JP4629525B2 - 積層セラミック部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミック部品及びその製造方法に関する。更に詳しくは、高誘電率層と低誘電率層とが積層された積層部を備える積層セラミック部品及びその製造方法に関する。
近年、電子部品の複合化及び軽薄短小化が進められ、なかでも基板内部にコンデンサ及び共振器などを一体的に備えることができるため、高誘電率材料と低誘電率材料とが一体焼成された積層セラミック部品が注目されている。しかし、高誘電率材料と低誘電率材料とは、焼結収縮率、焼成収縮挙動及び熱膨張率等の各種特性が異なり、一体焼成には困難を伴う。
このため高誘電率層と低誘電率層との間に中間層を設けて一体焼成する方法が下記特許文献1〜4に開示されている。また、高誘電率層を多層基板の厚さ方向に対称に配置して一体焼成する方法が下記特許文献5に開示されている。
特開昭63−13318号公報 特開平7−312511号公報 特開平8−32242号公報 特開平9−92978号公報 特開平10−308584号公報
上記特許文献1〜4の方法においては、電子部品の機能発現のためには本来必要のない中間層を形成しなければならない。また、中間層を作成するために工程数及びコストが大幅に増加している。更に、小型化を図る上でも障害となる。また、上記特許文献5のように、高誘電率層を多層基板の厚さ方向に対称に配置する方法では、回路設計のうえで自由度が低下することとなる。
本発明は上記問題を解決するものであり、中間層を設けることなく、対称配置とすることなく、高誘電率層と低誘電率層とを一体的に備え、更には、低誘電率層と高誘電率層との間に反応層が形成され難い積層セラミック部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、低誘電率材料と高誘電率材料とを一体焼成する上で、各ガラスを同一組成系にし、所定の低誘電率無機フィラーを用いることで、焼成挙動が安定し、一体焼成に伴う不具合を大幅に抑制できることを知見した。更に、低誘電率層と高誘電率層との間に反応層が形成され難く、積層セラミック部品の性能設計がし易いことを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
〈1〉ガラス及び低誘電率無機フィラーを含有する低誘電率層と、該ガラスと同一組成系のガラス及び高誘電率無機フィラーを含有する高誘電率層と、が積層された積層部を備え、
且つ、該低誘電率無機フィラーは、組成式(1)[xCaO・yMO・zSiO](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たし、
上記高誘電率無機フィラーは、組成式(3)[aBaO・bTiO ・cREO 3/2 ・dBiO 3/2 ](但し、REは希土類金属元素であり、a、b、c及びdはモル比を表し、a+b+c+d=1である。)で表した場合に下記条件(3)を満たし、
上記低誘電率層を構成している上記ガラス、及び、上記高誘電率層を構成している上記ガラスの各々は、少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、該各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、該BaをBaO換算で25〜55質量%、該ZnをZnO換算で5〜30質量%、該BをB 換算で15〜35質量%、該SiをSiO 換算で5〜30質量%、各々含有することを特徴とする積層セラミック部品。
条件(1);上記組成式(1)中の該Mは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
条件(2);上記組成式(1)中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=0、y=35、z=65、点Bはx=13、y=40、z=47、点Cはx=13、y=64、z=23及び点Dはx=0、y=80、z=20である。)により囲まれた領域内(但し、辺AB、辺BC、辺CD及び辺DAは全て該領域内に含まれる。)にある。
条件(3);上記組成式(3)中の該aは0.09≦a≦0.16、該bは0.54≦b≦0.62、該cは0.20≦c≦0.34、該dは0≦d≦0.10を各々満たす。
〈2〉上記低誘電率層中の上記ガラスの含有量は、該低誘電率層全体に対して35体積%以下である上記〈1〉に記載の積層セラミック部品。
〈3〉上記高誘電率層中の上記ガラスの含有量は、該高誘電率層全体に対して45体積%以下である上記〈1〉又は〈2〉に記載の積層セラミック部品。
〈4〉上記低誘電率無機フィラーは、フォルステライト、クリストバライト、モンチセライト、エンスタタイト、クオーツ、ウィルマイト及びトリジマイトのうちの少なくとも1種の結晶相を有する上記〈1〉乃至〈3〉のうちのいずれかに記載の積層セラミック部品。
〈5〉上記積層部は、上記低誘電率層の一面の一部と上記高誘電率層の一面の一部とが直接接して積層された部位を有し、該低誘電率層の一面の他部と該高誘電率層の一面の他部との間にAg及び/又はCuを含み、且つ、該低誘電率層及び該高誘電率層と同時焼成された導体層を備える上記〈1〉乃至〈4〉のうちのいずれかに記載の積層セラミック部品。
〈6〉上記低誘電率層中の上記ガラスの含有量と、上記高誘電率層中の上記ガラスの含有量との差は、15体積%以下である上記〈1〉乃至〈5〉のうちのいずれかに記載の積層セラミック部品。
〈7〉少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、該各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、該BaをBaO換算で25〜55質量%、該ZnをZnO換算で5〜30質量%、該BをB換算で15〜35質量%、該SiをSiO換算で5〜30質量%、各々含有するガラスと、
組成式(1)[xCaO・yMO・zSiO](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たす低誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成低誘電率シートを形成する未焼成低誘電率シート製造工程、
上記ガラスと、組成式(3)[aBaO・bTiO・cREO3/2・dBiO3/2](但し、REは希土類金属元素であり、a、b、c及びdはモル比を表し、a+b+c+d=1である。)で表した場合に下記条件(3)を満たす高誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成高誘電率シートを形成する未焼成高誘電率シート製造工程、
上記未焼成低誘電率シート及び/又は上記未焼成高誘電率シートの表面にAg及び/又はCuを含有する未焼成導体層を形成する未焼成導体層形成工程、
上記未焼成導体層形成工程を経たのちの上記未焼成低誘電率シートと上記未焼成高誘電率シートとを積層して未焼成積層体を製造する積層工程、並びに、
上記未焼成積層体を800〜1050℃で焼成する焼成工程、を備えることを特徴とする積層セラミック部品の製造方法。
条件(1);上記組成式中の該Mは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
条件(2);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=0、y=35、z=65、点Bはx=13、y=40、z=47、点Cはx=13、y=64、z=23及び点Dはx=0、y=80、z=20である。)により囲まれた領域内(但し、辺AB、辺BC、辺CD及び辺DAは全て該領域内に含まれる。)にある。
条件(3);上記組成式(3)中の該aは0.09≦a≦0.16、該bは0.54≦b≦0.62、該cは0.20≦c≦0.34、該dは0≦d≦0.10を各々満たす。
〈8〉少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、該各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、該BaをBaO換算で25〜55質量%、該ZnをZnO換算で5〜30質量%、該BをB換算で15〜35質量%、該SiをSiO換算で5〜30質量%、各々含有するガラスと、
組成式(1)[xCaO・yMO・zSiO](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たす低誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成低誘電率シートを形成する未焼成低誘電率シート製造工程、
上記ガラスと、組成式(3)[aBaO・bTiO・cREO3/2・dBiO3/2](但し、REは希土類金属元素であり、a、b、c及びdはモル比を表し、a+b+c+d=1である。)で表した場合に下記条件(3)を満たす高誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成高誘電率シートを形成する未焼成高誘電率シート製造工程、
所定位置及び所定枚数が各々積層されるように、上記未焼成低誘電率シートと上記未焼成高誘電率シートとを積層し、且つ、該積層の間にAg及び/又はCuを含有する未焼成導体層を印刷形成して未焼成積層体を製造する積層工程、並びに、
上記未焼成積層体を800〜1050℃で焼成する焼成工程、を備えることを特徴とする積層セラミック部品の製造方法。
条件(1);上記組成式中の該Mは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
条件(2);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=0、y=35、z=65、点Bはx=13、y=40、z=47、点Cはx=13、y=64、z=23及び点Dはx=0、y=80、z=20である。)により囲まれた領域内(但し、辺AB、辺BC、辺CD及び辺DAは全て該領域内に含まれる。)にある。
条件(3);上記組成式(3)中の該aは0.09≦a≦0.16、該bは0.54≦b≦0.62、該cは0.20≦c≦0.34、該dは0≦d≦0.10を各々満たす。
〈9〉上記低誘電率無機フィラーは、上記各金属元素の酸化物、炭酸塩及び/又は水酸化物を混合したのち1000〜1300℃で仮焼して仮焼物を得、次いで、該仮焼物を粉砕して得られる上記〈7〉又は〈8〉に記載の積層セラミック部品の製造方法。
〈10〉上記低誘電率無機フィラーは、フォルステライト、クリストバライト、モンチセライト、エンスタタイト、クオーツ、ウィルマイト及びトリジマイトのうちの少なくとも1種の結晶相を有する上記〈7〉乃至〈9〉のうちのいずれかに記載の積層セラミック部品の製造方法。
本発明の積層セラミック部品によれば、中間層などを設けることなく、また、対称配置とすることなく(積層配置及び平面配置のいずれにおいても対称とする必要がない)、低誘電率層と高誘電率層とを一体的に備える積層セラミック部品とすることができる。このため、工程数少なく効率よく小型の電子部品を得ることができる。また、優れた誘電特性及び焼結性を保持しながら、ガラス含有量を従来に比べて少なくでき、安価に電子部品を得ることができる。更に、低誘電率層と高誘電率層との間に反応層が形成されることが抑制され、積層セラミック部品の性能設計を行い易い。
低誘電率層及び高誘電率層を構成しているガラスが所定のガラスである場合は、特にガラスの使用量を少なくすることができ、更に、層間剥離及び割れのない積層セラミック部品を得ることができる。
低誘電率無機フィラーが所定の結晶相を有する場合は、特に低誘電率層の誘電損失を小さくできる。
高誘電率層を構成しているガラスが45体積%以下である場合は、ガラスの使用量が少ないにも関わらず、上記積層セラミック部品の焼結性を保持しつつ、特に高誘電率層のQ値を大きくできる。
高誘電率無機フィラーが所定の組成である場合は、特に前記ガラスとの相性がよく、優れた焼結性を示す。
積層部が低誘電率層と高誘電率層との間に導体層を備える場合であっても、層間の反応層の形成が抑制され、積層セラミック部品の性能設計を行い易い。
本発明の製造方法によれば、中間層などを設けることなく、また、対称配置とすることなく(積層配置及び平面配置のいずれにおいても対称とする必要がない)、低誘電率層と高誘電率層とを一体的に備える積層セラミック部品を得ることができる。このため、工程数少なく効率よく小型の電子部品を得ることができる。また、優れた誘電特性及び焼結性を保持しながら、ガラス含有量を従来に比べて少なくでき、安価(ガラスが高価であるため)に電子部品を得ることができる。更に、積層部が低誘電率層と高誘電率層との間に導体層を備える場合であっても、層間の反応層の形成を抑制でき、積層セラミック部品の性能設計を行い易い。
低誘電率無機フィラーが1000〜1300℃で仮焼してなる仮焼物を粉砕して得られる場合は、特に優れた焼結性を得ることができる。
低誘電率無機フィラーが、所定の結晶相を有する場合は、特に低誘電率層の誘電損失を小さくできる。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]積層セラミック部品
本発明の積層セラミック部品は、低誘電率層と高誘電率層とが積層された積層部を備え、且つ、低誘電率無機フィラーは、上記組成式(1)で表した場合に上記条件(1)及び上記条件(2)を満たし、高誘電率無機フィラーは、上記組成式(3)で表した場合に上記条件(3)を満たし、低誘電率層を構成しているガラス、及び、高誘電率層を構成しているガラスの各々は、少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、BaをBaO換算で25〜55質量%、ZnをZnO換算で5〜30質量%、BをB 換算で15〜35質量%、SiをSiO 換算で5〜30質量%、各々含有することを特徴とする。
上記「低誘電率層」は、ガラス(以下、単に「低誘電率層構成ガラス」ともいう)及び低誘電率無機フィラーを含有する。また、この低誘電率層の誘電率は後述する高誘電率層に比べて低い誘電率であればよく、特に限定されないが、通常、10以下である。
上記「ガラス」(低誘電率層構成ガラス)は、後述する高誘電率層を構成しているガラス(以下、単に「高誘電率層構成ガラス」ともいう)と同一組成系のガラスである。この低誘電率層構成ガラスの組成は高誘電率層構成ガラスと同一組成系のものであれば特に限定されない。この「同一組成系」とは、低誘電率層構成ガラスに含まれる元素を含有量(酸化物換算)が多い順に積算した場合に70質量%を超えるまでに積算される元素種と、高誘電率層構成ガラスについて同様に積算される元素種と、が同一であることをいう。但し、40質量%を超えるまでに積算される元素種が同一であり、その他に共通して含有される元素種が2種以上あり、且つこれら2種以上の共通する元素種の各々の含有量差が両ガラス間で各々2N質量%以内(但し、N;共通する元素種の数)である場合には同一組成系であるものとする。尚、一方のガラスに含有される元素の酸化物換算含有量が2種以上で同じである場合は両元素共、同一組成系を判断するための元素種に含むものとする。また、上記酸化物換算は各元素において最も安定な酸化物によるものとする。
この低誘電率層構成ガラスは、少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有する。更に、これらの各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、BaをBaO換算で25〜55質量%、ZnをZnO換算で5〜30質量%、BをB換算で15〜35質量%、SiをSiO換算で5〜30質量%、各々含有する。即ち、低誘電率層構成ガラスは、組成式(4)[kBaO・lZnO・mB・nSiO]{但し、k、l、m及びnは含有割合を表し、k+l+m+n=100(質量%)である。}で表した場合に、25≦k≦55、5≦l≦30、15≦m≦35、5≦n≦30である。
上記Baは、BaO換算で25〜55質量%であり、好ましくは25〜50質量%、より好ましくは30〜45質量%である。この範囲では特に焼結性に優れ、誘電損失が小さい。
上記Znは、ZnO換算で5〜30質量%であり、好ましくは7〜25質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。この範囲では特に焼結性に優れる。
上記Bは、B換算で15〜35質量%であり、好ましくは17〜33質量%、より好ましくは20〜30質量%である。この範囲では特に焼結性に優れ、誘電損失が小さい。
上記Siは、SiO換算で5〜30質量%であり、好ましくは7〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。この範囲では特に焼結性に優れ、誘電損失が小さい。
この低誘電率層構成ガラスは、低誘電率層構成ガラス全体を100質量%とした場合、Ba、Zn、B及びSiの酸化物換算による合計含有割合は、50質量%以上(より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、100質量%であってもよい)であることが好ましい。この範囲では、特に緻密な焼結体を低温焼成により得ることができる。
更に、低誘電率層構成ガラスには、上記各元素以外にも他の元素が含有されていてもよい。他の元素としては、アルカリ金属元素(Li、Na及びK等)、Ba以外のアルカリ土類金属元素(Mg、Ca及びSr等)、その他の金属元素(Ti、Zr、Al及びSi等)が挙げられる。但し、この低誘電率層構成ガラスは、低温焼結性能を向上させるPbを含有することはできるが、環境保護の観点から含まれないことが好ましい。また、ガラス中に含有されるCa及びSrは合計で低誘電率層構成ガラス全体に対して0.5質量%以下であることが好ましい。
また、この低誘電率層構成ガラスのガラス転移点は、550℃以下であることが好ましく、より好ましくは500℃以下である(通常、350℃以上)。この範囲ではより低温焼結性に優れる。ガラス転移点は示差熱分析(DTA)で測定できる。
更に、この低誘電率層構成ガラスの低誘電率層中の含有量(低誘電率層全体を100体積%とした場合の低誘電率層構成ガラスの体積割合)は特に限定されないが、35体積%以下が好ましく、5〜35体積%がより好ましく、5〜25体積%が更に好ましく、10〜25体積%が特に好ましい。この範囲であれば、850〜1050℃の低温で焼結でき、更に、誘電損失を小さくできる。即ち、例えば、10GHzにおける誘電損失を5×10−4〜50×10−4(更には5×10−4〜33×10−4、特に15×10−4〜33×10−4)にすることができる。
上記「低誘電率無機フィラー」は、低誘電率層全体の比誘電率を後述する高誘電率層全体の比誘電率よりも小さくすることができる無機フィラーであればよく、特に低誘電率層全体の比誘電率を10以下にすることができる無機フィラーが好ましい。低誘電率無機フィラーとしては、CaO・(Mg,Zn)O・SiO系セラミックス{例えば、(Ca,Sr,Ba)O・MgO・SiO系セラミックス、CaO・MgO・(Si,Sn,Ti,Zr)O系セラミックス等}等が挙げられる。低誘電率フィラーは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の各種低誘電率無機フィラーのなかでも、本発明の積層セラミック部品には、CaO・(Mg,Zn)O・SiO系セラミックスであって、組成式(1)[xCaO・yMO・zSiO](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たす低誘電率無機フィラーが含まれる
条件(1);上記組成式(1)中の該Mは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
条件(2);上記組成式(1)中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=0、y=35、z=65、点Bはx=13、y=40、z=47、点Cはx=13、y=64、z=23及び点Dはx=0、y=80、z=20である。)により囲まれた領域内(但し、辺AB、辺BC、辺CD及び辺DAは全て該領域内に含まれる。)にある。
上記組成式(1)におけるxは、低誘電率無機フィラーに含有されるCaOとMOとSiOとの合計を100モル%とした場合のCaOの割合を表す。このxは、0〜13モル%であり、0〜10モル%が好ましく、0〜7モル%がより好ましい。この範囲では特に異種界面(即ち、低誘電率層と高誘電率層との界面)における反応を抑制できる。
また、組成式(1)中のCaOは、SrO及び/又はBaOにより、その一部が置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。置換されている場合は、この置換量は、通常、CaOとSrOとBaOとの合計を100モル%とした場合に、SrOとBaOとの合計が25モル%以下である。この範囲であれば、低誘電率無機フィラー中において結晶に固溶され、結晶量を増大させ、誘電損失を小さく保つことができる。これらのうち、SrOのみが含有される場合、CaOとSrOとの合計を100モル%とした場合に、SrOは0モル%を超えて25モル%以下が好ましく、0モル%を超えて20モル%以下がより好ましい。更に、BaOのみが含有される場合、CaOとBaOとの合計を100モル%とした場合に、BaOは0モル%を超えて25モル%以下が好ましく、0モル%を超えて15モル%以下がより好ましい。
更に、上記組成式(1)中のyは、低誘電率無機フィラーに含有されるCaOとMOとSiOとの合計を100モル%とした場合のMOの割合を表す。このyは、35〜80モル%であり、45〜75モル%が好ましく、55〜75モル%がより好ましい。この範囲では特に焼結性が良好である。
この組成式(1)中のMは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。即ち、低誘電率無機フィラーにはMgOのみが含有されてもよく、ZnOのみが含有されてもよく、MgO及びZnOの両方が含有されてもよい。
また、上記組成式(1)中のzは、低誘電率無機フィラーに含有されるCaOとMOとSiOとの合計を100モル%とした場合のSiOの割合を表す。このzは、20〜65モル%であり、25〜55モル%が好ましく、25〜45モル%がより好ましい。この範囲では特に焼結性が良好である。
上記組成式(1)中のSiOは、SnO、TiO及びZrOのうちの少なくとも1種により置換されていてもよく、置換されていてなくてもよい。置換されている場合は、SiOとSnOとTiOとZrOとの合計を100モル%とした場合に、SnOとTiOとZrOとの合計は10モル%以下である。この範囲であれば誘電損失を十分に低く保つことができる。
上記x、y及びzの好ましい範囲は、各々の組合せとすることができる。なかでも、図2(図1内の点線で囲まれた領域を拡大して示した)に示すように、下記辺AB、辺B、辺CD及び辺DAにより囲まれたABD領域内(但し、各辺は全て領域内に含まれる)が好ましく、下記辺A、辺B、辺C及び辺Dにより囲まれたA領域内(但し、各辺は全て領域内に含まれる)がより好ましく、下記辺A、辺B、辺C及び辺Dにより囲まれたA領域内(但し、各辺は全て領域内に含まれる)が更に好ましく、下記辺A、辺B、辺C及び辺Dにより囲まれたA領域内(但し、各辺は全て領域内に含まれる)が特に好ましい。即ち、図2における各領域のうちより濃い色で表される領域が好ましい。
上記各領域に関する各点は以下の通りである。各点は(x,y,z)を表している。
ABD領域:
A(0,35,65)、B(10,40,50)、C(10,68,22)、D(0,80,20)
領域:
(0,45,55)、B(10,45,45)、C(10,65,25)、D(0,75,25)
領域:
(0,45,55)、B(7,45,48)、C(7,68,25)、D(0,75,25)
領域:
(0,55,45)、B(7,55,38)、C(7,68,25)、D(0,75,25)
更に、この低誘電率無機フィラーは、上記各元素以外にも他の金属元素を含有してもよく、含有しなくてもよい。他の金属元素を含有する場合、この金属元素としては、Al、Fe、Ti、Mn及びCoが挙げられる。これらは、1種のみを含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
更に、この低誘電率無機フィラーは、通常、低誘電率構成ガラスの母相内に分散されて存在している。また、低誘電率無機フィラーは、通常、結晶相と非結晶相とを有する。このうち、結晶相として、フォルステライト{(Forsterite)、組成例(MgSiO)}、クリストバライト{(Cristobalite)、組成例SiO}、モンチセライト{(Monticellite)、組成例(CaMgSiO)}、エンスタタイト{(enstatite)、組成例(MgSiO)}、クオーツ{(Quartz)、組成例SiO}、ウィルマイト{(Willemite)、組成例(ZnSiO)}及びトリジマイト{(Trydimite)、組成例SiO}のうちの少なくとも1種を有することが好ましい。これらのなかでも、特にフォルステライト、ディオプサイド、ワラストナイト、アケルマナイト、エンスタタイト及びメルウィナイトのうちの少なくとも1種が好ましく、フォルステライト、ディオプサイド、ワラストナイト、アケルマナイト及びエンスタタイトのうちの少なくとも1種がより好ましい。
また、これらの結晶相は主結晶相であることが好ましい。即ち、例えば、これらの結晶相は低誘電率無機フィラー全体を100質量%とした場合に、合計で50質量%以上(より好ましくは60質量%以上、100質量%であってもよい)含有されることが好ましい。この範囲では低温焼結性が特に優れている。
また、これらの各結晶相は、予め得られた低誘電率無機フィラー中に析出されている結晶相であることが好ましい。即ち、低誘電率層では、予め得られた低誘電率無機フィラーを低誘電率層構成ガラスと混合して焼成して得ることができる。即ち、CaO・MO・SiO系ガラスから焼成過程の温度を細かく制御しながら所定の結晶相を析出させる必要がなく、低誘電率無機フィラー自体のコストを大幅に抑制できる。
また、低誘電率層は、上記低誘電率無機フィラーを含有することにより、少ないガラス含有量であっても、誘電損失を小さく抑えることができる。更に、低誘電率層構成ガラスの含有量を少なく抑えつつも優れた誘電特性を発揮させることができるために、安価に優れた積層セラミック部品を得ることができる。
また、上記xが0〜13モル%であり、上記yが35〜80モル%であり、且つ、上記zが20〜65モル%である場合には、10GHzにおける比誘電率が5〜10であり、特に誘電損失が小さい(即ち、例えば、5×10−4〜30×10−4)低誘電率層とすることができる。
更に、上記xが0〜10モル%であり、上記yが35〜80モル%であり、且つ、上記zが20〜65モル%である場合には、10GHzにおける比誘電率が5〜10であり、特に誘電損失が小さい(即ち、例えば、5×10−4〜25×10−4)低誘電率層とすることができる。特に、図2に示すように、辺AE、辺EF、辺FD及び辺DA(点Eはx=10、y=40、z=50、点Fはx=10、y=68、z=22である。)により囲まれた領域内(辺AE、辺EF、辺FD及び辺DAは全て上記領域内に含まれる。)に上記x、y及びzが含まれる場合である。
特に、上記xが0〜7モル%であり、上記yが35〜80モル%であり、且つ、上記zが20〜65モル%である場合には、10GHzにおける比誘電率が5〜10であり、特に誘電損失が小さい(即ち、例えば、5×10−4〜25×10−4)低誘電率層とすることができる。
低誘電率層では、無機フィラーとして上記低誘電率無機フィラー以外にも他の無機フィラーを含有してもよく、含有しなくてもよい。他の無機フィラーとしては、アルミナ、チタン酸カルシウム、ムライト、コーディエライト及びタルク等などからなる各種フィラーが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちでも、アルミナが好ましい。
上記他の無機フィラーが含有する場合、他の無機フィラーの含有量は特に限定されないが、通常、無機フィラー全体(低誘電率無機フィラー及び他の無機フィラーを含む)を100質量%とした場合に50質量%以下である。上記他の無機フィラーが50質量%を超えて含有されると低温焼結性が低下する傾向にある。更に、この含有量は30質量%未満であることが好ましく、20質量%未満であることがより好ましく、10質量%未満であることが特に好ましい。
この低誘電率層では、JIS R1641に準ずる平行導体板型誘電体共振器法による10GHzにおける比誘電率を15以下とすることができる。更に、比誘電率を12以下とすることができ、特に10以下とすることができる。但し、比誘電率は、通常、5以上である。また、同法による10GHzにおける誘電損失を30×10−4以下(通常、5×10−4以上)とすることができる。更に、誘電損失を25×10−4以下(通常、5×10−4以上)とすることができ、23×10−4以下とすることができ、特に22×10−4以下とすることができる。
上記「高誘電率層」は、高誘電率層構成ガラス及び高誘電率無機フィラーを含有する。また、この高誘電率層の誘電率は低誘電率層に比べて高い誘電率であればよく、特に限定されないが、通常、30以上である。
上記「ガラス」(高誘電率層構成ガラス)は、前記低誘電率層構成ガラスそのまま適用される。但し、両ガラスは、完全に同一のガラスであってもよく、前記同一組成系の範囲内で異なるガラスであってもよい。
この高誘電率層構成ガラスの高誘電率層中の含有量(高誘電率層全体を100体積%とした場合の高誘電率層構成ガラスの体積割合)は特に限定されないが、45体積%以下が好ましく、5〜45体積%がより好ましく、5〜35体積%が更に好ましく、10〜30体積%が特に好ましい。この範囲であれば、850〜1050℃の低温で焼結でき、更に、特に高いQ値を得ることができる。
また、高誘電率層構成ガラスの含有量は、上記範囲で調整することにより、高誘電率層の誘電特性、特にε及びτを調整できる。εは高誘電率層構成ガラスの含有量の減少に伴い大きくでき、高誘電率層構成ガラスの含有量の増加に伴い小さくできる。また、τの絶対値は、高誘電率層構成ガラスの含有量の減少に伴い大きくでき、高誘電率層構成ガラスの含有量の増加に伴い小さくできる。
また、前記低誘電率層構成ガラスの低誘電率層中の含有量と、この高誘電率層構成ガラスの高誘電率層中の含有量との差は、15体積%以下(より好ましくは0〜12体積%、更に好ましくは0〜10体積%)であることが好ましい。この範囲であれば、異種材料間での割りかけの違いによる大きな段差を発生することなく焼成することができる。
上記「高誘電率無機フィラー」は、高誘電率層全体の比誘電率を低誘電率層全体の比誘電率よりも大きくできる無機フィラーであればよく、特に高誘電率層全体の比誘電率を30以上にすることができる無機フィラーであれば好ましい。高誘電率無機フィラーとしては、BaO・TiO・REO3/2・BiO3/2系セラミックス、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックスなどが挙げられる。これらのなかでも、BaO・TiO・REO3/2・BiO3/2系セラミックスが好ましい。このセラミックスを用いた場合には特に焼成による不具合を生じ難いからである。これらの高誘電率無機フィラーは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、BaO・TiO・REO3/2・BiO3/2系セラミックスに含まれる希土類元素REの種類は特に限定されないが、例えば、Nd、Sm、Gd、La、Ce及びPr等を用いることができる。これらのなかでもNd、Sm及びGdが好ましい。高いε及びQ値を維持したまま、τの絶対値を0に近づけることができるからである。これらのREは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このBaO・TiO・REO3/2・BiO3/2系セラミックスのなかでも、本発明の積層セラミック部品に含まれる高誘電率無機フィラーは、組成式(3)[aBaO・bTiO・cREO3/2・dBiO3/2](但し、REは希土類金属元素であり、a、b、c及びdはモル比を表し、a+b+c+d=1である。)で表した場合に、a〜dの各々が0.09≦a≦0.16、0.54≦b≦0.62、0.20≦c≦0.34、0≦d≦0.10を満たす。
更に、上記組成式(3)における上記aは、0.10≦a≦0.15が好ましく、0.11≦a≦0.15がより好ましい。この範囲であれば焼結性がよく、τの絶対値が特に小さい。また、上記bは、0.55≦b≦0.61が好ましく、0.56≦b≦0.59がより好ましい。この範囲であれば高誘電率層のQ値が特に大きく、τの絶対値が特に小さい。更に、上記cは、0.24≦c≦0.33が好ましく、0.24≦c≦0.32がより好ましい。この範囲であれば焼結性がよく、Q値が特に大きい。また、上記dは、0.02≦d≦0.08が好ましく、0.04≦d≦0.07がより好ましい。この範囲であればεが特に大きい。
この高誘電率層では、平行導体板型誘電体共振器法による測定周波数1〜5GHzのεは30以上、特に40以上、更には50〜70とすることができる。また、同様に測定したQ値と共振周波数fと積f・Qは、1500GHz以上、更には2000GHz以上、特に2500GHz以上とすることができる。更に、同様に測定したτ(温度範囲;25〜80℃)の絶対値は40ppm/℃以下、更には30ppm/℃以下、特に20ppm/℃以下とすることができる。
また、本積層セラミック部品では、上記低誘電率層と高誘電率層との積層は、両層が直接接した積層であってもよく、他の層を介した積層であってもよいが、通常、直接接して積層されている。但し、直接接する面積の割合は特に限定されないが、例えば、互いに対峙した両層の主面(低誘電率層の主面と高誘電率層の主面)のうち、より主面面積が小さい側の層において、他層(低誘電率層又は高誘電率層)との接触面積が主面総面積に対して5%以上(好ましくは25%以上、100%であってもよい)である。この低誘電率層と高誘電率層との間に介在層を有する場合、介在層は、通常、厚さ30μm以下の層である。この介在層としては、導体層及びその他のセラミック層(同一組成系ではない低誘電率層、同一組成系ではない高誘電率層など)等が挙げられる。
上記「積層部」は、少なくとも低誘電率層と高誘電率層とを備え、これらが隣接して積層されてなる部位である。この積層部は、積層セラミック部品の一部であってもよく、積層セラミック部品の全体であってもよい。
本発明の積層セラミック部品では、低誘電率層及び高誘電率層以外にも他の部分を備えることができる。他の部分としては、導体層が挙げられる。導体層は、低誘電率層の表面、及び/又は、高誘電率層の表面等に配置することができる。この導体層を構成する導体金属は特に限定されず、電子部品分野において導電性を発揮できる金属及びその合金などを使用できる。このような導体金属としては、例えば、Ag、Cu、Pt及びAu等、並びに、これらの合金が挙げられる。即ち、例えば、導体層は導体層全体を100質量%とした場合にAgを80質量%以上(更には90質量%以上、100質量%であってもよい)含有する導体層を用いることができる。
本積層セラミック部品では、低誘電率層と高誘電率層との界面における反応層の形成を抑制できる。特に高誘電率層と低誘電率層との間に導体層を介して積層されている場合に上記反応層が形成されることを抑制する効果が高い。即ち、低誘電率層の一面の一部と高誘電率層の一面の一部とが直接接して積層された部位を有し、この低誘電率層の一面の他部と高誘電率層の一面の他部との間にAg及び/又はCuを含み、且つ、低誘電率層及び高誘電率層と同時焼成された導体層を備える場合に上記反応層が形成されること抑制する効果が高い。更に、反応層が形成されることを抑制する効果は、上記導体層にAg及び/又はCuが含有される場合により効果的に発揮され、特にAgが含有される場合に特に優れる。
この反応層とは、低誘電率層と高誘電率層との境界部等に認められる層である。この反応層は焼成により形成され、低誘電率層、高誘電率層及び導体層等に含まれる成分等同士が結合して形成される層であると考えられる。また、後述する実施例からも分かるように、特に低誘電率層に含まれる低誘電率無機フィラーにCaが含有される場合に形成され易く、更には、導体層にAgが含有される場合に形成され易い層である。
この反応層は、形成されたとしても積層セラミック部品として使用する上で特に問題ないが、反応層が形成されることで積層セラミック部品の性能設計がし難くなる場合がある。即ち、反応層が形成されると、積層セラミック部品全体の誘電特性等を、高誘電率層及び低誘電率層の各々単独の誘電特性等から予測することが難しくなる。これに対して、反応層が形成されない場合又は形成されたとしても軽微である場合には、高誘電率層及び低誘電率層の各々単独の誘電特性から積層セラミック部品全体の性能を予め予測して効率よく性能設計を行うことができる。
本発明の積層セラミック部品では、低誘電率層と高誘電率層とが直接積層された部分での反応層の形成はほぼ完全に防止できる。即ち、例えば、電子顕微鏡により2000倍に拡大して観察した際にも反応層が認められない程度にまで抑制できる。
更に、より反応層が形成され易い状況である低誘電率層と高誘電率層との間に導体層を備える場合であっても、反応層の形成をほぼ完全に防止、又は形成されたとしてもその最大厚さを7μm以下(更には5μm以下、特に3μm以下)に抑制できる。7μm以下程度の反応層であれば問題なく性能設計できる。尚、この反応層の厚さは後述する実施例における反応層の厚さの測定方法によるものとする。
本発明の「積層セラミック部品」としては、コンデンサ及び/又は共振器とインダクタとを一体的に備える積層セラミック部品、コンデンサ及び/又は共振器とインダクタとバランとを一体的に備える積層セラミック部品、セラミック基板内にコンデンサを一体的に備える積層セラミック部品、セラミック基板内に共振器を一体的に備える積層セラミック部品、等が挙げられる。コンデンサ及び共振器等は小型化のために高誘電率材料が必要となる。これに対して、インダクタ等は浮遊容量の低減や特性インピーダンスの調整のために低誘電率材料が必要となる。従って、これらを一体的に備えるためには積層セラミック部品内に誘電特性の異なる誘電材料を2種以上用いる必要がある。
本発明の積層セラミック部品の具体例を図5を用いて説明する。
図5は、本発明の積層セラミック部品(100)の一例を示す分解斜視図である。この積層セラミック部品(100)は、バランの機能を一体的に備えるフィルタである。即ち、各種導体を介して積層された3層の低誘電率層(焼成されて一体化されている)からなる下部バラン部(B1)と、各種導体を介して積層された4層の高誘電率層(焼成されて一体化されている)からなるフィルタ部(F)と、各種導体を介して積層された4層の低誘電率層(焼成されて一体化されている)からなる上部バラン部(B2)と、を備える。これら各部は未焼成段階で積層成形されたのち一体に焼成されてなる。
また、下部バラン部(B1)は、外部接続用導体(111、図示せず)及び接地用導体(112)を備える低誘電率層(11)と、共振器用導体(121)を備える低誘電率層(12)と、共振器用導体(131)を備える低誘電率層(13)とが積層されてなる。
更に、フィルタ部(F)は、接地用導体(141)を備える高誘電率層(14)と、キャパシタ用導体(151及び152)を備える高誘電率層(15)と、共振器インダクタンス兼用導体(161及び163)及び共振器用導体(162)を備える高誘電率層(16)と、接地用導体(171)を備える高誘電率層(17)と、が積層されてなる。
また、上部バラン部(B2)は、共振器インダクタンス兼用電極(163)と共振器用導体(191)とを接続するための接続用導体(181)を備える低誘電率層(18)と、共振器用導体(191)を備える低誘電率層(19)と、共振器用導体(201)を備える低誘電率層(20)と、接地用導体(211)を備える低誘電率層(21)とが積層されてなる。
尚、図5中に示す点線は各導体間の電気的な接続を示す。即ち、下部バラン部(B1)の接地用導体(112)と共振器用導体(121)と、上部バラン部(B2)の接地用導体(211)と共振器用導体(201)と、及び、上部バラン部(B2)の接続用導体(181)と共振器用導体(191)と、は各々スルーホール導体(図示せず)により接続されている。また、下部バラン部(B1)の共振器用導体(131)と上部バラン部(B2)の共振器用導体(191)と、及び、フィルタ部(F)の共振器インダクタンス兼用導体(163)と上部バラン部(B2)の接続用導体(181)と、は各々本積層セラミック部品の外側に形成された各外部導体(図示せず)により接続されている。
[2]積層セラミック部品の製造方法(1)
本発明の製造方法は、未焼成低誘電率シート製造工程、未焼成高誘電率シート製造工程、未焼成導体層形成工程、積層工程、並びに、焼成工程、を備えることを特徴とする。
上記「未焼成低誘電率シート製造工程」は、所定組成のガラスと、低誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成低誘電率シートを形成する工程である。
上記「ガラス」は、少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、BaをBaO換算で25〜55質量%、ZnをZnO換算で5〜30質量%、BをB換算で15〜35質量%、SiをSiO換算で5〜30質量%、各々含有するガラスである。このガラスについては、前記積層セラミック部品における同様の低誘電率層構成ガラスをそのまま適用できる。
また、用いる低誘電率層構成ガラスは、通常、粉末状である。この低誘電率層構成ガラス粉末の粒径等は特に限定されないが、その中心粒径が0.1〜3.0μm(より好ましくは0.1〜2.0μm、更に好ましくは0.1〜1.5μm)であることが好ましい。この範囲ではより低温焼結性に優れる。
上記「低誘電率無機フィラー」は、組成式(1)[xCaO・yMO・zSiO](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たす無機フィラーである。
条件(1);上記組成式中の該Mは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
条件(2);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=0、y=35、z=65、点Bはx=13、y=40、z=47、点Cはx=13、y=64、z=23及び点Dはx=0、y=80、z=20である。)により囲まれた領域内(但し、辺AB、辺BC、辺CD及び辺DAは全て該領域内に含まれる。)にある。
この低誘電率無機フィラーについては、前記積層セラミック部品における低誘電率無機フィラーをそのまま適用できる。
この低誘電率無機フィラーの製造方法は特に限定されないが、各金属元素の酸化物、炭酸塩及び/又は水酸化物を混合したのち1000〜1300℃で仮焼して仮焼物を得、次いで、この仮焼物を粉砕して得ることが好ましい。
即ち、各金属元素とは、低誘電率無機フィラーに含有させる所定の全ての元素であり、Ca、Mg、Zn、Si、Sr、Ba、Sn、Ti、Zr、Al、Fe、Ti、Mn及びCo等である。また、各元素は酸化物、炭酸塩及び水酸化物以外の他の化合物(例えば、塩化物など)を用いてもよいが、通常、酸化物、炭酸塩及び/又は水酸化物を用いる。各元素の酸化物、炭酸塩及び水酸化物が2種以上存在する場合は、このうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、各化合物には、上記元素のうちの1種のみが含有されてもよく、2種以上が含有されてもよい。
上記仮焼とは、1000〜1300℃の仮焼温度で上記混合により得られた混合物を加熱することをいう。この仮焼温度は1100〜1300℃が好ましく、1150〜1250℃が特に好ましい。仮焼温度が1000℃未満では低誘電率無機フィラーの析出が十分に得られ難く、1300℃を超えると得られる仮焼物の粉砕が困難となる傾向にある。また、仮焼時間は特に限定されないが、通常、1時間以上(好ましくは2〜5時間、通常、8時間以下)である。
更に、この仮焼により、低誘電率無機フィラーは、フォルステライト、クリストバライト、モンチセライト、エンスタタイト、クオーツ、ウィルマイト及びトリジマイトのうちの少なくとも1種の結晶相(特に主結晶相)を有するものとすることができる。これらのなかでも、特にフォルステライト、及びエンスタタイトのうちの少なくとも1種が好ましい。
低誘電率無機フィラーは、どのような方法により得られたものを用いてもよい。即ち、例えば、所定の元素を含有するガラスを加熱温度を細かく制御しながら、ガラスから結晶相として低誘電率無機フィラーを析出させて得ることができる。この方法は、非常にコスト高である。これに対して、低誘電率無機フィラーを、上記仮焼により得る場合は、極めて簡便に得ることができ、低コストで所望のフィラーが得られる。また、得られた低誘電率無機フィラーはガラスとの濡れ性、特にBaO・ZnO・B・SiO系ガラスとの濡れ性に優れており、少ないガラス量であっても低温で焼結できる。更に、得られた低誘電率無機フィラーはガラスを伴った最終焼成においても主結晶相の結晶相を大きく変えることなく焼成できる。
上記「混合」は、ガラスと低誘電率無機フィラーとを混合する工程である。この混合を行う際は、通常、ガラス及び低誘電率無機フィラーは粉末状である。また、バインダ、溶剤、可塑剤及び/又はその他の添加剤などを更に混合することができる。
バインダとしては、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリペプチド、ポリイミド、ポリスチレン及びポリビニルアルコール等が挙げられる。バインダは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、及びエタノール、ブタノール、イソプロパノール、ブチルカルビトール等のアルコール類などが挙げられる。溶剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
更に、可塑剤及び各種の添加剤等が含有されていてもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルアジペート及び2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。可塑剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、添加剤としては、着色剤、レベリング剤、消泡剤及び分散剤等が挙げられる。添加剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「成形」は、上記混合により得られたガラスと低誘電率無機フィラーとを含有する混合物をシート状にすることである。成形方法は特に限定されないが、ドクターブレード法及びスリップキャスト法等の方法により成形することができる。その後、更に、シート状の成形体は、乾燥させて溶剤を除去することができる。
上記「未焼成高誘電率シート製造工程」は、所定組成のガラスと、高誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成高誘電率シートを形成する工程である。
上記「ガラス」は、前記未焼成低誘電率シート製造工程で用いるガラスをそのまま適用できる。但し、上記ガラスの範囲内であれば、未焼成低誘電率シート構成ガラスと未焼成高誘電率シート構成ガラスとは同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記「高誘電率無機フィラー」は、組成式(3)[aBaO・bTiO・cREO3/2・dBiO3/2](但し、REは希土類金属元素であり、a、b、c及びdはモル比を表し、a+b+c+d=1である。)で表した場合に下記条件(3)を満たす高誘電率無機フィラーである。
条件(3);上記組成式(3)中の該aは0.09≦a≦0.16、該bは0.54≦b≦0.62、該cは0.20≦c≦0.34、該dは0≦d≦0.10を各々満たす。
この高誘電率無機フィラーについては、前記積層セラミック部品における同様の高誘電率無機フィラーをそのまま適用できる。
上記「混合」及び上記「成形」については、上記未焼成低誘電率シート製造工程における各々をそのまま適用できる。
上記「未焼成導体層形成工程」は、未焼成低誘電率シート及び/又は未焼成高誘電率シートの表面にAg及び/又はCuを含有する未焼成導体層を形成する工程である。
未焼成導体層の形成方法は特に限定されないが、例えば、Ag粉末、バインダ及び溶剤等含有する未焼成導体層用スラリーを調製し、この未焼成導体層用スラリーを未焼成低誘電率シート及び/又は未焼成高誘電率シートの表面にスクリーン印刷することにより形成することができる。また、未焼成導体層は、未焼成低誘電率シートの表裏面の一方の表面のみであってもよく、両面であってもよい。また、各表面の一部を覆うものであってもよく、全部を覆うものであってもよい。未焼成高誘電率シートの表面においても同様である。
更に、未焼成導体層には、Ag及び/又はCuが含有される。このAg及び/又はCuの含有量(両元素が含有される場合は合計量)は特に限定されないが、焼成後の導体層全体を100質量%とした場合に80質量%以上(更には90質量%以上、100質量%であってもよい)含有されるものであることが好ましい。この未焼成導体層には、Ag以外にも他の金属が含有されていてもよい。他の金属としてはAu、Pt等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記「積層工程」は、未焼成導体層形成工程を経たのちの未焼成低誘電率シートと未焼成高誘電率シートとを積層して未焼成積層体を製造する工程である。この積層方法は特に限定されず、加熱を行ってもよく、加熱を行なわなくてもよい。また、加圧してもよく、加圧しなくてもよい。これらのなかでは、加熱圧着が好ましい。
上記「焼成工程」は、未焼成積層体を800〜1050℃で焼成する工程である。この焼成温度は800〜950℃が好ましく、850〜950℃がより好ましい。800℃未満では、積層セラミック部品を十分に緻密に焼結することが困難となる場合がある。一方、1050℃を超える高温で焼成することもできるが、低融点導体との同時焼成は困難となる傾向にある。焼成雰囲気も特に限定されず、大気雰囲気、不活性雰囲気、還元雰囲気及び湿潤雰囲気等を用いることができる。
本製造方法では、上記未焼成低誘電率シート製造工程、上記未焼成高誘電率シート製造工程、上記未焼成導体層形成工程、上記積層工程、及び、上記焼成工程、以外にも他の工程を備えることができる。他の工程としては、例えば、脱脂工程が挙げられる。即ち、未焼成低低誘電率シート及び/又は未焼成高誘電率シートにバインダ及び可塑剤等が含有される場合などには、焼成工程前に脱脂工程を行うことができる。脱脂工程の加熱温度は特に限定されないが、例えば、150〜500℃とすることができる。また、脱脂工程における加熱雰囲気も特に限定されず、前記焼成雰囲気と同様の雰囲を用いることができる。尚、この脱脂工程は、焼成工程と連続的に行ってもよく、別工程で行ってもよい。
[3]積層セラミック部品の製造方法(2)
本発明の他の製造方法は、未焼成低誘電率シート製造工程、未焼成高誘電率シート製造工程、積層工程、並びに、焼成工程、を備えることを特徴とする。
上記「未焼成低誘電率シート製造工程」、上記「未焼成高誘電率シート製造工程」及び上記「焼成工程」は前記製造方法における各工程をそのまま適用できる。
上記「積層工程」は、所定位置及び所定枚数が各々積層されるように、未焼成低誘電率シートと未焼成高誘電率シートとを積層し、且つ、この積層の間にAg及び/又はCuを含有する未焼成導体層を印刷形成して未焼成積層体を製造する工程である。この工程における未焼成導体層の形成方法については、特に限定されないが、前記製造方法における未焼成導体層形成工程における方法をそのまま用いることができる。
本方法では、前記方法における未焼成導体の成形を積層工程で行う点において異なっている。即ち、前記方法では、予め未焼成導体層を各未焼成低誘電率シート及び未焼成高誘電率シートの表面に形成し、積層工程では、未焼成導体層が形成された未焼成低誘電率シート及び未焼成高誘電率シートを一括して積層するものである。これに対して、本方法では、積層工程において、未焼成低誘電率シート及び未焼成高誘電率シートを積層しながら、その都度、必要な部位に未焼成導体層を形成する方法である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]積層セラミック部品
(1)低誘電率層構成ガラス及び高誘電率層構成ガラス
表1の質量割合に調整された市販のガラス粉末G1及びG2を用意した。
このG1とG2とは本発明にいう同一組成系ではないガラスである。即ち、G1に含まれる元素を表1に示す酸化物換算含有量により多い順に積算した場合に70質量%を超えるまでに積算される元素種は、「Ba、B、Zn及びSi」の4種である。対してG2について同様に積算した場合に70質量%を超えるまでに積算される元素種は、「B、Zn及びSi」の3種である。「B、Zn及びSi」の3種の元素については共通しているが、G1とG2において「Ba」が共通しないために同一組成系ではない。また、各々のガラスのガラス転移温度及び中心粒径を表1に併記した。尚、いずれのガラスにおいても、Caの含有量はCaO換算で0.5質量%以下であった。
(2)低誘電率無機フィラーの調製
市販の各CaCO粉末(純度;99%以上)、MgO粉末(純度;99.6%)、ZnO粉末(純度;99%)及びSiO粉末(純度;99%以上)を用い、前記組成式(1)に含まれる係数x、y及びzの各々が表2に示す値となるように、秤量した。その後、各粉末をエタノールを媒体として湿式混合した。次いで、得られた混合粉末を大気雰囲気において1200℃で2時間仮焼した。その後、仮焼物に分散剤、バインダ及びエタノールを加え、ボールミルを用いて粉砕し、スラリー状の低誘電率無機フィラーを10種類(本発明にいう低誘電率無機フィラー8種及び他の無機フィラー2種)得た。
(3)未焼成低誘電率シートの製造
上記(1)で用意したガラスと、上記(2)で得られた各低誘電率無機フィラーと、を表2に示す体積割合で混合し、得られた混合スラリーを用いてドクターブレード法により厚さ120μmの未焼成低誘電率シート(実験例L1〜L10)を作製した。
(4)低誘電率層の単独特性評価用試験片の製造、及び、その特性評価
上記(3)で得られた混合スラリーを乾燥させて造粒し、φ19mmの金型を用いて、20MPaで一軸プレスにより円柱状に成形した。次いで、150MPaの圧力でCIP(冷間等方静水圧プレス)処理を行い、得られた成形体を大気雰囲気下、880〜1050℃で2時間焼成し磁器(実験例L1〜L10)を得た。
得られた円柱状の磁器(L1〜L10)の両端面を研磨し、研磨した各磁器を用いて、JIS R1641に準じ、平行導体板型誘電体共振器法により、測定周波数10GHzにおける、比誘電率及び誘電損失を測定した。この結果を表1に併記した。各磁器の研磨表面のX線回折測定を行い、主結晶相の同定を行った。この結果認められた結晶相を表2に併記した。
表2中の「*」は本発明の範囲外であることを示す。
(5)高誘電率無機フィラーの調製
市販のBaCO粉末(純度;99.9%)、TiO粉末(純度;99.9%)、Nd粉末(純度;99.9%)及びBi粉末(純度;99.9%)を原料とし、前記組成式(3)に含まれる係数a、b、c及びdの各々が表3に示す値となるように配合し、ミキサにより20〜30分間乾式混合した後、振動ミルにより粉砕した。玉石としてはアルミナボールを使用し、粉砕時間は4時間とした。その後、得られた混合粉末を、大気雰囲気下、1100℃で2時間仮焼し、次いで、得られた仮焼物をボールミルにより粉砕して高誘電率無機フィラー4種類を得た。
(6)未焼成高誘電率シートの製造
上記(1)で用意したガラスと、上記(5)で得られた各高誘電率無機フィラーと、を表3に示す割合で混合し、得られた混合スラリーを用いてドクターブレード法により厚さ120μmの未焼成高誘電率シート(実験例H1〜H6)を作製した。
(7)高誘電率層の単独特性評価用試験片の製造、及び、その特性評価
上記(6)で得られた混合スラリーを乾燥させて造粒し、得られた造粒粉をプレス機(成形圧力;98MPa)によって、直径19mm、高さ8mmの円柱状の成形体に成形し、その後、大気雰囲気下、900〜1050℃の温度で2時間焼成して磁器(実験例H1〜H6)を得た。
その後、得られた円柱状の磁器(H1〜H6)の両端面を研磨し、研磨した各磁器を用いて、JIS R1641に準じ、平行導体板型誘電体共振器法により、測定周波数1〜5GHzにおける、ε、Q値及びτ(温度範囲;25〜80℃)を測定した。その結果を表3に併記した。尚、Q値は、測定時の共振周波数(f)とQ値の測定値との積(f・Q)で表した。
(8)積層セラミック部品の製造
上記(3)で得られた厚さ120μmの未焼成低誘電率シートを縦150mm、横130mmに裁断した。次いで、未焼成低誘電率シート3層を積層して熱圧着して未焼成低誘電率シート第1積層体を得た。得られた未焼成低誘電率シート第1積層体の一面に、Ag粉末(純度;99%以上)、分散剤、バインダ及びエタノールを混合して得た導体用ペーストをスクリーン印刷して未焼成導体層を形成した。
同様に、裁断した未焼成低誘電率シート4層を積層して熱圧着して未焼成低誘電率シート第2積層体を得た。得られた未焼成低誘電率シート第2積層体の一面に上記導体用ペーストをスクリーン印刷して未焼成導体層を形成した。
その後、上記(6)で得られた未焼成高誘電率シートを縦150mm、横130mmに裁断し、表4の組合せにて各々を用い、下から順に未焼成低誘電率シート3層−未焼成導体層1層−未焼成高誘電率シート1層−未焼成導体層1層−未焼成低誘電率シート4層となるように積層し、熱圧着して未焼成積層体を得た。次いで、得られた未焼成積層体を縦2mm、横3mmに裁断し、大気雰囲気下、900℃の温度で2時間焼成して積層セラミック部品P1〜P12を得た。得られた積層セラミック部品は、下から順に低誘電層(厚さ300μm)−導体層(厚さ4μm)−高誘電率層(厚さ100μm)−導体層(厚さ4μm)−低誘電率層(厚さ400μm)を備える。
(9)積層セラミック部品の評価
得られた積層セラミック部品P1〜P12の各々の中央部研磨面を走査型電子顕微鏡により1000倍に拡大した画像で割れの有無を確認した。この結果、割れが見出できなかった積層セラミック部品については、表4の割れの欄に「◎」と示した。一方、割れが見出された積層セラミック部品については、表4の割れの欄に「×」と示した。
また、得られた積層セラミック部品P1〜P12の各々の低誘電率層と導体層と高誘電率層とが積層されている部分を、走査型電子顕微鏡により2000倍に拡大した画像で反応層の厚さを測定した。尚、通常、導体層から遠ざかるに従って反応層の厚さがより均一となるため、導体層の端部から50μm離れた(低誘電率層と高誘電率層との境界上)位置で測定した。この測定の結果を表4に示した。また、実験例P2(反応層無し、0μm)の上記拡大画像を図3に、また実験例P10(反応層有り、10μm)の上記拡大画像を図4に示した。
更に、積層セラミック部品P1〜P10の中央部研磨面を走査型電子顕微鏡により1000倍に拡大した画像で層間剥離の有無を確認した。この結果、層間剥離が見出できなかった積層セラミック部品については、表4の層間剥離の欄に「◎」と示した。また、層間剥離が認められたが端部に5μm未満の僅かな層間剥離であり使用上問題がない積層セラミック部品については、表4の層間剥離の欄に「△」と示した。更に、5μm以上の層間剥離が見出された積層セラミック部品については、表4の層間剥離の欄に「×」と示した。
表4中の「*」は本発明の範囲外であることを示す。
(10)実施例の効果
上記表2のL1〜L10及び上記表3のH1〜H6より、未焼成低誘電率シート及び未焼成高誘電率シートは各々単独で焼成した場合にいずれも問題なく焼結することができた。
これに対して、表4より、低誘電率層と高誘電率層とを構成するガラスが異なるP4及びP5では、焼結することができなかった。一方、P1〜P3、P6〜P9、P11及びP12では、低誘電率層と高誘電率層とで用いるガラスが同一組成系であるために割れを生じていない。また、P1〜P3、P6〜P8、P11及びP12では、層間剥離も生じていない。P9では層間剥離を生じているものの使用上問題ない程度である。
これらのことから同一組成系のガラスを用い、且つ前記低誘電率無機フィラーを用いることで低誘電率層と高誘電率層とを同時焼成して焼結させることができることが分かる。
また、P10は問題なく焼結でき、層間剥離及び割れのいずれも認められなかった。同様に、P1〜P3及びP6〜P8も、問題なく焼結でき、層間剥離及び割れのいずれも認められなかった。P8では層間剥離が認められたが使用上問題がない程度である。しかし、P10では10μmの反応層が認められたのに対して、P1〜P3、P9、P11及びP12では反応層が認められず、P7及びP8では反応層が認められたが3μm以下の性能設計上問題にならない程度のものであった。
このことから同一組成系のガラスを用い、且つ前記低誘電率無機フィラーを用いることで低誘電率層と高誘電率層とを同時焼成した場合に、各層の界面の反応層の形成を抑制できることが分かる。また、特にCaを含有しない低誘電率無機フィラーを用いた(L1〜L4、L9及びL10)場合は、反応層が認められないことが分かる。
本発明は電子部品分野において広く利用される。特にマイクロ波帯域及びミリ波帯域において使用される各種電子部品として好適である。この各種電子部品としては、コンデンサ及び/又は共振器とインダクタとを一体的に備える積層セラミック部品、コンデンサ及び/又は共振器とインダクタとバランとを一体的に備える積層セラミック部品、セラミック基板内にコンデンサを一体的に備える積層セラミック部品、セラミック基板内に共振器を一体的に備える積層セラミック部品、各種平衡出力型フィルタ、平衡出力型LCフィルタ、平衡出力型誘電体フィルタ、平衡出力型SAWフィルタ等が挙げられる。更に、デュプレクサ、共振器、LCデバイス、カプラ、ダイプレクサ、ダイオード、誘電体アンテナ及びセラミックコンデンサ等の個別部品が挙げられる。更には、汎用基板、各種機能部品が埋め込まれた機能基板(LTCC多層デバイス等)などの基板類、MPU及びSAW等のパッケージ類、これら個別部品類、基板類及びパッケージ類の少なくともいずれかを備えるモジュール類等が挙げられる。また、これらの電子部品は、各種のマイクロ波帯域及び/又はミリ波帯域の電波を利用する移動体通信機器、移動体通信基地局機器、衛星通信機器、衛星通信基地局機器、衛星放送機器、無線LAN機器、及びBluetooth(登録商標)用機器等に利用できる。
低誘電率無機フィラーに関する係数x、y及びzの相関を示す三角図である。 低誘電率無機フィラーに関する係数x、y及びzの相関の好ましい範囲を示し、図1に示す点線領域を拡大して示した三角図である。 実施例に係る実験例P2(発明品)の低誘電率層と高誘電率層との界面を2000倍に拡大して示した説明図である。 実施例に係る実験例P10(比較品)の低誘電率層と高誘電率層との界面を2000倍に拡大して示した説明図である。 本発明の積層セラミック部品の一例を示す模式的な分解斜視図である。
符号の説明
100;積層セラミック部品、
301;低誘電率層、
302;高誘電率層、
303;導体層、
304;反応層、
B1;下部バラン部、
B2;上部バラン部、
F;フィルタ部、
11、12、13、18、19、20、21;低誘電率層、
14、15、16、17;高誘電率層、
112、141、171、211;接地用導体、
121、131、162、191、201;共振器用導体、
151、152;キャパシタ用導体、
161、163;共振器インダクタンス兼用導体、
181;接続用導体。

Claims (10)

  1. ガラス及び低誘電率無機フィラーを含有する低誘電率層と、該ガラスと同一組成系のガラス及び高誘電率無機フィラーを含有する高誘電率層と、が積層された積層部を備え、
    且つ、該低誘電率無機フィラーは、組成式(1)[xCaO・yMO・zSiO](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たし、
    上記高誘電率無機フィラーは、組成式(3)[aBaO・bTiO ・cREO 3/2 ・dBiO 3/2 ](但し、REは希土類金属元素であり、a、b、c及びdはモル比を表し、a+b+c+d=1である。)で表した場合に下記条件(3)を満たし、
    上記低誘電率層を構成している上記ガラス、及び、上記高誘電率層を構成している上記ガラスの各々は、少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、該各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、該BaをBaO換算で25〜55質量%、該ZnをZnO換算で5〜30質量%、該BをB 換算で15〜35質量%、該SiをSiO 換算で5〜30質量%、各々含有することを特徴とする積層セラミック部品。
    条件(1);上記組成式(1)中の該Mは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
    条件(2);上記組成式(1)中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=0、y=35、z=65、点Bはx=13、y=40、z=47、点Cはx=13、y=64、z=23及び点Dはx=0、y=80、z=20である。)により囲まれた領域内(但し、辺AB、辺BC、辺CD及び辺DAは全て該領域内に含まれる。)にある。
    条件(3);上記組成式(3)中の該aは0.09≦a≦0.16、該bは0.54≦b≦0.62、該cは0.20≦c≦0.34、該dは0≦d≦0.10を各々満たす。
  2. 上記低誘電率層中の上記ガラスの含有量は、該低誘電率層全体に対して35体積%以下である請求項1に記載の積層セラミック部品。
  3. 上記高誘電率層中の上記ガラスの含有量は、該高誘電率層全体に対して45体積%以下である請求項1又は2に記載の積層セラミック部品。
  4. 上記低誘電率無機フィラーは、フォルステライト、クリストバライト、モンチセライト、エンスタタイト、クオーツ、ウィルマイト及びトリジマイトのうちの少なくとも1種の結晶相を有する請求項1乃至のうちのいずれかに記載の積層セラミック部品。
  5. 上記積層部は、上記低誘電率層の一面の一部と上記高誘電率層の一面の一部とが直接接して積層された部位を有し、該低誘電率層の一面の他部と該高誘電率層の一面の他部との間にAg及び/又はCuを含み、且つ、該低誘電率層及び該高誘電率層と同時焼成された導体層を備える請求項1乃至のうちのいずれかに記載の積層セラミック部品。
  6. 上記低誘電率層中の上記ガラスの含有量と、上記高誘電率層中の上記ガラスの含有量との差は、15体積%以下である請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の積層セラミック部品。
  7. 少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、該各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、該BaをBaO換算で25〜55質量%、該ZnをZnO換算で5〜30質量%、該BをB換算で15〜35質量%、該SiをSiO換算で5〜30質量%、各々含有するガラスと、
    組成式(1)[xCaO・yMO・zSiO](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たす低誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成低誘電率シートを形成する未焼成低誘電率シート製造工程、
    上記ガラスと、組成式(3)[aBaO・bTiO・cREO3/2・dBiO3/2](但し、REは希土類金属元素であり、a、b、c及びdはモル比を表し、a+b+c+d=1である。)で表した場合に下記条件(3)を満たす高誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成高誘電率シートを形成する未焼成高誘電率シート製造工程、
    上記未焼成低誘電率シート及び/又は上記未焼成高誘電率シートの表面にAg及び/又はCuを含有する未焼成導体層を形成する未焼成導体層形成工程、
    上記未焼成導体層形成工程を経たのちの上記未焼成低誘電率シートと上記未焼成高誘電率シートとを積層して未焼成積層体を製造する積層工程、並びに、
    上記未焼成積層体を800〜1050℃で焼成する焼成工程、を備えることを特徴とする積層セラミック部品の製造方法。
    条件(1);上記組成式中の該Mは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
    条件(2);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=0、y=35、z=65、点Bはx=13、y=40、z=47、点Cはx=13、y=64、z=23及び点Dはx=0、y=80、z=20である。)により囲まれた領域内(但し、辺AB、辺BC、辺CD及び辺DAは全て該領域内に含まれる。)にある。
    条件(3);上記組成式(3)中の該aは0.09≦a≦0.16、該bは0.54≦b≦0.62、該cは0.20≦c≦0.34、該dは0≦d≦0.10を各々満たす。
  8. 少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、該各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、該BaをBaO換算で25〜55質量%、該ZnをZnO換算で5〜30質量%、該BをB換算で15〜35質量%、該SiをSiO換算で5〜30質量%、各々含有するガラスと、
    組成式(1)[xCaO・yMO・zSiO](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たす低誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成低誘電率シートを形成する未焼成低誘電率シート製造工程、
    上記ガラスと、組成式(3)[aBaO・bTiO・cREO3/2・dBiO3/2](但し、REは希土類金属元素であり、a、b、c及びdはモル比を表し、a+b+c+d=1である。)で表した場合に下記条件(3)を満たす高誘電率無機フィラーと、を混合して得られた混合物を成形して未焼成高誘電率シートを形成する未焼成高誘電率シート製造工程、
    所定位置及び所定枚数が各々積層されるように、上記未焼成低誘電率シートと上記未焼成高誘電率シートとを積層し、且つ、該積層の間にAg及び/又はCuを含有する未焼成導体層を印刷形成して未焼成積層体を製造する積層工程、並びに、
    上記未焼成積層体を800〜1050℃で焼成する焼成工程、を備えることを特徴とする積層セラミック部品の製造方法。
    条件(1);上記組成式中の該Mは、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
    条件(2);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=0、y=35、z=65、点Bはx=13、y=40、z=47、点Cはx=13、y=64、z=23及び点Dはx=0、y=80、z=20である。)により囲まれた領域内(但し、辺AB、辺BC、辺CD及び辺DAは全て該領域内に含まれる。)にある。
    条件(3);上記組成式(3)中の該aは0.09≦a≦0.16、該bは0.54≦b≦0.62、該cは0.20≦c≦0.34、該dは0≦d≦0.10を各々満たす。
  9. 上記低誘電率無機フィラーは、上記各金属元素の酸化物、炭酸塩及び/又は水酸化物を混合したのち1000〜1300℃で仮焼して仮焼物を得、次いで、該仮焼物を粉砕して得られる請求項又はに記載の積層セラミック部品の製造方法。
  10. 上記低誘電率無機フィラーは、フォルステライト、クリストバライト、モンチセライト、エンスタタイト、クオーツ、ウィルマイト及びトリジマイトのうちの少なくとも1種の結晶相を有する請求項乃至のうちのいずれかに記載の積層セラミック部品の製造方法。
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