JP2007201276A - 配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンデンサが形成されている部位に、他の絶縁層の比誘電率よりも高い比誘電率を有する絶縁層を設けた配線基板を提供すること。
【解決手段】絶縁層1a〜dを積層してなる絶縁基板1の表面および内部の少なくとも一方に配線導体2が形成されているとともに、絶縁基板1の内部に配線導体2の一部をコンデンサ部電極2cとし絶縁層1a〜dの一部をコンデンサ部絶縁層6とするコンデンサ部5が設けられてなる配線基板10であって、コンデンサ部電極2cが金属とガラスとを含み、コンデンサ部絶縁層6の少なくとも一部は、前記ガラスの成分を含むとともに、コンデンサ部絶縁層6の比誘電率が絶縁層1a〜dの比誘電率よりも高いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板に関し、特に半導体素子収納用パッケージおよび混成集積回路装置等に好適に使用できる多層配線基板に関するものである。
ICやLSI等の半導体素子を搭載する半導体素子収納用パッケージや、各種電子部品が搭載される混成集積回路装置等に適用される配線基板としては、アルミナ焼結体を絶縁基板とした配線基板が多く用いられてきた。そして、近年、高集積化が進むICやLSI等を実装するために、配線基板には配線抵抗の低抵抗化が要求されており、1050℃程度で溶融するCu、Ag等の低導体抵抗の金属を主成分とした配線導体を絶縁基板と同時焼成して使用するために、1050℃以下の低温で焼結が可能であるガラスセラミック焼結体が配線基板の絶縁基板として用いられるようになってきている。
また、多層配線基板では、内部にコンデンサを形成し、表面に実装するチップコンデンサ等の部品数を少なくして、基板を小型化することが行われている。基板を小型化するには、高容量のコンデンサを内蔵できる方が有利であるが、内蔵できるコンデンサの容量は、チップコンデンサ等と比較して小さいものしかなかった。
コンデンサの容量を大きくするには、ガラスセラミック材料の比誘電率を高くすること、コンデンサ部電極の面積を広くすること、コンデンサ部電極間の距離を狭くすることが考えられる。
ガラスセラミック材料の比誘電率を高くするとコンデンサ容量は大きくできるものの、信号の伝送遅延が大きくなったり、信号配線間のクロストークが大きくなったりしてしまう。コンデンサ部電極間の距離を狭めるにはコンデンサ部電極間に形成される絶縁層の厚みを薄くすることが考えられるが、絶縁層の厚みが薄くなると、コンデンサ部電極間の絶縁層のボイドにより、絶縁性を保てなくなってしまうおそれがあった。コンデンサ部電極の面積を広くする方法では、基板を小型化することができなくなる。
そこで、信号の伝送遅延を大きくすることや信号配線間のクロストークを大きくすることなく、内蔵コンデンサの容量を大きくするため、低誘電率セラミック層と高誘電率セラミック層を積層し、同時焼成して、配線パターンは低誘電率セラミック層に、コンデンサは高誘電率セラミック層に形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平1−312896号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、コンデンサを形成する層と配線パターンを形成する層を別々にしなければならないため、多層配線基板の全体を有効に使用する設計をすることが難しく、低誘電率セラミック層や高誘電率セラミック層の一部が使用されない状態になるため、基板の小型が阻害された。
したがって、本発明は、コンデンサが形成されている部位に、他の絶縁層の比誘電率よりも高い比誘電率を有する絶縁層を設けた配線基板を提供することを目的とする。
本発明の配線基板は、絶縁層を積層してなる絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に配線導体が形成されているとともに、前記絶縁基板の内部に前記配線導体の一部をコンデンサ部電極とし前記絶縁層の一部をコンデンサ部絶縁層とするコンデンサ部が設けられてなる配線基板であって、前記コンデンサ部電極が金属とガラスとを含み、前記コンデンサ部絶縁層の少なくとも一部は、前記ガラスの成分を含むとともに、前記コンデンサ部絶縁層の比誘電率が前記絶縁層の比誘電率よりも高いことを特徴とするものである。
前記コンデンサ部絶縁層が、前記絶縁層の結晶相と異なる結晶相を具備することが好ましい。
前記コンデンサ部絶縁層の結晶相のうち前記絶縁層の結晶相とで異なっている結晶相が前記ガラスの成分を含むことが好ましい。
本発明の配線基板によれは、配線基板が、絶縁層を積層してなる絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に配線導体が形成されているとともに、前記絶縁基板の内部に前記配線導体の一部をコンデンサ部電極とし前記絶縁層の一部をコンデンサ部絶縁層とするコンデンサ部が設けられてなる配線基板であって、前記コンデンサ部電極が金属とガラスとを含み、前記コンデンサ部絶縁層の少なくとも一部は、前記ガラスの成分を含むことにより、前記コンデンサ部絶縁層の比誘電率を高くすることができる。これに対し、コンデンサ部絶縁層でもなく、コンデンサ部絶縁層の周囲の絶縁層でない、絶縁層はコンデンサ部電極に含まれている前記ガラスの成分を含まないため、絶縁層の比誘電率は高くなることはない。すなわち、コンデンサのコンデンサ部電極部近傍の絶縁層の比誘電率を他の部分の絶縁層の比誘電率と比較して、高くすることができる。
これにより、例えば、信号の伝送遅延を大きくすることや信号配線間のクロストークを大きくすることなく、内蔵コンデンサの容量を大きくすることができる。
本発明を、添付図面に基づいて説明する。
図1(a)は本発明の配線基板の一実施形態の構造を示す縦断面図であり、図1(b)は前記配線基板の部分縦断面図である。
本発明の配線基板10は、絶縁層1a〜dを積層してなる絶縁基板1に配線導体2が形成されている。配線導体2のなかで、2aは配線基板10の厚み方向の導通をとるビアホール配線であり、2bは配線基板の平面方向の導通をとる配線層である。配線基板10は内部に、配線導体2の一部で一対の対向するコンデンサ部電極2cと絶縁層1a〜dの一部でコンデンサ部電極2cに狭まれたコンデンサ部絶縁層6とからなるコンデンサ部5を具備している。
本発明の配線基板10では、コンデンサ部電極2cは金属とガラスを含み、コンデンサ部電極2cの周囲の絶縁層はコンデンサ部電極2cから拡散したガラスの成分を含んだ電極ガラス含有絶縁層7となっている。電極ガラス含有絶縁層7は、コンデンサ部電極2cから拡散したガラスを含まない絶縁基板1の他の部分と比較して比誘電率を高くすることができる。コンデンサ部絶縁層6には電極ガラス含有絶縁層7が含まれるので、コンデンサ部絶縁層6の比誘電率を絶縁基板1の他の部分比誘電率よりも高くできることが重要である。コンデンサ部絶縁層6の比誘電率が高いためコンデンサ部5の容量を大きくすることができる。
これにより、信号の伝送遅延を大きくすることや信号配線間のクロストークを大きくすることなく、内蔵コンデンサの容量を大きくすることができる。また、電極ガラス含有絶縁層7の誘電率を局所的に高くできるため、高誘電率にするために絶縁基板全体の組成を変更して抗折強度が低くなる等の弊害が生じることがない。
本発明の絶縁基板1はガラスセラミックおよびセラミックのいずれからなるものでもよいが、配線導体2として銅、銀および金といった低導体抵抗の金属を主成分としたものが形成できるため、1050℃以下の低温で焼成可能なガラスセラミックスが好ましい。ガラスセラミックは、ガラスおよびセラミックから成るもので、ガラス粉末とセラミックフィラー粉末を混合し、焼成して得られるものである。
ガラス粉末は、少なくともSiOを含み、Al、B、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物のうちの少なくとも1種以上を含有したものであって、例えば、SiO−B系、SiO−B−Al系−MO系(ただし、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)等のホウケイ酸ガラス、アルカリ珪酸ガラス、Ba系ガラス、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。これらのガラス粉末は、焼成処理することによっても結晶化しない非結晶性ガラスであってもよく、また焼成処理によって、リチウムシリケート、クォーツ、クリストバライト、コージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガ−ナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライト、ディオプサイドやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種類を析出する結晶性ガラスでもよい。
これらのガラスの中で、高強度化が可能という点でセルジアン系結晶性ガラスまたはディオプサイド系結晶性ガラスが、低比誘電率化および低熱膨張化が可能という点でコージェライト系結晶性ガラスが好ましい。特に、コージェライト系結晶性ガラスは低比誘電率化が可能であるので、コンデンサ部絶縁層6の比誘電率とその他の絶縁層の比誘電率の差を大きくでき、信号の伝送遅延を大きくすることや信号配線間のクロストークを大きくすることなく、内蔵コンデンサの容量の大きい配線基板を作成できる。
セラミックフィラー粉末は、クォーツ、クリストバライト等のSiOや、Al、ZrO、コージェライト、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシア等が好適に用いられる。これらのうち、高強度、低コスト等の点でアルミナが好ましい。
配線層2aおよびビアホール配線2bは主に金属からなり、配線基板10と焼成収縮挙動を合わせるたり配線基板10との接着強度を高くしたりするためにガラスや酸化物等が必要に応じて添加される。金属としては、銅、銀、または金が低抵抗という点で好ましい。また、銅、銀および金のうち少なくとも2種を含ませることも可能である。
コンデンサ部電極2cは金属とガラスを含み、ガラスは焼成過程で周囲の絶縁層に拡散あるいは軟化流動により浸透していき、コンデンサ部電極2c周囲の絶縁層が電極ガラス含有絶縁層7となる。金属としては、銅、銀、または金が低抵抗という点で好ましい。また、銅、銀および金のうち少なくとも2種を含ませることも可能である。例えば、銅と銀を含むことにより、焼成中に導体中の金属粉末が局所的に液相を生成し、コンデンサ部電極2c中のガラスを周囲の絶縁層1a〜dへと効果的に押し出すことができるため、ガラスが絶縁基板へ拡散あるいは流動するのを促進することができる。
なお、ここで電極ガラス含有絶縁層7とは、配線基板10の断面をSEM−EDS分析で電極ガラス含有絶縁層7以外の絶縁基板1の部分と比較した場合、コンデンサ部電極2cのガラスの成分が1質量%以上増加している部分のことである。ガラスの成分の増加は、ガラスの成分すべてが増加している必要はなく、ガラスの成分の一部だけが増加していてもかまわない。また、比較対照とする電極ガラス含有絶縁層7以外の絶縁基板1の部分とは、コンデンサ部電極2c、配線層2aおよびビアホール配線2bから100μm以上、好ましくは200μm以上離れた部分のことであり、それらの成分の拡散の影響をうけていない部分のことである。
ガラスとしては、Ti、Zr、Nb、Mo、W、Taおよび希土類等のうち少なくとも1種を含有しているガラスや、ホウケイ酸系ガラス、ホウケイ酸亜鉛系ガラスおよびホウケイ酸鉛系ガラス等を例示できる。これらのガラスが周囲の絶縁層へ拡散あるいは流動することにより電極ガラス含有絶縁層7の比誘電率が高くなり、コンデンサ部絶縁層6は電極ガラス含有絶縁層7が含まれるので比誘電率が高くなり、コンデンサの容量を大きくすることができる。
特に、比誘電率の高い点で、TiO−SiO−ZnO−MO系結晶性ガラス(Mはアルカリ土類金属を表す)を用いるのが好ましく、より具体的には、TiOを10〜50質量%、SiOを10〜30質量%、ZnOを5〜30質量%およびアルカリ土類金属酸化物を10〜30質量%を含むものが好ましい。アルカリ土類金属としては、MTiOの結晶が生成された場合、比誘電率の温度依存性が少なくなるように複数のアルカリ土類金属を用いるのが好ましい。また、MTiOの結晶の比誘電率の温度係数は、絶縁基板1の比誘電率の温度係数と符号が逆になるように、アルカリ土類金属を選択をすることが好ましい。以上の点から、TiO−SiO−ZnO−BaO−SrO系結晶性ガラスを用いるのが好ましい。
また、Ti、Zr、Nb、Mo、W、Taおよび希土類等のうち少なくとも1種を含有しているガラスとしては、比誘電率が高い点で、それらの元素の酸化物が合計量で20質量%以上含むものが好ましく、特に30質量%以上含むものが好ましい。
電極ガラス含有絶縁層7は拡散あるいは流動してきたガラスの成分により比誘電率が高くなる。比誘電率が高くなるのは拡散あるいは流動してきたガラスの成分の比誘電率が高いからであってもよいが、拡散あるいは流動してきたガラスの成分により、電極ガラス含有絶縁層7が電極ガラス含有絶縁層7以外の絶縁基板1の部分の結晶相と異なる結晶相を具備することにより比誘電率が高くなることが好ましい。異なる結晶相が析出することにより、残存するガラスが少なくなり、ガラスによるtanδの低下が少なくなり、コンデンサ部絶縁層6のtanδを低くすることができる。また、異なる結晶相のtanδが低いことにより、よりコンデンサ部絶縁層6のtanδを低くすることができる。さらに、異なる結晶相の比誘電率が高いことにより、電極ガラス含有絶縁層7の比誘電率をより高くすることができる。
なお、ここで結晶相が異なるとは、電極ガラス含有絶縁層7以外の絶縁基板1の部分にある結晶相の量がその部分の材質全体に対して1%以上増加しているか、あるいは、電極ガラス含有絶縁層7以外の絶縁基板1の部分にない結晶相が存在することである。つまり、電極ガラス含有絶縁層7の結晶相と電極ガラス含有絶縁層7以外の絶縁基板1の部分にある結晶相の異なっている部分は、コンデンサ部電極2cから拡散あるいは流動したガラスの成分により生成したものであり、具体的には、絶縁基板1のガラスの結晶化を促進して結晶の析出量を多くしたもの、コンデンサ部電極2cのガラスの成分と絶縁基板1のガラスの成分とからなる結晶相が析出したもの、コンデンサ部電極2cのガラスの成分が結晶化したもの、あるいは、それらが組み合わせて生じているものである。
コンデンサ部電極2cのガラスの軟化点が絶縁基板1のガラス粉末の軟化点よりも低いと、焼成過程で軟化したコンデンサ部電極2cのガラスが、焼結前の絶縁基板1のガラス粉末およびセラミックフィラー粉末の間を浸透していくので、電極ガラス含有絶縁層7の範囲を広くなり、流動するガラスの成分の量も多くなるため、コンデンサの容量をより大きくすることができる。また、ガラスの軟化点は、焼成で脱有機バインダーが起こる温度よりも高い温度であると、生じた気体が配線基板10より抜けやすくなり、デラミネーションを生じにくくなる。コンデンサ部電極2cのガラスの軟化点は700〜850℃が好ましい。
なお、ここではコンデンサ部5として一対の対向するコンデンサ部電極2cとそのコンデンサ部電極2cに狭まれたコンデンサ部絶縁層6で形成された平板型コンデンサの例を示したが、コンデンサ部の形状はこれに限定されるものでない。例えば、平板型コンデンサの積層数を多くしたもの、ビアホール配線2bとビアホール配線2bとその間の絶縁層でコンデンサ部を形成したもの、図3(a)および図3(b)に示すような高周波回路のストリップライン等の単層の配線でコンデンサ部電極2cとその周囲の絶縁層でコンデンサ部を形成したもの、あるいは、コイル等で1層以上の略らせん状のコンデンサ部電極2cとその周囲の絶縁層でコンデンサ部を形成したもの等が挙げられる。
また、配線層2aおよびビアホール配線2bは、コンデンサ部電極2cと別の組成であっても、同じ組成であってもかまわない。コンデンサ部電極2cと別の組成にして、配線層2aおよびビアホール配線2bの周囲の絶縁層の比誘電率が高くならないようにすれば、その部分の信号の伝送遅延や信号配線間のクロストークをより小さくすることができる。コンデンサ部電極2cと同じ組成にすれば、配線基板10の製造が簡単になる。なお、その場合でも、絶縁基板1内部に比誘電率が低い部分ができるので、絶縁基板1全体を高誘電率の材料とする場合よりは、信号配線間のクロストークを小さくすることができる
続いて、本発明の配線基板10の製造方法を詳述する。
まず、絶縁基板1の原料粉末としてガラス粉末とセラミックフィラー粉末を準備する。いずれの粉末の平均粒径も0.5〜10μm、好ましくは0.8〜5μmである。平均粒径が小さすぎないことにより粉末が凝集することなく分散し、焼成後の絶縁基板1のボイドが少なくなる。平均粒径が大きすぎないことにより、粉末の表面エネルギーが高くなり焼成後の絶縁基板1が緻密になる。
上記の原料粉末を所定量秤量し、さらに有機バインダー、有機溶剤、および所望により可塑剤等を加えてスラリーを混練し、調製した後、ドクターブレード法、圧延法、プレス法等の周知の成形法によりシート状に成形して厚さ25〜500μmのグリーンシートを作製する。
次に、コンデンサ部電極2cとなるガラスを含む導体ペーストを作成する。まず、原料粉末として、金属粉末およびガラス粉末を準備する。金属としては、銅、銀、または金が低抵抗という点で好ましい。また、銅、銀および金のうち少なくとも2種を含ませることも可能である。金属粉末の平均粒径は10μm以下、特に5μm以下、さらには3μm以下であることが好ましい。金属粉末の平均粒径を10μm以下、特に5μm以下、さらには3μm以下に小さくすることにより、コンデンサ部電極2cが緻密に焼結することができ、導体の低抵抗化を促進することができる。
ガラス粉末は、例えばTi、Zr、Nb、Mo、W、Ta、希土類等のうち少なくとも1種を含有しているものや、ホウケイ酸系ガラス、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、およびホウケイ酸鉛系ガラス等を例示できる。特に、比誘電率が高いという点で、TiO−SiO−ZnO−MO系結晶性ガラス(Mはアルカリ土類金属を表す)を用いるのが好ましく、さらに、TiO−SiO−ZnO−BaO−SrO系結晶性ガラスを用いるのが好ましい。
ガラス粉末の平均粒径は0.5〜5μmが好ましく、特に1〜3μmが好ましい。平均粒径が小さい方が拡散あるいは軟化流動がより低温で起こり、電極ガラス含有絶縁層7の領域がより広くなりことにより、また、比誘電率がより高くなることにより、コンデンサの容量が大きくなる。ガラス粉末の量は1〜25質量%が好ましく、特に10〜20質量%が好ましい。ガラス粉末の量が少なくないことにより、電極ガラス含有絶縁層7の領域がより広くなりことにより、また、比誘電率がより高くなることにより、コンデンサの容量が大きくなる。ガラス粉末の量が多くないことにより、コンデンサ部電極2cの導体抵抗が低くなる。
上記の金属粉末と、ガラス粉末と、有機バインダーと、有機溶剤と、所望により分散剤とを加えてガラスを含む導体ペーストを混練し、調整する。導体ペーストの粘度としては、ぺ−ストの印刷性、ペーストのレベリング性という観点から、10〜150Pa・s、特に20〜120Pa・s、さらには30〜100Pa・sであることが好ましい。
続いて、配線層2aおよびビアホール配線2bとなる導体ペーストを作製する。なお、配線層2aおよびビアホール配線2bとなる導体ペーストはコンデンサ部電極2cとなるガラスを含む導体ペーストと同一のものでもかまわない。配線層2aおよびビアホール配線2bと、コンデンサ部電極2cとにそれぞれ別の導体ペーストを用いる場合には、前記ガラス粉末を含まない導体ペーストを作製する。作製法は、ガラス粉末を含む導体ペーストと同様であるが、配線層2aおよびビアホール配線2bと絶縁基板1との収縮挙動を合わせて配線基板10の反りを抑制するためや、配線層2aおよびビアホール配線2bと絶縁基板1との接着強度を向上させるためにガラス粉末等を添加することも可能である。この場合に添加するガラスとしては、例えば、ホウケイ酸系ガラス、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、SiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを例示できる。特に、ホウケイ酸系ガラス、中でもSiO−Al−BaO−CaO−B系ガラスを用いるのが好ましく、ガラスの添加量は1〜8質量%が好ましい。これらガラスは、Ti、Zr、Nb、Mo、W、Ta、希土類等の比誘電率が高い成分を含んでおらず、比誘電率の高い結晶を生成するものでもないので、絶縁基板1に拡散しても絶縁基板1の比誘電率は高くはならない。
次に、前記グリーンシートにビアホール配線2bを形成するための貫通穴をパンチングやレーザー加工法などにより形成して、その貫通穴内にビアホール配線2bとなる導体ペーストを充填する。続いて、前記グリーンシート上に、配線層2aとなる導体ペーストおよびコンデンサ部電極2cとなるガラスを含む導体ペーストをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等によって塗布する。
次に、配線導体2が形成されたグリーンシートを複数積層して多層配線基板となる積層体を作製する。
次に、積層体を焼成する。焼成に先立って、所望により積層体を100〜800℃、特に400〜750℃で加熱処理して有機成分を分解除去することができる。また、焼成は800〜1000℃、特に850〜950℃で焼成するのが、絶縁基板1を十分に焼結させる、また過焼結を防止するという点で好ましい。このとき、配線導体中の金属の主成分として銅を用いる場合は、銅の酸化を防止するという観点から、窒素雰囲気中で焼成を行なうのが好ましい。
この焼成中にコンデンサ部電極2cとなるガラスを含む導体ペースト中のガラスの成分は、コンデンサ部電極2c周囲の絶縁基板1に拡散あるいは浸透して電極ガラス含有絶縁層7が形成される。拡散あるいは浸透したガラスの成分の比誘電率が高いことにより、あるいは、拡散あるいは浸透したガラスの成分により電極ガラス含有絶縁層7の結晶相が電極ガラス含有絶縁層7以外の絶縁基板の部分の結晶相が異なることにより、電極ガラス含有絶縁層7の比誘電率は高くなり、コンデンサ部絶縁層6は電極ガラス含有絶縁層7が含まれるので比誘電率が高くなり、コンデンサの容量を大きくすることができる。
このような製造方法によって、コンデンサが形成されている部位に、他の絶縁層の比誘電率よりも高い比誘電率を有するコンデンサ部絶縁層6を設けた配線基板10を得ることができる。
図2に示す構造のコンデンサを内蔵した配線基板110を作製した。配線基板110は絶縁層101a〜cを3層積層した構造で、絶縁層101a、cの厚さは100μm、絶縁層101bの厚さは50μmまたは100μmである。配線基板110には、配線層102a、ビアホール配線102bおよびコンデンサ部電極102cが形成されており、コンデンサ部電極102cは1辺が10mmの正方形のパターンで、厚みが20μmであり、一対のコンデンサ部電極102cとそのコンデンサ部電極102に狭まれた絶縁層1bの一部によりコンデンサ部105が形成されている。
まず、絶縁基板101の原料粉末として、SiO:50質量%、MgO:18.5質量%、CaO:26質量%、Al:5.5質量%の組成を有する軟化点820℃の結晶性ガラス粉末を60質量%と、セラミックフィラー粉末としてAlを40質量%とからなるガラスセラミック組成物を準備した。
上記原料粉末に、有機バインダーとしてアクリル樹脂、可塑剤としてジブチルフタレート、溶媒としてトルエンとイソプロピルアルコールを加えて、混練し、調製したスラリー作製し、ドクターブレード法により成形し、焼成後の厚さが50μmと100μmとなる2種類のグリーンシートを作製した。
次に、コンデンサ部電極102cとなるガラスを含む導体ペーストを作製した。平均粒径2.0μmの表1に示したガラス粉末を、平均粒径2μmの銅粉末に、銅粉末100質量%に対して表2に示した添加量を加え、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を加え、混練して、ガラスを含む導体ペーストを作製した。なお、表1に示す組成bのガラスの軟化点は770℃であった。
Figure 2007201276
次に、配線層102aとなる配線層導体ペーストを作製した。平均粒径2.0μmの銅粉末を用意し、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混練して、配線層導体ペーストを作製した。
さらに、ビアホール配線102bとなるビアホール配線導体ペーストを作製した。平均粒径5μmの銅粉末、平均粒径1.5μmのホウケイ酸系ガラス粉末を用意し、銅粉末100質量%に対して、ガラス粉末を12質量%加え、有機バインダーとしてアクリル樹脂を、溶媒としてテルピネオールとジブチルフタレートの混合溶液(質量比で80:20)を添加、混練して、ビアホール配線導体ペーストを作製した。
続いて、グリーンシートにパンチングによりビアホールとなる貫通孔を形成し、ビアホール配線導体ペーストを充填した。次に、グリーンシートに配線層導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、さらに、表2に示す組成のガラスを含む導体ペーストをスクリーン印刷法により印刷した。
このようにして得られた配線導体102を形成したグリーンシートを積層し、積層体を作製した。この際、グリーンシート間に接着剤を均一に塗布し、45℃、4MPaの条件で加圧積層を行なった。
続いて、この積層体をAlの台板上に載置して有機バインダー等の有機成分を分解除去するために、窒素雰囲気中、720℃で加熱処理し、次に窒素雰囲気中、900℃で1時間焼成を行ない、コンデンサ部105を内蔵した配線基板110を得た。
LCRメーターを用いて、測定周波数1MHzにおける配線基板110のコンデンサ部105の静電容量を測定した。続いて、配線基板110の縦断面を研磨し、コンデンサ部の各部の寸法を測定して、コンデンサ部絶縁層の比誘電率を算出した。このとき、実際の比誘電率はコンデンサ部電極102cから遠い部分よりもコンデンサ部電極102cに近い部分の方が高いと考えられるが、コンデンサ部絶縁層の比誘電率が場所によらず一定であるとした場合の比誘電率を算出した。
なお、上記のサンプルとは別に、配線導体を含まない絶縁基板を作製し、絶縁基板の表面と裏面に一対の1辺が10mmの正方形の金属プレートを押圧し、金属プレート間に形成されたコンデンサの静電容量をLCRメーターで測定し、配線基板の場合と同様に比誘電率を算出し、配線導体102の成分の影響のない絶縁基板の比誘電率として6.5を得た。
続いて、配線基板110の縦断面をTEMで分析し、基板各部の存在する結晶相を同定した。電極ガラス含有絶縁層としては、コンデンサ部電極102cと絶縁基板110との界面から10μm離れた部分の絶縁基板1を測定した。電極ガラス含有絶縁層以外の絶縁基板としては、すべての配線導体102から500μm以上離れた部分の絶縁基板110を測定した。結果を表2に示した。
Figure 2007201276
本発明の試料No.2〜7および9〜14では、コンデンサ部絶縁層の比誘電率は6.7以上となり、配線導体102の成分の影響をうけていない絶縁基板101の比誘電率6.5に対して高くなった。特に、ガラスとしてTiO−SiO−ZnO−BaO−SrO−系結晶性ガラスを用いた資料No.3〜7および10〜14では、コンデンサ部絶縁層には、絶縁基板101の他の部分にはない結晶相が析出し、添加量の同じ資料を資料No.2および9と比較して、より比誘電率が高くなっていた。さらに、ガラス添加量を10質量%以上とした試料No.5〜7および12〜14では比誘電率が7.4以上と高くなった。
一方、本発明の範囲外の試料No.1および8では、比誘電率は6.5と配線導体102の成分の影響をうけていない絶縁基板101の比誘電率6.5と変わらなかった。
本発明の配線基板の構造を示すもので、(a)は縦断面図、(b)および(c)はコンデンサ部付近の部分縦断面図である。 本発明の配線基板のコンデンサ部の比誘電率を測定したサンプルの縦断面図である。 本発明の別の配線基板の構造を示すもので、(a)は縦断面図、(b)はコンデンサ部付近の部分縦断面図である。
符号の説明
1・・・絶縁基板
1a〜1d・・・絶縁層
2・・・配線導体
2a・・・配線層
2b・・・ビアホール配線
2c・・・コンデンサ部電極
5・・・コンデンサ部
6・・・コンデンサ部絶縁層
7・・・電極ガラス含有絶縁層
10・・・配線基板

Claims (3)

  1. 絶縁層を積層してなる絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に配線導体が形成されているとともに、前記絶縁基板の内部に前記配線導体の一部をコンデンサ部電極とし前記絶縁層の一部をコンデンサ部絶縁層とするコンデンサ部が設けられてなる配線基板であって、前記コンデンサ部電極が金属とガラスとを含み、前記コンデンサ部絶縁層の少なくとも一部は、前記ガラスの成分を含むとともに、前記コンデンサ部絶縁層の比誘電率が前記絶縁層の比誘電率よりも高いことを特徴とする配線基板。
  2. 前記コンデンサ部絶縁層が、前記絶縁層の結晶相と異なる結晶相を具備すること特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記コンデンサ部絶縁層の結晶相のうち前記絶縁層の結晶相とで異なっている結晶相が前記ガラスの成分を含むことを特徴とする請求項1または2記載の配線基板。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015228480A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. パッケージ基板、パッケージ、積層パッケージ、及びパッケージ基板の製造方法
JP2022014982A (ja) * 2020-07-08 2022-01-21 太陽誘電株式会社 セラミック電子部品

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