JP2000319066A - 低温同時焼成誘電体セラミック組成物 - Google Patents

低温同時焼成誘電体セラミック組成物

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JP2000319066A
JP2000319066A JP2000044332A JP2000044332A JP2000319066A JP 2000319066 A JP2000319066 A JP 2000319066A JP 2000044332 A JP2000044332 A JP 2000044332A JP 2000044332 A JP2000044332 A JP 2000044332A JP 2000319066 A JP2000319066 A JP 2000319066A
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dielectric
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temperature
dielectric ceramic
sintering
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Kokuzen Ko
洪國善
Kakujun In
尹赫▲じゅん▼
▲ちょ▼瑞▲よん▼
Zui Yon Cho
Juuken Ri
李重鍵
Tokan Kin
金東完
Tokuryo Kin
金徳亮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金などの
金属電極と同時焼成して積層型又は平面型素子を製造し
得る誘電体セラミック組成物を提供する。 【解決手段】 この組成物は次の式で表現され、B
又はVを7重量%以内で含有する。 (1−x)BaNb15−xBaNb又は (1−x)BaNb15−x(Ba1-y
) Nb 前記式で、x、yは0〜1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低温同時焼成誘電体
セラミック組成物に関するもので、より詳しくは銀、
銅、ニッケル、パラジウム、白金などの金属電極と同時
焼成して積層型(multilayer)又は平面型(planar)素
子を製造し得る誘電体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、電子及び通信機器の小型化が急激
に進行するにしたがい、これに使用される電子部品も積
層化又はチップ化されている。電子部品に使用されるセ
ラミック材料は大きく誘電体と磁性体に分けられ、特
に、誘電体を使用する電子部品において小型化に対する
要求が急増している。
【0003】代表的な積層部品としては、キャパシタが
挙げられる。移動通信用端末機などには、フィルタ、カ
ップラ、デュプレックサ、オシレータ、MCM(Multic
hipModule)などが用いられている。このような積層部
品は多層の誘電体と内部電極とからなり、この部品を製
造するためには、誘電体層を薄いテープに形成し、その
上に内部電極を印刷(printing)した後、これらを多層
に積層し焼成(firing)する過程を経なければならな
い。したがって、積層素子に使用される誘電体は応用に
適合した誘電特性を有することはもちろん、電極との同
時焼成が可能でなければならない。誘電体に要求される
誘電特性としては、高い誘電率、低い誘電損失、そして
誘電率の温度変化の最小化などがある。
【0004】内部電極としては、銀、銅、ニッケル、パ
ラジウム、白金、ゴールド及びこれらの合金が使用さ
れ、同時焼成するセラミック誘電体の焼結温度及び特性
によって使用する金属が決められる。すなわち、銀又は
銅の場合、融点が1,000℃付近であるため、焼結温
度が950℃以上であるセラミック誘電体には使用でき
ない。パラジウム、白金及びゴールドの場合は、1,3
00℃でも安定するので、大部分のセラミック誘電体に
使用できるが、価格が高いという欠点があるので、ニッ
ケル、銅などの金属を内部電極として使用する製品に比
べ価格競争力が落ちる。そして、ニッケルの場合、融点
は1,400℃以上であるが、空気中では容易に酸化し
て電極としての役割を果たさないため、還元雰囲気、つ
まり10 11atm程度の低い分圧で熱処理しなければ
ならない。しかし、大部分の誘電体セラミック組成物は
低い酸素分圧下で熱処理すると、誘電損失が急激に増加
するため、キャパシタとして使用できないという問題が
ある。銅電極を使用する場合にも、酸化問題のため、ニ
ッケルと同様に、10−6atm程度の低い酸素分圧が必
要である。
【0005】現在、積層部品に使用されているセラミッ
ク誘電体組成物は概ねBaTiOが基本組成物であ
り、焼結温度を下げるために、Biなどの酸化物
焼結助剤又はガラスフリット(glass frit)を添加す
る。これらの組成物は1,100〜1,300℃の焼結
温度と耐還元性を有し、数百以上の大きい誘電率を有す
るが、誘電損失が大きいために、MHz以上の周波数で
は使用が難しい。また、誘電率の温度変化が数百ppm/℃
であるため、温度安定キャパシタ又は移動通信用部品に
は使用できない。
【0006】具体的な例として、特開平05−1209
15号公報には、950〜1000℃の低温で焼成可能
な積層キャパシタについて開示されている。より詳しく
は、18.0〜27.0重量%のBaTiO、31.
6〜36.3重量%のNd、27.6〜35.6
重量%のTiO、2.5〜8.1重量%のBi
、5.6〜9.0重量%のPbから構成さ
れる主成分に、1.0〜3.0重量%のSiO、0.
5〜3.0重量%のZnO、0.1〜1.3重量%のB
、0.5〜1.5重量%のCuOを焼結促進添加
剤として添加する誘電体セラミック組成物で、気孔の発
生を防止し、グリーンシート(green sheet)の厚さを
薄くした場合にも、高温高湿の条件で老化せず、耐候性
が大きい特性を有するものが開示されている。
【0007】MHz以上で使用できる積層素子用誘電体
としては、(Mg,Ca)TiOにガラスを添加した
組成物が知られている。この組成物は1,000℃以上
の温度及び低い酸素分圧で焼結可能であるが、誘電率が
20程度と多少低いという欠点がある。
【0008】具体的な例として、特開平06−1280
28号公報には、比較的低温で焼結が可能で、シリコン
と類似した熱膨張係数を有し、誘電率が小さく、誘電率
の温度変化が小さいことを特徴とする積層セラミック組
成物について開示されている。これは、40〜85%の
コーディエライト(cordierite)、10〜40重量%の
、5〜50重量%のSiOからなるコーディ
エライト−B−SiO系主成分100重量部に
対して、副成分としてSrTiO又はCaTiO
20重量部以下で添加する積層セラミック組成物が開示
されている。
【0009】以上のような特性のために、これまでの誘
電体では、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金などの
金属電極と同時に焼成して積層型素子を製造することは
できなかった。一般に、このことを満足する誘電体セラ
ミック組成物は、低温焼結及び耐還元性の特性を持たな
くてはならない。すなわち、銀電極を使用するために
は、900℃以下で誘電体物質の焼結がなされなくては
ならず、銀/パラジウム電極を使用するためには、1,
000℃以下の焼結温度が必要である。ところで、銀又
はパラジウムは貴金属であるため、生産コストを下げる
ためには、銅又はニッケル電極が有利である。銅電極の
場合、空気中で温度を上昇させると、酸化して酸化銅
(CuO)になるため、電極としての特性を失うことと
なる。したがって、銅電極との同時焼成を可能にするた
めには、誘電体を950℃以下の焼結温度及び低い酸素
分圧で焼結した焼結体の誘電特性、特に誘電損失が小さ
くなければならない。これは、一般的なセラミック誘電
体の場合、低い酸素分圧では成分元素が還元され、この
過程で電気伝導が生じて誘電損失が急激に増加するため
である。一方、ニッケル電極との同時焼成が可能な誘電
体セラミックの場合、焼結温度は1,200〜1,30
0℃程度と銀又は銅電極に比べ多少高いが、銅と同様
に、低い酸素分圧での耐還元性が要求される。一方、M
Hz以上の周波数で使用するためには、約1×10−3
以下の低い誘電損失値(tanδ)を有しなければなら
ず、温度安定性が要求される部品に使用するためには、
誘電率の温度係数が±数十ppm/℃以下でなければならな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のような要求条件を満足させるため、銀、銅、ニッケ
ル、パラジウム、白金などの金属電極と同時焼成して積
層型又は平面型素子を製造し得る誘電体セラミック組成
物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の積層素子型低温焼結誘電体セラミック組成物
は次の式で表現されるものである。
【0012】 (1−x)BaNb15−xBaNb 前記式で、xは0〜1である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。
【0014】本発明による低温同時焼結誘電体セラミッ
ク組成物はBaOとNbからなる。BaOとNb
との間に存在する化合物の代表的なものとして
は、BaNbとBaNb15がある。
【0015】これらのうち、BaNb15は、マ
イクロ波周波数帯域で誘電率が39であり、誘電損失
(tanδ)が1×10−4未満であり、そして約−10
0ppm/℃の誘電率温度係数を有する。BaNb
は、誘電率が30であり、誘電損失が1×10−4
満、そして正の誘電率温度係数を有する。
【0016】したがって、BaNbとBaNb
15を適量混合すると、小さい誘電率温度係数と小
さい誘電損失を有するセラミック誘電体組成物を製造で
きる。ここで、BaNb15を単独で使用しても
かまわないが、好ましくはBaNb15 50〜
99.0モル%と、BaNb 0.01〜50モ
ル%の範囲内で混合する。
【0017】一方、BaNbとBaNb
15は1,250℃以上で焼結が行われるため、銀、
銅、銀/パラジウム合金金属電極とは同時焼成ができな
い。そこで、B、V、Laなどの焼
結助剤を添加して、900〜1,200℃で焼結される
ようにする。焼結助剤の添加量は7重量%以内であるこ
とが、焼結を促進させるとともに、元の組成物の優れた
誘電特性を維持するという点で好ましい。
【0018】そして、必要によって、添加剤を0.01
〜10重量%の範囲内で添加しても良い。その具体的な
例としては、Bi、WO、ZnO、NiO、C
uO、LiF、SiO、SnO、Y、P
又はSbが挙げられる。また、ボレート(Zinc
-Borate、ZnO・BO)、ボロシリケート(Borosilicat
e)のように、ボロン(boron)が5〜70重量%含有さ
れたガラス又は化合物を添加しても良い。このような添
加剤は焼結特性を向上させ、焼結温度を下げる役割を果
たす。反面、10重量%以上の場合には、誘電損失が急
激に増加する問題がある。
【0019】そして、本発明のセラミック組成物は、B
aをPb、Sr、Ca又はLaで置換することができ、
その置換量は0.01〜10モル%の範囲が好ましい。
置換量が前記範囲を外れると、誘電損失が急激に増加す
るという問題が発生する可能性がある。また、NbもT
a及びTiで置換することができ、その置換量は0.0
1〜10モル%の範囲が好ましい。置換量が前記範囲を
外れると、誘電率が減少し、誘電率温度係数値が増加す
るという問題が発生し得る。
【0020】本発明の誘電体セラミック組成物は900
℃で焼結可能であり、10−11atmの低い酸素分圧で
焼結した場合にも、低い誘電損失を有するため、銀、
銅、ニッケル金属電極との同時焼成が可能である。特
に、誘電率温度係数が±30ppm/℃以下の値を有するた
め、温度安定性が要求される部品、例えば温度安定積層
キャパシタ(NPO MLCC)に使用することができ
る。また、1GHz以上の周波数で1×10−4以下の
誘電損失を有するため、マイクロ波用フィルタ、オシレ
ータ、平面アンテナ、MCMなどの通信部品に使用する
ことができる。そして、900〜950℃の焼結温度範
囲で誘電特性変化が殆どなく、誘電率温度係数(τε
が±30ppm/℃以下である組成範囲が広いため、安定し
た製品生産に特に有利である。
【0021】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0022】[実施例1]純度99.9%のBaOとN
をBa:Nbの比が1:2と5:4となるよう
に秤量した。次に、それぞれをポリエチレン瓶に、蒸留
水との重量比で1:1となるように入れ、円滑な混合の
ため、分散剤を1重量%添加した後、安定化ジルコニア
ボール(Yttria stabilized Zirconia)を使用して24
時間混合した。
【0023】混合されたスラリをオーブンで100℃に
加熱して水分を除去した後、アルミナ坩堝に入れ、1,
100℃で2時間か焼(calcination)した。か焼され
たBaNbとBaNb15粉末を再び所望
比率で混合し、焼結助剤として、B又はV
を一定量添加し、前記混合工程と同様の方式で24時間
粉砕した。
【0024】粉砕されたスラリに、結合剤としてポリビ
ニールアルコール(PVA)を1重量%添加した後、グ
ラニュール化した。グラニュール化された粉末を1,0
00kg/cmの圧力で、直径10mm、高さ4〜5mmのシ
リンダ形に成形し、これを800〜950℃の範囲で空
気雰囲気で焼結した。昇温速度は1分当たり5℃であ
り、冷却は炉冷で行った。
【0025】焼結された試片に対し誘電特性を調べた。
誘電特性はヒューレット・パッカード社(Hewlett Pack
ard)製のHP4194インピーダンス分析器(Impedan
ce analyzer)で測定し、GHz周波数帯域での誘電特
性は円周型共振器法(Post resonator)を使用してヒュ
ーレット・パッカード社製のHP8720C回路網分析
器(Network Analyzer)で測定した。
【0026】表1に、(1−x)BaNb15
xBaNbにB、Vを添加した誘電
体組成物を空気中で800〜950℃で焼結したとき
の、焼結特性と誘電特性を示す。
【0027】
【表1】
【0028】前記表1に示すように、本発明によるセラ
ミック組成物は900℃で焼結がなされるため、銀又は
銀/パラジウム電極とともに同時焼成して積層素子を製
造することができる。また、誘電率が40〜45、誘電
損失が1×10−4以下の優れた誘電特性を有するの
で、GHz帯域のマイクロ波用素子にも十分に使用する
ことができる。例えば、チップLCフィルタ、チップデ
ュプレックサ、平面アンテナ、MCM、回路基板などの
チップ型部品を製作する場合、誘電率が大きく、誘電損
失が小さいため、部品の小型化と低損失化を成し得る。
また、誘電率温度係数値が小さいため、温度安定キャパ
シタ(NPO MLCC)に使用することができる。
【0029】一方、実際に積層部品(PCS用誘電体フ
ィルタ)を製造するために、ポリビニールブチラル(P
VB;Polyvinyl butiral)と可塑剤を本発明のセラミ
ック粉末とともに有機溶媒に投入し、24時間混合し
て、テープ成形(tape casting)用スラリを製造した。
これを脱気(deairing)した後、テープ成形機(tape c
aster)を使用して、厚さ10〜100μmの薄い誘電
体テープを成形し、銀ペーストを使用してテープ上に内
部電極を印刷した。これらを順次積んだ後、40〜70
℃に加熱しつつ圧力を加えて積層し、これを一定の大き
さに切断した後、有機物分解工程(binder burn-out)
を経てから、900℃で2時間焼結した。形成された積
層部品の周波数特性を測定した結果、挿入損失(insert
ion loss)が1dB以下と商用製品より優れた特性を示
した。また、誘電体テープの代わりに、誘電体粉末を使
用したペーストを製造し、これを多数回印刷して積層部
品を製造することも可能である。
【0030】[実施例2]前記実施例1と同様の方法で
(1−x)BaNb15−xBaNb にB
、B、Vを添加した誘電体組成物を
用意し、これを酸素分圧10−11atm以下の還元雰囲
気で焼結した。これらの組成物の焼結特性、誘電特性及
び絶縁抵抗(Insulation Resistance、IR)を表2に示
す。
【0031】
【表2】
【0032】前記表2の結果から、本発明による(1−
x)BaNb15−xBaNb組成物及び
、Vを添加した誘電体組成物は、還元雰
囲気で925〜1,275℃の温度範囲で焼結可能であ
るため、銅及びニッケル電極と同時焼成が可能であるこ
とが分かる。特に、誘電損失が1×10−4以下と既存
の組成物に比べて1/10程度と小さいため、低損失部
品とマイクロ波用積層部品の製造に非常に有利である。
そして、添加剤量を適切に調節すると、誘電率温度係数
値が±30ppm/℃より小さくなるので、温度安定性が要
求される積層部品に使用することもできる。また、単位
面積当たりに流れる電流の程度を示す絶縁抵抗値は、積
層部品の発熱量を抑制するためには通常10Ω以上で
なければならないが、本組成物は10〜1012Ωの
範囲の優れた絶縁抵抗値を示す。
【0033】一方、前記実施例1と同様の方法で、前記
セラミック粉末を用いて誘電体テープを作り、銅ペース
トを使用して内部電極を印刷し、これを酸素分圧10-5
atm以下の還元雰囲気で焼結して積層部品(multilayer
device)を製造した。製造した部品は非常に小さい挿入
損失を示し、これは、還元雰囲気でも誘電体の誘電損失
が小さいために現れた結果と思われる。
【0034】[実施例3](1−x)BaNb
15−xBaNb組成物に焼結用添加剤としてZ
nO、CuO、NiO、Bi、WO、Sb
、LiF、SiO 、SnO、Y、P
などの酸化物、及びボロンを5〜70重量%含有したガ
ラス又は化合物、例えば、4BaO・Al・Si
・B 、2MgO・Al・2B
ZnO・Bなどのボロシリケート又はボレートを
添加し、そして前記実施例1と同様の方法で試片を製造
した後、空気中で焼結した。その焼結特性を次の表3、
表4及び表5に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】前記表3及び表4の結果から、酸化物が焼
結特性を向上させることが分かる。
【0038】
【表5】
【0039】前記表5の結果から、酸化物が焼結特性及
び誘電特性に大きく影響を及ぼし得ることが分かる。V
、LiF、TiO、WO、P、SnO
の添加は焼結性を向上させるか、または誘電率の増加
をもたらす。Sbは焼結性を向上させるとともに
損失を減少させ、特に、SiOは還元雰囲気での損失
を減少させる役割を果たす。また、ガラスの添加は焼結
性を急激に増加させて、850℃でも焼結が可能となる
ようにし、共振周波数温度係数を負に増加させる役割を
果たす。BiOとYも共振周波数温度係数を調
節し得る添加剤で、Biは負の値に、Y
正の値に温度係数を変化させる。
【0040】[実施例4](1−x)BaNb
15−xBaNb(x=0)組成物において、B
aの代わりにPb、Sr、Ca、Laを、Nbの代わり
にTa又はTiを一定量置換した組成物を前記実施例1
と同様の方法で用意し、これらの焼結特性と誘電特性を
測定した。その結果を次の表6、7に示す。
【0041】
【表6】
【0042】前記表6の結果から、少量の置換により誘
電特性の変化が表れ、特に、焼結体はPbの置換によっ
て誘電率が向上し、Laの置換により共振周波数温度係
数が負に減少することが分かる。一方、NbをTaで置
換した場合には、置換量にかかわらず、置換しなかった
組成物の焼結特性及び誘電特性と同じ値を示した。
【0043】
【表7】
【0044】前記表7の結果から、BaをSrで一定量
置換すると、誘電率が高まる効果があり、Laで置換し
た場合には、焼結特性が向上することが分かる。
【0045】[実施例5](1−x)BaNb
15−xBaNb(x=0)組成物において、B
aNbの一部あるいは全部の代わりに、合成され
たSrNbを添加して混合した組成物を、前記実
施例1と同様の方法で用意し、これらの焼結特性と誘電
特性を測定した。その結果をつぎの表8に示す。
【0046】
【表8】
【0047】前記表8の結果から、合成されたBaNb
、SrNbの添加により共振周波数温度係
数の変化が表れ、特に、SrNbの添加によって
焼結体はBaNb15の少ない側から温度係数が
零付近に調節され、SrNb の添加量が増加する
にしたがって誘電率が大きく増加することが分かる。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明で
提案した(1−x)BaNb −xBaNb
セラミック誘電体組成物は、適切な焼結助剤などを
投入すると、900℃で焼結が行われるため、銀電極と
同時焼成が可能であり、積層キャパシタ(MLCC)に
誘電体として使用可能である。また特に、誘電損失が小
さくて誘電率温度係数が小さいため、PCSなどの移動
通信用部品に好適である。また、この組成物は酸素分圧
10−11atm以下の還元雰囲気でも焼結可能であり、
低い誘電損失を有するため、銅、ニッケルなどの低廉な
金属電極との同時焼成が可能である。そのため、内部又
は表面に電極パターン有する積層又は平面形部品のコス
ト低下に大きく寄与し得る。さらに、誘電率の温度変化
が非常に小さいため、温度安定部品、例えば、温度安定
キャパシタ(NPO MLCC)、マイクロ波用オシレ
ータ、基板、フィルタ、平面アンテナなどに使用可能で
ある。また、優れた誘電特性を有する組成範囲が広く、
焼結温度によって誘電特性が殆ど変化しないために、安
定した生産が可能であるという利点もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲ちょ▼瑞▲よん▼ 大韓民国、ソウル市龍山區▲ちょん▼波洞 3街132−47 (72)発明者 李重鍵 大韓民国、ソウル市瑞草區方背3洞新東亞 アパートメント3棟703號 (72)発明者 金東完 大韓民国、ソウル市冠岳區新林本洞92− 218 (72)発明者 金徳亮 大韓民国、ソウル市松坡區梧琴洞現代アパ ートメント31棟1403號

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式で表現され、B又はV
    を7重量%以下で含有する低温同時焼成誘電体セラミ
    ック組成物。 (1−x)BaNb15−xBaNb 前記式で、xは0〜1である。
  2. 【請求項2】 次の式で表現され、B又はV
    を7重量%以下で含有する低温同時焼成誘電体セラミ
    ック組成物。 (1−x)BaNb15−x(Ba1-y
    ) Nb 前記式で、x、yは0〜1である。
  3. 【請求項3】 Bi、WO、ZnO、NiO、
    CuO、LiF、SiO、SnO、Y、P
    及びSbからなる群から選択された1種以上
    の添加剤を、0.01〜10重量%含有することを特徴
    とする請求項1又は2記載の低温同時焼成誘電体セラミ
    ック組成物。
  4. 【請求項4】 ボロン(boron;B)を5〜70重量%
    含有したガラス又は化合物を含有することを特徴とする
    請求項1又は2記載の低温同時焼成誘電体セラミック組
    成物。
  5. 【請求項5】 BaがPb、Ca及びLaからなる群か
    ら選択された1種以上の元素によって0.01〜10モ
    ル%だけ置換されていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の低温同時焼成誘電体セラミック組成物。
  6. 【請求項6】 NbがTa、Tiによって0.01〜1
    0モル%だけ置換されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の低温同時焼成誘電体セラミック組成物。
  7. 【請求項7】 前記セラミック組成物は、銀(Ag)又
    は銀/パラジウム(Ag/Pd)電極との同時焼成のた
    め、800〜950℃の温度で焼結されることを特徴と
    する請求項1又は2記載の低温同時焼成誘電体セラミッ
    ク組成物。
  8. 【請求項8】 前記セラミック組成物は、銅又はニッケ
    ル電極との同時焼成のため、酸素分圧10-5atm以下の
    雰囲気および925〜1,275℃の温度で焼結される
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の低温同時焼成誘
    電体セラミック組成物。
JP2000044332A 1999-05-07 2000-02-22 低温同時焼成誘電体セラミック組成物 Pending JP2000319066A (ja)

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KR19990016333 1999-05-07

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