JP2008270741A - 配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法精度が高く、かつ熱伝導率が高い配線基板を提供する。
【解決手段】焼成収縮開始温度が異なる少なくとも2種類の絶縁層を具備する配線基板1において、前記絶縁層のうち、低温側で焼成収縮した絶縁層を第1のガラスセラミック絶縁層3a、該第1のガラスセラミック絶縁層3aよりも高温側で焼成収縮した絶縁層を第2のガラスセラミック絶縁層3bとしたとき、前記第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bに、スピネル系化合物結晶相と、AlN、Si、SiCおよびBNの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合物結晶相を含有させ、該非酸化物系化合物結晶相を除く残部の組成を制御することで寸法精度が高く、かつ熱伝導率が高い配線基板を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は配線基板に関するものであり、特に、高い寸法精度を有し、熱伝導率に優れた配線基板に関するものである。
従来、アルミナ等のセラミックスの絶縁基板に配線導体層を形成した配線基板では、絶縁基板と配線導体層を同時焼成する場合、絶縁基板の焼成温度が約1500℃以上であるため、配線導体層は該焼成温度で融解しないMoやWを主成分とするものが使用されてきた。ところが、近年における情報通信技術の急速な発展は、半導体素子等の高速化、大型化をもたらし、これに伴って、このような素子を備えた配線基板では、信号の伝送損失を低減するために配線導体層の低抵抗化が求められている。
そこで、配線導体層として導体抵抗の低いAg、CuまたはAuを主成分とし、これらの配線導体層が融解しない1000℃以下の焼成温度で緻密化できる低温焼成セラミックスを絶縁基板とする配線基板が提案されている。
しかしながら、低温焼成セラミックスではガラス成分を多く含むため、熱伝導率が0.5〜1.5W/(m・K)程度と低く、熱放散性において従来のアルミナ等に比べて劣っていた。そのため、発熱量の大きい大型の半導体素子を搭載するための配線基板としては適用できないという問題があった。
これに対し、熱伝導率の高い非酸化物系化合物結晶相とスピネル系化合物結晶相とガラス相とを組み合わせて、熱伝導率が2W/(m・k)以上のセラミック焼結体を作製し、これを配線基板に用いることが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
一方、配線基板は、近年、ますます小型薄型化が求められており、配線導体層のパターンの微細化が進んでいる。そのため、配線導体層のX−Y方向(配線基板の主面と平行な方向)の寸法精度を高めるために、10〜40質量%のSiO、35〜60質量%のMgOおよび10〜30質量%のBを含有するガラスを含む低温で焼成収縮する絶縁層と、20〜50質量%のSiOと3〜25質量%のMgOおよびB、CaO、Al、SrO、ZnO、TiO、NaO、BaO、SnO、P、ZrOおよびLiOの群から選ばれる少なくとも1種を0〜55質量%含有するガラスを含む高温で焼成収縮する絶縁層とを積層、焼成することにより、X−Y方向の焼成収縮が小さく、X−Y方向の焼成収縮バラツキが少ない配線基板が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−53369号公報 特開2003−69236号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、X−Y方向の焼結収縮バラツキを少なく出来るものの、このようなガラスセラミックスは熱伝導率が0.5〜1.5W/(m・K)程度と低く、熱放散性において従来のアルミナ等に比べて劣っていた。そのため、発熱量の大きい大型の半導体素子を搭載するための配線基板としては適用できないという問題があった。
すなわち、熱伝導性に優れるとともに、寸法精度に優れた配線基板は、未だ、提供されていないという問題があった。
したがって、本発明は、熱伝導性に優れ、なおかつX−Y方向の焼成収縮を抑制することにより寸法精度の高い基板を提供することを目的とするものである。
本発明は、異なる焼成収縮開始温度で焼成収縮した2種類のガラスセラミック絶縁層を含み、低温側で焼成収縮した第1のガラスセラミック絶縁層と該第1のガラスセラミック絶縁層よりも高温側で焼成収縮した第2のガラスセラミック絶縁層とが接するように積層された絶縁基体と、該絶縁基体の表面および内部に形成された配線導体層とを具備する配線基板において、前記第1のガラスセラミック絶縁層および前記第2のガラスセラミック絶縁層は、スピネル系化合物結晶相と、AlN、Si、SiCおよびBNの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合物結晶相とを含有しており、前記第1のガラスセラミック絶縁層における前記非酸化物系化合物結晶相の総量は前記第2のガラスセラミック絶縁層における前記非酸化物系化合物結晶相の総量より3〜10質量%多く、前記第1のガラスセラミック絶縁層における前記非酸化物系化合物結晶相を除く残部は、SiをSiO換算で10〜54質量%、AlをAl換算で3〜35質量%、ZnをZnO換算で2〜25質量%、BをB換算で8〜25質量%、MgをMgO換算で0〜30質量%、Ca、SrおよびBaの群から選ばれる少なくとも一種を酸化物換算で0〜50質量%含有し、前記第2のガラスセラミック絶縁層における前記非酸化物系化合物結晶相を除く残部は、SiをSiO換算で11〜55質量%、AlをAl換算で3〜35質量%、ZnをZnO換算で2〜25質量%、BをB換算で3〜20質量%、MgをMgO換算で0〜30質量%、Ca、SrおよびBaの群から選ばれる少なくとも一種を酸化物換算で0〜50質量%含有しており、前記第1のガラスセラミック絶縁層における残部のSi含有量が前記第2のガラスセラミック絶縁層における残部のSi含有量よりもSiO換算で1〜21質量%少なく、前記第1のガラスセラミック絶縁層における残部のB含有量が前記第2のガラスセラミック絶縁層における残部のB含有量よりもB換算で5質量%以上多く、前記第1のガラスセラミック絶縁層および前記第2のガラスセラミック絶縁層の熱伝導率が2〜10W/(m・K)であることを特徴とするものである。
なお、上述のSi、Al、Zn、BおよびMg、Ca、Sr、Baの群から選ばれる少なくとも1種のそれぞれの酸化物換算による量は、非酸化物系化合物結晶相を除く残部を100%としたときの値である。
また、本発明の配線基板は、前記スピネル系化合物結晶相が、ガーナイト結晶相であることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、前記第1のガラスセラミック絶縁層および前記第2のガラスセラミック絶縁層が、ムライト結晶相およびコーディエライト結晶相のうち少なくとも1種を含有することが望ましい。
また、本発明の配線基板は、前記第1のガラスセラミック絶縁層および前記第2のガラスセラミック絶縁層が、(M1)AlSi(M1はCa、Sr、Baのうちの少なくとも1種)結晶相を含有することが望ましい。
本発明の配線基板によれば、Cu、Ag、Auなどの低抵抗、低融点金属導体と同時に1000℃以下の低温で焼成することを可能としつつ、ガラスと非酸化物化合物との反応を抑制できるため、2〜10W/(m・K)の高熱伝導率を有する第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層とすることができる。
特に、第1のガラスセラミック絶縁層における残部のSi含有量が第2のガラスセラミック絶縁層における残部のSi含有量よりもSiO換算で1〜21質量%少なく、第1のガラスセラミック絶縁層における残部のB含有量が第2のガラスセラミック絶縁層における残部のB含有量よりもB換算で5質量%以上多いことで、第1のガラスセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度を第2のガラスセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度よりも低温にすることができるため、互いにもう一方のガラスセラミック絶縁層のX−Y方向の焼成収縮を抑制しあう結果、X−Y方向の焼成収縮量が減少し、それに伴い焼成収縮量のバラツキに起因する焼成後の寸法バラツキが小さくなり、基板のX−Y方向の寸法精度が向上する。
また、第1のガラスセラミック絶縁層における非酸化物系化合物結晶相の総量が第2のガラスセラミック絶縁層における非酸化物系化合物結晶相の総量より3〜10質量%多いことで、SiOの含有量が少なく、Bの含有量が多いことによる熱伝導率の低下を容易に抑制できる。
上述した効果により、寸法精度が高く、熱放散性が高い配線基板を得ることができる。
また、本発明の配線基板は、前記スピネル系化合物結晶相がガーナイト結晶相(ZnAl)であることにより、第2のガラスセラミック絶縁層の熱伝導率をさらに向上させることができる。
また、本発明の配線基板は、第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層が、ムライト結晶相およびコーディエライト結晶相のうち少なくとも1種を含有することで、第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層の熱伝導率をさらに向上させることができる。
また、本発明の配線基板は、第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層が、(M1)AlSi(M1はCa、Sr、Baのうちの少なくとも1種)結晶相を含有することで、第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層の熱伝導率を更に向上させるとともに、抗折強度も向上させることが可能となる。
図1に示すように、本発明の配線基板1は、第1のガラスセラミック絶縁層3aと第2のガラスセラミック絶縁層3bとを積層した絶縁基板3と、この絶縁基板3の表裏面に形成された配線導体層である表面導体層5、絶縁基板3の内部に形成された配線導体層である内部導体層7、および配線導体層間を接続するビアホール導体9から構成されている。
この第1のガラスセラミック絶縁層3aと第2のガラスセラミック絶縁層3bとは焼成収縮挙動が異なり、第1のガラスセラミック絶縁層3aは第2のガラスセラミック絶縁層3bよりも低温側で焼成収縮を開始したものである。
このように、焼成収縮開始温度の異なる2種類の絶縁層を組み合わせて焼成することにより、互いの平面方向の収縮を抑制する力が発生し、平面方向の焼成収縮率を5%以下、特に2%以下、最適には1%以下とすることができる。
すなわち、第1のガラスセラミック絶縁層3aが焼成収縮を開始する温度では、まだ焼成収縮を開始していない第2のガラスセラミック絶縁層3bに拘束されて平面方向の収縮が制限される。その後、第2のガラスセラミック絶縁層3bが焼成収縮を開始する温度では、すでに焼成収縮を開始している第1のガラスセラミック絶縁層3aに拘束されて平面方向の収縮が制限される。このようにして互いの平面方向の収縮を制限しあい、平面方向の収縮量を5%以下とすることができるため、平面方向の収縮量のばらつきも抑制できる。
より効果的に平面方向の収縮を制限しあうためには、第2のガラスセラミック絶縁層3bが焼成収縮を開始する際には、第1のガラスセラミック絶縁層3aは焼成収縮をほぼ終了していることが望ましい。
なお、ここでいう焼成収縮がほぼ終了しているとは、最終焼成体積収縮量の98%以上の収縮が終了しているということであり、特に98%収縮した温度を収縮終了温度と呼ぶ。一方、収縮開始温度とは、最終焼成体積収縮量の2%収縮した温度を指す。
以下に、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bについて、詳細に説明する。
第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bは、相対密度が95%以上の緻密質からなる焼結体で形成されていて、それぞれのガラスセラミック絶縁層の厚みは、第1のガラスセラミック絶縁層3aが3〜150μm、第2のガラスセラミック絶縁層3bが10〜300μmとなっている。
そして、本発明における第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bは、ガラス相をマトリックスとし、このガラス相中に、スピネル系化合物結晶相と、AlN、Si、SiCおよびBNの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合物結晶相とを分散含有した組織の焼結体からなることが重要である。
焼結体としての高熱伝導化を達成する上では、高熱伝導性を有する結晶相を分散していることが必要である。そこで、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bは、焼結体の熱伝導率と強度を高くする作用を有するスピネル系化合物結晶相を含有している。このスピネル系化合物結晶相としては、ガーナイト結晶相(ZnAl)およびスピネル結晶相(MgAl)の少なくともいずれか一方であることが望ましい。このスピネル系化合物結晶相は、ガラスからの析出結晶相であってもよいし、フィラーとして添加したものであってもよいが、ガラスから析出させることがより緻密な焼結体を得るのに効果的であり、熱伝導率と強度の向上効果も大きい。なお、スピネル系化合物結晶相としては、2つのスピネル系化合物結晶相が相互に固溶した(Mg,Zn)Alの形で存在していても差し支えない。
また、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bは、焼結体の熱伝導率を高くする作用を有するAlN、Si、SiCおよびBNの群から選ばれる少なくとも1種、特にAlNまたはSiの非酸化物系化合物結晶相を含有している。一般に、非酸化物系化合物は、ガラス相との反応性が高いため、その焼結過程で非酸化物系化合物が分解してガスなどが発生してしまうが、上記AlN、Si、SiC、BNは、ガラスとの反応性が比較的低いため、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bの熱伝導率を高くするための非酸化物系化合物結晶相として好適に用いられ、特にAlN、Siが望ましい。
そして、第1のガラスセラミック絶縁層3aにおける非酸化物系化合物結晶相の総量は第2のガラスセラミック絶縁層3bにおける非酸化物系化合物結晶相の総量より3〜10質量%多くなっていることが重要である。後述するように、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bがそれぞれの焼成過程において互いのX−Y方向の焼成収縮を抑制しあうように、焼成収縮後のそれぞれのガラスセラミック絶縁層のSiOおよびBの量比関係が規定されているが、この関係によって第2のガラスセラミック絶縁層3bに比して第1のガラスセラミック絶縁層3aの熱伝導率が低下してしまうのを抑制するため、換言すれば、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bがともに熱伝導率を高く保つようにするためである。
さらに、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bは、上記非酸化物系化合物結晶相を除く残部に少なくともSi、Al、Zn、Bを含有することが重要である。この構成とするためには、出発原料組成におけるガラス粉末中の成分として、少なくともSiO、Al、ZnO、Bが含まれるのが望ましく、これらの成分を含有するガラスは、焼成中に非酸化物系化合物との反応性が非常に低いため、ガラスと非酸化物系化合物との反応によるガスが発生し、焼結体の寸法精度の悪化や焼結体の表面での気泡発生による歩留まりの著しい低下を防ぐことが可能となる。
例えば、少なくともSiO、Al、ZnO、Bを含むホウ珪酸系ガラス粉末を30〜95質量%、特に32.5〜85質量%、最適には35〜80質量%と、AlN、Si、SiC、BNの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合物粉末を5〜70質量%、特に15〜67.5質量%、最適には20〜65質量%とからなる混合粉末の成形体を1000℃以下で焼成することによって、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bを作製することができる。
各成分組成を上記範囲に限定したのは、ホウ珪酸系ガラス粉末が30質量%未満、即ち非酸化物系化合物粉末が70質量%を超えると、1000℃以下の焼成において焼結体を緻密化することが困難となり、ホウ珪酸系ガラス粉末が95質量%を超える、即ち非酸化物系化合物粉末が5質量%よりも少ないと、2W/(m・K)以上の高熱伝導化が達成できないためである。
さらに、原料として用いるガラス粉末中にCaO、SrO、BaOの群から選ばれる少なくとも一種を配合することが望ましい。これらの成分を配合することにより、ガラスの軟化点が低下し、非酸化物系化合物の添加量を増加させることが可能となる結果、焼結体の熱伝導率をさらに向上させることができる。
より具体的には、第1のガラスセラミック絶縁層3aの原料となる第1のガラス粉末の組成として、SiOを10〜54質量%、Alを3〜35質量%、ZnOを2〜25質量%、Bを8〜25質量%、MgOを0〜30質量%、CaO、SrOおよびBaOの群から選ばれる少なくとも一種をその総量で0〜50質量%の割合で含有するとともに、第2のガラスセラミック絶縁層3bの原料となる第2のガラス粉末の組成として、SiOを11〜55質量%、Alを3〜35質量%、ZnOを2〜25質量%、Bを3〜20質量%、MgOを0〜30質量%、CaO、SrO、BaOの群から選ばれる少なくとも一種をその総量で0〜50質量%の割合で含有し、第1のガラス粉末が前記第2のガラス粉末よりもSiOを1〜21質量%少なく、1のガラス粉末が第2のガラス粉末よりもBを5質量%以上多く含有することが望ましい。
これにより、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bのそれぞれが、Cu、Ag、Auなどの低抵抗、低融点金属導体と同時に1000℃以下の低温で焼成を可能としつつ、ガラスと非酸化物化合物との反応を抑制できるため、2〜10W/(m・K)の高熱伝導率を有するガラスセラミック絶縁層となる。
なお、この熱伝導率は、配線基板1の一方の主面から他方の主面への方向、つまり、厚み方向の熱伝導率であり、例えば、絶縁基板の一方の主面にパルス光を照射して、他方の主面における温度応答曲線から熱伝導率を測定するレーザーフラッシュ法にて熱伝導率を測定したものである。
第1のガラスセラミック絶縁層3aにおける非酸化物系化合物結晶相を除く残部としては、SiをSiO換算で10〜54質量%、AlをAl換算で3〜35質量%、ZnをZnO換算で2〜25質量%、BをB換算で8〜25質量%、MgをMgO換算で0〜30質量%、Ca、SrおよびBaの群から選ばれる少なくとも一種を酸化物換算で0〜50質量%含有し、第2のガラスセラミック絶縁層3bにおける非酸化物系化合物結晶相を除く残部としては、SiをSiO換算で11〜55質量%、AlをAl換算で3〜35質量%、ZnをZnO換算で2〜25質量%、BをB換算で3〜20質量%、MgをMgO換算で0〜30質量%、Ca、SrおよびBaの群から選ばれる少なくとも一種を酸化物換算で0〜50質量%含有しており、第1のガラスセラミック絶縁層3aにおける残部のSi含有量が第2のガラスセラミック絶縁層3bにおける残部のSi含有量よりもSiO換算で1〜21質量%少なく、第1のガラスセラミック絶縁層3aにおける残部のB含有量が第2のガラスセラミック絶縁層3bにおける残部のB含有量よりもB換算で5質量%以上多くなっていることが重要である。
SiOはガラスの網目形成酸化物であり、ガラス形成のために必須であり、ガラスの軟化温度を上昇させる。第1のガラスセラミック絶縁層3a中のSiO含有量が、第2のガラスセラミック絶縁層3b中のSiO含有量より1質量%以上多くない場合には、第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼成過程における焼成収縮開始温度が低くなり、十分な拘束が得られなくなり焼成収縮率が大きくなるおそれがある。逆に、第2のガラスセラミック絶縁層3b中のSiO含有量が、第1のガラスセラミック絶縁層3a中のSiO含有量より21質量%以上多い場合には第2のガラスセラミック絶縁層3b中の残留ガラスの割合が多くなり抗折強度の低下を招くおそれがある。
また、Bもガラスの網目形成酸化物であり、ガラスの軟化温度を低下させる効果が著しいものである。第2のガラスセラミック絶縁層3bにおけるBのB換算の含有量が、第1のガラスセラミック絶縁層3aにおけるBのB換算の含有量より5質量%以上少なくない場合には、第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼成過程における焼成収縮開始温度が低くなり、十分な拘束が得られなくなり焼成収縮率が大きくなるおそれがある。
第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bにおけるSiOおよびBの量比関係を上記のようにすることにより、第1のガラスセラミック絶縁層3aの焼成過程における焼成収縮開始温度が第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼成過程における焼成収縮開始温度より低くなる。これにより、互いのX−Y方向の焼成収縮を抑制しあうことが可能であり、X−Y方向の焼成収縮量のばらつきを抑制でき、X−Y方向の焼成収縮量を0に近づけることができる。
ここで、第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼成収縮を第1のガラスセラミック絶縁層3aにより好適に抑制するために、第1のガラスセラミック絶縁層3aを形成するにあたり用いるガラス粉末のガラスは、焼成により結晶が生成される結晶性ガラスであることが好ましい。
さらに、第1のガラスセラミック絶縁層3aを形成するにあたり用いるガラスの結晶化温度は、第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼成収縮開始温度より低いことが好ましく。またさらに、第1のガラスセラミック絶縁層3aを形成するにあたり用いるガラスの結晶化温度は、第2のガラスセラミック絶縁層3bの軟化温度より低いことが好ましい。
第1のガラスセラミック絶縁層3aの焼成収縮開始温度が第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼成収縮開始温度より、10℃以上、さらには50℃以上、特に好適には100℃以上低いことが2種のガラスセラミック絶縁層の焼成収縮する温度域の重なる領域が少なくなるので好ましい。
焼成にあたっては、TMA(熱機械的分析)またはDTA(示唆熱分析)より測定した第1のガラスセラミック絶縁層3aの焼成収縮開始温度T1、第1のガラスセラミック絶縁層3aに用いる第1のガラス粉末のガラスの軟化温度TS1、第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼成収縮開始温度T2、第2のガラスセラミック絶縁層3bに用いる第2のガラス粉末のガラスの軟化温度TS2が、T1<TS1<T2<TS2の関係になることが好ましい。
なお、第1のガラスセラミック絶縁層3aの焼成収縮開始温度T1と第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼成収縮開始温度T2の間で温度を一旦保持するような多段焼成も可能であるが、単一キープ温度とした焼成においてもX−Y方向への焼成収縮が抑制されZ方向に焼成収縮した寸法精度の高い基板を作製することができる。
また、40℃〜900℃における焼成後の第1のガラスセラミック絶縁層3aの熱膨張係数と焼成後の第2のガラスセラミック絶縁層3bの熱膨張係数の差が2×10−6/℃以下であることが好ましいが、上述のように第1の絶縁基板層3aに異方性結晶を存在させることにより界面強度が向上し、この範囲を外れるものであっても焼成時のデラミネーションなどを抑制できる。これは、熱膨張係数差が2×10−6/℃以内であると、最高焼成温度からの冷却において、熱収縮係数差により生じる第1のガラスセラミック絶縁層3aと第2のガラスセラミック絶縁層3bとの界面にクラックやデラミネーションが生じることを抑制できる。とりわけ、クラックやデラミネーションを抑制するためには、熱膨張係数の差は1×10−6/℃以下が好ましいが、上述のように第1の絶縁基板層3aに異方性結晶を存在させることにより界面強度が向上し、この範囲を外れるものであっても焼成時のデラミネーションなどを抑制できる。
平均熱膨張係数の測定は、JIS R3102に準拠して、大気中10℃/分の昇温速度で測定したものである。試験片は回路基板10から作製するものであり、試験片は、絶縁層が単一組成の絶縁層からなるように研磨等により作製される。このとき、単一組成の絶縁層の内部あるいは周囲に導体層が形成されている場合は、導体層を含んだ試験片を作成する。なお、回路基板10からJIS R3102に定められた寸法の試験片が作成できない場合は、長さを測定する部分の寸法と定められた寸法との差が小さくなるように直方体、または、円柱を配線基板1から切り出し、長さを測定する部分の両端面を研磨により平行にして試験片とすればよい。
なお、酸化銅、酸化鉛、酸化ビスマス、アルカリ金属酸化物等は、非酸化物系化合物と反応性が高く、寸法精度の悪化や気泡発生等を招くため、絶縁層に含有させることは望ましくなく、それらは酸化物換算による合計量で0.5質量%以下に抑制することが望ましい。
また、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bは、目的に応じて、例えば、比誘電率、抗折強度、誘電損失、熱伝導率、嵩密度、温度係数などの他の特性を変えた材料設計を行なうことができる。
第1のガラスセラミック絶縁層3a(A)および第2のガラスセラミック絶縁層3b(B)の積層形態としては、図1では、ABABABAにて積層したが、その他、ABABABA、AAABAAA、AABBBAA、AABABAA、AABBAAA、ABAAAAA、ABAAABA、ABBABBA、AABAAAA、ABBAAAA、ABBBAAA、ABBBBAAでもよく、また、AとBとを反対に入れ替えてもよい。さらには、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3b以外の第3の絶縁層を加えても良く、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3b以外の絶縁層が複数種類であっても良い。
本発明の配線基板1においては、非酸化物系化合物結晶相およびスピネル系化合物結晶相以外に他の結晶相が存在してもよい。その中でも、ムライト結晶相およびコーディエライト結晶相の少なくとも1種を含有することが焼結体の熱伝導率と強度を向上させるために効果的である。これらの結晶相も、組成のガラスからの析出結晶相であってもよいし、フィラーとして添加したものであってもよいが、ガラスから析出させることがより緻密な焼結体を得るのに効果的であって、熱伝導率と強度の向上効果も大きい。
また、上述のように、原料として用いるガラス粉末が、CaO、SrO、BaOを含有する場合、本発明の第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bにおいては、非酸化物系化合物結晶相とスピネル系化合物結晶相に加えて、ガラス相から結晶相として(M1)AlSi(M1はCa、Sr、Baのうちの少なくとも1種)結晶相を析出させると、焼結体の熱伝導率と強度の向上、特に針状に析出させることが可能であるため、強度の向上に効果的である。
したがって、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bは、例えば、ホウ珪酸系ガラス相と、スピネル系化合物結晶相、非酸化物化合物結晶相以外に、MAlSi(MはCa、Sr、Ba)結晶相(MAS)の相から構成される。
なお、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bにおいては、上記のスピネル系化合物結晶相、ムライト結晶相、コーディエライト結晶相、あるいはMAlSi(MはCa、Sr、Ba)結晶相、非酸化物系化合物結晶相以外にも、1つあるいは複数の酸化物結晶相を含有していても差し支えない。
これらの酸化物結晶相は、混合粉末の段階でフィラーとして添加してもよいし、またガラスの結晶化により析出させても差し支えなく、これらの酸化物結晶相を焼結体内部に含有させて、得られる焼結体の特性、例えば誘電率、誘電損失、熱膨張係数、破壊強度、破壊靭性、熱伝導率等を制御することが可能となる。
これらの酸化物結晶相の例としては、SiO、Al、ZrO、TiO、ZnO、MgSiO、MgSiO、ZnSiO、CaMgSi、ZnAlSi18の群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、用途に合わせて選択できる。上記酸化物結晶相はここに例示した結晶相に限定されるものではない。
なお、非酸化物系化合物結晶相を除く結晶相がフィラーとして添加されたものである場合には、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bにおける非酸化物系化合物結晶相を除く残部が、上述した割合となるように、ガラス粉末の成分を調整する。
続いて、本発明の配線基板1の製造方法について説明する。
まず、第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bとしてグリーンシートを作製する。グリーンシートは、所定の非酸化物系化合物粉末あるいはセラミック粉末組成物とガラス粉末と焼成途中で容易に分解する有機バインダーと有機溶剤および必要に応じて可塑剤とを混合し、スラリー化し、このスラリーを用いて、リップコーター法やドクターブレード法などの公知の成形法によりテープ成形を行い、所定寸法に切断しグリーンシートを作製する。なお、場合によっては、片方の絶縁層はペースト化し、スクリーン印刷法やグラビア印刷法などの公知の印刷法により形成することも可能である。
次にこのグリーンシートにパンチングやレーザーなどによって貫通孔を形成し、その貫通孔内に導体ペーストを充填し、また、表面導体層や内部導体層を、導体ペーストを用いてスクリーン印刷法などによって被着形成する。
導体ペーストとして、Ag粉末、Cu粉末のいずれかに対して、有機バインダ、有機溶剤、必要に応じて添加剤を加えて、3本ロール等で混練したものを用いる。充填には、貫通導体形成位置に一致する箇所に穿孔されたメタルマスク、あるいは、エマルジョンメッシュスクリーンマスクを用いて、スクリーン印刷する方法を用いる。さらに、表面導体層や内部導体層を導体ペーストを用いてスクリーン印刷法などによって被着形成する。
内部導体および表層導体については、主成分となる金属粉末はビアホール導体の主成分とおなじものを用いることができる。両導体とも、導体用ペーストとして金属粉末に添加する有機ビヒクル、有機溶剤、ガラス粉末等その添加の有無および量について特に限定されず、適宜調整して添加することができる。
このようにして得られた各グリーンシートを、所定の第1のガラスセラミック絶縁層3aおよび第2のガラスセラミック絶縁層3bの積層順序に応じて積層して積層体を形成した後、導体がCuであるときは窒素雰囲気下、導体がAgであるときは窒素または大気雰囲気下で焼成する。
焼成にあたっては、昇温して、第1のガラスセラミック絶縁層3aの収縮開始温度に到達後、徐々に昇温するか、または収縮開始温度、あるいは収縮開始温度以上かつ第2のガラスセラミック絶縁層3bの収縮開始温度よりも低い温度で、一次的に炉内温度を保持して第1のガラスセラミック絶縁層3aが最終焼成体積収縮量の98%以上焼成収縮が進行するまで保持する。この時、第1のガラスセラミック絶縁層3aは、その温度で焼成収縮しない第2のガラスセラミック絶縁層3bによって平面方向への収縮が抑制され厚み方向に焼成収縮する。その後、第1のガラスセラミック絶縁層3aが最終焼成体積収縮量の90%以上収縮した後、第2のガラスセラミック絶縁層3bの収縮開始温度以上に昇温して焼成する。
第1のガラスセラミック絶縁層3aが焼成収縮を開始する際に第2のガラスセラミック絶縁層3bがX−Y方向における焼成収縮を抑制し、第1のガラスセラミック絶縁層3aが焼成収縮を終了すると、第2のガラスセラミック絶縁層3bの焼結が進行する際に、第1のガラスセラミック絶縁層3aがX−Y方向における焼成収縮を抑制する結果、焼結終了後の配線基板全体としてX−Y方向の焼成収縮を抑制でき、さらに、第1のガラスセラミック絶縁層3aに含まれるガラスの軟化温度が第2のガラスセラミック絶縁層3bに含まれるガラス粉末の軟化温度よりも低いため、焼成収縮率を0に近づけることができ、寸法精度の高い配線基板を得ることができる。
以上、詳述してきたように、本発明により、X−Y方向の焼成収縮が少なく、熱伝導率の高い、すなわち寸法精度が高くかつ熱放散性が高い基板を提供することが可能となる。
絶縁基板3は、例えば、複数の絶縁層が積層一体化されて構成されている。なお、絶縁基板3の積層数は、例えば2〜50層としてもよい。また、図1では、配線導体層間に2種類の絶縁層が配置されているが、配線導体層間に1種類の絶縁層が配置されていても差し支えない。
まず、表1、表2に示すガラス粉末とセラミック粉末とに、有機バインダーとしてメタクリル樹脂、有機溶剤としてトルエン、および可塑剤とを混合してスラリーを作製し、これをドクターブレード法により成形し、焼成後に配線基板の絶縁層となるグリーンシートを作製した。
なお、第1のガラスセラミック絶縁層に用いたガラス粉末の軟化温度TS1と、第2のガラスセラミック絶縁層に用いたガラス粉末の軟化温度TS2は、DTA(示唆熱分析)により、10℃/分で昇温して得られた曲線から決定した。その結果を表1、表2に示す。
また、第1のガラスセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度T1および第2のガラスセラミック絶縁層の焼成収縮開始温度T2を表1、2に示す。これらの測定は、表1、表2に示した各絶縁層の組成物についてワックスを添加して、100MPaでプレスすることにより成形体を別途形成し、この成形体に対して空気中で10℃/分の昇温速度で行ったTMA(熱機械分析)により、40℃〜1000℃の温度範囲の焼成収縮開始温度T1、T2、40℃〜900℃における熱膨張係数を評価した。なお、焼成収縮開始温度T1、T2は成形体が熱膨張により最も膨張した点から高温側で3%焼成収縮した温度とした。
得られたグリーンシートの所定の位置にパンチング等により貫通孔を形成し、この貫通孔にAg粉末を含む導電性ペーストを充填するとともに、この導電性ペーストを絶縁層表面にスクリーン印刷して配線パターンを形成した後、これを乾燥させた。そして、これらの絶縁層を図1に示した絶縁層の構成と同じ積層体となるように、第1のガラスセラミック絶縁層を最上層および最下層に配置される絶縁層とし、これらに挟まれる絶縁層を第2のガラスセラミック絶縁層として積層した。
第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層としては、表3および表4に示す絶縁層をそれぞれ選択して組み合わせた。得られた積層体を、大気中400℃で脱有機バインダー処理し、さらに910℃で焼成し、図1に示す配線基板を作製した。なお、各絶縁層の厚みは、0.1mmであり、配線基板の大きさは、縦100mm、横100mm、厚み0.7mmであった。次に、焼成前に測定しておいた積層体の所定のポイント間の長さと、焼成後の配線基板の同一ポイント間の長さから、配線基板のX−Y方向の焼成収縮率を測定した。
また、同様の配線基板を200個作製し、得られた200個の収縮率の最大値と最小値の差を寸法精度として算出し、結果を表3および表4に示した。
またさらに、配線基板の第1の絶縁基板層および第2の絶縁基板層の結晶について以下の評価を行なった。第1の絶縁基板層および第2の絶縁基板層に含有される結晶相を、XRD回折パターン(2θ=10°〜80°)から確認した。また、ZnOを標準資料として用い、リートベルト解析法により第1のガラスセラミック絶縁層および第2のガラスセラミック絶縁層の結晶化度を算出した。
また、表3および表4の組み合わせに基づき作製した配線基板において、配線を具備しない絶縁基板を作製し、この絶縁基板の一方の主面にパルス光を照射して、レーザーフラッシュ法にて熱伝導率を測定した。結果を表3および表4に示す。
Figure 2008270741
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Figure 2008270741
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表1〜4の結果から明らかなように、本発明の基板は、X−Y方向の焼成収縮が小さいために寸法精度が高く、かつ熱伝導率が高い特徴を有する。
これに対して、第1のガラスセラミック絶縁層または第2のガラスセラミック絶縁層に含まれるガラスの組成範囲が本発明の範囲外の試料では、X−Y方向の焼成収縮率が5%を超える、あるいは熱伝導率が2W/(m・K)未満であった。
また、実施例で作製した試料を、蛍光X線分析装置で組成分析した。得られた組成から、前述のリートベルト解析により算出した非酸化物結晶相の割合を差し引いたものを非酸化物結晶相以外の残部であるとして、その残部の組成を算出したところ、各絶縁基板層の組成は、調合した原料組成と同じであった。
本発明の基板の一実施形態である配線基板の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・配線基板
3・・・絶縁基板
3a・・・第1のガラスセラミック絶縁層
3b・・・第2のガラスセラミック絶縁層
5・・・配線導体層である表面導体層
7・・・配線導体層である内部導体層

Claims (4)

  1. 異なる焼成収縮開始温度で焼成収縮した2種類のガラスセラミック絶縁層を含み、低温側で焼成収縮した第1のガラスセラミック絶縁層と該第1のガラスセラミック絶縁層よりも高温側で焼成収縮した第2のガラスセラミック絶縁層とが接するように積層された絶縁基体と、該絶縁基体の表面および内部に形成された配線導体層とを具備する配線基板において、
    前記第1のガラスセラミック絶縁層および前記第2のガラスセラミック絶縁層は、スピネル系化合物結晶相と、AlN、Si、SiCおよびBNの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合物結晶相とを含有しており、前記第1のガラスセラミック絶縁層における前記非酸化物系化合物結晶相の総量は前記第2のガラスセラミック絶縁層における前記非酸化物系化合物結晶相の総量より3〜10質量%多く、
    前記第1のガラスセラミック絶縁層における前記非酸化物系化合物結晶相を除く残部は、SiをSiO換算で10〜54質量%、AlをAl換算で3〜35質量%、ZnをZnO換算で2〜25質量%、BをB換算で8〜25質量%、MgをMgO換算で0〜30質量%、Ca、SrおよびBaの群から選ばれる少なくとも一種を酸化物換算で0〜50質量%含有し、前記第2のガラスセラミック絶縁層における前記非酸化物系化合物結晶相を除く残部は、SiをSiO換算で11〜55質量%、AlをAl換算で3〜35質量%、ZnをZnO換算で2〜25質量%、BをB換算で3〜20質量%、MgをMgO換算で0〜30質量%、Ca、SrおよびBaの群から選ばれる少なくとも一種を酸化物換算で0〜50質量%含有しており、
    前記第1のガラスセラミック絶縁層における残部のSi含有量が前記第2のガラスセラミック絶縁層における残部のSi含有量よりもSiO換算で1〜21質量%少なく、前記第1のガラスセラミック絶縁層における残部のB含有量が前記第2のガラスセラミック絶縁層における残部のB含有量よりもB換算で5質量%以上多く、
    前記第1のガラスセラミック絶縁層および前記第2のガラスセラミック絶縁層の熱伝導率が2〜10W/(m・K)であることを特徴とする配線基板。
  2. 前記スピネル系化合物結晶相が、ガーナイト結晶相であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記第1のガラスセラミック絶縁層および前記第2のガラスセラミック絶縁層が、ムライト結晶相およびコーディエライト結晶相の少なくともいずれか一方を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 前記第1のガラスセラミック絶縁層および前記第2のガラスセラミック絶縁層が、(M1)AlSi(M1はCa、SrおよびBaのうちの少なくとも1種)結晶相を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板。
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