JP4750921B2 - 荷電粒子線装置用電極及びその製造方法 - Google Patents

荷電粒子線装置用電極及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極用材料、荷電粒子線装置用電極及びその製造方法に関し、特に電子線(EB)露光装置の電磁場偏向用電極に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
電子線(EB)露光技術は、0.1μm以下のリソグラフィ技術として注目されている。現在は0.25μmプロセスの半導体デバイスが主流の時代であるが、2006年頃には0.1μmプロセスの半導体デバイスの生産が本格的に開始されると予想される。これにより、現在主流となっている64メガバイトDRAMの250倍の容量を持つ16ギガバイトDRAMが生産されると見られている。このように大容量のDRAMを製造するためには、EB露光技術が不可欠の技術になると考えられる。
【0003】
EB露光装置は、例えばLaB6を材料とするチップから発生した熱電子を種々のフィルター、マスク、ディフレクターで電子線の位置、形状等を変化させて、シリコンウェハ上に描画を行うものである。電子線の位置制御を行うには、磁場による偏向と電場による偏向の2種類の偏向方法を使用する。磁場偏向はmm単位の主偏向領域内で用いられ、電磁偏向は100μm内の副偏向領域内の描画に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
EB露光装置は、光リソグラフィでは達成できない極めて緻密な描画を可能とするという優れた利点を有する反面、スループットが低く、寿命が短いという欠点がある。スループットが低い最大の理由は、光リソグラフィのような一括したパターン露光が難しく、電子線のスポット径が絞られ、基本的に描画露光方式を取るために、微細パターンを全てスキャンして全描画露光を行うのに長時間を要するということにある。
【0005】
そこで、EB露光を行うに際して、描画露光に要する時間をできるだけ短縮し、しかも描画精度を維持するには、電子線のスポット位置を正確且つ迅速に動かすことが必要となり、そのために電磁偏向電極の特性向上が望まれている。
【0006】
当該電極用材料として望まれる特性は以下の通りである。
【0007】
(1)易加工性のものであること。
即ち、EB露光装置の電磁偏向電極は、電子線の走査位置を制御するためのものであり、部品形状が複雑なうえ、高寸法精度が要求されるため、加工強度が高いことが求められる。
【0008】
(2)常温での電気抵抗値が10-1Ω・cm前後であること。
基本的に導電性に優れることが重要であるが、磁場中に電場をかけるために、金属並の低抵抗体を磁場内の電極として用いると、電極周りに渦電流が発生する。このために、電極用材料の抵抗値は10-1Ω・cm前後程度であることが求められる。
【0009】
(3)酸素プラズマ照射後も電極用材料に抵抗値の変化が見られないこと。また、電極用材料の表面が酸素プラズマ照射によりエッチングされ難いこと。
通常、この電極は真空中で使用するが、レジスト樹脂が描画を行う際に飛散するため、時間経過とともに、電極内側表面にレジスト飛散物が付着する。このレジストは絶縁体であるため、その堆積物はチャージアップの原因となる。このために、定期的に酸素プラズマで表面をクリーニングする必要がある。そこで電極用材料としては、酸素プラズマ照射に耐え得る材料であることが要求される。
【0010】
現在のところ、EB露光装置の電磁偏向電極としては、電極用材料には既存の酸化物セラミックス材料にその表面を金属膜でコーティングしたもの(以下、電極aとする)、及び酸化物セラミックス材料である酸化ルテニウムと非晶質ガラスとの複合体からなるもの(以下、電極bとする)が使用されている。
【0011】
電極aは、材料強度は高い(曲げ強さ:300MPa以上)ものの、長時間の酸素プラズマ照射により表面に形成された金属膜がスパッタリングされるため、酸素プラズマ処理後の抵抗値変化が著しく大きいという問題がある。
【0012】
他方、電極bは、酸化物セラミックス材料のみからなる場合に比して含有する炭化物成分の酸化が押さえられるため、抵抗値に関する要求及び酸素プラズマ処理後の抵抗値変化に関する要求については満足しているが、ガラス成分の増加に伴いクラックが発生し易くなるため、材料強度が劣る(曲げ強さ:100MPa)という問題がある。
【0013】
このように現在のところ、上述した各要求を満たす好適な電極用材料は見出されておらず、前記問題の早急な解決が待たれる状況にある。
【0014】
本発明の目的は、前記課題に鑑みてなされたものであり、極めて強度が高く加工性に優れるとともに、酸素プラズマ照射に対する高耐久性及び抵抗値変化の高抑止性を示す電極用材料、及び当該材料を用いた荷電粒子線(特に電子線)装置の電極であって、電磁場の偏向を緻密に実行してスポット位置の移動を正確且つ迅速に行うことを可能とする電極及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0018】
の態様は、荷電粒子線を被処理体の所望部位に照射する荷電粒子線装置に用いられ、前記荷電粒子線を電場及び/又は磁場偏向するための電極であって、導電性材料の非磁性酸化物セラミックスと、酸化物系結晶化ガラスと、Kを含む溶融塩を用いたイオン交換化学強化処理がなされた、Pbを含まない組成の酸化物系ガラスと、を有することを特徴とする。
【0020】
また、前記非磁性酸化物セラミックスの具体例は、酸化ルテニウム(RuO2),酸化レニウム(ReO2),酸化イリジウム(IrO2),ペロブスカイト酸化物のうち、少なくとも1種を含むものである。
【0021】
また、前記酸化物系結晶化ガラスの具体例は、ユークリプタイト(Li2O・Al23・2SiO2),スポジューメン(Li2O・Al23・4SiO2),ペタライト(Li2O・Al23・8SiO2),コージエライト(2MgO・2Al23・5SiO2),エンスタタイト(MgO・SiO2),フォレステライト(2MgO・SiO2),スピネル(MgO・Al23),サフィライン(4MgO・5Al23・2SiO2),ムライト(3SiO2・2Al23)、ウイレマイト(SiO2・2ZnO),カーナイト(ZnO・Al23),Znペタライト(ZnO・Al23・8SiO2ウォラストナイト(CaO・SiO2),アノーサイト(CaO・Al23・2SiO2)のうち、少なくとも1種を含むものである。
【0022】
の態様は、荷電粒子線を被処理体の所望部位に照射する荷電粒子線装置に用いられ、前記荷電粒子線を電場及び/又は磁場偏向するための電極の製造方法であって、導電性材料の非磁性酸化物セラミックスと、酸化物系結晶化ガラスと、Na2Oを含みPbを含まない組成の酸化物系ガラスとを含む材料の粉末を用い、圧粉成型及び焼成を行ってバルク体を作製し、機械加工により所定形状の成型体に整える工程と、前記所定形状の成型体を焼成し、最終的な電極形状の成型体に整える工程と、前記最終的な電極形状の成型体に、Kを含む溶融塩を用いたイオン交換化学強化処理を施す工程とを有することを特徴とする。
【0024】
また、焼成後の前記成型体の表面に、前記材料をコーティング処理するようにしても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
図1は、本実施形態に係る電磁場偏向用の電極が使用される電子線(EB)露光装置の主要内部構成を示す概略斜視図である。
このEB露光装置は、シリコンウエハ表面に形成されたレジストに、ブロックマスクのパターンを電子線を照射することにより露光し、極めて微細なパターニングを行う装置である。
【0027】
図1において、1はLaB6を材料とし、熱電子を放出するための電子銃として機能するチップであり、2は電子線が通過するアパーチャ、3は描画用の所望のパターンが形成されたブロックマスク、4は電子線の方向を制御する偏向器、5は被処理体であるシリコンウエハが設置されるウエハステージである。また、6はレンズ、7はブランカ、8はイマージョンレンズであり、これらによって電子線のスポットが絞り込まれる。
【0028】
偏向器4は、磁場による偏向を行うメイン偏向器12と、電磁場による偏向を行うサブ偏向器11とを有して構成されており、メイン偏向器12によりmm単位の主偏向領域内で電子線スポットの位置制御が実行され、サブ偏向器11により100μm内の単位の主偏向領域内で電子線スポットの位置制御が実行される。
【0029】
本実施形態では、電子線のスポット位置を正確且つ迅速に移動させるという要請から、スポット位置のより緻密な調節を要するために材料に対する要求が高いサブ偏向器11を、非磁性酸化物セラミックス、酸化物系結晶化ガラス、及び酸化物系ガラスを含有する電極用材料から構成する。このうち、必須の構成成分は、非磁性酸化物セラミックス及び酸化物系結晶化ガラスである。
【0030】
なお、本例ではサブ偏向器11のみを前記材料で構成する場合を例示するが、諸般の事情によりメイン偏向器12も同様の材料から構成する場合もある。
【0031】
本実施形態の電極用材料は、非磁性酸化物セラミックスとガラスとの複合体であるため、クリーニング時における酸素プラズマ照射の後も抵抗値に変化を来すことがなく、また表面が酸素プラズマ照射によるエッチングの影響を受け難い。
【0032】
更に当該電極用材料は、ガラスを含有するにも係わらず、以下に示す理由から極めて高い強度を示す。
【0033】
即ち、従来の電極用材料(酸化ルテニウム・ガラス複合体)では、強度が低いガラス相部に亀裂が発生し易く、クラックが進行して破壊に至る。この材料強度は、ガラス相部の強度で制限されていた。
これに対して本実施形態の電極用材料では、ガラスを構成する成分として酸化物系結晶化ガラスを含有するため、ガラス相部である非晶質ガラス部位に結晶が析出する。これにより、ガラス相部の強度が十分に補強され、材料全体として強度向上が達成されることになる。
【0034】
ここで、析出させる結晶相は、実使用時における材料形状の安定化が必須であることから、マトリックスガラスより熱膨張率が小さい酸化物系結晶化ガラスの結晶相である。この場合、当該電極用材料の熱膨張率は10-5/℃以下となる。
【0035】
この条件を満たす酸化物系結晶化ガラスの具体例としては、結晶化ガラスの結晶化温度により熱膨張率が変動しないことが必須であることから軟化点が400℃〜1600℃の範囲内の値であり、ユークリプタイト(Li2O・Al23・2SiO2),スポジューメン(Li2O・Al23・4SiO2),ペタライト(Li2O・Al23・8SiO2),コージエライト(2MgO・2Al23・5SiO2),エンスタタイト(MgO・SiO2),フォレステライト(2MgO・SiO2),スピネル(MgO・Al23),サフィライン(4MgO・5Al23・2SiO2),ムライト(3SiO2・2Al23)、ウイレマイト(SiO2・2ZnO),ガーナイト(ZnO・Al23),Znペタライト(ZnO・Al23・8SiO2),(ZnO・l23・8SiO2),ウォラストナイト(CaO・SiO2),アノーサイト(CaO・Al23・2SiO2)のうち、少なくとも1種を含むものが挙げられる。
【0036】
また、非磁性酸化物セラミックスの具体例としては、酸化ルテニウム(RuO2),酸化レニウム(ReO2),酸化イリジウム(IrO2),ペロブスカイト酸化物のうち、少なくとも1種を含むものである。ペロブスカイト酸化物としては、SrVO3,CaVO3,LaTiO3,SrMoO3,CaMoO3,SrCrO3,CaCrO3,LaVO3,GdVO3,SrMnO3,CaMnO3,NiCrO,BiCrO3,LaCrO3,LnCrO3,CaRuO3,SrFeO3,BaRuO3,LaMnO3,LnMnO3,LaFeO3,LnFeO3,LaCoO3,LaRhO3,LaNiO3,Bi2Ru27,LaTaO3,BiRuO3等が好ましい。
【0037】
また、酸化物系ガラスの具体例としては、鉛(Pb)を含有しない組成であり、酸化物系結晶化ガラスと同様に軟化点が400℃〜1600℃の範囲内の値であって、Na2Oの含有量が2重量%以上であることが好ましい。これは、溶融塩を用いたイオン交換化学化処理による材料強度の向上を図るためである。
【0038】
また、当該電極用材料は、その固有電気抵抗値が10-4〜104Ω・cmであることが好ましい。これは、電子のチャージング防止のためである。
【0039】
このように、本実施形態によれば、極めて強度が高く加工性に優れるとともに、酸素プラズマ照射に対する高耐久性及び抵抗値変化の高抑止性を示す電極用材料が実現する。従って、当該電極用材料を用いて、EB露光装置の電磁場偏向電極であり、緻密な加工精度のみならず前記高耐久性及び前記高抑止性が要求されるサブ偏向器12を構成するならば、電磁場の偏向を緻密に実行してスポット位置の移動を正確且つ迅速に行うことが可能となり、描画露光に要する時間を可及的に短縮し、しかも描画精度を維持して、高精度のEB露光が実現される。
【0040】
本実施形態の電極用材料を製造するには、先ず、前記成分、即ち非磁性酸化物セラミックス、酸化物系結晶化ガラス及び酸化物系ガラスを含有する材料の粉末を用い、圧粉成型及び焼成を行ってバルク体を作製する。
【0041】
続いて、このバルク体を所定の機械加工により所定形状の成型体に整えた後、この成型体を焼成することにより、最終的な電極形状に整える。
【0042】
ここで、焼成後の成型体に、溶融塩を用いたイオン交換化学強化処理、具体的にはガラス中のNaイオンをKイオンに置換することが好適である。これにより、非晶質ガラス部位の更なる強度向上が実現する。溶融塩の具体例としては、KNO3,KCl,K2SO4,K2CO3のうち、少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0043】
また、焼成後の成型体の表面に、更に当該電極用材料をコーティング処理するようにしても好適である。これにより、非晶質ガラス部位の更なる結晶化が促進されて強度向上が実現する。
【0044】
このように、本実施形態の電極の製造方法によれば、電磁場偏向電極であるサブ偏向器11の如く緻密な加工精度のみならず酸素プラズマ照射に対する高耐久性及び抵抗値変化の高抑止性が要求されるものでも、容易且つ正確に製造することが可能となる。
【0045】
なお、本実施形態では、EB露光装置を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)や、電子線以外の荷電粒子線を照射する装置の電極材料としても適用可能である。
【0046】
【実施例】
以下、本実施形態で述べた電極用材料を実際に製造し、各種特性を調べた実施例について説明する。
【0047】
(実施例1)
平均粒径1μmのRuO2粉末を20体積%、平均粒径3μmの硼珪酸ガラスコーニング7740粉末を調合し、更にアセトン、PVB樹脂を粉末に対して2体積%添加してボールミルで20時間混合した。次に、これらのミリングされたスラリーを乾燥させ、溶剤(アセトン)分をすべて除去した。これらをらいかい機で粉砕し、成型体を形成する前の原料として供した。この原料を金型に入れ、5MPaで加圧成型した。この成型体を1000℃で2時間、大気中で焼成して電極用材料を得た。得られた電極用材料を幅10mm、厚さ5mm、長さ120mm程度の四角柱に加工し、イオン交換化学強化処理を行った。この加工品の処理には溶融塩としてKNO3を用い、400℃〜1000℃の温度で、2〜5時間熱処理を大気中で行った。
【0048】
(実施例2)
平均粒径0.5μmのRuO2粉末を10体積%、平均粒径3μmのアルミノCa珪酸結晶化ガラス粉末を70体積%、平均粒径3μmのリチウムシリケート結晶化ガラス粉末を20体積%を実施例1と同様に調合し、成型体を作製した。この成型体を1000℃で2時間、大気焼成した後、Ar−10%酸素、2000気圧の雰囲気中、950℃、5時間の条件で焼成し、電極用材料を得た。
【0049】
(実施例3)
平均粒径1μmのLaTaO3粉末を60体積%、平均粒径2μmのZn−Al珪酸結晶化ガラスを30体積%、平均粒径3μmのMg−Al珪酸結晶化ガラス粉末10体積%を用いて、実施例1の手法と同様に成型体を作製し、大気中、1000℃、5時間の条件で焼成した。
【0050】
(実施例4)
平均粒径1μmのCaRuO3粉末を40体積%、平均粒径3μmのNa2O成分が8重量%の棚珪酸非晶質ガラス粉末30体積%、と平均粒径5μmのアルミノ珪酸ガラス(Na2O量:6重量%)ガラス粉末30体積%を実施例1の手法と同様に調合し、成型体を作製した。この成型体を1000℃、5時間、大気で焼成した後、Ar、1500気圧の雰囲気中で、950℃、2時間で焼成し、電極用材料を得た。焼成した後、この材料をKNO3溶融塩中に400℃、20時間浸漬し、イオン交換化学強化処理を行った。
【0051】
実施例1で作製した四角柱の加工品を用いて、RuO2と非晶質ガラスとの複合体である従来の電極用材料との比較に基づき、曲げ強度測定を行ったところ、表1に示すように、本例の電極用材料は従来のそれの2倍以上の強度を示した。
【0052】
【表1】
Figure 0004750921
【0053】
また、実施例2,3で作製した成型体をEB露光装置の電磁場偏向用の電極として用いたところ、表2に示すように、従来の電極に比して電子線の位置移動を格段に迅速に行うことができた。また、これらの電極は、酸素プラズマ耐性に優れているため、酸素プラズマ照射後の抵抗値変化が見られないという好適な結果が得られた。
【0054】
【表2】
Figure 0004750921
【0055】
以下に示す発明の諸態様もまた、本発明を構成する。
【0056】
態様1では、前記電極用材料の熱膨張率は10-5/℃以下である。
【0057】
態様2では、前記電極用材料の固有電気抵抗値が10-4〜104Ω・cmである。
【0058】
態様3では、酸化物系結晶化ガラスは、軟化点が400℃〜1600℃の範囲内の値とされたものである。
【0059】
態様4では、前記酸化物系ガラスは、鉛(Pb)を含有しない組成であり、軟化点が400℃〜1600℃の範囲内の値であって、Na2Oの含有量が2重量%以上である。
【0060】
態様5では、焼成後の前記成型体の表面に、前記材料をコーティング処理する工程を更に有する。
【0061】
【発明の効果】
本発明の電極用材料によれば、極めて強度が高く加工性に優れるとともに、酸素プラズマ照射に対する高耐久性及び抵抗値変化の高抑止性を示す。当該材料を用いて荷電粒子線(特に電子線)装置の電極を構成することにより、電磁場の偏向を緻密に実行してスポット位置の移動を正確且つ迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る電磁場偏向用の電極が使用される電子線(EB)露光装置の主要内部構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 LaB6チップ
2 アパーチャ
3 ブロックマスク
4 偏向器
5 ウエハステージ
6 レンズ
7 ブランカ
8 イマージョンレンズ
11 サブ偏向器
12 メイン偏向器

Claims (5)

  1. 導電性材料の非磁性酸化物セラミックスと、
    酸化物系結晶化ガラスと、
    Kを含む溶融塩を用いたイオン交換化学強化処理がなされた、Pbを含まない組成の酸化物系ガラスと、
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置用電極。
  2. 前記非磁性酸化物セラミックスは、酸化ルテニウム(RuO2),酸化レニウム(ReO2),酸化イリジウム(IrO2),ペロブスカイト酸化物、タンタル酸ランタン(LaTaO3),ルテニウム酸カルシウム(CaRuO3)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項に記載の荷電粒子線装置用電極。
  3. 前記酸化物系結晶化ガラスは、ユークリプタイト(Li2O・Al23・2SiO2),スポジューメン(Li2O・Al23・4SiO2),ペタライト(Li2O・Al23・8SiO2),コージエライト(2MgO・2Al23・5SiO2),エンスタタイト(MgO・SiO2),フォレステライト(2MgO・SiO2),スピネル(MgO・Al23),サフィライン(4MgO・5Al23・2SiO2),ムライト(3SiO2・2Al23)、ウイレマイト(SiO2・2ZnO),カーナイト(ZnO・Al23),Znペタライト(ZnO・Al23・8SiO2),ウォラストナイト(CaO・SiO2),アノーサイト(CaO・Al23・2SiO2)のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項に記載の荷電粒子線装置用電極。
  4. 導電性材料の非磁性酸化物セラミックスと、酸化物系結晶化ガラスと、Na2Oを含みPbを含まない組成の酸化物系ガラスとを含む材料の粉末を用い、圧粉成型及び焼成を行ってバルク体を作製し、機械加工により所定形状の成型体に整える工程と、
    前記所定形状の成型体を焼成し、最終的な電極形状の成型体に整える工程と、
    前記最終的な電極形状の成型体に、Kを含む溶融塩を用いたイオン交換化学強化処理を施す工程と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置用電極の製造方法。
  5. 前記溶融塩は、KNO3,KCl,K2SO4,K2CO3のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項に記載の荷電粒子線装置用電極の製造方法。
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