JP3336176B2 - ガラスセラミック焼結体 - Google Patents

ガラスセラミック焼結体

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JP3336176B2
JP3336176B2 JP33227295A JP33227295A JP3336176B2 JP 3336176 B2 JP3336176 B2 JP 3336176B2 JP 33227295 A JP33227295 A JP 33227295A JP 33227295 A JP33227295 A JP 33227295A JP 3336176 B2 JP3336176 B2 JP 3336176B2
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保秀 民
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/095Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00 with a principal constituent of the material being a combination of two or more materials provided in the groups H01L2924/013 - H01L2924/0715
    • H01L2924/097Glass-ceramics, e.g. devitrified glass
    • H01L2924/09701Low temperature co-fired ceramic [LTCC]

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温で焼成され、
CuやAgとの同時焼成が可能で、配線基板や半導体素
子収納用パッケージにおける絶縁基板として好適な着色
されたガラスセラミック焼結体に関する。
【0002】
【従来技術】従来、配線基板は、絶縁基板の表面あるい
は内部にメタライズ配線層が配設された構造からなり、
多層配線基板や半導体素子、特にLSI(大規模集積回
路素子)等を搭載したパッケージに応用されている。
【0003】従来より、セラミック製の配線基板は、一
般にアルミナ、ムライト、窒化アルミニウムなどのセラ
ミックス等の電気絶縁基板の表面あるいは内部にタング
ステン、モリブデン等の高融点金属から成る複数個のメ
タライズ配線層が形成され、配線層を多層化する際に
は、絶縁基板のセラミック成形体とその表面に塗布され
たメタライズペーストとを1500℃以上の温度で同時
に焼成することにより得られている。
【0004】また、最近では、タングステンやモリブデ
ンに比較して導体抵抗の小さいCuやAg等を配線層と
し、同時焼成が可能な絶縁基板用の材料として、ガラス
とセラミックフィラーからなる、いわゆるガラスセラミ
ック焼結体が用いられつつある。
【0005】通常、ガラスセラミック焼結体を作製する
に用いられるガラスとしては、SiO2 −Al2 3
CaO系、SiO2 −Al2 3 −B2 3 系などのガ
ラスで、非晶質ガラスあるいは焼結過程で結晶相を析出
できる結晶化ガラスが用いられ、また、フィラー成分と
しては、Al2 3 、SiO2 、石英、クオーツ、クリ
ストバライト、フォルステライト、ペタライトなどが用
いられている。
【0006】ところが、従来のガラスセラミックスは、
強度が低く、有機樹脂系の外部電気回路基板に実装した
場合、熱膨張係数の差による応力によって電気的接続不
良が発生する等の問題があった。これに対して、本出願
人は、Li2 Oを含有するリチウム珪酸ガラスと、フォ
ルステライト等のフィラー成分を添加して焼成し、リチ
ウム珪酸を析出させたガラスセラミックスは、リチウム
珪酸の析出により高強度化が実現できるとともに、Cu
等の配線層との同時焼成が可能であることを提案した。
【0007】また、一方では、配線基板や半導体素子収
納用パッケージの絶縁基板として用いられるセラミック
スに対しては、ワイヤボンディングの際のボンディング
位置を光学的に検知する際のコントラストをつけたり、
特性上問題のない製品の色むらによる外観不良の発生を
防止し歩留りを向上するために、これを着色化すること
が求められている。従来より、着色化に際しては、例え
ばアルミナ質焼結体に対しては、W、Mo等の金属元素
を添加して着色化されることが行われ、ガラスセラッミ
ックス等に対しても主としてW、Mo等が添加されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、配線基
板としてその誘電損失を低減することが必要であるが、
一般に、ガラス成分とフィラー成分とからなる成形体を
焼成して得られるガラスセラミック焼結体は、アルミナ
質焼結体に比較して誘電損失が大きいという問題があっ
た。具体的には、アルミナ質焼結体では、1MHzの測
定周波数において5×10-4程度であるのに対して、ガ
ラスセラミック焼結体は、25×10-4程度と大きい。
【0009】しかも、ガラスセラミック焼結体の着色化
に対して従来から着色剤として用いられているWやMo
を添加すると、その添加量が多くなると誘電損失が大き
くなる傾向にあるため多量の添加ができない等の問題が
生じていた。
【0010】従って、本発明は、十分に着色化が可能で
あるとともに、CuあるいはAg等の配線層との同時配
線が可能で、且つ従来よりも誘電損失が小さい着色され
たガラスセラミック焼結体をを提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に対して検討を重ねた結果、ガラス成分として、Li
2 Oを5〜30重量%含有するリチウム珪酸ガラスを用
いてフィラー成分と混合するにあたり、添加成分とし
て、Cr化合物、またはCr化合物と、Cu,V,F
e,Ni,MnおよびCoの群から選ばれる少なくとも
1種の化合物と添加することによりガラスセラミック焼
結体の低温焼結性等の特性を損なうことなく着色し、誘
電損失を低下できることを見いだした。
【0012】即ち、本発明のガラスセラミック焼結体
は、Li2 Oを5〜30重量%含有するリチウム珪酸ガ
ラスを20〜80体積%と、フィラーを総量で20〜8
0体積%の割合で含む組成物と、該組成物100重量部
に対してCrをCr2 3 換算で0.05〜10重量部
の割合で含有する成形体を焼成して得られた着色された
焼結体、あるいは、Li2 Oを5〜30重量%含有する
リチウム珪酸ガラスを20〜80体積%と、フィラーを
総量で20〜80体積%の割合で含む組成物と、該組成
物100重量部に対してCr化合物をCr2 3 換算で
0.05重量部以上、Cu,V,Fe,Ni,Mnおよ
びCoの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を酸化
物換算で前記Cr化合物のCr2 3 換算量との合計が
10重量部以下の割合で含有する成形体を焼成して得ら
れた着色された焼結体であって、いずれも焼結体の1M
Hzにおける誘電損失が1×10-3以下であることを特
徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、ガラス成分として、Li2
を含むリチウム珪酸ガラスを用い、フィラーと混合する
ことにより、熱膨張係数が11ppm/℃のリチウム珪
酸結晶を析出させることによりガラスセラミックスの熱
膨張係数を9〜18ppm/℃の範囲で任意に制御する
ことができる。しかも、リチウムシリケートを析出させ
ることにより、焼結体の抗折強度を高めることができ
る。
【0014】また、着色剤として、Crを含有せしめる
ことにより、緑系に着色されたガラスセラミックスを得
ることができる。しかも、これらの着色剤の添加によれ
ば、1MHzの測定周波数において、誘電損失を1×1
-3以下まで低減できる。さらに、かかる組成物に、C
u,V,Fe,Ni,MnおよびCoの群から選ばれる
少なくとも1種を含有せしめることにより、上述の優れ
た特性を有する種々の色に着色されたガラスセラミック
焼結体が得られる。
【0015】また、本発明のガラスセラミック焼結体
は、CuあるいはAg等の低抵抗導体配線層と同時焼成
が可能であるために配線の多層化が可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のガラスセラミック焼結体
は、その作製にあたり、原料粉末としてLi2 Oを5〜
30重量%含有するリチウム珪酸ガラス粉末とフィラー
粉末を用いる。本発明によれば、ガラス粉末は、屈伏点
が400℃〜770℃、且つ平均粒径が1.5〜8μm
であることが望ましい。
【0017】これは、ガラスおよびフィラーからなる混
合物を成形する場合、有機樹脂等の成形用バインダーを
添加するが、このバインダーを効率的に除去するととも
に、絶縁基体と同時に焼成されるメタライズとの焼成条
件のマッチングを図るために必要であり、屈伏点が40
0℃より低いとガラスが低い温度で焼結が開始されるた
めに、例えばAg、Cu等の焼結開始温度がおよそ60
0〜800℃のメタライズとの同時焼成ができず、また
成形体の緻密化が低温で開始するためにバインダーは分
解揮散できなくなりバインダー成分が残留し特性に影響
を及ぼす結果になるためである。一方、屈伏点が770
℃より高いとガラスの配合量を50体積%以上と多くし
ないと焼結しにくくなるため、高価な結晶性ガラスを大
量に必要とするために焼結体のコストを高めることにな
る。好適には屈伏点は、400〜650℃である。
【0018】また、ガラス粉末の平均粒径が1.5μm
より小さいと、ガラスのコストが上昇し、低コストと低
屈伏点ガラスを用いる効果が小さく、8μmより大きい
と、焼結体の強度が低下するためである。平均粒径は特
に3〜8μm、さらに望ましくは5〜8μmがよい。
【0019】また、Li2 Oを5〜30重量%含有する
リチウム珪酸ガラス粉末をフィラー成分と混合する場
合、ガラス粉末20〜80体積%、フィラー粉末80〜
20体積%の割合で混合する。これは、本発明において
用いられるガラスは、フィラー無添加では収縮開始温度
が700℃以下で、800℃以上ではガラスの一部が溶
融してしまうためにCu等のメタライズ配線層を同時に
形成することが難しいためである。
【0020】しかし、ガラス粉末を20〜80体積%、
フィラー粉末を80〜20体積%の割合で混合すること
により焼成温度において、結晶の析出とフィラー成分を
液相焼結させるための液相を形成させることができる。
また、成形体全体の収縮開始温度を上昇させることがで
きるため、このフィラーの含有量の調整により用いるメ
タライズの種類によりメタライズ配線層との同時焼成条
件のマッチングを図ることができる。
【0021】このガラスとフィラー成分の量を上記の範
囲に限定したのは、ガラス量が20体積%より少ない、
言い換えればフィラー成分が80体積%より多いと前記
ガラスを用いても十分な液相が生成されないため高温で
焼成する必要があり、その場合、メタライズ同時焼成に
おいてメタライズが溶融してしまう。また、ガラスが8
0体積%より多い、言い換えるとフィラー成分が20体
積%より少ないと焼結体の特性がガラスの特性に大きく
依存してしまい、材料特性の制御が困難となるととも
に、焼結開始温度が低くなるために配線導体と同時焼成
できないといった問題が生じ、また、原料のコストも高
くなる。
【0022】また、原料コストを下げるためには高価な
ガラスの含有量を減少させることが好ましく、特にガラ
ス粉末20〜50体積%、フィラー粉末50〜80体積
%、さらにガラス粉末35〜50体積%、フィラー粉末
50〜65体積%であるのがよい。
【0023】上記の配合組成において、このフィラー成
分は、ガラスの屈伏点に応じ、その量を適宜調整するこ
とが望ましい。即ち、ガラスの屈伏点が400℃〜65
0℃と低い場合、低温での焼結性が高まるためフィラー
の含有量は50〜80体積%の比較的多く配合できる。
これに対して、結晶性ガラスの屈伏点が650℃〜77
0℃と高い場合、焼結性が低下するためフィラーの含有
量は20〜50体積%の比較的少なく配合することが望
ましい。
【0024】本発明において用いられるガラスとして
は、Li2 Oを5〜30重量%、特に5〜20重量%の
量で含有するリチウム珪酸ガラスを用いるが、好適に
は、強度を高めるためには、特にSiO2 とLi2 Oと
を合量で65〜95重量%含み、さらにMgO、Al2
3 、TiO2 、Na2 O、K2 O、ZnO、P
2 5 、F、CaO等の1種以上を含むリチウム珪酸系
ガラス、特に、焼結過程でリチウムシリケートが析出可
能な結晶化ガラスを用いることが望ましい。
【0025】Li2 Oの含有量を上記の範囲に限定した
のは、5重量%より少ないと、焼成時にリチウム珪酸の
結晶の生成量が少なくなり高強度化が達成できず、30
重量%より多いと誘電損失が100×10-4を越えるた
め、基板としての特性が劣化するためである。
【0026】一方、フィラー成分としては、アルミナ、
シリカ、石英、クォーツ、クリストバライト、フォルス
テライト、ムライト、マグネシア、ペタライト、スピネ
ル、ワラストナイト、ネフェリン、エンスタタイト、ガ
ーナイト等が挙げられるが、熱膨張係数を有機樹脂系の
外部電気回路基板の熱膨張係数との熱膨張差を緩和する
上で、9〜14ppm/℃に制御するためには、特にフ
ォルステライトを必須の成分として含むのがよい。
【0027】さらに、本発明によれば、焼成前の成形体
組成において、上記ガラス成分とフィラー成分からなる
主成分組成物100重量部に対してCrがCr2 3
算で0.05〜10重量部の割合となるようにCr化合
物を添加する。このCrは、着色化と誘電損失を低減す
るために重要な成分であって、その酸化物換算量が0.
05重量部より少ないと着色化が不十分で、誘電損失の
低減化を図ることができず、10重量部を越えると、焼
結性が阻害され密度、強度等に悪影響をおよぼすためで
ある。Crを含有せしめると、緑系の色を呈した焼結体
を得ることができる。Crの添加量は、望ましくは、C
2 3 換算で0.2〜6重量部である。なお、添加形
態としては、Cr2 3 が最も望ましいが、焼結過程で
酸化物を形成する炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、Cr含有有
機化合物等を用いてもよく、さらには、炭化物、窒化物
等でも着色効果と誘電損失の低減効果を有する。
【0028】また、本発明によれば、成形体組成におい
て、上記ガラス成分とフィラー成分からなる主成分組成
物100重量部に対してCrをCr2 3 換算で0.0
5重量部以上、Cu,V,Fe,Ni,MnおよびCo
の群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算で前記C
rのCr2 3 換算量との合計が10重量部以下の割合
で含有せしめることができる。これらCu、V等の添加
によって、Cr化合物の添加効果を阻害することなく、
焼結体の色味を緑系から赤系、青系、黄系、黒系の間で
種々に変えることができる。なお、これら着色剤の合計
量が10重量部を越えると、焼結性が阻害され密度、強
度等に悪影響をおよぼすためである。望ましくは、Cr
をCr2 3 換算で0.2重量部以上、Cu,V,F
e,Ni,MnおよびCoの群から選ばれる少なくとも
1種の化合物を酸化物換算で前記Cr化合物のCr2
3 換算量との合計が6重量部以下である。
【0029】具体的に本発明のガラスセラミック焼結体
を作製するには、上記のガラス粉末とフィラー粉末とと
ともに着色剤成分を上述した比率で混合した後、その混
合物に適当な有機樹脂バインダーを添加した後、所望の
成形手段、例えば、金型プレス,冷間静水圧プレス,押
出し成形、ドクターブレード法、圧延法等により任意の
形状に成形後、焼成する。
【0030】焼成にあたっては、まず、成形のために配
合したバインダー成分を除去する。
【0031】バインダーの除去は、700℃前後の大気
雰囲気中で行われる。この時、成形体の収縮開始温度は
600〜850℃程度であることが望ましく、かかる収
縮開始温度がこれより低いとバインダーの除去が困難と
なるため、成形体中の結晶化ガラスの特性、特に屈伏点
を前述したように制御することが必要となる。
【0032】焼成は、800℃〜1050℃の酸化性雰
囲気中で行われ、これにより相対密度90%以上まで緻
密化される。この時の焼成温度が800℃より低いとメ
タライズ層が十分緻密化することができず、1050℃
を越えるとメタライズ配線層との同時焼成でメタライズ
層が溶融してしまう。この焼成時において、着色剤を発
色させるには、大気中あるいは窒素雰囲気等で焼成すれ
ばよい。
【0033】このようにして作製されたガラスセラミッ
ク焼結体中には、フィラー成分による結晶相、リチウム
珪酸ガラスから析出したリチウム珪酸結晶相、フィラー
とガラスとの反応により生成した結晶相が存在し、これ
らの結晶相の粒界にはガラス相が存在する場合もある。
また、着色剤成分は、上記結晶相の粒界に添加時の形態
あるいはガラスした形態で存在する。
【0034】また、配線基板を作製するには、上述のよ
うにしてガラス粉末とフィラー粉末と着色剤成分とを混
合した混合粉末に適当な有機樹脂バインダー、可塑剤、
溶剤を添加混合して泥漿物を作るとともに該泥漿物を公
知の方法に基づき、ドクターブレード法、プレス成形
法、圧延法、カレンダーロール法などの手法によりシー
ト状の成形体(グリーンシート)を作製する。そして、
そのシート状成形体の表面に配線層を形成するために適
当な金属粉末に有機バインダー、可塑剤、溶剤を添加混
合して得たメタライズペーストをスクリーン印刷法、オ
フセット印刷法等により塗布する。本発明において用い
られるメタライズ配線層としては、絶縁基体が800〜
1050℃で焼結可能であることから、Cu、Ag、N
i、Pd、Auのうちの1種以上により構成することが
できる。これらの中でもCuが最も望ましい。
【0035】次に、上記のようにしてメタライズペース
トが塗布されたシート状成形体は、所望によりスルーホ
ールが形成されメタライズペーストが充填されたり、多
層化のために、複数のシート状成形体を積層し圧着した
後、焼成する。
【0036】焼成にあたっては、まず有機樹脂バインダ
ーの除去を行うが、配線導体としてCuを用いる場合に
は、水蒸気を含有する100〜800℃の窒素雰囲気中
で行われる。その後の焼成は、800℃〜1050℃の
酸化性雰囲気中で行われ、これにより相対密度90%以
上まで緻密化される。この時の焼成温度が800℃より
低いとメタライズ層が十分緻密化することができず、1
050℃を越えるとメタライズ配線層との同時焼成でメ
タライズ層が溶融してしまう。なお、配線導体としてC
uを用いる場合には、850〜1050℃のN2 、Ar
等の非酸化性雰囲気中で行うのが望ましく、Agを用い
る場合には800〜900℃のN2 、Ar等の非酸化性
雰囲気中あるいは大気中等の酸化性雰囲気中で行うのが
よい。
【0037】特に、配線基板の作製にあたって、Cu、
Ag等のメタライズと同時焼成を行う場合、配合するガ
ラスの屈伏点は400℃〜650℃、フィラーの含有量
は50〜80体積%であることが望ましい。
【0038】
【実施例】
実施例1 ガラスとして、重量比率で 74%SiO2 −14%Li2 O−4%Al2 3
2%P2 5 −2%K2 O−2%ZnO−2%Na2
(屈伏点480℃) 43%SiO2 −29%Al2 3 −11%MgO−
10%B2 3−7%ZnO(屈伏点880℃) の2種のガラスを準備した。このガラスに対して表1に
示すようにフィラー成分として、フォルステライト(2
MgO・SiO2 )、Crを含む化合物としてCr2
3 を用いて表1に示す調合組成になるように秤量混合し
た。この混合物を粉砕後、有機バインダーを添加して十
分に混合した後、1軸プレス法により所定の形状の成形
体を作製し、この成形体を700℃のN2 +H2 O中で
脱バインダ処理した後、窒素雰囲気中で650〜120
0℃で焼成して焼結体を作製した。
【0039】次に、上記のようにして得られた焼結体に
対して強度、測定周波数1MHzにおける誘電損失、C
uとの同時焼結性を確認した。
【0040】
【表1】
【0041】表1より明らかなように、ガラス量が20
体積%より小さい試料No.1、16ではCuとの同時焼
成が出来なかった。また、ガラス量が80体積%より大
きい試料No.5、6、20、21については焼成温度が
低くなりすぎたためにCuとの同時焼成が出来なかっ
た。また、Cr2 3 量が0.05重量部より少ない試
料No.7、22では誘電損失を低下させる効果に乏しか
った。Cr2 3 量が10重量部を超える試料No.1
5、30では焼成温度が上昇するため強度、誘電損失と
もに劣化し、誘電損失は1×10-3を超える値となっ
た。
【0042】これらの比較例に対して、本発明の範囲に
ある試料No.2〜4、8〜14、17〜19、23〜2
9はいずれも230MPa以上の強度を示し、かつ、誘
電損失は1×10-3以下となり、Cuとの同時焼性も可
能であった。また、いずれの焼結体も緑色を呈し、無添
加の場合よりも高い実装認識を示した。また、本発明の
試料は、X線回折測定の結果、いずれもリチウム珪酸結
晶相とフォルステライト、エンスタタイト等の結晶相が
確認された。
【0043】実施例2 表1で最も良好な特性を示した試料No.3の組成に表2
に示す添加物を加え、実施例1と同様な方法により評価
を行った。
【0044】
【表2】
【0045】表2によれば、Cr2 3 とその他の添加
物の総量が10重量部以下の場合いずれもいずれも23
0MPa以上の強度を示し、かつ誘電損失は1×10-3
以下と良好な特性を示し、かつ、種々の色を発色させる
ことが出来た。
【0046】本発明の範囲外の添加物の総量が10重量
部を超える試料No.34、37、40、44、47、5
0では発色はするものの強度、誘電損失ともに劣化し
た。また、Crを含まない試料No.31、41は誘電損
失が大きいものであった。さらに、比較のために、着色
剤としてWO3 およびMoO3 を添加した試料No.5
1、52によれば、着色は可能であったが、誘電損失1
×10-3以下は達成できなかった。
【0047】実施例2 表3に示すように、組成の異なるガラスに対して、フィ
ラーとしてフォルステライトを表1で最も良好な特性を
示したガラスとフィラーの比(ガラス:フィラー=4
5:55体積比率)とし、これに着色剤としてCr2
3 を上記主成分組成物100重量部に対して2重量部添
加し、これを実施例1と同様にして焼結体を作製評価
し、それぞれのガラス中のLi2 O量とガラスの屈伏点
が特性に与える影響を調べた。
【0048】
【表3】
【0049】表3の結果から明らかなように、Li2
を含まない試料No.53では誘電損失が1×10-3を超
えてしまい、Li2 Oが30重量%を越える試料No.5
8では、屈伏点が770℃を超え、誘電損失が大きくな
り250×10-4となった。
【0050】試料No.44〜47に示されるように、L
2 O量が5〜30重量%のガラスは屈伏点が400〜
770℃であり、特性も良好でバインダーの除去をほぼ
完全に行うことができ、緻密質な焼結体を作製すること
ができ、また、Cuメタライズ層との同時焼成も可能で
あり強固な接着強度を示した。よって、Cuとの同時焼
結を可能にするためには、屈伏点が400℃〜770℃
であることが望ましいことがわかった。なお、本発明の
試料はいずれも緑色を呈していた。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガラスセ
ラミック焼結体は、高い強度を有するためにパッケージ
と有機樹脂等からなる外部電気回路基板との実装におい
て、長期間にわたり正確、かつ強固に電気的接続させる
ことが可能であり、しかも低温焼成が可能であり、低誘
電損失で且つ着色されたものであることから、多層配線
基板や半導体素子収納用パッケージ等の絶縁基板として
効果的に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 民 保秀 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ 株式会社総合研究所内 (72)発明者 古久保 洋二 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ 株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平7−82011(JP,A) 特開 平1−230459(JP,A) 特開 平3−160639(JP,A) 特開 平4−286181(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/16 H01L 23/15 H05K 1/03

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Li2 Oを5〜30重量%含有するリチウ
    ム珪酸ガラスを20〜80体積%と、フィラーを総量で
    20〜80体積%の割合で含む組成物と、該組成物10
    0重量部に対してCrをCr2 3 換算で0.05〜1
    0重量部の割合で含有する成形体を焼成して得られた着
    色された焼結体であって、該焼結体の周波数1MHzに
    おける誘電損失が1×10-3以下であることを特徴とす
    るガラスセラミック焼結体。
  2. 【請求項2】Li2 Oを5〜30重量%含有するリチウ
    ム珪酸ガラスを20〜80体積%と、フィラーを総量で
    20〜80体積%の割合で含む組成物と、該組成物10
    0重量部に対してCrをCr2 3 換算で0.05重量
    部以上、Cu,V,Fe,Ni,MnおよびCoの群か
    ら選ばれる少なくとも1種を酸化物換算で前記CrのC
    2 3 換算量との合計が10重量部以下の割合で含有
    する成形体を焼成して得られた着色された焼結体であっ
    て、該焼結体の1MHzにおける誘電損失が1×10-3
    以下であることを特徴とするガラスセラミック焼結体。
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