JP2778815B2 - 誘電体磁器組成物及びその製造法並びにそれを用いた配線基板 - Google Patents

誘電体磁器組成物及びその製造法並びにそれを用いた配線基板

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、誘電体磁器組成物及びその製造法並びにそ
れを用いた配線基板に係り、特に高周波集積回路(MI
C)用の配線基板等に適する高周波用誘電体磁器組成物
や、それを製造する方法、更にはそれを用いて得られた
配線基板に関するものである。
(背景技術) 携帯電話等の高周波機器の発展に伴い、それらに使用
されるMICにも、小型で高性能なものが要求されるよう
になってきている。そして、そのようなMIC配線基板に
必要な誘電体磁器には、以下のような特性が要求されて
いるのである。即ち、先ず、(1)比誘電率(ε)が
高いこと。この比誘電率が高いと、或る決まった周波数
で使用する場合、共振回路がインダクタンスやコンデン
サの小型化が可能になるのである。また、(2)Q値が
高いこと。磁器のQ値が高いと、これを使用した共振回
路やインダクタンスのQ値を高くすることが出来る。更
に、(3)誘電率の温度係数や形成した共振回路の共振
周波数の温度係数が小さいこと。そして、(4)導体配
線が多層構造に出来ること。また、(5)導体の抵抗が
小さいこと。この導体の抵抗が大きいと、共振回路やイ
ンダクタンスのQ値が小さくなり、導体線路の伝送損失
が大きくなるからである。
ところで、従来から、この種の誘電体磁器組成物とし
ては、例えば特公昭58−20905号公報には、BaO−TiO2
若しくはその一部を他の元素で置換したものが、また特
公昭59−23048号公報には、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3等を複
合ペロブスカイト構造を持った組成のものが、更に特公
昭54−35678号公報には、TiO2−ZrO2−SnO2若しくはそ
の一部を他の元素で置換したものが、更にまた特公昭56
−26321号公報には、BaO−TiO2−RE2O3系(RE:希土類金
属)のものが、それぞれ、明らかにされている。
しかしながら、それら従来の誘電体磁器組成物は、誘
電率が大きいものの、目的とする配線基板を得るべく、
その内部に導体路を多層構造に設けようとすると、導体
としてPt,Pd等の導通抵抗の大きな導体材料しか使用出
来ない問題があった。そのような誘電体磁器組成物は、
その焼成温度が高いために、融点の低いAg系やCu系やAu
系等の導通抵抗の小さな導体材料を使用することが出来
ないからである。
また、かかる誘電体磁器組成物として、アルミナ、ス
テアタイト或いはフォルステライト等のセラミックスか
らなる低価格なものも知られているが、それらは温度係
数が大きく、更に導体路を多層構造に設けようとする
と、上記と同様の理由によって、Pt,Pd,W,Mo等の導通抵
抗の大きな導体材料しか使用出来ないという問題を内在
するものであった。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為
されたものであって、その課題とするところは、誘電率
が大きく、且つ温度係数が小さい、しかも導通抵抗が小
さな導体を内蔵することが可能な誘電体磁器組成物を提
供することにあり、またそのような誘電体磁器組成物を
製造する方法、更にはそのような誘電体磁器組成物を用
いた配線基板を提供することにある。
(解決手段) すなわち、本発明は、かかる課題を解決するために、
多くの誘電体磁器の組成について種々検討した結果見い
出された事実に基づいて完成されたものであり、その要
旨とするところは、SiO2:25〜65重量%、MgO:7〜25重量
%、Al2O3:27〜45重量%、B2O3:0〜20重量%を少なくと
も含むコージェライト系組成のガラスとTiO2との混合粉
末を焼成してなり、生成したコージェライト結晶質母相
中に前記TiO2粒子が分散して存在する誘電体磁器組成物
にして、前記ガラスとTiO2とが、下式: 70≦x≦90 10≦y≦30 x+y=100 (但し、x:ガラスの重量% y:TiO2の重量%) を満足する割合において、用いられていることを特徴と
する誘電体磁器組成物にある。
また、本発明にあっては、かかる誘電体磁器組成物を
得るために、上記の如き割合において二成分を均一に配
合して得られる混合粉末を用い、この混合粉末から成形
された成形体を、1100℃以下の温度で焼成し、緻密化す
ると共に、コージェライト系組成のガラス成分を結晶化
して、得られる誘電体磁器組成物中にコージェライト結
晶質相を母相として生成せしめることを特徴としてい
る。
さらに、本発明は、上記の如くして得られる磁器(誘
電体磁器組成物)を誘電体として用い、この誘電体内
に、少なくとも一つの導体路を内蔵せしめてなる配線基
板をも、その要旨とするものである。
なお、このような誘電体磁器組成物を与える混合粉末
には、必要に応じて、その100重量部に対して、誘電率
が30以下のフィラー粉末が、合計量で30重量部を越えな
い割合において、更に配合せしめられることとなる。
(具体的構成) ところで、かかる本発明に従う誘電体磁器組成物を与
える混合粉末は、コージェライト系組成のガラスとTiO2
の二成分を、前式を満足するような割合において配合せ
しめる必要があり、その範囲から外れると、本発明の目
的を充分に達成することが出来なくなる。即ち、コージ
ェライト系組成のガラス粉末の割合(x重量%)が70重
量%よりも少なくなり、一方、TiO2粉末の割合(y重量
%)が30重量%を越えたりすると、低温度での焼成が困
難となり、1100℃以下の焼成温度で混合粉末を充分に緻
密化することが困難となり、更には結晶化が困難となる
のである。
そして、本発明において、かかるコージェライト系組
成のガラスは、得られる誘電体磁器組成物にコージェラ
イトの優れたマイクロ波誘電特性を付与すると共に、低
温焼結性を得るために用いられるものであって、主結晶
がコージェライトとなるガラス組成であれば、基本的に
は問題なく、公知の各種のコージェライト系組成のガラ
スを用いることが出来るが、本発明では、SiO2:25〜65
重量%、MgO:7〜25重量%、Al2O3:27〜45重量%、B2O3:
0〜20重量%なる組成のガラスが有利に用いられる。か
かる範囲内のSiO2,MgO,Al2O3の採用によって、1100℃以
下での焼成、緻密化がより効果的に行なわれ得るからで
あり、またB2O3の割合が20重量%を越えるようになる
と、焼結体の耐水性が悪くなるからである。なお、これ
らの成分の他にも、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土
類金属の酸化物、ZrO2、ZnO、PbO等の金属酸化物が、必
要に応じて、焼結性を向上させるために、また、Mn,Cr,
Fe,Co,Ni,Cuや希土類金属の酸化物が着色するために、
それぞれ、ガラス成分として添加され得、更に結晶化促
進の核生成剤として、TiO2がガラス成分に加えられて
も、何等差支えない。また、そのようなガラス成分の他
にも、或る程度の不純物が、ガラスの製造工程から考え
て、混入するようになる。
なお、このようなコージェライト組成のガラスは、公
知の各種のガラス化手法によって調製され得るものであ
り、通常、各原料成分を目的とするコージェライト系組
成を与える割合で配合してなる混合物を溶融せしめ、そ
の溶融物を急冷却してガラス化することによって得ら
れ、そしてそれが粉砕されて、用いられることとなる。
また、このようなコージェライト系組成のガラス粉末
は、その焼結性を高めるために、その粒径を小さくする
ことが望ましく、一般に20μm以下、特に1〜10μm程
度の粒度の粉末として用いられることが望ましい。
また、本発明において、TiO2は、得られる誘電体磁器
組成物の誘電率や共振周波数の温度係数を変化させるた
めに添加される。このTiO2を添加することによって、共
振周波数の温度係数は、その添加量に応じてプラス側に
変化する。従って、誘電体磁器組成物がコージェライト
系組成のみからなる場合には、その共振周波数の温度係
数は、おおよそ−80〜−40ppm/℃となるのであるが、Ti
O2を添加することによって、その温度係数を高めること
が出来、更にはプラス側に大きくすることが出来る。ま
た、TiO2は、誘電率が約100と大きいところから、それ
の添加により、誘電体磁器組成物の誘電率を大きくする
ことが出来るのである。
なお、かかるTiO2粉末は、通常、非常に微細なもので
あるところから、コージェライト系組成のガラスの焼結
性を妨げ易く、そのために、かかるTiO2を15重量%以上
添加する場合にあっては、予め仮焼して、その粒径を或
る程度大きくしておくことが望ましい。例えば、そのよ
うな仮焼によって、BET比表面積が2m2/g程度以下となる
ような粒子とされるのである。
本発明は、かくの如きコージェライト系組成のガラス
とTiO2との所定割合の混合粉末を用いて、目的とする誘
電体磁器組成物を得るものであるが、またかかる混合粉
末には、必要に応じて、更に所定のフィラー粉末を配合
せしめることが可能である。そのようなフィラー粉末と
しては、アルミナ,石英,ムライト,フォルステライ
ト,石英ガラス等を挙げることが出来る。中でも、アル
ミナ,石英,ムライト,フォルステライト等の誘電率が
30以下の結晶質のものは、誘電率が小さいため、添加し
ても、得られる誘電体磁器組成物の誘電率を余り大きく
することは出来ないが、アルミナは強度を高めることが
出来、また石英,ムライト,フォルステライトは、熱膨
張係数を調節することが出来るところから、必要に応じ
て添加されることとなる。また、石英ガラスのような耐
火性の高いガラスは、上記の誘電率が30以下の結晶質の
ものと同等に扱うことが出来る。なお、このようなフィ
ラー粉末の添加量は、それらの合計量において、混合粉
末の100重量部に対して30重量部以下となるようにされ
る。そのようなフィラー粉末の配合量が多くなると、11
00℃以下の温度で充分に緻密化しなくなるからである。
そして、本発明にあっては、このようにしてコージェ
ライト系組成のガラスとTiO2とを所定割合において配合
せしめ、更に必要に応じて所定のフィラー粉末を添加し
て均一に配合して得られる混合粉末を用い、この混合粉
末から常法に従って成形された成形体を、焼成して緻密
化せしめ、更にコージェライト系組成のガラス成分を結
晶化させて、コージェライト結晶質相を生成せしめるこ
とにより、かかる生成コージェライト結晶質母相中にTi
O2粒子が分散して存在する誘電体磁器組成物を得るので
ある。
なお、かかる焼成操作に際しては、1100℃以下の焼成
温度が採用され、その焼成によって緻密化されて、一般
に気孔率が6%程度以下の緻密な焼結体とされる。ま
た、かかる焼成温度の下限は800℃程度である。更に、
かかる焼結体中におけるコージェライト系組成のガラス
成分の結晶化は、焼成温度で保持することにより、焼成
操作と同時に或いはそれに引き続いて行なうことが出来
る。この結晶化のための温度としては、850℃〜1100℃
程度の温度が採用される。そして、このようなコージェ
ライト系組成のガラス成分の結晶化により、目的とする
誘電体磁器組成物、即ちコージェライト結晶質母相中に
TiO2粒子が分散して存在する磁器が得られることとなる
のである。勿論、コージェライト系組成のガラス成分の
結晶化により生ずる主結晶はコージェライトであるが、
ガラスの組成によっては、更にムライト,フォルステラ
イト,スピネル等の結晶質が析出する場合があり、また
若干の非晶質相が残るのは避け得ない。
また、本発明において、上記の如き誘電体磁器組成物
を誘電体とする配線基板を製造するに際しては、前述の
如きコージェライト系組成のガラスとTiO2との所定割合
の混合粉末を用いて、従来と同様にして行なわれること
となるが、一般に、かかる混合粉末から得られたグリー
ンシートを用い、それに、適当な導体ペーストを用いて
所定パターンの導体路を印刷等の手法によって形成する
一方、そのようなグリーンシートを積層して、一体化せ
しめ、そしてそれらグリーンシートが導体路(導体ペー
スト)を同時焼成することによって、目的とする配線基
板を得ることが出来る。特に、本発明にあっては、前記
混合粉末を用いたグリーンシートの焼成、更には結晶化
が1100℃以下で行なわれ得るところから、導体として、
Ag,Ag−Pt,Ag−Pd,Ag−Pt−Pd等のAg系や、公知の各種
のCu系の導体、更にはAu,Au−Pt,Au−Pd,Au−Pt−Pd等
のAu系の導体を用いることが出来るのである。従って、
このような導通抵抗の小さなAg系やCu系やAu系の導体
は、1100℃以下の焼成条件下では溶融することがなく、
誘電体磁器組成物と同時焼成することが出来るところか
ら、低抵抗の導体の内蔵化が可能となるのである。
第1図には、このようにして得られた配線基板の断面
構造の一例が示されている。そこにおいて、2は、コー
ジェライト系組成のガラスとTiO2との混合粉末から形成
された誘導体磁器組成物からなる誘電体であり、この誘
電体2の内外に、各種の導体路、例えばその内部に位置
する内蔵導体路4、その表面に位置する表面導体路6、
更にはアース導体路8が積層形態において設けられてい
る。また、かかる誘電体2の内外には、従来と同様に、
抵抗10も設けられている。
このような構造の配線基板において、本発明にあって
は、誘電体2を与える材料として、1100℃以下での焼成
及び結晶化が可能な混合粉末を用いるものであるところ
から、導体路(4,6,8)の材料として、導通抵抗の小さ
な低融点導体、例えばAg系導体やCu系導体等を用い、誘
電体2と共に、同時焼成することが出来、以て低抵抗の
導体路(4,8)を内蔵した配線基板が有利に実現され得
ることとなったのである。
(実施例) 以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的
に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実
施例の記載によって何等の制約をも受けるものでないこ
とは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上
記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
実施例 1 下記第1表に示されるコージェライト組成を与えるよ
うに、酸化マグネシウム(MgO)、石英(SiO2)、アル
ミナ(Al2O3)、硼酸(H3BO3)等の成分原料をそれぞれ
秤量し、アルミナ乳鉢により充分混合した。次いで、こ
の得られた混合物を、白金ルツボ中において、1600℃の
温度で溶融せしめた後、水中に投下して急冷することに
より、各種のコージェライト系組成のガラスを得た。そ
の後、それらガラスを、アルミナポット及びアルミナボ
ールを使用して、それぞれ湿式粉砕した後、乾燥せし
め、以下の誘電体磁器製造用ガラス粉末とした。
このようにして得られた各種のコージェライト系組成
のガラス粉末とTiO2粉末とを、下記第2表に示される重
量比となるように秤量して、ポリエチレンポット及びア
ルミナボールを使用して、それぞれ湿式混合せしめた。
次いで、この得られた混合物を、それぞれ乾燥した後、
バインダとしてPVAを加え、よく混合して、40メッシュ
の篩を通すことにより、造粒した。このようにして調製
して得られた各種粉体を、それぞれ、プレス成形機を使
い、面圧:1ton/cm2にて、20mmφ×12mmtのサイズの円板
状のサンプルを成形した。次いで、このようにして成形
した各サンプルを、空気中において、900〜1000℃の温
度で、30分間焼成した。更に、この焼成して得られた各
サンプルを、研磨によって、16mmφ×8mmtの大きさに整
えた。
かくして得られた各種のサンプルについて、その誘電
率と無負荷Qを、公知の平行導体板型誘電体共振器法に
よってそれぞれ測定し、またその共振周波数の温度係数
(τ)を−25℃〜75℃の範囲で測定し、その結果を、
下記第2表に示した。なお、測定周波数は8〜12GHzで
あった。また、第2表中において、Qは、10GHzでの値
に換算してある。
かかる第2表の結果から明らかなように、本発明に従
うNo.1〜24の誘電体磁器組成物にあっては、何れも、90
0〜1000℃の温度下での焼成にて緻密化された焼結体と
なり、誘電率、無負荷Q、共振周波数の温度係数
(τ)において、改善され得ることが認められる。こ
れに対して、比較例であるNo.25及びNo.26の誘電体磁器
組成物にあっては、900〜1000℃の焼成温度では、充分
な緻密化を行なうことが出来なかった。
実施例 2 実施例1における第2表の誘電体磁器No.6の配合組成
の混合粉末を用い、これと、アクリル系有機バインダ、
可塑剤、トルエン及びアルコール系溶剤とを、アルミナ
ポット及びアルミナボールを用いてよく混合し、スラリ
ーとした後、このスラリーから、ドクターブレード法に
よって0.1mm〜1.0mm厚みのグリーンテープを作製した。
一方、Ag系粉末、アクリル系有機バインダ及びテルピ
ネオール系有機溶剤を、三本ローラを用いた混練機によ
りよく混練せしめ、印刷用の導体ペーストを調製した。
なお、抵抗ペーストとしては、市販の厚膜回路用のもの
を準備した。
次いで、これらのペーストを用いて、前記グリーンテ
ープ上に導体配線パターンやアース層及び抵抗を印刷し
た。また、コンデンサのパターンや分布定数回路での原
理に従い、ストリップライン型やリング型の共振回路や
インダクタンスになるように導体パターンを印刷した。
そして、これらの導体パターンが印刷されたグリーンテ
ープを、所定の順番で重ねた後、100℃の温度で100kg/c
m2の圧力を加えて、積層一体化せしめた。なお、各導体
層の接続は、グリーンテープにパンチング等により形成
したスルーホールに導体ペーストを充填して、実現し
た。その後、かかる積層一体化物を500℃の温度で脱バ
インダした後、900℃×30分間の条件で焼成し、同時に
コージェライト系組成のガラス成分の結晶化を行ない、
第1図に示される如き構造の配線基板を得た。
なお、このようにして得られた配線基板の表面の導体
パターンは、パターン精度、接着強度、耐ハンダ性を考
慮して、基板の焼成後、新たに表面パターン用の導体ペ
ーストを印刷し、焼成することにより、形成した。この
場合、表面用の導体ペーストには、市販の厚膜回路用の
Ag/Pt系やAg/Pd系を使用し、また市販のCuペーストも使
用した。
かくして、共振回路やコンデンサが基板の内部に内蔵
されたMIC回路用の配線基板が得られ、しかもそのよう
な基板においては、導体(Ag系)の抵抗が小さいため
に、損失の小さな共振回路、コンデンサ若しくはインダ
クタンスや伝送損失の小さな伝送線路が得られることに
なり、これによって、高周波特性の極めて優れた多層MI
C基板を実現することが出来た。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、誘
電率が大きく、しかも温度係数が小さい、導通抵抗の小
さな導体を内蔵することが可能な誘電体磁器組成物を得
ることが出来、またそのような誘電体磁器組成物を主と
して構成するコージェライト系組成のセラミックは、マ
イクロ波誘電特性が優れているところから、優れた性能
のMIC配線基板を実現することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に従う配線基板の断面構造の一例を示
す断面図である。 2:誘電体、4:内部導体路 6:表面導体路、8:アース導体路 10:抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 1/09 H05K 1/09 A (56)参考文献 特開 昭62−252340(JP,A) 特開 昭63−50345(JP,A) 特開 昭64−45743(JP,A) 特開 昭64−51346(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 3/00 - 14/00 H05K 1/09 H01B 3/08 C04B 35/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2:25〜65重量%、MgO:7〜25重量%、Al
    2O3:27〜45重量%、B2O3:0〜20重量%を少なくとも含む
    コージェライト系組成のガラスとTiO2との混合粉末を焼
    成してなり、生成したコージェライト結晶質母相中に前
    記TiO2粒子が分散して存在する誘電体磁器組成物にし
    て、 前記ガラスとTiO2とが、下式: 70≦x≦90 10≦y≦30 x+y=100 (但し、x:ガラスの重量% y:TiO2の重量%) を満足する割合において、用いられていることを特徴と
    する誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】前記混合粉末の100重量部に対して、誘電
    率が30以下のフィラー粉末が、合計量で30重量部を越え
    ない割合において、更に配合せしめられていることを特
    徴とする請求項(1)記載の誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】SiO2:25〜65重量%、MgO:7〜25重量%、Al
    2O3:27〜45重量%、B2O3:0〜20重量%を少なくとも含む
    コージェライト系組成のガラスとTiO2とを、下式: 70≦x≦90 10≦y≦30 x+y=100 (但し、x:ガラスの重量% y:TiO2の重量%) を満足する割合において均一に配合して得られる混合粉
    末を用い、この混合粉末から成形された成形体を、1100
    ℃以下の温度で焼成し、緻密化すると共に、前記ガラス
    を結晶化して、コージェライト結晶質相を生成せしめる
    ことを特徴とする誘電体磁器組成物の製造法。
  4. 【請求項4】前記混合粉末の100重量部に対して、誘電
    率が30以下のフィラー粉末が、合計量で30重量部を越え
    ない割合において、更に配合せしめられている請求項
    (3)記載の誘電体磁器組成物の製造法。
  5. 【請求項5】誘電体と、該誘電体内に設けられた少なく
    とも一つの導体路とを有する配線基板において、 該誘電体を、SiO2:25〜65重量%、MgO:7〜25重量%、Al
    2O3:27〜45重量%、B2O3:0〜20重量%を少なくとも含む
    コージェライト系組成のガラスの割合をx重量%、TiO2
    の割合をy重量%としたとき、それら二成分が、下式: 70≦x≦90 10≦y≦30 x+y=100 を満足するような割合にて配合せしめられてなる混合粉
    末を焼成することにより形成され、且つ生成したコージ
    ェライト結晶質母相中に前記TiO2粒子が分散して存在せ
    しめられてなる磁器にて構成したことを特徴とする配線
    基板。
  6. 【請求項6】前記混合粉末の100重量部に対して、誘電
    率が30以下のフィラー粉末が、合計量で30重量部を越え
    ない割合において、更に配合せしめられている請求項
    (5)記載の配線基板。
  7. 【請求項7】前記導体路が、Ag系導体またはCu系導体ま
    たはAu系導体にて形成されている請求項(5)または
    (6)記載の配線基板。
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