JP4704836B2 - 低温焼成磁器組成物及びその製造方法並びにこれを用いた電子部品 - Google Patents
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Description
更に、高周波帯域においても高速且つ低損失で信号伝送する伝送線路を形成するため、特に比誘電率が低い特性も併せて求められている。この比誘電率が低いセラミック材料としては、従来から、無機フィラーとガラスとを主成分とする低温焼成磁器組成物が知られている。
更に、ガラスとは別に、予め用意した無機フィラーを混合し、上記焼成コントロールをほとんど行うことなく無機フィラー(アルミナフィラー及びクオーツフィラー等)とガラスとの2相構造を得る低温焼成磁器が知られている(特許文献2)。
本発明は、上記問題を解決するものであり、優れた誘電特性を確保しつつ、より少量のガラスにより低温焼結できる低温焼成磁器組成物を提供することを目的とする。
(1)無機フィラー及びガラスを含有する低温焼成磁器組成物であって、
上記無機フィラーは、組成式[xCaO・yM1O・zSiO2](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たすアルカリ土類金属元素含有フィラーを主成分とし、
且つ、上記ガラスは、少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、該各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、該BaをBaO換算で25〜55質量%、該ZnをZnO換算で5〜30質量%、該BをB2O3換算で15〜35質量%、該SiをSiO2換算で5〜30質量%、各々含有し、
上記アルカリ土類金属含有フィラーの上記無機フィラー中における含有量は、上記無機フィラー全体を100質量%とした場合に50質量%を超えることと、
上記無機フィラーと上記ガラスとの合計を100体積%とした場合に、上記ガラスは35体積%以下であることを特徴とする低温焼成磁器組成物。
条件(1);上記組成式中の該M1は、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
条件(2);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=25、y=0、z=75、点Bはx=0、y=35、z=65、点Cはx=0、y=80、z=20及び点Dはx=65、y=0、z=35である。)により囲まれた領域内のうち、辺AB及び辺CDは含まれるが、辺DA及び辺BCは含まれない領域にある。
(2)上記無機フィラーは、上記組成式で表した場合に上記条件(1)及び下記条件(3)を満たすアルカリ土類金属元素含有フィラーを主成分とする上記(1)に記載の低温焼成磁器組成物。
条件(3);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図2における辺BO、辺OP、辺PC及び辺CB(点Oはx=13、y=40、z=47、点Pはx=13、y=64、z=23である。)により囲まれた領域内のうち、辺BO、辺OP、及び辺PCは含まれるが、辺CBは含まれない領域にある。
(3)上記無機フィラーは、更に、アルミナからなるアルミナフィラーを含有し、
上記アルカリ土類金属元素含有フィラーと該アルミナフィラーとの合計を100質量%とした場合に、上記アルミナフィラーは50質量%以下である上記(1)又は(2)に記載の低温焼成磁器組成物。
(4)上記(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載の低温焼成磁器組成物からなる誘電体磁器部と、該誘電体磁器部の表面及び/又は内部に配設され且つ該誘電体磁器部と同時焼成された導体部と、を備えることを特徴とする電子部品。
無機フィラーが、上記条件(1)及び上記条件(3)を満たすアルカリ土類金属元素含有フィラーを主成分とする場合は、特に誘電損失の小さい低温焼成磁器が得られる。
アルカリ土類金属元素含有フィラーが所定の結晶相を有する場合は、特に優れた低誘電損失の誘電体磁器を低コストで得ることができる。
ガラスが35体積%以下であるので特に優れた低誘電損失の誘電体磁器を低コストで得ることができる。
無機フィラーが所定範囲のアルミナフィラーを含有する場合は、特に優れた低誘電損失の誘電体磁器を低コストで得ることができる。
本発明の電子部品によれば、Ag系金属及びCu系金属等の低抵抗低融点金属導体材料と同時焼結された電子部品を低コストで得ることができる。更に、高周波帯域においても高速且つ低損失で信号伝送する伝送線路を形成でき、特に比誘電率が低い特性も併せて得ることができる。
[1]低温焼成磁器組成物
本発明の低温焼成磁器組成物は、所定の無機フィラーと、所定のガラスとを含有することを特徴とする。
上記「無機フィラー」は、アルカリ土類金属元素含有フィラーを主成分とする。
上記「アルカリ土類金属元素含有フィラー」は、組成式[xCaO・yM1O・zSiO2](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たすフィラーである。
条件(1);上記組成式中の該M1は、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
条件(2);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=25、y=0、z=75、点Bはx=0、y=35、z=65、点Cはx=0、y=80、z=20及び点Dはx=65、y=0、z=35である。)により囲まれた領域内のうち、辺AB及び辺CDは含まれるが、辺DA及び辺BCは含まれない領域にある。
上記「M1」は、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。即ち、アルカリ土類金属元素含有フィラーにはMgOのみが含有されてもよく、ZnOのみが含有されてもよく、MgO及びZnOの両方が含有されてもよい。
この領域ABCDのうち、更に辺AE、辺EF、辺FD及び辺DAにより囲まれた下記領域AEFD(但し、辺AE、辺EF、及び辺FDは領域内に含まれるが、辺DAは領域に含まれない。図2参照)、又は、辺BO、辺OP、辺PC及び辺CBにより囲まれた下記領域BOPCのうち、辺BO、辺OP、及び辺PCは含まれるが、辺CBは含まれない領域にあることが好ましい(図2参照)。
上記各領域に関する各点は以下の通りである。各点は(x,y,z)を表している。
領域AEFD:
A(25,0,75)、E(5,35,60)、F(30,40,30)、D(65,0,35)
領域AE2F2D:
A(25,0,75)、E(15,35,50)、F(35,40,35)、D(65,0,35)
領域AE3F3D:
A(25,0,75)、E(25,28,47)、F(37,28,35)、D(65,0,35)
上記各領域に関する各点は以下の通りである。各点は(x,y,z)を表している。
領域BOPC:
B(0,35,65)、O(13,40,47)、P(13,64,23)、C(0,80,20)
領域BO2P2C:
B(0,35,65)、O2(10,40,50)、P2(10,68,22)、C(0,80,20)
領域B2O3P3C2:
B2(0,45,55)、O3(10,45,45)、P3(10,65,25)、C2(0,75,25)
領域B2O4P4C2:
B2(0,45,55)、O4(7,45,48)、P4(7,68,25)、C2(0,75,25)
領域B3O5P4C2:
B3(0,55,45)、O5(7,55,38)、P4(7,68,25)、C2(0,75,25)
上記領域AEFD(図2参照)及び上記領域BOPC(図2参照)のうちでは、領域BOPCに含まれることがより好ましい。
また、これらの結晶相は主結晶相であることが好ましい。即ち、例えば、これらの結晶相はアルカリ土類金属元素含有フィラー全体を100質量%とした場合に、合計で50質量%以上(より好ましくは60質量%以上、100質量%であってもよい)含有されることが好ましい。この範囲では低温焼結性が特に優れている。
即ち、上記ガラスは、組成式[kBaO・lZnO・mB2O3・nSiO2]{但し、k、l、m及びnは含有割合を表し、k+l+m+n=100(質量%)である。}で表した場合に、25≦k≦55、5≦l≦30、15≦m≦35、5≦n≦30である。
上記Znは、ZnO換算で5〜30質量%であり、好ましくは7〜25質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。5質量%未満又は30質量%を超える場合は焼結温度が高くなる傾向にある。
上記Bは、B2O3換算で15〜35質量%であり、好ましくは17〜33質量%、より好ましくは20〜30質量%である。15質量%未満の場合は焼結温度が高くなる傾向にあり、35質量%を超える場合はQ値が低下する傾向になる。
上記Siは、SiO2換算で5〜30質量%であり、好ましくは7〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。5質量%未満の場合は焼結温度が高くなる傾向にあり、30質量%を超える場合は焼結温度が高くなる傾向にある。
更に、ガラスには、上記各元素以外にも他の元素が含有されていてもよい。他の元素としては、アルカリ金属元素(Li、Na及びK等)、Ba以外のアルカリ土類金属元素(Mg、Ca及びSr等)、その他の金属元素(Ti、Zr、Al及びSn等)が挙げられる。但し、このガラスは、低温焼結性能を向上させるPbを含有することはできるが、環境保護の観点から含まれないことが好ましい。また、上記xが0モル%よりも大きく13モル%以下、yが40〜80モル%且つzが20〜60モル%である場合には、ガラス中に含有されるCa及びSrは合計で0.5質量%以下であることが好ましい。
5〜70体積%であれば、低温(例えば、800〜1050℃)で焼成でき、比誘電率誘5〜10の特に小さい値を得ることができる。更に、5〜35体積%では、10GHzにおける比誘電率が5〜10であり且つ誘電損失が5×10−4〜50×10−4の特に優れた誘電特性を得ることができる。更に、5〜20体積%では10GHzにおける比誘電率が5〜10であり且つ誘電損失が5×10−4〜30×10−4の特に優れた誘電特性を得ることができる。
また、10GHzにおける誘電損失を100×10−4以下(通常、5×10−4以上)とすることができる。更に、誘電損失を50×10−4以下(通常、5×10−4以上)とすることができ、45×10−4以下とすることができ、特に40×10−4以下とすることができ、とりわけ35×10−4以下とすることができる。
本発明の製造方法は、所定の無機フィラーと所定のガラスとを混合したのち、800〜1050℃で焼成する焼成工程を備えることを特徴とする。
上記「無機フィラー」は、前記低温焼成磁器組成物における無機フィラーをそのまま適用できる。また、上記「ガラス」は、前記低温焼成磁器組成物におけるガラスをそのまま適用できる。
上記「混合」は、無機フィラーとガラスとを混合する工程である。この混合を行う際は、通常、上記無機フィラー及び上記ガラスは粉末状である。また、バインダ、可塑剤、分散剤溶剤及び/又はその他の添加剤などを更に混合することができる。
即ち、「各金属元素」とは、無機フィラーに含有させる所定の全ての元素であり、Ca、Mg、Zn、Si、Sr、Ba、Sn、Ti、Zr、Al、Fe、Ti、Mn及びCo等である。また、各元素は酸化物、炭酸塩及び/又は水酸化物以外の他の化合物(例えば、塩化物など)を用いてもよいが、通常、酸化物、炭酸塩及び/又は水酸化物を用いる。各元素の上記酸化物等が2種以上存在する場合は、このうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、各化合物には、上記元素のうちの1種のみが含有されてもよく、2種以上が含有されてもよい。
更に、この仮焼により、アルカリ土類金属元素含有フィラーは、フォルステライト、ディオプサイド、アケルマナイト、メルウィナイト、クリストバライト、ワラストナイト、モンチセライト、エンスタタイト、ウィルマイト、クオーツ及びトリジマイトのうちの少なくとも1種の結晶相(特に主結晶相)を有するものとすることができる。これらのなかでも、特にフォルステライト、ディオプサイド、ワラストナイト、ウィルマイト、アケルマナイト、エンスタタイト及びメルウィナイトのうちの少なくとも1種が好ましく、フォルステライト、ディオプサイド、ワラストナイト、ウィルマイト、アケルマナイト及びエンスタタイトのうちの少なくとも1種がより好ましい。
更に、この焼成工程では、無機フィラーとBaO・ZnO・B2O3・SiO2系ガラスとを含有する未焼成成形部と、この未焼成成形部の表面及び/又は内部に形成された未焼成導体層とを同時に焼成することができる。
本発明の電子部品は、本発明の低温焼成磁器組成物からなる誘電体磁器部と、この誘電体磁器部の表面及び/又は内部に配設され且つこの誘電体磁器部と同時焼成された導体部と、を備えることを特徴とする。
上記誘電体磁器部は、前記本発明の低温焼成磁器組成物からなること以外、特に限定されない。即ち、その形状は、例えば、LCフィルタを目的とする場合には、板状に成形された誘電体磁器部(例えば、図5の111、112及び113)が一体的に焼成された直方体形状とすることができる。また、基板を目的とする場合には、様々な形の板状形状とすることができる。更に、アンテナを目的とする場合には板状、直方体など、様々な形の形状とすることができる。
これらの金属は、1050℃を超える高温で焼成した場合には所望の配線形状を得ることが困難となる場合があるが、本発明の低温焼成誘電体磁器組成物は1050℃以下の低温で焼成できるため、これらの金属を導体金属として用いて同時焼成を行うことができる。
本電子部品は、低温焼成でき、高誘電率であり、高い無負荷Q値を有するため、これらのなかでも、特にLCフィルタ及びアンテナ等として好適である。
[1]低温焼成磁器組成物
(1)低温焼成磁器組成物の製造
市販の各CaCO3粉末(純度;99%以上)、MgO粉末(純度;99.6%)、ZnO粉末(純度;99%)及びSiO2粉末(純度;99%以上)を用い、前記「x」、「y」及び「z」の各々が表1に示す値となるように、秤量した。その後、各粉末をエタノールを媒体として湿式混合した。次いで、得られた混合粉末を大気雰囲気において1200℃で2時間仮焼した。その後、仮焼物に分散剤、バインダ及びエタノールを加え、ボールミルを用いて粉砕し無機フィラー含有スラリーを得た。
一方、酸化物換算合計量100質量%に対して、BaOを31質量%、ZnOを14質量%、B2O3を24質量%、及び、SiO2を12質量%を含有するBaO・ZnO・B2O3・SiO2系ガラス原料を仮焼物に加え、分散剤、バインダ及びエタノールを加え、ボールミルを用いて粉砕しガラス含有スラリーを得た。
得られた混合スラリーを乾燥させて造粒した。その後、φ19mmの金型を用いて、20MPaで一軸プレスにより円柱状に成形した。次いで、150MPaの圧力でCIP(冷間等方静水圧プレス)処理を行い、得られた成形体を大気雰囲気下、800〜1050℃で2時間焼成し、実験例1〜22(実施例3〜9及び19〜20、参考例1,2、15〜18及び21〜22、比較例10〜14)の各磁器を得た。
上記(1)で得られた円柱状の各磁器の両端面を研磨した。その後、研磨した各磁器を用いて、JIS R1641に準じ、平行導体板型誘電体共振器法により、測定周波数10GHzにおける、比誘電率及び誘電損失を測定した。この結果を表1に併記した。尚、実験例10〜14については共振が微弱であり誘電特性が得られなかった。
吸水率を測定した。この結果、吸水率が0.1%以下である磁器について、表1に「○」と示した。一方、吸水率が0.1%以上である磁器については表1に「×」と示した。
実験例1〜22の各磁器を乳鉢で粉砕し、X線回折測定を行い、主結晶相の同定を行った。この結果を表1に併記した。
表1の結果によると、比較品である実験例10〜14は、1050℃においても十分に緻密に焼結することができなかった。また、誘電特性も十分に得られなかった。実験例10ではガラスが含有されないために、実験例11〜13ではアルカリ土類金属元素含有フィラーを含有するものの適切な組成範囲から外れた組成であるために、実験例14ではアルカリ土類金属元素含有フィラーを含有しないために、各々、十分に緻密に焼結することができないものと考えられる。
また、実験例15〜22の磁器からは10GHzにおける比誘電率が7の誘電特性が得られた。更に、実験例15〜22の磁器は誘電損失が24×10−4以下と小さく、特に実験例17〜18の磁器は誘電損失が16×10−4以下と小さい。また、実験例15〜17では、ガラスの含有量が20体積%以下であり比誘電率が7と小さく、且つ誘電損失は14×10−4〜24×10−4と小さく、バランスに優れた低誘電磁器材料が得られていることが分かる。また、XRDの結果から、上記組成式におけるxが10以下の範囲ではフォルステライト(MgOを含む場合)又はウィルマイト(ZnOを含む場合)が主結晶相として認められることが好ましいと考えられる。
(1)LCフィルタの製造
上記[1](1)における表1中の実験例4の造粒に用いたものと同じスラリーを、脱泡処理した後、ドクターブレード法を用いてグリーンシート(厚さ250μm)に成形した。次いで、得られたグリーンシートのうち3枚の各表面に、導体部形成用銀ペーストを用いて未焼成導体部を印刷形成した。
その後、得られた3枚の未焼成導体部が形成されたグリーンシートを、温度100℃、圧力100kgf/cm2の条件で加圧加熱積層した。次いで、得られた積層体を裁断し、その後、大気中925℃で2時間焼成して図5に分解斜視図として示すLCフィルタ1を得た。
LCフィルタ1は、誘電体磁器部111、112及び113と、導体部121、122及び123とを備える。これらは一体的に同時焼成されている。即ち、図5は分解斜視図として示しているが、実際には図5中の誘電体磁器部111、112及び113及び導体部121、122及び123は同時焼成されて、直方体形状の一体物となっている。
Claims (4)
- 無機フィラー及びガラスを含有する低温焼成磁器組成物であって、
上記無機フィラーは、組成式[xCaO・yM1O・zSiO2](但し、x+y+z=100モル%である。)で表した場合に下記条件(1)及び条件(2)を満たすアルカリ土類金属元素含有フィラーを主成分とし、
且つ、上記ガラスは、少なくともBa、Zn、B及びSiの各元素を含有し、該各元素の酸化物換算合計量を100質量%とした場合に、該BaをBaO換算で25〜55質量%、該ZnをZnO換算で5〜30質量%、該BをB2O3換算で15〜35質量%、該SiをSiO2換算で5〜30質量%、各々含有し、
上記アルカリ土類金属含有フィラーの上記無機フィラー中における含有量は、上記無機フィラー全体を100質量%とした場合に50質量%を超えることと、
上記無機フィラーと上記ガラスとの合計を100体積%とした場合に、上記ガラスは35体積%以下であることを特徴とする低温焼成磁器組成物。
条件(1);上記組成式中の該M1は、Mg及びZnのうちの少なくとも1種である。
条件(2);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図1における辺AB、辺BC、辺CD及び辺DA(点Aはx=25、y=0、z=75、点Bはx=0、y=35、z=65、点Cはx=0、y=80、z=20及び点Dはx=65、y=0、z=35である。)により囲まれた領域内のうち、辺AB及び辺CDは含まれるが、辺DA及び辺BCは含まれない領域にある。 - 上記無機フィラーは、上記組成式で表した場合に上記条件(1)及び下記条件(3)を満たすアルカリ土類金属元素含有フィラーを主成分とする請求項1に記載の低温焼成磁器組成物。
条件(3);上記組成式中の該x、該y及び該zは、各々の相関を三角図を用いて表した場合に対応する値が、図2における辺BO、辺OP、辺PC及び辺CB(点Oはx=13、y=40、z=47、点Pはx=13、y=64、z=23である。)により囲まれた領域内のうち、辺BO、辺OP、及び辺PCは含まれるが、辺CBは含まれない領域にある。 - 上記無機フィラーは、更に、アルミナからなるアルミナフィラーを含有し、
上記アルカリ土類金属元素含有フィラーと該アルミナフィラーとの合計を100質量%とした場合に、上記アルミナフィラーは50質量%以下である請求項1又は2に記載の低温焼成磁器組成物。 - 請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の低温焼成磁器組成物からなる誘電体磁器部と、該誘電体磁器部の表面及び/又は内部に配設され且つ該誘電体磁器部と同時焼成された導体部と、を備えることを特徴とする電子部品。
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