JP3372733B2 - ガラスセラミック焼結体の製造方法および配線基板の製造方法 - Google Patents

ガラスセラミック焼結体の製造方法および配線基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板等の絶縁
基板として有用なガラスセラミック焼結体の製造方法お
よびメタライズ配線層と同時焼成可能な配線基板の製造
方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、配線基板は、絶縁基板の表面あるい
は内部にメタライズ配線層が配設された構造からなり、
多層配線基板や半導体素子、特にLSI(大規模集積回
路素子)等を搭載したパッケージに応用されている。
【0003】従来より、セラミック製の配線基板は、一
般にアルミナ、ムライト、窒化アルミニウムなどのセラ
ミックス等の電気絶縁基板の表面あるいは内部にタング
ステン、モリブデン等の高融点金属から成る複数個のメ
タライズ配線層が形成され、配線層を多層化する際に
は、絶縁基板のセラミック成形体とその表面に塗布され
たメタライズペーストとを1500℃以上の温度で同時
に焼成することにより得られている。
【0004】また、最近では、タングステンやモリブデ
ンに比較して導体抵抗の小さいCuやAg等を配線層と
し、同時焼成が可能な絶縁基板用の材料として、ガラス
とセラミックフィラーからなる、いわゆるガラスセラミ
ック焼結体が用いられつつある。
【0005】通常、ガラスセラミック焼結体を作製する
に用いられるガラスとしては、SiO2 −Al2 3
CaO系、SiO2 −Al2 3 −B2 3 系、系など
のガラスで、非晶質ガラスあるいは焼結過程で結晶相を
析出できる結晶化ガラスが用いられ、また、フィラー成
分としては、Al2 3 、SiO2 、石英、クオーツ、
クリストバライト、フォルステライト、ペタライトなど
が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
らガラスセラミック焼結体を作製するのにあたっては、
例えば、1000℃以下の温度で緻密化させるために、
ガラスを50体積%以上配合されるが、かかるガラス
は、アルミナやムライトに比較して非常に高価であるた
め、ガラスセラミック焼結体自体が高価になる傾向にあ
った。
【0007】しかも、絶縁基板としてこれまで一般に使
用されているアルミナやムライトのセラミックスは20
0MPa以上の強度を有するのに対して、ガラスセラミ
ックスは強度が低く、取扱い時や、基板への実装時に割
れ等が発生するなど信頼性に欠けるものであり、強度の
向上が求められている。
【0008】また、一般に配合するガラス粉末の平均粒
径は焼結性を高めるために1〜1.5μmの微粉末が用
いられているが、ガラス粉末は微粉化するほど高価であ
り、この点からも製品コストを高価なものにしていた。
【0009】従って、本発明は、従来よりもガラス量が
少なくても緻密化可能であり、CuあるいはAg等の低
抵抗導体メタライズ配線層との同時焼成が可能で、且つ
高強度を有するガラスセラミック焼結体の製造方法と、
配線基板の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に対して検討を重ねた結果、配合するガラス粉末とし
て、従来よりも屈伏点の低いガラスを用い、これをセラ
ミックフィラー成分と混合して用いると、焼結性が改善
され、しかもガラス粉末の平均粒径が大きくても、ある
いはフィラー成分量が少なくてもCuやAgとともに同
時焼成が可能であること、またガラス成分として、リチ
ウム珪酸系ガラスを用いることにより、ガラスセラミッ
ク焼結体の強度が向上することを見いだした。
【0011】即ち、本発明のガラスセラミック焼結体
は、屈伏点が400℃〜650℃で、平均粒径が1.5
〜8μmのガラス粉末20〜80体積%と、フィラー粉
末80〜20体積%との混合粉末を所定形状に成形した
後、該成形体を800〜1050℃の温度で焼成するこ
とを特徴とするものであり、特に、前記ガラスとしてリ
チウム珪酸系ガラスを用いることを特徴とするものであ
る。
【0012】また、かかる焼結体を用いて配線基板を作
製する方法としては、屈伏点が400℃〜650℃で、
平均粒径が1.5〜8μmの範囲にあるガラス粉末20
〜80体積%と、フィラー粉末80〜20体積%との混
合粉末をシート状に成形する工程と、該シート状成形体
の表面にメタライズペーストを塗布する工程と、該ペー
ストが塗布された成形体を800〜1050℃の温度で
同時焼成する工程とを具備するもので、特に、前記メタ
ライズペーストが金属成分としてCuを含むことを特徴
とするものである。
【0013】
【作用】本発明によれば、ガラスセラミック焼結体を作
製するにあたり、屈伏点が400℃〜650℃、平均粒
径が1.5〜8μmのガラス粉末を用いることにより、
屈伏点が通常使用されるガラスよりも低いために、ガラ
ス単独では焼成温度が低すぎてCuやAgとの同時焼成
ができないが、フィラーを20体積%以上配合すること
により、焼成温度をCuやAgの焼成温度に合わせるこ
とができ、しかも、フィラー量が50体積%以上、つま
りガラス量が50体積%以下、さらに20体積%であっ
ても800〜1050℃の温度で緻密化することができ
る。そのため、ガラスの配合量を少なくでき、焼結体の
製造コストを低減できる。
【0014】また、屈伏点が400〜650℃のガラス
では、焼結性が高まるために、ガラス粉末として微粉化
する必要がなく、8μmであっても800〜1050℃
の温度で緻密化することができる。しかも、ガラス粉末
として、リチウムシリケートを析出可能なリチウム珪酸
系ガラスを用いることにより、最終的に得られる焼結体
の抗折強度を高めることができる。
【0015】これにより、本発明によれば、配線基板に
おいて、CuあるいはAg等の低抵抗導体配線層と同時
焼成が可能であり、配線の多層化とともに、製品として
信頼性の高い基板を安価に製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のガラスセラミック焼結体
の製造方法によれば、原料粉末としてガラス粉末とフィ
ラー粉末を用いる。本発明によれば、ガラス粉末は、屈
伏点が400℃〜650℃、且つ平均粒径が1.5〜8
μmであることが重要である。
【0017】ガラスの屈伏点を上記の範囲に限定したの
は、ガラスおよびフィラーからなる混合物を成形する場
合、有機樹脂等の成形用バインダーを添加するが、この
バインダーを効率的に除去するとともに、絶縁基体と同
時に焼成されるメタライズとの焼成条件のマッチングを
図るために必要であり、屈伏点が400℃より低いとガ
ラスが低い温度で焼結が開始されるために、例えばA
g、Cu等の焼結開始温度がおよそ600〜800℃の
メタライズとの同時焼成ができず、また成形体の緻密化
が低温で開始するためにバインダーは分解揮散できなく
なりバインダー成分が残留し特性に影響を及ぼす結果に
なるためである。一方、屈伏点が650℃より高いとガ
ラスの配合量を50体積%以上と多くしないと焼結しに
くくなるため、高価な結晶性ガラスを大量に必要とする
ために焼結体のコストを高めることになる。
【0018】また、ガラス粉末の平均粒径を上記の範囲
に限定したのは、平均粒径が1.5μmより小さいと、
ガラスのコストが上昇し、低屈伏点ガラスを用いる効果
が小さく、8μmより大きいと、焼結体の強度が低下す
るためである。平均粒径は特に3〜8μm、さらに望ま
しくは5〜8μmがよい。
【0019】また、上記のガラス粉末にフィラー成分と
混合する場合、ガラス粉末20〜80体積%、フィラー
粉末80〜20体積%の割合で混合する。これは、本発
明において用いられるガラスは、フィラー無添加では収
縮開始温度が700℃以下で、800℃以上ではガラス
の一部が溶融してしまうためにメタライズ配線層を同時
に形成することが難しいためである。
【0020】しかし、ガラス粉末を20〜80体積%、
フィラー粉末を80〜20体積%の割合で混合すること
により焼成温度において、結晶の析出とフィラー成分を
液相焼結させるための液相を形成させることができる。
また、成形体全体の収縮開始温度を上昇させることがで
きるため、このフィラーの含有量の調整により用いるメ
タライズの種類によりメタライズ配線層との同時焼成条
件のマッチングを図ることができる。
【0021】このガラスとフィラー成分の量を上記の範
囲に限定したのは、ガラス量が20体積%より少ない、
言い換えればフィラー成分が80体積%より多いと前記
ガラスを用いても十分な液相が生成されないため高温で
焼成する必要があり、その場合、メタライズ同時焼成に
おいてメタライズが溶融してしまう。また、ガラスが8
0体積%より多い、言い換えるとフィラー成分が20体
積%より少ないと焼結体の特性がガラスの特性に大きく
依存してしまい、材料特性の制御が困難となるととも
に、焼結開始温度が低くなるために配線導体と同時焼成
できないといった問題が生じ、また、原料のコストも高
くなる。
【0022】また、原料コストを下げるためには高価な
ガラスの含有量を減少させることが好ましく、特にガラ
ス粉末20〜50体積%、フィラー粉末50〜80体積
%、さらにガラス粉末20〜40体積%、フィラー粉末
60〜80体積%であるのがよい。
【0023】上記の配合組成において、このフィラー成
分は、ガラスの屈伏点に応じ、その量を適宜調整するこ
とが望ましい。即ち、ガラスの屈伏点が400℃〜65
0℃と低い場合、低温での焼結性が高まるためフィラー
の含有量は50〜80体積%の比較的多く配合できる。
これに対して、結晶性ガラスの屈伏点が650℃〜77
0℃と高い場合、焼結性が低下するためフィラーの含有
量は20〜50体積%の比較的少なく配合することが望
ましい。
【0024】本発明において用いられるガラスとして
は、上記特性を満足するものであれば、公知のあらゆる
ガラスが用いられるが、強度を高めるためには、特にS
iO2とLi2 Oとを合量で65〜95重量%含み、さ
らにMgO、Al2 3 、TiO2 、Na2 O、K
2 O、ZnO、P2 5 、F、CaO等の1種以上を含
むリチウム珪酸系ガラス、特に、焼結過程でリチウムシ
リケートが析出可能な結晶化ガラスを用いることが望ま
しい。
【0025】また、フィラー成分としては、アルミナ、
シリカ、石英、クォーツ、クリストバライト、フォルス
テライト、ムライト、マグネシア、ペタライト、スピネ
ル、ワラストナイト、ネフェリン、エンスタタイト、ガ
ーナイト等が挙げられる。
【0026】焼結体を作製するには、上記のようにして
ガラス粉末と、フィラー粉末とを上述した比率で混合し
た後、その混合物に適当な有機樹脂バインダーを添加し
た後、所望の成形手段、例えば、金型プレス,冷間静水
圧プレス,押出し成形、ドクターブレード法、圧延法等
により任意の形状に成形後、焼成する。
【0027】焼成にあたっては、まず、成形のために配
合したバインダー成分を除去する。
【0028】バインダーの除去は、700℃前後の大気
雰囲気中で行われる。この時、成形体の収縮開始温度は
600〜850℃程度であることが望ましく、かかる収
縮開始温度がこれより低いとバインダーの除去が困難と
なるため、成形体中の結晶化ガラスの特性、特に屈伏点
を前述したように制御することが必要となる。
【0029】焼成は、800℃〜1050℃の酸化性雰
囲気中で行われ、これにより相対密度90%以上まで緻
密化される。この時の焼成温度が800℃より低いとメ
タライズ層が十分緻密化することができず、1050℃
を越えるとメタライズ配線層との同時焼成でメタライズ
層が溶融してしまう。
【0030】このようにして作製されたガラスセラミッ
ク焼結体中には、フィラー成分による結晶相、フィラー
とガラスとの反応により生成した結晶相、あるいはガラ
スとして結晶化ガラスを用いた場合にはガラスから析出
した結晶が存在し、これらの結晶相の粒界にはガラス相
が存在する。
【0031】また、配線基板を作製するには、上述のよ
うにしてガラス粉末とフィラー粉末とを混合した混合粉
末に適当な有機樹脂バインダー、可塑剤、溶剤を添加混
合して泥漿物を作るとともに該泥漿物を公知の方法に基
づき、ドクターブレード法、プレス成形法、圧延法、カ
レンダーロール法などの手法によりシート状の成形体
(グリーンシート)を作製する。そして、そのシート状
成形体の表面に配線層を形成するために適当な金属粉末
に有機バインダー、可塑剤、溶剤を添加混合して得たメ
タライズペーストをスクリーン印刷法、オフセット印刷
法等により塗布する。本発明において用いられるメタラ
イズ配線層としては、絶縁基体が800〜1050℃で
焼結可能であることから、Cu、Ag、Ni、Pd、A
uのうちの1種以上により構成することができる。これ
らの中でもCuが最も望ましい。
【0032】次に、上記のようにしてメタライズペース
トが塗布されたシート状成形体は、所望によりスルーホ
ールが形成されメタライズペーストが充填されたり、多
層化のために、複数のシート状成形体を積層し圧着した
後、焼成する。
【0033】焼成にあたっては、まず有機樹脂バインダ
ーの除去を行うが、配線導体としてCuを用いる場合に
は、水蒸気を含有する100〜800℃の窒素雰囲気中
で行われる。その後の焼成は、800℃〜1050℃の
酸化性雰囲気中で行われ、これにより相対密度90%以
上まで緻密化される。この時の焼成温度が800℃より
低いとメタライズ層が十分緻密化することができず、1
050℃を越えるとメタライズ配線層との同時焼成でメ
タライズ層が溶融してしまう。なお、配線導体としてC
uを用いる場合には、850〜1050℃のN2 、Ar
等の非酸化性雰囲気中で行うのが望ましく、Agを用い
る場合には800〜900℃のN2 、Ar等の非酸化性
雰囲気中あるいは大気中等の酸化性雰囲気中で行うのが
よい。
【0034】特に、配線基板の作製にあたって、Cu、
Ag等のメタライズと同時焼成を行う場合、配合するガ
ラスの屈伏点は400℃〜650℃、フィラーの含有量
は50〜80体積%であることが望ましい。
【0035】
【実施例】実施例1 ガラス粉末として、重量比率で 43%SiO2 −28%Al2 O3 −11%MgO−10%B2 O3 −7%ZnO (屈伏点880℃) 74%SiO2 −14%Li2 O−4%Al2 O3 −2%P2 O5 −2%K2 O−2%ZnO−2%Na2 O (屈伏点480℃) の組成からなり、平均粒径が2μmの2種のガラスを準
備した。このガラスに対して表1に示すようにフィラー
成分として、フォルステライト(2MgO・SiO2
)を用いて表1に示す調合組成になるように秤量混合
した。この混合物を粉砕後、有機バインダーを添加して
十分に混合した後、1軸プレス法により3.5×3.5
×15mmの形状の成形体を作製した。そしてこの成形
体の表面にCuペーストを塗布した後、700℃のN2
+H2 O中でバインダの分解除去を行った。そして、バ
インダの除去処理後の残留炭素の有無を確認した。その
後、これを窒素雰囲気中で650〜1200℃で焼成し
て焼結体を作製した。
【0036】次に、上記のようにして得られた焼結体に
対してJISR1601に基づき4点曲げ強度、焼結後
のCu層の状態を観察しCuとの同時焼結性を評価し
た。
【0037】
【表1】
【0038】表1より明らかなように、屈伏点が650
℃より大きいガラスを用いた試料No.1〜No.7ではガ
ラス量が70〜80体積%の範囲では良好な特性を示し
たが、ガラスの量を60体積%以下にした試料No.1〜
No.4では、焼成温度が高く1200℃でも緻密化でき
ずCuとの同時焼成が出来なくなった。
【0039】これに対して、ガラスの屈伏点が480℃
のガラスを用いた試料No.8〜No.17では、ガラス量
20〜80体積%、フィラー量80〜20体積%で80
0〜1050℃で緻密化することができたが、ガラス量
が80体積%を越える試料No.17では収縮開始温度が
低くなりすぎてバインダーの除去処理後に炭素が残留
し、20体積%より少ない試料No.8では、緻密化でき
なかった。また、Cuとの同時焼成は、焼成温度800
〜1050℃で可能であった。この結果から、本発明に
よれば、ガラス量を低減した組成系でも十分に緻密化と
Cuとの同時焼結が可能であった。
【0040】また、本発明のガラスセラミック焼結体試
料No.9〜16は、X線回折測定の結果、いずれもリチ
ウムシリケート結晶相の析出が認められており、屈伏点
が880℃のガラスを用いた系に比較して強度が高く、
いずれも210MPa以上の強度を示した。
【0041】実施例2 表2に示すように、実施例1で用いたの組成のガラ
スで、平均粒径が1.5〜10μmの粉末を準備し、フ
ィラーとしてフォルステライト粉末を用いて、各ガラス
において、表1で最も良好な特性を示したガラスとフィ
ラーの比、つまりの組成のガラスを用いた系ではガラ
ス量75体積%、フィラー量25体積%、の組成のガ
ラスを用いた系ではガラス量45体積%、フィラー量5
5体積%に調合し、実施例1と同様にして焼結体を作製
し、強度、Cuとの同時焼結性、バインダー除去処理後
の残留炭素の有無を調べ、その結果を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】屈伏点が650℃を超えるガラスを用い
た試料No.18〜23において、ガラスの平均粒径が
2.5μm以下の試料No.18〜20では良好な特性が
得られたが、ガラスの平均粒径が2.5μmを超える試
料No.21〜23では徐々に強度が低下した。つまり、
ガラスを用いた系では、ガラス量を75体積%まで高
め且つ平均粒径を小さくして焼結性を高めないと満足す
る特性が得られにくいことがわかる。
【0044】これに対して本発明品のガラスの屈伏点が
480℃のガラスを用いた試料No.24〜34では、
平均粒径が1.5〜8μmの試料No.25〜32の範囲
において焼結体の特性が良好で且つバインダー除去不良
の問題の無い焼結体が得られた。しかもこれらの試料に
は、いずれもリチウムシリケートが析出しており、強度
はいずれも210MPa以上の高い強度を示した。な
お、平均粒径が8μmを越える試料No.33、34では
バインダー除去性に問題はないが特性が劣化しており、
平均粒径が1.5μmより小さい試料No.24では焼成
温度が低くなりすぎ、Cuとの同時焼結ができないもの
であった。
【0045】これらの結果により本発明の範囲のガラス
を用いれば安価な平均粒径の大きなガラスを用いても高
価な平均粒径の小さなガラスを用いた場合と同等の特性
が安定して得られることが明らかとなった。
【0046】実施例3 表2に示すように、屈伏点が300℃〜850℃の種々
の平均粒径が5μmのガラス45体積%と、フィラーと
してフォルステライトを55体積%添加混合し、これを
実施例1と同様にして焼結体を作製し、強度、Cuとの
同時焼結性、バインダー除去処理後の残留炭素の有無を
調べ、その結果を表3に示した。なお、試料No.35〜
40で用いた屈伏点が300〜700℃のガラスはリチ
ウム珪酸系ガラス、また試料No.41〜42で用いた屈
伏点が700〜850℃のガラスは、硼珪酸系ガラスで
ある。
【0047】
【表3】
【0048】表3の結果から明らかなように、屈伏点が
400℃より低い試料No.35では、収縮開始温度が5
20℃と低いためにバインダー除去不良が生じ、しかも
焼成温度が700℃と低いためにCuとの同時焼成がで
きなかった。また、屈伏点が650℃を越える試料No.
40ではCuとの同時焼成は可能であったが、強度が2
30MPaと若干低くなった。また屈伏点が700℃を
越える試料No.41、42では、ガラスの配合量が45
体積%と少ない場合には、焼成温度を1100℃あるい
は1250℃まで高めないと焼結することができず、そ
のためCuの同時焼成ができなかった。
【0049】これに対して、屈伏点が400〜650℃
の範囲の試料No.36〜39は、いずれもバインダーの
除去を完全に行うことができ緻密な焼結体が得られた。
また、Cuとの同時焼結性については、屈伏点400〜
650℃で可能であった。さらに、焼結体強度はいずれ
も240MPa以上の高い強度を示した。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガラスセ
ラミック焼結体の製造方法によれば、低屈伏点のガラス
を用いることにより高コストのガラスの使用量の減量
と、平均粒径の大きな低コストのガラスを使用可能にし
たことで原料コストを下げ、バインダーの効率的な除去
を行うことができ、且つ高強度の焼結体を作製すること
ができる。しかもCuなどの低抵抗導体層との同時焼成
が可能であるため、高信頼性で安価な配線基板を提供で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 民 保秀 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ 株式会社総合研究所内 (72)発明者 古久保 洋二 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ 株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平7−242439(JP,A) 特開 平1−226751(JP,A) 特開 昭62−32695(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C03C 1/00 - 14/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈伏点が400℃〜650℃、平均粒径が
    1.5〜8μmのガラス粉末20〜80体積%と、フィ
    ラー粉末80〜20体積%との混合粉末を所定形状に成
    形した後、該成形体を800〜1050℃の温度で焼成
    することを特徴とするガラスセラミック焼結体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記ガラスが、リチウム珪酸系ガラスから
    なる請求項1記載のガラスセラミック焼結体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】屈伏点が400℃〜650℃で、平均粒径
    が1.5〜8μmの範囲にあるガラス粉末20〜80体
    積%と、フィラー粉末80〜20体積%との混合粉末を
    シート状に成形する工程と、該シート状成形体の表面に
    メタライズペーストを塗布する工程と、該ペーストが塗
    布された成形体を800〜1050℃の温度で同時焼成
    する工程とを具備することを特徴とする配線基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記メタライズペーストがCuを含有する
    ものである請求項2記載の配線基板の製造方法。
JP31100895A 1995-11-29 1995-11-29 ガラスセラミック焼結体の製造方法および配線基板の製造方法 Expired - Fee Related JP3372733B2 (ja)

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