JPH0723252B2 - 低温焼結性低誘電率無機組成物 - Google Patents
低温焼結性低誘電率無機組成物Info
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- JPH0723252B2 JPH0723252B2 JP3213078A JP21307891A JPH0723252B2 JP H0723252 B2 JPH0723252 B2 JP H0723252B2 JP 3213078 A JP3213078 A JP 3213078A JP 21307891 A JP21307891 A JP 21307891A JP H0723252 B2 JPH0723252 B2 JP H0723252B2
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- H05K1/0306—Inorganic insulating substrates, e.g. ceramic, glass
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- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温焼結性低誘電率無機
組成物に関し、さらに詳しくは、主として超高速VLS
I素子を実装する多層セラミック配線基板に用いられ、
1000℃以下の低温での焼結が可能で、誘電率が低
く、高強度の無機組成物に関するものである。
組成物に関し、さらに詳しくは、主として超高速VLS
I素子を実装する多層セラミック配線基板に用いられ、
1000℃以下の低温での焼結が可能で、誘電率が低
く、高強度の無機組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ICやLSI等の半導体素子は、
ガラスエポキシ等のプリント回路基板あるいはアルミナ
セラミック基板に実装されていたが、半導体素子の高集
積化、微細化、高速化に伴い、実装用基板に対しても高
密度微細配線化、高速伝送化、高周波数化、高熱放散化
の要求が増えてきた。従来のプリント基板には、スル―
ホ―ルメッキ性、加工性、多層化接着、高温での熱変形
等の問題があり、高密度化には限界がある。そのため、
高密度実装基板としては未だ実用化には至っておらず、
セラミック基板のほうが可能性を秘めている。しかし、
アルミナ基板も1500℃以上の高温で焼結しなければ
ならないため、同時焼成される配線導体材料としては比
較的比抵抗の高いW、Mo等の高融点金属に限定され
る。したがって、パルス信号の伝送損失を考慮に入れた
場合、配線パタ−ンの微細化には限界が生じてしまう。
そこで開発されたのが低温焼結性多層セラミック基板で
ある。絶縁材料としては、アルミナとガラスの複合材料
系や結晶化ガラス系等があるが、いずれも1000℃以
下で焼結するため、配線導体材料として比抵抗の低いA
u、Ag−Pd、Cu等の低融点金属を用いることがで
きる。また、グリ―ンシ―ト多層化法を使うことができ
るため、高密度微細配線化に非常に有利である。
ガラスエポキシ等のプリント回路基板あるいはアルミナ
セラミック基板に実装されていたが、半導体素子の高集
積化、微細化、高速化に伴い、実装用基板に対しても高
密度微細配線化、高速伝送化、高周波数化、高熱放散化
の要求が増えてきた。従来のプリント基板には、スル―
ホ―ルメッキ性、加工性、多層化接着、高温での熱変形
等の問題があり、高密度化には限界がある。そのため、
高密度実装基板としては未だ実用化には至っておらず、
セラミック基板のほうが可能性を秘めている。しかし、
アルミナ基板も1500℃以上の高温で焼結しなければ
ならないため、同時焼成される配線導体材料としては比
較的比抵抗の高いW、Mo等の高融点金属に限定され
る。したがって、パルス信号の伝送損失を考慮に入れた
場合、配線パタ−ンの微細化には限界が生じてしまう。
そこで開発されたのが低温焼結性多層セラミック基板で
ある。絶縁材料としては、アルミナとガラスの複合材料
系や結晶化ガラス系等があるが、いずれも1000℃以
下で焼結するため、配線導体材料として比抵抗の低いA
u、Ag−Pd、Cu等の低融点金属を用いることがで
きる。また、グリ―ンシ―ト多層化法を使うことができ
るため、高密度微細配線化に非常に有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、高速伝送化に対
しては、パルス信号の伝播遅延時間が基板材料の誘電率
の平方根に比例するため、基板材料の低誘電率化が必要
不可欠となる。ところが、アルミナ基板(誘電率=約1
0)はもちろんのこと、低温焼結性セラミック基板もア
ルミナに比べ低いものの、十分な低誘電率化は図られて
いなかった。そこで、ホストセラミックとしてアルミナ
に代わり、石英ガラスやコ−ディエライト、ムライト等
の誘電率の低い材料を適用し、ガラスも成分が酸化ケイ
素や酸化ホウ素を主体とした誘電率の低い組成が検討さ
れている。しかし逆に、上記材料は、誘電率は十分低い
ものの、強度等の機械的特性の低下が生じ、製造プロセ
ス上あるいは素子を搭載する際非常に問題となる。本発
明の目的は、このような従来の問題点を解決することに
より、低い誘電率を有し、かつ強度も強い1000℃以
下の低温焼成が可能な高密度実装多層セラミック基板の
絶縁層用無機組成物を提供することにある。
しては、パルス信号の伝播遅延時間が基板材料の誘電率
の平方根に比例するため、基板材料の低誘電率化が必要
不可欠となる。ところが、アルミナ基板(誘電率=約1
0)はもちろんのこと、低温焼結性セラミック基板もア
ルミナに比べ低いものの、十分な低誘電率化は図られて
いなかった。そこで、ホストセラミックとしてアルミナ
に代わり、石英ガラスやコ−ディエライト、ムライト等
の誘電率の低い材料を適用し、ガラスも成分が酸化ケイ
素や酸化ホウ素を主体とした誘電率の低い組成が検討さ
れている。しかし逆に、上記材料は、誘電率は十分低い
ものの、強度等の機械的特性の低下が生じ、製造プロセ
ス上あるいは素子を搭載する際非常に問題となる。本発
明の目的は、このような従来の問題点を解決することに
より、低い誘電率を有し、かつ強度も強い1000℃以
下の低温焼成が可能な高密度実装多層セラミック基板の
絶縁層用無機組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック材
料のコ―ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸
鉛系ガラスからなる3成分系無機組成物であって、コ―
ディエライト系:X、石英ガラス:Y、ホウケイ酸鉛系
ガラス:Z(重量%比率)と表示したとき(X+Y+Z
=100)、この3成分系組成図において以下の組成
点、 (X=35,Y=0,Z=65) …(a) (X=65,Y=0,Z=35) …(b) (X=0,Y=65,Z=35) …(c) (X=0,Y=35,Z=65) …(d) の各点を結ぶ線上、およびこの4点に囲まれる組成範囲
にあることを特徴とする低温焼結性低誘電率無機組成物
である。またホウケイ酸鉛系ガラスは、酸化物換算表記
に従ったとき、主成分が酸化ケイ素:50〜75重量
%、酸化ホウ素:1〜30重量%、酸化鉛:1〜30重
量%、I族元素酸化物:0.1〜5重量%、II族元素酸
化物0.1〜15重量%、酸化チタン:0.1〜1重量
%、酸化ジルコニウム:0.1〜1重量%の組成範囲
で、合計量が100重量%になるように構成されている
ことを好適とする。
料のコ―ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸
鉛系ガラスからなる3成分系無機組成物であって、コ―
ディエライト系:X、石英ガラス:Y、ホウケイ酸鉛系
ガラス:Z(重量%比率)と表示したとき(X+Y+Z
=100)、この3成分系組成図において以下の組成
点、 (X=35,Y=0,Z=65) …(a) (X=65,Y=0,Z=35) …(b) (X=0,Y=65,Z=35) …(c) (X=0,Y=35,Z=65) …(d) の各点を結ぶ線上、およびこの4点に囲まれる組成範囲
にあることを特徴とする低温焼結性低誘電率無機組成物
である。またホウケイ酸鉛系ガラスは、酸化物換算表記
に従ったとき、主成分が酸化ケイ素:50〜75重量
%、酸化ホウ素:1〜30重量%、酸化鉛:1〜30重
量%、I族元素酸化物:0.1〜5重量%、II族元素酸
化物0.1〜15重量%、酸化チタン:0.1〜1重量
%、酸化ジルコニウム:0.1〜1重量%の組成範囲
で、合計量が100重量%になるように構成されている
ことを好適とする。
【0005】本発明の低温焼結性低誘電率無機組成物
は、例えば次のような材料や方法によって製造できる。
即ち、ホウケイ酸鉛系ガラスの調整に当たっては、目標
組成となるように各成分の原料を秤量してバッチを作製
し、このバッチを1400℃以上の高温で2〜4時間加
熱、溶解し、ガラス化させる。溶解ガラスを水冷、ある
いは厚い鉄板上に流してフレ−ク状に成形し、得られた
ガラス片をアルミナボ−ルミル等で微粉砕し、平均粒径
0.5〜3μmのガラス粉末を得る。一方、コ―ディエ
ライト系や石英ガラスも粉砕により平均粒径0.5〜5
μmの微粉末とする。上記の方法で得られたガラス粉末
に、コ―ディエライト系や石英ガラス粉末を目標組成と
なるように配合し、ボ−ルミル等で1〜3時間混合し、
ホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエライト系、石英
ガラス粉末との均質な混合粉末、即ち本発明の低温焼結
性低誘電率無機組成物を得る。なお、この際に用いられ
るホウケイ酸鉛系ガラス粉末は明確化のため酸化物に換
算表記したが、鉱物、酸化物、炭酸塩、水酸化物等の形
で、通常の方法により使用してもよい。さらに、前記に
よって得られた本発明の粉末状無機組成物は、例えばグ
リ―ンシ―ト積層法により成形される。即ち、粉末にビ
ヒクルを添加混合し、高速ミキサ−やボ−ルミル等を用
いて十分混練し、均一に分散させてスラリ−を調整し、
これをスリップキャスティング法により絶縁層を形成す
るのに適した膜厚のグリ―ンシ―トとする。なお、バイ
ンダや溶剤等の有機ビヒクル類は通常用いられているも
ので十分であり、成分についてはなんら限定を要しな
い。次に、上下導体を接続するスル―ホ―ルをシ−トに
形成した後、導体印刷をスル―ホ―ルに導体ペ−ストが
詰まるように行い、これらを所望の多層構造となるよう
に積層、熱圧着する。成形時に添加された有機ビヒクル
を除去した後、焼成することにより、多層セラミック配
線基板が得られる。
は、例えば次のような材料や方法によって製造できる。
即ち、ホウケイ酸鉛系ガラスの調整に当たっては、目標
組成となるように各成分の原料を秤量してバッチを作製
し、このバッチを1400℃以上の高温で2〜4時間加
熱、溶解し、ガラス化させる。溶解ガラスを水冷、ある
いは厚い鉄板上に流してフレ−ク状に成形し、得られた
ガラス片をアルミナボ−ルミル等で微粉砕し、平均粒径
0.5〜3μmのガラス粉末を得る。一方、コ―ディエ
ライト系や石英ガラスも粉砕により平均粒径0.5〜5
μmの微粉末とする。上記の方法で得られたガラス粉末
に、コ―ディエライト系や石英ガラス粉末を目標組成と
なるように配合し、ボ−ルミル等で1〜3時間混合し、
ホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエライト系、石英
ガラス粉末との均質な混合粉末、即ち本発明の低温焼結
性低誘電率無機組成物を得る。なお、この際に用いられ
るホウケイ酸鉛系ガラス粉末は明確化のため酸化物に換
算表記したが、鉱物、酸化物、炭酸塩、水酸化物等の形
で、通常の方法により使用してもよい。さらに、前記に
よって得られた本発明の粉末状無機組成物は、例えばグ
リ―ンシ―ト積層法により成形される。即ち、粉末にビ
ヒクルを添加混合し、高速ミキサ−やボ−ルミル等を用
いて十分混練し、均一に分散させてスラリ−を調整し、
これをスリップキャスティング法により絶縁層を形成す
るのに適した膜厚のグリ―ンシ―トとする。なお、バイ
ンダや溶剤等の有機ビヒクル類は通常用いられているも
ので十分であり、成分についてはなんら限定を要しな
い。次に、上下導体を接続するスル―ホ―ルをシ−トに
形成した後、導体印刷をスル―ホ―ルに導体ペ−ストが
詰まるように行い、これらを所望の多層構造となるよう
に積層、熱圧着する。成形時に添加された有機ビヒクル
を除去した後、焼成することにより、多層セラミック配
線基板が得られる。
【0006】次に、本発明において低温焼結性低誘電率
無機組成物のホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエラ
イト系および石英ガラス粉末の組成や、ホウケイ酸鉛系
ガラス粉末の組成について、それぞれの範囲を特許請求
の範囲に記したごとく限定した理由について述べる。本
発明に係る低温焼結性低誘電率無機組成物の成分組成範
囲を示す3成分系組成図を図1に示す。図中、(a),
(b),(c)および(d)は各組成点を表し、本発明
に含まれる組成範囲は図の斜線で示す範囲およびその境
界上である。成分組成範囲を表す3成分系組成図におい
て、Z(ホウケイ酸鉛系ガラス重量比率)が35重量%
未満の本発明の範囲に含まれない領域では、1000℃
以下での低温焼結が困難で、緻密な層が得られないため
吸水が起こり、信頼性が低下してしまう。一方、Zが6
5重量%を超えた本発明の範囲に含まれない領域では、
800℃以上の焼成で発泡や変形,反りが発生し、絶縁
抵抗や強度の低下をもたらしてしまう。
無機組成物のホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエラ
イト系および石英ガラス粉末の組成や、ホウケイ酸鉛系
ガラス粉末の組成について、それぞれの範囲を特許請求
の範囲に記したごとく限定した理由について述べる。本
発明に係る低温焼結性低誘電率無機組成物の成分組成範
囲を示す3成分系組成図を図1に示す。図中、(a),
(b),(c)および(d)は各組成点を表し、本発明
に含まれる組成範囲は図の斜線で示す範囲およびその境
界上である。成分組成範囲を表す3成分系組成図におい
て、Z(ホウケイ酸鉛系ガラス重量比率)が35重量%
未満の本発明の範囲に含まれない領域では、1000℃
以下での低温焼結が困難で、緻密な層が得られないため
吸水が起こり、信頼性が低下してしまう。一方、Zが6
5重量%を超えた本発明の範囲に含まれない領域では、
800℃以上の焼成で発泡や変形,反りが発生し、絶縁
抵抗や強度の低下をもたらしてしまう。
【0007】次に、本発明に係る低温焼結性低誘電率無
機組成物の主成分の一つであるホウケイ酸鉛系ガラス粉
末の組成について述べれば、酸化ケイ素および酸化ホウ
素はいずれもガラスのネットワ−クフォ−マ−である。
酸化ケイ素が75重量%を超えると、ガラスの軟化点は
高く、ガラス比率を増やさないと低温での焼成が難しく
なり、そのため機械的特性は低下する。逆に50重量%
未満では、ガラスの軟化点が低くなり過ぎ、800℃以
上の焼成で発泡あるいは変形,反りが発生してしまう。
一方、酸化ホウ素の場合、30重量%を超えると、急激
にガラスの軟化点は下がり、熱処理時の変形や反りが起
こりやすくなる。また、微量添加することはガラスの耐
久性や耐熱性の向上、失透抑制等の安定性上必要であ
る。酸化鉛の添加は誘電率を上昇させるが、軟化点の低
下や比重の増加をもたらすため、焼結性は改善され、強
度も強くなる。その効果が顕著に現れるのは、ガラスの
安定性も考慮に入れ、1〜30重量%の範囲である。他
の成分は、ガラスの溶解性あるいは安定性を制御するた
めに、いずれも微量ずつ加えられているが、多すぎると
誘電率や熱膨張係数は上昇してしまう。したがって、ホ
ウケイ酸鉛系ガラス粉末における酸化ケイ素と酸化ホウ
素および酸化鉛の比率が本発明において最も重要な意味
を持っている。
機組成物の主成分の一つであるホウケイ酸鉛系ガラス粉
末の組成について述べれば、酸化ケイ素および酸化ホウ
素はいずれもガラスのネットワ−クフォ−マ−である。
酸化ケイ素が75重量%を超えると、ガラスの軟化点は
高く、ガラス比率を増やさないと低温での焼成が難しく
なり、そのため機械的特性は低下する。逆に50重量%
未満では、ガラスの軟化点が低くなり過ぎ、800℃以
上の焼成で発泡あるいは変形,反りが発生してしまう。
一方、酸化ホウ素の場合、30重量%を超えると、急激
にガラスの軟化点は下がり、熱処理時の変形や反りが起
こりやすくなる。また、微量添加することはガラスの耐
久性や耐熱性の向上、失透抑制等の安定性上必要であ
る。酸化鉛の添加は誘電率を上昇させるが、軟化点の低
下や比重の増加をもたらすため、焼結性は改善され、強
度も強くなる。その効果が顕著に現れるのは、ガラスの
安定性も考慮に入れ、1〜30重量%の範囲である。他
の成分は、ガラスの溶解性あるいは安定性を制御するた
めに、いずれも微量ずつ加えられているが、多すぎると
誘電率や熱膨張係数は上昇してしまう。したがって、ホ
ウケイ酸鉛系ガラス粉末における酸化ケイ素と酸化ホウ
素および酸化鉛の比率が本発明において最も重要な意味
を持っている。
【0008】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の%表示
は特に断わりがない限り、すべて重量基準であるものと
する。 実施例1〜15、比較例1〜6 表1の組成比(I)に示すような組成を有するガラス粉
末を製造し、さらにアルコ−ルを分散媒として48時間
湿式粉砕した。これをふるいで整粒した後、アルコ−ル
を濾過、乾燥させ、平均粒径2.0μm、BET比表面
積6m2/gの粒度を有するホウケイ酸鉛系ガラス粉末
を得た。次に、これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末
(Z)と、平均粒径が2.6μm、BET比表面積が5
m2/gのコ―ディエライト系粉末(X)、および平均
粒径が3.7μm、BET比表面積が6m2/gの石英
ガラス粉末(Y)をそれぞれ表2に示す比率で配合し
た。配合は、それぞれの粉末を所定量秤量し、ボ−ルミ
ルで分散媒としてアルコ−ルを用い、3時間混合した
後、アルコ−ルを濾過、乾燥させ、均質な混合粉末とし
た。得られた無機組成物の評価は、グリ―ンシ―ト積層
法により作成した印刷を施していない生積層体を切断
し、電気炉中で有機ビヒクルを除去した後、焼成した試
料を用いて行った。なお、本発明の組成範囲の試料は、
空気中、800〜1000℃の温度で2時間焼成し、空
隙率が5%以下となる温度を最適とした。評価として、
誘電率、絶縁抵抗、抗折強度、変形・反り発生
の有無の測定を各々の試料について行った。誘電率は1
MHzで測定した。なお、電極は試料の上下面に導電性
銀ペ−ストを塗布後、600℃で焼き付けた。絶縁抵抗
は印加電圧100Vで測定した。抗折強度は3点曲げ、
幅10mmで測定した。
詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の%表示
は特に断わりがない限り、すべて重量基準であるものと
する。 実施例1〜15、比較例1〜6 表1の組成比(I)に示すような組成を有するガラス粉
末を製造し、さらにアルコ−ルを分散媒として48時間
湿式粉砕した。これをふるいで整粒した後、アルコ−ル
を濾過、乾燥させ、平均粒径2.0μm、BET比表面
積6m2/gの粒度を有するホウケイ酸鉛系ガラス粉末
を得た。次に、これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末
(Z)と、平均粒径が2.6μm、BET比表面積が5
m2/gのコ―ディエライト系粉末(X)、および平均
粒径が3.7μm、BET比表面積が6m2/gの石英
ガラス粉末(Y)をそれぞれ表2に示す比率で配合し
た。配合は、それぞれの粉末を所定量秤量し、ボ−ルミ
ルで分散媒としてアルコ−ルを用い、3時間混合した
後、アルコ−ルを濾過、乾燥させ、均質な混合粉末とし
た。得られた無機組成物の評価は、グリ―ンシ―ト積層
法により作成した印刷を施していない生積層体を切断
し、電気炉中で有機ビヒクルを除去した後、焼成した試
料を用いて行った。なお、本発明の組成範囲の試料は、
空気中、800〜1000℃の温度で2時間焼成し、空
隙率が5%以下となる温度を最適とした。評価として、
誘電率、絶縁抵抗、抗折強度、変形・反り発生
の有無の測定を各々の試料について行った。誘電率は1
MHzで測定した。なお、電極は試料の上下面に導電性
銀ペ−ストを塗布後、600℃で焼き付けた。絶縁抵抗
は印加電圧100Vで測定した。抗折強度は3点曲げ、
幅10mmで測定した。
【0009】このようにして得られた無機組成物のコ―
ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラ
スの配合比率と、誘電率、絶縁抵抗、抗折強度および変
形・反り発生の有無の関係を表2に示す。表2におい
て、Xはコ―ディエライト系、Yは石英ガラスおよびZ
はホウケイ酸鉛系ガラスをそれぞれ示す。後記する表3
〜6においても同様である。表2から明らかなように、
コ―ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系
ガラスからなる3成分系無機組成物において、本発明の
成分組成範囲内のもの(実施例1〜15)は、誘電率が
4.32〜5.62と十分低く、絶縁抵抗がいずれも1
013Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。こ
のことは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留が
ないことを意味している。また、従来の低誘電率セラミ
ック材料の抗折強度は1000kg/cm2程度だが、
本発明の成分組成範囲内のものはいずれも1350以上
と高く、最大2350に達する。また、ガラスの過度の
軟化による変形も発生しておらず、反りは200μm以
下の値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので
比較例1〜3は、過度の焼結により発泡してしまい、誘
電率は低いものの、絶縁性が劣化している。また、変形
・反りも発生して実用上支障をきたす。比較例4〜6
は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないため、1000
℃以下の低温での焼結が行えず、上記同様、絶縁性や強
度の低下が起こってしまう。
ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラ
スの配合比率と、誘電率、絶縁抵抗、抗折強度および変
形・反り発生の有無の関係を表2に示す。表2におい
て、Xはコ―ディエライト系、Yは石英ガラスおよびZ
はホウケイ酸鉛系ガラスをそれぞれ示す。後記する表3
〜6においても同様である。表2から明らかなように、
コ―ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系
ガラスからなる3成分系無機組成物において、本発明の
成分組成範囲内のもの(実施例1〜15)は、誘電率が
4.32〜5.62と十分低く、絶縁抵抗がいずれも1
013Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。こ
のことは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留が
ないことを意味している。また、従来の低誘電率セラミ
ック材料の抗折強度は1000kg/cm2程度だが、
本発明の成分組成範囲内のものはいずれも1350以上
と高く、最大2350に達する。また、ガラスの過度の
軟化による変形も発生しておらず、反りは200μm以
下の値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので
比較例1〜3は、過度の焼結により発泡してしまい、誘
電率は低いものの、絶縁性が劣化している。また、変形
・反りも発生して実用上支障をきたす。比較例4〜6
は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないため、1000
℃以下の低温での焼結が行えず、上記同様、絶縁性や強
度の低下が起こってしまう。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】実施例16〜30、比較例7〜12 表1の組成比(II)に示す組成のガラスを平均粒径1.
9μm、BET比表面積7m2/gの粉末粒度に調整し
た。これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエラ
イト系および石英ガラス粉末を表3に示す配合比率で、
実施例1〜15と同様の方法で試料を作成、評価した。
その結果を表3に示す。表3から明らかなように、コ―
ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラ
スからなる3成分系無機組成物において、本発明の成分
組成範囲内のもの(実施例16〜30)は、誘電率が
4.37〜5.87と十分低く、絶縁抵抗がいずれも1
013Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。こ
のことは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留が
ないことを意味している。また、本発明の成分組成範囲
内の抗折強度はいずれも1300kg/cm2以上と高
く、最大2350に達する。また、ガラスの過度の軟化
による変形も発生しておらず、反りは200μm以下の
値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので比較
例7〜9は、過度の焼結により発泡してしまい、誘電率
は低いものの、絶縁性が劣化している。また、変形・反
りも発生して実用上支障をきたす。比較例10〜12
は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないため、1000
℃以下の低温での焼結が行えず、上記同様、絶縁性や強
度の低下が起こってしまう。
9μm、BET比表面積7m2/gの粉末粒度に調整し
た。これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエラ
イト系および石英ガラス粉末を表3に示す配合比率で、
実施例1〜15と同様の方法で試料を作成、評価した。
その結果を表3に示す。表3から明らかなように、コ―
ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラ
スからなる3成分系無機組成物において、本発明の成分
組成範囲内のもの(実施例16〜30)は、誘電率が
4.37〜5.87と十分低く、絶縁抵抗がいずれも1
013Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。こ
のことは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留が
ないことを意味している。また、本発明の成分組成範囲
内の抗折強度はいずれも1300kg/cm2以上と高
く、最大2350に達する。また、ガラスの過度の軟化
による変形も発生しておらず、反りは200μm以下の
値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので比較
例7〜9は、過度の焼結により発泡してしまい、誘電率
は低いものの、絶縁性が劣化している。また、変形・反
りも発生して実用上支障をきたす。比較例10〜12
は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないため、1000
℃以下の低温での焼結が行えず、上記同様、絶縁性や強
度の低下が起こってしまう。
【0013】
【表3】
【0014】実施例31〜45、比較例13〜18 表1の組成比(III)に示す組成のガラスを平均粒径
1.8μm、BET比表面積7m2/gの粉末粒度に調
整した。これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディ
エライト系および石英ガラス粉末を表4に示す配合比率
で、実施例1〜15と同様の方法で試料を作成、評価し
た。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、
コ―ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系
ガラスからなる3成分系無機組成物において、本発明の
成分組成範囲内のもの(実施例31〜45)は、誘電率
が4.31〜6.02と低く、絶縁抵抗がいずれも10
13Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。この
ことは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留がな
いことを意味している。また、本発明の成分組成範囲内
の抗折強度はいずれも1350kg/cm2以上と高
く、最大2400にまで達する。また、ガラスの過度の
軟化による変形も発生しておらず、反りは200μm以
下の値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので
比較例13〜15は、過度の焼結により発泡してしま
い、誘電率は低いものの、絶縁性が劣化している。ま
た、変形・反りも発生して実用上支障をきたす。比較例
16〜18は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないた
め、1000℃以下の低温での焼結が行えず、上記同
様、絶縁性や強度の低下が起こってしまう。
1.8μm、BET比表面積7m2/gの粉末粒度に調
整した。これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディ
エライト系および石英ガラス粉末を表4に示す配合比率
で、実施例1〜15と同様の方法で試料を作成、評価し
た。その結果を表4に示す。表4から明らかなように、
コ―ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系
ガラスからなる3成分系無機組成物において、本発明の
成分組成範囲内のもの(実施例31〜45)は、誘電率
が4.31〜6.02と低く、絶縁抵抗がいずれも10
13Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。この
ことは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留がな
いことを意味している。また、本発明の成分組成範囲内
の抗折強度はいずれも1350kg/cm2以上と高
く、最大2400にまで達する。また、ガラスの過度の
軟化による変形も発生しておらず、反りは200μm以
下の値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので
比較例13〜15は、過度の焼結により発泡してしま
い、誘電率は低いものの、絶縁性が劣化している。ま
た、変形・反りも発生して実用上支障をきたす。比較例
16〜18は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないた
め、1000℃以下の低温での焼結が行えず、上記同
様、絶縁性や強度の低下が起こってしまう。
【0015】
【表4】
【0016】実施例46〜60、比較例19〜24 表1の組成比(IV)に示す組成のガラスを平均粒径2.
0μm、BET比表面積7m2/gの粉末粒度に調整し
た。これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエラ
イト系および石英ガラス粉末を表5に示す配合比率で、
実施例1〜15と同様の方法で試料を作成、評価した。
その結果を表5に示す。表5から明らかなように、コ―
ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラ
スからなる3成分系無機組成物において、本発明の成分
組成範囲内のもの(実施例46〜60)は、誘電率が
4.82〜6.10と低く、絶縁抵抗がいずれも1013
Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。このこ
とは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留がない
ことを意味している。また、本発明の成分組成範囲内の
抗折強度はいずれも1700kg/cm2以上と高く、
最大2650にまで達する。また、ガラスの過度の軟化
による変形も発生しておらず、反りは200μm以下の
値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので比較
例19〜21は、過度の焼結により発泡してしまい、誘
電率は低いものの、絶縁性が劣化している。また、変形
・反りも発生して実用上支障をきたす。比較例22〜2
4は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないため、100
0℃以下の低温での焼結が行えず、上記同様、絶縁性や
強度の低下が起こってしまう。
0μm、BET比表面積7m2/gの粉末粒度に調整し
た。これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエラ
イト系および石英ガラス粉末を表5に示す配合比率で、
実施例1〜15と同様の方法で試料を作成、評価した。
その結果を表5に示す。表5から明らかなように、コ―
ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラ
スからなる3成分系無機組成物において、本発明の成分
組成範囲内のもの(実施例46〜60)は、誘電率が
4.82〜6.10と低く、絶縁抵抗がいずれも1013
Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。このこ
とは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留がない
ことを意味している。また、本発明の成分組成範囲内の
抗折強度はいずれも1700kg/cm2以上と高く、
最大2650にまで達する。また、ガラスの過度の軟化
による変形も発生しておらず、反りは200μm以下の
値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので比較
例19〜21は、過度の焼結により発泡してしまい、誘
電率は低いものの、絶縁性が劣化している。また、変形
・反りも発生して実用上支障をきたす。比較例22〜2
4は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないため、100
0℃以下の低温での焼結が行えず、上記同様、絶縁性や
強度の低下が起こってしまう。
【0016】
【表5】
【0017】実施例61〜75、比較例25〜30 表1の組成比(V)に示す組成のガラスを平均粒径1.
8μm、BET比表面積9m2/gの粉末粒度に調整し
た。これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエラ
イト系および石英ガラス粉末を表6に示す配合比率で、
実施例1〜15と同様の方法で試料を作成、評価した。
その結果を表6に示す。表6から明らかなように、コ―
ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラ
スからなる3成分系無機組成物において、本発明の成分
組成範囲内のもの(実施例61〜75)は、誘電率が
4.83〜6.73と低く、絶縁抵抗がいずれも1013
Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。このこ
とは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留がない
ことを意味している。また、本発明の成分組成範囲内の
抗折強度はいずれも1900kg/cm2以上と高く、
最大2850にまで達する。また、ガラスの過度の軟化
による変形も発生しておらず、反りは200μm以下の
値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので比較
例25〜27は、過度の焼結により発泡してしまい、誘
電率は低いものの、絶縁性が劣化している。また、変形
・反りも発生して実用上支障をきたす。比較例28〜3
0は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないため、100
0℃以下の低温での焼結が行えず、上記同様、絶縁性や
強度の低下が起こってしまう。なお、実施例および比較
例で用いた成分配合比における各組成点を図2に示す。
図中の番号1,2,……,21は、それぞれ表2〜6に
おける成分配合比番号に相当する。
8μm、BET比表面積9m2/gの粉末粒度に調整し
た。これらのホウケイ酸鉛系ガラス粉末とコ―ディエラ
イト系および石英ガラス粉末を表6に示す配合比率で、
実施例1〜15と同様の方法で試料を作成、評価した。
その結果を表6に示す。表6から明らかなように、コ―
ディエライト系、石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラ
スからなる3成分系無機組成物において、本発明の成分
組成範囲内のもの(実施例61〜75)は、誘電率が
4.83〜6.73と低く、絶縁抵抗がいずれも1013
Ω・cm以上と高く、絶縁性も保持されている。このこ
とは、発泡あるいは焼結不良による開空隙の残留がない
ことを意味している。また、本発明の成分組成範囲内の
抗折強度はいずれも1900kg/cm2以上と高く、
最大2850にまで達する。また、ガラスの過度の軟化
による変形も発生しておらず、反りは200μm以下の
値を示す。一方、本発明の成分組成範囲外のもので比較
例25〜27は、過度の焼結により発泡してしまい、誘
電率は低いものの、絶縁性が劣化している。また、変形
・反りも発生して実用上支障をきたす。比較例28〜3
0は、ホウケイ酸鉛系ガラス比率が少ないため、100
0℃以下の低温での焼結が行えず、上記同様、絶縁性や
強度の低下が起こってしまう。なお、実施例および比較
例で用いた成分配合比における各組成点を図2に示す。
図中の番号1,2,……,21は、それぞれ表2〜6に
おける成分配合比番号に相当する。
【0018】
【表6】
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の低温焼結
性低誘電率無機組成物は、低温焼結性や絶縁特性、耐水
性等の信頼性と、強度等の機械的特性を維持しながら、
従来のアルミナ、ガラスセラミック系、結晶化ガラス系
よりも誘電率を低下することができた。したがって、超
高速VLSI素子実装用多層セラミック配線基板の提供
が可能となり、実装の高密度化や高速伝送化の向上に大
きく寄与できる。
性低誘電率無機組成物は、低温焼結性や絶縁特性、耐水
性等の信頼性と、強度等の機械的特性を維持しながら、
従来のアルミナ、ガラスセラミック系、結晶化ガラス系
よりも誘電率を低下することができた。したがって、超
高速VLSI素子実装用多層セラミック配線基板の提供
が可能となり、実装の高密度化や高速伝送化の向上に大
きく寄与できる。
【図1】本発明の3成分系組成範囲を示す組成図であ
る。
る。
【図2】本発明の3成分系組成範囲と実施例および比較
例に示した組成点との関係を示す図である。
例に示した組成点との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 3/12 330 9059−5G
Claims (2)
- 【請求項1】 セラミック材料のコ―ディエライト系、
石英ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラスからなる3成分
系無機組成物であって、コ―ディエライト系:X、石英
ガラス:Y、ホウケイ酸鉛系ガラス:Z(重量%比率)
と表示したとき(X+Y+Z=100)、この3成分系
組成図において以下の組成点、 (X=35,Y=0,Z=65) (X=65,Y=0,Z=35) (X=0,Y=65,Z=35) (X=0,Y=35,Z=65) の各点を結ぶ線上、およびこの4点に囲まれる組成範囲
にあることを特徴とする低温焼結性低誘電率無機組成
物。 - 【請求項2】 ホウケイ酸鉛系ガラスは、酸化物換算表
記に従ったとき、主成分が酸化ケイ素:50〜75重量
%、酸化ホウ素:1〜30重量%、酸化鉛:1〜30重
量%、I族元素酸化物:0.1〜5重量%、II族元素酸
化物0.1〜15重量%、酸化チタン:0.1〜1重量
%、酸化ジルコニウム:0.1〜1重量%の組成範囲
で、合計量が100重量%になるように構成されている
請求項1記載の低温焼結性低誘電率無機組成物。
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JP3213078A JPH0723252B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 低温焼結性低誘電率無機組成物 |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP3213078A JPH0723252B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 低温焼結性低誘電率無機組成物 |
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JPH0723252B2 true JPH0723252B2 (ja) | 1995-03-15 |
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ID=16633185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3213078A Expired - Fee Related JPH0723252B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 低温焼結性低誘電率無機組成物 |
Country Status (2)
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JPH03252353A (ja) * | 1990-02-28 | 1991-11-11 | Nec Corp | 低温焼結性低誘電率無機組成物 |
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- 1991-07-31 JP JP3213078A patent/JPH0723252B2/ja not_active Expired - Fee Related
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- 1992-06-29 US US07/905,376 patent/US5283210A/en not_active Expired - Lifetime
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