JP3359513B2 - ガラスセラミック焼結体およびその製造方法 - Google Patents

ガラスセラミック焼結体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体収納用パッ
ケージなどの配線基板の絶縁基板として有用なガラスセ
ラミック焼結体とその製造方法に関するものであり、特
に、ガラスセラミック焼結体の耐酸性の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来より、半導体素子などを搭載するため
の配線基板としては、アルミナなどのセラミック材料が
用いられているが、最近に至り、アルミナに比較して誘
電率が低い、焼成温度が低い低抵抗の導体、例えばC
u、Au、Agでの配線を形成できるなどの点で優れて
いることから、特に回路の高集積化の要求に適用するこ
とのできる基板材料としてガラスセラミック焼結体が注
目されている。
【0003】従来、ガラスセラミック焼結体を絶縁基板
とする配線基板の製造方法としては、例えばホウケイ酸
系ガラス等とセラミックフィラーとからなるガラスセラ
ミック原料と有機バインダーからなるグリーンシートに
穴開けしてスルーホールを形成し、このスルーホールに
導体ペーストを充填し、次いで、このシートの所定位置
に導体ペーストを印刷して導体パターンを形成する。こ
れらのシートを位置合わせして加圧積層した後、積層体
を加熱して脱バインダー及び焼成を行い、ガラスセラミ
ック多層配線基板が得られる。
【0004】このようなガラスセラミック配線基板の導
体材料にはCu、Au、Agが使用されるが、このう
ち、Auはコストの点から汎用性に欠け、一般的にはC
uまたはAgが使用される。Ag導体の場合は、大気雰
囲気での焼成が可能であり、また表面の導体にメッキを
施さなくてもワイヤーボンディングが可能であることか
ら、コスト面では有利である。しかし、マイグレーショ
ン、半田食われの面から、信頼性において問題がある。
また、これらの特性を改善するために導体材料にPd等
を添加して改善がなされているが、この場合、導体抵抗
が高くなり特に高周波での使用には問題が生じる。一
方、Cu導体の場合は非酸化性雰囲気で焼成し、Cu導
体表面に酸化防止のためにNi等のメッキを施す必要が
あるが、高い信頼性を確保できるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Cuを導体材料に使用
した場合、上述したように導体表面の酸化によりワイヤ
ーボンディング性や半田濡れ性が劣化するのを抑制する
ために、表面の導体にメッキ膜を施す必要がある。この
メッキの工程では塩酸などの酸性溶液からなる処理液が
使用されるため、基板となるガラスセラミック材料には
耐薬品性が要求される。しかし、従来のガラスセラミッ
ク焼結体では、このような処理液と接触すると、焼結体
表面に荒れが生じたり、焼結体表面にまでメッキが施さ
れる等の問題があった。
【0006】これは、焼結体中に含まれるガラスの耐酸
性が悪く、酸処理によりガラス相が溶出するためと考え
られる。耐酸性が高いガラスとしては、コーニング社の
#7740ガラスに代表される理化学用のガラスが知ら
れている。このガラスは耐酸性を向上させるためにB2
3 量が最適化されている。また、B2 3 量が過剰に
なった場合、B2 3 が水と反応して水溶性のH3 BO
3 を形成し、耐水性や耐酸性が低下することも知られて
いる。
【0007】また、ガラスセラミック焼結体の製造に
は、SiO2 およびB2 3 を含むホウケイ酸系ガラス
が最も一般に使用されているが、これは、Cu等の低抵
抗金属との焼成温度を近似させるために、焼結体の焼成
温度を900〜1000℃の低温に制御しやすく、且つ
安価に入手できる点にある。特に、最近では、焼結体の
強度を向上のために焼成時に結晶化するホウケイ酸系ガ
ラスが主流になりつつある。
【0008】このようなホウケイ酸系ガラスを用いて焼
結体を作製した場合、焼結体中には、必然的にガラス相
が残存し、結晶化ガラスの場合においても、少量ではあ
ってもガラス相が残存する。ガラスが結晶化した後のガ
ラス相は、SiO2 、Al23 、RO(RはMg、C
a、Zn等)等の成分が減少し、B2 3 が過剰な組成
になる場合が多い。つまり、耐酸性を向上させるために
は、残存ガラス中のB2 3 量を減少させることが必要
と考えられる。
【0009】しかしながら、B2 3 量を低減したガラ
スを用いる場合は、ガラス製造時の溶融温度が高く、ま
たガラスをフィラーと混合したガラスセラミック材料の
焼結温度が高くなり、Cu等の金属との同時焼成が不可
能となってしまうという問題があった。
【0010】従って、本発明は、メッキの処理液等の酸
性薬品と接触した場合においてガラス相の溶出を抑制し
た耐酸性に優れたガラスセラミック焼結体と、その製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために検討を重ねた結果、ホウケイ酸系ガ
ラスとセラミックフィラーからなるガラスセラミック焼
結体において、少なくとも焼結体の表面のB量、言い換
えればB2 3 量を低減せしめることによって焼結体の
耐酸化性が向上できること、また、焼結工程を窒素と水
蒸気を混合した雰囲気下で行うとB2 3 が揮散し、表
面のB2 3 量を低減できることを見いだし、本発明に
至った。
【0012】即ち、本発明のガラスセラミック焼結体
は、ホウケイ酸系ガラスとセラミックフィラーからなる
混合物を成形、焼成してなるものであって、該焼結体の
表面におけるB含有量が、焼結体表面から30μm以上
の内部深さにおけるB含有量よりも少ないことを特徴と
する。特に、焼結体表面の蛍光X線分析におけるホウ素
のピーク強度高さが、焼結体表面から30μmの深さ位
置におけるホウ素のピーク強度高さの90%以下であ
り、また、前記ホウケイ酸系ガラスが少なくともSiO
2 、Al2 3 、RO(R:Mg、Ca、Znのうちの
少なくとも1種)およびB2 3 を含有し、焼成時に結
晶相を析出し得るガラスであることを特徴とするもので
ある。また、かかる焼結体の製造方法として、ホウケイ
酸系ガラスとセラミックフィラーからなる混合物を成形
後、窒素および水蒸気を含む混合雰囲気中で焼成して、
表面のB2 3 を揮散させることを特徴とするものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明におけるガラスセラミック
焼結体は、ホウケイ酸ガラス(言い換えれば、少なくと
もSiO2 およびB2 3 を含有するガラス)とセラミ
ックフィラーの混合物を成形、焼成してなるものである
が、該焼結体の表面におけるB含有量が焼結体表面から
30μm以上の内部深さにおけるB含有量よりも少ない
ことが最も大きな特徴である。
【0014】配線基板などを作製する際に、導体層表面
にメッキ層を形成する場合、絶縁基板となるガラスセラ
ミック焼結体は、メッキ工程では、必然的に塩酸等の処
理液と接触することになる。本発明では、これらの薬品
と接触する焼結体表面のB量、言い換えればB2 3
低減することにより、耐酸化性を向上せしめ、酸性溶液
と接触してもガラスの溶出を防止し、焼結体の耐酸性を
向上させることができる。
【0015】本発明の焼結体によれば、B(ホウ素)含
有量は、最表面が最も少なく内部に従って徐々に増加す
る傾向にあり、少なくとも表面のB含有量は、表面から
30μmの深さ位置におけるB含有量よりも少ないもの
であり、さらに深い位置では、B含有量は30μm深さ
位置と同等かまたはさらに増加する場合もあり、焼結体
の中心部において最もB含有量が多くなる。
【0016】かかる見地から、本発明の焼結体における
B含有量は、少なくとも焼結体表面の蛍光X線分析(K
α線)におけるBのピーク強度高さが、焼結体表面から
30μmの深さ位置におけるBのピーク強度高さの90
%以下、特に85%以下であることが望ましい。によれ
ば、耐酸性は焼結体の表面特性によってのみ決定される
ために、焼結体表面のB量を減じることいこのB含有量
の少ない部分は、表面から1〜50μmの厚みで存在す
ることが望ましく、焼結体表面から50μm以上の深部
では、B含有量は焼結体の中心部までほぼ変化しない。
【0017】なお、焼結体中のB量の絶対量に対して
は、少なくともB(ホウ素)を含有しその焼結体表面と
内部との相対的が含有量が上述した関係を満足するもの
であれば、特に制限するものではなく、Cu等の金属導
体との焼結性の点で同時焼結性、電気特性などの種々の
特性を満足し得る適当なホウケイ酸系ガラス中に含まれ
るB2 3 量等により適宜定められる。
【0018】本発明において、焼結体表面のみのB量を
低減するための方法として、ホウケイ酸系ガラスとセラ
ミックフィラーの混合物からなる成形体を焼成するにあ
たり、窒素および水蒸気を含有する雰囲気中で焼成す
る。このように水蒸気を含む雰囲気で焼成すると、ガラ
ス中のB2 3 が雰囲気中の水蒸気と反応してH3 BO
3 を形成し飛散するために、焼結体表面のB2 3 量を
減少させることができるのである。
【0019】この場合、B量は、焼結体表面が最も少な
く、内部にわたって徐々に増加し、深さ30μm以上で
は本発明に用いられるホウケイ酸系ガラスとしては、ガ
ラス転移点が600℃以上、特に650℃以上であるも
のが望ましい。代表的なガラス組成としては、Si
2 、Al2 3 、RO(Rは、Mg、CaおよびZn
のうちの少なくとも1種)およびB2 3 を必須成分と
して含有するアルミノホウケイ酸系ガラスがあり、とり
わけ、SiO2 35〜55重量%、Al2 3 10〜3
5重量%、RO10〜30重量%、B2 3 5〜15重
量%の組成範囲であることが望ましい。その他、Li2
O、Na2 O、K2 O等のアルカリ金属酸化物、ZrO
2 、TiO2 などのを含んでいてもよい。
【0020】このガラスは軟化流動を開始する温度が高
く材料の焼成収縮開始温度を高くできることから非酸化
性雰囲気中での脱バインダーが容易であり、かつ温度に
対して急激に収縮が起こることから材料表面のみのB2
3 量を低減することが可能である。また、焼成時にガ
ラスが結晶化できるものが、材料の抗折強度を高めるこ
ともできる点で有効であり、しかも、結晶化ガラスの場
合、前述したように焼結体の結晶相の粒界に高濃度のB
2 3 を含むガラスが生成されやすく耐酸性が劣ること
から、本発明は高濃度のB2 3 含有ガラス相の生成を
抑制することができることから、特に有効である。
【0021】一方、#7740ガラスに代表されるよう
なガラス転移点が低いホウケイ酸ガラスを使用した場合
も、本発明にもとづき表面のB量を低減させることによ
り耐酸性を向上できるが、材料の焼成収縮が開始する温
度が低く十分な脱バインダーを行うことが難しく、温度
に対するガラスの粘度低下が緩やかであり、材料が緻密
化する前にB2 3 が飛散しその結果材料の表面が多孔
質になりやすい傾向にある。
【0022】上記ガラスと混合するセラミックフィラー
としては、要求される材料特性に応じて選択できる。代
表的なものに、アルミナ、シリカ、ムライト、ジルコニ
ア等がある。
【0023】より具体的には、上記のようなホウケイ酸
系ガラス40〜80体積%と上記セラミックフィラーと
を20〜60体積%の比率で混合したものに、成形用有
機樹脂バインダーや各種成形助剤等を添加した後、これ
を所望の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プ
レス、射出成形、押出し成形等により任意の形状に成形
する。また、シート状に成形する方法としては、ドクタ
ーブレード法、カレンダーロール法、圧延法などがあ
る。
【0024】そして、この成形体を300〜500℃の
2 あるいはN2 +H2 O雰囲気中で加熱処理して成形
体中の有機樹脂バインダーを分解除去させた後、前述し
たような窒素および水蒸気を含む雰囲気中で800〜1
000℃の温度で0.1〜2時間焼成することにより作
製することができる。この焼成時の雰囲気中の水蒸気圧
は9〜300mmHgが適当である。なお、9mmHg
よりも低いと焼結体表面のB2 3 の揮散効果が顕著で
なく、300mmHgよりも高いと、Cu等の金属と同
時焼成した場合、金属が酸化してしまうためである。
【0025】また、かかるガラスセラミック焼結体を用
いて配線基板を作製する場合には、上で述べたようなガ
ラス粉末とセラミックフィラー粉末にメタクリル酸樹脂
等の熱分解性に優れた成形用有機樹脂バインダーや溶剤
を混合してスラリーを作製しドクターブレード法等によ
ってグリーンシートを成形する。そして、そのグリーン
シートの表面に配線パターン状にCu、Au、Ag等の
金属を含むペーストを印刷し、場合によっては、グリー
ンシートの所定箇所にスルーホールを形成し、ペースト
を充填する。その後、それらのグリーンシートを位置合
わせして加圧積層した後、この積層体を300〜500
℃の水蒸気を含んだ窒素雰囲気中で熱処理し、グリーン
シート及び金属ペースト中のバインダー、可塑剤、溶剤
を分解除去する。
【0026】その後、前述したような水蒸気を含んだ窒
素雰囲気中で温度を800〜1000℃に上昇し、基板
中に微量残存する炭素を水蒸気と反応させて除去すると
ともに緻密化させ、さらには露出した焼結体表面のB2
3 を揮散除去する。結晶性のガラスを使用した場合
は、緻密化と同時にガラスを結晶化させる。また、焼結
体表面のB2 3 量は、焼成時間等によって適宜調整で
きる。
【0027】そして、ガラスセラミック配線基板の金属
導体、特にCu導体を形成した場合には、Cu導体表面
にメッキ処理を施す。メッキ膜の種類は用途にもよる
が、下地にNiあるいはCuをメッキし、その上にAu
をメッキするのがよい。
【0028】
【実施例】SiO2 :44重量%、Al2 3 :28重
量%、MgO:11重量%、ZnO:8重量%、B2
3 :9重量%の組成を有する結晶性ガラス粉末61重量
%と、ジルコン酸カルシウム粉末21重量%と、チタン
酸ストロンチウム粉末16重量%と、アルミナ粉末2重
量%からなるガラスセラミック原料粉末に対して、有機
バインダーとしてメタクリル酸イソブチル樹脂を固形分
で12重量%、可塑剤としてフタル酸ジブチルを6重量
%添加し、トルエンおよび酢酸エチルを溶媒としてボー
ルミルにより40時間混合し、スラリーを調整した。
【0029】得られたスラリーをドクターブレード法に
より厚さ0.4mmのグリーンシートに成形した。この
シートを3枚加圧積層した成形体、およびシート上にC
uペーストを印刷したものを最上層として3枚加圧積層
した成形体を作製した。
【0030】成形体中の有機成分(バインダー、可塑剤
等)を分解除去するために55mmHgの水蒸気を含ん
だ窒素雰囲気中で750℃、1時間の熱処理を行い、そ
の後雰囲気中の水蒸気量を表1のように変更して900
℃、1時間の焼成を行いガラスセラミック基板およびC
u配線を施した配線基板を得た。
【0031】得られた基板を室温にて6Nの塩酸中に1
5分間浸漬した後の重量減少を測定した。また、焼結体
表面のB量をKα線による蛍光X線分析により分析し
た。B量については、焼結体表面から30μmを研削処
理しその表面の蛍光X線分析によるB(ホウ素)のピー
ク強度I1 を100とした時の、焼結体表面における蛍
光X線分析によるB(ホウ素)のピーク強度I2 の比率
(I2 ×100/I1 )を算出した。また、比重をアル
キメデス法により測定した。さらに配線基板に対して
は、Cu配線の焼成後の外観を観察した。結果は、表1
に示した。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果から明らかなように、焼成時の
雰囲気に水蒸気を添加することにより、焼結体表面のB
量が減少(焼結体中心部のB2 3 量は約5.5重量
%)し、その結果、耐酸性は向上することが判る。ま
た、このガラスセラミック材料においては、焼成時の雰
囲気を変更することにより材料の比重は変化なかった。
但し水蒸気量を360mmHgとした場合はCu導体が
著しく酸化した。
【0034】実施例2 表2に示すガラスA(ガラス転移点:710℃)、B
(ガラス転移点:520℃)をそれぞれ50重量%とフ
ィラーのアルミナ:50重量%を混合した組成物につい
て、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示
す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】表3の結果から、水蒸気を混合した雰囲気
中で焼成し、表面のB量を低減させた試料は、B量を低
減しない試料に比較していずれも優れた耐酸化性を示し
た。但し、ガラス転移点の低いホウケイ酸系ガラスBを
用いた場合は、水蒸気を混合した雰囲気下で焼成するこ
とにより比重が低下し、断面観察の結果、基板表面が多
孔質になっていることを確認した。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガラスセ
ラミック焼結体によれば、表面のB23 量を低減した
ことにより、焼結体の耐酸性を大きく向上することがで
き、これにより、配線基板等の作製において、メッキ処
理液等と接触した場合においても、ガラス相の溶出を防
止することができ、製造時の歩留り等を向上することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/16 - 35/22 C04B 35/64

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホウケイ酸系ガラスとセラミックフィラー
    からなる混合物を成形、焼成してなるガラスセラミック
    焼結体であって、該焼結体表面のホウ素含有量が、該焼
    結体表面から30μm以上の内部深さにおけるホウ素含
    有量よりも少ないことを特徴とするガラスセラミック焼
    結体。
  2. 【請求項2】焼結体表面の蛍光X線分析におけるホウ素
    のピーク強度高さが、焼結体表面から30μmの深さ位
    置におけるホウ素のピーク強度高さの90%以下である
    請求項1記載のガラスセラミック焼結体。
  3. 【請求項3】前記ホウケイ酸系ガラスが少なくともSi
    2 、Al2 3 、RO(R:Mg、Ca、Znのうち
    の少なくとも1種)およびB2 3 を含有し、焼成時に
    結晶相を析出し得るガラスである請求項1記載のガラス
    セラミック焼結体。
  4. 【請求項4】ホウケイ酸系ガラスとセラミックフィラー
    からなる混合物を成形後、窒素および水蒸気を含む混合
    雰囲気中で焼成して、表面のB2 3 を揮散させること
    を特徴とするガラスセラミック焼結体の製造方法。
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