JP2002043759A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

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JP2002043759A
JP2002043759A JP2000230909A JP2000230909A JP2002043759A JP 2002043759 A JP2002043759 A JP 2002043759A JP 2000230909 A JP2000230909 A JP 2000230909A JP 2000230909 A JP2000230909 A JP 2000230909A JP 2002043759 A JP2002043759 A JP 2002043759A
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dielectric constant
thermal expansion
glass
layer
wiring board
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JP2000230909A
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Shinichi Suzuki
晋一 鈴木
Yoshihiro Nakao
吉宏 中尾
Kenichi Nagae
謙一 永江
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/095Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00 with a principal constituent of the material being a combination of two or more materials provided in the groups H01L2924/013 - H01L2924/0715
    • H01L2924/097Glass-ceramics, e.g. devitrified glass
    • H01L2924/09701Low temperature co-fired ceramic [LTCC]

Abstract

(57)【要約】 【課題】全体として高い熱膨張係数を有し内部に高誘電
率層を具備する多層配線基板において、高誘電率層と低
誘電率層との熱膨張係数を近似して同時焼結性および熱
的安定性に優れた多層配線基板を得る。 【解決手段】1MHzにおける比誘電率が10以上、4
0〜400℃における熱膨張係数が8〜12ppm/℃
のガラスセラミック焼結体からなる高誘電率層1bを、
1MHzにおける比誘電率が10未満、40〜400℃
における熱膨張係数が8〜12ppm/℃のガラスセラ
ミック焼結体からなる絶縁層1a,1c間に配設してな
る多層配線基板であって、絶縁層1a、1cが結晶相と
してクォーツと、SiおよびMgを含有する金属酸化物
結晶相を含み、絶縁層1a,1cと高誘電率層1bとの
40〜400℃における熱膨張差が0.5ppm/℃以
下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電率が異なる2
つのガラスセラミック焼結体からなる絶縁層を同時に焼
成され、熱膨張係数を微調整された多層配線基板に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】従来、多層配線基板は、絶縁層が多層に積
層された絶縁基板の表面または内部にメタライズ配線層
が配設された構造からなり、代表的な例として、LSI
等の半導体素子収納用パッケージが挙げられる。このよ
うなパッケージとしては、絶縁層がアルミナ等のセラミ
ックからなるものが多用され、さらに最近では、銅メタ
ライズと同時焼成を可能にしたガラスセラミック焼結体
を絶縁基板とするものも実用化されている。
【0003】このようなセラミック多層配線基板におい
ては、半導体素子の集積度が高まるに従い、プリント基
板などの外部回路基板と接続するための接続端子数も増
大する傾向にあり、より小型化を図る方法として、セラ
ミック多層配線基板の下面に、半田からなる球状の接続
端子を取り付けたボールグリッドアレイ(BGA)が、
接続端子を最も高密度化できる構造として知られてい
る。このボールグリッドアレイ(BGA)は、外部回路
基板上の配線導体上に前記接続端子を載置当設させ、2
50〜400℃の温度で加熱処理することにより、前記
接続端子を溶融させて接続する。
【0004】この実装方法では、従来のアルミナ、ムラ
イトなどのセラミックスを用いたセラミック回路基板の
熱膨張係数が約4〜7×10-6/℃であるのに対し、該
基板を半田実装するガラス−エポキシ絶縁層を用いたプ
リント基板の熱膨張係数は、約11〜18×10-6/℃
であったため、半導体素子の作動時に発する熱により、
セラミック多層配線基板と外部回路基板の熱膨張差に起
因する大きな熱応力が発生するという問題があった。そ
して、この熱応力は接続端子数が増加するほど影響が大
きくなり、半導体素子の作動と停止の繰り返しによりこ
の熱応力が接続端子に印加され、接続端子が配線導体よ
り剥離するという問題があった。
【0005】このような問題に対して、本出願人は、高
熱膨張のガラスと高熱膨張のフィラーを用いた高熱膨張
ガラスセラミック焼結体によって絶縁基板を形成した配
線基板を提案した。
【0006】一方、携帯電話、ノートパソコン等の携帯
用電子機器の急激な普及に伴い、搭載される電子部品の
小型化が強く望まれている。一例として、携帯電話のス
イッチング回路及びパワーアンプ回路は、複数の抵抗体
およびコンデンサにより構成され、従来、これらの素子
は個々に外部回路基板上に設置されており、小型化及び
製造コスト削減の妨げとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】携帯用電子機器などに
搭載される電子部品を小型化するためには、半導体素子
を収納するセラミック配線基板のみならず、該配線基板
を実装するプリント板などの外部回路基板を小型化する
必要がある。しかし、従来はセラミック配線基板、コン
デンサ、および抵抗を個々に外部回路基板上に実装して
いたため、小型化が困難という問題、および実装のため
の製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】そこで、セラミック多層配線基板の内部
に、高誘電率のセラミック層を介装させたコンデンサ内
蔵基板が提案されている。高誘電率の誘電体材料として
は、従来からBaO−TiO2系、PbO−TiO2系な
どを主とする複合ペロブスカイト系誘電体材料が知られ
ているが、かかる誘電体材料はガラスセラミックスと同
時焼成することができない。
【0009】そこで、本出願人は、先に高熱膨張のガラ
スとフィラー成分としてBaTiO 3、CaTiO3など
を添加した高熱膨張、高誘電率系のガラスセラミック焼
結体を提案した。しかしながら、焼結体の誘電体特性を
重視する必要があるために、組成は誘電体特性の向上を
主たる目的として組成が決定され、これに基づき焼結体
の熱膨張特性も決められてしまう。
【0010】ところが、この高誘電率のガラスセラミッ
ク焼結体を低誘電率のガラスセラミック焼結体からなる
絶縁層中に介在させる場合には、同時焼成後の2つの特
性の異なる絶縁層の熱膨張係数が近似していることが望
まれるが、電気特性を重視するために、熱膨張係数を近
似させることが非常に難しいものであった。
【0011】従って、本発明は、全体として高い熱膨張
係数を有し内部に高誘電率層を具備する多層配線基板に
おいて、高誘電率層と低誘電率層との熱膨張係数を近似
して安定性に優れた多層配線基板を提供することを目的
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の多層配線基板
は、1MHzにおける比誘電率が10以上、40〜40
0℃における熱膨張係数が8〜12ppm/℃のガラス
セラミック焼結体からなる高誘電率層を、1MHzにお
ける比誘電率が10未満、40〜400℃における熱膨
張係数が8〜12ppm/℃のガラスセラミック焼結体
からなる絶縁層間に配設してなるものであって、前記絶
縁層が結晶相としてクォーツと、SiおよびMgを含有
する酸化物結晶相を含み、前記絶縁層と前記高誘電率層
との40〜400℃における熱膨張差が0.5ppm/
℃以下であることを特徴とするものである。
【0013】なお、前記絶縁層および高誘電率層は、い
ずれも40〜400℃における熱膨張係数が6〜18p
pm/℃のガラス成分35〜60体積%と、フィラー成
分40〜55体積%からなる組成物を成形、焼成して得
られたものであることを特徴とする。
【0014】また、前記高誘電率層には、誘電率が40
以上の結晶相を含有することが望ましく、この高誘電率
層の少なくとも上下面に一対の電極層を形成することに
よって、前記高誘電率層および電極層から所定の静電容
量が得られる。
【0015】かかる本発明によれば、高誘電率層および
低誘電率の絶縁層とを積層した構造からなるものである
が、高誘電率層と絶縁層との熱膨張係数が近似している
ために、低誘電率層と高誘電率層の同時焼成が可能であ
るのみならず、使用時に熱サイクルが印加されても熱膨
張差に起因する熱応力の発生を抑制することができる結
果、高い長期信頼性が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の多層配線基板において、
絶縁基板は、いずれもガラスセラミック焼結体からなる
ものであるが、このガラスセラミック焼結体は、ガラス
成分とフィラー成分によって構成され、ガラス成分35
〜60体積%と、フィラー成分40〜55体積%からな
る組成物を成形、焼成して得られる。上記のガラス成分
およびフィラー成分は、ガラス成分:35〜60体積%
と、フィラー成分:40〜65体積%の割合で調合す
る。これは、ガラス成分が35体積%よりも少なく、フ
ィラー成分が65体積%よりも多いと、銅と同時焼成可
能な温度域において良好な緻密体が得られず、ガラス成
分が60体積%よりも多く、フィラー成分が40体積%
よりも少ない場合、焼結性が低下して緻密な焼結体を得
ることができないためである。
【0017】用いるガラス成分としては、40〜400
℃における熱膨張係数が6〜18ppm/℃であり、且
つ、メッキ工程等における耐薬品性を有することが重要
である。このような高熱膨張のガラス成分としては、公
知の高熱膨張性のガラスが使用でき、例えばアルカリ珪
酸系ガラス、PbO系ガラス、BaO系ガラス、ZnO
ガラス等を使用することができる。なお、上記ガラス成
分の熱膨張係数は、結晶化ガラスの場合には、焼成温度
で熱処理した後の熱膨張係数を指すものであり、線膨張
係数を意味する。
【0018】アルカリ珪酸系ガラスとしては、Li2
などのアルカリ金属酸化物を5〜30重量%、特に5〜
20重量%の割合で含有するものであり、焼成後に高熱
膨張係数を有するアルカリ珪酸塩を析出するものが好適
に使用される。また、上記アルカリ珪酸ガラスとして
は、アルカリ金属酸化物以外にSiO2を必須の成分と
して含むが、SiO2はガラス全量中、60〜85重量
%の割合で存在し、SiO2とアルカリ金属酸化物との
合量がガラス全量中、65〜95重量%であることがア
ルカリ珪酸結晶を析出させる上で望ましい。
【0019】また、こららの成分以外に、Al23、M
gO、TiO2、B23、Na2O、K2O、P25、Z
nO、Fなどが配合されていてもよい。なお、リチウム
珪酸系ガラス中には、B23は1重量%以下であること
が望ましい。
【0020】PbO系ガラスとしては、PbOを主成分
とし、さらにB23、SiO2のうち少なくとも一成分
を含有するものであり、焼成後にPbSiO3、PbZ
nSiO4などの高熱膨張の結晶相が析出するものが好
適に使用される。とりわけPbO(65〜85重量%)
−B23(5〜15重量%)−ZnO(6〜20重量
%)−SiO2(0.5〜5重量%)−BaO(0〜5
重量%)から成る結晶性ガラスや、PbO(50〜60
重量%)−SiO2(35〜50重量%)−Al2
3(1〜9重量%)から成る結晶性ガラスが望ましい。
【0021】さらに、ZnO系ガラスとしては、ZnO
を10重量%以上含有するものであり、焼成後にZnO
・Al23、ZnO・nB23などの高熱膨張の結晶相
が析出するものが好適に使用される。ZnO成分以外
に、SiO2(60重量%以下)、Al23(60重量
%以下)、B23(30重量%以下)、P25(50重
量%以下)、アルカリ土類酸化物(20重量%以下)、
Bi23(30重量%以下)などが配合されていてもよ
い。とりわけZnO:10〜50重量%−Al23:1
0〜30重量%−SiO2:30〜60重量%から成る
結晶性ガラスやZnO:10〜50重量%−SiO2
5〜40重量%−Al23:0〜15重量%−BaO:
0〜60重量%−MgO:0〜35重量%から成る結晶
性ガラスが望ましい。
【0022】BaO系ガラスとしては、BaOを5重量
%以上含有し、非晶質ガラス、または焼成後にBaO・
2SiO2、BaAl2Si28、BaB2Si28など
の結晶相を析出する結晶化ガラスが採用される。BaO
以外の成分をしてSiO2、Al23、B23、P
25、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物、
ZrO2などを含む場合もある。とりわけ、SiO2を2
5〜60重量%、BaOを5〜60重量%、およびZr
化合物をZrO2換算で0.1〜30重量%の割合で含
有するものが好適に使用される。
【0023】さらに、上記ガラスの屈伏点は、400〜
800℃、特に400〜700℃であることが望まし
い。これは、ガラスおよびフィラーからなる混合物を成
形する場合、有機樹脂などの成形用バインダーを添加す
るが、このバインダーを効率的に除去するとともに、絶
縁基体と同時に焼成されるメタライズと焼成条件のマッ
チングを図るために必要であり、屈伏点が400℃より
低いと、ガラスが低い温度で焼結を開始するため、例え
ば、Ag、Cuなどの焼結温度が600〜800℃のメ
タライズとの同時焼成ができず、また成形体の緻密化が
低温で開始するためにバインダーは分解揮発できなくな
り、バインダー成分が残留し、特性に影響を及ぼす結果
になるためである。一方、屈伏点が800℃より高い
と、ガラス量を多くしないと焼結しにくくなり、相対的
に高価なガラスの使用量が増加するため、コスト削減の
妨げとなる。
【0024】一方、高誘電率層を構成するガラスセラミ
ック焼結体は、フィラー成分として、前記ガラス成分と
の焼結性が良好であり、40〜400℃における熱膨張
係数が8ppm/℃以上、且つ、1MHzにおける比誘
電率が10以上であることが重要であり、さらには20
以上であることが望ましい。このフィラーの熱膨張係数
が8ppm/℃より低い場合、焼結体の熱膨張係数を8
ppm/℃以上に制御することが難しくなる。また、フ
ィラー成分の熱膨張係数が低い場合、ガラス成分の熱膨
張係数を高くする必要があるため、フィラー成分の熱膨
張係数は12ppm/℃以上であることがより望まし
い。用いるフィラーとしては、これに限定するものでは
ないが、例えば、 チタニア(α=9ppm/℃、ε=80) チタン酸カルシウム(α=13ppm/℃、ε=180) チタン酸ストロンチウム(α= 9ppm/℃、ε=300) チタン酸バリウム(α=14ppm/℃、ε=13000) チタン酸ランタン(α=15ppm/℃、ε=45) ジルコニア (α=10ppm/℃、ε=30) の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なお、
チタン酸ランタンは、一般式La23・nTiO2(n
=2〜5の整数)で表され、具体的には、 La23・2TiO2(α=15×10-6)/℃、ε=45) La23・3TiO2(α=14×10-6)/℃、ε=47) La23・4TiO2(α=14×10-6)/℃、ε=51) La23・5TiO2(α=13×10-6)/℃、ε=55) が挙げられる。
【0025】さらに、結晶成分としては、上記Ti含有
酸化物以外に、熱膨張係数を高めるために他の成分を含
有せしめることができる。例えば、クリストバライト、
クォーツ(石英)、トリジマイト、MgO、スピネル
(MgO・Al23)、ネフェリン(Na2O・Al2
3、SiO2)、リチウムシリケート(Li2O・Si
2)、カーネギアイト(Na2O・Al23・2SiO
2)、ホウ酸マグネシウム(2MgO・B23)、ガー
ナイト(ZnO・Al23)、ペタライト(LiAlS
410)、Al23等が挙げられる。
【0026】こうして、誘電率が10以上の高誘電率の
ガラスセラミック焼結体を作製するためにガラス成分お
よびフィラー成分を調整する場合、得られるガラスセラ
ミック焼結体の熱膨張係数は上記の組成によって決定さ
れる。このため、かかる高誘電率層を内層として形成す
るためには、他の絶縁層を形成する低誘電率ガラスセラ
ミック焼結体の熱膨張係数を、前記の高誘電率層に整合
させることが望ましい。この熱膨張差が1ppm/℃よ
り大きい場合、焼成段階で高誘電率層と低誘電率層との
層内、または層間において破壊が発生し、各層の熱膨張
係数の差が0.5〜1ppm/℃の場合でも同時焼成は
可能であるものの層内、または層間において多層配線基
板内に局所的にクラックが発生する。このため、高誘電
率層と低誘電率層を同時焼成し、かつ多層配線基板内に
クラックなどの発生を防止するためには、熱膨張差を
0.5ppm/℃以下、特に0.3ppm/℃以下にす
る必要がある。
【0027】このため、低誘電率のガラスセラミック焼
結体からなる絶縁層の熱膨張係数を高誘電率層の熱膨張
係数に厳密に合わせる必要があり、本発明では、低誘電
率層を形成するガラスセラミック焼結体中において、結
晶相としてクォーツと、SiおよびMgを含有する酸化
物結晶相を含み、これらのクオーツおよびSi、Mg含
有結晶相との含有量を制御することによって、1MHz
における比誘電率が8であって、40〜400℃におけ
る熱膨張係数が8〜12pm/℃の範囲内において容易
に調整が可能となる。これによって、高誘電率層との熱
膨張差が0.5ppm/℃以下となるように制御する。
特に、高誘電率層の熱膨張係数は低誘電率層よりも小さ
いことが配線基板の熱的特性を安定化する上で望まし
い。
【0028】ガラスセラミック焼結体の製造方法として
は、高誘電率層、低誘電率層ともに、まず、所定の比率
で調合したガラス成分とフィラー成分の混合物を、適当
な有機樹脂バインダーを添加した後、所望の成形手段、
例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、射出成形、押
し出し成形、ドクターブレード法、カレンダーロール
法、圧延法等により任意の形状に成形する。
【0029】なお、低誘電率層の熱膨張係数を高誘電率
層に整合させるために、高誘電率層を形成するガラスと
実質的に同一成分を含有し、特に実質的に同一組成から
なるガラスを用いることが望ましい。
【0030】また、フィラーとしては、焼成後クオーツ
と、SiおよびMgを含有する酸化物結晶相を析出し得
るものとして、フォルステライト、エンスタタイト、デ
ィオプサイトの群から選ばれる少なくとも1種のSiお
よびMg含有酸化物が好適に用いられる。特に出発組成
中のフィラーとしてはフォルステライトが最も望まし
い。このフォルステライトは、焼成後にエンスタタイト
やディオプサイトに変換し得る。
【0031】次に、上記の成形体の焼成にあたって、ま
ず、成形のために配合したバインダー成分を除去する。
バインダーの除去は700℃前後の大気雰囲気中で行わ
れるが、配線導体として、例えばCuを用いる場合に
は、100〜750℃の水蒸気を含有する窒素雰囲気中
で行われる。この時、成形体の収縮開始温度は700〜
850℃であることが望ましく、かかる収縮開始温度が
これより低いとバインダーの除去が困難となるため、成
形体中の結晶化ガラスの特性、特に屈伏点を前述したよ
うに制御することが必要となる。
【0032】焼成は、850〜1050℃の酸化性雰囲
気または非酸化性雰囲気中で行われ、これにより相対密
度90%以上まで緻密化される。この時の焼成温度が8
50℃より低いと緻密化することができず、1050℃
を超えるとメタライズ配線層との同時焼成でメタライズ
層が溶融してしまう。本発明のガラスセラミック焼結体
は、850〜1050℃の焼成温度で焼成可能であるた
め、Cu等の低抵抗金属との同時焼成が可能である。但
し、Cu等の配線導体と同時焼成する場合には、非酸化
性雰囲気中で焼成される。
【0033】また、本発明により、高誘電率層と低誘電
率層との同時焼成が可能となり、配線基板内にコンデン
サを内蔵することにより、プリント基板などの外部回路
基板の小型化を図ることができるのみならず、従来のア
ルミナ、ムライトなどのセラミックを用いたセラミック
回路基板より熱膨張係数が大きいため、より高い長期実
装信頼性が得られる。
【0034】本発明の多層配線基板は、図1に示すよう
に、セラミック絶縁層1a、1b、1cが多層に積層さ
れた絶縁基板1の表面および、または内部にメタライズ
配線層2が配設されており、セラミック絶縁層のうち少
なくとも1層1bを上記高熱膨張、高誘電率のガラスセ
ラミック焼結体によって形成し、その上下にCuなどの
導体から成る電極層3−3を形成し、スルホール導体4
−4などを経由して基板表面のメタライズ配線層2と接
続することにより、配線層2−2間で所定の静電容量を
取り出すことができる。前記高誘電率層は、比誘電率が
10未満の低誘電率層間に積層されていることが望まし
い。
【0035】このような高誘電率層を具備する多層配線
基板は、前述したガラス粉末、およびフィラー粉末から
なる低誘電率のガラスセラミック組成物に、適当な有機
バインダー、溶剤、可塑剤を添加混合することによりス
ラリーを作製し、かかるスラリーを周知のドクターブレ
ード等の塗工方式によるグリーンシート成形法により、
グリーンシート状に成形する。そして、メタライズ配線
層として、適当な金属粉末に有機バインダー、溶剤、可
塑材を添加混合して得た金属ペーストを前記グリーンシ
ートに周知のスクリーン印刷法により、所定のパターン
に印刷塗布する。また、場合によっては、前記グリーン
シートに適当な打ち抜き加工を行いスルーホールを形成
し、このホール内にもメタライズペーストを充填する。
【0036】一方、上記と同様の方法により成形、打ち
抜き、電極層の印刷を行った高熱膨張、高誘電率のガラ
スセラミックグリーンシートを作製する。
【0037】そして、上記の低誘電率のガラスセラミッ
クグリーンシートと高誘電率のガラスセラミックグリー
ンシートとを積層し、グリーンシート積層体とメタライ
ズを同時焼成することにより、コンデンサを内蔵する多
層配線基板を得ることができる。
【0038】本発明によれば、熱膨張係数の調整が8〜
12ppm/℃の範囲で自由に調整可能な低誘電率ガラ
スセラミック焼結体を用いることにより、低誘電率層と
高誘電率層の同時焼成が可能となり、高誘電率層により
形成されるコンデンサを内蔵した高熱膨張の多層配線基
板を得ることができる。それによって、温度サイクルに
対する長期信頼性の高いボールグリッドアレイ実装によ
り、セラミック配線基板の小型化が可能となるととも
に、コンデンサを内蔵することにより、該基板を実装す
るプリント基板などの外部回路基板の小型化、および別
途コンデンサを実装する必要がなく、それに伴う実装コ
ストの削減が可能である。
【0039】
【実施例】ガラス粉末として、SiO2:41重量%−
BaO:37重量%−B23:10重量%−Al23
7重量%−CaO:5重量%から成るガラス(屈伏点7
00℃、熱膨張係数6.5×10-6/℃、Pb量50×
10-6以下)および、フィラーとしてクォーツ及びフォ
ルステライトを表1に示す割合にて、秤量調合し、溶剤
を加えてボールミルを用いて粉砕混合した後、有機バイ
ンダー、可塑材を加えて重分混合させてスラリーを作製
し、ドクターブレード法により厚み300μmのグリー
ンシートを作製した。得られたグリーンシートを5枚密
着させ、50mm×50mmのサンプルを作成し、70
0℃において水蒸気を含有する窒素雰囲気中で脱バイン
ダー後、910℃において窒素雰囲気中で焼成を行っ
た。
【0040】得られた焼結体の比誘電率、および40〜
400℃における熱膨張係数の測定結果を、合わせて表
1に示す。
【0041】また、上記のガラスに対して、フィラーと
して、チタン酸カルシウムを18体積%、チタン酸ラン
タンを18体積%添加してなる組成物A(焼結後の比誘
電率18.6、熱膨張係数9.1ppm/℃)、チタン
酸カルシウムを14体積%、チタン酸ランタンを14体
積%、クオーツを20体積%添加してなる組成物B(焼
結後の誘電率12.8、熱膨張係数10.2ppm/
℃)を実施例1と同様な成形方法でグリーンシートを作
製した。
【0042】この高誘電率系のガラスセラミックのグリ
ーンシートの上下に銅ペーストからなる電極パターンを
印刷するとともに、実施例1における表1の各調合組成
の低誘電率系のグリーンシートを表2の組み合わせに
て、接着剤を塗布後、加圧することにより積層密着し、
窒素雰囲気中で900℃で1時間焼成した。得られた焼
結体についてX線回折測定を行なった結果、いずれの焼
結体もクオーツと、ディオプサイドの結晶相が観察され
た。
【0043】得られた配線基板について、高誘電率層と
低誘電率層の界面状態を双眼顕微鏡にて観察した。ま
た、−65℃×5分、150℃×5分を1サイクルとす
る熱サイクルを500サイクル印加した後の静電容量を
測定し、初期の静電容量との変化の有無を測定した。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果において、試料No.1〜17
について、クォーツの含有量が下がり、フォルステライ
トの添加量が増加すると、焼結体中においてもクオーツ
量が低下しディオプサイド量が増加し熱膨張係数は減少
し、クォーツの含有量が上がり、フォルステライトの含
有量が下がると、焼結体中においてもクオーツ量が増加
しディオプサイド量が減少し熱膨張係数は増加する傾向
がみられた。ガラスの調合比率が60体積%である試料
No.12〜14についても、同様の傾向が見られ、試
料No.1〜13よりも低い焼成温度にて良好な緻密体
が得られる高誘電率ガラスセラミックとの同時焼成に適
する。
【0046】また、ガラス調合比率が35体積%である
試料No.15〜17についても、同様の傾向が見ら
れ、試料No.1〜13よりも高い焼成温度にて良好な
緻密体が得られる高誘電率ガラスセラミックとの同時焼
成に適する。尚、表1に示す各調合比率間の調合比率に
おいても、クォーツとフォルステライトの調合比率と熱
膨張係数には相関があるため、40〜400℃における
熱膨張係数が8〜12ppm/℃の範囲以内において
は、高誘電率層に合わせて任意の値を設定することが可
能であり、また、高誘電率層の最適焼成温度に合わせ
て、ガラス量を設定することも可能である。
【0047】また、高誘電率層との関係については、高
誘電率層と低誘電率層の熱膨張係数の差が0.5ppm
/℃よりも大きいと、焼成段階において、層間剥離やク
ラックが発生した。特に、高誘電率層の熱膨張係数が低
誘電率層よりも大きい場合、高誘電率層の厚み方向にク
ラックが発生し、熱膨張係数の差が約1ppm/℃以上
となると、焼成段階で多層配線基板全体が破壊した。
【0048】一方、高誘電率層の熱膨張係数が低誘電率
層よりも小さく、その差が0.5ppm/℃よりも大き
いと、高誘電率層の水平方向にクラックが発生して、熱
膨張係数の差が約1ppm/℃以上となると、高誘電率
層内で水平方向に剥離した。以上の結果から、高誘電率
層と低誘電率層の熱膨張係数の差が0.5ppm/℃以
下とすることによって焼成時、あるいは熱サイクル後に
おいても安定性に優れることがわかった。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、高
誘電率、高熱膨張のガラスセラミック焼結体からなる高
誘電率層を低誘電率層とともに積層一体化した多層配線
基板において、低誘電率層におけるガラスセラミック焼
結体中において、クオーツとフォルステライトとの含有
量を制御することによって、高誘電率層の熱膨張係数に
近似した低誘電率層を形成することができる。これによ
ってこの配線基板をプリント基板などのボードに対して
ボールグリッドアレイ実装した場合でも温度サイクルに
対する長期信頼性が達成できるとともにセラミック配線
基板の小型化が可能である。また、高誘電率層を内蔵す
ることによって、コンデンサを内蔵することができるた
めに、配線基板を実装するプリント基板などの外部回路
基板の小型化、およびコンデンサが不要となることによ
るコンデンサ実装コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板における一実施例を説明する
ための概略断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 1a、1b、1c 絶縁層 2 メタライズ配線層 3 電極 4 スルーホール導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/16 H01L 23/14 C Fターム(参考) 4E351 AA07 BB03 DD47 EE02 EE03 GG01 4G030 AA07 AA37 BA12 CA01 CA08 HA09 5E346 CC18 EE21 FF45 HH22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1MHzにおける比誘電率が10以上、4
    0〜400℃における熱膨張係数が8〜12ppm/℃
    のガラスセラミック焼結体からなる高誘電率層を、1M
    Hzにおける比誘電率が10未満、40〜400℃にお
    ける熱膨張係数が8〜12ppm/℃のガラスセラミッ
    ク焼結体からなる絶縁層間に配設してなる多層配線基板
    であって、前記絶縁層が結晶相としてクォーツと、Si
    およびMgを含有する酸化物結晶相を含み、前記絶縁層
    と前記高誘電率層との40〜400℃における熱膨張差
    が0.5ppm/℃以下であることを特徴とする多層配
    線基板。
  2. 【請求項2】前記絶縁層および高誘電率層が、40〜4
    00℃における熱膨張係数が6〜18ppm/℃のガラ
    ス成分35〜60体積%と、フィラー成分40〜55体
    積%からなる組成物を成形、焼成して得られたものであ
    る請求項1記載の多層配線基板。
  3. 【請求項3】前記高誘電率層が、誘電率が40以上の結
    晶相を含有することを特徴とする請求項1記載の多層配
    線基板。
  4. 【請求項4】前記高誘電率層の少なくとも上下面に一対
    の電極層を形成することによって、前記高誘電率層およ
    び電極層から所定の静電容量を得ることを特徴とする請
    求項1記載の多層配線基板。
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