JPH0617249B2 - ガラスセラミツク焼結体 - Google Patents
ガラスセラミツク焼結体Info
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- JPH0617249B2 JPH0617249B2 JP61191889A JP19188986A JPH0617249B2 JP H0617249 B2 JPH0617249 B2 JP H0617249B2 JP 61191889 A JP61191889 A JP 61191889A JP 19188986 A JP19188986 A JP 19188986A JP H0617249 B2 JPH0617249 B2 JP H0617249B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- sintered body
- weight
- filler
- firing
- Prior art date
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C14/00—Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
- C03C14/004—Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of particles or flakes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C2214/00—Nature of the non-vitreous component
- C03C2214/04—Particles; Flakes
Description
【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、ガラスの粉末とフィラーの粉末とが混合さ
れてなる混合粉末の成形体を焼成して得られるガラスセ
ラミック焼結体に関する。
れてなる混合粉末の成形体を焼成して得られるガラスセ
ラミック焼結体に関する。
近年、高集積化したLSIや各種の素子を多数搭載する
多層配線基板では、小型化や高信頼性の要求が高まるに
つれて、セラミック材の多層配線基板の利用が広がって
きている。
多層配線基板では、小型化や高信頼性の要求が高まるに
つれて、セラミック材の多層配線基板の利用が広がって
きている。
セラミック多層配線基板は、アルミナを主材にしてグリ
ーンシートを形成し、このグリーンシート上に高融点金
属(Mo,W等)の導体配線を厚膜技術により印刷形成
する。そのあと、このグリーンシートを貼り合わせて積
層した多層グリーンシートを約1500〜1600℃の
高温非酸化雰囲気中で焼成して得られる。
ーンシートを形成し、このグリーンシート上に高融点金
属(Mo,W等)の導体配線を厚膜技術により印刷形成
する。そのあと、このグリーンシートを貼り合わせて積
層した多層グリーンシートを約1500〜1600℃の
高温非酸化雰囲気中で焼成して得られる。
しかし、上述のようなアルミナを主材料とする多層配線
基板では、アルミナの高い比誘電率と、微細化配線導体
(Mo,W等の高融点金属)の高い抵抗によって、多層
内の配線中を伝播する信号の伝達時間が長くなり、高速
化の要望に応え難かった。
基板では、アルミナの高い比誘電率と、微細化配線導体
(Mo,W等の高融点金属)の高い抵抗によって、多層
内の配線中を伝播する信号の伝達時間が長くなり、高速
化の要望に応え難かった。
この問題を解決するために、高抵抗の高融点金属材料の
代わりに、低抵抗金属材料(Au、Ag、Ag−Pd、
Cu等)を使って微細化配線を形成することも考えられ
る。しかしながら、上記の各低抵抗金属材料は融点が1
000℃付近であり、アルミナを主材料とした場合には
基板の焼成温度よりもはるかに低いので、実際に用いる
ことはできない。
代わりに、低抵抗金属材料(Au、Ag、Ag−Pd、
Cu等)を使って微細化配線を形成することも考えられ
る。しかしながら、上記の各低抵抗金属材料は融点が1
000℃付近であり、アルミナを主材料とした場合には
基板の焼成温度よりもはるかに低いので、実際に用いる
ことはできない。
前記の問題を解決するため、ガラス、あるいは、ガラス
粉末焼結体(ガラス−セラミックス体)の多層配線基板
が開発されている。
粉末焼結体(ガラス−セラミックス体)の多層配線基板
が開発されている。
この基板に使用されるガラスは、通常、SiO2−Al
2O3−MgO系ガラスであって、その組成は、SiO
2、Al2O3、MgOを主成分とし、さらにZnO、
Li2O、LiF、P2O5.等の核生成剤と、B2O
3、P2O5、Li2Oなどのガラス化に寄与して焼結
度を高める働きをする金属化合物とが副成分として添加
されている。
2O3−MgO系ガラスであって、その組成は、SiO
2、Al2O3、MgOを主成分とし、さらにZnO、
Li2O、LiF、P2O5.等の核生成剤と、B2O
3、P2O5、Li2Oなどのガラス化に寄与して焼結
度を高める働きをする金属化合物とが副成分として添加
されている。
このようなガラス粉末焼結体の具体例が、特公昭59−
22399号公報、特開昭59−17752号公報、特
公昭57−6257号公報、および特公昭59−469
00号公報などに記載されている。しかし、特公昭59
−46900号公報以外の上記公報に記載されているガ
ラス粉末焼結体は、いずれも、組成にNa,K,Li,
Pbなどの比較的イオン伝導性の高い元素を含んでいる
ことから、マイグレーション現象が生ずる。そのため、
基板としてもっとも重要な特性である絶縁性の劣化が生
じやすいという問題がある。
22399号公報、特開昭59−17752号公報、特
公昭57−6257号公報、および特公昭59−469
00号公報などに記載されている。しかし、特公昭59
−46900号公報以外の上記公報に記載されているガ
ラス粉末焼結体は、いずれも、組成にNa,K,Li,
Pbなどの比較的イオン伝導性の高い元素を含んでいる
ことから、マイグレーション現象が生ずる。そのため、
基板としてもっとも重要な特性である絶縁性の劣化が生
じやすいという問題がある。
特公昭59−46900号公報に記載されているガラス
粉末焼結体は、上記のイオン伝導性の高い元素を含んで
おらず、上記マイグレーションに伴う絶縁性の劣化はな
いものであると、考えられる。しかしながら、特公昭5
9−46900号公報のガラス粉末焼結体は、低抵抗金
属配線の成形体(グリーンシート)上に印刷しておい
て、同時に焼成を行うときに、配線と成形体の収縮率が
うまく合致しないため、焼成完成後の基板がそったり、
寸法精度が良くないなど問題があった。
粉末焼結体は、上記のイオン伝導性の高い元素を含んで
おらず、上記マイグレーションに伴う絶縁性の劣化はな
いものであると、考えられる。しかしながら、特公昭5
9−46900号公報のガラス粉末焼結体は、低抵抗金
属配線の成形体(グリーンシート)上に印刷しておい
て、同時に焼成を行うときに、配線と成形体の収縮率が
うまく合致しないため、焼成完成後の基板がそったり、
寸法精度が良くないなど問題があった。
この発明は、このような事情に鑑みて、1000℃以下
の低い温度での焼成で十分緻密化されていて、誘電率も
低く、低抵抗金属材料による配線形成にも適したガラス
セラミック焼結体を提供することを目的とする。
の低い温度での焼成で十分緻密化されていて、誘電率も
低く、低抵抗金属材料による配線形成にも適したガラス
セラミック焼結体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、発明者らは、新しいタイプ
のガラス(結晶化するガラス)と、フィラーとの組み合
わせで焼結体の性能の向上をはかるべく鋭意検討を行っ
た。その結果、つぎのようなことを見出して、この発明
を完成させた。
のガラス(結晶化するガラス)と、フィラーとの組み合
わせで焼結体の性能の向上をはかるべく鋭意検討を行っ
た。その結果、つぎのようなことを見出して、この発明
を完成させた。
したがって、この発明は、ガラス組成物粉末とフィラー
との混合物を焼成して得られるガラスセラミック焼結体
であって、前記ガラス組成物粉末が、 SiO2が48〜63重量%、 Al2O3が10〜25重量%、 MgOが10〜25重量%、 B2O3が4〜10重量%、 からなる母ガラスに、TiO2,ZrO2,SnO2,
P2O5,ZnO,MoO3およびAs2O3からなる
群より選ばれた少なくとも1つよりなる核発生剤が5重
量%以下含まれる組成であり、ガラス組成物粉末とフィ
ラーとが、 ガラス組成物粉末が70〜95重量%、 フィラーが5〜30重量%、 の混合割合となっていることを特徴とするガラスセラミ
ック焼結体を要旨とする。
との混合物を焼成して得られるガラスセラミック焼結体
であって、前記ガラス組成物粉末が、 SiO2が48〜63重量%、 Al2O3が10〜25重量%、 MgOが10〜25重量%、 B2O3が4〜10重量%、 からなる母ガラスに、TiO2,ZrO2,SnO2,
P2O5,ZnO,MoO3およびAs2O3からなる
群より選ばれた少なくとも1つよりなる核発生剤が5重
量%以下含まれる組成であり、ガラス組成物粉末とフィ
ラーとが、 ガラス組成物粉末が70〜95重量%、 フィラーが5〜30重量%、 の混合割合となっていることを特徴とするガラスセラミ
ック焼結体を要旨とする。
以下に、この発明にかかるガラスセラミック焼結体を詳
しく説明する。
しく説明する。
粉末化されるSiO2−Al2O3−MgO−B2O3
系のガラス組成物が上記組成範囲にあるものであると、
好ましくは、850℃付近、少なくとも950℃以下の
焼成温度で非多孔質の焼結を行うことができる。そして
焼結体の主結晶相はコーディエライトとなるため、誘電
率が低く、機械的強度も大きくなる。また、ガラス原料
の溶解温度も1400℃で十分できるため、通常の粘土
ルツボや溶解炉で十分間にあうので、製造上からも都合
がよい。
系のガラス組成物が上記組成範囲にあるものであると、
好ましくは、850℃付近、少なくとも950℃以下の
焼成温度で非多孔質の焼結を行うことができる。そして
焼結体の主結晶相はコーディエライトとなるため、誘電
率が低く、機械的強度も大きくなる。また、ガラス原料
の溶解温度も1400℃で十分できるため、通常の粘土
ルツボや溶解炉で十分間にあうので、製造上からも都合
がよい。
第1図は低抵抗金属材料配線の温度と収縮率の関係をあ
らわすグラフであって、曲線イはAuの収縮曲線であり、
曲線ロはAg−Pd合金(Ag:80重量%、Pd:2
0重量%)の収縮曲線である。第2図は、ガラス粉末焼
結体の温度と収縮率の関係をあらわすグラフであって、
曲線ハは後述する実施例2におけるガラス粉末成形体の
収縮曲線であり、曲線ニは、後述する比較例3のガラス
粉末成形体の収縮曲線である。配線の方は、400℃で
すでに収縮が始まっており、実施例2の方は低い温度か
ら収縮がはじまっているため、うまく配線と成形体の収
縮を合わせることができる。比較例3の方は、高い温度
でないと収縮が始まらないため、低い焼成温度でうまく
収縮を合わせることは難しいのである。
らわすグラフであって、曲線イはAuの収縮曲線であり、
曲線ロはAg−Pd合金(Ag:80重量%、Pd:2
0重量%)の収縮曲線である。第2図は、ガラス粉末焼
結体の温度と収縮率の関係をあらわすグラフであって、
曲線ハは後述する実施例2におけるガラス粉末成形体の
収縮曲線であり、曲線ニは、後述する比較例3のガラス
粉末成形体の収縮曲線である。配線の方は、400℃で
すでに収縮が始まっており、実施例2の方は低い温度か
ら収縮がはじまっているため、うまく配線と成形体の収
縮を合わせることができる。比較例3の方は、高い温度
でないと収縮が始まらないため、低い焼成温度でうまく
収縮を合わせることは難しいのである。
この発明に用いられるガラス組成物の組成割合が上記の
ように限定されるのは、次の理由による。
ように限定されるのは、次の理由による。
SiO2の組成割合が63重量%を越えると、上記3成
分からなるガラス溶融温度が上昇してしまうばかりか、
焼成時の結晶化が著しく、ガラス粉末表面層が急激に結
晶化してしまい、焼結を高めるガラス成分(相)が不足
して緻密な焼結体とすることができない。48重量%を
下回ると、ガラス粉末の結晶化温度が上昇するので、こ
れに伴って必要な焼成温度も上昇し、成形体を950℃
以下の温度で焼成したのでは、得られた焼結体が未焼結
状態となってしまう。
分からなるガラス溶融温度が上昇してしまうばかりか、
焼成時の結晶化が著しく、ガラス粉末表面層が急激に結
晶化してしまい、焼結を高めるガラス成分(相)が不足
して緻密な焼結体とすることができない。48重量%を
下回ると、ガラス粉末の結晶化温度が上昇するので、こ
れに伴って必要な焼成温度も上昇し、成形体を950℃
以下の温度で焼成したのでは、得られた焼結体が未焼結
状態となってしまう。
Al2O3の組成割合が25重量%を越えると、焼結で
きる温度が上昇し、950℃以下の焼成温度では十分な
焼結が行えない。10重量%を下回ると、コーディエラ
イト結晶が少なくなり、SiO2−MgO系の結晶が多
く析出するので、比誘電率が上昇する。
きる温度が上昇し、950℃以下の焼成温度では十分な
焼結が行えない。10重量%を下回ると、コーディエラ
イト結晶が少なくなり、SiO2−MgO系の結晶が多
く析出するので、比誘電率が上昇する。
MgOの組成割合が25重量%を越えると、おそらく
は、ケイ酸マグネシウムが析出するためと思われるが、
変形が大きくなり実用性に乏しい。10重量%を下回る
と、、緻密な焼結体となりがたい。
は、ケイ酸マグネシウムが析出するためと思われるが、
変形が大きくなり実用性に乏しい。10重量%を下回る
と、、緻密な焼結体となりがたい。
B2O3の組成割合が10重量%を越えると、ガラス相
が多く、発泡しやすくなり、焼成可能な温度範囲も狭く
なる。また、機械的強度も弱く実用性に乏しくなる。4
重量%を下回ると、ガラス粉末の表面層の結晶化が急激
に進みすぎるため緻密な焼結体となりがたい。
が多く、発泡しやすくなり、焼成可能な温度範囲も狭く
なる。また、機械的強度も弱く実用性に乏しくなる。4
重量%を下回ると、ガラス粉末の表面層の結晶化が急激
に進みすぎるため緻密な焼結体となりがたい。
TiO2,ZrO2,SnO2,P2O5,ZnO,M
oO3およびAs2O3などの核発生剤は、結晶化を促
進するものであるが、これらが、5重量%を越えると、
結晶化が進みすぎるため緻密な焼結体となりがたい。
oO3およびAs2O3などの核発生剤は、結晶化を促
進するものであるが、これらが、5重量%を越えると、
結晶化が進みすぎるため緻密な焼結体となりがたい。
この発明で用いるフィラーとしては、特に限定するもの
ではないが、α−石英、溶融シリカ,クリストバライ
ト,コーディエライト,ステアタイト,フォルステライ
ト,ウォラストナイト,アノーサイト,セルジアン,ム
ライト,アルミナから選ばれた少なくとも1種などが挙
げられる。
ではないが、α−石英、溶融シリカ,クリストバライ
ト,コーディエライト,ステアタイト,フォルステライ
ト,ウォラストナイト,アノーサイト,セルジアン,ム
ライト,アルミナから選ばれた少なくとも1種などが挙
げられる。
前記フィラーは、焼結体の機械的強度を上昇させるばか
りでなく、比誘電率を減少させるなどの働きがある。添
加割合は、5重量%〜30重量%、好ましくは、5重量
%〜20重量%である。フィラーの添加割合が30重量
%を越えると、焼結しにくくなり、1000℃以下での
焼結ができなくなる。また、焼結体バルク内部にポアー
を多く含むようになる。フィラーが5重量%を下回る
と、フィラーを添加する狙いである、誘電率の低下、熱
膨張率の調整、熱伝導率の向上などの効果が認められな
くなる。
りでなく、比誘電率を減少させるなどの働きがある。添
加割合は、5重量%〜30重量%、好ましくは、5重量
%〜20重量%である。フィラーの添加割合が30重量
%を越えると、焼結しにくくなり、1000℃以下での
焼結ができなくなる。また、焼結体バルク内部にポアー
を多く含むようになる。フィラーが5重量%を下回る
と、フィラーを添加する狙いである、誘電率の低下、熱
膨張率の調整、熱伝導率の向上などの効果が認められな
くなる。
上記に挙げられたフィラーのうち、α−石英,溶融シリ
カ,クリストバライト,コーディエライトなどのグルー
プのものを用いれば、特に、熱膨張率がシリコン並に近
い値を有するようになるので、高密度多層基板として有
用で、上記以外のグループのものを用いれば、特に、熱
伝導率が向上するので、多層基板として有用であるとい
う傾向がある。
カ,クリストバライト,コーディエライトなどのグルー
プのものを用いれば、特に、熱膨張率がシリコン並に近
い値を有するようになるので、高密度多層基板として有
用で、上記以外のグループのものを用いれば、特に、熱
伝導率が向上するので、多層基板として有用であるとい
う傾向がある。
フィラーとして、上記比較的イオン伝導性の高い元素を
ふくんでいないものを用いるようにすると、焼結体を多
層配線基板材料として用いても、マイグレーション現象
による絶縁性の劣化が生じるおそれがない。
ふくんでいないものを用いるようにすると、焼結体を多
層配線基板材料として用いても、マイグレーション現象
による絶縁性の劣化が生じるおそれがない。
上記ガラス組成物の粉末は、たとえば、重量%組成が上
記範囲内となるように各成分を配合して溶融し、この溶
融体を結晶を析出させないように急冷して透明なガラス
を得たのち、微粉砕して得られるが、他の方法によって
得るようにしてもよい。ガラス組成物の粉末の粒度は、
特に限定されないが、平均粒径として1〜10μmとす
るのが好ましい。平均粒径が10μmを越えると、ガラ
スセラミック焼結体の表面凹凸がはげしくなり、配線基
板とした場合、回路の導体精度も悪くなることがある。
また、結晶化温度が高くなることがあるので、1000
℃以下の焼成では充分な結晶析出が起こらず、結晶量の
低い焼結体となるため、誘電率の低下が望めなくなるお
それがある。同時に、機械的強度が低くなることがある
ので、実用性に欠けるおそれがある。他方、1μmを下
回ると、ガラス組成物の結晶化速度が早まることがあ
り、充分な焼結が起こるまでに、結晶化が終了してしま
うということが発生し、焼結密度が上がりにくくなるお
それがある。
記範囲内となるように各成分を配合して溶融し、この溶
融体を結晶を析出させないように急冷して透明なガラス
を得たのち、微粉砕して得られるが、他の方法によって
得るようにしてもよい。ガラス組成物の粉末の粒度は、
特に限定されないが、平均粒径として1〜10μmとす
るのが好ましい。平均粒径が10μmを越えると、ガラ
スセラミック焼結体の表面凹凸がはげしくなり、配線基
板とした場合、回路の導体精度も悪くなることがある。
また、結晶化温度が高くなることがあるので、1000
℃以下の焼成では充分な結晶析出が起こらず、結晶量の
低い焼結体となるため、誘電率の低下が望めなくなるお
それがある。同時に、機械的強度が低くなることがある
ので、実用性に欠けるおそれがある。他方、1μmを下
回ると、ガラス組成物の結晶化速度が早まることがあ
り、充分な焼結が起こるまでに、結晶化が終了してしま
うということが発生し、焼結密度が上がりにくくなるお
それがある。
フィラーの粒度も、特に限定はしないが、概ね上記ガラ
ス組成物の粒度と同等か、若干小さいめに設定するのが
好ましい。
ス組成物の粒度と同等か、若干小さいめに設定するのが
好ましい。
上記ガラス組成物とフィラーを混合する方法は、特に限
定されず、湿式または乾式のいずれによっても良い。成
形体を得るのに樹脂,溶媒などの有機物を用いた場合に
は、あらかじめ前焼成を行って有機物を除去したのち
に、焼結のための焼成を行うようにするのがよい。な
お、前記有機物は特に限定されず、種々のものが用いら
れる。また、有機物以外のものが用いられたり、何も用
いずに成形体を得てもよい。
定されず、湿式または乾式のいずれによっても良い。成
形体を得るのに樹脂,溶媒などの有機物を用いた場合に
は、あらかじめ前焼成を行って有機物を除去したのち
に、焼結のための焼成を行うようにするのがよい。な
お、前記有機物は特に限定されず、種々のものが用いら
れる。また、有機物以外のものが用いられたり、何も用
いずに成形体を得てもよい。
上記ガラス組成物の粉末とフィラーが混合されている粉
末の成形体は、たとえば、グリーンシートまたはこれを
複数枚積層したものなどがあるが、これらに限るもので
はない。
末の成形体は、たとえば、グリーンシートまたはこれを
複数枚積層したものなどがあるが、これらに限るもので
はない。
前記成形体を焼成する条件は、特に限定されないが、上
述の低抵抗金属材料の融点(1000℃前後)よりも低
い温度で焼成を行っても焼結できるので、その温度で焼
成するようにすれば、低抵抗金属材料を印刷などして同
時焼成できる。同時焼成でなくてもよい。また、用途は
多層配線基板などの配線基板に限定されない。
述の低抵抗金属材料の融点(1000℃前後)よりも低
い温度で焼成を行っても焼結できるので、その温度で焼
成するようにすれば、低抵抗金属材料を印刷などして同
時焼成できる。同時焼成でなくてもよい。また、用途は
多層配線基板などの配線基板に限定されない。
つぎに、この発明にかかるガラスセラミック焼結体を実
施例に基づいて詳しく説明する。
施例に基づいて詳しく説明する。
第1表のガラス組成物G−1〜G−18(このうち、G
−1〜G−9は実施例のもの、G−10〜G−18は比
較例のものである)に示す割合に調合されたSiO2、
Al2O3,MgO、および、核発生剤からなる原料そ
れぞれをアルミナ質ルツボ内に入れて約1500〜15
50℃の加熱温度下で溶融した。このようにして得られ
た溶融液を水中に投下して、ガラス組成物(フリット)
を得た。この組成物を、湿式または乾式で、アルミナ質
ボールミル中で充分粉砕して、平均粒径1〜10μmの
ガラス粉末とした。
−1〜G−9は実施例のもの、G−10〜G−18は比
較例のものである)に示す割合に調合されたSiO2、
Al2O3,MgO、および、核発生剤からなる原料そ
れぞれをアルミナ質ルツボ内に入れて約1500〜15
50℃の加熱温度下で溶融した。このようにして得られ
た溶融液を水中に投下して、ガラス組成物(フリット)
を得た。この組成物を、湿式または乾式で、アルミナ質
ボールミル中で充分粉砕して、平均粒径1〜10μmの
ガラス粉末とした。
このガラス粉末に、第2表の実施例1〜20および比較
例1〜8に示す割合にフィラー粉末を調合し、さらに、
有機バインダーとして、たとえば、ポリブチルメタクリ
レート樹脂、フタル酸ジブチル、キシレン等を加え混練
し、減圧下で脱泡処理した。そのあと、この混練体を用
いてドクタブレード法によりフィルムシート上に0.2mm
厚の連続シートを作製した。これを乾燥した後、フィル
ムシートからはがし、5mm角となるように打ち抜きして
グリーンシートを作製した。
例1〜8に示す割合にフィラー粉末を調合し、さらに、
有機バインダーとして、たとえば、ポリブチルメタクリ
レート樹脂、フタル酸ジブチル、キシレン等を加え混練
し、減圧下で脱泡処理した。そのあと、この混練体を用
いてドクタブレード法によりフィルムシート上に0.2mm
厚の連続シートを作製した。これを乾燥した後、フィル
ムシートからはがし、5mm角となるように打ち抜きして
グリーンシートを作製した。
このグリーンシート複数枚を重ねて金型プレスで成形し
て成形体としたのち、焼成した。焼成時には、200℃
/時間の速度で、それぞれ第3表および第5表に示した
850〜1000℃の温度まで昇温し、この状態を3時
間保持したあと、200℃/時間の速度で降温した。
て成形体としたのち、焼成した。焼成時には、200℃
/時間の速度で、それぞれ第3表および第5表に示した
850〜1000℃の温度まで昇温し、この状態を3時
間保持したあと、200℃/時間の速度で降温した。
このようにして得た実施例1〜20および比較例1〜15
の焼結体について誘電率(比誘電率)および吸水率を測
定し、その結果を第2表に示した。なお、ガラスフリッ
ト作製時の失透(結晶化)の有無、熱膨張率、熱伝導率
も併せて示した。比誘電率の測定は、1MHzの周波数で
行った。吸水率の測定は、JIS C-2141に従って行った。
の焼結体について誘電率(比誘電率)および吸水率を測
定し、その結果を第2表に示した。なお、ガラスフリッ
ト作製時の失透(結晶化)の有無、熱膨張率、熱伝導率
も併せて示した。比誘電率の測定は、1MHzの周波数で
行った。吸水率の測定は、JIS C-2141に従って行った。
第2表にみるように、実施例1〜20の焼結体では、比
較例1〜15の焼結体と比べて、1000℃以下の焼成
温度であるにもかかわらず極めて緻密な焼結状態が達成
されている。比誘電率も、充分に実用性のある小さな値
となっている。熱膨張率、熱伝導率も良好である。
較例1〜15の焼結体と比べて、1000℃以下の焼成
温度であるにもかかわらず極めて緻密な焼結状態が達成
されている。比誘電率も、充分に実用性のある小さな値
となっている。熱膨張率、熱伝導率も良好である。
なお、比較例1〜15の焼結体は、1100℃以上の温
度で焼成しないと、緻密な焼結体とはならなかった。ま
た、比較例1〜15の焼結体は緻密な焼結状態ではない
ので、比誘電率の値は見掛け上の値(測定値は小さめに
出る)で、材料そのものの真の値ではない。このため、
比較例では、比誘電率は表示していない。
度で焼成しないと、緻密な焼結体とはならなかった。ま
た、比較例1〜15の焼結体は緻密な焼結状態ではない
ので、比誘電率の値は見掛け上の値(測定値は小さめに
出る)で、材料そのものの真の値ではない。このため、
比較例では、比誘電率は表示していない。
この発明のガラスセラミック焼結体は、以上にみるよう
に、上記の組成のガラス組成物の粉末とフィラー粉末と
が上記割合で混合されている粉末の成形体を焼成してな
るので、緻密でしかも、小さい比誘電率となっているだ
けでなく、それが1000℃以下の焼結温度で達成する
ことができる。したがって、緻密で低比誘電率であるこ
とから、この焼結体は多層配線基板材料に適するものと
なり、1000℃以下の焼成温度であるため、低抵抗金
属材料を印刷するなどして同時に焼成を行い、配線を形
成することもできる。
に、上記の組成のガラス組成物の粉末とフィラー粉末と
が上記割合で混合されている粉末の成形体を焼成してな
るので、緻密でしかも、小さい比誘電率となっているだ
けでなく、それが1000℃以下の焼結温度で達成する
ことができる。したがって、緻密で低比誘電率であるこ
とから、この焼結体は多層配線基板材料に適するものと
なり、1000℃以下の焼成温度であるため、低抵抗金
属材料を印刷するなどして同時に焼成を行い、配線を形
成することもできる。
第1図は低抵抗金属材料配線の温度と収縮率の関係をあ
らわすグラフ、第2図はガラス粉末成形体の温度と収縮
率の関係をあらわすグラフである。
らわすグラフ、第2図はガラス粉末成形体の温度と収縮
率の関係をあらわすグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 昭一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−11847(JP,A) 特開 昭59−162169(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】ガラス組成物粉末とフィラーとの混合物を
焼成して得られるガラスセラミック焼結体であって、前
記ガラス組成物粉末が、 SiO2が48〜63重量%、 Al2O3が10〜25重量%、 MgOが10〜25重量%、 B2O3が4〜10重量%、 からなる母ガラスに、TiO2,ZrO2,SnO2,
P2O5,ZnO,MoO3およびAs2O3からなる
群より選ばれた少なくとも1つよりなる核発生剤が5重
量%以下含まれるような組成であり、ガラス組成物粉末
とフィラーとが、 ガラス組成物粉末が70〜95重量%、 フィラーが5〜30重量%、 の混合割合となっていることを特徴とするガラスセラミ
ック焼結体。 - 【請求項2】フィラーが、α−石英、溶融シリカ、クリ
ストバライト、コーディエライト、ステアタイト、フォ
ルステライト、ウォラストナイト、アノーサイト,セル
ジアン,ムライトおよびアルミナからなる群より選ばれ
た少なくとも1種である特許請求の範囲第1項記載のガ
ラスセラミック焼結体。 - 【請求項3】焼成が1000℃以下の温度で行われる特
許請求の範囲第1項または第2項記載のガラスセラミッ
ク焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61191889A JPH0617249B2 (ja) | 1986-08-15 | 1986-08-15 | ガラスセラミツク焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61191889A JPH0617249B2 (ja) | 1986-08-15 | 1986-08-15 | ガラスセラミツク焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6350345A JPS6350345A (ja) | 1988-03-03 |
JPH0617249B2 true JPH0617249B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=16282134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61191889A Expired - Lifetime JPH0617249B2 (ja) | 1986-08-15 | 1986-08-15 | ガラスセラミツク焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0617249B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2712031B2 (ja) * | 1988-07-22 | 1998-02-10 | 岩城硝子株式会社 | 回路基板用組成物及びそれを使用した電子部品 |
JPH0683008B2 (ja) * | 1989-08-22 | 1994-10-19 | セイコー電子部品株式会社 | 面実装型圧電振動子の容器 |
DE10114581C2 (de) | 2001-03-24 | 2003-03-27 | Schott Glas | Alkalifreies Aluminoborosilicatglas und Verwendungen |
JP3740158B2 (ja) * | 2002-07-16 | 2006-02-01 | Tdk株式会社 | フラットパネルディスプレイ用基板および薄膜el素子 |
KR101038772B1 (ko) * | 2008-12-05 | 2011-06-03 | 한국과학기술연구원 | 저온소성용 저유전율 세라믹 유전체 조성물 및 저유전율 세라믹 유전체 |
JP2016128361A (ja) * | 2013-03-26 | 2016-07-14 | 日本碍子株式会社 | ガラス−セラミックス複合材料 |
WO2019191350A1 (en) | 2018-03-28 | 2019-10-03 | Corning Incorporated | Boron phosphate glass-ceramics with low dielectric loss |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4301324A (en) * | 1978-02-06 | 1981-11-17 | International Business Machines Corporation | Glass-ceramic structures and sintered multilayer substrates thereof with circuit patterns of gold, silver or copper |
JPS5964545A (ja) * | 1982-10-04 | 1984-04-12 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ガラス−セラミツク複合体 |
JPS6042246A (ja) * | 1983-08-18 | 1985-03-06 | Toshiba Corp | 基板用ガラス |
JPS60235744A (ja) * | 1984-05-04 | 1985-11-22 | Asahi Glass Co Ltd | セラミック基板用組成物 |
-
1986
- 1986-08-15 JP JP61191889A patent/JPH0617249B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6350345A (ja) | 1988-03-03 |
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