層を、平均粒径が2μm以上である、Ag粉末またはCu粉末の焼結体としたことから、金属層の熱収縮特性を誘電体層の熱収縮特性より絶縁基体の熱収縮曲線側に近づけることができ、絶縁基体と誘電体層の熱収縮特性の差によって発生する応力を、絶縁基体と誘電体層との間に形成された金属層の熱収縮特性によって緩和することができる。
即ち、本発明のコンデンサ内蔵基板においては、誘電体層をペロブスカイト化合物粉末と軟化温度が400℃乃至600℃のガラス粉末との焼結体としたことから、焼結過程においてペロブスカイト化合物粉末間に液相化したガラスが濡れ広がる過程でペロブスカイト化合物粉末間に引力方向の力が働き、ペロブスカイト化合物粉末の再配列が生じることによって600乃至700℃から未焼結の誘電体層の収縮が開始される。この収縮開始温度は一般的なガラスセラミック焼結体の収縮開始温度より低く、絶縁基体と誘電体層との熱収縮特性の差によって発生する応力によって未焼結のため強度が低い絶縁基体の仮焼体にクラックが生じることがある。しかし、絶縁基体と誘電体層との間に形成された金属層の熱収縮特性を誘電体層の熱収縮特性より絶縁基体側に近づけることで、絶縁基体に発生する応力を緩和し未焼結の絶縁基体にクラックが発生することを防ぐことができる。また、金属層の熱収縮特性をガラス成分の添加でなく、金属粉末の粒径により制御することから、金属層に添加したガラス成分が拡散しペロブスカイト化合物粉末とガラス粉末からなる焼結体と金属層に添加したガラス成分とが反応して誘電体層の誘電率が大幅に低下することはない。
また、絶縁基体と誘電体層との間に形成された金属層を、平均粒径が5μm以下のAg粉末またはCu粉末の焼結体としたことから、金属層を700℃乃至900℃でより緻密な焼結体なり、誘電体層と絶縁基体の相互拡散を抑制することができる。その結果、絶縁基体の絶縁信頼性が高く、コンデンサ部の容量が高いコンデンサ内蔵基板を得ることができる。
また、本発明のコンデンサ内蔵基板は好ましくは、コンデンサ部の上下面のそれぞれに誘電体拡散防止層およびメタライズ拡散防止層が順次積層されていることから、絶縁基体から誘電体体層に対する拡散の影響をより一層小さくすることができる。その結果、コンデンサ部をより絶縁信頼性の高いものとすることができる。
さらに、本発明のコンデンサ内蔵基板は好ましくは、誘電体層は、チタン酸バリウムを主成分とし、B,SiO,CaO,BaOおよびZnOを含むガラスとCuOとを含有しており、ガラスおよびCuOは、それぞれチタン酸バリウム100質量部に対する含有量が2乃至10質量部であることから、誘電体層は800℃乃至1000℃の温度領域で緻密な焼結体となるため、コンデンサ部の容量を高くすることができる。
本発明のコンデンサ内蔵基板を添付図面に基づいて以下に詳細に説明する。
図2は本発明のコンデンサ内蔵基板の実施の形態の一例を説明する断面図である。本発明のコンデンサ内蔵基板10は、複数の絶縁層11a,11bを積層して成る絶縁基体11と、複数の誘電体層12a〜12cと、複数の金属層13a〜13dと、配線層14と、貫通導体15とを有している。
本発明のセラミック配線基板10における絶縁層11a,11bは、ガラス成分とセラミック粉末(セラミックフィラー)との焼結体から成る。このガラス成分としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)のガラス等が挙げられ、ガラス成分の軟化温度は750℃乃至950℃の範囲のものが選ばれる。また、セラミック粉末としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられる。
この絶縁層11a,11bの焼成前の生シートであるグリーンシートは、ガラス粉末およびセラミック粉末と、有機バインダ,有機溶剤,可塑剤等とを添加混合してスラリーとし、そのスラリーを用いてドクターブレード法やカレンダロール法を採用することによって成形する。上記有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
グリーンシートを成形するためのスラリーに用いられる有機溶剤としては、その有機溶剤とガラス粉末とセラミック粉末と有機バインダとを混練してグリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類,エーテル類,エステル類,ケトン類,アルコール類等から成るものが挙げられる。
以上のようにして作製したグリーンシートに、必要に応じて金型加工やレーザ加工,マイクロドリルやパンチング等の機械的加工により貫通孔を形成する。この貫通孔に、Ag,Cu,Ag−Pt,Ag−Pd等の金属粉末とガラス粉末とに適当な有機バインダ,溶剤を添加混合した貫通導体用ペーストを、スクリーン印刷等により充填して、貫通導体15を形成する。
また、これらのグリーンシートの表面に、Ag,Cu,Ag−Pt,Ag−Pd等の金属粉末とガラス粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合した配線導体用ペーストを、スクリーン印刷等により塗布し、配線層14を形成してもよい。
本発明において、誘電体層12a,12b,12cは、チタン酸バリウム粉末を主成分とするペロブスカイト化合物粉末とガラス粉末等の焼結助剤との焼結体から成る。ここで、焼結助剤として用いるガラス粉末は軟化温度が400乃至600℃である必要がある。ガラス粉末の軟化温度を400乃至600℃としたことから、ガラス粉末は400乃至600℃でチタン酸バリウムを主成分とするペロブスカイト化合物粉末間に偏在してガラスの液相を生じる。しかし、ガラスの粘度は温度上昇に対し指数関数的に低下するため、一般的なガラスセラミック多層配線基板の焼成温度である800℃乃至1000℃では体積比率で10体積%以下の少量のガラス量であってもペロブスカイト化合物粉末間を均一なガラスの液相で満たすことができる。その結果、誘電体層12a,12b,12cにおけるガラスの偏析による局所的な組成のバラツキやペロブスカイト粉末の異常成長粒のない誘電体層12a,12b,12cとすることができ、コンデンサ部の特性の安定化が可能となる。また、誘電体層12a,12b,12cは、断面積を観察したとき体積比率で90体積%以上がチタン酸バリウムを主成分とするペロブスカイト化合物からなることから、誘電体層12a,12b,12cの誘電率を高くすることができる。
例えば、軟化温度が400℃乃至600℃のガラス粉末としては、B,SiO,CaO,BaOおよびZnOを含むガラス粉末が挙げられる。
また本発明において、誘電体層を誘電率が高く、信頼性も高い緻密な焼結体とするためにはペロブスカイト化合物粉末の平均粒径は0.3μm以下とする必要がある。即ち、ペロブスカイト化合物粉末とガラス粉末との焼結の最終段階では液相化したガラスに粒径の小さいペロブスカイト化合物粉末が溶解し、粒径の大きいペロブスカイト化合物粉末に析出することでペロブスカイト化合物粉末の粒成長が進行する。液相化したガラスに対するペロブスカイト化合物粉末の溶解性は粒径が小さい程溶解性が大きくなるため、一般的なガラスセラミック多層配線基板の焼成温度である800℃乃至1000℃で、ペロブスカイト化合物の緻密な焼結体を得るためにはペロブスカイト化合物粉末の平均粒径を0.3μmとする必要がある。ペロブスカイト化合物粉末の平均粒径が0.3μmを超えた場合、ペロブスカイト化合物粉末の粒成長が十分に進行せず緻密な焼結体が得られない。
また、ここで言うチタン酸バリウムを主成分とするペロブスカイト化合物粉末とは、チタン酸バリウムの一部元素がMg,Ca,Sr等で置換されているもの、あるいはチタン酸バリウム粉末とチタン酸マグネシウム粉末,チタン酸カルシウム粉末,チタン酸ストロンチウム粉末等が混合され、焼結後にMg,Ca,Srがチタン酸バリウムの一部元素と置換されるものを意味する。
この誘電体層12a,12b,12cの焼成前の生シートである誘電体グリーンシートは、チタン酸バリウム粉末およびガラス粉末と、有機バインダ,有機溶剤,可塑剤等とを添加混合してスラリーとし、そのスラリーを用いてドクターブレード法やカレンダロール法を採用することによって成形される。このチタン酸バリウム粉末およびガラス粉末に添加混合される有機バインダとしては、絶縁基体11を構成するセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
グリーンシートを成形するためのスラリーに用いられる有機溶剤としては、その有機溶剤とガラス粉末とセラミック粉末と有機バインダとを混練してグリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類,エーテル類,エステル類,ケトン類,アルコール類等から成るものが挙げられる。
金属層13a,13b,13c,13dは、誘電体グリーンシートおよびグリーンシート上に、AgまたはCuを主成分とするの金属粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合した金属ペーストを、スクリーン印刷等により塗布して形成することができる。
絶縁基体11と誘電体層12との間に形成される金属層13a,13dは、低融点金属であるAgまたはCuを体積比率で95体積%以上含む金属粉末の焼結体としたことから、金属層13a,13dを700℃乃至900℃で緻密な焼結体とすることができる。これにより、絶縁基体11と誘電体層12a,12cとの間でのガラスの相互拡散を防止し、絶縁基体11と誘電体層12a,12cとの反応を抑えることができる。その結果、絶縁基体11材料と誘電体層12a,12c材料が反応して、空隙が絶縁基体11内部に発生したり、誘電体層12a,12cの誘電率が大幅に低下することはない。従って、絶縁基体11の絶縁信頼性を高く、コンデンサ部を高容量なものとすることができる。
また、金属層13a,13dの厚みは10μm以上であることが好ましい。これにより、絶縁基体11と誘電体層12a,12cとの間の相互拡散を効果的に抑制し、かつ絶縁基体11と誘電体層12a,12cとの間の熱膨張係数の差による応力も効果的に緩和でき、
絶縁基体11や誘電体層12,12cにクラック等の欠陥が発生することを防ぐことができる。
金属層13a,13dの厚みが10μmより小さいと、誘電体層12a,12cと絶縁基体11との熱膨張係数の差を十分緩和できず、誘電体層12a,12cにクラックが入る場合がある。金属層13a,13dの厚みの上限に関しては、一般的なガラスセラミック多層配線基板で用いられるメタライズ厚みの範囲を超えるものでなければ問題はない。
さらに、より好ましくは、金属層13a,13dは、平均粒径が2μm乃至5μmである、Ag粉末またはCu粉末(金属粉末)のペーストの焼結体とするのがよい。誘電体層12a,12b,12cは、ペロブスカイト化合物粉末と軟化温度が400乃至600℃のガラス粉末との焼結体であることから、ペロブスカイト化合物粉末間にガラスが濡れ広がる過程でペロブスカイト化合物粉末間に引力方向の力が働き、ペロブスカイト化合物粉末の再配列が生じる。その結果、未焼結の誘電体層12a、12b,12cの収縮は600乃至700℃から開始される。この収縮開始温度は一般的なガラスセラミック焼結体の収縮開始温度より低く、絶縁基体11と誘電体層12a、12b,12cの熱収縮特性の差によって発生する応力によって、未焼結で強度が低い絶縁基体11の仮焼体にクラックが生じることがある。
Ag粉末またはCu粉末の平均粒径を2μm以上とすることによって、金属層13a,13dの熱収縮特性を誘電体層12a,12b,12cの熱収縮特性より絶縁基体11の熱収縮曲線側に近づけることができる。その結果、絶縁基体11と誘電体層12a,12b,12cの熱収縮特性の差によって発生する応力を、絶縁基体11と誘電体層12a,12cとの間に形成された金属層13a,13dの熱収縮特性によって緩和することができる。また、熱収縮特性をガラス成分の添加量によるものでなく、Ag粉末またはCu粉末の粒径により制御することから、金属層13a,13dのガラス成分と誘電体層12a,12cを形成するペロブスカイト化合物粉末とガラス粉末の焼結体とが反応して誘電体層12a,12cの誘電率が大幅に低下したりすることはない。
また、本発明において好ましくは、金属層13a,13dは、平均粒径が5μmを超えない、Ag粉末またはCu粉末の焼結体としたことから、700℃乃至900℃の温度領域で緻密な焼結体を形成することから、絶縁基体11と誘電体層12との間の相互拡散を抑制することができる。その結果、コンデンサ内蔵基板の絶縁基体11にクラックや空隙のない絶縁信頼性が高く、高容量のコンデンサ部が形成可能なコンデンサ内蔵基板とすることができる。
金属層13a,13dを成すAg粉末またはCu粉末の平均粒径が2μmより小さい場合、金属層13a,13dの熱収縮特性が誘電体層12a,12b,12cの熱収縮特性に近づくため、絶縁基体11と誘電体層12a,12b,12cの熱収縮特性の差による応力を緩和する効果はない。Ag粉末またはCu粉末の平均粒径が5μmより大きいとき、金属層13a,13dの緻密化が十分でないため、絶縁基体11と誘電体層12a,12b,12cとの反応を防止することができない場合がある。
また、誘電体層12a,12cには貫通導体15を形成し、金属層13a,13bと金属層13c,13dを貫通導体15により短絡させることにより、金属層13a,13dをメタライズ拡散防止層とし、誘電体12a,12cを誘電体拡散防止層としてよい。コンデンサ部の上下面のそれぞれに、誘電体拡散防止層およびメタライズ拡散防止層を順次積層することにより、コンデンサ部の絶縁信頼性をより高いものとすることができる。
さらに、絶縁基体11となるグリーンシートと誘電体グリーンシートとを3〜20MPaの圧力と50〜80℃の温度で加熱圧着して積層体を作製する。その後、例えば配線層14あるいは金属層13a〜13dを形成する金属粉末の焼結体がAgである場合、大気中で800乃至1000℃の温度で、配線層14あるいは金属層13a〜13cを形成する金属粉末の焼結体がCuである場合、窒素雰囲気下で積層体を焼成することにより、本発明のコンデンサ内蔵基板10が得られる。
また、積層体を焼成する際に、グリーンシートが焼結する温度では実質的に焼結収縮しない無機成分、例えばアルミナから成る拘束グリーンシートを積層体の両面に積層して焼成すると、この拘束グリーンシートによって積層体の主面方向の焼成時の収縮が拘束されて抑制されるために、コンデンサ内蔵基板10の反り、変形をより好適に抑えることができる。
さらに、コンデンサ内蔵基板10の表面に位置する配線層14には、その表面に電子部品を実装する際の半田濡れ性の向上や配線層14の腐食防止のために、ニッケル,銅,金等のめっき層を施してもよい。
また、本実施の形態においては、金属層13a,13b及び金属層13c,13dを貫通導体15により短絡させることでメタライズ拡散防止層、誘電体拡散防止層を設けたが、メタライズ拡散防止層、誘電体拡散防止層の形成方法は前述の例にとらわれない。また、本発明の実施の形態では3層の誘電体層12a〜12cをもつコンデンサを内蔵した例を示したが、誘電体層は何層であってよく、またその形成方法に関しても、誘電体グリーンシートを用いて形成してもあるいは誘電体ペーストを塗布したものであっても構わない。
本発明のコンデンサ内蔵基板の実施例を以下に説明する。
コンデンサ内蔵基板の絶縁基体となるグリーンシートを得るために、ガラスとしてSiO−CaO−MgO系ガラス粉末50質量部と、セラミックフィラーとしてAl粉末50質量部とを混合し、この無機粉末100質量部に、有機バインダとしてアクリル系樹脂12質量部、フタル酸系可塑剤6質量部および溶剤としてトルエン30質量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚さ200μmのグリーンシートを成形した。
同様にコンデンサ内蔵基板の誘電体層となる誘電体グリーンシートを得るために、チタン酸バリウム粉末100質量部に対し、焼結助剤としてB,SiO,CaO,BaOおよびZnOを含むガラス粉末を5質量部と、CuO粉末5質量部とを混合し、この無機粉末100質量部に、有機バインダとしてポリビニルブチラール樹脂を12質量部、フタル酸系可塑剤6質量部および溶剤としてトルエン30質量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚さ30μmの誘電体グリーンシートを成形した。
ここで、B,SiO,CaO,BaOおよびZnOを含むガラス粉末中のBの比率を変化させることによって、焼結助剤として用いるガラスの軟化点を520℃,590℃,650℃のものとし、それぞれ誘電体グリーンシート1〜3を成形した。また、ガラスの軟化点に関しては、DTA(示差熱分析)にて昇温速度10℃/分を用いて測定を行った結果である。
さらに、コンデンサ内蔵基板の実質的に平面方向の焼結収縮を抑える拘束グリーンシートを得るため、Al粉末100質量部に有機バインダとしてアクリル系樹脂12質量部、フタル酸系可塑剤6質量部および溶剤としてトルエン30質量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚さ200μmの拘束グリーンシートを成形した。
次に、誘電体グリーンシート及びグリーンシート上に、金属層となる金属層ペーストをスクリーン印刷法で塗布し70℃で30分乾燥して10mm角の四角形状の金属層を形成した。金属層ペーストは、表1〜表3に示す粒径のAg粉末100質量部に、アクリル樹脂12質量部と有機溶剤としてα−テルピネオール6質量部とを加え、攪拌脱泡機により十分に混合したものを用いた。
グリーンシートおよび誘電体グリーンシートに、パンチングマシーを用いて所定位置に貫通孔を形成し、この貫通孔にスクリーン印刷法で貫通導体用ペーストを充填した。貫通導体用ペーストとしては、Ag粉末(平均粒径3μm)100質量部に対して、ガラス粉末10質量部を加え、さらに有機バインダとして所定量のアクリル系樹脂およびテルピネオールを加えて、攪拌脱泡機により十分に混合したものを用いた。
次に、グリーンシートと誘電体グリーンシートを5MPaの圧力と50℃の温度で真空加熱圧着して、図3,図4に示す積層体を作製した。さらに、この積層体の上下に拘束グリーンシートを5MPaの圧力と50℃の温度で真空加熱圧着した。
次に、この積層体を、500℃で3時間のバインダの燃焼行程と、900℃で1時間のセラミックスの焼結工程とからなる焼成工程で焼成し、緻密なガラスセラミックス焼結体から成る絶縁体の内部に同時焼成により誘電体層を配設して成るコンデンサ内蔵基板(サンプル1〜9)を得た。
焼結助剤として用いたガラスの軟化温度の影響を調べるため、誘電体グリーンシート1,2をそれぞれ5層積層した積層ブロック1〜3を作製し、その比誘電率の測定を行った。ここで、比誘電率は積層体ブロック1〜3にφ(直径)10mmの電極パターン(面積S)を上下に印刷し、その容量をC、サンプルの厚みをd、真空の誘電率をεとしたとき、ε=C×d/εSから求めた値である。容量の測定結果を表1に示す。表1は、誘電体グリーンシート中に焼結助剤として添加されたガラスの軟化点と、誘電体グリーンシートを積層、焼結したものの比誘電率に関して調査した結果である。ここで、比誘電率が1000を超えるものを○、超えないものを×として判定を行なった。
Figure 2006093484
表1より、軟化温度が650℃のガラス粉末を焼結助剤として用いると、誘電体層の比誘電率が十分高くならないことが判明した。
さらに、積層体ブロック1〜3の断面を鏡面仕上げした後、SEMにて観察した。その結果、積層体ブロック3はガラスの偏析が観察され、局所的にペロブスカイト化合物粉末間にガラスが存在せず、ペロブスカイト化合物の焼結が進んでいないことが確認された。
次に、金属層を形成するAgの粒径の影響を調べるため、サンプル1〜6のコンデンサ内蔵基板に関して、絶縁基体のクラックとその容量値に関して測定を行なった。サンプル1〜6の形状を図3に示す。図3において、誘電体層102a〜102cは誘電体グリーンシート1を用いて形成した。
絶縁基体のクラックに関しては、コンデンサ内蔵基板の断面を鏡面研磨仕上げした後、金属顕微鏡(倍率100倍)で観察して行なった。また。容量の測定は、測定周波数1MHz、測定温度25℃の条件で、インピーダンス測定器(アジレントテクノロジー株式会社製)を用いて測定した。また、表2に示す比誘電率は誘電体層102a〜102cの平均の比誘電率であり、測定した容量をC、サンプルの厚みをd、塗布した電極面積をS,真空の誘電率をεとしたとき、ε=C×d/εSから求めた値である。
なお、表2は、図3に示すサンプル形状にて金属層を形成するAg粉末の平均粒径を変えたとき、絶縁基体のクラックの有無を調査した結果である。ここで、クラックがなく比誘電率が1000を超えるものを○、それ以外のものを×として判定を行った。また、表3は、各Ag粉末の平均粒径の粒度分布に関して示したものである。
Figure 2006093484
Figure 2006093484
表2,3より、Ag粉末の粒径が2μm〜5μmの範囲において、絶縁基体にクラックがないため絶縁信頼性が高く、また誘電体層の比誘電率が高いため高容量のコンデンサ内蔵基板を得ることが確認された。
次に、表4は、誘電体拡散防止層、メタライズ拡散防止層の効果に関してコンデンサ部の誘電率と絶縁破壊電圧に関して調査した結果である。サンプル7〜9の形状を図4に示す。図4において、誘電体層112a〜112cは誘電体グリーンシート1を用いて形成した。ここで、比誘電率は、得られた容量をC、誘電体層の厚みをd、コンデンサ部の面積をS、真空の誘電率をεとしたとき、ε=C×d/εSから求めた値であり、また絶縁破壊電圧はS=75mm,d=15μmのとき、10V/秒で昇圧したとき、漏れ電流値が1μAを超える電圧を絶縁破壊した電圧とした結果である。但し、金属層の面積Sはサンプル1〜6は金属層を5mm角の四角形で形成し、並列に3層接続したものの和であり、サンプル7〜9は金属層を8.8mm角の四角形で形成したものの値である。また、その判定は絶縁破壊電圧の最小値が250Vより高く、比誘電率が1000を超えるものを○、それ以外のものを△とした。
Figure 2006093484
表4より、誘電体拡散防止層、メタライズ拡散防止層を設けることにより比誘電率が高く、絶縁破壊電圧も高い誘電体層が形成された。
従来のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板の1例を示す断面図である。 本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板について実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板について実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板について実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板について実施の形態の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・コンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板
2・・・絶縁基体
3・・・誘電体層
4・・・金属層
5・・・貫通導体
6・・・配線層
10・・・コンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板
12a〜12c・・・誘電体層
13a〜13d・・・電極層
14・・・配線層
15・・・貫通導体

Claims (5)

  1. ガラスおよびフィラーを含有するガラスセラミックス焼結体から成る絶縁基体の内部に、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体層およびその上下に積層された金属粉末の焼結体から成る金属層から成るコンデンサ部が形成されているコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板であって、前記誘電体層は、チタン酸バリウムを主成分とする平均粒径が0.3μm以下のペロブスカイト化合物粉末と軟化温度が400℃乃至600℃のガラス粉末との焼結体から成るとともに、該焼結体における前記ペロブスカイト化合物の体積比率が90体積%以上であり、前記絶縁基体と前記誘電体層との間に形成された前記金属層は、AgまたはCuを95体積%以上含むことを特徴とするコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板。
  2. 前記絶縁基体と前記誘電体層との間に形成された前記金属層は、厚みが10μm以上であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板。
  3. 前記絶縁基体と前記誘電体層との間に形成された前記金属層は、平均粒径が2μm乃至5μmである、Ag粉末またはCu粉末の焼結体から成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板。
  4. 前記コンデンサ部は、前記コンデンサ部の上下面のそれぞれに誘電体拡散防止層およびメタライズ拡散防止層が順次積層されて形成されており、前記メタライズ拡散防止層は平均粒径が2μm乃至5μmである、Ag粉末またはCu粉末の焼結体から成ることを特徴とした請求項1記載のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板。
  5. 前記誘電体層は、チタン酸バリウムを主成分とし、B,SiO,CaO,BaOおよびZnOを含むガラスとCuOとを含有しており、前記ガラスおよびCuOは、それぞれチタン酸バリウム100質量部に対する含有量が2乃至10質量部であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンデンサ内蔵ガラスセラミック多層配線基板。
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