JP2001122639A - ガラスフリットおよび導体ペースト組成物ならびに積層コンデンサ - Google Patents

ガラスフリットおよび導体ペースト組成物ならびに積層コンデンサ

Info

Publication number
JP2001122639A
JP2001122639A JP29941599A JP29941599A JP2001122639A JP 2001122639 A JP2001122639 A JP 2001122639A JP 29941599 A JP29941599 A JP 29941599A JP 29941599 A JP29941599 A JP 29941599A JP 2001122639 A JP2001122639 A JP 2001122639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
glass frit
paste composition
oxide
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29941599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4577461B2 (ja
Inventor
Takanori Yano
隆教 矢野
Katsuhiko Igarashi
克彦 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP29941599A priority Critical patent/JP4577461B2/ja
Publication of JP2001122639A publication Critical patent/JP2001122639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4577461B2 publication Critical patent/JP4577461B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐めっき液性に優れたガラスフリットおよび
導体ペースト組成物ならびにそれを用いた積層コンデン
サを提供する。 【解決手段】 誘電体層11とNiを含む内部電極12
とを交互に積層したコンデンサ素体10の側面に端子電
極21,22を備える。端子電極21,22はガラスフ
リットと導電材料体とビヒクルとを含む導体ペースト組
成物を焼き付けることにより形成されたものである。導
体ペースト組成物に含まれるガラスフリットの組成は、
酸化物に換算してSiO2 が7〜63重量%、ZnOが
37〜93重量%、MnOが0〜22重量%、B2 3
が0〜10重量%である。Bの含有量が少ないので耐め
っき液性に優れる。よって、端子電極21,22の上に
めっき層23,24を形成する際にガラス成分の溶解が
抑制され、端子電極21,22の密着性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ素(Si)と
亜鉛(Zn)と酸素(O)とを含むガラスフリットおよ
びそれを用いた導体ペースト組成物ならびに積層コンデ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、IC(integrated circuit)およ
びLSI(Large Scale Integrated circuit)などの発
達により、電子機器の小型化が急速に進んでいる。それ
に伴い、電子部品であるコンデンサについても小型化が
進んでおり、積層コンデンサの需要が急激に伸びてい
る。この積層コンデンサとしては、例えば、誘電体層と
内部電極とを交互に積層したコンデンサ素体に導電材料
体を含む導体ペースト組成物を焼き付けた端子電極を形
成し、この端子電極の外側にニッケル(Ni)あるいは
スズ(Sn)などのめっき層を形成したものが知られて
いる。
【0003】従来、このような積層コンデンサでは、内
部電極をパラジウム(Pd)などにより構成していた
が、最近では、低価格化を図るために、内部電極に安価
なニッケルなどの卑金属を用いるようになってきてい
る。これにより、内部電極をニッケルなどの卑金属によ
り構成した積層コンデンサの実装強度、特に、たわみ強
度の向上が強く求められている。なお、このたわみ強度
というのは、積層コンデンサをガラスエポキシ基板など
にはんだ付けし、基板の裏側から加圧しながら積層コン
デンサの静電容量を測定して、その静電容量が規定値以
下になった時点の基板の変位量により規定されるもので
ある。
【0004】このたわみ強度を向上させる方法の一つ
に、端子電極の形成に用いる導体ペースト組成物に含ま
れるガラスフリットの組成を変化させるということがあ
る。このガラスフリットは、導電材料体の焼結性を高め
ると共に、コンデンサ素体との密着性を確保するために
添加されているものである。従来、このようなガラスフ
リットとしては、例えば、特開平6−151235号
に、ケイ素,ホウ素(B),鉛(Pb)および亜鉛と酸
素とを含むものが開示されている。しかし、このガラス
フリットは鉛を含んでいるので、内部電極にニッケルな
どの卑金属を用いた積層コンデンサには使用することが
できず、環境汚染の面からもあまり好ましくない。
【0005】また、内部電極にニッケルなどの卑金属を
含有する積層コンデンサ用のガラスフリットとしては、
例えば、特開昭59−184511号に、鉛を含まず、
ケイ素,ホウ素および亜鉛などと酸素とを含むものが開
示されている。更に、内部電極に亜鉛を含有する積層コ
ンデンサ用のガラスフリットとしては、例えば、特開平
1−273306号に、ケイ素,ホウ素,鉛および亜鉛
などと酸素とを含むものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のガラスフリットには低融点化を図るためにホウ素が含
まれているので、端子電極の外側にめっき層を形成する
際にガラス成分がめっき液に溶けてしまい、端子電極と
コンデンサ素体との密着性が大きく低下してしまうとい
う問題があった。そのため、積層コンデンサについて十
分な実装強度を得ることができなかった。また、特開平
1−273306号に開示のガラスフリットは、熱処理
過程中に還元されてしまうと明示されていることから、
ガラスフリットとしては不完全であり、ガラス成分が還
元された場合には、実質的にガラスとしての機能を果た
さず、端子電極とコンデンサ素体と間に十分な密着性を
得ることができない。
【0007】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、耐めっき液性に優れたガラスフリ
ットおよびそれを用いた導体ペースト組成物ならびに積
層コンデンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるガラスフリ
ットは、ケイ素と亜鉛と酸素とを含み、組成は酸化物に
換算してSiO2 が7重量%以上63重量%以下、Zn
Oが37重量%以上93重量%以下であり、ホウ素の含
有量は酸化物(B2 3 )に換算して10重量%以下の
ものである。
【0009】本発明によるガラスフリットでは、ホウ素
の含有量が酸化物(B2 3 )に換算して10重量%以
下とされているので、耐めっき液性に優れている。
【0010】本発明による導体ペースト組成物は、ガラ
スフリットと、導電材料体と、ビヒクルとを含有するも
のであって、ガラスフリットは、ケイ素と亜鉛と酸素と
を含むと共に、その組成は、酸化物に換算してSiO2
が7重量%以上63重量%以下、ZnOが37重量%以
上93重量%以下であり、かつ、ホウ素の含有量が酸化
物(B2 3 )に換算して10重量%以下のものであ
る。
【0011】本発明による導体ペースト組成物では、ガ
ラスフリットにおけるホウ素の含有量が酸化物(B2
3 )に換算して10重量%以下とされているので、耐め
っき液性に優れている。なお、このガラスフリットは、
更にマンガンを含んでいてもよく、その場合の組成は、
酸化物に換算してMnOが22重量%以下であることが
好ましい。また、ガラスフリットの平均粒径は0.1μ
m以上20μm以下であることが好ましい。更に、ガラ
スフリットは耐還元性を有していることが好ましい。
【0012】加えて、この導体ペースト組成物は、導電
材料体100重量部に対してガラスフリットを0.5重
量部以上15重量部以下の範囲内で含有することが好ま
しい。また、導電材料体は、銀(Ag),金(Au),
銅(Cu),ニッケル,パラジウムおよび白金(Pt)
からなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好まし
く、その平均粒径は0.1μm以上10μm以下の範囲
内であることが好ましい。
【0013】本発明による積層コンデンサは、交互に積
層された誘電体層および内部電極と、この内部電極に対
して電気的に接続された端子電極とを有するものであっ
て、端子電極は、本発明の導体ペースト組成物を焼き付
けたものである。
【0014】本発明による積層コンデンサでは、本発明
の導体ペースト組成物を焼き付けて形成した端子電極を
備えているので、ガラスの耐めっき液性に優れている。
よって、端子電極の密着性が高く、優れた実装強度が得
られる。なお、内部電極はニッケルを含有していてもよ
い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0016】本発明の一実施の形態に係る導体ペースト
組成物は、例えば、ガラスフリットと、導電材料体と、
ビヒクルとを含有している。ガラスフリットは、ケイ素
と亜鉛と酸素とを含んでおり、更に、マンガンを含んで
いてもよい。その組成は、酸化物に換算して、 SiO2 : 7重量%以上 63重量%以下 ZnO : 37重量%以上 93重量%以下 MnO : 0重量%以上 22重量%以下 であることが好ましく、より好ましい組成は、 SiO2 : 24重量%以上 42重量%以下 ZnO : 58重量%以上 76重量%以下 MnO : 0重量%以上 10重量%以下 である。
【0017】その理由は、二酸化ケイ素(SiO2 )ま
たは酸化亜鉛(ZnO)が上記範囲未満またはそれを超
えると、ガラス軟化点が高くなりすぎ、導電材料体の焼
結性が著しく低下してしまうからである。また、酸化マ
ンガン(MnO)が上記範囲を超えると、焼き付けた際
の接着強度、すなわち密着性が低下してしまうからであ
る。
【0018】また、ガラスフリットは、これらの構成元
素以外に他の構成元素を含んでいてもよい。但し、ホウ
素の含有量は、酸化物(B2 3 )に換算して10重量
%以下となっている。これは、ホウ素の含有量が多いと
耐めっき液性が著しく低下してしまうからである。すな
わち、耐めっき液性の面から言えばホウ素の含有量はよ
り少ない方が好ましい。例えば、ホウ素の含有量は酸化
物(B2 3 )に換算して8重量%以下であればより好
ましく、0重量%、すなわちホウ素を全く含まなければ
更に好ましい。
【0019】ガラスフリットの平均粒径は、例えば、
0.1μm以上20μm以下であることが好ましい。こ
の範囲内であれば、ガラスの凝集が生じることなく、ま
たその分散性も良好となるために強度値のばらつきを低
く抑えることができるからである。
【0020】なお、このガラスフリットは、例えば、耐
還元性を有しており、酸化性雰囲気のみならず非酸化性
雰囲気において焼き付けても十分な特性を得ることがで
きるようになっている。ちなみに、耐還元性の有無は、
例えば、X線回折装置を用い、室温における非晶質状態
の回折パターンを基準として、還元雰囲気で熱処理した
後のX線回折パターンの最大ピークが基準の5倍以下で
あるか否かにより判断される。その際の還元熱処理は、
例えば、窒素ガス(N2 )と水素ガス(H2 )とを9:
1の体積比で混合した混合ガス雰囲気中において100
0℃の温度で行う。
【0021】導体ペースト組成物におけるガラスフリッ
トの含有量は、導電材料体100重量部に対して0.5
重量部以上15重量部以下の範囲内であることが好まし
く、より好ましくは3重量部以上12重量部以下の範囲
内である。これよりもガラスフリットの含有量が少ない
と、ガラスフリットを添加した効果を十分に得ることが
できず、焼き付けた後の接着強度が著しく低下してしま
うからであり、これよりもガラスフリットの含有量が多
いと、焼き付けた後の表面にガラスが著しく浮き出てし
まい、めっき膜が均一に形成されず、はんだ濡れ性が低
下してしまうからである。
【0022】導電材料体は、例えば、銀,金,銅,ニッ
ケル,パラジウムおよび白金からなる群のうちの少なく
とも1種を含んでいる。なお、コストの面からは、導電
材料体を銅あるいはニッケル、またはそれらの合金によ
り構成することが好ましい。導電材料体の平均粒径は、
例えば、0.1μm以上10μm以下であることが好ま
しい。これよりも平均粒径が小さいと、焼き付け時に導
電材料体の収縮が大きくなり過ぎ、表面にひびや裂けな
どを生じてしまうからであり、これよりも平均粒径が大
きいと、導電材料体の分散性が著しく低下し、強度ばら
つきの原因となってしまうからである。
【0023】ビヒクルは、例えば、エチルセルロース,
ニトロセルロース,アクリル系樹脂などのバインダー
と、テルピネオール,ブチルカルビトール,ブチルカル
ビトーアセテートなどの溶剤とを混合したものであり、
その他必要に応じて分散剤や活性剤などを含んでいても
よい。なお、一般に、導体ペースト組成物におけるビヒ
クル含有率は10重量%以上70重量%以下の程度であ
ることが好ましい。また、導体ペースト組成物の粘度
は、例えば10Pa・s以上10000Pa・s以下の
程度であることが好ましい。
【0024】このような構成を有する導体ペースト組成
物は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0025】まず、ガラスフリットを作製する。例え
ば、ガラスフリットの原料となる二酸化珪素、酸化亜
鉛、および必要に応じて炭酸マンガン(MnCO3 )な
どを混合し、高温にてそれらを溶融したのち水中などに
投下して急冷する。原料の混合方法は特に限定されない
が、らいかい機などで0.5時間〜2時間程度混合する
ことが好ましい。溶融は、例えば、通常の電気炉などで
1500℃〜1700℃程度の温度に1時間〜2時間程
度保持することにより行う。なお、高温炉により170
0℃〜2500℃程度の高温で溶融するようにしてもよ
い。溶融する際の昇温速度は特に限定されないが、例え
ば、100℃/h〜500℃/h程度が好ましい。その
のち、急冷したのもをボールミルなどで微粉化する。こ
れにより、ガラスフリットが得られる。
【0026】次いで、得られたガラスフリットと、別途
用意した導電材料体と、ビヒクルとを調合し、例えばら
いかい機で1時間程度混合した後、三本ロールで混練し
スラリー化する。これにより、上述した導体ペースト組
成物が得られる。
【0027】このような導体ペースト組成物は、例え
ば、積層コンデンサを形成する材料として好ましく用い
られる。
【0028】図1は、本実施の形態に係る導体ペースト
組成物を用いた積層コンデンサの断面構造を表すもので
ある。この積層コンデンサは、例えば、複数の誘電体層
11と複数の内部電極12とを交互に積層したコンデン
サ素体10を備えている。内部電極12は例えば交互に
逆方向に延長されており、その延長方向には内部電極1
2と電気的に接続された一対の端子電極21,22がそ
れぞれ設けられている。端子電極21,22は、本実施
の形態に係る導体ペースト組成物をそれぞれ焼き付けた
ものである。これら端子電極21,22の外側には、め
っき層23,24がそれぞれ設けられている。
【0029】誘電体層11は、例えば、誘電体原料と有
機ビヒクルとを含有する誘電体ペーストを焼結して得た
セラミックにより構成されている。誘電体原料は誘電体
層11の組成に応じた粉末が用いられる。誘電体原料の
構成材料は特に限定されるものではなく、種々の誘電体
材料が用いられるが、例えば、酸化チタン(Ti
2)、チタン酸系複合酸化物、あるいはこれらの混合
物などが好ましい。例えば、酸化チタンを用いる場合に
は、必要に応じて、酸化ニッケル(NiO),酸化銅
(CuO),酸化マンガン(Mn3 4 ),酸化アルミ
ニウム(Al2 3 ),酸化マグネシウム(MgO)ま
たは二酸化ケイ素などの副成分材料を総計で0.001
重量%〜30重量%程度添加してもよい。
【0030】また、チタン酸系複合酸化物としては、チ
タン酸バリウム(BaTiO3 )などが挙げられる。チ
タン(Ti)に対するバリウム(Ba)の原子比Ba/
Tiは0.95〜1.20程度が良い。例えば、チタン
酸バリウムを用いる場合には、必要に応じて、酸化マグ
ネシウム,酸化カルシウム(CaO),酸化マンガン
(Mn3 4 ),酸化イットリウム(Y2 3 ),酸化
バナジウム(V2 5 ),酸化亜鉛(ZnO),酸化ジ
ルコニウム(ZrO2 ),酸化ニオブ(Nb2 5 ),
酸化クロム(Cr2 3 ),酸化鉄(Fe2 3 ),酸
化リン(P2 5),酸化ナトリウム(Na2 O)また
は酸化カリウム(K2 O)などの副成分材料を総計で
0.001重量%〜30重量%程度添加してもよい。
【0031】誘電体原料の平均粒径は、目的とする誘電
体層11の平均結晶粒径に応じて決定されるが、通常は
0.3μm〜1.0μm程度が好ましい。
【0032】誘電体ペーストに含まれる有機ビヒクル
は、例えば、バインダーを有機溶剤中に溶解したもので
ある。用いるバインダーは特に限定されず、エチルセル
ロースなどの通常の各種バインダーから適宜選択され
る。用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法またはシ
ート法などの誘電体層11の製造方法に応じて、ターピ
ネオール、ブチルカルビトール、アセトンあるいはトル
エンなどの各種有機溶剤から適宜選択される。なお、誘
電体ペーストには、焼成温度および線膨張率を調整する
ために、(BaCa)SiO2 ガラスなどのガラスが添
加されていても良い。
【0033】なお、誘電体層11の一層あたりの厚さは
特に限定されないが、通常1.5μm〜20μm程度で
ある。誘電体層11の積層数は、通常5〜300程度で
ある。
【0034】内部電極12は、導電材料により構成され
ている。この導電材料は特に限定されないが、例えば、
ニッケル,銅あるいはそれらの合金が好ましい。また、
誘電体層11の構成材料に耐還元性を有するものを用い
る場合には、内部電極12を安価な卑金属で構成するこ
ともできるので、特にニッケルあるいはニッケル合金が
好ましい。ニッケル合金としては、マンガン,クロム
(Cr),コバルト(Co),アルミニウム(Al)な
どから選択される1種以上の元素とニッケルとの合金が
好ましく、合金中におけるニッケルの含有量は95重量
%以上であることが好ましい。なお、内部電極12は、
それらの他にリン(P)などの各種微量成分を0.1重
量%程度以下含有していても良い。内部電極12の厚さ
は用途に応じて適宜決定されるが、例えば、0.5μm
〜5μm程度であることが好ましい。
【0035】めっき層23,24は、例えば、ニッケル
あるいはスズにより構成されている。厚さは特に限定さ
れないが、ニッケル層の場合は通常0.1μm〜3.0
μm程度であり、スズ層の場合は通常0.5μm〜10
μm程度である。また、めっき層23,24は積層構造
とされていてもよい。積層構造の場合は、例えば、端子
電極21,22の側からニッケル層とスズ層とを、ある
いはニッケル層とスズ鉛合金層とをこの順にめっきした
構造、または銅層とニッケル層とスズ層とを、あるいは
銅層とニッケル層とスズ鉛合金層とをこの順にめっきし
た構造でもよい。但し、環境への配慮から鉛を用いるの
はあまり好ましくなく、スズの単層構造、あるいはニッ
ケルを用いた場合には上述した鉛を用いない積層構造と
することが好ましい。
【0036】このような構成を有する積層コンデンサ
は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0037】まず、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練
し、誘電体層11を形成する誘電体ペーストを作製す
る。その際、誘電体原料の製造方法は特に限定されな
い。例えば、誘電体原料にチタン酸バリウムを用いる場
合には、水熱合成したチタン酸バリウムに、必要に応じ
て副成分原料を混合して製造する。また、炭酸バリウム
(BaCO3 )と酸化チタンと副成分原料との混合物を
仮焼して固相反応させる乾式合成法を用いても良い。更
に、共沈法、ゾル・ゲル法、アルカリ加水分解法、ある
いは沈殿混合法などにより得た沈殿物と副成分原料との
混合物を仮焼して合成しても良い。なお、副成分原料に
は、酸化物および焼成により酸化物となる各種化合物の
うちの少なくとも1種を用いることができる。焼成によ
り酸化物となる各種化合物には、例えば、炭酸塩、シュ
ウ酸塩、水酸化物あるいは有機金属化合物などがある。
【0038】次いで、内部電極12を形成する内部電極
ペーストを作製する。内部電極ペーストは、例えば、内
部電極12を構成する上述した導電材料、または焼成後
に上述した導電材料となる各種酸化物、有機金属化合物
あるいはレジネートなどに、誘電体ペーストと同様の有
機ビヒクルを混練して調整する。
【0039】続いて、これら誘電体ペーストと内部電極
ペーストとを用い、例えば、印刷法あるいはシート法に
より、コンデンサ素体10の前駆体であるグリーンチッ
プを作製する。例えば、印刷法を用いる場合には、ま
ず、誘電体ペーストおよび内部電極ペーストをポリエチ
レンテレフタレート製などの基板の上に交互に印刷す
る。その際、内部電極ペーストの端部の一方が誘電体ペ
ーストの端部より交互に外部に露出するように積層す
る。次いで、その積層体を熱圧着し、所定形状に切断し
てチップ化した後、基板から剥離してグリーンチップと
する。
【0040】また、例えば、シート法を用いる場合に
は、まず、誘電体ペーストを用いて誘電体グリーンシー
トを形成し、この誘電体グリーンシートの上に内部電極
ペーストを印刷する。次いで、これらを交互に繰り返し
て積層し、その積層体を所定形状に切断してグリーンチ
ップとする。
【0041】グリーンチップを作製したのち、脱バイン
ダー処理を行う。その際の条件は通常のものであっても
良いが、内部電極12にニッケルあるいはニッケル合金
などの卑金属を用いる場合には、特に下記のようにする
ことが好ましい。
【0042】脱バインダー処理を行ったのち、焼成を行
いコンデンサ素体10を形成する。焼成時の雰囲気は内
部電極ペーストの導電材料材に応じて適宜選択すれば良
いが、導電材料にニッケルあるいはニッケル合金などの
卑金属を用いる場合には、窒素ガスを主成分とし、水素
ガスを1〜10体積%混合すると共に、10℃〜35℃
における水蒸気圧によって得られる水蒸気ガスを混合し
たものが好ましい。その際、酸素分圧は1×10-3Pa
〜1×10-7Paとすることが好ましい。酸素分圧がこ
の範囲未満であると、内部電極12において導電材料が
異常焼結し、内部電極12が途切れてしまうことがある
からであり、酸素分圧がこの範囲を超えると、内部電極
12が酸化してしまう傾向にあるからである。焼成時の
保持温度は1100℃〜1400℃、特に1200℃〜
1300℃とすることが好ましい。保持温度がこの範囲
未満であると緻密化が不十分であり、この範囲を超える
と内部電極12が途切れやすくなるからである。焼成時
の保持時間は0.5時間〜8時間、特に1時間〜3時間
が好ましい。
【0043】なお、この焼成を還元雰囲気で行った場合
には、例えば、焼成ののちにアニールを施すことが好ま
しい。アニールは誘電体層11を再酸化するための処理
であり、これにより絶縁抵抗の加速寿命を著しく長くす
ることができるようになる。アニール雰囲気の酸素分圧
は1×10-3Pa以上、特に0.1Pa〜1×10-3
aとすることが好ましい。酸素分圧がこの範囲未満であ
ると誘電体層11の再酸化が困難であり、この範囲を超
えると内部電極12が酸化してしまうからである。
【0044】アニールの保持温度は、1100℃以下、
特に500℃〜1000℃とすることが好ましい。保持
温度がこの範囲未満であると誘電体層11を十分に酸化
することができず、絶縁抵抗の加速寿命が短くなるから
であり、この範囲を超えると内部電極12が酸化して容
量が低下してしまうと共に、誘電体層11とも反応して
加速寿命が短くなってしまうからである。保持時間は、
20時間以下、特に2時間〜10時間とすることが好ま
しい。この保持時間は必ずしもとる必要はなく、アニー
ル工程を昇温工程と降温工程とのみから構成するように
しても良い。この場合、保持温度は最高温度と同義であ
る。雰囲気ガスには、窒素ガスと加湿した水素を用いる
ことが好ましい。
【0045】ちなみに、上述した脱バインダー処理工
程、焼成工程およびアニール工程において、窒素ガス,
水素ガスあるいはそれらの混合ガスなどを加湿する場合
には、例えば、ウエッターなどを使用すれば良い。その
場合の水温は5℃〜75℃程度とすることが好ましい。
【0046】また、脱バインダー処理工程、焼成工程お
よびアニール工程は連続して行うようにしても良く、互
いに独立して行うようにしても良い。例えば、これらを
連続して行う場合には、脱バインダー処理後、冷却せず
雰囲気を変更して焼成の保持温度まで昇温して焼成を行
い、次いでアニール工程の保持温度まで冷却し、雰囲気
を変更してアニールを行うことが好ましい。更に、脱バ
インダー工程と焼成工程とを連続して行い、アニール工
程だけを独立して行うようにしても良く、脱バインダー
工程だけを独立して行い、焼成工程とアニール工程を連
続して行うようにしても良い。
【0047】コンデンサ素体10を形成したのち、この
コンデンサ素体10に本実施の形態に係る導体ペースト
組成物を塗布する。塗布方法としてはとくに限定される
ものではないが、ディップ法などによれば良い。導体ペ
ースト組成物の塗布量はとくに限定されるものではな
く、塗布するコンデンサ素体10の大きさなどにより適
宜調整すれば良いが、通常は5μm〜100μm程度で
ある。導体ペースト組成物を塗布したのち、それを乾燥
する。乾燥は、例えば、60℃〜150℃程度で10分
〜1時間程度行うことが好ましい。
【0048】導体ペースト組成物の塗布、乾燥を行った
のち、コンデンサ素体10への焼き付けを行い端子電極
21,22をそれぞれ形成する。焼き付け条件は、例え
ば、窒素ガスの中性雰囲気、あるいは窒素ガスと水素ガ
スとの混合ガスなどの還元雰囲気中において、600℃
〜1000℃で0時間〜1時間程度保持することにより
行うことが好ましい。
【0049】端子電極21,22をそれぞれ形成したの
ち、端子電極21,22の上にめっき層23,24をそ
れぞれ形成する。その際、電解めっき法あるいは無電解
めっき法のいずれを用いてもかまわないが、端子電極2
1,22との密着性を良好にするためには従来より公知
の電解めっき法を用いることが好ましい。ここで、本実
施の形態では、導体ペースト組成物にホウ素の含有量が
酸化物(B2 3 )に換算して10重量%以下のガラス
フリットを用いているので、めっき工程において端子電
極21,22に含まれるガラス成分およびコンデンサ素
体10にガラスが拡散したガラス拡散域成分がめっき液
に溶解することが抑制される。これにより、図1に示し
た積層コンデンサが得られる。
【0050】このように本実施の形態に係る導体ペース
ト組成物によれば、ホウ素の含有量が酸化物(B
2 3 )に換算して10重量%以下のガラスフリットを
用いるようにしたので、耐めっき液性を向上させること
ができる。よって、この導体ペースト組成物を用いて積
層コンデンサの端子電極21,22を形成するようにす
れば、端子電極21,22に含まれるガラス成分および
コンデンサ素体10にガラスが拡散したガラス拡散域成
分がめっき層23,24を形成する際にめっき液に溶解
してしまうことを抑制することができる。従って、コン
デンサ素体10と端子電極21,22との間に高い密着
性を得ることができ、積層コンデンサについてたわみ強
度を含めた種々の実装強度を飛躍的に向上させることが
できる。
【0051】
【実施例】更に、本発明の具体的な実施例について図1
を参照して説明する。
【0052】実施例1〜10として、まず、ガラスフリ
ットの原料となる二酸化珪素、酸化亜鉛、炭酸マンガン
および酸化ホウ素を、ガラス化した時の組成が酸化物換
算で表1に示したようになるように調合し、らいかい機
で1時間混合した。次いで、この混合粉を白金るつぼに
投入し、超昇降温速度型電気炉にて300℃/hの速度
で1600℃まで昇温し、その温度で1時間保持した
後、混合液体を水中に投下してガラスを得た。このガラ
スをボールミルで48時間粉砕して微粉化し、ガラスフ
リットを作製した。作製したガラスフリットの粒度分布
について島津製作所製のSALD1000を用いレーザ
ー回折法により測定したところ、その平均粒径は3.0
μmであった。
【0053】
【表1】
【0054】続いて、導電材料体として平均粒径4.0
μmの銅粉末を用意し、この銅粉末と得られたガラスフ
リットとビヒクルとを調合してらいかい機で1時間混合
した後、三本ロールで混練して導体ペースト組成物を作
製した。その際、ガラスフリットの添加量は、それぞれ
導電材料体100重量部に対して実施例1〜6について
は7重量部、実施例7については0.3重量部、実施例
8については0.5重量部、実施例9については15重
量部、実施例10については17重量部とした。また、
ビヒクルは導体ペースト組成物の25重量%となるよう
に加えた。
【0055】実施例1〜10の導体ペースト組成物をそ
れぞれ作製したのち、これらを用いて積層コンデンサを
それぞれ作製した。まず、誘電体層11を形成する誘電
体原料の主成分原料として平均粒径2.0μmの炭酸バ
リウム粉末と、平均粒径2.0μmの酸化チタン粉末と
を用意した。炭酸バリウム粉末と酸化チタン粉末との混
合比は、チタンに対するバリウムの原子比Ba/Tiが
1.00となるようにした。次いで、この主成分原料に
対し、誘電体原料の副成分原料として炭酸マンガン粉末
を0.2重量%、炭酸マグネシウム(MgCO3 )粉末
を0.2重量%、酸化イットリウム(Y2 3 )粉末を
2.1重量%の割合でそれぞれ添加すると共に、(Ba
Ca)SiO2 ガラスを2.2重量%の割合で添加し
た。続いて、この混合物を水中ボールミルで混合し、乾
燥したのち、1250℃で2時間仮焼した。この仮焼粉
を水中ボールミルで粉砕し、乾燥したのち、この粉砕仮
焼粉に有機バインダーとしてアクリル樹脂と有機溶剤と
して塩化メチレンおよびアセトンとを加えて混合し、誘
電体ペーストを作製した。誘電体ペーストを作製したの
ち、ドクターブレード法により誘電体グリーンシートを
作製した。
【0056】また、内部電極12を形成する導電材料と
して平均粒径0.8μmのニッケル粉末を用意し、これ
に有機バインダーとしてエチルセルロースと有機溶剤と
してターピネオールとを加え、三本ロールを用いて混練
し、内部電極ペーストを作製した。
【0057】内部電極ペーストを作製したのち、誘電体
グリーンシートの上に内部電極ペーストを印刷し、内部
電極ペーストの端部が誘電体グリーンシートの端部から
交互に外部に露出するようにこれを9枚積層して熱圧着
した。そののち、焼成後のチップ形状が縦3.2mm×
横1.6mm×厚み1.0mm(JIS規格のC321
6タイプ)となるようにこの積層体を切断し、グリーン
チップを作製した。グリーンチップを作製したのち、こ
のグリーンチップを加湿した窒素ガスと水素ガスとの混
合ガス雰囲気中において1300℃で3時間保持して焼
成した。その際、混合ガスにおける水素ガスの混合量は
3体積%とした。そののち、酸素分圧が1×10-2Pa
の加湿雰囲気中において1000℃で2時間保持してア
ニール処理を行った。これにより、コンデンサ素体10
を作製した。
【0058】コンデンサ素体10を作製したのち、コン
デンサ素体10に実施例1〜10の導体ペースト組成物
をパロマ法にてそれぞれ塗布し、150℃で30分間の
乾燥を行った。そののち、空気中で導体ペースト組成物
のバインダーを除去した。この工程は570℃での保持
時間を10分間とし、570℃までの昇温時間、570
℃での保持時間および室温までの降温時間の合計を1時
間とした。バインダーを除去したのち、560℃での保
持時間を10分間とし、昇温時間、保持時間および降温
時間の合計を2時間として、窒素ガス96体積%と水素
ガス4体積%との混合ガス雰囲気中において還元処理を
行った。還元処理を行ったのち、850℃での保持時間
を10分間とし、昇温時間、保持時間および降温時間の
合計を1.5時間として、窒素ガス雰囲気中で焼き付け
を行い、端子電極21,22をそれぞれ形成した。
【0059】端子電極21,22をそれぞれ形成したの
ち、端子電極21,22の上に電解めっき法により、ニ
ッケルのめっき層とスズのめっき層とをこの順に形成し
た。このようにして実施例1〜10の導体ペースト組成
物を用いた積層コンデンサをそれぞれ得た。
【0060】得られた積層コンデンサについて静電容量
を測定したところ、それぞれ約7nFであった。また、
積層コンデンサについてたわみ強度および固着強度の評
価をそれぞれ行った。それらの結果を表1にあわせてそ
れぞれ示す。なお、たわみ強度は、JIS規格C642
9に従い、積層コンデンサの静電容量が規定値(12.
5%)以上低下した時のガラスエポキシ基板のたわむ変
位量により求めた。これはたわみ量とも呼ばれるが、こ
こでは、その変位量をたわみ強度とする。また、本実施
例の効果をより明確にするために、静電容量変化の他
に、積層コンデンサが破損した、すなわち誘電体層11
が破壊された音のした時点のたわみ強度も評価した。ち
なみに、たわみ強度の測定には、厚み1.6mmのガラ
スエポキシ基板を用いた。試料個数は各実施例について
30個とし、表1には音の生じた時点のたわみ強度の平
均値および静電容量が規定値よりも低下した時のたわみ
強度の平均値をそれぞれ示した。
【0061】また、固着強度は、たわみ強度試験と同一
の基板を用い、同様にしてその基板に積層コンデンサを
はんだ付けし、側面から荷重を加えて積層コンデンサが
破壊または剥離した時の荷重から求めた。試料個数は各
実施例について50個とし、表1にはその平均値をそれ
ぞれ示した。
【0062】これら実施例に対する比較例1〜4とし
て、ガラスフリットの組成またはガラスフリットの添加
量を表1に示したようにそれぞれ変化させたことを除
き、実施例と同様にして導体ペースト組成物をそれぞれ
作製し、それらを用いて積層コンデンサをそれぞれ形成
した。比較例1〜4に係る積層コンデンサについても、
実施例と同様にして静電容量,たわみ強度および固着強
度をそれぞれ調べた。それらの静電容量は実施例と同様
にそれぞれ約7nFであった。また、たわみ強度および
固着強度の結果は表1に合わせてそれぞれ示す。
【0063】表1における実施例1〜6と比較例1〜4
との比較から、ガラスフリットの組成を酸化物に換算し
て下記の範囲内とすれば、たわみ強度および固着強度を
改善でき、十分な実装強度を得られることが分かった。 SiO2 : 7重量%以上 63重量%以下 ZnO : 37重量%以上 93重量%以下 MnO : 0重量%以上 22重量%以下 B2 3 : 0重量%以上 10重量%以下
【0064】また、実施例4と実施例5との比較から、
MnOを10重量%以下とすれば、たわみ強度および固
着強度をより改善できることも分かった。更に、実施例
1〜3の比較から、SiO2 を24重量%以上63重量
%以下とし、ZnOを37重量%以上93重量%以下と
すれば、たわみ強度および固着強度をより改善できるこ
とも分かった。
【0065】加えて、実施例2および実施例7〜10の
比較から、導体ペースト組成物におけるガラスフリット
の添加量を導電材料体100重量部に対して0.5重量
部以上15重量部以下とすれば、たわみ強度および固着
強度を共に大きくできることが分かった。
【0066】なお、ここでは詳細に説明しないが、内部
電極12にパラジウムを含有した積層コンデンサについ
ても、導体ペースト組成物の導電材料体を銀,金,銅,
ニッケル,パラジウムおよび白金からなる群のうちの少
なくとも1種を含む他の材料を用いた場合についても、
上記実施例と同様の結果を得ることができた。
【0067】以上、実施の形態および実施例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態および実
施例に限定されるものではなく、種々変形することがで
きる。例えば、上記実施の形態および実施例では、めっ
き層23,24を備えた積層コンデサについて説明した
が、本発明はめっき層を備えない積層コンデンサについ
ても適用することができる。
【0068】また、上記実施の形態および実施例では、
導体ペースト組成物を積層コンデンサに用いる場合につ
いて説明したが、本発明は、他のセラミック電子部品、
例えば、積層セラミックインダクタ、積層セラミックバ
リスタ、LCフィルターについても同様に適用すること
ができ、同様の効果を得ることができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のガ
ラスフリットによれば、ホウ素の含有量を酸化物(B2
3 )に換算して10重量%以下とするようにしたの
で、また、請求項2ないし請求項8記載の導体ペースト
組成物によれば、ホウ素の含有量が酸化物(B2 3
に換算して10重量%以下のガラスフリットを用いるよ
うにしたので、耐めっき液性を向上させることができ
る。よって、例えば、セラミック電子部品に用いた場合
に、その特性を向上させることができるという効果を奏
する。
【0070】更に、請求項9または請求項10記載の積
層コンデンサによれば、本発明の導体ペースト組成物を
用いて端子電極を形成するようにしたので、耐めっき液
性を向上させることができ、端子電極の密着性を改善す
ることができる。よって、たわみ強度を含めた種々の実
装強度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る導体ペースト組成
物を用いた積層コンデンサの構成を表す断面図である。
【符号の説明】
10…コンデンサ素体、11…誘電体層、12…内部電
極、21,22…端子電極、23,24…めっき層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 4/30 301 H01G 4/30 301C Fターム(参考) 4G062 AA09 BB01 DA03 DA04 DA05 DA06 DB01 DC01 DC02 DC03 DD01 DE05 DE06 DE07 DE08 DF01 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH09 HH10 HH11 HH12 HH13 HH14 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM05 MM06 MM07 MM34 NN24 PP12 5E001 AB03 AC04 AC09 AE00 AE02 AE03 AE04 AF00 AF06 AH01 AH05 AH06 AH07 AH08 AH09 AJ01 AJ03 5E082 AA01 AB03 BC40 EE04 EE23 EE35 FG06 FG22 FG26 FG27 GG10 GG11 GG12 GG26 GG28 JJ03 JJ05 JJ12 JJ13 JJ21 JJ23 LL03 MM22 MM24 PP03 PP09 5G301 DA03 DA05 DA06 DA10 DA11 DA12 DA34 DA36 DA37 DD01 5G303 AA08 AB20 BA12 CA02 CB02 CB30 CB38

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素(Si)と亜鉛(Zn)と酸素
    (O)とを含み、 組成は酸化物に換算してSiO2 が7重量%以上63重
    量%以下、ZnOが37重量%以上93重量%以下であ
    り、 ホウ素(B)の含有量は酸化物(B2 3 )に換算して
    10重量%以下であることを特徴とするガラスフリッ
    ト。
  2. 【請求項2】 ガラスフリットと、導電材料体と、ビヒ
    クルとを含有する導体ペースト組成物であって、 前記ガラスフリットは、ケイ素(Si)と亜鉛(Zn)
    と酸素(O)とを含むと共に、 その組成は、酸化物に換算してSiO2 が7重量%以上
    63重量%以下、ZnOが37重量%以上93重量%以
    下であり、 かつ、ホウ素(B)の含有量が酸化物(B2 3 )に換
    算して10重量%以下であることを特徴とする導体ペー
    スト組成物。
  3. 【請求項3】 前記ガラスフリットは、更にマンガン
    (Mn)を含むと共に、 その組成は、酸化物に換算してMnOが22重量%以下
    であることを特徴とする請求項2記載の導体ペースト組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記ガラスフリットの平均粒径は0.1
    μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項2
    または請求項3記載の導体ペースト組成物。
  5. 【請求項5】 前記ガラスフリットは耐還元性を有する
    ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1
    に記載の導体ペースト組成物。
  6. 【請求項6】 前記導電材料体100重量部に対して前
    記ガラスフリットを0.5重量部以上15重量部以下の
    範囲内で含有することを特徴とする請求項2ないし請求
    項5のいずれか1に記載の導体ペースト組成物。
  7. 【請求項7】 前記導電材料体は、銀(Ag),金(A
    u),銅(Cu),ニッケル(Ni),パラジウム(P
    d)および白金(Pt)からなる群のうちの少なくとも
    1種を含むことを特徴とする請求項2ないし請求項6の
    いずれか1に記載の導体ペースト組成物。
  8. 【請求項8】 前記導電材料体の平均粒径は、0.1μ
    m以上10μm以下の範囲内であることを特徴とする請
    求項2ないし請求項7のいずれか1に記載の導体ペース
    ト組成物。
  9. 【請求項9】 交互に積層された誘電体層および内部電
    極と、この内部電極に対して電気的に接続された端子電
    極とを有する積層コンデンサであって、 前記端子電極は、請求項2ないし請求項8のいずれか1
    に記載の導体ペースト組成物を焼き付けたものであるこ
    とを特徴とする積層コンデンサ。
  10. 【請求項10】 前記内部電極はニッケルを含有するこ
    とを特徴とする請求項9記載の積層コンデンサ。
JP29941599A 1999-10-21 1999-10-21 導体ペースト組成物および積層コンデンサ Expired - Fee Related JP4577461B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29941599A JP4577461B2 (ja) 1999-10-21 1999-10-21 導体ペースト組成物および積層コンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29941599A JP4577461B2 (ja) 1999-10-21 1999-10-21 導体ペースト組成物および積層コンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001122639A true JP2001122639A (ja) 2001-05-08
JP4577461B2 JP4577461B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=17872274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29941599A Expired - Fee Related JP4577461B2 (ja) 1999-10-21 1999-10-21 導体ペースト組成物および積層コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4577461B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7018864B2 (en) 2001-09-20 2006-03-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. Conductive paste for terminal electrodes of monolithic ceramic electronic component, method for making monolithic ceramic electronic component, and monolithic ceramic electronic component
US7075405B2 (en) 2002-12-17 2006-07-11 Tdk Corporation Multilayer chip varistor and method of manufacturing the same
WO2006090551A1 (ja) * 2005-02-22 2006-08-31 Murata Manufacturing Co., Ltd. 導電性ペースト、積層セラミック電子部品およびその製造方法
JP2007052980A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Kamaya Denki Kk 導電性ペースト
WO2007072894A1 (ja) * 2005-12-22 2007-06-28 Namics Corporation 熱硬化性導電ペースト及びそれを用いて形成した外部電極を有する積層セラミック部品
JP2009267191A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Murata Mfg Co Ltd セラミック電子部品、およびセラミック電子部品の製造方法
CN103187668A (zh) * 2011-12-31 2013-07-03 辽宁省轻工科学研究院 滤波连接器用氧化锌基多层压敏平面阵列
WO2013108533A1 (ja) * 2012-01-19 2013-07-25 株式会社村田製作所 セラミック電子部品
CN110797188A (zh) * 2018-08-03 2020-02-14 三星电机株式会社 电容器组件
CN112823144A (zh) * 2018-07-11 2021-05-18 福禄公司 高q ltcc介电组合物和器件

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5954435B2 (ja) 2012-12-18 2016-07-20 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04502751A (ja) * 1989-01-19 1992-05-21 デヴイツド・サーンオフ・リサーチ・センター・インコーポレーテツド 厚膜銅バイアフイルインク
JPH04354101A (ja) * 1991-05-30 1992-12-08 Tdk Corp ガラスフリット、抵抗体ペーストおよび配線基板
JPH05221686A (ja) * 1992-02-12 1993-08-31 Tdk Corp 導体ペースト組成物および配線基板
JPH07196338A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Nippon Electric Glass Co Ltd フィラー粉末の製造方法
JPH0955118A (ja) * 1995-08-11 1997-02-25 Tdk Corp 導体ペーストおよびセラミック積層コンデンサ
JPH1087340A (ja) * 1996-04-12 1998-04-07 Asahi Glass Co Ltd セラミックカラー組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04502751A (ja) * 1989-01-19 1992-05-21 デヴイツド・サーンオフ・リサーチ・センター・インコーポレーテツド 厚膜銅バイアフイルインク
JPH04354101A (ja) * 1991-05-30 1992-12-08 Tdk Corp ガラスフリット、抵抗体ペーストおよび配線基板
JPH05221686A (ja) * 1992-02-12 1993-08-31 Tdk Corp 導体ペースト組成物および配線基板
JPH07196338A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Nippon Electric Glass Co Ltd フィラー粉末の製造方法
JPH0955118A (ja) * 1995-08-11 1997-02-25 Tdk Corp 導体ペーストおよびセラミック積層コンデンサ
JPH1087340A (ja) * 1996-04-12 1998-04-07 Asahi Glass Co Ltd セラミックカラー組成物

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7018864B2 (en) 2001-09-20 2006-03-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. Conductive paste for terminal electrodes of monolithic ceramic electronic component, method for making monolithic ceramic electronic component, and monolithic ceramic electronic component
US7075405B2 (en) 2002-12-17 2006-07-11 Tdk Corporation Multilayer chip varistor and method of manufacturing the same
WO2006090551A1 (ja) * 2005-02-22 2006-08-31 Murata Manufacturing Co., Ltd. 導電性ペースト、積層セラミック電子部品およびその製造方法
JP4694918B2 (ja) * 2005-08-17 2011-06-08 釜屋電機株式会社 角板形チップ部品における、導電性の下地膜とめっき膜とからなる端面電極の該めっき膜の下地膜形成用導電性ペースト
JP2007052980A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Kamaya Denki Kk 導電性ペースト
WO2007072894A1 (ja) * 2005-12-22 2007-06-28 Namics Corporation 熱硬化性導電ペースト及びそれを用いて形成した外部電極を有する積層セラミック部品
US8168889B2 (en) 2005-12-22 2012-05-01 Namics Corporation Thermosetting conductive paste and multilayer ceramic part having an external electrode formed using the same
JP5180588B2 (ja) * 2005-12-22 2013-04-10 ナミックス株式会社 熱硬化性導電ペースト及びそれを用いて形成した外部電極を有する積層セラミック部品
JP2009267191A (ja) * 2008-04-28 2009-11-12 Murata Mfg Co Ltd セラミック電子部品、およびセラミック電子部品の製造方法
CN103187668A (zh) * 2011-12-31 2013-07-03 辽宁省轻工科学研究院 滤波连接器用氧化锌基多层压敏平面阵列
WO2013108533A1 (ja) * 2012-01-19 2013-07-25 株式会社村田製作所 セラミック電子部品
CN112823144A (zh) * 2018-07-11 2021-05-18 福禄公司 高q ltcc介电组合物和器件
CN112823144B (zh) * 2018-07-11 2023-01-24 福禄公司 高q ltcc介电组合物和器件
CN110797188A (zh) * 2018-08-03 2020-02-14 三星电机株式会社 电容器组件

Also Published As

Publication number Publication date
JP4577461B2 (ja) 2010-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100271726B1 (ko) 세라믹 조성물 및 이 세라믹 조성물로 제조된 적층 세라믹커패시터
JP3610191B2 (ja) 非磁性セラミックおよびセラミック積層部品
CN102272072B (zh) 低温烧结陶瓷材料及陶瓷基板
JP5040918B2 (ja) ガラスセラミック組成物、ガラスセラミック焼結体および積層セラミック電子部品
JP5003683B2 (ja) ガラスセラミック組成物、ガラスセラミック焼結体および積層セラミック電子部品
JP2993425B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JPS59184511A (ja) セラミツク積層コンデンサ
JP5316545B2 (ja) ガラスセラミック組成物およびガラスセラミック基板
JP4097900B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP4682426B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
JP4736342B2 (ja) ガラスセラミック原料組成物、ガラスセラミック焼結体およびガラスセラミック多層基板
JP5838968B2 (ja) 誘電体セラミック、積層セラミック電子部品、およびこれらの製造方法
JP4577461B2 (ja) 導体ペースト組成物および積層コンデンサ
KR100271101B1 (ko) 모놀리식 세라믹 커패시터
US5453409A (en) Ceramic capacitor and method for fabricating the same
JP3851295B2 (ja) 低温焼成誘電体組成物、積層セラミックキャパシター及びセラミック電子部品
JP2004128328A (ja) 電子部品およびその製造方法
JP3831497B2 (ja) Cr複合電子部品とその製造方法
JP3838845B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4496639B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
JP3831537B2 (ja) 電子デバイスおよびその製造方法
JP2843736B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JPH11102835A (ja) 積層型セラミック電子部品およびその製造方法
JP2021103730A (ja) セラミック電子部品および実装基板
JP3675076B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100810

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees