JP2005191310A - ビア導体形成用導電ペーストおよびこれを用いた回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ビア導体と配線導体との接続信頼性に優れるとともに、表面の平坦性が良好で電子部品の実装性が良好な回路基板を得る。
【解決手段】 金属粉末、溶剤及び有機バインダーを含み、且つ溶剤に対して難溶性の樹脂粉末を、金属粉末100重量部に対して0.1重量部乃至5.0重量部の範囲で外添加してなることを特徴とするビア導体形成用導電ペースト。
【選択図】 図1
【解決手段】 金属粉末、溶剤及び有機バインダーを含み、且つ溶剤に対して難溶性の樹脂粉末を、金属粉末100重量部に対して0.1重量部乃至5.0重量部の範囲で外添加してなることを特徴とするビア導体形成用導電ペースト。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ICチップやチップ状電子部品などを搭載するための回路基板のビアホール充填に用いられるビア導体形成用導電ペーストおよびこれを用いた回路基板の製造方法に関する。
従来、共振器やコンデンサ、コイル、フィルタ等の素子が形成されるモジュール用の基板として、あるいは半導体素子やチップコンデンサ、チップ抵抗器等を搭載する基板としてセラミックスやガラス−セラミックス等の無機絶縁材料を焼結して成る回路基板が用いられている。そして通常、回路基板はその上下面に配線導体が形成されているとともに上下面に位置する配線導体間が基板のビアホールに充填されたビア導体を介して電気的に接続された構成となっている。
近年このような回路基板は、電子機器の高密度化に伴って配線導体の幅が数10〜数100μmと狭くなってきているとともに、ビアホールの直径も50〜300μm程度と小さなものとなってきている。
このような回路基板は、次に述べる方法によって製作される。例えば回路基板がガラス−セラミックスから成る場合、まず、酸化珪素,酸化アルミニウム等のガラス粉末およびセラミックス粉末から成る原料粉末に適当な有機バインダーや溶剤、さらに必要に応じて可塑剤等を添加混合して泥漿物を作る。次に、この泥漿物をドクターブレード法やカレンダーロール法を用いて、厚みが25〜300μm程度のグリーンシート(生シート)を成型する。次に、このグリーンシートを、後述する焼成時にグリーンシートの各寸法が数%〜数十%程度収縮することを考慮して、完成品としての回路基板の寸法よりも大きな寸法に切断する。次に、グリーンシートの所定の位置にレーザ法やパンチング法を用いて、直径が50〜300μm程度のビアホールを穿孔する。次に、このビアホールに従来周知のスクリーン印刷法や埋め込み法を用いて、銅や銀,ニッケル等の金属粉末と溶剤,有機バインダー等から成るビア導体形成用導電ペーストを充填し、その後このビア導体形成用導電ペーストを乾燥する。次に、グリーンシートの上面または下面、あるいは必要に応じて上下面に、前述のビアホールに充填したビア導体形成用導電ペーストと接するように、従来周知のスクリーン印刷法を用いて銅や銀,ニッケル等の金属粉末と溶剤,有機バインダー等から成るパターン形成用導電ペーストを配線パターン状に印刷し、その後このパターン形成用導電ペーストを乾燥する。最後に、ビア導体形成用導電ペーストを充填するとともにパターン形成用導電ペーストを印刷したグリーンシートを、あるいは必要に応じて上下に位置するビア導体形成用導電ペーストやパターン形成用導電ペーストが接するように積層したグリーンシートの積層体を、700〜1600℃程度の温度で数十分〜数時間焼成することにより、単層の回路基板あるいは複数のグリーンシートを積層して成る回路基板が得られる。
なお通常、配線導体となるパターン形成用導電ペーストは、その粘度が印刷後の配線導体の保型性を考慮して高めに設定されている。また、ビア導体となるビア導体形成用導電ペーストは、その粘度がビアホールへの充填性等を考慮して適宜設定されている。
特開平6−268345号公報
しかしながら従来の回路基板においては、次のような課題を有していた。すなわち、ビア導体形成用導電ペースト中の溶剤の比率が高い場合、図3に従来の回路基板の断面図で示すように、ビア導体形成用導電ペーストの体積が溶剤の蒸発やグリーンシートへの浸透により乾燥後に大きく収縮するとともにその表面も凹状に、すなわち凹部底面がグリーンシート表面から30μm以上も大きく窪んでしまう(図3(a)参照。)。乾燥後のビア導体形成用導電ペーストの表面の凹部底面がグリーンシート表面から30μm以上も大きく窪んでしまうと、その後グリーンシート表面にパターン形成用導電ペーストを用いて配線導体となるパターンを形成する際に、パターン形成用導電ペーストの粘度を高めに設定しているためにパターン形成用導電ペーストが乾燥後のビア導体形成用導電ペースト上面に形成された凹部を完全に埋めることが困難となり、乾燥後のビア導体形成用導電ペーストと乾燥後のパターン形成用導電ペースト配線導体との間の接触が不十分となってしまい(図3(b))、その結果、これらを焼成した際にビア導体と配線導体との間で剥離が生じて断線してしまう、あるいは接続信頼性が低下してしまうという課題を有していた。
逆に、ビア導体形成用導電ペースト中の溶剤の比率が低い場合、図4に従来の回路基板の断面図で示すように、溶剤の蒸発やグリーンシートへの浸透により乾燥後のビア導体形成用導電ペーストの体積が大きく収縮することはなくその表面をグリーンシートの表面と略同一の位置とすることができ(図4(a)参照。)、グリーンシート表面にパターン形成用導電ペーストで配線導体となるパターンをビア導体形成用導電ペーストと良好に接するように形成することができる(図4(b)参照。)ものの、グリーンシートを焼成した際にグリーンシートの各寸法が収縮するとともにビアホールの体積も収縮してしまい、その結果、ビア導体がビアホールから押し出されて回路基板表面にビア導体による突起物が形成され(図4(c)参照。)、回路基板表面の平坦性が損なわれるとともに電子部品の実装が困難となるという課題を有していた。また、複数のグリーンシートを積層して成る回路基板においては、ビア導体による突起物により層間の密着性が低下するという課題も有していた。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、ビア導体と配線導体との接続信頼性に優れるとともに、表面の平坦性が良好で電子部品の実装性が良好な回路基板を提供することにある。
本発明のビア導体形成用導電ペーストは、金属粉末、溶剤及び有機バインダーを含み、且つ前記溶剤に対して難溶性の樹脂粉末を、前記金属粉末100重量部に対して0.1重量部乃至5.0重量部の範囲で外添加してなることを特徴とするものである。
また、本発明の回路基板の製造方法は、無機絶縁物を主成分とするグリーンシートに形成されたビアホールに上述のビア導体形成用導電ペーストを充填する工程と、前記グリーンシートの表面に、前記ビアホール内の前記ビア導体形成用導電ペーストと接するようにしてパターン形成用導電ペーストを塗布する工程と、前記グリーンシート、前記ビア導体形成用導電ペースト及び前記パターン形成用導電ペーストを前記樹脂粉末の焼失温度よりも高温で焼成する工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明のビア導体形成用導電ペーストによれば、ビア導体形成用導電ペーストが溶剤に対して難溶性の樹脂粉末を金属粉末100重量部に対して0.1重量部乃至5.0重量部の範囲で外添加してなることから、ビア導体形成用導電ペースト中の溶剤の比率を低くして乾燥後のビア導体形成用導電ペーストの表面をグリーンシートの表面と略同一の位置となるようにしその後これらを焼成したとしても、焼成時にビア導体形成用導電ペースト中の樹脂粉末が燃焼,消滅してその体積が減少するので、グリーンシートを焼成した際にグリーンシートの各寸法が収縮してビアホールの体積が収縮したとしても、ビア導体がビアホールから押し出されて回路基板表面にビア導体による突起物が形成されることはなく、表面が平坦な回路基板とすることができる。また、ビア導体形成用導電ペースト中の溶剤の比率を低くして乾燥後のビア導体形成用導電ペーストの表面をグリーンシートの表面と略同一の位置となるようにできるので、乾燥後のビア導体形成用導電ペーストと配線導体となる乾燥後のパターン形成用導電ペーストとの接触を良好なものとすることができ、これらを焼成した際にビア導体と配線導体との間で剥離が生じて断線したり接続信頼性が低下したりすることのない回路基板とすることができる。
また、本発明の回路基板の製造方法によれば、無機絶縁物を主成分とするグリーンシートに形成されたビアホールに樹脂粉末を含有するビア導体形成用導電ペーストを充填する工程と、グリーンシートの表面に、ビアホール内のビア導体形成用導電ペーストと接するようにしてパターン形成用導電ペーストを塗布する工程と、グリーンシート、ビア導体形成用導電ペースト及びパターン形成用導電ペーストを樹脂粉末の焼失温度よりも高温で焼成する工程とを含むことから、焼成時にビア導体形成用導電ペースト中の樹脂粉末が消失してビア導体の体積が減少するので、グリーンシートを焼成した際にグリーンシートの各寸法が収縮してビアホールの体積が収縮したとしても、ビア導体がビアホールから押し出されて回路基板表面にビア導体による突起物が形成されることはなく、表面が平坦な回路基板を提供することができる。
以下、本発明のビア導体形成用導電ペーストおよびこれを用いた回路基板の製造方法を説明する。
本発明のビア導体形成用導電ペーストは、主として金属粉末、溶剤および有機バインダーと、含有する溶剤に対して難溶性で、金属粉末100重量部に対して0.1〜5.0重量部の範囲で外添加された樹脂粉末とで構成されている。
このビア導体形成用導電ペーストは、セラミックスやガラス、ガラス−セラミックス等の無機絶縁物を焼成して成る基板に形成されるビア導体用のものであり、これら無機絶縁物のグリーンシートと一体的に焼成されることによりビア導体となる。
ビア導体形成用導電ペーストの金属粉末の材料としては、主に銅や銀,金,ニッケルあるいはこれらを主成分とする、一般的なビア導体形成用の金属が用いられる。このような金属粉末の粒子径は0.5〜20μmの範囲が好ましく、平均粒子径は1.5〜4.5μmの範囲が好ましい。平均粒子径が1.5μm未満となると、金属粉末同士が凝集しやすくなって良好な分散を得ることが困難となる傾向があり、4.5μmを超えると、粒子径が大きくなりすぎてやはり良好な分散を得ることが困難となる傾向がある。従って、金属粉末の平均粒子径は1.5〜4.5μmの範囲が好ましい。なお、金属粉末の形状は、ビア導体形成用導電ペーストの流動性,ビアホールへの充填性という観点からは略球状が好ましいが、フレーク状,針状等の他の形状でもよい。
次に、ビア導体形成用導電ペーストの溶剤としては、2,2,4−トリメチル−1,3−ベンタンジオールモノイソブチレートやテルピネオール等の一般的に導電ペーストに用いられる溶剤が用いられる。また、有機バインダーも、エチルセルロース等の一般的に導電ペーストに用いられる有機バインダーが用いられる。
そして、本発明のビア導体形成用導電ペーストには、含有する溶剤に対して難溶性の樹脂粉末が金属粉末100重量部に対して0.1〜5.0重量部の範囲で外添加されている。また、このことが重要である。
本発明のビア導体形成用導電ペーストによれば、ビア導体形成用導電ペーストが溶剤に対して難溶性の樹脂粉末を金属粉末100重量部に対して0.1重量部乃至5.0重量部の範囲で外添加してなることから、ビア導体形成用導電ペースト中の溶剤の比率を低くして乾燥後のビア導体の表面をグリーンシートの表面と略同一の位置となるようにしその後これらを焼成したとしても、焼成時にビア導体形成用導電ペースト中の樹脂粉末が燃焼,消滅してビア導体の体積が減少するので、グリーンシートを焼成した際にグリーンシートの各寸法が収縮してビアホールの体積が収縮したとしても、ビア導体がビアホールから押し出されて回路基板表面にビア導体による突起物が形成されることはなく、表面が平坦な回路基板とすることができる。
また、ビア導体形成用導電ペースト中の溶剤の比率を低くして乾燥後のビア導体形成用導電ペーストの表面をグリーンシートの表面と略同一の位置となるようにできるので、乾燥後のビア導体形成用導電ペーストと配線導体となる乾燥後のパターン形成用導電ペーストとの接触を良好なものとすることができ、これらを焼成した際にビア導体と配線導体との間で剥離が生じて断線したり接続信頼性が低下したりすることのない回路基板とすることができる。
なお、樹脂粉末の添加量が金属粉末100重量部に対して0.1重量部未満であると、樹脂粉末の量が少なすぎて樹脂粉末添加の効果が得られなくなる傾向がある。また、樹脂粉末の添加量が金属粉末100重量部に対して5.0重量部を超えると、焼成後にビアホール内壁面とビア導体との間で剥離が生じ、その結果、隙間が発生して接続信頼性が低下する危険性がある。従って、樹脂粉末の添加量は金属粉末100重量部に対して0.1〜5.0重量部であることが重要である。
また、ここで難溶性とは、25℃の溶剤に対しての溶解度が5質量%以下をさす。溶解度が5質量%を超えるとビア導体形成用導電ペーストの粘度が時間とともに高くなってビア導体形成用導電ペーストの粘度をコントロールすることが困難となり、その結果、微細なビアホールにビア導体形成用導電ペーストを精度よく充填することが困難となる傾向がある。また、溶解度が5質量%を超えると、樹脂粉末の大きさが急激に小さくなり始めることから、後述する樹脂粉末の平均粒子径をコントロールすることが困難となる傾向がある。
このような樹脂粉末の材料としては、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂,エンジニアリングプラスチック樹脂等が用いられ、使用する溶剤との溶解度を考慮して決められる。
なお、樹脂粉末の平均粒子径は金属粉末の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。樹脂粉末の平均粒子径が金属粉末の平均粒子径よりも小さいと、樹脂粉末の粒子が金属粉末の粒子間を容易に移動することが可能となり、その結果、樹脂粉末がペースト中で偏在してしまい、ビア導体形成用導電ペーストをビアホールに充填,焼成後に、上述した所望の効果を得ることが困難となる傾向がある。これに対し樹脂粉末の平均粒子径が金属粉末の平均粒子径よりも大きいと、樹脂粉末の粒子が金属粉末の粒子間を容易に移動することが困難となるので、樹脂粉末がペースト中に良好に分散した状態を保つことができ、その結果、焼成時にビア導体の体積を良好に減少させることができる。
また、樹脂粉末の粒子径は、0.5〜20μmの範囲が好ましく、平均粒子径は3.0〜15.0μmの範囲が好ましい。平均粒子径が3.0μm未満となると、樹脂粉末間で、あるいは金属粉末間で凝集しやすくなって良好な分散を得ることが困難となる傾向があり、平均粒子径が15.0μmを超えると、複数個の樹脂粉末が近接して位置するような場合には、焼成後にビア導体内部に大きな空洞ができてビア導体の導通信頼性が低下する危険性がある。従って、平均粒子径は3.0〜15.0μmの範囲が好ましい。
なお、樹脂粉末の形状は、ビア導体形成用導電ペースト中へ良好に分散させるという観点からは略球状が好ましいが、フレーク状,針状等の形状でもよい。
このようなビア導体形成用導電ペーストとして、例えば、溶剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ベンタンジオールモノイソブチレートを13重量部と、金属粉末としての銀を86重量部と、有機バインダーとしてのエチルセルロースを1重量部と、そして樹脂粉末としてのアクリルボールを金属粉末に対して0.5重量部とを混合後、攪拌機で数分〜数時間攪拌したものを例示することができる。
なお、ビア導体形成用導電ペーストの粘度は、充填するビアホールの直径や基板の厚み等によって決めればよいが、通常は3000〜6000ポイズ程度に調整されている。
次に、本発明のビア導体形成用導電ペーストを用いた回路基板の製造方法を、図1、図2に基づいて説明する。図1は、本発明の製造方法によって製作された回路基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2(a)〜(d)は、本発明の製造方法を説明するための、各製造工程の回路基板の断面図である。なお、図1、図2の実施例では、単層の回路基板を示している。
回路基板1は、主として基板2、ビア導体3、ビアホールHおよび配線導体4から構成されている。なお、1aは焼成前の回路基板,2aはグリーンシート,3aはビア導体形成用導電ペースト,4aはパターン形成用導電ペーストである。
回路基板1は、共振器やコンデンサ、コイル、フィルタ等の素子を形成するモジュール用の基板として、あるいは半導体素子やチップコンデンサ、チップ抵抗器等を搭載する基板として使用される。
このような回路基板1は、次に述べる方法により製作される。
まず、図2(a)に示すように、無機絶縁物を主成分とするグリ−ンシート2aを準備する。なお、ここで無機絶縁物とは、具体的にはSiO2やAl2O3,MgO,CaO,BaO,SrO,B2O3,ZnO,TiO2,Na2O,Li2O等のガラスを単独であるいは複数混合した材料やAl2O3やSiO2,MgTiO3,CaZrO3,CaTiO3,Mg2SiO4,BaTiO4,ZrTiO4,SrTiO4,BaTiO3,TiO2等のセラミックスを単独であるいは混合した材料、あるいは上述のガラス成分ややセラミックス成分を混合した材料を指す。
なお、具体的なガラス組成として、SiO2 20〜70重量部,Al2O3 0.5〜30重量部,MgO 3〜60重量部,CaO 0〜35重量部,BaO 0〜35重量部,SrO 0〜35重量部,B2O3 0〜20重量部,ZnO 0〜30重量部,TiO2 0〜10重量部,Na2O 0〜3重量部,Li2O 0〜5重量部を例示することができる。
また、上述のガラス組成と、導電ペーストの金属粉末として銀(融点960℃)や銅(融点1083℃),金(融点1063℃)等の低融点,低抵抗の金属とを組み合わせて回路基板を製作することにより、1000℃以下での低温焼成が可能となるとともに、低損失の回路基板が製作できる。さらに、誘電率の制御も可能であり、高誘電率化による回路の小型化,低損失化、あるいは低誘電率化による高速伝送が可能な回路基板を製作することができる。また、上記組成の範囲で、焼成時の収縮挙動を容易に制御することもできる。
グリーンシート2aは、上述の原料粉末に適当な溶剤,有機バインダー、さらに必要に応じて可塑剤等を添加混合して泥漿物を作り、この泥漿物を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法を用いることによって、10〜300μmの厚みに製作される。なお、有機バインダーを混ぜた後にスプレードライヤーで粒子状に乾燥させた原料粉末を、プレス成型法により板(シート)状に成型してもよい。
次に、図2に示すように、グリーンシート2aにビアホールHを穿孔する。ビアホールHは直径が50〜300μmであり、その内部にはビア導体3が形成される。このようなビアホールHは、従来周知のレーザ法やパンチング法を採用することによって形成される。なお、図1および図2では、ビアホールHの数を1個しか記載していないが、必要に応じて2個以上のビアホールHを穿孔してもよい。
次に、図2(c)に示すように、ビアホールHにビア導体3となるビア導体形成用導電ペースト3aを、スクリーン印刷法や埋め込み法を用いて、その表面がグリーンシート2aの表面と略同一の位置となるように充填する。ビア導体3は回路基板4の上下面に位置する配線導体4同士を電気的に接続するためのものであり、これにより回路基板1の配線導体4を三次元的に配線することが可能となっている。
なお、ビア導体形成用導電ペースト3aは、上述したように金属粉末、溶剤及び有機バインダーを含み、且つ溶剤に対して難溶性の樹脂粉末を、金属粉末100重量部に対して0.1重量部乃至5.0重量部の範囲で外添加したものとなっている。
このようなビア導体形成用導電ペースト3aとして、例えば、溶剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ベンタンジオールモノイソブチレートを12.5重量部と、金属粉末としての銀を86重量部と、有機バインダーとしてのエチルセルロースを1重量部と、そして樹脂粉末としてのアクリルボールを金属粉末に対して0.5重量部とを混合したペーストを例示することができる。
なお、ビア導体形成用導電ペースト3aの粘度は3000〜6000ポイズの範囲が好ましく、粘度が3000ポイズ未満であると、充填後の形状が凹み形状になったり、充填されたペーストが滲んだりする傾向があり、粘度が6000ポイズを超えると製版からペーストが出にくくなり充填不足になる傾向がある。従って、ビア導体形成用導電ペースト3aの粘度は3000〜6000ポイズの範囲が好ましい。
次に、図2(d)に示すように、グリーンシート2aの表面に、ビアホールH内のビア導体形成用導電ペースト3aと接するようにして、配線導体4となるパターン形成用導電ペースト4aを用いて塗布する。なお、配線導体4は、コンデンサやコイル,フィルタ等の素子を形成するための電極の機能や、回路基板に半導体素子やチップコンデンサ,チップ抵抗器等の部品を実装する際のパッドの機能,素子同士や部品同士,素子−部品間を電気的に接続する導電路の機能を有する。
パターン形成用導電ペースト4aは、銅や銀、ニッケル等の金属粉末と溶剤,有機バインダー等からなり、従来周知のスクリーン印刷法等を用いて印刷,塗布される。なお、通常は、パターン形成後から乾燥までの保型性,ニジミの防止等の観点からは、粘度が高めに設定されている。
なお、パターン形成用導電ペースト4aは、その一部でもビア導体形成用導電ペースト3aに接していればよいが、接続信頼性の観点からは、ビア導体形成用導電ペースト3aの表面全体を覆って接していることが好ましい。
次に、グリーンシート2a、ビア導体形成用導電ペースト3a及びパターン形成用導電ペースト4aを樹脂粉末の焼失温度よりも高温、すなわちガラスやセラミックスの焼成温度である700〜1600℃で数分〜数時間焼成する。なお、ビア導体形成用導電ペースト3a中の樹脂粉末を焼失するという観点からは、酸化雰囲気中で焼成することが好ましい。
本発明の回路基板の製造方法によれば、無機絶縁物を主成分とするグリーンシート2aに形成されたビアホールHに樹脂粉末を含有するビア導体形成用導電ペースト3aを充填する工程と、グリーンシート2aの表面に、ビアホールH内のビア導体形成用導電ペースト3aと接するようにしてパターン形成用導電ペースト4aを塗布する工程と、グリーンシート2a、ビア導体形成用導電ペースト3a及びパターン形成用導電ペースト4aを樹脂粉末の焼失温度よりも高温で焼成する工程とを含むことから、焼成時にビア導体形成用導電ペースト3a中の樹脂粉末が消失してビア導体3の体積が減少するので、グリーンシート2aを焼成した際にグリーンシート2aの各寸法が収縮してビアホールHの体積が収縮したとしても、ビア導体3がビアホールHから押し出されて回路基板1表面にビア導体3による突起物が形成されることはなく、表面が平坦な回路基板1を提供することができる。
また、ビア導体形成用導電ペースト3a中の溶剤の比率を低くして乾燥後のビア導体3の表面をグリーンシート2aの表面と略同一の位置となるようにできるので、ビア導体3と配線導体4との接続を十分なものとすることができ、これらを焼成した際にビア導体3と配線導体4との間で剥離が生じて断線したり接続信頼性が低下したりすることのない回路基板1とすることができる。
かくして本発明のビア導体形成用導電ペーストおよびこれを用いた回路基板の製造方法によれば、ビア導体と配線導体との接続信頼性に優れるとともに、表面の平坦性が良好で電子部品の実装性が良好な回路基板を提供することができる。
まず、直径が100μmのビアホールを有する、厚みが190μmのSiO2,Al2O3を主成分とするガラス−セラミックスから成るグリーンシートを複数枚用意した。次に、金属粉末として平均粒子径が3.0μmのAg粉末を、樹脂粉末として平均粒子径が5.0μmのアクリル粒子を準備した。
次に、溶剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ベンタンジオールモノイソブチレートを13重量部と、金属粉末としての銀を86重量部と、有機バインダーとしてのエチルセルロースを1重量部と、そして樹脂粉末としてのアクリル粒子を金属粉末に対して0から5.5重量部とを混合したビア導体形成用導電ペースト作成した。
これらのビア導体形成用導電ペーストをスクリーン印刷法を用いてグリーンシートのビアホールに、ビア導体形成用導電ペーストの表面とグリーンシートの表面の位置とが同じ高さとなるように充填し、その後、70℃で30分間乾燥した。この乾燥後のビア導体形成用導電ペーストの窪み状態をレーザ式膜厚測定機を用いて測定した。さらに、グリーンシートの表面にパターン形成用導電ペーストを印刷し、さらにグリーンシートを910℃,1時間焼成し、焼成後の道通不良の発生の有無を確認した。測定結果を表1に示す。
表1に示すように、樹脂粉末の添加量が金属粉末100重量部に対して0.1重量部未満の場合(試料番号1,2)、グリーンシート表面から、乾燥してビア導体形成用導電ペーストの体積が収縮して形成されたその表面の凹部底面までの深さが30μmを超える値となり、また、焼成後に配線導体との間で接続不良が発生した。また、樹脂粉末の添加量が金属粉末100重量部に対して5.0重量部を超えると(試料番号10,11)、グリーンシート焼成後にビアホール内面とビア導体とが剥離して、隙間ができてしまった。
これに対して、樹脂粉末の添加量が金属粉末100重量部に対して0.1〜5.0重量部の試料では(試料番号3〜9)、乾燥後のグリーンシート表面からビア導体形成用導電ペーストの体積が収縮して形成されたその凹部底面までの深さが30μm未満となり、焼成後に配線導体との間で接続不良は発生しなかった。さらに、ビアホール内面とビア導体とが剥離して、隙間ができることもなかった。
1・・・・・・回路基板
2・・・・・・基板
3・・・・・・ビア導体
4・・・・・・配線導体
H・・・・・・ビアホール
2・・・・・・基板
3・・・・・・ビア導体
4・・・・・・配線導体
H・・・・・・ビアホール
Claims (2)
- 金属粉末、溶剤及び有機バインダーを含み、且つ前記溶剤に対して難溶性の樹脂粉末を、前記金属粉末100重量部に対して0.1重量部乃至5.0重量部の範囲で外添加してなることを特徴とするビア導体形成用導電ペースト。
- 無機絶縁物を主成分とするグリーンシートに形成されたビアホールに請求項1記載のビア導体形成用導電ペーストを充填する工程と、
前記グリーンシートの表面に、前記ビアホール内の前記ビア導体形成用導電ペーストと接するようにしてパターン形成用導電ペーストを塗布する工程と、
前記グリーンシート、前記ビア導体形成用導電ペースト及び前記パターン形成用導電ペーストを前記樹脂粉末の焼失温度よりも高温で焼成する工程と、を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
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