JP2003342064A - ガラスセラミック焼結体および多層配線基板 - Google Patents
ガラスセラミック焼結体および多層配線基板Info
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Abstract
を有するガラスセラミック焼結体、およびこのガラスセ
ラミック焼結体を高誘電率層とし、外部回路基板への実
装信頼性に優れた多層配線基板を提供する。 【解決手段】バリウムホウ珪酸ガラス相35〜70質量
%と、チタン酸バリウムストロンチウム化合物30〜6
5質量%と、を含有してなり、40〜400℃における
熱膨張係数が8.5×10-6/℃以上であり、かつ1M
Hz〜3GHzにおける比誘電率が13以上である。
Description
焼結体および多層配線基板に関し、特に、高誘電率、高
熱膨張係数を有するガラスセラミック焼結体と、かかる
ガラスセラミック焼結体を具備した多層配線基板に関す
るものである。
絶縁基板用の材料として、アルミナ等のセラミックス
や、さらに最近では銅メタライズと同時焼成を可能とし
たガラスセラミック焼結体が多用され、一方で、LSI
の高速、高周波化に伴うゲート数の増加に対応するため
に接続端子を増やす工夫がなされ、最も高密度化できる
構造としてボールグリッドアレイ(BGA)が実用化さ
れている。
ンピューティングの発達に伴い、電子機器は小型化、高
密度実装化の要求が強まっており、従来、半導体素子収
納用パッケージの近傍に配置させていたコンデンサ等の
電子部品をパッケージ内に内蔵し、パッケージ自体に機
能性を付与することが行われている。
能化に対応する多層配線基板として、例えば、特開20
00−58381号公報に開示されたものが知られてい
る。この公報に開示された多層配線基板では、基板内に
コンデンサを内蔵する工夫がなされ、そのため高誘電率
層として、予め合成されたBaTiO3と、BaO、S
iO2を主成分とするガラス成分とを混合して調製され
たガラスセラミック焼結体が用いられることが記載され
ている。
半導体素子収納用パッケージを、プリント基板等の外部
回路基板の表面に接続した状態でも高い実装信頼性が得
られるように、絶縁基板材料を高熱膨張化する試みが行
われているが、上記特開2000−58381号公報に
開示されたガラスセラミック焼結体のように、BaO、
SiO2を主成分とするガラス成分に対して、元来高誘
電率を有する誘電体材料の代表であるBaTiO3を混
在させるようなものでは、ガラスセラミック焼結体の高
誘電率化を図ることができるものの、BaTiO3自体
の熱膨張係数が小さいためプリント基板の熱膨張係数
(15×10-6/℃)に近づけるほどの高熱膨張化はで
きなかった。
焼結体を高熱膨張化するために、BaOやSiO2を主
成分とするようなガラス成分とBaTiO3等の誘電体
材料とを混合したものに、さらに、高熱膨張化用の第3
成分として、例えば、熱膨張係数が18×10-6/℃と
高いクオーツを添加することが行われている。
ように、ガラス成分とBaTiO3とを混合したもの
に、上記のようにクオーツを添加して焼成した場合に
は、クオーツが変極点を有し熱膨張係数が低下してしま
うクリストバライト等に変態するために高熱膨張化でき
ないという問題があった。
いガラスセラミック焼結体を用いて多層配線基板を形成
し、プリント基板等の外部回路基板に実装して半導体素
子の動作試験や熱サイクル試験を行った場合、多層配線
基板と外部回路基板との間の熱膨張差に起因する熱応力
の発生により実装信頼性が低下するという問題があっ
た。
率が低ければ多層配線基板の内部に形成されたコンデン
サから高い静電容量を引き出すことできないことから、
同時焼成によって多層配線基板の内部にコンデンサを形
成する利点が薄れるという問題があった。
膨張係数および高誘電率を有するガラスセラミック焼結
体、およびこのガラスセラミック焼結体を高誘電率層と
し、外部回路基板への実装信頼性に優れた多層配線基板
を提供することを目的とする。
対して種々検討を重ねた結果、高誘電率層用材料として
バリウムホウ珪酸ガラス相とチタン酸バリウムストロン
チウム化合物とを混合することにより、アルミナより高
い熱膨張係数および高誘電率を有するガラスセラミック
焼結体を得ることができ、さらに、このガラスセラミッ
ク焼結体を高誘電率層とし低誘電率層とともに同時焼成
すると、高誘電率、高熱膨張係数を併せ持つ多層配線基
板の形成を可能にした。
は、バリウムホウ珪酸ガラス相35〜70質量%と、チ
タン酸バリウムストロンチウム化合物30〜65質量%
とを含有してなることを特徴とする。
ムストロンチウム化合物自体高誘電率および高熱膨張係
数を有する化合物であるために、高熱膨張化のために添
加される、例えば、クオーツなどを用いる必要が無く、
従来の、ガラス成分とBaTiO3とを混合したもの
に、高熱膨張化のためにクオーツを添加して焼成された
ガラスセラミック焼結体に比較して、高い熱膨張係数お
よび高誘電率を有するガラスセラミック焼結体を得るこ
とができる。
は、40〜400℃における熱膨張係数が8.5×10
-6/℃以上であり、かつ1MHz〜3GHzにおける比
誘電率が13以上であることが望ましい。
バリウムホウ珪酸ガラスが、各酸化物換算で、Caを5
〜30モル%、Siを40〜60モル%、Baを5〜2
0モル%、Bを10〜20モル%、Alを3〜15モル
%の割合で含むことが望ましく、一方、チタン酸バリウ
ムストロンチウム化合物は、Ba1-XSrXTiO3(X
=0.02〜0.7)であることが望ましい。
誘電率層とが多層に積層された絶縁基板の表面および/
または内部にメタライズ配線層が配設されている配線基
板において、前記高誘電率層が上記のガラスセラミック
焼結体からなることを特徴とする。
率層が、40〜400℃における熱膨張係数が6〜18
×10-6/℃、比誘電率が10未満であることが望まし
く、さらには、前記高誘電率層が、一対のメタライズ配
線層間に配設されており、該一対のメタライズ配線層に
よって所定の静電容量が引き出されることが望ましい。
るガラスセラミック焼結体が、いずれも高熱膨張特性を
具備することから、プリント基板等の有機樹脂を含む絶
縁基体からなる外部回路基板に実装した状態で、熱サイ
クルが印加されても、熱膨張差に起因する熱応力の発生
を抑制することができる結果、長期にわたり安定した実
装が可能となる。しかも、このガラスセラミック焼結体
は、高熱膨張特性に加え、高誘電率を有することから、
コンデンサとして高い静電容量を引き出すことできるた
めにコンデンサ等の部品を基板に実装する必要がなく、
配線基板を含めた電子機器の小型化に寄与することがで
き、しかも信号の伝送損失を低減することができる。
結体を用いると、低誘電率の高熱膨張ガラスセラミック
焼結体との積層化が可能であるために、配線基板内に高
誘電率のガラスセラミック焼結体を内蔵させることがで
き、多層配線基板を小型化できる。
は、バリウムホウ珪酸ガラス相35〜70質量%と、チ
タン酸バリウムストロンチウム化合物30〜65質量%
とを含有してなることが重要である。
体の特性としては、40〜400℃における熱膨張係数
が8.5×10-6/℃以上であり、かつ1MHz〜3G
Hzにおける比誘電率が13以上であることが望ましい
が、より望ましくは、バリウムホウ珪酸ガラス相40〜
60質量%と、チタン酸バリウムストロンチウム化合物
40〜60質量%の割合において、同条件での熱膨張係
数が9×10-6/℃以上、比誘電率が28以上であり、
かつガラスセラミック焼結体の開気孔率を1.5%以下
とする上でより望ましい。
5質量%よりも少なく、かつチタン酸バリウムストロン
チウム化合物が65質量%よりも多いと、銅と同時焼成
可能な温度域において良好な緻密体が得られず開気孔率
が大きくなる。
量%よりも多く、かつチタン酸バリウムストロンチウム
化合物が30質量%よりも少ない場合には、チタン酸バ
リウムストロンチウム化合物とガラス成分とが反応溶融
し、チタン酸バリウムストロンチウム化合物が焼結体中
に存在し難くなるために、熱膨張係数はバリウムホウ珪
酸ガラス相と同程度となり比誘電率を高めることが困難
となる。
しては、Baを、酸化物換算で5〜20モル%の割合で
含有するものであって、特に、各酸化物換算で、Caを
5〜30モル%、Siを40〜60モル%、Bを10〜
20モル%、およびAlを3〜15モル%の割合で含有
することがバリウムホウ珪酸結晶を析出させる上で望ま
しい。
おける熱膨張係数が8〜18×10 -6/℃であり、また
めっき工程等において耐薬品性を有する。ここで、ガラ
ス成分の熱膨張係数とは、所定の焼成温度で熱処理され
た後の熱膨張係数を指すものであり、線膨張係数を意味
する。
合物は、ガラス成分との焼結性が良好であり、化学式
で、Ba1-XSrXTiO3で表されるものである。ここ
で、Ba1-XSrXTiO3の特性は、Xの値によること
が知られ、所望の熱膨張係数および比誘電率を達成する
ためには、フィラーとしての組成の調整も適宜調整する
ことが必要であり、X=0.02〜0.7の範囲である
ことが望ましい。
10-6/℃であるが、このBaTiO3のBaサイトを
Srで置換すると熱膨張係数が大きくなるという特異性
質を有する。そして、本発明では、特に、X≧0.02
であることが望ましいが、x>0.7では、熱膨張係数
の大きいガラスを用いないと高熱膨張化が難しくなる。
化合物(Ba1-XSrXTiO3)は、例えば、X=0.
05とする単体での特性として、40〜400℃におけ
る熱膨張係数が14.7×10-6/℃以上で、且つ、1
MHzにおける比誘電率が300以上であることが望ま
しく、このため、X=0.03〜0.15の範囲である
ことが特に望ましい。
張係数を13以上とするためには、より高熱膨張なガラ
ス成分を使用すればよく、熱膨張係数の設定は、外部回
路基板の熱膨張係数に合わせて行う。
ンチウム化合物はバリウムホウ珪酸ガラス相と反応する
ことなしに、そのままの形で結晶が残っていることが望
ましく、チタン酸バリウムストロンチウム化合物自体の
持つ高い熱膨張率、比誘電率がそのまま材料特性に反映
された形で特性が発現されることが望ましい。
は、上記組成からなるガラス粉末と、チタン酸バリウム
ストロンチウム化合物(Ba1-XSrXTiO3)となる
チタン酸塩系フィラー粉末とを混合、成形、焼成して作
製される。ガラス粉末とチタン酸塩系フィラー粉末と
は、ガラス粉末:35〜70質量%と、チタン酸塩系フ
ィラー粉末:30〜65質量%の割合で混合、調合す
る。これは、ガラス粉末が35質量%よりも少なく、チ
タン酸塩系フィラー粉末が65質量%よりも多いと、銅
と同時焼成可能な温度域において良好な緻密体が得られ
ず、ガラス粉末が70質量%よりも多く、チタン酸塩系
フィラー粉末が30質量%よりも少ない場合、チタン酸
塩系フィラー粉末がガラス粉末と反応溶融するためにガ
ラスセラミック焼結体としての比誘電率を高めることが
難しくなるためである。
化合物となるチタン酸塩系フィラー粉末は、BaO、S
rOおよびTiO2を所定の組成になるように混合した
ものを一旦温度1200〜1400℃で仮焼を行い合成
する。この後ボールミルを用いて平均粒径1〜2μmに
なるように粉砕して調製されたものが好適に用いられ
る。
して、前記チタン酸塩系フィラー粉末量が上記の範囲か
ら逸脱しない範囲で、比誘電率、誘電正接、比誘電率の
温度変化率、熱膨張係数などの制御のために、チタン酸
塩系フィラー粉末の一部を他のフィラー成分で置換する
こともできる。
gO、ZrO2、ペタライト、フォルステライト(2M
gO・SiO2)、スピネル(MgO・Al2O3)、コ
ージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、
ウォラストナイト(CaO・SiO2)、モンティセラ
イト(CaO・MgO・SiO2)、ネフェリン(Na 2
O・Al2O3、SiO2)、リチウムシリケート(Li2
O・SiO2)、ジオプサイト(CaO・MgO・2S
iO2)、メルビナイト(2CaO・MgO・2Si
O2)、アケルマイト(2CaO・MgO・2Si
O2)、カーネギアイト(Na2O・Al2O3・2SiO
2)、エンスタタイト(MgO・SiO2)、ホウ酸マグ
ネシウム(2MgO・B2O3)、セルシアン(BaO・
Al2O3・2SiO2)、B2O3・2MgO・2Si
O2、ガーナイト(ZnO・Al2O3)、ペタライト
(LiAlSi4O10)などが挙げられる。
合物は、適当な有機樹脂バインダーを添加した後、所望
の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、
射出成形、押し出し成形、ドクターブレード法、カレン
ダーロール法、圧延法等により任意の形状に成形する。
あたっては、まず焼成工程Aとして、730〜770℃
にて1〜5時間程度保持する。この工程は、成形のため
に配合した有機樹脂バインダーを除去するもので、バイ
ンダーの除去は、配線導体として銅系の金属成分を用い
る場合などには、100℃以上にて水蒸気を含有する窒
素雰囲気中で行われる。この時の保持温度が730℃よ
り低いと、水蒸気によるバインダー成分の除去が十分行
われず、残留カーボンが多くなってしまう。また770
℃より高いとガラスの軟化や成形体の収縮が開始し、バ
インダー成分が系内に閉じ込められ除去が十分に行われ
なくなる。
00℃以上程度であることが望ましく、かかる収縮開始
温度がこれより低いとバインダーの除去が困難となるた
め、成形体中の結晶化ガラスの特性、特に屈伏点を前述
したように制御することが必要となる。
℃にて1〜3時間程度保持する。この焼成工程Bは、非
酸化性雰囲気中で行われ、これにより相対密度90%以
上まで緻密化する。この時の焼成温度が850℃より低
いと緻密化することができず、950℃を超えると成形
体からガラス成分が溶出し、焼成用棚板などと反応して
しまう。このようにして作製された本発明のガラスセラ
ミック焼結体は、40〜400℃における熱膨張係数が
8.5×10-6/℃以上であり、かつ1MHz〜3GH
zにおける比誘電率が13以上、しかも1000℃以下
での焼成温度で焼成可能であるため、Cu等の低抵抗金
属との同時焼成が可能である。
ック焼結体は、高絶縁性、高誘電率、高熱膨張性を有す
ることから多層配線基板の絶縁基板材料として好適に用
いることができる。
基板の絶縁基板として好適に使用可能である。そこで、
図1に本発明のガラスセラミック焼結体からなる絶縁層
を具備する多層配線基板の一例である多層配線基板の概
略断面図を示す。
a、1b、1cが多層に積層された絶縁基板1の表面お
よび/また内部にメタライズ配線層2が配設されてい
る。そして、絶縁層1a〜1cのうち絶縁層1bを上記
高誘電率のガラスセラミック焼結体からなる高誘電率層
によって形成する。また、この高誘電率層1bの上下に
Cuなどの導体から成る電極3、3を形成し、スルーホ
ール導体4、4などを経由して絶縁基板1表面のメタラ
イズ配線層2と接続することにより、配線層2、2間で
所定の静電容量を取り出すことができる。
0未満の低誘電率のガラスセラミック焼結体から成る絶
縁層(以下、低誘電率層という)1a、1c間に積層さ
れていることが望ましい。
における熱膨張係数が6〜18×10-6/℃以上であ
り、かつ1MHz〜3GHzにおける比誘電率が10未
満、誘電正接が50×10-4以下であることが、前記高
誘電率層1bとの同時焼結性、積層安定性などの点から
望ましい。
スセラミック焼結体は、前記高誘電率層1bを構成する
前記ガラスセラミック焼結体におけるチタン酸塩系フィ
ラーを、前記他のフィラー成分によって置換した組成物
からなることが望ましい。
されることから、低誘電率層1a、1cと高誘電率層1
bとを同時焼成によって形成することができ、両層の熱
膨張係数を同程度とすることができる。
層1a、1cを具備する多層配線基板は、前述したガラ
ス粉末、およびフィラー粉末からなる低誘電率のセラミ
ックス組成物に、適当な有機バインダー、溶剤、可塑材
を添加混合することによりスラリーを作製し、かかるス
ラリーを周知のドクターブレード等の塗工方式によるグ
リーンシート成形法により、低誘電率層1a、1c用の
グリーンシート(低誘電率グリーンシート)を作製す
る。
な金属粉末に有機樹脂バインダー、溶剤、可塑材を添加
混合して得た金属ペーストを前記低誘電率グリーンシー
トに周知のスクリーン印刷法により、所定のパターンに
印刷塗布する。また、場合によっては、前記グリーンシ
ートに適当な打ち抜き加工によって貫通孔を形成し、こ
の貫通孔内に導体ペーストを充填する。
1b形成用のグリーンシートを作製し、打ち抜き加工に
よる貫通孔の形成や、導体ペーストの印刷によって電極
3を形成する。
シートと高誘電率セラミックグリーンシートとを積層
し、グリーンシート積層体とメタライズを同時焼成する
ことにより、コンデンサとして機能する高誘電率層を内
蔵する多層配線基板を得ることができる。
る高誘電率層1bを内蔵した多層配線基板は、40〜4
00℃における熱膨張係数が8.5×10-6/℃以上、
特に9×10-6/℃以上であることから、有機樹脂を含
有するプリント基板(40〜400℃における熱膨張係
数が約12〜15×10-6/℃)に、BGAやLCCな
どのボール状半田端子や半田を介して実装した場合にお
いても、温度サイクルに対する長期信頼性の実装が可能
である。しかも、コンデンサとして機能する高誘電率層
を内蔵することにより、配線基板やプリント基板の表面
にコンデンサ素子などを別途実装する必要がないため
に、配線基板やプリント基板などの外部回路基板の小型
化を同時に図ることができる。
子を搭載するための半導体素子収納用パッケージ等とし
て利用するだけでなく、弾性表面波、水晶振動子などを
搭載可能な配線基板としても利用でき、さらにガラスセ
ラミック焼結体は、LCフィルタなどの積層電子部品に
おける絶縁体として活用することもできる。
末として、CaO 16.1モル%、SiO2 53.5
モル%、BaO11.1モル%、B2O314.3モル
%、Al2O35.0モル%の組成を有するガラス粉末A
を準備した。
物組成として、Ba1-XSrXTiO 3(X=0.01〜
0.7)になるように、BaO、SrOおよびTiO2
を所定量混合して、温度1350℃で仮焼を行い、チタ
ン酸塩系フィラー(チタン酸バリウムストロンチウム化
合物)粉末を合成した。この後、ボールミルを用いて平
均粒径1〜2μmになるまで粉砕して調製した。
のチタン酸塩系フィラー(チタン酸バリウムストロンチ
ウム化合物)粉末を表1に示す割合でそれぞれ添加し、
有機樹脂バインダー、溶剤、可塑材を加えて十分混合さ
せてスラリーを作製し、ドクターブレード法により厚み
100μmのグリーンシートを作製した。得られたグリ
ーンシートより、60mm×60mm×2mmのサンプ
ルを作製し焼成した。また、一部の試料ではチタン酸塩
系フィラー粉末とともにスピネル粉末を混合したものを
調製した。
における熱膨張係数および3GHzにおける比誘電率を
それぞれ測定した。ガラスセラミック焼結体内部のフィ
ラーについては分析電子顕微鏡を用いてその結晶相の確
認を行い、組成を同定した。
孔率を測定した。
タン酸バリウムストロンチウム化合物の代わりに、Ba
TiO3あるいはSrTiO3を用いた場合、さらに、B
aTiO3あるいはSrTiO3にクオーツを添加した試
料を作製して本発明品と同様の評価を行った。その結果
を表1に示した。
もバリウムホウ珪酸ガラス粉末とフィラー成分として、
Ba1-xSrxTiO3(x=0.01〜0.7)粉末を
用いて作製した試料No.2〜6、8〜14では、比誘
電率が28以上、熱膨張係数が9×10-6/℃以上で、
開気孔率が4%以下と緻密なガラスセラミック焼結体を
得ることができた。この場合、バリウムホウ珪酸ガラス
粉末とともに混合したフィラー成分はガラスと反応する
ことなしに、Ba1-xSrxTiO3がそのままの形で結
晶が残り、高い熱膨張率、比誘電率がそのまま材料特性
に反映された形になった。
し、Ba1-xSrxTiO3(x=0.05)量を40〜
60質量%とした試料No.3〜5では、開気孔率を
1.5%以下にでき、熱膨張係数が9.6×10-6/℃
以上、比誘電率が30以上まで高めることができた。
0.03〜0.15とした試料No.4、10、11で
は、比誘電率を32〜35、熱膨張係数を9.4×10
-6/℃〜9.7×10-6/℃と維持しながら開気孔率を
0.5%以下にできた。
o.1、7では、ガラスA量が少ない場合には未焼結と
なり、また、ガラスA量が多い場合にはガラスA粉末と
チタン酸塩フィラー成分とが反応溶融し所望のガラスセ
ラミック焼結体を形成できなかった。
て、チタン酸塩系フィラーとして、BaTiO3、Sr
TiO3を単体で添加した試料No.15では、比誘電
率は43まで高くなったが、熱膨張係数が8.1×10
-6/℃であった。
て、チタン酸塩系フィラーとして、BaTiO3あるい
はSrTiO3を単体で添加し、さらに、熱膨張係数を
高めるためにクオーツを添加した試料No.16、17
では、クオーツがクリストバライトに変態したため熱膨
張係数向上への効果が乏しかった。
ラーとしてクオーツを50質量%添加してなる組成物B
(焼成後の40〜400℃における線熱膨張係数:9.
0×10-6/℃、1MHzにおける比誘電率:5.7)
を用意し、実施例1と全く同様な方法で厚さ100μm
の低誘電率層用のグリーンシートを作製した。
0μmの高誘電率層用のグリーンシートの両面および、
前記低誘電率層用グリーンシートに銅メタライズペース
トをスクリーン印刷法に基づき電極用の塗布した。さら
に、グリーンシートの所定箇所にビアホールを形成しそ
の中にも銅メタライズペーストを充填した。
の上下に、上記低誘電率層用グリーンシートを1枚ず
つ、計3枚を積層圧着した後、10mm×15mmのサ
ンプルを作製し焼成を行い多層配線基板を作製した。磁
器クラックの有無を調べ、同時焼成可能かを確認した。
その結果、焼成後に多層配線基板の内外部にクラックは
見られず、且つ低誘電率層間に積層された高誘電率層の
特性はガラスセラミック焼結体単味での特性を示し電気
特性を損なうことはなかった。
はんだボールを用いて接続端子を形成し、外部回路基板
に接続して、温度範囲0〜100℃で1000サイクル
までの熱サイクル試験を行った。本発明の多層配線基板
では接続不良は無かった。
高誘電率層用材料としてバリウムホウ珪酸ガラス相とチ
タン酸バリウムストロンチウム化合物を混合することに
より、アルミナより高い熱膨張係数および高誘電率を有
するガラスセラミック焼結体を得ることができ、さら
に、このガラスセラミック焼結体を高誘電率層とし低誘
電率層とともに同時焼成すると、高誘電率、高熱膨張係
数を併せ持つ多層配線基板の形成を可能にできる。
ための概略断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】バリウムホウ珪酸ガラス相35〜70質量
%と、チタン酸バリウムストロンチウム化合物30〜6
5質量%とを含有してなることを特徴とするガラスセラ
ミック焼結体。 - 【請求項2】40〜400℃における熱膨張係数が8.
5×10-6/℃以上であり、かつ1MHz〜3GHzに
おける比誘電率が13以上であることを特徴とする請求
項1に記載のガラスセラミック焼結体。 - 【請求項3】バリウムホウ珪酸ガラス相が、各酸化物換
算で、Caを5〜30モル%、Siを40〜60モル
%、Baを5〜20モル%、Bを10〜20モル%、A
lを3〜15モル%の割合で含むことを特徴とする請求
項1または2に記載のガラスセラミック焼結体。 - 【請求項4】チタン酸バリウムストロンチウム化合物
が、Ba1-XSrXTiO 3(X=0.02〜0.7)で
あることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか記
載のガラスセラミック焼結体。 - 【請求項5】高誘電率層と低誘電率層とが多層に積層さ
れた絶縁基板の表面および/または内部にメタライズ配
線層が配設されている配線基板において、前記高誘電率
層が請求項1乃至4のうちいずれか記載のガラスセラミ
ック焼結体からなることを特徴とする多層配線基板。 - 【請求項6】前記低誘電率層が、40〜400℃におけ
る熱膨張係数が6〜18×10-6/℃、比誘電率が10
未満であることを特徴とする請求項5に記載の多層配線
基板。 - 【請求項7】前記高誘電率層が、一対のメタライズ配線
層間に配設されており、該一対のメタライズ配線層によ
って所定の静電容量が引き出されることを特徴とする請
求項5または6に記載の多層配線基板。
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JP2002154411A JP2003342064A (ja) | 2002-05-28 | 2002-05-28 | ガラスセラミック焼結体および多層配線基板 |
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- 2002-05-28 JP JP2002154411A patent/JP2003342064A/ja active Pending
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