JP2008105916A - 低温焼成磁器およびその製造方法、ならびにそれを用いた配線基板 - Google Patents

低温焼成磁器およびその製造方法、ならびにそれを用いた配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐湿性に優れるとともに誘電率が低く、さらに耐薬品性の良好な高熱膨張の低温焼成磁器およびその製造方法、ならびに配線基板を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、30〜50質量%のクォーツと、5〜40質量%のエンスタタイトと、1〜15質量%のフォルステライトと、5〜15質量%のガーナイトと、0.5〜5質量%のジルコニアと、0.01〜2質量%のチタニアと、5〜30質量%のガラス相とからなり、前記ガラス相100質量%のうちの10〜30質量%がCaOであることを特徴とする低温焼成磁器である。
【選択図】なし

Description

本発明は、Cu、Ag等の低抵抗導体からなるメタライズ配線層との同時焼成が可能な絶縁基体に使用される低温焼成磁器およびその製造方法、ならびにそれを用いた配線基板に関する。
電子機器等に使用される配線基板は、一般に絶縁基体の表面または内部にメタライズ配線層が配設された構造になっている。このような配線基板を用いた回路機器の代表例として、半導体素子、特にLSI(大規模集積回路素子)等の半導体集積回路素子を収容した半導体素子収納用パッケージが挙げられる。
半導体素子収納用パッケージは、上面中央部に半導体素子を搭載する絶縁基体と、半導体素子に接続されて素子の周囲から下面にかけて導出されるタングステン、モリブデン等の高融点金属からなる複数のメタライズ配線層と、絶縁基体の側面または下面に形成されてメタライズ配線層が電気的に接続される複数の接続端子と、蓋体とから構成され、絶縁基体上面に蓋体をガラス、樹脂等の封止材を介して接合し、絶縁基体と蓋体とからなる容器内部に半導体を気密に封止することによって形成される。
このような半導体素子収納用パッケージに用いられる絶縁基体としては、アルミナやムライト等のセラミック焼結体を用いることが知られているが、絶縁基体にこれらのセラミック焼結体を用いる場合、同時焼成が困難であるという理由からメタライズ配線層として低抵抗のCuやAg等を使用することができない。一方、絶縁基体とこれを搭載する外部回路基板(プリント配線基板)との関係において、熱膨張係数差が大きいと、熱応力で実装部分が剥離したりクラックが生じたりしてしまう。
そこで、CuやAg等の低抵抗導体と組み合わせて同時焼成することができる高熱膨張の絶縁基体材料(低温焼成磁器)として、絶縁基体の表面あるいは内部にメタライズ配線層が配設された配線基板において、絶縁基体が、LiOを5〜30重量%含有し屈伏点が400℃〜800℃のリチウム珪酸ガラスを20〜80体積%と、少なくともフォルステライトとクォーツを含むフィラー成分を総量で20〜80体積%の割合で含む成形体を焼成して得られたものが提案されている(特許文献1を参照。)。
また、同様に絶縁基体材料(低温焼成磁器)として、少なくとも珪酸バリウム結晶20〜80重量%とクォーツ結晶を20〜80重量%との割合で含有し、40〜400℃における熱膨張係数が9〜18×10−6/℃、3GHzにおける誘電損失が30×10−4以下であるものが提案されている(特許文献2を参照。)。
特許第3210844号公報 特許第3523589号公報
しかしながら、特許文献1に記載された低温焼成磁器は、熱膨張係数を上げるためにアルカリ成分を含むものであるため、耐湿性が低く長期信頼性に問題があった。
また、特許文献2に記載された低温焼成磁器は、熱膨張係数を上げるために珪酸バリウムを多く含むので誘電率が高く、これを絶縁基体とした配線基板において、寄生容量が発生して電気信号の伝搬速度が遅くなるという問題があった。
さらに、一般にガラスセラミックスからなる低温焼成磁器において、ガラスから結晶を析出させて製造しようとすると、ガラス相から結晶相への変化の過程において体積が減少することでボイドが発生し、耐薬品性が低下するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、耐湿性に優れるとともに誘電率が低く、さらに耐薬品性の良好な高熱膨張の低温焼成磁器およびその製造方法、ならびに配線基板を提供することを目的とする。
本発明は、30〜50質量%のクォーツと、5〜40質量%のエンスタタイトと、1〜15質量%のフォルステライトと、5〜15質量%のガーナイトと、0.5〜5質量%のジルコニアと、0.01〜2質量%のチタニアと、5〜30質量%のガラス相とからなり、前記ガラス相100質量%のうちの10〜30質量%がCaOであることを特徴とする低温焼成磁器である。
また本発明は、30〜50質量%のSiO粉末と、0.01〜2質量%のTiO粉末と、0.7〜7質量%のCaZrO粉末と、残部として、SiをSiO換算で25〜45質量%、AlをAl換算で10〜25質量%、MgをMgO換算で10〜24質量%、BをB換算で5〜20質量%、ZnをZnO換算で5〜20質量%、CaをCaO換算で0.5〜4質量%含有するガラス粉末とを混合して焼成することを特徴とする低温焼成磁器の製造方法である。
さらに本発明は、上記低温焼成磁器で形成された複数の絶縁層を積層してなる絶縁基体と、該絶縁基体の表面または内部に形成されたメタライズ配線層とを含み、前記絶縁層の厚みが50μm以下であることを特徴とする配線基板である。
本発明によれば、アルカリ成分を含まないので耐湿性に優れるとともに珪酸バリウムを含まないので誘電率も低い。また、ガラス粉末に0.01〜2質量%のTiO粉末を混合して焼成することによって、ガラス中からフォルステライト結晶を析出させることができることから、熱膨張係数を向上させることができる。
そして、ガラス粉末に0.7〜7質量%のCaZrO粉末を混合して焼成することによって、結晶相にZrO結晶を析出させるとともに、ガラス相中に10〜30質量%のCaOを含ませてCaがガラス中のネットワーク構造に取り込まれるようにしたことから、焼結性が向上し、結果的に耐薬品性の良好な低温焼成磁器が得られる。
この低温焼成磁器で形成された絶縁基体は、1000℃以下の低温で焼成できるため、Ag、Cu金属を用いたメタライズ配線層との同時焼成が可能で、熱膨張係数が高く、高周波帯での誘電特性に優れ、耐薬品性に優れることから、熱サイクルに対して耐久性がある。そして、絶縁性が良好であることから、50μm以下の薄層化を実現することができる。
本発明の実施形態について説明する。
本発明の低温焼成磁器は、30〜50質量%のクォーツと、5〜40質量%のエンスタタイトと、1〜15質量%のフォルステライトと、5〜15質量%のガーナイトと、0.5〜5質量%のジルコニアと、0.01〜2質量%のチタニアと、5〜30質量%のガラス相とからなり、このガラス相100質量%のうちの10〜30質量%がCaOである。
ここで、結晶相に含まれるクォーツ結晶が30質量%より少ないと磁器の熱膨張係数を高めることができず、50質量%よりも多いと1000℃以下の低温焼成によってガラスがクォーツ粒子を十分に覆う(濡らす)ことができず、磁器の焼結性を低下させ、気孔率を低減することができない。したがって、耐水性、耐薬品性、強度等の低下を招く。
また、エンスタタイト結晶が5質量%より少ないと磁器の熱膨張係数を高めることができず、40質量%よりも多いと磁器の気孔率を低減することができず、耐水性、耐薬品性、強度等の低下を招く。
フォルステライト結晶が1質量%より少ないと磁器の熱膨張係数を高めることができず、15質量%よりも多いと磁器の気孔率を低減することができず、耐水性、耐薬品性、強度等の低下を招く。
ガーナイト結晶が5質量%より少ないと磁器の熱膨張係数を高めることができず、15質量%よりも多いと磁器の気孔率を低減することができず、耐水性、耐薬品性、強度等の低下を招く。
ZrO結晶が0.5質量%より少ないと磁器強度を高めることができず、5質量%よりも多いと磁器の誘電率が増加する。
TiO結晶が0.01質量%より少ないと、フォルステライトを十分に析出させることができず、磁器の熱膨張係数を高めることがでない。一方、2質量%より多いと耐水性、耐薬品性、強度等の低下を招く。
なお、本発明における各結晶の含有比率は、磁器のX線回折測定から各結晶のピーク強度に基づいてリートベルト法(泉 富士夫ら 日本結晶学会誌 34(1992)76等参照)によって算出される値を指す。
そして、ガラス相100質量%のうちのCaO量が10質量%より少ないと磁器の気孔率を低減することができず、耐水性、耐薬品性、強度等の低下を招く。一方、CaOの量が30質量%より多いと磁器の熱膨張係数を高めることができない。なお、この量は、リートベルト法によりガラス量を分析したのち、蛍光X線分析によりこの組成を求めガラス中のCaO量を割り出した。
本発明の低温焼成磁器は上記数値範囲の含有比率であることにより、40〜400℃における熱膨張係数が10〜15×10−6/℃であって、配線基板やパッケージの絶縁基体として用いた場合、PCボード等の外部回路基板への実装した際の熱膨張差に起因する熱応力の発生を抑制することができる。また、焼結性がよく良好な耐薬品性を有することとなるから、この低温焼成磁器で形成された複数の絶縁層を積層してなる絶縁基体を有する配線基板において、絶縁層の厚みを50μm以下と薄層にすることができる。
すなわち、上記低温焼成磁器で形成された複数の絶縁層を積層してなる絶縁基体と、該絶縁基体の表面または内部に形成されたメタライズ配線層とを含む構成において、絶縁層の厚みを50μm以下とすることができる。
なお、抗折強度、耐薬品性、耐水性、熱伝導率、絶縁抵抗の点で、低温焼成磁器の相対密度が95%以上、特に97%以上であることが望ましい。
このような低温焼成磁器は、30〜50質量%のSiO粉末と、0.01〜2質量%のTiO粉末と、0.7〜7質量%のCaZrO粉末と、残部として、SiをSiO換算で25〜45質量%、AlをAl換算で10〜25質量%、MgをMgO換算で10〜24質量%、BをB換算で5〜20質量%、ZnをZnO換算で5〜20質量%、CaをCaO換算で0.5〜4質量%含有するガラス粉末とを混合して焼成することにより得られる。
ガラス粉末は、平均粒径が0.5〜5μm程度であって、焼成後にガーナイト(ZnO・Al23)、エンスタタイト(MgO・SiO2)等の高熱膨張係数の結晶相が析出する結晶性ガラスが用いられる。
1000℃以下の焼成で磁器中にクォーツ結晶を含有せしめるために、フィラー成分としてSiO粉末を混合する必要がある。ガラス粉末、SiO粉末、TiO粉末およびCaZrO粉末の全体を100質量%としたとき、SiO粉末の量としては、30〜50質量%であることが重要である。SiO粉末が30質量%よりも少ないと、低温焼成磁器の40〜400℃における熱膨張係数が10×10−6/℃よりも低下して、絶縁基体と外部回路基板との熱膨張差により電気的接続信頼性が低下する。一方、SiO粉末が50質量%よりも多いと、焼結性が悪くボイドが発生して結果的に耐薬品性が低下する。
また、TiO粉末はいわゆる核形成剤として機能し、フォルステライトの析出に効果を発揮するものである。ガラス粉末、SiO粉末、TiO粉末およびCaZrO粉末の全体を100質量%としたとき、TiO粉末が0.01質量%よりも少ないと、核形成剤として十分に機能せず、フォルステライトを析出することができなくなり、2質量%よりも多いと、焼結性が悪くボイドが発生して結果的に耐薬品性が低下する。
そして、低温焼成磁器の耐薬品性を良好なものとするために、CaZrO粉末を混合している。ガラス粉末、SiO粉末、TiO粉末およびCaZrO粉末の全体を100質量%としたとき、CaZrO粉末の割合は0.7〜7質量%である。CaZrO粉末が0.5質量%よりも少ないと、焼結性が悪く、ボイドが発生し結果的に耐薬品性が低下し、7質量%より多いと、熱膨張係数を低下させる。上記の量のCaZrO粉末としてCa成分を供給することで、Caがガラス相を構成するガラスのネットワーク構造に取り込まれ、焼結性が向上し結果的に耐薬品性を良好なものとすることができる。なお、Zrの一部もCaとともにガラスのネットワーク構造に取り込まれ、耐薬品性向上に寄与する。これに対し、Ca成分の供給としてCaO粉末をフィラーとして添加した場合、Ca成分のすべてはガラス中に溶け込まず、CaO結晶として残り、焼結性の低下、誘電率の増加、化学的安定性の低下をもたらす。また、CaO、ZrO成分を事前にガラス中に溶解させた場合、焼結時にディオプサイド結晶が析出し、熱膨張を低下させる。したがって、CaZrO粉末として混合することが重要である。
なお、SiO粉末、TiO粉末およびCaZrO粉末の平均粒径は、0.2〜10μm、特に0.5〜5μmであることが望ましい。
その他、上記SiO粉末、TiO粉末およびCaZrO粉末以外に、Al、MgO、ZrO、フォルステライト(2MgO・SiO)、スピネル(MgO、Al)、ウォラストナイト(CaO・SiO)、モンティセラナイト(CaO・MgO・SiO)、ネフェリン(NaO・Al・SiO)、メルビナイト(2CaO・MgO・2SiO)、アケルマイト(2CaO・MgO・2SiO)、カーネギアイト(Na2O・Al・2SiO)、エンスタタイト(MgO・SiO)、ホウ酸マグネシウム(2MgO・B)、セルシアン(BaO・Al・2SiO)、B・2MgO・2SiO、ガーナイト(ZnO・Al)、CaTiO3、BaTiO3、SrTiO3等を所謂核形成剤として添加してもよい。
そして、上述した組成のガラス粉末と、SiO粉末、TiO粉末およびCaZrO粉末に対して、適当な成形のための有機樹脂バインダー、溶剤を添加した後、所望の混合手段、例えばボールミル、ビーズミル等により混合スラリーを作製した後に、所望の成形手段、例えば金型プレス、冷間静水圧プレス、射出成形、押出し成形、ドクターブレード法、カレンダーロール法、圧延法等により任意の形状に成形する。
次に、上記の成形体の焼成にあたっては、まず、成形のために配合したバインダー成分を除去する。バインダーの除去は、700℃前後の大気または窒素雰囲気中で行われるが、配線導体層として、例えばCuを用いる場合には、水蒸気を含有する窒素雰囲気中で行われる。この時、成形体の収縮開始温度は700〜850℃程度であることが望ましく、かかる収縮開始温度がこれより低いとバインダーの除去が困難となる。
また焼成は、酸化性雰囲気または非酸化性雰囲気中で行われ、特に磁器中のガラスの結晶化度を高め、磁器中の気孔率を低減するとともに、特に銅の配線導体層と同時焼成する場合において、ガラスの軟化挙動をCu導体層に近似させて絶縁基体の反りを抑制するために、昇温速度20〜350℃/hr、特に50〜250℃/hr、さらに50〜100℃/hrで、焼成温度800〜1000℃、特に850〜970℃、さらに920〜950℃にて、0.5〜5hr、特に1.5〜3hr焼成することによって磁器を緻密化でき本発明の低温焼成磁器を作製することができる。このときの焼成温度が1000℃を越えるとCu等の配線導体層との同時焼成で導体層が溶融してしまう。なお、Cu等の配線導体と同時焼成する場合には、非酸化性雰囲気中で焼成すればよい。
SiO、Al、B、MgO、CaO、ZnOを含む表1に示すガラス組成のガラス粉末と、SiO粉末、TiO粉末およびCaZrO粉末を、表1の調合組成となるように、有機バインダーを添加して混合した。なお、それぞれの平均粒径は、ガラス粉末が2μm、SiO粉末が5μm、TiO粉末が1μm、CaZrO粉末が1μmであった。
その後、得られた混合物を一軸プレス成形により、3.5mm×3.5mm×15mmの形状の成形体に成形した。そして、この成形体を700℃のN+HO雰囲気中で脱バインダー処理し、窒素雰囲気中、100℃/hrで昇温し、950℃で1時間焼成した。
得られた低温焼成磁器に対して、X線回折測定を行い検出された結晶の同定を行うとともに、このX線回折ピークからリートベルト法によって各結晶を算出し、磁器組成として表1に示した。またCaO量については、リートベルト法によりガラス量を分析したのち、蛍光X線分析によりこの組成を求めガラス中のCaO量を割り出し、表1に示した。
そして、得られた低温焼成磁器に対して、40〜400℃で熱膨張係数を測定した。その結果を表2に示す。なお、熱膨張係数の測定は、JIS R3102に準拠して行ったものであるが、測定対象物としてJIS R3102に定められた寸法の試験片が作成できない場合は、長さを測定する部分の寸法と定められた寸法との差が小さくなるように直方体、または、円柱を測定対象物から切り出し、長さを測定する部分の両端面を研磨により平行にして試験片とすればよい。
また、得られた低温焼成磁器を直径60mm、厚さ2mmに加工し、JIS C2141の手法で1MHzでの誘電率を測定した。その結果を表2に示す。なお、誘電率の望ましい範囲は5〜6の範囲である。
また、JIS R1634に準拠して吸水率の測定を行った。この吸水率は、焼結性が悪く、ボイドが多数ある場合に高くなり、耐薬品性の指標ともなりうる。その結果を表2に示す。
さらに、表1に示す組成物を用いて、有機バインダーとしてアクリル樹脂バインダー、可塑剤としてジオクチルフタレート、溶剤としてトルエンを添加して、ボールミルにより混合してスラリーを作製し、このスラリーをドクターブレード法により厚み120μmのグリーンシートを作製し、このシート表面にCu粉末、ガラス粉末、有機バインダーからなるメタライズペーストをスクリーン印刷法に基づき塗布した。また、グリーンシートの所定箇所にスルーホールを形成し、その中にもCuメタライズペーストを充填した。そして、メタライズペーストが塗布されたグリーンシートをスルーホール間で位置合わせしながら20枚積層し圧着した。この積層体を700℃のN+HO雰囲気中で脱バインダー処理した後、窒素雰囲気中、上述した焼成条件でメタライズ配線層と絶縁基体とを同時焼成し、配線基板を作製した。
この配線基板の下面全体に、1cm当たり30端子の密度で接続端子を設け、それぞれの接続端子にPb90質量%、Sn10質量%からなる球状半田ボール(球状端子)を低融点半田(ロウ材)(Pb37%−Sn63%)により取り着けた。
そして、この配線基板を、ガラス−エポキシ基板からなる40〜800℃における熱膨張係数が13×10−6/℃の絶縁体の表面に銅箔からなる配線導体が形成されたプリント基板表面に実装した。実装は、プリント基板の上の配線導体と配線基板の球状端子とを位置合わせし、低融点ロウ材によって接続実装した。
次に、配線基板をプリント基板表面に実装した試験サンプルを、大気雰囲気にて0℃と100℃の各温度に制御した恒温槽に30分/30分の保持を1サイクルとして最高3500サイクル繰り返して、熱サイクルをかけた。そして、サイクル毎にプリント基板の配線導体とパッケージ用配線基板との電気抵抗を測定し電気抵抗に変化が現れるまでのサイクル数を測定し3000サイクル以上を合格とした。その結果を表2に示す。
Figure 2008105916
Figure 2008105916
表2の結果によれば、磁器組成においてクォーツ含有量の少ない試料No.2では、熱膨張係数が低く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、調合組成においてCaZrOが含まれておらず磁器組成においてガラス相の少ない多い試料No.5では、吸水率が高く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、調合組成においてCaZrOが多く磁器組成においてジルコニアの多い試料No.7では、熱膨張係数が低く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、調合組成においてTiOが含まれておらず磁器組成においてフォルステライトおよびチタニアが含まれていない試料No.9では、熱膨張係数が低く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、磁器組成においてガーナイトの多い試料No.10では、熱膨張係数が低く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、磁器組成においてジルコニアの少ない試料No.11では、吸水率が高く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、磁器組成においてフォルステライトが含まれておらずガラス相の多い試料No.13では、熱膨張係数が低く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、磁器組成においてガラス相の少ない試料No.15では、吸水率が高く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、磁器組成においてガラス相の多い試料No.16では、熱膨張係数が低いとともに吸水率が高く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。また、ガラス相中のCaO量の少ない試料No.19では、熱膨張係数が低いとともに吸水率が高く、温度サイクル試験において3000以下で電気抵抗が増大していることがわかる。
これに対して、本発明の範囲内では、熱膨張係数10〜15×10−6/℃、熱サイクル試験によって3000サイクル以上の良好な接続を維持できる優れた低温焼成磁器であることがわかる。

Claims (3)

  1. 30〜50質量%のクォーツと、5〜40質量%のエンスタタイトと、1〜15質量%のフォルステライトと、5〜15質量%のガーナイトと、0.5〜5質量%のジルコニアと、0.01〜2質量%のチタニアと、5〜30質量%のガラス相とからなり、
    前記ガラス相100質量%のうちの10〜30質量%がCaOであることを特徴とする低温焼成磁器。
  2. 30〜50質量%のSiO粉末と、0.01〜2質量%のTiO粉末と、0.7〜7質量%のCaZrO粉末と、残部として、SiをSiO換算で25〜45質量%、AlをAl換算で10〜25質量%、MgをMgO換算で10〜24質量%、BをB換算で5〜20質量%、ZnをZnO換算で5〜20質量%、CaをCaO換算で0.5〜4質量%含有するガラス粉末とを混合して焼成することを特徴とする低温焼成磁器の製造方法。
  3. 請求項1に記載の低温焼成磁器で形成された複数の絶縁層を積層してなる絶縁基体と、該絶縁基体の表面または内部に形成されたメタライズ配線層とを含み、前記絶縁層の厚みが50μm以下であることを特徴とする配線基板。
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