JPH04354101A - ガラスフリット、抵抗体ペーストおよび配線基板 - Google Patents

ガラスフリット、抵抗体ペーストおよび配線基板

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JPH04354101A
JPH04354101A JP3155877A JP15587791A JPH04354101A JP H04354101 A JPH04354101 A JP H04354101A JP 3155877 A JP3155877 A JP 3155877A JP 15587791 A JP15587791 A JP 15587791A JP H04354101 A JPH04354101 A JP H04354101A
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resistor
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glass
glass frit
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敬三 川村
Takashi Kamiya
貴志 神谷
Katsuhiko Igarashi
克彦 五十嵐
Taiji Miyauchi
泰治 宮内
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚膜抵抗体製造用のペ
ーストに用いられるガラスフリット、抵抗体ペーストお
よび配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器の配線基板などに用いる
基板材料として、低温で焼成可能なものが開発されてお
り、これにより基板材料、導体、抵抗体等を例えば10
00℃以下の低温で同時一体焼成することが可能となっ
ている。
【0003】抵抗体ペーストは、通常、導電粒子、ガラ
スフリットおよびビヒクル等から構成され、基板上に印
刷後、焼成することにより厚膜抵抗体となるものである
【0004】抵抗体ペーストに用いられる導電粒子とし
ては、二酸化ルテニウムあるいはルテニウム酸鉛等のパ
イロクロール化合物が多用されている。
【0005】抵抗体ペーストに用いられるガラスフリッ
トとしては、軟化点450〜800℃、40〜290℃
での平均熱膨張係数5〜8×10−6deg−1 程度
のホウケイ酸鉛系非結晶ガラスが一般的である。
【0006】また、厚膜抵抗体に要求される特性として
は、抵抗値の温度係数(TCR)が0に近いこと、ノイ
ズが低いこと等であり、例えば基板の熱膨張係数と、厚
膜抵抗の熱膨張係数とを近付けることによりTCR特性
を改善できることが知られている。
【0007】しかし、ホウケイ酸鉛系非結晶質ガラスを
初めとし、従来のガラスフリットは前記のとおり熱膨張
係数が高いため、基板の熱膨張係数と、厚膜抵抗体の熱
膨張係数とを近付けることが困難である。
【0008】このため、抵抗体ペースト中にTCR調整
剤を添加してTCRを減少させている。
【0009】しかし、TCR調整剤は添加量が極めて微
量となるために均一な混合が困難であり、製造が難しく
製品に特性のバラツキが生じ易い。しかも、TCR調整
剤の添加により抵抗値のトリミング性やTCR以外の電
気特性に悪影響を与える危険性がある。
【0010】また、抵抗体の熱膨張係数が高いと、抵抗
体と基板との熱膨張係数の違いにより、特にガラスとア
ルミナ等の酸化物骨材とを含有する比較的熱膨張係数が
低い基板の場合には、焼成後抵抗体にクラックが生じ易
い。
【0011】さらには、ホウケイ酸鉛系ガラスは焼成し
た場合流動性に富むため、外部導体パターンに抵抗体パ
ターンを印刷、焼成すると、外部導体中のガラスと抵抗
体中のガラスとが反応して、導体のガラスが押し出され
るブリードアウト現象が生じてしまい、抵抗体の電気特
性に悪影響を及ぼしてしまうという問題がある。特に配
線パターンを微細にし、かつ膜厚を薄くした高密度配線
基板では、このブリードアウト現象によりショートが生
じ易い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、厚膜
抵抗体製造用のペーストに用いた場合、抵抗体のTCR
特性を改善でき、抵抗体のクラックの発生を防止でき、
しかもブリードアウト現象を防止できるガラスフリット
と、抵抗体ペーストと、このような抵抗体ペーストを用
いた配線基板とを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0014】(1)  抵抗体ペーストのバインダガラ
スであって、ZnO2 を40〜70重量%、B2 O
3 を10〜30重量%、SiO2 を5〜15重量%
およびMnO2 を1〜15重量%含有することを特徴
とするガラスフリット。 (2)  40〜290℃での平均熱膨張係数αが3〜
5×10−6deg−1 である上記(1)に記載のガ
ラスフリット。 (3)  上記(1)または(2)に記載のガラスフリ
ットと、導電粒子とを含有することを特徴とする抵抗体
ペースト。 (4)  前記導電粒子が二酸化ルテニウム、ルテニウ
ム酸鉛およびルテニウム酸ビスマスの1種以上を主成分
とする上記(3)に記載の抵抗体ペースト。 (5)  前記ガラスフリットおよび前記導電粒子全体
に対する前記ガラスフリットの含有量が、60〜90重
量%である上記(3)または(4)に記載の抵抗体ペー
スト。 (6)  上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の
抵抗体ペーストを用いて厚膜抵抗体を形成したことを特
徴とする配線基板。 (7)  前記厚膜抵抗体がガラスと酸化物骨材とを含
有する基板上に形成されている上記(6)に記載の配線
基板。 (8)  前記厚膜抵抗体と接して外部導体が形成され
ている上記(6)または(7)に記載の配線基板。
【0015】
【作用】本発明のガラスフリットは、ZnO2 を40
〜70重量%、B2 O3 を10〜30重量%、Si
O2 を5〜15重量%およびMnO2 を1〜15重
量%含有する。この組成のガラスは焼成により結晶化す
るため、抵抗体ペーストに用いた場合、結晶相の存在に
より、外部導体中のガラス成分と抵抗体中のガラス成分
とが反応するのを抑制することができ、抵抗体ないし導
体中のガラスのブリードアウト現象の発生が防止される
【0016】この結果、電気特性の劣化を防止するこが
でき、外部導体層のパターンを例えば200μm 以下
の細線パターンとしてその膜厚も薄くした高密度配線基
板においてもショートの発生が有効に防止される。
【0017】また、前記組成のガラスの40〜290℃
における平均熱膨張係数α(以下αという)は低く、例
えば3〜5×10−6deg−1程度であるため、抵抗
体のαを低く、例えば4〜6×10−6deg−1 程
度にできる。このため基板のαと抵抗体のαとが一致な
いし接近し、抵抗値の温度係数(TCR)が減少する。 この場合、TCRが十分低いためTCR調整剤を添加す
る必要がないのでトリミング性やTCR以外の電気特性
に悪影響を与えることがなく、しかも製造が簡単でかつ
バラツキの少ない製品を得ることができる。
【0018】また、特にガラスと酸化物骨材とを含有す
る比較的αが低い基板を用いる場合でも、基板のαに抵
抗体のαを一致ないし基板のαより抵抗体のαを小さく
でき、しかも抵抗体のガラス中に結晶相が析出するため
、抵抗体の強度が向上する。このため抵抗体のクラック
の発生を有効に防止できる。
【0019】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明のガラスフリットは、抵抗体ペース
トのガラスバインダであり、主成分としてZnO2 、
B2 O3 、SiO2 およびMnO2 を含有する
【0020】ガラスフリット中のZnO2 の含有量は
、40〜70重量%、好ましくは50〜65重量%とす
る。前記範囲未満では焼成時の結晶化が進まず、本発明
の効果が低い。前記範囲を超えるとガラス化しにくくな
る。
【0021】B2 O3 の含有量は、10〜30重量
%、好ましくは15〜25重量%とする。前記範囲未満
ではガラス化しにくくなる。前記範囲を超えると焼成後
抵抗体中に気泡が生じやすい。
【0022】SiO2 の含有量は、5〜15重量%、
好ましくは10〜15重量%とする。前記範囲未満では
ガラス軟化点が低下し、ブリードアウト現象を生じやす
い。前記範囲を超えるとガラス軟化点が上昇し、緻密な
焼結体が得られにくい。
【0023】MnO2 の含有量は、1〜15重量%、
好ましくは5〜10重量%とする。前記範囲未満では焼
成後の抵抗体と基板との接着強度が低下する。前記範囲
を超えるとガラス化が阻害される。
【0024】この場合、ガラスフリット中にはMgO、
CaO、SrO、BaO等の1種以上が5重量%程度以
下含有されていてもよい。
【0025】前記組成のガラスフリットは、通常、焼成
前は非晶質であるが、焼成により結晶化する。
【0026】また、本発明のガラスフリットは、軟化点
が、400〜700℃、特に500〜600℃程度のガ
ラスが好ましい。前記範囲未満ではブリードアウト現象
が生じ易く、前記範囲を超えると厚膜抵抗体を形成した
場合、抵抗体のノイズ特性が悪化する。なお、軟化点は
、5mm×5mm×10mm程度の試料を用い、荷重1
0gにて、示差熱膨張計を用いて測定すればよい。
【0027】また、ガラスフリットの40〜290℃に
おける平均熱膨張係数αは、3〜5×10−6deg−
1 、特に3.5〜4.0×10−6deg−1 程度
が好ましい。前記範囲未満では抵抗体のαが基板のαに
比べて小さくなりすぎ、TCR特性が悪化する。前記範
囲を超えると抵抗体のαを十分に低減できない。このた
め抵抗体にクラックが発生する危険性があり、またTC
R特性が悪化する。なお、本発明では前記のαを有する
ガラスフリットが実現する。
【0028】本発明のガラスフリットの平均粒径には特
に制限がないが、5μm 程度以下が好ましい。前記範
囲を超えるとガラス成分の粒子径が大きくなるためスク
リーン印刷性が劣化する。
【0029】本発明の抵抗体ペーストは、前記のガラス
フリットと、導電粒子と、ビヒクルとを含有する。
【0030】導電粒子の組成は特に制限がなく、例えば
、RuO2 、Pb2 Ru2 O7 、Bi2 Ru
2 O7 、CdBiRu2 O7 、NdBiRu2
 O7 、BiInRu2 O7 、Bi2 IrRu
O7 、GdBiRu2 O7 、BaRuO3 、B
a2 RuO4、SrRuO3 、CaRuO3 、C
o2 RuO4、LaRuO3 、LiRuO3、Sn
O2 、LaB6 、Pd−Ag、CoCrO4 、N
iCrO4、SiC、TaC、CaB6 、BaB6 
、SrB6 、LaB6 、YB6 、Ta2 N、T
iSi2 、VSi2 、CrSi2 、TaSi2 
、MoSi2 、WSi2 など、各種ルテニウム化合
物や他の導電性化合物、あるいは各種合金を用いること
ができるが、TCR特性、ノイズ特性が良好である等の
点で二酸化ルテニウム、ルテニウム酸鉛およびルテニウ
ム酸ビスマスの1種以上を主成分とするものが好ましい
【0031】この場合、二酸化ルテニウム、ルテニウム
酸鉛およびルテニウム酸ビスマスとしては、通常、Ru
O2 、Pb2 Ru2 O7 およびBi2 Ru2
 O7 で表されるものを用いるが、これから多少偏倚
した組成であってもよく、偏倚した組成のものとの混合
物、あるいは偏倚した組成のもの同志の混合物であって
もよい。
【0032】なお、二酸化ルテニウム、ルテニウム酸鉛
およびルテニウム酸ビスマスの1種以上を主成分とする
導電粒子とは、これらの合計の含有率が90重量%以上
であることを意味し、これら以外に、例えば前記した各
種Ru化合物以外の導電成分や各種合金などの導電性物
質を含んでいてもよい。
【0033】導電粒子の平均粒径は0.05〜1.0μ
m 程度が好ましい。前記範囲未満では導電粒子の粒径
が小さいためにペースト中で粒子の分散が不十分となり
、抵抗体ペーストの流動性が悪化する。前記範囲を超え
るとノイズ特性等に悪影響を与える。
【0034】抵抗体ペースト中のガラスフリットと導電
粒子との含有比率には特に制限がなく、必要とされる抵
抗値に応じて適宜決定すればよいが、ガラスフリットお
よび導電粒子全体に対するガラスフリットの含有量は、
60〜90重量%、特に70〜85重量%が好ましい。 重量比が前記範囲未満では導電粒子過多のため抵抗値の
制御が困難となり、TCR特性が非常に悪化する。重量
比が前記範囲を超える場合、ガラスが多すぎるため導電
粒子が導電ネットワークを形成できず、絶縁化する傾向
にある。
【0035】ビヒクルとしては、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、メタクリル樹脂、ブチルメタアク
リレート等のバインダ、テルピネオール、ブチルカルビ
トール、ブチルカルビトールアセテート、アセテート、
トルエン、アルコール、キシレン等の溶剤、その他各種
分散剤、活性剤、可塑剤等が挙げられ、これらのうち任
意のものが目的に応じて適宜選択される。なお、前述し
たように本発明ではTCR調整剤を添加しなくても十分
に0に近いTCRが得られるため、好ましくはTCR調
整剤を添加しないが、必要に応じて、CuO、MnO2
 、V2 O5 、Nd2 O5 、MgO、ZnO等
の各種TCR調整剤を添加してもよい。TCR調整剤の
添加量は、導電粒子とガラスフリットの合計量100重
量部に対し、0.1〜6重量部程度とすることが好まし
い。ビヒクルの添加量は、導電粒子とガラスフリットの
合計量100重量部に対し、5〜30重量部程度とする
ことが好ましい。
【0036】本発明の抵抗体ペーストは、導電粒子と、
ガラスフリットとを混合し、さらに上記ビヒクルを加え
、これらを通常の3本ロール等を用いて混練してペース
ト化することにより得られる。
【0037】本発明の抵抗体ペーストは、基板上に所定
のパターンに印刷されて焼成するなどして使用される。
【0038】このように、本発明の抵抗体ペーストを用
いて厚膜抵抗体とした多層配線基板の一構成例が図1に
示されている。図1は、多層配線基板の部分断面図であ
る。
【0039】同図に示すように、多層配線基板1は、複
数の層を積層し、焼成により一体化した絶縁体の基板4
を有し、この基板4の内部には、所定パターンの内部導
体2が形成され、この内部導体2が基板4の表面に露出
した部分に外部導体3が形成されている。
【0040】基板4の構成材料には特に制限がないが、
内部導体2等とともに同時焼成可能なものとして、アル
ミナ−ホウケイ酸ガラス、アルミナ−鉛ホウケイ酸ガラ
ス、アルミナ−ホウケイ酸バリウムガラス、アルミナ−
ホウケイ酸カルシウムガラス、アルミナ−ホウケイ酸ス
トロンチウムガラス、アルミナ−ホウケイ酸マグネシウ
ムガラス等の酸化物骨材とガラスとを含む低温焼結材料
が好ましい。
【0041】このような基板材料において、ガラスの含
有率は、一般に50〜80wt%程度とするのがよい。
【0042】なお、アルミナ基板の40〜290℃にお
ける平均熱膨張係数αは7〜8×10−6deg−1 
程度であり、酸化物骨材とガラスとを含む低温焼結材料
を用いた基板の40〜290℃における平均熱膨張係数
αは5〜6.5×10−6deg−1 程度である。
【0043】内部導体2は、通常多層配線され、基板4
の厚さ方向に形成されたスルーホール5を介して互いに
導通されている。
【0044】外部導体3は、基板4の表面に形成され、
抵抗体8への導通用として用いられ、あるいはチップイ
ンダクタ、チップコンデンサ等のチップ部品や半導体集
積回路素子、ダイオード等の素子等の表面実装部品7を
半田6により半田付けするためのパッドとして用いられ
る。なお、表面を覆うように絶縁被覆層が形成されてい
てもよい。
【0045】本発明の抵抗体ペーストは、上記抵抗体8
を形成するのに適用される。
【0046】抵抗体8の膜厚には特に制限はないが、通
常4〜25μm 、特に8〜15μm程度である。また
、抵抗体8の抵抗値には特に制限がなく、目的等に応じ
て適宜選択されるが、通常10Ω/□〜1MΩ/□程度
である。そして、抵抗体8は、抵抗値の温度係数(TC
R)が低い。具体的には、基板構成材料としてアルミナ
等の酸化物骨材とガラスとを含む低温焼成材料を用い、
しかもTCR調整剤を添加しない場合でも、−50〜2
5℃において−50〜10ppm /℃、特に−30〜
0ppm /℃、25〜125℃において0〜50pp
m /℃、特に、0〜30ppm/℃の範囲にTCRが
収まる。なお、抵抗体8の40〜290℃における平均
熱膨張係数αは6×10−6deg−1 程度以下、特
に4〜5.5×10−6deg−1 程度である。
【0047】内部導体2には、導電性が良いことを優先
させる点でAgを主体とする導電粒子、特にAgを用い
ることが好ましい。内部導体用ペーストは、導電粒子と
、導電粒子に対し、1〜5重量%程度のガラスフリット
と、ビヒクルとを含有する。
【0048】また、内部導体2の膜厚は、通常5〜20
μm 程度とされる。そして、内部導体の導通抵抗は、
その組成にもよるが、一般的に2〜10mΩ/□程度が
好ましい。
【0049】外部導体3には、耐マイグレーション性、
半田喰われ性、半田濡れ性等の点でAgを主体とする導
電粒子、特にAgと、Pdおよび/またはPtとを含有
する導電粒子を用いることが好ましい。外部導体用ペー
ストは、導電粒子と導電粒子に対し1〜5重量%程度の
ガラスフリットと、ビヒクルとを含有する。また、ビヒ
クル含有量は、一般に外部導体ペースト中、3〜10重
量%程度である。
【0050】ガラスフリットのガラス組成としては、P
bO−B2 O3 −SiO2 、B2 O3 −Si
O2 −ZnO、PbO−B2 O3 −SiO2−Z
nO、等が挙げられる。また、ガラスフリットの40〜
290℃の平均熱膨張係数αは、6〜8×10−6de
g−1 程度、軟化点は400〜600℃程度が好まし
い。
【0051】このようなガラスフリットを用いても本発
明によりブリードアウト現象を有効に防止できる。
【0052】また、ガラスは、0.1〜10μm の平
均粒径の粉末として用いられる。平均粒径が0.1μm
 未満となると、粉砕時の不純物混入が著しくなり、1
0μm を超えると、印刷性が悪くなる傾向にある。
【0053】さらに、ガラスフリット以外の添加剤とし
ては、Al2 O3 、Cr2 O3 、CuO、Ti
O2 、CoO、Bi2 O3 等を挙げることができ
る。なお、このなかでBi2 O3 は焼成中にガラス
化するものであり、場合によってはガラス化して添加さ
れることもある。
【0054】外部導体2の膜厚は、通常5〜20μm 
程度とされる。そして外部導体の導通抵抗は、その組成
にもよるが、一般に2〜10mΩ/□程度が好ましい。
【0055】このような多層配線基板は、例えば以下の
ようにして製造する。
【0056】まず、基板材料となるグリーンシートを作
製する。
【0057】このグリーンシートは、基板の原材料であ
るアルミナ粉末等の骨材とガラス粉末(例えば、ホウケ
イ酸ガラス)とを所定量混合し、これにバインダー樹脂
、溶剤等を加え、これらを混練してスラリー化し、例え
ばドクターブレード法によりグリーンシートを所定枚数
作製する。
【0058】次いで、グリーンシートにパンチングマシ
ーンや金型プレスを用いてスルーホール5を形成し、そ
の後、内部導体用ペーストを各グリーンシート上に例え
ばスクリーン印刷法により印刷し、所定パターンの内部
導体2を形成するとともにスルーホール5内に充填する
【0059】次いで、各グリーンシートを重ね合せ、熱
プレス(約40〜120℃、50〜1000Kgf/c
m2)を加えてグリーンシートの積層体とし、必要に応
じて脱バインダー処理、切断用溝の形成等を行なう。
【0060】その後、グリーンシートの積層体を通常空
気中で800〜1000℃程度の温度で焼成、一体化し
、基板4に内部導体が形成された多層配線基板を得る。 そして、外部導体用ペーストをスクリーン印刷法等によ
り印刷し、焼成して外部導体3を形成する。
【0061】さらに、抵抗体材料ペーストを印刷して焼
成し、抵抗体8を形成する。この場合、好ましくは、こ
れら外部導体3や抵抗体8を基板4と一体同時焼成して
形成する。
【0062】抵抗体8の焼成は、通常空気中にて、10
00℃程度以下、特に800〜1000℃程度で1〜3
時間程度行ない、最高温度に保持する時間は5〜20分
程度とすることが好ましい。この焼成により、抵抗体8
中のガラスフリットが結晶化し、ブリードアウト現象が
有効に防止される。
【0063】その後、所定の表面実装部品7を外部導体
3に半田付けし、必要に応じ、絶縁被覆層を形成して図
1に示す多層配線基板1が得られる。
【0064】以上では、本発明を多層配線基板に適用し
た場合の例を説明したが、本発明は、これに限らず、例
えば、アルミナ基板、AlN基板等の単層の基板等にも
適用することができる。
【0065】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0066】導電粒子として平均粒径0.05μm の
RuO2 粒子:15重量部、平均粒径2μm のガラ
スフリット:70重量部およびビヒクル:15重量部を
3本ロールで混練してペースト化し、抵抗体ペーストN
o.1〜No.4を得た。ビヒクルには、バインダとし
てエチルセルロース、溶剤としてテルピネオールを用い
た。なお、TCR調製剤は使用しなかった。また、ガラ
スフリットのガラス組成、40〜290℃における平均
熱膨張係数α、および軟化点は下記のとおりである。
【0067】抵抗体ペーストNo.1(本発明)ガラス
組成 ZnO2 :  60重量% B2 O3 :  20重量% SiO2 :  10重量% MnO2 :  10重量% α:  3.8×10−6deg−1 軟化点:  580℃ 抵抗体ペーストNo.2(本発明) ガラス組成 ZnO2 :  50重量% B2 O3 :  25重量% SiO2 :  15重量% MnO2 :  10重量% α:  4.5×10−6deg−1 軟化点:  600℃ 抵抗体ペーストNo.3(比較) ガラス組成 PbO:    54重量% B2 O3 :  13重量% SiO2 :  30重量% Al2 O3 :  3重量% α:  6.2×10−6deg−1 軟化点:  580℃ 抵抗体ペーストNo.4(比較) ガラス組成 ZnO2 :  40重量% B2 O3 :  40重量% SiO2 :    3重量% MnO2 :  17重量% α:  5.0×10−6deg−1 軟化点:  520℃
【0068】次いで、平均粒径10μm のAg粒子:
85重量部、平均粒径1μm のPd粒子:15重量部
、平均粒径2μm のガラスフリット:3重量部、平均
粒径2μmのBi2 O3 粒子:1重量部およびビヒ
クル:4重量部を3本ロールで混練してペースト化し、
外部導体ペーストとした。ガラスフリットのガラス組成
は、PbO:50重量部、B2 O3 :25重量部、
Al2 O3 :15重量部、SiO2 :10重量部
、40〜290℃のαは6.5×10−6deg−1 
、軟化点は540℃であった。
【0069】次に、下記の基板材料を混合し、これに前
記ビヒクルを加えて基板ペーストとした。
【0070】基板構成材料 ガラス(平均径1.9μm )  60重量部SiO2
   :  52.2重量% Al2 O3 :  11.4重量% B2 O3   :    3.9重量%SrO   
 :  27.6重量% CaO    :    3.1重量%MgO    
:    1.8重量%Al2 O3 (平均粒径3.
5μm )40重量部
【0071】この基板ペーストを
用い、ドクターブレード法により厚さ0.2mmの基板
グリーンシートを作製した。
【0072】次いで、この基板グリーンシートにAg内
部導体ペースト印刷後、熱プレスにより積層してグリー
ンシート積層体を得た。そして、この積層体を脱脂後、
空気中で温度900℃で同時焼成した多層配線基板を得
た。
【0073】この多層配線基板にスクリーン印刷により
、外部導体ペーストを印刷し、空気中で850℃で焼成
し、細線パターンの外部導体を形成した。なお、同様の
方法で別に基板を作製したところ得られた基板の40〜
290℃における平均熱膨張係数αは6.4×10−6
deg であった。
【0074】次いで、外部導体上の先端部に、外部導体
より広巾に抵抗体ペーストを厚さ20μm に印刷した
後、空気中にて、850℃で60分間焼成し、2μm 
×2μm、厚さ10μm の抵抗体を形成した。このよ
うにして、抵抗体ペーストNo.1〜4を用い、多層配
線基板サンプルNo.1〜4を得た。
【0075】得られた多層配線基板サンプルNo.1〜
4に形成された抵抗体の抵抗値の40〜290℃におけ
る平均熱膨張係数αおよび抵抗値は表1に示されるとお
りであった。
【0076】次に各サンプルに対し、下記の評価を行な
った。 (1)低抗体の抵抗値の温度係数(TCR)TCRは、
−50〜25℃におけるTCR(cold  TCR)
と、25〜125℃におけるTCR(hot  TCR
)とを測定した。
【0077】(2)耐クラック性 焼成後および冷熱衝撃試験(125℃で30分間保持、
−40℃で30分間保持、23サイクル)後、抵抗体を
光学顕微鏡にて観察し、下記◎、○、△、×の4段階で
評価した。 評価基準 ◎  :焼成後および冷熱衝撃試験後クラックなし○ 
 :焼成後クラックなし、冷熱衝撃試験後クラックあり △  :焼成後一部クラックあり、冷熱衝撃試験後クラ
ックあり ×  :焼成後クラックあり、冷熱衝撃試験後クラック
あり
【0078】(3)ブリードアウト現象の発生の有無光
学顕微鏡により、抵抗体近傍の細線外部導体パターン端
部を観察し、下記◎、△、×、××の4段階で評価した
。 評価基準 ◎  :ブリードアウト全くなし △  :10μm 以下の距離にブリードアウト観察×
  :50μm 以下の距離にブリードアウト観察××
:50μm を超える距離にブリードアウト観察これら
の結果は表1に示されるとおりである。
【0079】
【表1】
【0080】表1に示される結果から本発明の効果が明
らかである。
【0081】なお、導電粒子をPb2 Ru2 O7 
、Bi2 Ru2 O7 に替えて前記と同様の評価を
行なったところ同等の結果が得られた。
【0082】
【発明の効果】本発明の抵抗体ペーストを用いて形成さ
れた厚膜抵抗体は、抵抗値の温度係数(TCR)が低い
。また、基板の熱膨張係数αと抵抗体のαとの違い等に
起因する抵抗体へのクラックの発生を防止できる。しか
も、ブリードアウト現象の発生を防止でき、配線間のシ
ョートや電気特性の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抵抗体ペーストを用いて作製した多層
配線基板の部分断面図である。
【符号の説明】
1  多層配線基板 2  内部導体 3  外部導体 4  基板 5  スルーホール 6  半田 7  表面実装部品 8  抵抗体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  抵抗体ペーストのバインダガラスであ
    って、ZnO2 を40〜70重量%、B2 O3 を
    10〜30重量%、SiO2 を5〜15重量%および
    MnO2 を1〜15重量%含有することを特徴とする
    ガラスフリット。
  2. 【請求項2】  40〜290℃での平均熱膨張係数α
    が3〜5×10−6deg−1 である請求項1に記載
    のガラスフリット。
  3. 【請求項3】  請求項1または2に記載のガラスフリ
    ットと、導電粒子とを含有することを特徴とする抵抗体
    ペースト。
  4. 【請求項4】  前記導電粒子が二酸化ルテニウム、ル
    テニウム酸鉛およびルテニウム酸ビスマスの1種以上を
    主成分とする請求項3に記載の抵抗体ペースト。
  5. 【請求項5】  前記ガラスフリットおよび前記導電粒
    子全体に対する前記ガラスフリットの含有量が、60〜
    90重量%である請求項3または4に記載の抵抗体ペー
    スト。
  6. 【請求項6】  請求項3ないし5のいずれかに記載の
    抵抗体ペーストを用いて厚膜抵抗体を形成したことを特
    徴とする配線基板。
  7. 【請求項7】  前記厚膜抵抗体がガラスと酸化物骨材
    とを含有する基板上に形成されている請求項6に記載の
    配線基板。
  8. 【請求項8】  前記厚膜抵抗体と接して外部導体が形
    成されている請求項6または7に記載の配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122639A (ja) * 1999-10-21 2001-05-08 Tdk Corp ガラスフリットおよび導体ペースト組成物ならびに積層コンデンサ
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CN105723815A (zh) * 2013-11-13 2016-06-29 朱马技术有限公司 至少设有一个嵌入式精密电阻器的印刷电路板

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