JP4253652B2 - 誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品並びに積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品並びに積層セラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4253652B2
JP4253652B2 JP2005289691A JP2005289691A JP4253652B2 JP 4253652 B2 JP4253652 B2 JP 4253652B2 JP 2005289691 A JP2005289691 A JP 2005289691A JP 2005289691 A JP2005289691 A JP 2005289691A JP 4253652 B2 JP4253652 B2 JP 4253652B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic composition
mass
dielectric ceramic
parts
bao
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005289691A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007099547A (ja
Inventor
順 戸島
徳幸 坂井
均 増村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Namics Corp
Original Assignee
Namics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Namics Corp filed Critical Namics Corp
Priority to JP2005289691A priority Critical patent/JP4253652B2/ja
Publication of JP2007099547A publication Critical patent/JP2007099547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4253652B2 publication Critical patent/JP4253652B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

本発明は、マイクロ波領域(1GHz前後以上)で使用するのに好適な電気的特性を有するとともに、低温焼成が可能な誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品並びに積層セラミックコンデンサの製造方法に関し、より詳細には、積層セラミックコンデンサや各種誘電体フィルター、共振器等に用いられて環境に悪影響を及ぼすことのない高周波用誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品に関する。
近年、携帯電話に代表される移動体通信等の高周波機器の発展と普及に伴い、マイクロ波領域で使用する電子回路基板や電子部品の誘電体材料として、誘電体磁器組成物が積極的に使用されるようになってきている。特に、誘電体材料がMMPA(マルチレイヤー・マイクロ・パッチ・アンテナ)に使用される場合には、比誘電率(以下「K値」と言う)により製品の形状、特に長さが決定される。K値が大きいとMMPAの長さが短くなり、他方K値が小さいとMMPAの長さが長くなる。この製品寸法は、メーカーの要求寸法や製品歩留まりや技術要素等から決定されるが、現在MMPAに要求される寸法から逆算するとK値は25程度になる。実際に使用されているMMPAの誘電体のK値は20〜30である。
また、誘電体磁器組成物が積層セラミックコンデンサ等に使用される場合に、一般的にK値が高いと高い容量値が得られるが、低い容量値のコンデンサが求められる場合に、K値が高いと僅かな電極重なり面積にズレがあっても容量値の変動が大きくなり、目標とする容量値から外れてしまう。そこで、低い容量値のコンデンサを作るためには低いK値の材料を用いて設計し、歩留まりの向上を図っている。一般的にこのような低いK値の誘電体材料としては、K値が、7、20〜30及び60〜80の3種類の誘電体磁器組成物がそれぞれ設計、製造されている。
このように、低い容量値の積層セラミックコンデンサ等に使用される誘電体磁器組成物の電気的特性として、マイクロ波領域におけるK値が20〜30であり、Q値が大きく、さらに共振周波数の温度依存性(以下「TC」と言う)が小さい特性のものが要求されている。すなわち、+25℃における共振周波数が−25℃〜+85℃の温度範囲でほとんど変化しないことが要求されている。特にTCに関しては+25℃における共振周波数を基準としたとき、前記温度範囲でのTCが±10ppm/℃以内のものであれば、かかる要求は十分に満足される。
マイクロ波領域において上記のような電気的特性を満足させる誘電体磁器組成物として、例えば、Ba、Ti及びSrを含有する誘電体磁器組成物に、MgCOを含有させたものが提案されている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に開示されている誘電体磁器組成物は、1GHzにおけるQ値が30000以上と大きく、さらにK値が32〜41で、また+25℃における共振周波数を基準としたとき、−40℃〜+85℃の温度範囲でのTCが−25〜+25ppm/℃の範囲と比較的小さくかなり良好と言える電気的特性を有している。
しかし、特許文献1に開示されている誘電体磁器組成物は、焼成温度が1050℃〜1300℃と高い。そのため、この誘電体磁器組成物を用いてMMPAのような誘電体磁器組成物積層体や、RFモジュールなどに要求されるLTCC(低温同時焼成セラミック)用誘電体磁器組成物を作製する際に、パターンを形成する導体は前記の1050℃〜1300℃の焼成温度で融解せず、かつ酸化することのない融点1550℃の高価な貴金属のパラジウム、又はその合金を使用しなければならない。そのために、このような誘電体磁器組成物を用いた電子部品は高価なものであった。
誘電体磁器組成物の焼成温度を低く、特に焼成温度を930℃以下にすることができるならば、パラジウムに比べて融点が962℃と低く、導電率が高く、安価である銀と同時焼成することが可能になり、大幅なコスト改善が期待できる。
このような低温焼成を満足させる誘電体磁器組成物として、酸化バリウム、二酸化チタン、酸化鉛、ホウケイ酸ガラス粉末を含むマイクロ波用誘電セラミックスが提案されている(例えば特許文献2を参照)。特許文献2に開示されているマイクロ波用誘電セラミックスは、焼成温度が930℃以下と低いために、内部電極として銀が使用可能な温度での焼成を実現している。
しかし、特許文献2に開示されているマイクロ波用誘電セラミックスは、鉛を含んでおり、環境に悪影響を及ぼす。日本及び先進国では、鉛がほんの僅かでも含むことは禁止されている。特許文献2に開示されているマイクロ波用誘電セラミックスは、このような欠点を有するばかりでなく、また1GHzにおけるQ値が高々7150と低く、+20℃における共振周波数を基準としたとき、−30℃〜+70℃の温度範囲でのTCも−100〜+100ppm/℃と大きいという欠点もあった。
特開平10−236872号公報 特開平9−315850号公報
本発明の目的は、マイクロ波領域で使用される誘電体磁器組成物として優れた電気的特性を満足し、誘電体磁器組成物の低温焼成を可能とし、内部電極として安価な銀を使用することできることにより大幅なコスト改善ができ、かつ環境に悪影響を及ぼすことのない誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品を提供するにある。
本発明者等は、上述した課題を解決するために、BaTi、ZnO、SiO、BaO、B及び/又はLiOを含有する誘電体磁器組成物であって、BaTiに対し、ZnO、SiO及びBaOの合計質量並びにB及び/又はLiOの質量を特定し、ZnO、SiO及びBaOが、ZnO、SiO及びBaOの三元図において、その合計質量に対する質量割合が特定の組成領域内にある場合に、マイクロ波領域で使用される誘電体磁器組成物として優れた電気的特性を満足し、誘電体磁器組成物の低温焼成を可能とし、内部電極として安価な銀を使用できることにより大幅なコスト改善ができかつ環境に悪影響を及ぼすことのない誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品を見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、以下の1〜7の発明が提供される。
1.BaTiを主成分として、ZnO、SiO、BaO、Bを含有する誘電体磁器組成物であって、ZnO、SiO及びBaOの、ZnOと、SiOと、BaOとの合計質量に対する質量割合が,図1に示すZnO、SiO及びBaOの三元図において、それぞれ50%:30%:20%(点A)、30%:50%:20%(点B)、20%:30%:50%(点C)、45%:20%:35%(点D)の点A−B−C−D−Aの順に結ぶ直線によって囲まれる四辺形領域内にあり、BaTi100質量部に対し、ZnO、SiO及びBaOの合計で15〜25質量部、Bを1〜5質量部含有する誘電体磁器組成物。
2.B1〜5質量部の一部又は全部が、LiO 0.4〜2.0質量部で置換される、上記1記載の誘電体磁器組成物。
3.ZnO、SiO及びBaOが、あらかじめ仮焼して得られたZnO-SiO-BaO(ZSB)化合物である、上記1又は2記載の誘電体磁器組成物。
4.+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲での共振周波数の温度依存性が±10ppm/℃以内であり、比誘電率が20〜30であり、Q値が8000以上である、上記1〜3のいずれか一項記載の誘電体磁器組成物。
5.上記1〜4のいずれか一項記載の誘電体磁器組成物によって形成される電子部品。
6.上記1〜5のいずれか一項記載の誘電体磁器組成物を媒体に加えて湿式混合し、得られた混合体にバインダー、可塑剤を添加し混合し成形してセラミック・グリーンシートを作製し,このセラミック・グリーンシート上にAg又はAg;Pdの混合導電ペーストを印刷して内部電極を形成し、これら内部電極が形成された前記セラミックシートを導電ペースト層が引き出されている列が互い違いになるように所望枚積層して積層体を得、このようにして得られた積層体を、大気中で焼成してセラミック焼結体を作製し、焼成後セラミック焼結体の両側にAgペーストを塗布し大気中において焼付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成することにより作製する積層セラミックコンデンサの製造方法。
7. 前記積層体を、大気中で890℃〜950℃で焼成する上記6記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
本発明の誘電体磁器組成物は、+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲でのTCが±10ppm/℃以内であり、温度によって共振周波数がほとんど変化せず、K値が20〜30であり、Q値が8000以上と大きいことから、マイクロ波領域で使用される誘電体磁器組成物として優れた電気的特性を有する。また、さらに、本発明の誘電体磁器組成物は、焼成温度が930℃と低く、内部電極として安価である銀が使用できるので、誘電体磁器製品の低価格化を可能にすることができる。さらに、鉛のような環境に悪影響を及ぼす原料も含んでいないので、環境に対しても良好なものである。
本発明の誘電体磁器組成物は、BaTiを主成分とし、これにZnO、SiO及びBaO並びにB及び/又はLiOを含有する。
主成分であるBaTiは、下記の通りにして調製することができる:BaCO、TiOを出発原料として用い、BaO:TiOがモル比で1:4になるように秤量し、得られた混合物を水を媒体としてジルコニアビーズを粉砕媒体として用いて3時間湿式混合を行った後に乾燥させた。この混合体を約1100℃で2時間仮焼した後に、再度水を媒体としてジルコニアビーズを用いて3時間湿式粉砕する。その後、乾燥させてBaTiを得ることができる。
本発明の誘電体磁器組成物は、BaTi100質量部に対し、ZnO、SiO及びBaOを合計で15〜25質量部、Bを1〜5質量部含有する。B1〜5質量部の一部〜全部を、LiO 0.4〜2.0質量部で置換してもよい。
ZnO、SiO及びBaOについては、BaOは非常に不安定な物質であるので、BaCOのような安定な塩の形の化合物を主発原料として用いる。BaCOは、焼成により分解して炭酸ガスを放出してBaOとなる。そのために、ZnO、SiO及びBaOについては、一旦温度約800℃程度で仮焼して仮焼体の形で用いるのが好ましい。 また、この仮焼には、その他の物質(ZnO、SiO)との化学反応もさせて、ZnO-SiO-BaO(ZSB)の状態で分散させることも狙っている。
主成分としてのBaTi100質量部に対して、ZSBが、15質量部以上であると、誘電体磁器組成物のTCが±10ppm/℃の範囲となり、また、ZSBが、25質量部以下であると、K値が目標の範囲に入り、Q値が大きくかつ+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲でのTCが±10ppm/℃の範囲となる。
は、単独で加えても、Bの一部〜全部をLiOで置換してもよいが、BとLiO(LiCOに換算した質量を表す)との合計量は、BaTi100質量部に対し1〜5質量部の範囲で使用する。BとLiO(LiCOに換算した質量を表す)との合計量が1質量部以上であると、誘電体磁器組成物の原料は、930℃で焼成が十分に行われ、またK値及びQ値も大きい。BとLiO(LiCOに換算した質量を表す)との合計量が5質量部以下であると、誘電体磁器組成物の+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲でのTCが±10ppm/℃の範囲内にある。
本発明の誘電体磁器組成物は、更に、ZSBが、図1に示すZSBの三元図において、ZSBの合計質量に対して、下記に示す質量%によって示す点A−B−C−D−Aを順に結ぶ直線によって囲まれる四辺形領域内にあることが必要である:
Figure 0004253652
ZSBが、ZSBの三元図において、点A−B−C−D−Aを順に結ぶ直線によって囲まれる四辺形領域の範囲内では、誘電体磁器組成物の+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲でのTCが±10ppm/℃の範囲にある。
TiO、ZnO、SiO、B、LiOの出発原料は、焼成により酸化物を生成する水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用いてもよい。本発明の誘電体磁器組成物中に、不可避不純物としてAl、Ca、Fe、Sn等が含まれることもある。
上に説明した通りにして得た本発明の誘電体磁器組成物を用いて積層セラミックコンデンサを製造する例について説明する。
BaTiの主成分と、ZSB化合物と、B及び/又はLiCOとからなる出発原料を用いて、930℃で焼成した後の組成が本発明の範囲内になるように秤量し、エタノール等を媒体としてジルコニアビーズ等の粉砕媒体を用いて数時間湿式混合を行う。このようにして得られた混合体にPVB(ポリビニールブチラール)のようなバインダー、フタル酸ベンジルブチルのような可塑剤を添加し混合してセラミック・スリップを調整する。このセラミック・スリップをドクターブレード法によってシートを作成する。
このセラミック・グリーンシート上にAgの導電ペーストを印刷し内部電極を形成する。好ましくは,コンデンサの形状や、積層数等でAgの蒸発量が変化する。そのため、安全性を考慮するとAgにPdを少し添加するのが好ましい。 好ましくは、AgとPd(数%)との混合導電ペーストを印刷し内部電極を形成する。これら内部電極が形成された前記セラミックシートを導電ペースト層が引き出されている列が互い違いになるように所望枚積層して積層体を得る。このようにして得られた未焼成の積層体を基材から外し、成型、切断して積層ブロックを作製する。
焼成は大気中で約890℃〜950℃、好ましくは約930℃において数時間で行う。焼成後セラミック焼結体の両側にAgペーストを塗布し大気中において約750℃で焼付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成する。
上記のようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、所望の有効誘電体セラミック層の総数によって変わる。
下記に本発明の実施例を例示する。しかし、本発明は、実施例によって制限されるものではない。
実施例1
先ず、母材となるBaTiを上述した通りにして作製した。
次に、ZSB化合物を調製した。このZSB化合物はZnO、SiO、BaCOを出発原料として、所望の組成になるように秤量して、水を媒体としてジルコニアビーズを粉砕媒体として用い3時間湿式混合を行った後に乾燥させた。この混合体を800℃で2時間仮焼した後に、再度水を媒体としてジルコニアビーズを用いて3時間湿式粉砕した。その後乾燥させてZSB化合物を得た。
主成分としてのBaTiと、ZSB化合物と、B及び/又はLiCOとからなる出発原料を用いて、焼成した後の組成が表1に示す目的組成になるように秤量し、これらの出発原料を水を媒体としてジルコニアビーズを用い3時間湿式混合した後に乾燥させて粉体を得た。
この混合粉体にアクリル系バインダー(日信化学工業株式会社製 ビニブランSBA−9215A)固形分4%を添加して,十分に粉体と混合して造粒粉を得た。
このようにして調製した造粒粉を12.0mmφの金型に充填し、成型機にて3ton/cmの圧力で成型し、厚さ12.0mmの円柱状サンプルを得た。
こうして得られたサンプルを930℃で2時間空気中で焼成した。
上述した通りにして得られた焼成体磁器組成物を用いて、マイクロ波領域でのK値をTEM共振器法により求めた。Q値はキャビティに入れ、TEMモードの共振ピークより求めた。TCはストリップ線路共振器法で求め、−25〜+85℃の範囲で測定し、+25℃の値を基準としたときの変化率(ppm/℃)で、求めた。
表1は、このようにして得られた焼成体磁器組成物の組成と特性の関係を示す。
Figure 0004253652
No.1〜No.6は、BaTi100質量部に対し、ZSBを20質量部、Bを4質量部含有し、ZSBの三成分の質量%を変化させたものである。No.1は、図1に示す点A−B−C−D−Aを順に直線で結ぶ線によって囲まれる四辺形領域内のものであり、本発明の範囲内にある誘電体磁器組成物である。No.2〜5はそれぞれ図1に示す点A、点B、点C、点Dの比率のZSBを用いたものである。
No.1〜No.6のいずれの誘電体磁器組成物も930℃の焼成温度で、K値が22〜29の範囲であり、Q値も8000以上と大きく、+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲でのTCが±10ppm/℃以内と良好なものであった。
No.6〜No.8は、BaTi、ZSB及びBの質量比は本発明の範囲内にあるが、ZSBの質量%が図1に示す点A−B−C−D−Aを順に結ぶ直線によって囲まれる四辺形領域外の誘電体磁器組成物を用いたものである。No.6〜No.8のいずれもTCが50〜80と±10ppm/℃を大きく越えるものであった。
以上のことから、本発明の誘電体磁器組成物は、BaTi、ZSB及びBの質量比に加えて、ZSBの質量%が点A−B−C−D−Aを順に結ぶ直線によって囲まれる四辺形領域内にあることが条件となる。
No.9〜No.12は、BaTiに対するZSBの質量比を変えて、ZSB三元図中のZSBの質量%をNo.1と同じにしたものである。BaTi100質量部に対してZSBが10質量部では+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲でのTCが-20と大きく、他方ZSBが30質量部でも+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲でのTCが120と大きく、Q値も4000と低いものであった。このことからZSB量はBaTi100質量部に対して15〜25質量部用いる。
No.13〜No.23は、BaTi及びZSBの質量を一定にして、B及び/又はLiOの質量を変化させたものである。
BaTi100質量部に対してB及び/又はLiOが0質量部だと930℃では焼成が不十分で、K値が15と小さくかつQ値も2000と小さいものであった。他方、B及び/又はLiO(LiCOに換算した質量)が7質量部では+25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲でのTCが50及び55と大きいものであった。
このことからB、LiOは、BaTi100質量部に対してそれぞれ1〜5質量部、0.4〜2.0質量部使用する必要がある。
実施例2
次に本発明の誘電体磁器組成物を積層セラミックコンデンサに使用した例について説明する。
前記説明と同様の手法によりBaTiの主成分と、ZSB化合物と、B及び/又はLiCOとからなる出発原料を用いて、930℃で焼成した後の組成が表1の試料番号1になるように秤量し、エタノールを媒体としてジルコニアビーズを用いて3時間湿式混合を行った。このようにして得られた混合体にバインダーとしてPVB(ポリビニールブチラール)を、可塑剤としてフタル酸ベンジルブチルを添加し混合してセラミック・スリップを調整した。このセラミック・スリップをドクターブレード法によってシートを作成し、暑さ12μmのシートを得た。
このセラミック・グリーンシート上にAg95%;Pd5%の混合導電ペーストを印刷し内部電極を形成した。これら内部電極が形成された前記セラミックシートを導電ペースト層が引き出されている列が互い違いになるように所望枚積層して積層体を得た。このようにして得られた未焼成の積層体を基材から外し、成型、切断して積層ブロックを作製した。
焼成は大気中で930℃において2時間で行った。焼成後セラミック焼結体の両側にAgペーストを塗布し大気中において750℃で焼付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成した。
上記のようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ2.0mm、幅1.2mm、厚さ1.1mmであった。また、上記内部電極間に介在する誘電体セラミック層の厚さは8.5μmであり、有効誘電体セラミック層の総数は100層であった。
こうして得られた積層セラミックコンデンサの電気的特性は、静電容量5,000pF、tanDが 2×10−4、TCが−10ppm/℃と良好な結果が得られた。
本発明の誘電体磁器組成物は、マイクロ波領域において使用される種々の共振器用材料やMIC用誘電体基板材料、MMPA(マルチレイヤー・マイクロ・パッチ・アンテナ)のような誘電体磁器組成物積層体、積層セラミックコンデンサ、特に低容量のコンデンサや各種誘電体フィルター等に用いることができる。
ZSBの組成を示す三元図である。

Claims (7)

  1. BaTiを主成分として、ZnO、SiO、BaO、Bを含有する誘電体磁器組成物であって、ZnO、SiO及びBaOの、ZnOと、SiOと、BaOとの合計質量に対する質量割合が,図1に示すZnO、SiO及びBaOの三元図において、それぞれ50%:30%:20%(点A)、30%:50%:20%(点B)、20%:30%:50%(点C)、45%:20%:35%(点D)の点A−B−C−D−Aの順に結ぶ直線によって囲まれる四辺形領域内にあり、BaTi100質量部に対し、ZnO、SiO及びBaOの合計で15〜25質量部、Bを1〜5質量部含有する誘電体磁器組成物。
  2. 1〜5質量部の一部〜全部が、LiO 0.4〜2.0質量部で置換され、B とLi Oとの合計量が、BaTi 100質量部に対し1〜5質量部である、請求項1記載の誘電体磁器組成物。
  3. ZnO、SiO及びBaOが、あらかじめ仮焼して得られたZnO-SiO-BaO(ZSB)化合物である請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物。
  4. +25℃における共振周波数を基準としたとき、−25℃〜+85℃の温度範囲での共振周波数の温度依存性が±10ppm/℃以内であり、比誘電率が20〜30であり、Q値が8000以上である、請求項1〜3のいずれか一項記載の誘電体磁器組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の誘電体磁器組成物によって形成される電子部品。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の誘電体磁器組成物を媒体に加えて湿式混合し、得られた混合体にバインダー、可塑剤を添加し混合し成形してセラミック・グリーンシートを作製し,このセラミック・グリーンシート上にAg又はAg;Pdの混合導電ペーストを印刷して内部電極を形成し、これら内部電極が形成された前記セラミックシートを導電ペースト層が引き出されている列が互い違いになるように所望枚積層して積層体を得、このようにして得られた積層体を、大気中で焼成してセラミック焼結体を作製し、焼成後セラミック焼結体の両側にAgペーストを塗布し大気中において焼付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成することにより作製する積層セラミックコンデンサの製造方法。
  7. 前記積層体を、大気中で890℃〜950℃で焼成する請求項6記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
JP2005289691A 2005-10-03 2005-10-03 誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品並びに積層セラミックコンデンサの製造方法 Active JP4253652B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005289691A JP4253652B2 (ja) 2005-10-03 2005-10-03 誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品並びに積層セラミックコンデンサの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005289691A JP4253652B2 (ja) 2005-10-03 2005-10-03 誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品並びに積層セラミックコンデンサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007099547A JP2007099547A (ja) 2007-04-19
JP4253652B2 true JP4253652B2 (ja) 2009-04-15

Family

ID=38026843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005289691A Active JP4253652B2 (ja) 2005-10-03 2005-10-03 誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品並びに積層セラミックコンデンサの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4253652B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5676957B2 (ja) * 2010-07-29 2015-02-25 京セラ株式会社 導電層付きセラミック体、および導電層付きセラミック体の製造方法。

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007099547A (ja) 2007-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3940424B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法
US7509717B2 (en) Method of production of multilayer ceramic electronic device
JP4775583B2 (ja) 誘電体粒子集合体、それを用いた低温焼結誘電体磁器組成物及びそれを用いて製造される低温焼結誘電体磁器
JP2000319066A (ja) 低温同時焼成誘電体セラミック組成物
JP4096822B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びこれを用いた積層セラミック部品
JP2007161538A (ja) 耐還元性誘電体磁器組成物、電子部品および積層セラミックコンデンサ
JP2007055828A (ja) 誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品
JP4412266B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP4253652B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びそれを用いて作製される電子部品並びに積層セラミックコンデンサの製造方法
JP5315544B2 (ja) 誘電体磁器組成物およびこれを用いた電子部品
JP3940419B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP2002356371A (ja) 誘電体磁器組成物及び積層セラミックコンデンサ
JP2007223872A (ja) 誘電体セラミックおよびその製造方法ならびに積層セラミックコンデンサ
JP4052032B2 (ja) 誘電体組成物およびこれを用いた積層セラミック部品
JP3605260B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JP2000239061A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2001307944A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法及び外部電極用ペースト
JP4174668B2 (ja) 誘電体磁器組成物、並びにその製造方法、それを用いた誘電体磁器及び積層セラミック部品
JP3373436B2 (ja) セラミック積層電子部品
JP5170355B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3797057B2 (ja) 誘電体磁器組成物の製造方法
JP4235896B2 (ja) 誘電体磁器組成物、並びにその製造方法、それを用いた誘電体磁器及び積層セラミック部品
JP4052031B2 (ja) 誘電体組成物およびこれを用いた積層セラミック部品
JP3185528B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP2005001944A (ja) 誘電体磁器組成物およびこれを用いた積層セラミック部品

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080924

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4253652

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140130

Year of fee payment: 5