JP3515867B2 - 低温焼成セラミック組成物 - Google Patents

低温焼成セラミック組成物

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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0306Inorganic insulating substrates, e.g. ceramic, glass

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板等の絶縁
基板として有用な低温焼成セラミック組成物と、それを
用いたCu等の低抵抗金属からなるメタライズ配線層と
同時焼成可能な配線基板の製造方法に関する。 【0002】 【従来技術】従来、配線基板は、絶縁基板の表面あるい
は内部にメタライズ配線層が配設された構造からなり、
多層配線基板や半導体素子、特にLSI(大規模集積回
路素子)等を搭載したパッケージに応用されている。 【0003】従来より、セラミック製の配線基板は、一
般にアルミナ、ムライト、窒化アルミニウム等のセラミ
ックスの電気絶縁基板の表面あるいは内部にタングステ
ンモリブデン等の高融点金属からなる複数個のメタライ
ズ配線層が形成され、配線層を多層化する際には、絶縁
基板のセラミック成形体とその表面に塗布されたメタラ
イズペーストとを1500℃以上の温度で同時に焼成す
ることにより得られている。 【0004】また、最近ではタングステンやモリブデン
と比較して導体抵抗の小さいCuやAg等を導体配線層
とし、同時焼成が可能な絶縁基板用の材料として、ガラ
スとセラミックフィラーとからなる混合物を成形し、こ
れを850〜1200℃で焼成する、いわゆるガラスセ
ラミック焼結体が用いられつつある。この焼結体におい
て、用いられるガラスとしては、SiO2 −Al2 3
−CaO系、SiO2−Al2 3 −B2 3 系などの
ガラスで、非晶質ガラスあるいは焼結過程で結晶相を析
出できる結晶化ガラスが用いられ、また、フィラー成分
としては、Al2 3 、SiO2 、クリストバライト、
フォルステライト、ペタライトなどが用いられている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら低温焼成磁器組成物を作製するにあたっては、例え
ば、1000℃以下の温度で緻密化させるために、ガラ
スを50体積%以上配合させるが、かかるガラスは、ア
ルミナやムライトに比較して非常に高価であるため、低
温焼成磁器組成物自体が高価になる傾向にあった。 【0006】しかも、絶縁基板としてこれまで一般に使
用されているアルミナやムライトは200MPa以上の
強度を有するのに対して、ガラスセラミックスは強度が
100〜200MPa程度と低く、取り扱い時や基板へ
の実装時に割れ等が発生するなど信頼性に欠けるもので
あり、強度の向上が求められている。 【0007】また、一般に配合するガラス粉末のBET
比表面積は焼結性を高めるために4m2 /g以上の微粉
末が用いられているが、ガラス粉末は微粉化するほど高
価であり、この点からも製品コストを高価なものにして
いた。 【0008】さらに、フィラー粉末においても、焼結性
を高めるために、5m2 /g以上の微粉末が用いられて
いるが、ガラス粉末として3m2 /g以下の粒子の大き
い粉末を用いる場合には、フィラー粉末としてはさらに
10m2 /g以上の超微粉末を用いないと緻密化するこ
とが困難であった。 【0009】このような表面積が10m2 /g以上の超
微粉末は、粉砕処理によって作製することができるもの
の、長時間の粉砕が必要となり、粉末調製にあたり製造
コストを高めてしまうという問題があった。また、上記
の超微粉末を作製する方法としては、粉砕したフィラー
粉末を水中に入れ、攪拌後に最後に沈殿した水和物とし
て採取する方法も採用されているが、この場合、超微粉
末中の水分含有量が高くなるために、シート状に成形す
るのに必要なスラリーの調製が非常に困難となってい
た。 【0010】さらには、ガラスやフィラーの比表面積が
大きくなると、スラリーの調製に際し、溶剤やバインダ
ーを多量に添加する必要があり、その結果、10ミル以
上の厚いシートを作製することができない等の問題もあ
った。 【0011】従って、本発明は、ガラス粉末やフィラー
粉末の粒径が大きく、さらにはガラス量が少ない場合に
おいても、CuあるいはAg等の低抵抗導体配線層との
同時焼成が可能で、且つ高強度の焼結体を作製すること
のできる低温焼成セラミック組成物を提供することを目
的とするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に対して鋭意検討を重ねた結果、配合するガラス粉末
として、従来よりも屈伏点の低いガラスを用い、これを
フィラー成分と混合して用いると、焼結性が改善され、
しかもガラス粉末やフィラー粉末の平均粒径が大きくて
も、あるいはガラスが少なくてもCuやAgとともに同
時焼成が可能であることと同時に、焼結体の強度も高く
できることを見いだし、本発明に至った。 【0013】即ち、本発明は、屈伏点が400〜770
℃、BET比表面積が1〜3m/gのガラス粉末20
〜80体積%と、BET比表面積が1〜10m/gの
フィラー粉末80〜20体積%とからなり、しかも80
0〜1050℃の温度で焼成可能な低温焼成セラミック
組成物を提供するものである。 【0014】本発明によれば、ガラスと残部がフィラー
からなる組成物であって、ガラス粉末として、屈伏点が
400〜770℃、BET比表面積が1〜3m2/gの
粗粉末からなるガラス粉末を用いることにより、低温で
の焼結性を高めることができる。しかし、このガラス単
独では焼成温度が低すぎてCuやAgの焼成温度に合わ
せることができないが、フィラー粉末を最低20体積%
以上配合することにより、焼成温度をCuやAgの焼成
温度に合わせることができ、これらのメタライズとの同
時焼成を実現することができる。 【0015】しかも、低温焼結性を高めることができる
結果、ガラス量が50体積%以下、さらには、20体積
%であっても800〜1050℃の低温で緻密化するこ
とができる。そのため、組成物自体のコストを低減でき
る結果、焼結体の製造コストも低減することができる。 【0016】また、比表面積の小さいガラス粉末および
フィラー粉末を用いることができるために、溶剤や成形
用有機バインダーの添加量を少なくできるため、スラリ
ー化が容易であり、10ミル以上の厚みのシート状成形
体も容易に作製することができる。 【0017】これにより、本発明によれば、配線基板に
おいて、CuあるいはAg等の低抵抗導体配線層と同時
焼成が可能であり、配線の多層化とともに、製品として
信頼性の高い配線基板を安価に製造することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明の低温焼成セラミック組成
物は、ガラス粉末と残部のフィラー粉末とからなり、ガ
ラス粉末が、屈伏点400〜770℃、かつBET比表
面積が1〜3m2/g、フィラー粉末が、BET比表面
積が1〜10m2/gであることが重要である。 【0019】ガラスの屈伏点を上記の範囲に限定したの
は、ガラス粉末として比表面積の小さい粉末を用いた場
合の低温焼結性を高めるとともに、ガラスおよびフィラ
ーからなる混合物を成形するにあたり、添加される有機
樹脂等の成形用バインダーを効率的に除去するために必
要であり、屈伏点が400℃より低いとガラスの軟化流
動が低い温度で開始されるために、例えば、Ag、Cu
等の焼結開始温度がおよそ600〜800℃のメタライ
ズとの同時焼成ができず、また、成形体の緻密化が低温
で開始するためにバインダーは分解揮散できなくなり、
バインダー成分が残留し特性に影響を及ぼす結果になる
ためである。一方、屈伏点が770℃より高いと、ガラ
スを少なくとも50体積%配合しないと焼結しにくくな
るため、高価な結晶性ガラスを大量に必要とするために
焼結体のコストを高めることになる。好適には屈伏点は
400〜650℃である。 【0020】また、ガラスのBET比表面積を上記の範
囲に限定したのは、BET比表面積が1m2 /gより小
さいと、焼結性が低下するためであり、3m2 /gより
大きいとガラスのコストが上昇し屈伏点の低いガラスを
用いる効果が小さくなるためであり、またシート成形性
も低下するためである。ガラス粉末のBET比表面積は
望ましくは1〜2m2 /gが良い。 【0021】また、フィラーのBET比表面積を上記の
範囲に限定したのは、BET比表面積が1m2 /gより
小さいと、焼結体の強度が低下するためであり、10m
2 /gより大きいと、混合粉末をシート状に成形する際
に、粉体の凝集が著しくスラリーの分散が不充分とな
り、シートの歩留まりが低下するためである。BET比
表面積は特に、1〜8m2 /g、さらに望ましくは1〜
5m2 /gが良い。 【0022】また、上記のガラス粉末にフィラー成分を
混合する場合、ガラス粉末20〜80体積%、残部を
ィラー粉末とし、混合する。フィラー粉末を必要とする
のは、本発明において用いられるガラスが、フィラー無
添加では収縮開始温度が700℃以下となり、800℃
以上に昇温した場合、ガラスの一部が溶融してしまうた
めに導体配線層を同時に形成することが難しいためであ
る。しかし、ガラス粉末を20〜80体積%、残部を
ィラー粉末として混合することにより、焼成温度におい
て結晶相の析出とフィラー成分を液相焼結させるための
液相を形成させることができる。また、成形体全体の収
縮開始温度を上昇させることができるため、このフィラ
ーの含有量の調整により用いるメタライズの種類により
導体配線層との同時焼成条件のマッチングを図ることが
できる。 【0023】従って、ガラス量が20体積%より少ない
前記ガラスを用いても十分な液相が生成されないた
め高温で焼成する必要があり、その場合、配線導体の同
時焼成において導体が溶融してしまう。また、ガラスが
80体積%より多いと焼結体の特性がガラスの特性に
大きく依存してしまい、材料特性の制御が困難になると
ともに、収縮開始温度が低くなるために配線導体と同時
焼成できないといった問題が生じ、また原料のコストも
高くなってしまう。 【0024】本発明によれば、原料コストを下げる上で
高価なガラスの含有量を減少させることが好ましく、特
にガラス粉末20〜50体積%さらにガラス粉末20
〜40体積%であるのが望ましい。 【0025】上記の配合組成において、このフィラー成
分は、ガラスの屈伏点に応じ、その量を適宜調整するこ
とが望ましい。即ち、ガラスの屈伏点が400〜650
℃と低い場合、低温での焼結性が高まるため、フィラー
の含有量は50〜80体積%と比較的多く配合できる。
これに対して、結晶性ガラスの屈伏点が650〜770
℃と高い場合、焼結性が低下するためフィラーの含有量
は20〜50体積%と比較的少なく配合することが望ま
しい。 【0026】焼結体を作製するには、上記のようにして
ガラス粉末と、フィラー粉末とを上述した比率で混合し
た後、その混合物に適当な有機樹脂バインダーを添加し
た後、所望の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水
圧プレス、押出し成形、ドクターブレード法、圧延法等
により任意の形状に成形後、焼成する。 【0027】焼成にあたっては、まず成形のために配合
したバインダー成分を除去する。バインダー除去は、7
00℃前後の大気雰囲気中で行われる。この時、成形体
の収縮開始温度は600〜850℃程度であることが望
ましく、かかる収縮開始温度がこれより低いとバインダ
ーの除去が困難となるため、成形体中の結晶化ガラスの
特性、特に屈伏点を前述したように制御することが必要
となる。 【0028】焼成は、800〜1050℃の酸化性雰囲
気中で行われ、これにより相対密度90%以上まで緻密
化させる。この時の焼成温度が800℃より低いと導体
配線層が十分緻密化することができず、1050℃を超
えると導体配線層が溶融してしまう。 【0029】このようにして作製された低温焼成セラミ
ック組成物中には、フィラー成分による結晶相、フィラ
ーとガラスとの反応により生成した結晶相、あるいはガ
ラスとして結晶化ガラスを用いた場合にはガラスから析
出した結晶が存在し、これらの結晶相の粒界にはガラス
相が存在する場合もある。 【0030】また、配線基板を作製するには、上述のセ
ラミック組成物に適当な有機樹脂バインダー、可塑剤、
溶剤を添加混合してスラリーを作製するとともに該スラ
リーを公知の方法に基づき、ドクターブレード法、プレ
ス成型法、圧延法、カレンダーロール法などの手法によ
りシート状の成形体(グリーンシート)を作製する。該
シート状成形体の表面に導体配線層を形成するために適
当な金属粉末に有機樹脂バインダー、可塑剤、溶剤を添
加混合して得たメタライズペーストをスクリーン印刷
法、オフセット印刷法等により塗布する。本発明におい
て用いられる導体配線層としては、絶縁基体が800〜
1050℃で焼結可能であることから、Cu,Ag,N
i,Pd,Auのうちの1種以上により構成することが
できる。これらの中でもCuが最も望ましい。 【0031】次に、上記のようにしてメタライズペース
トが塗布されたシート状成形体は、所望によりスルーホ
ールが形成されメタライズペーストが充填されたり、多
層化のために複数のシート状成形体を積層し圧着した
後、焼成する。 【0032】焼成にあたっては、まず有機樹脂バインダ
ーの除去を行うが、配線導体としてCuを用いる場合に
は、水蒸気を含有する100〜800℃の窒素雰囲気中
で行われる。その後の焼成は、800〜1050℃の窒
素雰囲気中で行われ、これにより相対密度90%以上ま
で緻密化される。この時の焼成温度が800℃より低い
と導体配線層が十分緻密化することができず、1050
℃を超えると導体配線層が溶融してしまう。なお、配線
導体としてCuを用いる場合には、850〜1050℃
のN2、Ar等の非酸化性雰囲気中で行うのが望まし
く、Agを用いる場合には800〜900℃のN2 、A
r等の非酸化性雰囲気中あるいは大気中等の酸化性雰囲
気中で行うのがよい。 【0033】特に、配線基板の作製にあたって、Cu、
Ag等のメタライズと同時焼成を行う場合、配合するガ
ラスの屈伏点は400〜650℃、フィラーの含有量は
50〜80体積%であることが望ましい。 【0034】 【実施例】 実施例1 ガラス粉末として、重量比率で 44%SiO2 −28%Al2 3 −11%MgO−
10%B2 3−7%ZnO(屈伏点880℃) 74%SiO2 −14%Li2 O−4%Al2 3
2%P2 5−2%K2 O−2%ZnO−2%Na2
(屈伏点480℃) 75%PbO−9%B2 3 −12%ZnO−2%S
iO2−2%BaO(屈伏点465℃) 38%ZnO−15%Al2 3 −44%SiO2
3%B2 3 (屈伏点465℃) 15%BaO−25%ZnO−45%P2 5 −10
%Al2 3−5%SiO2 (屈伏点500℃) の組成からなり、BET比表面積が1.5m2 /gの5
種のガラスを準備した。このガラスに対して以下に示す
ようにBET比表面積が2〜3m2 /gのフォルステラ
イト(2MgO・SiO2 、熱膨張係数10ppm/
℃)、石英(SiO2 、熱膨張係数15ppm/℃)、
クリストバライト(SiO2 、熱膨張係数20ppm/
℃)、エンスタタイト(MgO・SiO2 、熱膨張係数
9ppm/℃)をフィラーとして用いて表1に示す組成
になるように秤量した。この組成物に溶媒としてトルエ
ンとイソプロピルアルコール、バインダーとしてアクリ
ル樹脂、可塑剤としてDBP(ジブチルフタレート)を
用いてドクターブレード法により厚み500μmのグリ
ーンシートを作製した。このグリーンシートの表面にC
uペーストを塗布した後、水蒸気を含有する100〜7
00℃の窒素雰囲気中でバインダーの除去を行い、表1
に示す温度の窒素中で焼成し焼結体を作製した。なお、
バインダー除去後の炭素の残留を炭素分析により確認
し、炭素量300ppm以下を無とした。 【0035】次に、上記のようにして得られた焼結体に
対してJISR1601に基づき4点曲げ強度、焼結後
のCuメタライズ層の状態を観察しCuとの同時焼結性
を評価した。 【0036】 【表1】【0037】表1より明らかなように、屈伏点が770
℃より高いガラスを用いた試料No.1〜7ではガラス
量が70〜80体積%の範囲ではある程度の良好な特性
を示したが、ガラス量を60体積%以下にした試料No.
1〜4では、焼成温度が高く1100℃でも緻密化でき
ずCu導体との同時焼成ができなくなった。 【0038】これに対して、ガラスの屈伏点が500℃
以下のガラスを用いた試料No.8〜19では、
ガラス量20〜80体積%、フィラー量80〜20体積
%で800〜1050℃で緻密化することができたが、
ガラス量が80体積%を超える試料No.13では収縮開
始温度が低くなりすぎてバインダーの除去処理後に炭素
が残留し、20体積%より少ない試料No.8では緻密化
できなかった。また、Cuとの同時焼成は、焼成温度8
00〜1050℃で可能であった。この結果から、本発
明によれば、ガラス量を低減した組成系でも十分に緻密
化とCuとの同時焼成が可能であった。 【0039】また、本発明の低温焼成セラミック組成物
試料No.9〜12及び14〜19は、屈伏点が880℃
のガラスを用いた系に比較して強度が高く、いずれも2
00MPa以上の強度を示した。 【0040】実施例2 表2に示すように、実施例1で用いたガラスで、BET
比表面積が1〜4m2/gの粉末と、フィラーとして種
々のBET比表面積のフォルステライト、石英、クリス
トバライト、エンスタタイト、トリジマイト粉末の種々
の粉末を用いて、各ガラスにおいて表1で最も良好な特
性を示したガラスとフィラーの比、つまりガラスを用
いた系ではガラス量40体積%、フィラー量60体積
%、また、ガラスについてもガラス量40体積
%、フィラー量60体積%に調合し、実施例1と同様に
して焼結体を作製し、強度、Cu導体との同時焼結性、
バインダー除去処理後の残留炭素の有無、シート成形性
を調べ、その結果を表2に示した。なお、表2中のフィ
ラーの比表面積において、2種のフィラーを含むもの
は、いずれもそれらを合わせたフィラー全体の比表面積
である。 【0041】 【表2】【0042】表2において、ガラス粉末として比表面積
が3.0m2 /gを越える微粉末を用いた試料No.2
3、32、36、あるいはフィラー粉末の比表面積が1
0.0m2 /gを越える28、33、38では、いずれ
もシート成形性ができなかった。また、フィラーの比表
面積が1.0m2 /gよりも小さい試料No.24では、
焼結性が悪く、その結果、焼結体の強度が低下した。 【0043】これに対して本発明品のガラスのBET比
表面積が1〜3m/g、フィラーのBET比表面積が
1〜10 /gのその他の試料は、いずれもグリーン
シートの成形性及び焼結体の特性が良好でかつバインダ
ー除去不良の問題のない強度200MPa以上の焼結体
が得られた。 【0044】これらの結果により、本発明の範囲のガラ
スを用いれば安価なBET比表面積の小さいつまり平均
粒径の大きいガラスを用いても、グリーンシートの成形
性に優れ、かつ高価なBET比表面積の大きいガラスを
用いた場合と同等の特性が安定して得られることが明ら
かとなった。 【0045】実施例3 屈伏点が300〜860℃のBET比表面積が2.0m
2 /gのガラス40体積%と、フィラーとしてBET比
表面積が4.0m2 /gのフォルステライトを24体積
%、BET比表面積が2.0m2 /gの石英を36体積
%添加混合し、これを実施例1と同様にして焼結体を作
製し、強度、Cu導体との同時焼結性、バインダー除去
処理後の残留炭素の有無を調べ、その結果を表3に示し
た。なお、試料No.41〜46で用いた屈伏点が300
〜700℃のガラスはリチウム珪酸系ガラス、また試料
No.47〜48で用いた屈伏点が780〜860℃のガ
ラスはホウ珪酸系ガラスである。 【0046】 【表3】【0047】表3の結果からも明らかなように、屈伏点
が400℃より低い試料No.41では、収縮開始温度が
520℃と低いためにバインダー除去不良が生じ、しか
も焼成温度が700℃と低いために、Cu導体との同時
焼成ができなかった。また、屈伏点が770℃を超える
試料No.47、48では、ガラスの配合量が40体積%
と少ない場合には、焼成温度を1100℃以上まで高め
ないと焼結することができず、そのためCuの同時焼成
ができなかった。 【0048】これに対して、屈伏点が400〜770℃
℃の範囲の試料No.42〜46は、いずれもバインダー
の除去を完全に行うことができ緻密な焼結体が得られ
た。また、Cuとの同時焼結性については、屈伏点40
0〜770℃で可能であった。さらに、焼結体強度はい
ずれも200MPa以上の高い強度を示した。 【0049】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
低屈伏点のガラスを用いることにより、焼結性を高める
ことができる結果、BET比表面積の小さな低コストの
ガラスであってもその配合量を低減して使用することが
できるために、原料コストを下げ、グリーンシートの成
形性が良好で、バインダーの効率的な除去を行うことが
でき、かつ高強度の焼結体を作製することができる。し
かも、Cuなどの低抵抗導体層との同時焼成が可能な高
信頼性で安価な配線基板を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−321615(JP,A) 特開 平7−111372(JP,A) 特開 平8−183654(JP,A) 特開 平8−73261(JP,A) 特許3372733(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C03C 1/00 - 14/00 H05K 1/03

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】屈伏点が400〜770℃、BET比表面
    積が1〜3m/gのガラス粉末20〜80体積%と、
    BET比表面積が1〜10m/gのフィラー粉末80
    〜20体積%とからなる、800〜1050℃の温度で
    焼成可能な低温焼成セラミック組成物。
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