JP3330817B2 - 多層セラミックス部品 - Google Patents

多層セラミックス部品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線基板、積
層LC部品等の多層セラミックス部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化に伴い、これら
に用いられる電子部品もまた小型化が要求されている。
なかでもセラミックスを使用したインダクタ、コンデン
サ、フィルター等の機能部品及び配線基板は、多層構造
に積層され、小型化が図られるようになってきた。
【0003】このような積層部品は、セラミックス粉末
を有機バインダーと混合し、シート法、印刷法等の手段
で作製されたグリーン成形体に導体ペーストを印刷し、
積層、圧着、切断後、焼成し、外部電極を形成すること
により製造される。ここで、導体ペーストは一般に金属
粉末を有機バインダー及び有機溶剤中に分散させたもの
からなる。
【0004】高い品質係数(Q値)を要求されるLC部
品やフィルター類、及び低抵抗が要求される配線基板な
どで使用される導体ペースト中の導電材料としては、低
い抵抗率を持つ銀が用いられている。そのために、使用
するセラミックス材料は銀の融点(純銀の融点は96
0.5℃)以下、すなわち750℃〜940℃程度で焼
結が可能である必要がある。このようなセラミックス材
料の一つとして、焼結助剤たる役割のあるガラスを含有
したセラミックである、いわゆる、ガラスセラミックス
が広く用いられている。
【0005】ガラスセラミックスと銀の内部電極とを使
用して積層部品を作製する場合、以下の問題点がある。
【0006】導電材料に銀を使用した場合、収縮の開始
温度がガラスセラミックス材料の場合700℃〜940
℃であるのに対し、銀は300〜500℃と低い。その
ために、それぞれの収縮量が同一とならず導体層とセラ
ミックス層の間に応力が生じ、クラックやデラミネーシ
ョン等の欠陥の原因となっていた。よって導体ペースト
中に含まれる銀粉末の焼結性とセラミックス材料の焼結
性とをほぼ同一に、すなわち、焼成時の各温度における
セラミックス層と導体層の収縮量を同一にする必要があ
る。このため、何らかの方法で銀の焼結の進行を抑制す
る必要があった。
【0007】銀の焼結の進行を抑制する方法の一つに導
体ペースト中にSiO2-Al23系などのガラス粉末を
添加する方法がある。この方法では、ガラス粉末の添加
により銀の焼結を抑制する効果があるのでクラックの発
生などを防止することができる。
【0008】また、別の方法として、例えば特開平2−
10606号公報には、銀導体ペーストにマグネシウ
ム、チタン、スズ、カルシウム等の有機金属化合物を焼
結抑制剤として添加することにより銀の焼結を抑制する
方法が、特開平7−85720号公報には、焼結抑制剤
に有機シリコン化合物を使用する方法が、特開平8−7
644号公報には、焼結抑制剤としてアルミニウム、カ
ルシウム、チタン、イットリウム、ジルコニウムの有機
金属塩を使用する方法がそれぞれに記載されている。
【0009】これらの各公報に記載の方法は、グリーン
成形体の脱バインダー時(300℃〜500℃程度)
に、導体層中の有機金属化合物を燃焼させて生じた0.
1μm以下の微細な金属酸化物粒子を銀粒子の表面に付
着させることにより、銀の焼結を抑制する方法である。
銀の焼結を抑制するという目的においては、有機金属化
合物中の元素の種類は限定されるものではなく、上記の
各公報中に記載のいずれの有機金属化合物も銀の焼結を
抑制する効果がある。
【0010】そして、これらの方法は導体ペースト中に
ガラス粉末を添加する方法にくらべて導体中の絶縁物の
含有量を減らすことができるので直流抵抗値を低くする
ことができ高周波でのQ値が高いという利点とセラミッ
クス層と導体層の密着性を高めるという利点を合わせ持
つことが知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
セラミックス材料を用いたセラミックス積層部品におい
て、上記のようなガラス粉末を添加した導体ペーストや
上記公報のような有機金属化合物を含有した導体ペース
トを用いた積層セラミック部品は、その作製時のメッキ
工程において素子をメッキ液に浸漬するとき、メッキ液
がセラミックス層と導体層の界面のガラスを浸食しメッ
キ液が侵入する。また、セラミックス層と導体層の界面
にクラック等があるとこの隙間にメッキ液が侵入する。
さらに、この状態の部品をハンダリフロー炉に通炉する
と、侵入したメッキ液が沸騰し部品が破裂する現象(以
下、ポッピング現象という)が起こるという問題があっ
た。
【0012】これは、セラミックスに添加するガラス粉
末の組成を調整したり、導体層にガラス等を添加してメ
ッキ液に浸食されない、ストロンチウム長石(SrAl
2Si28)、バリウム長石(BaAl2Si28)、石
灰長石(CaAl2Si28)の1種以上をセラミック
ス層と導体層に析出させることにより防止することがで
きるが、セラミックス層にこれら長石等が必要以上に含
有し分散すると比誘電率が上昇する等の問題がある。ま
た、導体層にこれら長石等が分散すると絶縁物であるた
めため直流抵抗値が高くなる。さらに、導体表面の平滑
性も低下するため高周波でのQ値も低下するという問題
があった。
【0013】ここで、上記ストロンチウム長石とは、一
般的にバリウム長石(celsian、BaO・Al23・2
SiO2)とよばれる三成分系の無機酸化物のうち、B
aをSrに置き変えたものを言う。ただし、厳密に言う
とBaO−Al23−SiO2系はその平衡状態図にお
いてバリウム長石(celsian)すなわち、BaO・Al2
3・2SiO2となりうる領域があるが、ここで言うス
トロンチウム長石はSrO−Al23−SiO2系のう
ちSrO・Al23・2SiO2をとりうる領域だけで
なく、それ以外の領域も含む無機酸化物である。換言す
れば、SrO、Al23、SiO2からなる組成物であ
ると言うことができる。
【0014】そこで、本発明は、ガラスセラミックスと
銀の内部電極とからなる積層部品の作製時において、焼
成後のクラックやデラミネーション等の発生及びメッキ
工程後のポッピング現象を抑え、かつ、電気特性、特に
高周波でのQ値が良好な多層セラミック部品を提供する
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポッピング
現象を押さえ、かつ、電気特性が低下しないような積層
セラミックス部品について鋭意研究を重ねた結果、導体
ペーストの作製時に有機アルミニウム化合物を適量添加
し、さらにガラスセラミックス中のガラスにSrO、B
aO、CaOの一種以上を含有することにより、焼成等
の熱処理時に、上記有機アルミニウム化合物の分解によ
り生じた酸化アルミニウムと、上記添加したSrO、B
aO、CaO等が拡散し反応して、メッキ液に浸食され
ない、ストロンチウム長石(SrAl2Si28)、バ
リウム長石(BaAl2Si28)、石灰長石(CaA
2Si28)の1種以上を電気特性等に影響しないよ
うに、セラミックス層と導体層の界面に析出させること
ができることを見いだし、この知見に基づいて本発明を
なすに至った。
【0016】具体的には、下記(1)〜(4)の構成に
より達成される。
【0017】(1)ガラスセラミックス中のガラスがS
iO2を主成分とし、SrO、BaO、CaOを一種以
上及びAl23を含有するものであり、かつ、内部導体
がアルミニウムを含む有機金属化合物を含有する内部導
体ペーストを使用したものからなることを特徴とする多
層セラミックス部品。
【0018】(2)内部導体ペーストに銀粉末又は銀を
主成分とする合金粉末を使用した(1)に記載の多層セ
ラミックス部品。
【0019】(3)導体ペーストに含まれる有機金属化
合物中のアルミニウムの含有量が金属換算で0.01〜
5.0wt%である(1)又は(2)に記載の多層セラ
ミックス部品。
【0020】(4)ガラスセラミックス中のガラス成分
が、SiO250〜80モル%、SrO、BaO、Ca
Oの一種以上が10〜40モル%、Al235〜10モ
ル%である請求項(1)〜(3)のいずれか1項に記載
の多層セラミックス部品。
【0021】
【発明の実施の形態】電極ペースト 導電ペーストに使用する導体材料は、高いQ値を得るた
めに低抵抗のものであれば何でも良いが、最も抵抗率の
低い金属である銀粉末であることが好ましい。また、銀
を主体にする物であれば、銀−銅、銀−パラジウム等の
合金粉末であっても良い。このとき、銀は95wt%以
上含有されるものである。これら導体材料粉末の平均粒
子径は、焼結性、ペーストの特性等に影響することか
ら、0.1〜10μm程度が望ましい。
【0022】有機アルミニウム化合物の含有量は、金属
アルミニウム量に換算して、導体ペースト中の導体材料
粉末に対し0.01〜5.0wt%が好ましい。また、
導体材料粉末の平均粒子径の違いにより、導体材料粉末
の比表面積が変化してくるので、この含有量は、導体材
料粉末の平均粒径により異なる。例えば、導体材料粉末
の平均粒径が小さいほど導体材料粉末の比表面積が大き
くなるので、有機アルミニウム化合物の含有量は多くな
る。さらに、当然のことながら使用するセラミックス材
料の焼結性の良否によっても最適含有量は変化する。具
体的には、導体材料粉末の平均粒子径が10.0μmの
場合、0.01〜1.0wt%含有するのが望ましい。
導体材料粉末の平均粒子径が0.1μmの場合、3.0
〜5.0wt%含有するのが望ましい。導体材料粉末の
平均粒子径が1.0μmの場合、有機アルミニウム化合
物の含有量は、金属アルミニウムに換算して、導体ペー
スト中の導体材料粉末に対し1.0〜2.0wt%含有
するのが望ましい。
【0023】導体ペーストは、導体材料粉末に有機アル
ミニウム化合物を有機溶剤中で混合乾燥し、これを有機
ビヒクル中に分散させて作製する。有機アルミニウム化
合物の添加は導体ペーストの作製後であっても良い。具
体的には、有機アルミニウム化合物と導体材料粉末を有
機溶剤中で混合乾燥後に有機ビヒクルを添加し、たとえ
ば3本ロールなどで十分に混合させることにより作製す
る。
【0024】ここで、使用する有機ビヒクルは、有機バ
インダー及び溶剤を含有するものであり、有機バインダ
ーとしては、エチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラ
ール樹脂等の公知のものはいずれも使用可能である。バ
インダー含有量は1〜10wt%程度である。
【0025】有機溶剤としては、たとえばブチルカルビ
トール、テルピネオール、ケロシン等の公知のものはい
ずれも使用可能である。溶剤含有量は22〜55wt%
程度である。
【0026】その他、必要に応じ総計10wt%程度以
下の範囲で、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル等の分散剤、ジオクチルフタレート、ジブ
チルフタレート、ブチルフタルグリコール酸ブチル等の
可塑剤を添加してもよい。
【0027】セラミックス材料 ガラスセラッミックス材料はガラス粉末と酸化物骨材の
粉末を含有する。
【0028】ガラス粉末の組成はSiO2を主成分と
し、副成分としてSrO、BaO、CaOを一種以上及
びAl23を含有するものである。
【0029】SrO、BaO、CaOの少なくとも1種
の含有量は10〜40モル%以上、さらには15〜40
モル%以上含有することが好ましい。含有量が少ないと
長石類の生成が十分でなくなり、ポッピングが発生しや
すくなる。含有量が多すぎると、ガラスの形成が困難に
なったり、ガラスセラミックス材料の強度が低下したり
する。
【0030】また、Al23の含有量は、5〜10モル
%含有することが好ましい。含有量が少ないと長石類の
生成が十分でなくなり、ポッピングが発生しやすくな
る。含有量が多すぎると、ガラスの形成が困難になった
り、ガラスの軟化点が上昇し銀の融点以下での焼結が困
難になる。
【0031】一方、酸化物骨材としては、Al23、T
iO2、コージェライト、ムライト等の1種ないし2種
以上等、公知の材料であればいずれも使用可能である。
酸化物骨材としてAl23を使用する場合は、ガラス中
のAl23の含有量を少くなくしても良いが、5モル%
以上含有する必要がある。
【0032】製造方法 本発明の積層部品は、以下の製造方法により作製され
る。
【0033】ガラスセラミックス粉末を、例えば磁器製
のボールミルポット等を用いて有機ビヒクル等と混合す
る。この混合方法は通常用いられる方法であればどのよ
うな方法でも良く、十分混合して各成分が均一に分散さ
れればよい。さらに、用いる有機ビヒクル等について
も、通常用いられるものであれば特に限定はなく、例え
ば結合剤としては、ポリビニルブチラール(PVB)、
エチルセルロース、アクリル系樹脂などを単独または2
種類以上を、通常ガラスセラミックス粉末100重量部
に対して7〜20重量部程度添加すればよい。
【0034】また、溶剤としてはメタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、トル
エン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン等を単
独または2種類以上を、通常ガラスセラミックス粉末1
00重量部に対して40〜60重量部程度添加すればよ
い。
【0035】また、可塑剤としてはジエチルフタレート
(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチ
ルフタレート(DOP)、n−ブチルフタリルn−ブチ
ルグリコラート(BPBG)などを単独または2種類以
上を、通常ガラスセラミックス粉末100重量部に対し
て3〜7重量部程度添加すればよい。
【0036】その他、通常このような目的で用いられる
有機ビヒクル等の添加物に制限はなく、必要に応じて使
用することができる。
【0037】このようにして有機ビヒクル等とともにボ
ールミル等により均一に混合したガラスセラミックス粉
末のスラリーを、目的に応じて所定の厚さをもつグリー
ンシートに成形する。さらに、成形したグリーンシート
に上記導体ペーストを用いて、電極を形成した上で積層
し、所定の大きさに切断する。グリーンシート成形法、
回路の形成方法及び積層方法については特に制限はな
く、通常用いられる方法であればどのような方法でも良
く、例えばドクターブレード法等によりグリーンシート
を成形し、スクリーン印刷法等により電極を成形して圧
着して積層すればよい。
【0038】つづいて、上記積層体は、750℃〜94
0℃程度の温度で通常15分〜5時間程度焼成すればよ
い。焼成温度がこの範囲より高すぎると、内部導体材料
が拡散し、低すぎると得られた基板の焼結密度が低くな
り好ましくない。
【0039】さらに、焼成後の積層体は外部電極が形成
され、必要に応じてメッキが施される。
【0040】
【実施例】試料 (ガラスセラミックス)ガラスセラミックスは組成が異
なる2種類ものを用意した。
【0041】第1の組成のもの(以下、A組成ガラスセ
ラミックスとする)は、ガラスの組成がSiO2:62
モル%、Al23:8モル%、SrO:20モル%、C
aO:4モル%、B23:3モル%、MgO:3モル%
であり、酸化物骨材としてAl23を使用し、酸化物骨
材とガラスの混合比は体積比で30:70のものであ
る。以上のような組成となるよう各原料酸化物を秤量
し、この原料粉末100重量部に対し、それぞれ結合剤
としてアクリル系樹脂を15重量部、溶剤としてトルエ
ンを50重量部、可塑剤としてBPBGを5重量部から
なる有機ビヒクルを加えて混合し、ドクターブレード法
によりグリーンシートを得た。
【0042】第2の組成のもの(以下、B組成ガラスセ
ラミックスとする)は、ガラスの組成がSiO2:78
モル%、Al23:2モル%、B23:12モル%、N
2O:6モル%、PbO:2モル%であり、酸化物骨
材としては、Al23とTiO2の混合比が体積比で
1:1の混合物を使用したものであり、酸化物骨材とガ
ラスの混合比は体積比で30:70とした。これを上記
と同様の方法によりグリーンシートを得た。
【0043】(電極ペースト)電極ペーストは、添加す
る焼結抑制剤が異なる5種類ものを用意した。
【0044】球状の銀粉末(平均粒径3μm)に有機金
属化合物として、アルミニウムカップリング剤(商品名
プレンアクトALM(登録商標)、味の素株式会社製)
を金属換算で0.3wt%加え、トルエン中で攪拌後8
5℃で4時間熱処理を行った。この銀粉末を、有機ビヒ
クルに分散させて導体ペーストを作製した。これを電極
ペーストaとした。また、比較例として上記導体ペース
ト中のアルミニウムカップリング剤のかわりにシランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤をそれぞれ金属換
算で0.3wt%添加したものを、電極ペーストb及び
cとし、さらに、同じく比較例として導体ペースト中の
アルミニウムカップリング剤のかわりにSiO2:66
モル%、Al23:16モル%、SrO:15モル%、
ZrO:3モル%のガラス粉末(以下、C組成ガラス粉
末、平均粒径1.9μm)を10wt%、SiO2:6
6モル%、Al23:8モル%、SrO:23モル%、
ZrO2:3モル%のガラス粉末(以下、D組成ガラス
粉末、平均粒径1.9μm)を10wt%それぞれ添加
したものを、電極ペーストd及びeとした。
【0045】上記導体ペーストを各測定条件に合わせ上
記ガラスセラミックスで作製したグリーンシート上に所
定の形状に印刷、所定の層数に積層後900℃で5時間
焼成し、表1及び表2に示される試料No.1〜No.
5、試料No.11〜15の試験試料を作製した。
【0046】評価方法及び評価結果 この様にして作製した試料について、導体のQ値、耐メ
ッキ液性及び積層体内部の欠陥の有無の3項目について
評価した。
【0047】導体のQ値は、シート法により作製したL
チップの400MHzでのQ値を測定して評価をおこな
った。測定はLCRメーター(HP−4284A ヒュ
ーレットパッカード社製)により行った。
【0048】耐メッキ液性の評価は、グリーンシート上
に所定の大きさの電極を印刷し、さらにその上からグリ
ーンシートを、印刷された電極が半分程度隠れるように
積層して試料を作製し、これをメッキ液(Ni−Sn
系)に十分浸した後、蛍光染料(ジグロ液)を真空含浸
させ、紫外線を照射して蛍光塗料を発光させ、導体層と
セラミックス層の界面への蛍光染料の浸入量を測定する
ことで評価した。
【0049】積層体内部の欠陥の有無は、焼成後のクラ
ック、デラミネーションの有無から判断した。
【0050】表1、2に各試料の評価結果を示す。測定
結果より、本発明の効果は明らかであることがわかる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】なお、その他の試料として以下のものを作
製し評価した。
【0054】セラミックス材料としてPb、Ca、W、
Fe、及びNbを酸化物の形で含有し、 (Pb1-zCaz)(WsFetNbu)O3 ここでz=0.51、s=0.08、t=0.52、u=
0.40の組成の相を主成分とし、焼結助剤としてPb
5Ge311を主成分に対し、3wt%添加した材料をE
組成セラミックスとした。この材料は、ガラス成分を含
有しない。
【0055】これに有機ビヒクルを加えて混合後し、ド
クターブレード法によりグリーンシートを得た。導体ペ
ーストには、上記導体ペーストa〜eのものを使用し
た。また試料の作製条件は、焼成を930℃で3時間行
ったこと以外は、上記試料No.1〜No.5、試料N
o.11〜15と同一とした。この様にして作製した試
料をそれぞれ、試料No.21、No.22、No.23
とした。
【0056】これらの試料について耐メッキ液性の評価
を行ったところ、表には示さないが染料の侵入量はすべ
て5mm以上であった。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る積層セラミック部品は、ガ
ラスセラミックス層と導体層の界面に、ガラスセラミッ
クス中のガラスと有機アルミニウム化合物の分解により
生じた酸化アルミニウムが反応して長石が形成され、セ
ラミックス層と導体層の接着性を高め、ポッピング現象
の発生を効果的に防止することができる。
【0058】また、同時に導体ペーストに有機アルミニ
ウム化合物を含有しているために、銀電極の焼結を抑制
することができ、セラミックス層と導体層の収縮量の差
による応力の発生を防止し、クラックやデラミネーショ
ンの発生を低減することができる。
【0059】さらに、導体中の絶縁物の含有量を減らす
ことができるので、直流抵抗値が低く高周波でのQ値が
高い多層セラミックス部品を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01G 4/30 301 H01G 4/30 301E H05K 1/09 H05K 1/09 A (56)参考文献 特開 平7−82041(JP,A) 特開 平5−315757(JP,A) 特開 平1−253111(JP,A) 特開 平6−157876(JP,A) 特開 平7−73730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 1/09 H05K 3/46 H01G 4/12 H01G 4/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスセラミックス中のガラスがSiO2
    を主成分とし、SrO、BaO、CaOを一種以上及び
    Al23を含有するものであり、かつ、内部導体がアル
    ミニウムを含む有機金属化合物を含有する内部導体ペー
    ストを使用したものからなり、セラミックス層と導体層
    の界面にストロンチウム長石(SrAl 2 Si 2 8 )、
    バリウム長石(BaAl 2 Si 2 8 )、石灰長石(Ca
    Al 2 Si 2 8 )の一種以上を析出してなることを特徴
    とする多層セラミックス部品。
  2. 【請求項2】内部導体ペーストに銀粉末又は銀を主成分
    とする合金粉末を使用した請求項1に記載の多層セラミ
    ックス部品。
  3. 【請求項3】導体ペーストに含まれる有機金属化合物中
    のアルミニウムの含有量が金属換算で0.01〜5.0
    wt%である請求項1又は2に記載の多層セラミックス
    部品。
  4. 【請求項4】ガラスセラミックス中のガラス成分が、S
    iO250〜80モル%、SrO、BaO、CaOの一
    種以上が10〜40モル%、Al235〜10モル%で
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層セラミッ
    クス部品。
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